JP2972545B2 - 山止め壁の解体方法 - Google Patents

山止め壁の解体方法

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JP2972545B2 JP7093575A JP9357595A JP2972545B2 JP 2972545 B2 JP2972545 B2 JP 2972545B2 JP 7093575 A JP7093575 A JP 7093575A JP 9357595 A JP9357595 A JP 9357595A JP 2972545 B2 JP2972545 B2 JP 2972545B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は山止め壁の解体方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、地下外壁躯体を構築する際には
根切り部の山止めを行なうために柱列山止め壁等の山止
め壁が構築される。
【0003】この山止め壁の内側には地下外壁躯体が構
築されるため、この地下外壁躯体が山止め壁で囲まれた
状態となっている。
【0004】そのため、例えば既存の建物を増築する場
合は、この山止め壁を解体撤去しなければならないが、
この解体において柱列山止め壁等はH形鋼等の芯材をガ
ス切断していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
山止め壁の解体方法はH形鋼等の芯材をガス切断してい
たため作業効率が悪いばかりでなく、作業がしにくいと
いう問題もあった。
【0006】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、作業効率の向上を図ると共
に、作業しやすい山止め壁の解体方法を提供することで
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めの手段は、請求項1の発明が、芯材としてH形鋼を使
用した柱列山止め壁に横方向に分割した所定長さの挿入
管を縦方向に適宜間隔ごとに予め設けておき、該挿入管
にワイヤソーを通して高速回転させて山止め壁を適宜大
きさに切断して撤去することにより、該山止め壁を上側
から下側にかけて解体することを特徴とする。また請求
項2の発明が、請求項1において、前記ワイヤーソーは
1段目の挿入管に挿入して高速回転させることにより、
1段目の山止め壁を切断して解体撤去した後、該山止め
壁が解体撤去された箇所に1段目の切梁を掛け渡すこと
を特徴とする。
【0008】
【作用】山止め壁の壁面に横方向に伸びる挿入管を予め
埋設しておき、前記山止め壁を解体する際に挿入管の端
を堀だし、この端から前記挿入管内にワイヤソーを通し
て山止め壁を適宜大きさに切断して撤去することによ
り、山止め壁が容易に解体できるとともに作業効率の向
上を図ることができる。
【0009】また、縦方向に適宜間隔ごとに設けられ、
かつ横方向において所定長さごとに分割された挿入管に
ワイヤソーを挿入して切断することにより、山止め壁を
任意の大きさにわけて解体することができる。
【0010】また、山止め壁を上側から下側にかけて解
体することにより、建物を増築する際の根切りの進捗状
況に応じて山止め壁の解体ができる。
【0011】また、前記山止め壁は柱列山止め壁である
ことにより、H形鋼等の芯材を容易に切断することがで
きる。
【0012】
【実施例】以下、山止め壁の解体方法の一実施例を図面
に基づいて詳細に説明する。図1は山止め壁の平面図、
図2は挿入管が埋設された山止め壁の横断面図、図3は
同山止め壁の縦断面、図4は挿入管の取付状態を示す斜
視図である。
【0013】本実施例における山止め壁1は芯材として
H形鋼2を使用した柱列山止め壁であり、図1に示すよ
うに、第1期工事で構築された建物の周囲に構築されて
いる。
【0014】そして、第2期工事において新たに建物を
増築する場合に、Aゾーンの山止め壁1Aを解体撤去し
て根切りを行なうものである。
【0015】前記Aゾーンにおける山止め壁1Aの建物
側面には、図2に示すように、ワイヤソーを挿入するた
めの挿入管3が取り付けられている。
【0016】この挿入管3は塩化ビニール製のいわゆる
CD管と呼ばれるものであり、山止め壁1の横方向に沿
って適宜長さに分割された状態で配管され、この状態で
山止め壁1の縦方向に適宜間隔ごとに配管されている。
【0017】この挿入管3は図4に示すように、固定金
具4によって芯材のH形鋼2に取り付けられてふかしコ
ンクリート5で被覆され、その端部が直角に折り曲げ形
成されている。この折り曲げ部6の先端は挿入管3内に
コンクリートが入らないようにキャップ7で閉塞されて
いる。
【0018】この折り曲げ部6の埋設箇所が判るよう
に、水平方向は芯材の通し番号を決めておくか、建物の
通り芯の位置を分割位置とするとわかりやすくなる。ま
た垂直方向は切梁架構予定位置等で決めておく。また、
本実施例例においては目印として折り曲げ部6に接続し
たワイヤー6aを壁面から突出させておくようにする。
【0019】以下、この山止め壁の解体方法を図6〜図
8に基づいて説明する。この山止め壁1は上側から下側
にかけて解体撤去するものであり、図1に示すように各
スパンaごと、すなわち山止め壁1の横方向に分割して
埋設された挿入管3ごとにワイヤソーをさし通して切断
する。
【0020】これは図6に示すように、まず第1次根切
りを行って1段目の挿入管3にワイヤソー8を挿入す
る。このワイヤソー8は、図7に示すように、山止め壁
1をはつって挿入管3の端部を掘り出した後、該端部の
キャップ7を取り外して挿入する。
【0021】次に、ワイヤソー8を高速回転させて山止
め壁1を切断するとともに、該切断箇所を解体重機で撤
去すると1段目の一部が解体される。このように挿入管
3がいわゆるCD管であり、かつ該CD管に挿入したワ
イヤソー8で山止め壁1を切断するため、芯材であるH
形鋼2も容易に切断することができる。
【0022】このような作業を図1において端から順
に、すなわち各スパンごとに行なうことにより1段目の
山止め壁1aが解体撤去されるので、そこに1段目の切
梁9を掛け渡す。
【0023】次に、2段目の根切りを行なうとともに、
2段目の山止め壁1bを切断解体して2段目の切梁を掛
け渡す。このように、以下3段目、4段目と順次繰り返
して5段目の根切りまで行なって、この根切り底までの
山止め壁1cを切断撤去して終了する。
【0024】
【発明の効果】山止め壁の壁面に横方向に伸びる挿入管
を予め設けておき、前記山止め壁を解体する際に挿入管
にワイヤソーを通して山止め壁を適宜大きさに切断して
撤去することにより、山止め壁が容易に解体できると共
に、作業効率の向上を図ることができる。
【0025】縦方向に適宜間隔ごとに設けられ、かつ横
方向において所定長さごとに分割された挿入管にワイヤ
ソーを挿入して切断することにより、山止め壁を任意の
大きさにわけて解体することができる。
【0026】山止め壁を上側から下側にかけて解体する
ことにより、建物を増築する際の根切りの進捗状況に応
じて山止め壁の解体ができる。
【0027】山止め壁が柱列山止め壁であっても芯材の
H形鋼を容易に切断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】敷地内に構築された山止め壁の平面図である。
【図2】山止め壁の横断面図である。
【図3】山止め壁の縦断面図である。
【図4】挿入管をH形鋼に取り付けた状態の斜視図であ
る。
【図5】挿入管の端部の断面図である。
【図6】山止め壁の解体方法を示す断面図である。
【図7】挿入管の端部の断面図である。
【図8】挿入管にワイヤソーを通した山止め壁の横断面
図である。
【符号の説明】
1 山止め壁 2 H形鋼 3 挿入管 4 固定金具 5 ふかしコンクリート 6 折り曲げ部 7 キャップ 8 ワイヤソー 9 切梁

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯材としてH形鋼を使用した柱列山止め
    壁に横方向に分割した所定長さの挿入管を縦方向に適宜
    間隔ごとに予め設けておき、該挿入管にワイヤソーを通
    して高速回転させて山止め壁を適宜大きさに切断して撤
    去することにより、該山止め壁を上側から下側にかけて
    解体することを特徴とする山止め壁の解体方法。
  2. 【請求項2】 前記ワイヤーソーは1段目の挿入管に挿
    入して高速回転させることにより、1段目の山止め壁を
    切断して解体撤去した後、該山止め壁が解体撤去された
    箇所に1段目の切梁を掛け渡すことを特徴とする請求項
    1に記載の山止め壁の解体方法。
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