JP2970217B2 - Soi基板におけるsoi膜厚均一化方法 - Google Patents

Soi基板におけるsoi膜厚均一化方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、SOI膜厚をSOI基
板全面に亘って均一化する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、誘電体基板上に1μm以上の厚さ
を有する単結晶半導体薄膜を形成する方法としては、単
結晶サファイア基板上に単結晶シリコン膜等をエピタキ
シャル成長させる技術が良く知られているが、この技術
においては、誘電体基板と気相成長されるシリコン単結
晶との間に格子定数の不一致があるため、シリコン気相
成長層に多数の結晶欠陥が発生し、このために該技術は
実用性に乏しい。
【0003】そこで、近年、SOI( Si On Insulato
r)構造の接合ウエーハ(以下、SOI基板と称す)が
特に注目されるに至った。このSOI基板は、例えば2
枚の半導体基板の少なくとも一方を酸化処理してその基
板の少なくとも一方の表面に酸化膜を形成し、これら2
枚の半導体基板を前記酸化膜が中間層になるようにして
重ね合わせた後、これらを所定温度に加熱して接着し、
その一方の半導体基板を平面研削した後、更に研磨して
これを薄膜化し、単結晶シリコン薄膜(以下、SOI膜
と称す)とすることによって得られる。
【0004】ところで、パワーものに用いられるSOI
基板は、SOI膜厚が比較的厚く10μm以上である
が、その厚さは均一で、バラツキは少なくとも±0.3
μm以下であることが要求される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現行の
研磨における管理方法の下ではSOI膜厚の均一化には
限界があり、SOI膜厚をバラツキ±0.3μm以下に
抑えて均一化することは不可能であった。
【0006】本発明は上記問題に鑑みてなされたもの
で、その目的とする処は、SOI膜厚が10μm以上の
SOI基板においても、SOI膜厚のバラツキを基板全
面に亘って±0.3μm以下に抑えることができるSO
I基板におけるSOI膜厚均一化方法を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく本
発明は、SOI基板面内を複数に区画し、フーリエ変換
赤外分光計を用いて各区画のSOI膜厚をそれぞれ測定
して膜厚マップを作成し、各区画のSOI膜厚が所定値
となるためのエッチング代を前記膜厚マップに基づいて
各区画毎に計算し、所定の領域のみを選択的にエッチン
グ可能なドライエッチング装置をSOI基板上で走査し
て各区画のSOI膜を所定のエッチング代だけエッチン
グ処理するSOI膜厚均一化方法であって、前記フーリ
エ変換赤外分光計を用いるSOI膜厚の測定方法では、
マイケルソン干渉計を構成する固定鏡と移動鏡との光路
差を連続的に変えて得られる干渉光をSOI基板上に照
射して光路差−反射赤外光強度曲線を得、この曲線にお
ける複数のサイドバーストの各々に存在する極小ピーク
の中から光路差の絶対値の最も小さいものを選択し、そ
の極小ピークの光路差からSOI膜厚を求めることをそ
の特徴とする。
【0008】
【作用】本発明者等はフーリエ変換赤外分光計(以下、
FTIRと称す)を用いてSOI膜厚を測定する方法
(以下、FTIR法と称す)を先に提案したが、該方法
によれば厚さ10μm以上のSOI膜厚であってもこれ
を高精度に測定できることがわかった。
【0009】従って、本発明のようにSOI基板面の各
区画のSOI膜厚をFTIR法によって測定して膜厚マ
ップを作成し、この膜厚マップに基づいて各区画におけ
るSOI膜のエッチング代を計算し、ドライエッチング
装置によって各区画のSOI膜をエッチング代だけエッ
チング処理すれば、10μm以上の厚さのSOI膜であ
っても、その厚さを±0.3μm以下のバラツキに抑え
て均一化することができる。
【0010】
【実施例】以下に本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
【0011】本発明方法においては、図1に示すよう
に、先ずSOI基板11が複数の区画W1,W2…Wn
に分割され、各区画W1,W2…WnのSOI膜厚がF
TIR法によって測定されて膜厚マップが作成される。
【0012】ここで、FTIRによるSOI膜厚の測定
方法を図2乃至図4に基づいて概説する。尚、図2はF
TIR法によるSOI膜厚測定系の基本構成図、図3は
SOI基板における光路差と反射赤外光強度との関係を
示す図、図4は酸化膜厚1,2,3μm上の5〜32μ
mの膜厚を有するSOI膜に対しFTIR法によって測
定されたSOI膜厚と走査型電子顕微鏡(SEM)によ
って測定されたSOI膜厚との相関を示す図である。
【0013】図2に示すように、赤外線発生用ランプ1
によって発生した波長2.5〜25μmの連続赤外光
を、固定鏡2と移動鏡3及びビームスプリッター4で構
成されるマイケルソン干渉計を用いて干渉光とし、この
干渉光をSOI基板11上のSOI膜12上に照射す
る。
【0014】而して、前記固定鏡2と移動鏡3との光路
差Δを連続的に変えて得られる干渉光をSOI膜12上
に照射すると、固定鏡2と移動鏡3との光路差Δが或る
特定の値を持つ際に、合成された反射光は特異な挙動を
示す。つまり、図3に示す光路差−反射赤外光強度曲線
上に反射光強度がピーク値を示すサイドバースト(ピー
ク集合部分)と称される部分が生じる。
【0015】本発明者等は、光路差−反射赤外光強度曲
線上において、反射光強度にピークが生じる光路差Δと
SOI膜厚との間に存在する相関を見出した。即ち、光
路差−反射赤外光強度曲線における複数のサイドバース
トの各々に存在する極小ピークの内、光路差Δの絶対値
の最も小さい極小ピークのその光路差(図2に示す例で
は、図示の光路差Δmin)がSOI膜厚に対応してい
ることを見い出した。
【0016】而して、上記相関によれば、厚さ10μm
以上のSOI膜であっても、その厚さを高精度に測定す
ることができる。図4にFTIR法によって測定された
SOI膜厚と走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定
されたSOI膜厚との関係を示すが、これによれば両者
のデータの相関係数は0.999であって、両者には非
常に高い相関があることがわかる。
【0017】以上に説明したFTIR法によって前述の
ようにSOI基板11の各区画W1,W2…Wnについ
てSOI膜厚が測定されて膜厚マップが作成されると、
各区画W1,W2…WnのSOI膜厚が所定値となるた
めに必要なエッチング代が膜厚マップに基づいて各区画
W1,W2…Wn毎に計算される。
【0018】次に、図5に示すように、SOI基板11
は反応室20内でドライエッチング装置30によってそ
のSOI膜12が、各区画W1,W2…Wnについて計
算されたエッチング代分だけエッチングされて除去され
る。即ち、反応室20内にはX−Y平面(水平面 )内
を移動し得るX−Yテーブル40が収納されており、該
X−Yテーブル40上には円板状の下部電極31が固定
されている。又、反応室20内には円柱状の上部電極3
2が収納されており、両電極31,32には交流電源3
3が接続されている。そして、両電極31,32及び交
流電源33がドライエッチング装置30を構成してお
り、該ドライエッチング装置30は直径8〜14mmφ
の領域のみを選択的にエッチング可能である。
【0019】而して、図5に示すように、SOI基板1
1が反応室20内の下部電極31上に固定され、反応室
20内には反応ガス(SF6 /O2 ガス)が供給され
る。その後、X−Yテーブル40が駆動されてドライエ
ッチング装置30の上部電極32がSOI基板11上を
区画W1,W2…Wnの順に走査し、ドライエッチング
装置30は両電極31,32間の放電によってSOI基
板11のSOI膜12を各区画W1,W2…Wnについ
て所定のエッチング代だけエッチングして薄層化し、S
OI基板11の全区画W1,W2…Wnについてエッチ
ング処理が終了すると、SOI膜厚は所望の値及び所望
のバラツキ(±0.3μm)以下となってSOI基板1
1の全面に亘って均一化される。尚、ドライエッチング
装置30の走査速度は、SOI基板11面の各区画W
1,W2…Wnにおけるエッチング代とエッチング速度
によって決定される。
【0020】ここで、具体例について説明する。
【0021】SOI膜厚の所望値が20.0μmである
場合、5”N型<100>、中央の厚さが21.5μm
であるSOI膜を有するSOI基板に対して本発明方法
を適用した。
【0022】先ず、SOI基板を全面に亘って10mm
方眼に区画し、FTIR法によって各区画毎にSOI膜
厚を測定して膜厚マップを作成したが、このときのSO
I膜厚のバラツキは±1.0μmであった。
【0023】次に、SOI基板の各区画毎にエッチング
代を計算し、ドライエッチング装置によってエッチング
代分だけエッチング処理した。尚、エッチング処理には
直径8mmφの上部電極と直径200mmφの下部電極
を用い、両者の間隔を60mmに設定し、反応室内に反
応ガス(SF6 /O2 ガス)を45/5cc/minの
割合で供給しながら、両電極に周波数13.56MH
z、電力0.2Wの交流を印加した。又、ドライエッチ
ング装置の走査速度Vは、走査領域のSOI膜をXμm
として、V=8×0.06/(X−20.0)(mm/
min)によって求めた。ここに、8は前記上部電極の
直径(mm)、0.06はSOI膜の深さ方向のエッチ
ング速度(μm/min)である。
【0024】而して、エッチング後のSOI膜厚分布と
しては、20.5±0.25μmという結果が得られ、
SOI膜厚のバラツキを±0.3μm以下に抑えて均一
化することができた。
【0025】
【発明の効果】以上の説明で明らかな如く、本発明によ
れば、SOI膜厚が10μm以上のSOI基板において
も、SOI膜厚を±0.3μm以下のバラツキに抑えて
均一化することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】区画されたSOI基板の平面図である。
【図2】FTIR法によるSOI膜厚測定系の基本構成
図である。
【図3】SOI基板における光路差と反射赤外光強度と
の関係を示す図である。
【図4】FTIR法によって測定されたSOI膜厚と走
査型電子顕微鏡(SEM)によって測定されたSOI膜
厚との相関を示す図である。
【図5】本発明方法を実施するための装置の構成図であ
る。
【符号の説明】
2 固定鏡 3 移動鏡 11 SOI基板 12 SOI膜 30 ドライエッチング装置
フロントページの続き (72)発明者 片山 正健 群馬県安中市磯部2丁目13番1号信越半 導体株式会社 半導体磯部研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 21/66

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SOI基板面内を複数に区画し、フーリ
    エ変換赤外分光計を用いて各区画のSOI膜厚をそれぞ
    れ測定して膜厚マップを作成し、各区画のSOI膜厚が
    所定値となるためのエッチング代を前記膜厚マップに基
    づいて各区画毎に計算し、所定の領域のみを選択的にエ
    ッチング可能なドライエッチング装置をSOI基板上で
    走査して各区画のSOI膜を所定のエッチング代だけエ
    ッチング処理するSOI膜厚均一化方法であって、前記
    フーリエ変換赤外分光計を用いるSOI膜厚の測定方法
    では、マイケルソン干渉計を構成する固定鏡と移動鏡と
    の光路差を連続的に変えて得られる干渉光をSOI基板
    上に照射して光路差−反射赤外光強度曲線を得、この曲
    線における複数のサイドバーストの各々に存在する極小
    ピークの中から光路差の絶対値の最も小さいものを選択
    し、その極小ピークの光路差からSOI膜厚を求める
    とを特徴とするSOI基板におけるSOI膜厚均一化方
    法。
  2. 【請求項2】 前記ドライエッチング装置は、直径8〜
    14mmφの領域のみを選択的にエッチング可能である
    ことを特徴とする請求項1記載のSOI基板におけるS
    OI膜厚均一化方法。
  3. 【請求項3】 前記ドライエッチング装置の走査速度
    は、SOI基板面の各区画におけるエッチング代とエッ
    チング速度から決められることを特徴とする請求項1記
    載のSOI基板におけるSOI膜厚均一化方法。
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JP2004128079A (ja) * 2002-09-30 2004-04-22 Speedfam Co Ltd Soiウェハーのための多段局所ドライエッチング方法
KR100939538B1 (ko) * 2007-12-14 2010-02-03 (주) 인텍플러스 입체 형상 측정 장치
JP6123150B2 (ja) * 2011-08-30 2017-05-10 株式会社Sumco シリコンウェーハ加工量の評価方法およびシリコンウェーハの製造方法

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