JP2971512B2 - 湿式排煙脱硫装置の制御方法 - Google Patents
湿式排煙脱硫装置の制御方法Info
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- JP2971512B2 JP2971512B2 JP2128126A JP12812690A JP2971512B2 JP 2971512 B2 JP2971512 B2 JP 2971512B2 JP 2128126 A JP2128126 A JP 2128126A JP 12812690 A JP12812690 A JP 12812690A JP 2971512 B2 JP2971512 B2 JP 2971512B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、例えば火力発電用ボイラなどの燃焼装置か
ら排出された排ガス中のイオウ酸化物を吸収剤スラリと
接触させて除去する湿式排煙脱硫装置に係り、特にそれ
の吸収剤スラリの制御方法に関するものである。
ら排出された排ガス中のイオウ酸化物を吸収剤スラリと
接触させて除去する湿式排煙脱硫装置に係り、特にそれ
の吸収剤スラリの制御方法に関するものである。
[従来の技術] 近年、発電需要が増大するにつれて化石燃料を主燃料
とするボイラ装置も大型化し、発電用ボイラが大気汚染
に与える影響度も増加しつつある。
とするボイラ装置も大型化し、発電用ボイラが大気汚染
に与える影響度も増加しつつある。
この大気汚染を拡大する公害物質のうち、多大の比率
を占めるイオウ酸化物(SOx)の排出規制は年々厳しく
なる傾向にある。この情勢下で第2次石油シヨツク以
来、石油を主燃料としてきたわが国の発電業界はより安
価で、かつ安定した供給源をもつ石炭へと燃料の転換が
図れつつある。
を占めるイオウ酸化物(SOx)の排出規制は年々厳しく
なる傾向にある。この情勢下で第2次石油シヨツク以
来、石油を主燃料としてきたわが国の発電業界はより安
価で、かつ安定した供給源をもつ石炭へと燃料の転換が
図れつつある。
さらにこの石炭も長期的な安定供給や貿易アンバラン
スの緩和などの目的から非常に多くの国、産地から輸入
されるようになつており、一つの発電所で数十種類の石
炭が使用される例もある。この石炭の性状の違いによ
り、ボイラ装置での燃焼特性が異なることは勿論である
が、ボイラ装置から排出される燃焼排ガスの性状により
脱硫特性も大きく異なることになる。
スの緩和などの目的から非常に多くの国、産地から輸入
されるようになつており、一つの発電所で数十種類の石
炭が使用される例もある。この石炭の性状の違いによ
り、ボイラ装置での燃焼特性が異なることは勿論である
が、ボイラ装置から排出される燃焼排ガスの性状により
脱硫特性も大きく異なることになる。
また、ボイラ装置が大型化する一方、発電コストを低
下する目的で発電需要に応じて頻繁な負荷変動を行うた
めに一日単位、あるいは週単位でボイラ装置の起動、停
止(DSS,WSS)運転が繰り返されている。
下する目的で発電需要に応じて頻繁な負荷変動を行うた
めに一日単位、あるいは週単位でボイラ装置の起動、停
止(DSS,WSS)運転が繰り返されている。
それは最近の電力需要の特徴として、原子力発電の延
びとともに、電力負荷の最大と最小との差も増大し、火
力発電用ボイラをベースロード用から負荷調整用へと移
行する傾向にある。
びとともに、電力負荷の最大と最小との差も増大し、火
力発電用ボイラをベースロード用から負荷調整用へと移
行する傾向にある。
前記したボイラ装置での使用炭種の増大および運用変
化の拡大、高速化にともなつてボイラ装置の排ガスを処
理する排煙脱硫装置もボイラ側の運転状況の変化に追従
し、かつ各運転状態でユーテリテイを最低にした最適運
転を目指す必要が生じてきた。
化の拡大、高速化にともなつてボイラ装置の排ガスを処
理する排煙脱硫装置もボイラ側の運転状況の変化に追従
し、かつ各運転状態でユーテリテイを最低にした最適運
転を目指す必要が生じてきた。
[発明が解決しょうとする課題] 火力発電所に設置されてい湿式排煙脱硫装置は、炭酸
カルシウム[CaCO3]、水酸化カルシウム[Ca(O
H)2]などを吸収剤としたスラリ状の吸収剤スラリを
用い、ボイラ装置からの排ガスと接触させて排ガス中の
SOxを吸収し、得られた亜硫酸カルシウムを酸化して硫
酸カルシウム、すなわち石膏として回収する方法が一般
的である。
カルシウム[CaCO3]、水酸化カルシウム[Ca(O
H)2]などを吸収剤としたスラリ状の吸収剤スラリを
用い、ボイラ装置からの排ガスと接触させて排ガス中の
SOxを吸収し、得られた亜硫酸カルシウムを酸化して硫
酸カルシウム、すなわち石膏として回収する方法が一般
的である。
この石灰石を用いる湿式排煙脱硫装置の概略構成を第
3図に示す。
3図に示す。
同図において1は吸収塔、2は未処理ガス、3はデミ
スタ、4は処理ガス、5は吸収剤スラリ、6は吸収塔循
環タンク、7は吸収塔循環ポンプ、8は空気、9は吸収
塔抜き出し配管、10は中継タンク、11は排水処理装置、
12はスラリポンプ、13は導管、14はシツクナ、15分離
機、16はコンベア、17は石膏、18はろ過水導管、19はろ
過水タンク、20はブロー水調節弁、21はブロー水導管、
22はガス流量計、23は入口SOx濃度計、24は出口SOx濃度
計、25は吸収剤スラリ流量計、26は吸収塔抜き出し流量
計、27は吸収液タンクである。
スタ、4は処理ガス、5は吸収剤スラリ、6は吸収塔循
環タンク、7は吸収塔循環ポンプ、8は空気、9は吸収
塔抜き出し配管、10は中継タンク、11は排水処理装置、
12はスラリポンプ、13は導管、14はシツクナ、15分離
機、16はコンベア、17は石膏、18はろ過水導管、19はろ
過水タンク、20はブロー水調節弁、21はブロー水導管、
22はガス流量計、23は入口SOx濃度計、24は出口SOx濃度
計、25は吸収剤スラリ流量計、26は吸収塔抜き出し流量
計、27は吸収液タンクである。
同図に示すように未処理ガス2は吸収塔1内に導入さ
れ、カルシウム系の吸収剤スラリ5と吸収塔1内で気液
接触して、未処理ガス2に含まれている亜硫酸ガス、ダ
スト、HClおよびHFが除去される。清浄化されたガス
は、テミスタ3で同伴ミストが除去された後、処理ガス
4として大気へ排出される。一方、吸収剤スラリ5は、
必要量が吸収塔循環ポンプ7により吸収塔1の頭部へ送
られ、散布されて亜硫酸ガスなどを吸収する。
れ、カルシウム系の吸収剤スラリ5と吸収塔1内で気液
接触して、未処理ガス2に含まれている亜硫酸ガス、ダ
スト、HClおよびHFが除去される。清浄化されたガス
は、テミスタ3で同伴ミストが除去された後、処理ガス
4として大気へ排出される。一方、吸収剤スラリ5は、
必要量が吸収塔循環ポンプ7により吸収塔1の頭部へ送
られ、散布されて亜硫酸ガスなどを吸収する。
この吸収反応によつて亜硫酸カルシウムとなつた吸収
剤スラリ5は、吸収塔循環タンク6に戻る。そしてその
タンク内には空気8が供給され、亜硫酸カルシウムは酸
化されて石膏となる。
剤スラリ5は、吸収塔循環タンク6に戻る。そしてその
タンク内には空気8が供給され、亜硫酸カルシウムは酸
化されて石膏となる。
循環している吸収剤スラリ5の一部は、吸収塔抜き出
し配管9から中継タンク10に抜き出される。この中継タ
ンク10内の吸収剤スラリ5はスラリポンプ12、導管13を
通つてシツクナ14へ導かれ、所定濃度に濃縮された後分
離機15に掛けられ石膏17は脱水され、固形物として回収
される。シツクナ14の上澄液(ろ過水)は、ろ過水導管
18を通つてろ過水タンク19へ蓄えられる。
し配管9から中継タンク10に抜き出される。この中継タ
ンク10内の吸収剤スラリ5はスラリポンプ12、導管13を
通つてシツクナ14へ導かれ、所定濃度に濃縮された後分
離機15に掛けられ石膏17は脱水され、固形物として回収
される。シツクナ14の上澄液(ろ過水)は、ろ過水導管
18を通つてろ過水タンク19へ蓄えられる。
ろ過水の一部は、系内の塩素イオンなどの不純物の濃
度を一定値以下に保つため、ブロー水調節弁20を経て排
水処理装置11へ排出される。残りのろ過水は、吸収液タ
ンク45などへ送られて系内で再利用される。
度を一定値以下に保つため、ブロー水調節弁20を経て排
水処理装置11へ排出される。残りのろ過水は、吸収液タ
ンク45などへ送られて系内で再利用される。
このような系統において、脱硫装置への流入ガス条件
が変化すると、吸収剤スラリの液性状も変化する。
が変化すると、吸収剤スラリの液性状も変化する。
ここで吸収剤スラリ中に含まれている成分のうち幾つ
かは脱硫装置の性能に大きな影響を与えるため、各成分
の濃度を正確に把握することが、脱硫装置のユーテリテ
イを低減した最適運転を行うのに重要である。
かは脱硫装置の性能に大きな影響を与えるため、各成分
の濃度を正確に把握することが、脱硫装置のユーテリテ
イを低減した最適運転を行うのに重要である。
例えばCaCO3濃度は脱硫率を支配するため、CaCO3濃度
が規定値以上に保持できるように吸収剤スラリを吸収塔
に供給するようになる。また排ガス中にはHClが含まれ
ており、このHClが脱硫装置で吸収されて塩素イオンと
して蓄積される。この塩素イオン濃度が高くなると装置
の腐食を生じるとともに、脱硫率にも悪影響を及ぼす。
このため塩素イオン濃度が規定値以下になるように調整
を行う必要がある。
が規定値以上に保持できるように吸収剤スラリを吸収塔
に供給するようになる。また排ガス中にはHClが含まれ
ており、このHClが脱硫装置で吸収されて塩素イオンと
して蓄積される。この塩素イオン濃度が高くなると装置
の腐食を生じるとともに、脱硫率にも悪影響を及ぼす。
このため塩素イオン濃度が規定値以下になるように調整
を行う必要がある。
ところで従来の測定技術では、吸収剤スラリ中のCaCO
3濃度、塩素イオン濃度などを連続的にかつ精度よく測
定することが不可能である。このため脱硫装置のマスバ
ランス計算から、吸収剤スラリ中のCaCO3濃度、塩素イ
オン濃度などの各成分濃度を予測計算していた。
3濃度、塩素イオン濃度などを連続的にかつ精度よく測
定することが不可能である。このため脱硫装置のマスバ
ランス計算から、吸収剤スラリ中のCaCO3濃度、塩素イ
オン濃度などの各成分濃度を予測計算していた。
つぎにこの予測計算をCaCO3濃度の例をとつて、第3
図ならびに第4図とともに説明する。
図ならびに第4図とともに説明する。
脱硫装置の入口に設けられたガス流量計22からの流量
信号27、入口SO2濃度計23からの濃度信号28、出口SO2濃
度計24からの濃度信号29、吸収剤スラリ流量計25からの
流量信号30、ならびに吸収塔抜出流量計26からの流量信
号31がそれぞれ演算装置32に入力される。そしてこれら
の信号に基づいて、下式により吸収剤スラリ中のCaCO3
濃度を求めることができる。なお、吸収塔内には多量の
吸収剤スラリが保有されているため、容積効果による時
間遅れを考慮する必要がある。
信号27、入口SO2濃度計23からの濃度信号28、出口SO2濃
度計24からの濃度信号29、吸収剤スラリ流量計25からの
流量信号30、ならびに吸収塔抜出流量計26からの流量信
号31がそれぞれ演算装置32に入力される。そしてこれら
の信号に基づいて、下式により吸収剤スラリ中のCaCO3
濃度を求めることができる。なお、吸収塔内には多量の
吸収剤スラリが保有されているため、容積効果による時
間遅れを考慮する必要がある。
V・dCi/dt=FCo−FCi ……(1) V :吸収塔保有スラリ量 Ci:吸収剤スラリ中のCaCO3濃度 Co:吸収塔に流入する見かけのCaCO3濃度 F :吸収塔抜き出し流量 Co=([30]×K1−[27]×{[28]−[29]}×K2)/[31] ……(2) [27]:入口ガス流量 [28]:入口SO2濃度ガス流量 [29]:出入口SO2濃度ガス流量 [30]:吸収剤スラリ量 [31]:吸収塔抜出し量 K1 :スラリ中のCaCO3濃度換算係数 K2 :吸収SO2量を当量のCaCO3に換算する換算係数 しかしながら、このように予測計算で成分濃度を求め
た場合、前提条件となる脱硫装置への流入量の測定誤差
などにより、実際の濃度と差が生じるのは避けられな
い。このため定期的に手分析を行い、計算値と照合する
必要がある。しかし、この手分析の結果が出るまでには
通常、3〜4日かかるため、分析結果が得られた時点に
おいては装置内のスラリ組成はサンプリング時点の組成
と異なり、手分析結果による計算値の修正は困難であ
る。
た場合、前提条件となる脱硫装置への流入量の測定誤差
などにより、実際の濃度と差が生じるのは避けられな
い。このため定期的に手分析を行い、計算値と照合する
必要がある。しかし、この手分析の結果が出るまでには
通常、3〜4日かかるため、分析結果が得られた時点に
おいては装置内のスラリ組成はサンプリング時点の組成
と異なり、手分析結果による計算値の修正は困難であ
る。
本発明の目的は、このような従来技術の欠点を解消
し、連続測定ができない吸収剤スラリ中の成分濃度を精
度よく把握することのできる湿式排煙脱硫装置の制御方
法を提供するにある。
し、連続測定ができない吸収剤スラリ中の成分濃度を精
度よく把握することのできる湿式排煙脱硫装置の制御方
法を提供するにある。
[課題を解決するための手段] 前述の目的を達成するため、本発明は、 燃焼装置から排出された排ガス中のイオウ酸化物を吸
収剤スラリと接触させて除去する湿式排煙脱硫装置にお
いて、 前記吸収剤スラリ中の成分濃度を、当該湿式排煙脱硫
装置のプロセスデータを基に演算する演算手段を設け、 その演算手段によつて演算された現時点の演算結果
を、使用中の吸収剤スラリをサンプリングして手分析し
た手分析値をサンプリング時刻における初期値として、
サンプリングから現時点までの成分濃度を演算した演算
結果により補正することを特徴とするものである。
収剤スラリと接触させて除去する湿式排煙脱硫装置にお
いて、 前記吸収剤スラリ中の成分濃度を、当該湿式排煙脱硫
装置のプロセスデータを基に演算する演算手段を設け、 その演算手段によつて演算された現時点の演算結果
を、使用中の吸収剤スラリをサンプリングして手分析し
た手分析値をサンプリング時刻における初期値として、
サンプリングから現時点までの成分濃度を演算した演算
結果により補正することを特徴とするものである。
[作用] 手分析によつて得られた結果をサンプリング時刻に逆
上つて入力し、すなわちサンプリング時刻における成分
濃度の手分析値を初期値として成分濃度の時間的変化を
再計算することにより、現時点での成分濃度を正確に把
握することができる。
上つて入力し、すなわちサンプリング時刻における成分
濃度の手分析値を初期値として成分濃度の時間的変化を
再計算することにより、現時点での成分濃度を正確に把
握することができる。
[発明の実施例] 次に本発明の実施例について説明する。
第1図は本発明の実施例に係る制御装置のブロツク
図、第2図は本発明において演算結果の補正方法を示す
説明図、第3図は湿式排煙脱硫装置の概略構成、第4図
は演算装置の機能説明図、第5図は演算装置のフローチ
ヤート、第6図は液性状演算装置のフローチヤートであ
る。
図、第2図は本発明において演算結果の補正方法を示す
説明図、第3図は湿式排煙脱硫装置の概略構成、第4図
は演算装置の機能説明図、第5図は演算装置のフローチ
ヤート、第6図は液性状演算装置のフローチヤートであ
る。
第1図に示すように実施例に係る制御装置は、演算装
置32と、データフアイル42と、液性状演算装置39とから
主に構成されている。
置32と、データフアイル42と、液性状演算装置39とから
主に構成されている。
前記演算装置32にはガス流量計22からの流量信号27、
入口SO2濃度計23からの濃度信号28、出口SO2濃度計24か
らの濃度信号29、吸収剤スラリ流量計25からの流量信号
30、ならびに吸収塔抜出流量計26からの流量信号31など
のプロセスデータがそれぞれ入力される。またこれらの
プロセスデータ(信号27〜31)は、微少時間Δt(例え
ば数秒間ないしは数分間)ごとにデータフアイル42の所
定のアドレスに記録される。
入口SO2濃度計23からの濃度信号28、出口SO2濃度計24か
らの濃度信号29、吸収剤スラリ流量計25からの流量信号
30、ならびに吸収塔抜出流量計26からの流量信号31など
のプロセスデータがそれぞれ入力される。またこれらの
プロセスデータ(信号27〜31)は、微少時間Δt(例え
ば数秒間ないしは数分間)ごとにデータフアイル42の所
定のアドレスに記録される。
第5図は、前記演算装置32のフローチヤートである。
同図に示すように、Δt時間ごとに前述のプロセスデー
タをサイプリングし、Δt時間のマスバランス計算から
組成変化量ΔCを演算する。そして時刻tにおける濃度
Ciを初期値として、時刻t1Δtにおける濃度Ci=Ci+Δ
Cを求める。時刻B(第2図参照)における成分濃度Ci
Bは、初期値として時刻Aにおける成分濃度CiAを基に計
算される。
同図に示すように、Δt時間ごとに前述のプロセスデー
タをサイプリングし、Δt時間のマスバランス計算から
組成変化量ΔCを演算する。そして時刻tにおける濃度
Ciを初期値として、時刻t1Δtにおける濃度Ci=Ci+Δ
Cを求める。時刻B(第2図参照)における成分濃度Ci
Bは、初期値として時刻Aにおける成分濃度CiAを基に計
算される。
第1図に示すように、液性状演算装置39には各成分の
手分析データ40が入力される。この手分析は例えば週に
1回循環中の吸収剤スラリーを一部抜き出してなされ、
1回の手分析には通常、3〜4日かかる。この液性状演
算装置39には手分析データ40のほかに、データフアイル
42に格納されていたガス流量信号34、入り口SO2濃度信
号35、出口SO2濃度信号36、吸収剤スラリ流量信号37、
ならびに吸収塔抜出流量信号38などのプロセスデータ
(時刻A→B間の時系列データ)が入力される。
手分析データ40が入力される。この手分析は例えば週に
1回循環中の吸収剤スラリーを一部抜き出してなされ、
1回の手分析には通常、3〜4日かかる。この液性状演
算装置39には手分析データ40のほかに、データフアイル
42に格納されていたガス流量信号34、入り口SO2濃度信
号35、出口SO2濃度信号36、吸収剤スラリ流量信号37、
ならびに吸収塔抜出流量信号38などのプロセスデータ
(時刻A→B間の時系列データ)が入力される。
第6図は、この液性状演算装置39のフローチヤートで
ある。演算の仕方は前記第5図で説明した演算装置32と
ほぼ同様である。
ある。演算の仕方は前記第5図で説明した演算装置32と
ほぼ同様である。
この演算装置32と相違する点は、時刻tの初期値とし
て、分析値CiA′(前記手分析データ40)を使用する点
である。
て、分析値CiA′(前記手分析データ40)を使用する点
である。
また時刻A→B間のプロセスデータのデータフアイル
42から呼び出し、シミレーシヨン計算され、時刻Bにお
ける成分濃度CiB′が求められる。
42から呼び出し、シミレーシヨン計算され、時刻Bにお
ける成分濃度CiB′が求められる。
このようにして演算された成分濃度CiB′が第1図に
示すように補正濃度信号41として前記演算装置32に入力
される。そして演算装置32では、前述のように時刻Aに
おける成分濃度CiAを初期値として演算された成分濃度C
iBを、前記成分濃度CiB′に置き換えられて、成分濃度
が補正される。
示すように補正濃度信号41として前記演算装置32に入力
される。そして演算装置32では、前述のように時刻Aに
おける成分濃度CiAを初期値として演算された成分濃度C
iBを、前記成分濃度CiB′に置き換えられて、成分濃度
が補正される。
第2図はこの成分濃度の補正方法を示す図で、縦軸は
時間、横軸は成分濃度を示している。そして図中の曲線
43は演算装置32で演算された補正前のオンライン計算信
号、曲線44は液性状演算装置39で演算された補正計算信
号である。
時間、横軸は成分濃度を示している。そして図中の曲線
43は演算装置32で演算された補正前のオンライン計算信
号、曲線44は液性状演算装置39で演算された補正計算信
号である。
前述のように演算装置32において成分濃度CiBを成分
濃度CiB′に置き換えた後は、演算装置32ではそれを基
に予測計算が繰り返され、成分濃度演算結果信号33が演
算装置32から出力される。
濃度CiB′に置き換えた後は、演算装置32ではそれを基
に予測計算が繰り返され、成分濃度演算結果信号33が演
算装置32から出力される。
第7図は、本発明の実施例に係る制御装置を備えた湿
式排煙脱硫装置の運転支援システムの概略図である。
式排煙脱硫装置の運転支援システムの概略図である。
この運転支援システムは、脱硫性能予測制御機能を有
している。この機能は、現在のボイラ負荷、炭種、脱硫
プロセス量から、オンラインシュミレーシヨンにより、
自動分析できない吸収剤スラリの組成を演算し、その演
算値を用いて脱硫性能に関する操作因子の最適設定値を
演算して、脱硫制御装置に指令を送信するもので、次の
ような機能を有している。
している。この機能は、現在のボイラ負荷、炭種、脱硫
プロセス量から、オンラインシュミレーシヨンにより、
自動分析できない吸収剤スラリの組成を演算し、その演
算値を用いて脱硫性能に関する操作因子の最適設定値を
演算して、脱硫制御装置に指令を送信するもので、次の
ような機能を有している。
(機能1) 脱硫性能を予測して、所望の脱硫率を維持するために
必要な吸収塔循環量を求めて、吸収塔循環ポンプの運転
台数を決定し、不要なポンプを停止することにより、吸
収塔循環ポンプの使用電力量の低減を図る。
必要な吸収塔循環量を求めて、吸収塔循環ポンプの運転
台数を決定し、不要なポンプを停止することにより、吸
収塔循環ポンプの使用電力量の低減を図る。
吸収塔循環ポンプは高圧電動機で駆動されており、停
止から起動までの時間と回数に制限があることから、電
動機の起動停止制限回路と電動機選択優先回路を設け、
電動機の保護を図つている。
止から起動までの時間と回数に制限があることから、電
動機の起動停止制限回路と電動機選択優先回路を設け、
電動機の保護を図つている。
(機能2) 吸収塔内の石灰石スラリ濃度を予測計算し、所望のPH
値を維持するのに必要な最適石灰石スラリ量を演算し
て、制御する。
値を維持するのに必要な最適石灰石スラリ量を演算し
て、制御する。
(機能3) 吸収塔内での酸化反応シミユレーシヨンを行い、必要
な酸化空気量を演算して、制御する。
な酸化空気量を演算して、制御する。
(機能4) 排ガス中のHF、HClによる脱硫性能への影響を防止す
るため、最適な苛性ソーダ供給量を演算して、制御す
る。
るため、最適な苛性ソーダ供給量を演算して、制御す
る。
(機能5) 排水量を低減するため、吸収系の塩素濃度を一定に維
持きる排水量を演算して、制御する。
持きる排水量を演算して、制御する。
このオンラインシミユレーシヨンの精度を向上するた
め、次のような補助機能が設けられている。
め、次のような補助機能が設けられている。
.手分析補正機能 前述のように、オンライン計測できない吸収剤スラリ
における各成分濃度の予測計算値を手分析値により補正
する機能である。手分析のためにサンプリングした時間
までさかのぼつて入力できるトレースバツク機能を有し
ている。
における各成分濃度の予測計算値を手分析値により補正
する機能である。手分析のためにサンプリングした時間
までさかのぼつて入力できるトレースバツク機能を有し
ている。
.シミユレーシヨン自動修正機能 この機能は排ガス組成の変化などにより、オンライン
シミユレーシヨンにて得られる計算値とプロセス量との
間にずれが生じた場合、自動的にシミユレーシヨンモデ
ルを修正する機能である。
シミユレーシヨンにて得られる計算値とプロセス量との
間にずれが生じた場合、自動的にシミユレーシヨンモデ
ルを修正する機能である。
.オフラインシミユレーシヨン機能 この機能はオンラインシミユレーシヨンモデルと同一
モデルを持ち、運転条件を設定し、最適運転値を演算す
る機能である。
モデルを持ち、運転条件を設定し、最適運転値を演算す
る機能である。
[発明の効果] 本発明は前述のような構成になつており、手分析によ
つて得られた結果をサンプリング時刻に逆上つて入力
し、すなわちサンプリング時刻における成分濃度の手分
析値を初期値として成分濃度の時間的変化を再計算する
ことにより、現時点での成分濃度を正確に把握すること
ができる。このことから、信頼性の高い湿式排煙脱硫装
置の制御方法を提供することができる。
つて得られた結果をサンプリング時刻に逆上つて入力
し、すなわちサンプリング時刻における成分濃度の手分
析値を初期値として成分濃度の時間的変化を再計算する
ことにより、現時点での成分濃度を正確に把握すること
ができる。このことから、信頼性の高い湿式排煙脱硫装
置の制御方法を提供することができる。
第1図は、本発明の実施例に係る制御装置のブロツク
図、 第2図は、本発明において演算結果の補正方法を示す説
明図、 第3図は、湿式排煙脱硫装置の概略構成、 第4図は、従来の演算装置の機能説明図、 第5図は、演算装置のフローチヤート、 第6図は、液性状演算装置のフローチヤート、 第7図は、本発明の実施例に係る制御装置を備えた湿式
排煙脱硫装置の運転支援システムの概略構成図である。 1……は吸収塔、2……未処理ガス、3……デミスタ、
4……処理ガス、5……吸収剤スラリ、6……吸収塔循
環タンク、7……吸収塔循環ポンプ、8……空気、9…
…吸収塔抜き出し配管、22……ガス流量計、23……入口
SOx濃度計、24……出口SOx濃度計、25……吸収剤スラリ
流量計、26……吸収塔抜き出し流量計、27……ガス流量
計22からの流量信号、28……入口SO2濃度計23からの濃
度信号、29……出口SO2濃度計24からの濃度信号、30…
…吸収剤スラリ流量計25からの流量信号、31……吸収塔
抜出流量計26からの流量信号、32……演算装置、33……
成分濃度演算結果信号、34……ガス流量信号、35……入
口SO2濃度信号、36……出口SO2濃度信号、37……吸収剤
スラリ流量信号、38……吸収塔抜出流量信号、39……液
性状演算装置、40……手分析データ、41……補正濃度信
号、42……データフアイル、43……演算装置32で演算さ
れた補正前のオンライン計算信号、44……液性状演算装
置39で演算された補正計算信号。
図、 第2図は、本発明において演算結果の補正方法を示す説
明図、 第3図は、湿式排煙脱硫装置の概略構成、 第4図は、従来の演算装置の機能説明図、 第5図は、演算装置のフローチヤート、 第6図は、液性状演算装置のフローチヤート、 第7図は、本発明の実施例に係る制御装置を備えた湿式
排煙脱硫装置の運転支援システムの概略構成図である。 1……は吸収塔、2……未処理ガス、3……デミスタ、
4……処理ガス、5……吸収剤スラリ、6……吸収塔循
環タンク、7……吸収塔循環ポンプ、8……空気、9…
…吸収塔抜き出し配管、22……ガス流量計、23……入口
SOx濃度計、24……出口SOx濃度計、25……吸収剤スラリ
流量計、26……吸収塔抜き出し流量計、27……ガス流量
計22からの流量信号、28……入口SO2濃度計23からの濃
度信号、29……出口SO2濃度計24からの濃度信号、30…
…吸収剤スラリ流量計25からの流量信号、31……吸収塔
抜出流量計26からの流量信号、32……演算装置、33……
成分濃度演算結果信号、34……ガス流量信号、35……入
口SO2濃度信号、36……出口SO2濃度信号、37……吸収剤
スラリ流量信号、38……吸収塔抜出流量信号、39……液
性状演算装置、40……手分析データ、41……補正濃度信
号、42……データフアイル、43……演算装置32で演算さ
れた補正前のオンライン計算信号、44……液性状演算装
置39で演算された補正計算信号。
フロントページの続き (72)発明者 大川 剛 広島県呉市宝町6番9号 バブコツク日 立株式会社呉工場内 (56)参考文献 特開 昭64−47425(JP,A) 特開 昭60−222132(JP,A) 特開 昭62−250932(JP,A) 特開 昭63−160927(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01D 53/50,53/77
Claims (1)
- 【請求項1】燃焼装置から排出された排ガス中のイオウ
酸化物を吸収剤スラリと接触させて除去する湿式排煙脱
硫装置において、 前記吸収剤スラリ中の成分濃度を、当該湿式排煙脱硫装
置のプロセスデータを基に演算する演算手段を設け、 その演算手段によつて演算された現時点の演算結果を、
使用中の吸収剤スラリをサンプリングして手分析した手
分析値をサンプリング時刻における初期値として、サン
プリングから現時点までの成分濃度を演算した演算結果
により補正することを特徴とする湿式排煙脱硫装置の制
御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2128126A JP2971512B2 (ja) | 1990-05-19 | 1990-05-19 | 湿式排煙脱硫装置の制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2128126A JP2971512B2 (ja) | 1990-05-19 | 1990-05-19 | 湿式排煙脱硫装置の制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0427417A JPH0427417A (ja) | 1992-01-30 |
JP2971512B2 true JP2971512B2 (ja) | 1999-11-08 |
Family
ID=14977039
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2128126A Expired - Fee Related JP2971512B2 (ja) | 1990-05-19 | 1990-05-19 | 湿式排煙脱硫装置の制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2971512B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR940701464A (ko) * | 1992-04-17 | 1994-05-28 | 이시마루 쓰네오 | 화학적 처리액의 농도 검출 방법, 장치 및 그 자동 관리장치 |
-
1990
- 1990-05-19 JP JP2128126A patent/JP2971512B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0427417A (ja) | 1992-01-30 |
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