JP2971618B2 - パルストランス及び高電圧パルス発生装置 - Google Patents
パルストランス及び高電圧パルス発生装置Info
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- JP2971618B2 JP2971618B2 JP3124336A JP12433691A JP2971618B2 JP 2971618 B2 JP2971618 B2 JP 2971618B2 JP 3124336 A JP3124336 A JP 3124336A JP 12433691 A JP12433691 A JP 12433691A JP 2971618 B2 JP2971618 B2 JP 2971618B2
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Description
【0001】[発明の目的]
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、放電励起レー
ザの励起用電源に使用される高電圧パルス発生装置に関
する。
ザの励起用電源に使用される高電圧パルス発生装置に関
する。
【0003】
【従来の技術】放電励起レーザに使われるパルス電源で
は、負荷に対して数10kV以上のパルス電圧を供給する
必要があるので、スイッチの電圧責務を軽減するため
に、従来からLC反転方式と称される回路が多用されて
いる。そのような回路の使用例は、例えば特開昭60-961
82号公報に記載されている。
は、負荷に対して数10kV以上のパルス電圧を供給する
必要があるので、スイッチの電圧責務を軽減するため
に、従来からLC反転方式と称される回路が多用されて
いる。そのような回路の使用例は、例えば特開昭60-961
82号公報に記載されている。
【0004】図4は上記特許公開公報に記載されたLC
反転回路による高電圧パルス発生装置を示す接続図で、
この回路方式によれば、スイッチSの電圧責務は回路中
に用いられるLC反転回路の段数をnとすれば、必要な
出力電圧のほぼn分の1に軽減されるので、電圧責務の
低いスイッチを用いて負荷に対して十分な高電圧パルス
を供給することができる。
反転回路による高電圧パルス発生装置を示す接続図で、
この回路方式によれば、スイッチSの電圧責務は回路中
に用いられるLC反転回路の段数をnとすれば、必要な
出力電圧のほぼn分の1に軽減されるので、電圧責務の
低いスイッチを用いて負荷に対して十分な高電圧パルス
を供給することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このように
構成された高電圧パルス発生装置においては、使われる
スイッチが、半導体スイッチのような低い電圧にしか耐
えられないようなスイッチであるときには採用できな
い。なぜならば、半導体スイッチにおいては、その定格
電圧は高くても数kVであって、負荷において必要とさ
れる電圧の10分の1以下である。そのため、従来のLC
反転方式の高電圧パルス発生装置を用いる場合には、そ
の段数を数段にも増やさなければならない。すると、装
置が大形化して低効率化が避けられない。
構成された高電圧パルス発生装置においては、使われる
スイッチが、半導体スイッチのような低い電圧にしか耐
えられないようなスイッチであるときには採用できな
い。なぜならば、半導体スイッチにおいては、その定格
電圧は高くても数kVであって、負荷において必要とさ
れる電圧の10分の1以下である。そのため、従来のLC
反転方式の高電圧パルス発生装置を用いる場合には、そ
の段数を数段にも増やさなければならない。すると、装
置が大形化して低効率化が避けられない。
【0006】この問題を解決するために考えられ得る手
段として、例えば、特開平1-132185号公報に記載されて
いる図5に示すような方法がある。図5で示す回路は、
スイッチ(SCR)によって作り出されるパルス電圧を
パルストランスTによって昇圧し、このパルストランス
Tの出力側に接続された磁気パルス圧縮回路によってパ
ルス幅を圧縮し、電流値を増倍しようとするものであ
る。
段として、例えば、特開平1-132185号公報に記載されて
いる図5に示すような方法がある。図5で示す回路は、
スイッチ(SCR)によって作り出されるパルス電圧を
パルストランスTによって昇圧し、このパルストランス
Tの出力側に接続された磁気パルス圧縮回路によってパ
ルス幅を圧縮し、電流値を増倍しようとするものであ
る。
【0007】ところが、この図5に示すような方式で
は、電圧を昇圧するパルストランスTと、パルス幅を圧
縮する磁気パルス圧縮回路の可飽和リアクトルSI1 ,
SI2 ,SI3 を、それぞれ別の鉄心に巻回したパルス
トランスTや可飽和リアクトルSI1 ,SI2 ,SI3
によって構成しているために、構成される機器の数が増
えるだけでなく、装置が大形化する。
は、電圧を昇圧するパルストランスTと、パルス幅を圧
縮する磁気パルス圧縮回路の可飽和リアクトルSI1 ,
SI2 ,SI3 を、それぞれ別の鉄心に巻回したパルス
トランスTや可飽和リアクトルSI1 ,SI2 ,SI3
によって構成しているために、構成される機器の数が増
えるだけでなく、装置が大形化する。
【0008】そこで、第1の発明の目的は、昇圧用パル
ストランスとパルス圧縮用可飽和リアクトルを一体化す
ることにより、高電圧パルス発生装置を小形化すること
のできるパルストランスを得ることであり、第2の発明
の目的は、構成部品を減らし、装置を小形化することの
できる高電圧パルス発生装置を得ることである。 [発明の構成]
ストランスとパルス圧縮用可飽和リアクトルを一体化す
ることにより、高電圧パルス発生装置を小形化すること
のできるパルストランスを得ることであり、第2の発明
の目的は、構成部品を減らし、装置を小形化することの
できる高電圧パルス発生装置を得ることである。 [発明の構成]
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】第1の発明は、
アモルファス金属材で円筒状に形成された鉄心に巻きつ
けられた二次巻線と、この二次巻線の内外周と両端を覆
って形成された二重円筒状の一次巻線を設けることで、
二次側からみた鉄心飽和時のインダクタンスを漏れイン
ダクタンスより小さくし、パルス幅を圧縮して、小形軽
量化し高電圧パルス発生装置を小形化することのできる
パルストランスである。
アモルファス金属材で円筒状に形成された鉄心に巻きつ
けられた二次巻線と、この二次巻線の内外周と両端を覆
って形成された二重円筒状の一次巻線を設けることで、
二次側からみた鉄心飽和時のインダクタンスを漏れイン
ダクタンスより小さくし、パルス幅を圧縮して、小形軽
量化し高電圧パルス発生装置を小形化することのできる
パルストランスである。
【0010】また、第2の発明は、二次側に接続された
第1,第2のコンデンサのうち、片側のコンデンサの電
圧を反転するパルストランスと、このパルストランスの
一次側の第3のコンデンサと、この第3のコンデンサの
電荷をパルストランスを介して第1,第2のコンデンサ
に転送するスイッチを備えた高電圧パルス発生装置にお
いて、パルストランスに第1の発明のパルストランスを
用いることで、構成機器の数を減らし、装置を小形化す
ることのできる高電圧パルス発生装置である。
第1,第2のコンデンサのうち、片側のコンデンサの電
圧を反転するパルストランスと、このパルストランスの
一次側の第3のコンデンサと、この第3のコンデンサの
電荷をパルストランスを介して第1,第2のコンデンサ
に転送するスイッチを備えた高電圧パルス発生装置にお
いて、パルストランスに第1の発明のパルストランスを
用いることで、構成機器の数を減らし、装置を小形化す
ることのできる高電圧パルス発生装置である。
【0011】
【実施例】以下、第1の発明の一実施例について、図1
を参照して説明する。図1は、第1の発明のパルストラ
ンスの構造を示す部分破断斜視図である。図1のパルス
トランスでは、テープ状のアモルファスリボンを巻回し
た円筒状の鉄心3を用いる。二次高圧巻線2は、この円
筒状の鉄心3の表面に、絶縁紙などの絶縁被覆(図示せ
ず)を施した上に絶縁被覆した導体を、複数回、円周状
の分布が均一となるように巻回する。一次低圧巻線1
は、曲面及び平面状の板状の導体を接続して、円筒状の
鉄心3と二次高圧巻線2を二重円筒状に取り囲んで巻数
が1回の巻線として構成する。二次高圧巻線2の口出し
部2aは、一次低圧巻線1の外側側面に穴をあけて取り
出す。
を参照して説明する。図1は、第1の発明のパルストラ
ンスの構造を示す部分破断斜視図である。図1のパルス
トランスでは、テープ状のアモルファスリボンを巻回し
た円筒状の鉄心3を用いる。二次高圧巻線2は、この円
筒状の鉄心3の表面に、絶縁紙などの絶縁被覆(図示せ
ず)を施した上に絶縁被覆した導体を、複数回、円周状
の分布が均一となるように巻回する。一次低圧巻線1
は、曲面及び平面状の板状の導体を接続して、円筒状の
鉄心3と二次高圧巻線2を二重円筒状に取り囲んで巻数
が1回の巻線として構成する。二次高圧巻線2の口出し
部2aは、一次低圧巻線1の外側側面に穴をあけて取り
出す。
【0012】このように構成されたパルストランスにお
いて用いられるアモルファスリボンを、円筒状に巻回し
た鉄心3は、可飽和鉄心として優れた性能を持つこと
は、例えば特開平 1-96909号公報に詳しく記載されてい
るのでここでは省略し、本発明の特徴である巻線構成の
なすこの可飽和パルストランスが図2の高電圧パルス発
生回路に使われたときの作用について説明する。
いて用いられるアモルファスリボンを、円筒状に巻回し
た鉄心3は、可飽和鉄心として優れた性能を持つこと
は、例えば特開平 1-96909号公報に詳しく記載されてい
るのでここでは省略し、本発明の特徴である巻線構成の
なすこの可飽和パルストランスが図2の高電圧パルス発
生回路に使われたときの作用について説明する。
【0013】図2において、高速スイッチSが動作する
と、先に述べたようにコンデンサC0 に充電された電荷
がパルストランスSTRの漏れインダクタンスLsを通
じてコンデンサC1 ,C2 に移行する。本発明のパルス
トランスにおいては、漏れインダクタンスは、鉄心3に
巻回された導体でなる二次高圧巻線2とその周囲を覆っ
た板材の導体でなる一次低圧巻線1の磁気エネルギーに
よって決定される。ところで、変圧器の漏れインダクタ
ンスは、ほぼ、巻線間の間隙の広さに比例し、巻線高さ
に反比例することが知られている。
と、先に述べたようにコンデンサC0 に充電された電荷
がパルストランスSTRの漏れインダクタンスLsを通
じてコンデンサC1 ,C2 に移行する。本発明のパルス
トランスにおいては、漏れインダクタンスは、鉄心3に
巻回された導体でなる二次高圧巻線2とその周囲を覆っ
た板材の導体でなる一次低圧巻線1の磁気エネルギーに
よって決定される。ところで、変圧器の漏れインダクタ
ンスは、ほぼ、巻線間の間隙の広さに比例し、巻線高さ
に反比例することが知られている。
【0014】巻線間の間隙の広さは、絶縁強度によって
決まるから、ほぼ一定のものとなり、本発明によっても
特に変わるところはない。しかし、巻線高さについて
は、本発明のパルストランスでは、一般のパルストラン
スよりも高くすることができる。すなわち、一般のパル
ストランス、例えば、EI型鉄心を使用したようなパル
ストランスでは、鉄心は、巻線を巻回する脚の部分と、
脚と脚を連結するヨークの部分とに別れる。このヨーク
の部分には、巻線は巻回されないから、鉄心を通る磁束
の長さに比べて巻線高さはヨーク部分の長さだけ短くな
る。それに比べて、本発明のパルストランスでは、巻線
が鉄心の全周に亘って巻回されるので、巻線高さは鉄心
の全周長と同一長となって長くなる。換言すれば、巻線
高さを一定とした場合、鉄心重量を減らすことができ、
軽量のパルストランスを得ることができる。
決まるから、ほぼ一定のものとなり、本発明によっても
特に変わるところはない。しかし、巻線高さについて
は、本発明のパルストランスでは、一般のパルストラン
スよりも高くすることができる。すなわち、一般のパル
ストランス、例えば、EI型鉄心を使用したようなパル
ストランスでは、鉄心は、巻線を巻回する脚の部分と、
脚と脚を連結するヨークの部分とに別れる。このヨーク
の部分には、巻線は巻回されないから、鉄心を通る磁束
の長さに比べて巻線高さはヨーク部分の長さだけ短くな
る。それに比べて、本発明のパルストランスでは、巻線
が鉄心の全周に亘って巻回されるので、巻線高さは鉄心
の全周長と同一長となって長くなる。換言すれば、巻線
高さを一定とした場合、鉄心重量を減らすことができ、
軽量のパルストランスを得ることができる。
【0015】次に、図2において、コンデンサC1 の電
圧が反転するときのパルス幅は、パルストランスSTR
の飽和時の二次側からみた励磁インダクタンスLmsに
よって決まり、この励磁インダクタンスLmsは、上述
したように、さらに漏れインダクタンスLsよりも小さ
くなければならない。従来のパルストランスにおいて
は、巻線の配置は、低圧巻線を内側に、高圧巻線を外側
にしてそれぞれ鉄心脚に巻回されている。しかし、この
ような構成では、二次側からみた飽和時の励磁インダク
タンスLmsを漏れインダクタンスLsよりも小さくす
ることはできない。すなわち、鉄心が完全に飽和したと
考えると、漏れインダクタンスLsは、外側高圧巻線と
内側低圧巻線の間の空間に蓄積される磁気エネルギーで
決まり、二次側からみた励磁インダクタンスLmsは、
二次巻線すなわち、外側高圧巻線によって取り囲まれた
空間に蓄勢される磁気エネルギーで決まる。巻線の位置
関係から、明らかに前者の空間の体積の方が小さい。し
たがって、Ls<Lmsとなり、必要な条件を満たせな
い。
圧が反転するときのパルス幅は、パルストランスSTR
の飽和時の二次側からみた励磁インダクタンスLmsに
よって決まり、この励磁インダクタンスLmsは、上述
したように、さらに漏れインダクタンスLsよりも小さ
くなければならない。従来のパルストランスにおいて
は、巻線の配置は、低圧巻線を内側に、高圧巻線を外側
にしてそれぞれ鉄心脚に巻回されている。しかし、この
ような構成では、二次側からみた飽和時の励磁インダク
タンスLmsを漏れインダクタンスLsよりも小さくす
ることはできない。すなわち、鉄心が完全に飽和したと
考えると、漏れインダクタンスLsは、外側高圧巻線と
内側低圧巻線の間の空間に蓄積される磁気エネルギーで
決まり、二次側からみた励磁インダクタンスLmsは、
二次巻線すなわち、外側高圧巻線によって取り囲まれた
空間に蓄勢される磁気エネルギーで決まる。巻線の位置
関係から、明らかに前者の空間の体積の方が小さい。し
たがって、Ls<Lmsとなり、必要な条件を満たせな
い。
【0016】本発明のパルストランスにおいては、二次
高圧巻線2、すなわち、高圧巻線は、一次低圧巻線1の
内側にある。したがって、二次高圧巻線2によって取り
囲まれる体積は、一次低圧巻線1の配置に影響されない
から、二次側からみた飽和時の励磁インダクタンスは、
漏れインダクタンスとはまったく独立して決定すること
ができる。したがって、パルス圧縮の条件であるLms
<Lsを満たすことが可能になる。
高圧巻線2、すなわち、高圧巻線は、一次低圧巻線1の
内側にある。したがって、二次高圧巻線2によって取り
囲まれる体積は、一次低圧巻線1の配置に影響されない
から、二次側からみた飽和時の励磁インダクタンスは、
漏れインダクタンスとはまったく独立して決定すること
ができる。したがって、パルス圧縮の条件であるLms
<Lsを満たすことが可能になる。
【0017】したがって本発明においては、パルストラ
ンスを円筒状の鉄心を使用し、二次高圧巻線を一次低圧
巻線の鉄心側に配置し、しかも一次低圧巻線を板状の導
体によって全体を取り囲むように配置したので、漏れイ
ンダクタンスLsも飽和時の二次側からみた励磁インダ
クタンスLmsも十分小さく、しかもLms<Lsとな
るような可飽和パルストランスを得ることができる。
ンスを円筒状の鉄心を使用し、二次高圧巻線を一次低圧
巻線の鉄心側に配置し、しかも一次低圧巻線を板状の導
体によって全体を取り囲むように配置したので、漏れイ
ンダクタンスLsも飽和時の二次側からみた励磁インダ
クタンスLmsも十分小さく、しかもLms<Lsとな
るような可飽和パルストランスを得ることができる。
【0018】次に、第2の発明の一実施例について、図
面を参照して説明する。図2は、第2の発明の一実施例
の構成を示す接続図である。また、図3は、第2の発明
の一実施例の動作中における各部の電圧変化を示すオシ
ログラフである。図2において、直流充電電源PSの負
荷側には、コンデンサC0 とパルストランスSTRが直
列に接続されている。また、高速スイッチSは、充電電
源PS側からみてコンデンサC0 ,パルストランスST
Rと並列に充電電源PS側に接続されている。パルスト
ランスSTRの出力側には、コンデンサC1 ,可飽和リ
アクトルSI,接地リアクトルLが順に直列に接続さ
れ、更に、パルストランスSTRの出力側には直後にコ
ンデンサC1 が可飽和リアクトルSIと接地リアクトル
Lの間にコンデンサC3 と負荷RLが並列に接続されて
いる。
面を参照して説明する。図2は、第2の発明の一実施例
の構成を示す接続図である。また、図3は、第2の発明
の一実施例の動作中における各部の電圧変化を示すオシ
ログラフである。図2において、直流充電電源PSの負
荷側には、コンデンサC0 とパルストランスSTRが直
列に接続されている。また、高速スイッチSは、充電電
源PS側からみてコンデンサC0 ,パルストランスST
Rと並列に充電電源PS側に接続されている。パルスト
ランスSTRの出力側には、コンデンサC1 ,可飽和リ
アクトルSI,接地リアクトルLが順に直列に接続さ
れ、更に、パルストランスSTRの出力側には直後にコ
ンデンサC1 が可飽和リアクトルSIと接地リアクトル
Lの間にコンデンサC3 と負荷RLが並列に接続されて
いる。
【0019】ここで、接地リアクトルLのインダクタン
スは、パルストランスSTRの漏れインダクタンスより
も十分小さく、コンデンサC1 ,C2 への充電作用に影
響を与えないようにする。パルストランスSTRは、式
(1)で示すコンデンサC1 ,C2 の充電時間の完了とほ
ぼ同時に飽和するように鉄心断面積と二次高圧巻線の巻
回数が算定されている。また、共振時にコンデンサC0
の電荷がコンデンサC1 ,C2 に完全に移行するよう
に、コンデンサC0 ,C1 ,C2 のキャパシタンスは、
式(2) となるように選定されている。
スは、パルストランスSTRの漏れインダクタンスより
も十分小さく、コンデンサC1 ,C2 への充電作用に影
響を与えないようにする。パルストランスSTRは、式
(1)で示すコンデンサC1 ,C2 の充電時間の完了とほ
ぼ同時に飽和するように鉄心断面積と二次高圧巻線の巻
回数が算定されている。また、共振時にコンデンサC0
の電荷がコンデンサC1 ,C2 に完全に移行するよう
に、コンデンサC0 ,C1 ,C2 のキャパシタンスは、
式(2) となるように選定されている。
【0020】
【数1】
【0021】このように構成された高圧パルス発生装置
においては、まず、コンデンサC0 は、充電電源PSで
所定の電圧まで充電される。次に、高速スイッチSが投
入されると、コンデンサC1 ,C2 がパルストランスS
TRの漏れインダクタンスを通して共振的に且つ、パル
ストランスの巻数比に応じて昇圧されて充電される。こ
のとき、可飽和リアクトルSIは、別途接続された図示
しないリセット回路から供給される直流電流で飽和して
いるので、そのインダクタンスは小さく、また、接地リ
アクトルLのインダクタンスも可飽和リアクトルSIの
漏れインダクタンスに比べて十分小さいので、上記共振
充電作用に与える影響は極めて小さい。したがって、充
電される幅は式(1) で表され、この式(1) に式(2) を代
入すると、式(3) となる。
においては、まず、コンデンサC0 は、充電電源PSで
所定の電圧まで充電される。次に、高速スイッチSが投
入されると、コンデンサC1 ,C2 がパルストランスS
TRの漏れインダクタンスを通して共振的に且つ、パル
ストランスの巻数比に応じて昇圧されて充電される。こ
のとき、可飽和リアクトルSIは、別途接続された図示
しないリセット回路から供給される直流電流で飽和して
いるので、そのインダクタンスは小さく、また、接地リ
アクトルLのインダクタンスも可飽和リアクトルSIの
漏れインダクタンスに比べて十分小さいので、上記共振
充電作用に与える影響は極めて小さい。したがって、充
電される幅は式(1) で表され、この式(1) に式(2) を代
入すると、式(3) となる。
【0022】
【数2】
【0023】充電完了と同時にパルストランスSTRが
飽和して励磁インダクタンスが激減するので、図4に示
した従来の高圧パルス発生装置における並列可飽和リア
クトルSIPnと同様の作用を発揮し、コンデンサC1
の電圧は共振的に反転し、コンデンサC1 とコンデンサ
C2 の電圧が合成され、コンデンサC2 のの可飽和リア
クトルSIに接続された側の端子には、充電電圧のほぼ
2倍の電圧が発生する。このときの電圧反転のパルス幅
t2 は、式(4) で求められる。ここで、Lmsは、パル
ストランスSTRの二次側からみた飽和励磁インダクタ
ンスである。
飽和して励磁インダクタンスが激減するので、図4に示
した従来の高圧パルス発生装置における並列可飽和リア
クトルSIPnと同様の作用を発揮し、コンデンサC1
の電圧は共振的に反転し、コンデンサC1 とコンデンサ
C2 の電圧が合成され、コンデンサC2 のの可飽和リア
クトルSIに接続された側の端子には、充電電圧のほぼ
2倍の電圧が発生する。このときの電圧反転のパルス幅
t2 は、式(4) で求められる。ここで、Lmsは、パル
ストランスSTRの二次側からみた飽和励磁インダクタ
ンスである。
【0024】
【数3】
【0025】式(3) と式(4) を比較して分るように、パ
ルストランスSTRの二次側からみた飽和時の励磁イン
ダクタンスLmsと漏れインダクタンスLsの関係を、
式(5) とすることにより、式(6) とすることができ、パ
ルス圧縮が可能となる。
ルストランスSTRの二次側からみた飽和時の励磁イン
ダクタンスLmsと漏れインダクタンスLsの関係を、
式(5) とすることにより、式(6) とすることができ、パ
ルス圧縮が可能となる。
【0026】Lms<Ls …(5) t2 <t1 …(6) この電圧がピークに達するとほぼ同時に、可飽和リアク
トルSIが飽和し、ピーキング用のコンデンサC3 を共
振的に充電し、さらに負荷RLにパルス電圧が供給され
るが、これらの作用は従来例とまったく同様であり、そ
の説明を省略する。
トルSIが飽和し、ピーキング用のコンデンサC3 を共
振的に充電し、さらに負荷RLにパルス電圧が供給され
るが、これらの作用は従来例とまったく同様であり、そ
の説明を省略する。
【0027】
【発明の効果】以上、第1の発明によれば、アモルファ
ス金属材で円筒状に形成された鉄心に巻きつけられた二
次巻線と、この二次巻線の内外周と両端を覆って形成さ
れた二重円筒状の一次巻線を設けることで、二次側から
みた鉄心飽和時のインダクタンスを漏れインダクタンス
より小さくして、パルス幅を圧縮したので、小形軽量化
し高電圧パルス発生装置を小形化することのできるパル
ストランスを得ることができる。
ス金属材で円筒状に形成された鉄心に巻きつけられた二
次巻線と、この二次巻線の内外周と両端を覆って形成さ
れた二重円筒状の一次巻線を設けることで、二次側から
みた鉄心飽和時のインダクタンスを漏れインダクタンス
より小さくして、パルス幅を圧縮したので、小形軽量化
し高電圧パルス発生装置を小形化することのできるパル
ストランスを得ることができる。
【0028】また、第2の発明によれば、二次側に接続
された第1,第2のコンデンサのうち、片側のコンデン
サの電圧を反転するパルストランスと、このパルストラ
ンスの一次側の第3のコンデンサと、この第3のコンデ
ンサの電荷をパルストランスを介して第1,第2のコン
デンサに転送するスイッチを備えた高電圧パルス発生装
置において、パルストランスに第1の発明のパルストラ
ンスを用いたので、構成機器の数を減らし、装置を小形
化することのできる高電圧パルス発生装置を得ることが
できる。
された第1,第2のコンデンサのうち、片側のコンデン
サの電圧を反転するパルストランスと、このパルストラ
ンスの一次側の第3のコンデンサと、この第3のコンデ
ンサの電荷をパルストランスを介して第1,第2のコン
デンサに転送するスイッチを備えた高電圧パルス発生装
置において、パルストランスに第1の発明のパルストラ
ンスを用いたので、構成機器の数を減らし、装置を小形
化することのできる高電圧パルス発生装置を得ることが
できる。
【図1】第1の発明のパルストランスの一実施例を示す
部分破断斜視図。
部分破断斜視図。
【図2】第2の発明の高電圧パルス発生装置の一実施例
を示す接続図。
を示す接続図。
【図3】第2の発明の作用を示すオシログラフ。
【図4】従来の高電圧パルス発生装置の一例を示す接続
図。
図。
【図5】図4と異なる従来のパルス発生装置の一例を示
す接続図。
す接続図。
1…一次低圧巻線、2…二次高圧巻線、3…鉄心、C1
…第1のコンデンサ、C2 …第2のコンデンサ、C0 …
第3のコンデンサ、PS…充電電源、RL…負荷、S…
高速スイッチ、STR…パルストランス。
…第1のコンデンサ、C2 …第2のコンデンサ、C0 …
第3のコンデンサ、PS…充電電源、RL…負荷、S…
高速スイッチ、STR…パルストランス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01F 19/04,27/00,27/24 H01F 27/06,27/28,38/28 H02M 9/06
Claims (2)
- 【請求項1】 アモルファス金属材で円筒状に形成され
た鉄心に巻きつけられた二次巻線と、この二次巻線の内
外周と両端を覆って形成された二重円筒状の一次巻線で
なるパルストランス。 - 【請求項2】 第1,第2のコンデンサのうち、片側の
コンデンサの電圧を反転するパルストランスと、このパ
ルストランスの一次側の第3のコンデンサと、この第3
のコンデンサの電荷を前記パルストランスを介して前記
第1,第2のコンデンサに転送するスイッチを備えた高
電圧パルス発生装置において、前記パルストランスに請
求項1記載のパルストランスを用いたことを特徴とする
高電圧パルス発生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3124336A JP2971618B2 (ja) | 1991-05-29 | 1991-05-29 | パルストランス及び高電圧パルス発生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3124336A JP2971618B2 (ja) | 1991-05-29 | 1991-05-29 | パルストランス及び高電圧パルス発生装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04352304A JPH04352304A (ja) | 1992-12-07 |
JP2971618B2 true JP2971618B2 (ja) | 1999-11-08 |
Family
ID=14882825
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3124336A Expired - Lifetime JP2971618B2 (ja) | 1991-05-29 | 1991-05-29 | パルストランス及び高電圧パルス発生装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2971618B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP5919460B2 (ja) * | 2011-08-08 | 2016-05-18 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | ストロボ装置 |
DE102016223195A1 (de) * | 2016-11-23 | 2018-05-24 | Robert Bosch Gmbh | Transformatorvorrichtung, Transformator und Verfahren zur Herstellung einer Transformatorvorrichtung |
-
1991
- 1991-05-29 JP JP3124336A patent/JP2971618B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04352304A (ja) | 1992-12-07 |
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