JP2970534B2 - 参照電極の製造方法 - Google Patents
参照電極の製造方法Info
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Description
成分を電気化学的手法を用いて分析する参照電極に関
し、特に、製作を容易とし、且つ大量生産に好適な参照
電極の製造方法に関する。
通常、ポテンシオメトリック方式やアンペロメトリック
方式の電気化学素子の参照電極として用いられている。
従来このような比較電極としては飽和カロメロ電極(S
CE)、銀/塩化銀電極、酸化水銀電極等が使用されて
いる。
すように、主として高濃度の塩化カリウム溶液80、ガラ
ス製の塩化カリウム溶液の貯留部81、ガラス製の塩化カ
リウム溶液の注入口82、ガラス膜83、ガラス製の液絡部
84、配線85とつながっている銀86および銀の表面に形成
されている塩化銀87で構成されている。
3-246459号公報に記載されるように、小型および安価
で、かつ取り扱いの容易な比較電極の提供を目的として
用いられている。
ョメトリックセンサの比較電極として電極支持基材上
に、銀/塩化銀膜を形成し、この銀/塩化銀膜を有機高
分子で被覆してなる比較電極が提案されている。図11
(A)は、同公報に提案される従来の比較電極の外観斜
視図、図11(B)は、図11(A)のA−A′線の断
面図である。また、図12は同比較電極の製造工程を説
明する図である。
持基材)であり、塩化銀膜54の形成方法は、銀膜53を形
成した絶縁性基板52を、この銀膜53と同等以上の表面積
を持つ白金(Pt)陰極と共に、0.1Nの塩酸液に浸漬
し、銀膜53を陽極にして0.5mA/cm2の電流を印加する。
10−30分程度でブドウ色の塩化銀膜54が形成される。
に、絶縁性基板52にダイシング溝58を形成して、個々の
銀膜53、塩化銀膜54に分離して製造される。
ミド樹脂を塗布し、ホトマスクを用いて露光した後、現
像、リンスして、不要な部分(電極部54a、接続部54b上
の部分)を除去し、絶縁膜55とする(図11(B)参
照)。
の絶縁性基板52に分割し、有機保護膜56を形成する。こ
の有機保護膜56は、塩化カリウムを添加したポリ塩化ビ
ニール溶液中に、絶縁性基板52をディップして形成され
る。塩化カリウムは有機保護膜56が被検液に接したとき
に電離し、生じた塩素イオンが有機保護膜56の使用耐久
性を向上させる。
て、例えば特開平1-269044号公報には、電気化学測定用
微小電極セルとして、金属または半導体または半金属か
らなる作用電極、対向電極および参照電極を基板上に形
成したことを特徴とする電気化学測定用微小電極セル及
びその製造方法が提案されており、小型および安価で、
かつ品質が均一な比較電極の製作方法の提供を目的とし
て用いられている。
気化学測定用微小電極セルの構成の模式図を図13に示
す。図13を参照すると、この従来の方法では、基板61
上に形成した参照電極64にリード線を接続し、その後60
℃に加熱した銀メッキ液中で電流密度1mA、10秒間銀メ
ッキを行い、参照電極上へ銀を析出させて比較電極を製
造している。
た従来技術は下記記載の問題点を有している。
の銀膜上に塩化銀膜を形成する際の工程が多く、複雑
で、コストが高いということである。その理由は、銀膜
を希塩酸溶液中で電解して塩化銀を形成しているため、
この銀電極と別の電極を同じ溶液内に設置して電流を流
す工程を要するためである。
膜は塩化銀膜との密着性が低く、耐熱性、耐衝撃性およ
び耐薬品性が低いということである。その理由は、塩化
銀に対する銀膜の密着強度が極めて低いためである。
電極表面に測定試料中の物質が付着しやすいということ
である。その理由は有機保護膜の材料が塩化ビニルであ
るためである。
れたものであって、その目的は、液体試料中の特定成分
を測定する電気化学的手法に用いる参照電極を容易に、
大量に、かつ低コストで生産が可能な製造方法を提供す
ることにある。
由な複数の独立した参照電極を絶縁性基板上に製造する
方法を提供することにある。
物質が電極表面に付着しない参照電極を製造する方法を
提供することにある。
め、本発明は、(a)絶縁基板上において電極が形成さ
れる部分に開口部を有するマスク層を形成し、少なくと
も銀層を表面に露出させた導電性膜を形成した後、前記
マスク層を除去し、少なくとも一つの銀電極を形成する
工程と、(b)銀よりもイオン化傾向が大きな塩素化合
物、又は酸化還元電位の低い塩素化合物、を含有する溶
液に浸漬して前記銀電極の表面に塩化銀を析出させる工
程と、(c)前記塩化銀面を覆う保護膜を形成する工程
と、を含む。この保護層は、生体高分子膜よりなり、ま
た保護膜上にさらに疎水性高分子膜を被覆するようにし
てもよい。
の好ましい実施の形態を、製造工程順に示した図1乃至
図3を参照して以下に説明する。
基板(図1(A)の3)上に、電極が形成される部分に
開口部を持つマスク層(図1(A)の2)を密着させ、
銀をスパッタリングして絶縁基板(図1(B)の3)上
に銀(図1(B)の1)膜を形成し、マスク層(図1
(C)の2)を除去した後の銀電極を形成したウェハ
(図1(C)の10)を塩化鉄溶液(図2(D)の4)中
に浸漬させ、銀(図2(E)の1)膜上に塩化銀(図2
(E)の5)膜を形成し、塩化鉄溶液(図2(E)の
4)から銀/塩化銀電極を形成したウェハ(図21
(E)の12)を取り出し、その上に保護膜(図3(G)
の7)を形成した後、個々の銀/塩化銀電極チップ(図
2(H)の14)に切り分ける工程からなる。
水性、耐熱性、耐薬品性および銀との密着性に優れた石
英が好ましい。しかしながら、セラミックス、ガラスも
しくは石英を主成分とするものでも良い。
光性樹脂、もしくはガラスであればよいが、ステンレス
でも良い。
タリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法、ケ
ミカル・ベーパー・ディポジッション法で形成すること
が望ましい。好ましくは大量生産が容易で、かつ低コス
トであるスパッタリング法が望ましい。
0)を浸漬する溶液は、銀よりもイオン化傾向もしくは
酸化還元電位の低い金属塩化物溶液である塩化鉄(II
I)、塩化銅(I)、(II)、塩化鉄(II)、塩化鉛、塩化錫、
塩化ニッケル、塩化クロム、塩化亜鉛、塩化マンガンで
あり、低コスト、低毒性である塩化鉄(III)溶液(図
2の4)が望ましい。また、塩化鉄(III)溶液(図2
の4)の濃度は、1mM以上であればよいが、50mM程度ま
たは50mMを越えた程度が好ましい。
表面積に占める塩化銀の割合との関係を示す特性図であ
る図9からわかるように、銀電極表面の塩化銀(図2の
5)は、塩化鉄(III)(図2の4)の濃度が1mMから析
出し、50mM以上あれば十分に析出するからである。
(C)の10)の浸漬時間は、1秒以上であればよいが、
10分程度とするのが好ましい。
める塩化銀の割合との関係を示す特性図である図10か
らわかるように、銀電極表面の塩化銀(図2の5)は、
浸漬時間が1秒から析出し、10分以上あれば十分に析出
するからである。
5)層の上に形成する保護膜(図3の7)は、銀電極表
面に析出させた塩化銀(図2の5)の剥離を防ぎ、さら
に塩化銀(図2の5)の溶出量を低下させる効果を有
し、ガンマ・アミノプロピルエトキシ・シラン、グルタ
ルアルデヒドで架橋したアルブミン、ポリ塩化ビニル、
ポリオレフィン、アセチルセルロース、パーフルオロカ
ーボン系の制限透過膜であればよいが、グルタルアルデ
ヒドで架橋したアルブミンが望ましい。同時にこの膜の
表面に触媒機能等を有する有機高分子膜を積層すること
も可能であるからである。上記の制限透過膜は、スピン
塗布法およびスプレー法を用いて形成する。
金属塩化物の溶液中に浸漬し、銀膜表面上に塩化銀膜を
形成して、銀/塩化銀電極を製作する。このため、この
製作方法は、ウェハ上に独立して形成する微小な銀電極
の製作にも適用することが可能となる。
持つ白金電極を用いて希塩酸中に浸漬し、電流を印加し
て銀電極表面に塩化銀を析出させ、銀/塩化銀電極を製
造していた。
位を印加する必要がなく、劇物である塩酸を使用しない
ため、簡単で、危険が少なく、しかも量産化も容易であ
る。さらに、塩化銀膜上に制限透過膜を積層することに
よって、銀膜上に形成した塩化銀の剥離を防ぎ、塩化銀
の溶出量を低下させる効果がある。その上、構造が単純
で、サイズや形状を自由に設計することも可能な参照電
極を提供できる。
てさらに詳細に説明する。
に係る参照電極の製造方法を工程順に模式的に示したも
のである。なお、図1〜図3には、単に図面作成の都合
上製造工程が分図して示されている。
を積層した状態を示したものであり、絶縁基板3の成分
は耐水性、耐熱性、耐薬品性および銀1との密着性に優
れた材料を用いればよい。この材料としては、セラミッ
クス、ガラスもしくは石英を主成分とするものであれば
よいが、石英が望ましい。マスク層2は金属、感光性樹
脂、もしくはガラスであればよいが、ステンレスでも良
い。
に銀1膜を形成した状態を示したものである。銀1膜の
形成はスパッタリング法、イオンプレーティング法、真
空蒸着法、ケミカル・ベーパー・ディポジッション法で
あればよいが、スパッタリング法が望ましい。
マスク層2を除去し、絶縁基板3上に銀1膜が形成され
た銀電極を形成したウェハ10を示したものである。
を、ビーカー6中に注いだ塩化鉄(III)溶液4中に浸
漬させた状態を示したものである。銀電極を形成したウ
ェハ10を浸漬する溶液は、塩化鉄(III)、塩化鉄(I
I)、塩化クロム、塩化マンガン、塩化コバルト、塩化
ニッケル、塩化銅、塩化亜鉛等の金属塩化物、金属塩化
物以外にも塩酸、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム等
のアルカリ金属の塩化物やアルカリ土類金属の塩化物で
あればよいが、塩化鉄(III)が望ましい。
するだけで、塩化銀層を形成することが可能となる。ま
た、塩化鉄(III)溶液4の濃度は、1mM以上であれば
よいが、50mMが望ましい。
極を形成したウェハ10を10分間放置した後、銀1膜の表
面上に塩化銀5膜が形成された、銀/塩化銀電極を形成
したウェハ12の状態を示した図である。銀電極を形成し
たウェハ10の浸漬時間は1秒以上であればよいが、10分
が望ましい。
電極を形成したウェハ12を取り出し、洗浄した後の銀/
塩化銀電極を形成したウェハ12の状態を示している。
ウェハ12の表面上に、スピン塗布法やスプレー法などを
用いて保護膜7を形成した状態を示したものである。保
護膜7は、ガンマ・アミノプロピルエトキシ・シラン、
グルタルアルデヒドで架橋したアルブミン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリオレフィン、アセチルセルロース、パーフル
オロカーボン系のイオン交換膜であればよいが、グルタ
ルアルデヒドで架橋したアルブミンが望ましい。
ウェハ12を切り分けた銀/塩化銀電極チップ14の状態を
示している。この切り分けた銀/塩化銀電極チップ14
は、電極のコネクタ等に挿入することによって、電気化
学素子の参照電極として使用することが可能となる。
本発明の実施例に即してより具体的に説明する。
たステンレス製のメタルマスクを密着させ、銀をスパッ
タリングして電極面積3mm2、厚さ300nmの銀電極を製作
し、この電極を1、50、100mMの塩化鉄(III)溶液中に
室温下で10分間浸漬した後、電極面積が3mm2の銀/塩
化銀電極を製作した。
ルデヒドを含む22.5%のアルブミン溶液をこの電極表面
に3000rpmでスピン塗布して、アルブミン膜を形成し、
個々の銀/塩化銀電極チップに切り分け、電気化学測定
装置の作用極側の電極コネクタに装着した。
極の塩素イオン濃度に対する自然電位の減少率を、ネル
ンストの式である-59.16mV/decadeと比較して行った。
結果を表1に示す。塩化鉄(III)の浸漬濃度を50mM以
上にすることによって、最もネルンストの式に近くな
り、銀/塩化銀電極として正確に作動した。
たステンレス製のメタルマスクを密着させ、銀をスパッ
タリングして電極面積3mm2、厚さ300nmの銀電極を製作
し、この電極を50mMの塩化鉄(III)溶液中に室温下で
1秒、10分、30分間浸漬した後、電極面積が3mm2の銀
/塩化銀電極を製作した。
ルデヒドを含む22.5%のアルブミン溶液をこの電極表面
に3000rpmでスピン塗布して、アルブミン膜を形成し、
個々の銀/塩化銀電極チップに切り分け、電気化学測定
装置の作用極側の電極コネクタに実装した。
極の塩素イオン濃度に対する自然電位の減少率を、ネル
ンストの式である-59.16mV/decadeと比較して行った。
結果を表2に示す。塩化鉄(III)の浸漬時間を10分以
上にすることによって、最もネルンストの式に近くな
り、銀/塩化銀電極として正確に作動した。
たステンレス製のメタルマスクを密着させ、銀をスパッ
タリングして電極面積を0.5、3、30mm2、厚さ300nmの銀
電極を製作し、この電極を50mMの塩化鉄(III)溶液中
に室温下で10分間浸漬した後、それぞれの電極面積の銀
/塩化銀電極を製作した。
ルデヒドを含む22.5%のアルブミン溶液をこの電極表面
に3000rpmでスピン塗布して、アルブミン膜を形成し、
個々の銀/塩化銀電極チップに切り分け、電気化学測定
装置の作用極側の電極コネクタに実装した。
極の塩素イオン濃度に対する自然電位の減少率を、ネル
ンストの式である-59.16mV/decadeと比較して行った。
結果を表3に示す。電極面積を変えても、得られるネル
ンストの式に変化はなく、銀/塩化銀電極として正確に
作動した。この原因としては、銀電極の面積が銀電極表
面への塩化銀の析出に影響を及ぼさないためであると考
えられる。
たステンレス製のメタルマスクを密着させ、銀をスパッ
タリングして電極面積3mm2、厚さ300nmの正方形、円形
および正三角形の銀電極を製作し、この電極を50mMの塩
化鉄(III)溶液中に室温下で10分間浸漬した後、それ
ぞれの形をした面積が3mm2の銀/塩化銀電極を製作し
た。
ルデヒドを含む22.5%のアルブミン溶液をこの電極表面
に3000rpmでスピン塗布して、アルブミン膜を形成し、
個々の銀/塩化銀電極チップに切り分け、電気化学測定
装置の作用極側の電極コネクタに実装した。
極の塩素イオン濃度に対する自然電位の減少率を、ネル
ンストの式である-59.16mV/decadeと比較して行った。
結果を表4に示す。電極の形状を変えても、得られるネ
ルンストの式に変化はなく、銀/塩化銀電極として正確
に作動した。この原因としては、銀電極の形状が銀電極
表面への塩化銀の析出に影響を及ぼさないためであると
考えられる。本発明によれば、電極を実装する電気化学
測定装置のセルの形状にとらわれる必要がなくなり、個
々の電気化学測定装置に見合った参照電極を提供でき
る。
たステンレス製のメタルマスクを密着させ、銀をスパッ
タリングして電極面積3mm2、厚さ300nmの銀電極を製作
し、この電極を50mMの塩化鉄(III)溶液中に室温下で1
0分間浸漬した後、それぞれの電極面積の銀/塩化銀電
極を製作した。
ルデヒドを含む22.5%のアルブミン溶液をこの電極表面
に3000rpmでスピン塗布して、アルブミン膜を形成し、
個々の銀/塩化銀電極チップに切り分け、電気化学測定
装置の作用極側の電極コネクタに実装した。また、同時
にアルブミン膜上にイオン交換膜を形成した銀/塩化銀
電極、およびアルブミン膜上に疎水性高分子膜を形成し
た銀/塩化銀電極もそれぞれ製作した。
て行った。結果を表5に示す。析出した塩化銀の表面に
イオン交換性もしくは疎水性の保護膜を形成することに
よって、銀/塩化銀電極の使用寿命を長くすることがで
きる。寿命が長くなった原因としては、疎水性高分子膜
が銀/塩化銀電極の塩化銀の溶出量を低下させたためで
あると考えられる。
たステンレス製のメタルマスクを密着させ、導電性膜と
して銀をスパッタリングしたものと、チタンと銀を順次
スパッタリングしたものと、チタンと白金そして銀を順
次スパッタリングして、電極面積3mm2、絶縁基板上の銀
電極の厚さが400nmの銀電極をそれぞれ製作した。この
電極を50mMの塩化鉄(III)溶液中に室温下で10分間浸
漬した後、電極面積が3mm2の銀/塩化銀電極を製作し
た。
ルデヒドを含む22.5%のアルブミン溶液をこの電極表面
に3000rpmでスピン塗布して、アルブミン膜を形成し、
個々の銀/塩化銀電極チップに切り分け、電気化学測定
装置の作用極側の電極コネクタに実装した。
/塩化銀電極のpH4の硝酸溶液中における使用寿命を測
定して行った。結果を表6に示す。絶縁基板と銀膜との
間に、チタン膜もしくはチタン膜と白金膜を設けること
によって、耐酸性を向上させ、使用寿命を長くすること
ができる。その理由としてはチタンと白金が、絶縁基板
と銀との密着性を向上させたためであると考えられる。
たステンレス製のメタルマスクを密着させ、銀をスパッ
タリングして電極面積3mm2、厚さ300nmの銀電極を製作
し、この電極を50mMの塩化鉄(III)溶液中に室温下で1
0分間浸漬した後、電極面積が3mm2の銀/塩化銀電極を
製作した。
ルデヒドを含む22.5%のアルブミン溶液をこの電極表面
に3000rpmでスピン塗布して、アルブミン膜を形成し、
個々の銀/塩化銀電極チップに切り分け、電気化学測定
装置の作用極側の電極コネクタに実装した。
極と、従来の方法で製作した参照電極を用いて、既存の
白金電極と対極を用いたときの過酸化水素に対する電流
−電位特性を比較して行った。
り製作した銀/塩化銀電極(図8(A)参照)は、既存
の参照電極(図8(B)参照))と同様な電気化学特性
を持ち、十分に使用可能であることがわかった。
図4乃至図6を参照して詳細に説明する。なお図4〜図
6には、単に図面作成の都合上製造工程が分図して示さ
れている。
膜、白金16膜を順次形成してから銀1膜を形成する工程
を示した図である。すなわち、第2の実施の形態に係る
製造方法は、図1(B)と図1(C)に示す工程の間
に、図4(B)と図4(C)に示す工程を新たに行うも
のである。
を積層した状態を示したものである。
にチタン15膜を形成した状態を示している。チタン15膜
の形成は、スパッタリング法、イオンプレーティング
法、真空蒸着法、ケミカル・ベーパー・ディポジッショ
ン法であればよいが、スパッタリング法が好ましい。
形成した状態を示したものである。白金16膜の形成方法
はチタン15膜と同じスパッタリング法が好ましい。
した状態を示している。銀1膜の形成方法も同様にスパ
ッタリング法が好ましい。
除去し、絶縁基板3上にチタン15膜、白金16膜そして銀
1膜が形成された、銀電極を形成したウェハ20を示す図
である。
をビーカー6中に注いだ塩化鉄(III)溶液4中に浸漬
させた状態を示している。
で、銀電極を形成したウェハ20を50mMの塩化鉄(III)
溶液4中に10分間放置した後、銀1膜の表面上に塩化銀
5膜が形成された、銀/塩化銀電極を形成したウェハ22
の状態を示した図である。
電極を形成したウェハ22を取り出し、洗浄した後の銀/
塩化銀電極を形成したウェハ22の状態を示している。
ウェハ22の表面上に、保護膜7としてグルタルアルデヒ
ドで架橋したアルブミンを形成した状態を示したもので
ある。
ウェハ22を切り分けた、銀/塩化銀電極チップ24の状態
を示している。切り分けた銀/塩化銀電極チップ24は、
電気化学測定装置の電極のコネクタ等に挿入することに
よって、電気化学素子の参照電極として使用することが
可能となる。
銀との親和性が低いため、銀との密着性が低い。このた
め、絶縁基板と銀膜との間にチタン膜と白金膜を設ける
本発明によれば、絶縁基板3と銀1膜との密着性、物理
的特性である耐衝撃性や耐熱性、理化学的特性である耐
薬品性が向上し、頑丈でしかも使用寿命の長い銀/塩化
銀電極を製作することが可能となる。なお、この方法は
製造コストを下げることを想定した場合、チタンのみで
も銀の密着性を向上させる効果がある。
て、図7と図1乃至図3を参照して詳細に説明する。
製造方法として、保護膜7上に、さらに疎水性保護膜8
を形成した状態を示したものである。
に示した工程を終えた後、疎水性保護膜8を保護膜7上
に積層し、銀/塩化銀電極を形成したウェハ32を示して
いる。
ウェハ32を個々の銀/塩化銀電極チップ34に切り分けた
状態を示したものである。
化合物が望ましい。好ましくはポリアルキルシロキサン
である。疎水性保護膜8は銀/塩化銀電極の表面、もし
くは保護膜7の表面に測定試料中の物質が付着し、測定
精度が低下するの防ぐ効果があり、高精度の電気化学測
定が可能となる。
載の効果を奏する。
コストで生産が可能になるということである。この理由
は、本発明においては、銀/塩化銀電極の製造工程が、
主として絶縁基板上に銀をスパッタリングで形成し、塩
化鉄(III)溶液中に浸漬し、個々の銀/塩化銀電極に
切り分けて製造されるため、既存の半導体製造工程の大
部分を流用することを可能としたことによる。
形状の自由な参照電極を製造することを可能とするとい
うことである。これは、本発明においては、銀/塩化銀
電極が、電極の内部に塩化カリウム溶液や、この溶液を
貯蔵するスペース、注入口および液絡部などを必要とせ
ず、電気化学測定の際に使用する緩衝液等に一定濃度の
塩素イオンを添加しておくだけで作動することによる。
使用寿命を長くすることを可能としていることである。
これは、本発明においては、制限透過膜が塩化銀の溶出
量を低下させたり、銀イオンや塩素イオンの拡散を制限
するためである。
電極の取り扱いを簡単とするということである。これ
は、本発明においては、銀/塩化銀電極が、電極内部に
塩化カリウム溶液や、この溶液を貯蔵するスペース、注
入口および液絡部を必要としないため、取り扱いをラフ
に行った場合でも、あるいは物理的衝撃を与えても、破
損することが少ないためである。
の表面に測定試料中の物質が付着し難くなるということ
である。これは、本発明においては、参照電極表面に疎
水性保護膜を形成するようにしたことによる。
を工程順に示した図である。
を工程順に示した図である。
を工程順に示した図である。
造方法を工程順に示した図であり、絶縁基板と銀膜との
間にチタン膜と白金膜を形成して参照電極を製造すると
きの工程を示した図である。
造方法を工程順に示した図である。
造方法を工程順に示した図である。
造方法を工程順に示した図であり、第1の実施の形態で
製造される参照電極表面に疎水性保護膜を形成するとき
の工程を示した図である。
であり、(A)は本発明の実施例により製作した銀/塩
化銀電極の過酸化水素に対する電流−電位特性、(B)
は従来の方法で製作した参照電極の過酸化水素に対する
電流−電位特性を示した図である。
(III)濃度と、銀電極表面に占める析出した塩化銀の
割合を示す特性図である。
と、銀電極表面に占める析出した塩化銀の割合を示す特
性図である。
である。 (B)従来技術による比較電極の断面図である。
である。
学測定用微小電極セルの模式図である。
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 (a)絶縁基板上において電極が形成され
る部分に開口部を有するマスク層を形成し、少なくとも
銀層を表面に露出させた導電性膜を形成した後、前記マ
スク層を除去し、少なくとも一つの銀電極を形成する工
程と、 (b)銀よりもイオン化傾向が大きな塩素化合物、又は
酸化還元電位の低い塩素化合物、を含有する溶液に浸漬
して前記銀電極の表面に塩化銀を析出させる工程と、 (c)前記塩化銀面を覆う生体高分子膜を形成する工程
と、 を含むことを特徴とする参照電極の製造方法。 - 【請求項2】 前記生体高分子膜が、少なくともグルタル
アルデヒドとアルブミンの反応によって形成されるもの
であり、シランカップリング剤を介して絶縁基板と結合
し、密着してなることを特徴とする請求項2記載の参照
電極の製造方法。 - 【請求項3】 (a)絶縁基板上において電極が形成され
る部分に開口部を有するマスク層を形成し、少なくとも
銀層を表面に露出させた導電性膜を形成した後、前記マ
スク層を除去し、少なくとも一つの銀電極を形成する工
程と、 (b)銀よりもイオン化傾向が大きな塩素化合物、又は
酸化還元電位の低い塩素化合物、を含有する溶液に浸漬
して前記銀電極の表面に塩化銀を析出させる工程と、 (c)前記塩化銀面を覆う保護膜を形成し、前記保護膜
上にさらに疎水性高分子膜を被覆する工程と、 を含むことを特徴とする参照電極の製造方法。 - 【請求項4】 前記疎水性高分子膜が、少なくともポリア
ルキルシロキサンを含むことを特徴とする請求項3記載
の参照電極の製造方法。
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