JP2969874B2 - 舵角制御装置 - Google Patents

舵角制御装置

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JP2969874B2 JP24387790A JP24387790A JP2969874B2 JP 2969874 B2 JP2969874 B2 JP 2969874B2 JP 24387790 A JP24387790 A JP 24387790A JP 24387790 A JP24387790 A JP 24387790A JP 2969874 B2 JP2969874 B2 JP 2969874B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は舵角制御装置に関し、特にハンドル操作に基
づき前輪または後輪を補助操舵する車両における舵角制
御装置に関する。
(従来の技術) 車両の舵角制御装置として、補助操舵機構を有する車
両での旋回時の加速、減速の場合に制御舵角の補正をす
るよう制御する制御装置が提案されている(特開昭63−
121571号公報)。このものでは、舵角補正により後輪舵
角制御を切り換えて、旋回中の旋回半径が大きくなる方
向の変化や、小さくなる方向の変化などの車両挙動を防
止し、アンダーステア、タックインを解消しようとして
いる。
(発明が解決しようとする課題) しかして、上記舵角制御装置にあっては、アクセル開
度によってかかる舵角補正が行われるが、アクセル操作
に対しそれに起因した車両のアンダーステアやタックイ
ンの挙動発生までには時間的な遅れがあるため、これら
アンダーステアやタックイン低減のための舵角補正に際
し、かようにアクセル操作量に応じて後輪を制御する
と、前記車両のアンダーステアやタックインが発生する
前に舵角が補正されてしまい、該補正制御は過敏なもの
となる。過敏な舵角補正はこのために車両がふらつくな
どし、違和感の原因ともなる。
本発明の目的は、加速及び/又は減速時の舵角補正を
過敏なものとすることなく、運転者のフィーリングと合
致したものとし、もって違和感の少ない制御で舵角補正
の実効を上げることのできる舵角制御装置を提供するこ
とにある。
(課題を解決するための手段) この目的のため本発明舵角制御装置は第1図に概念を
示す如く、 ハンドルの操舵状態を検出する操舵状態検出手段と、 車両の前輪あるいは後輪の少なくとも一方を補助操舵
する補助操舵機構と、 エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段
と、 前記操舵状態検出手段の出力に基づき、前記補助操舵
機構によりハンドル操作に応じた制御舵角をもって補助
操舵制御可能な制御手段であって、前記エンジン回転数
検出手段により検出されるエンジン回転数の変化率が所
定値より大のときアンダーステアまたはタックインを低
減をする方向へ前輪または後輪を操舵するように制御舵
角を補正する第1の補正を行うと共に、該補正開始後で
エンジン回転数の変化率が所定値より大でなくなったと
きに前輪または後輪の制御舵角を元の制御舵角に戻すよ
う該第1の補正による操舵方向と反対の向きに前輪また
は後輪を操舵するように戻し補正をする第2の補正を行
う舵角補正手段を有する補助舵角制御手段とを具備して
なるものである。
(作 用) 補助舵角制御手段は、ハンドルの操舵状態を検出する
操舵状態検出手段からの出力に基づき、前輪または後輪
を補助操舵する補助操舵機構をしてハンドル操作に応じ
た制御舵角をもって補助操舵せしめるが、エンジンの回
転数を検出するエンジン回転検出手段により検出される
エンジン回転数が変化するとき、舵角補正手段は、エン
ジン回転数の変化率が所定値より大のときアンダーステ
アまたはタックインを低減をする方向へ前輪または後輪
を操舵するように制御舵角を補正する第1の補正を行う
と共に、舵角補正手段は、該補正開始後でエンジン回転
数の変化率が所定値より大でなくなったときに前輪また
は後輪の制御舵角を元の制御舵角に戻すよう該第1の補
正による操舵方向と反対の向きに前輪または後輪を操舵
するように戻し補正をする第2の補正を行う。
ここで、エンジン回転数はアクセル操作により変化す
るものであるが、エンジン自身が持つイナーシャ等によ
り、エンジン回転数はアクセル操作に対し所定の応答遅
れを有して発生することになる。
これにより、車両のアンダーステアやタックインが発
生する前に舵角補正が開始されてしまうような事態を生
ずるのが回避され、エンジン回転数の変化率をみること
で旋回加速時や減速時のアンダーステアやタックインの
挙動発生に合わせて適切なタイミングでそのアンダース
テアまたはタックインを低減をする方向へと前輪または
後輪を操舵するように制御舵角を補正する第1の補正に
よる舵角補正を開始させることができるのに加えて、一
旦斯く補正が開始された後もエンジン回転数の変化率を
み、これを監視して、そのエンジン回転数の変化率が所
定値より大でなくなるまでの間、かかる第1の補正によ
って旋回加速時や減速時のアンダーステア低減またはタ
ックイン低減制御を確実に実行できると共に、第1の補
正開始後でエンジン回転数の変化率が所定値より大でな
くなるに至るときには、旋回時の加速や減速に起因して
発生していたそのアンダーステアやタックインの挙動も
これに伴い終了するとみて、これに合わせて、第2の補
正により前輪または後輪の制御舵角を元の制御舵角に戻
すよう該第1の補正によってなされた操舵方向とは反対
の向きへと前輪または後輪を操舵するように戻し補正を
することができ、よって、低減しようとしたアンダース
テアやタックインの挙動発生がないか、あるいは収まろ
うとしているにもかかわらず過剰に該第1の補正による
舵角補正がなされることをも回避し得て、前輪または後
輪を本来の制御舵角、即ち通常走行ロジックでの舵角制
御による制御舵角に戻すこと、従って上述した如くにハ
ンドルの操舵状態を検出する操舵状態検出手段からの出
力に基づきハンドル操作に応じた当該制御舵角をもって
前輪または後輪を補助操舵せしめることができる。かく
して、舵角補正は過敏なものとなるのが避けられ、アク
セル操作量を検出して舵角補正をするものに比し、車両
のふらつきなどの変化を軽減し得て、旋回加速時のアン
ダーステア低減を図る場合や、減速時のタックイン低減
を図る場合でも、これを違和感の少ない適切な制御で実
現することを可能ならしめると共に、過剰な舵角補正が
なされることをも避けられ、旋回走行中、敏感にすぎる
こともなく過不足のない状態でアンダーステア低減また
はタックイン低減のための舵角補正を実現することを可
能ならしめる。かつまた、ハンドル操作に応じた制御舵
角をもってなすその補助操舵制御本来の機能もこれを損
なわずに確保することを可能ならしめる。
ここに、本発明舵角制御装置の好適例によれば、 前記舵角補正手段は、エンジン回転数の増加率が所定
値より大きいか否かを判断する第1の判断手段を有し、
該判断の結果、エンジン回転数の増加率が所定値より大
きいとき加速状態とし、該状態では、前輪を切り増し側
へあるいは後輪を逆相側へ向けて、徐々に操舵するよう
に舵角補正する構成として、本発明は好適に実施でき、
同様にして、上記のことを実現することを可能ならしめ
る。
また、前記舵角補正手段は、エンジン回転数の減少率
が所定値より大きいか否かを判断する第2の判断手段を
有し、該判断の結果、エンジン回転数の減少率が所定値
より大きいとき減速状態とし、該状態では、前輪を切り
戻し側へあるいは後輪を同相側へ向けて、徐々に操舵す
るように舵角補正する構成として、本発明は好適に実施
でき、同様にして、上記のことを実現することを可能な
らしめる。
また、前記第1の判断手段の判断の結果、加速状態が
解除されたときに、エンジン回転数が増加していても、
後輪または前輪の制御舵角を徐々に元の制御舵角に戻し
前記第1の補正前の舵角制御に復帰させるよう前記第2
の補正を開始する構成として、本発明は好適に実施で
き、同様にして、上記のことを実現することを可能なら
しめる。
また、前記第2の判断手段の判断の結果、減速状態が
解除されたときに、エンジン回転数が減少していても、
後輪または前輪の制御舵角を徐々に元の制御舵角に戻し
前記第1の補正前の舵角制御に復帰させるよう前記第2
の補正を開始する構成として、本発明は好適に実施で
き、同様にして、上記のことを実現することを可能なら
しめる。
また、前記補助舵角制御手段は、更に、シフトダウン
で生ずるエンジン回転数の増加によるエンジン回転数の
変化率が前記所定値を超えても、前記舵角補正手段によ
る補正はこれを行わないよう禁止する手段を有する構成
として、本発明は好適に実施でき、同様にして、上記の
ことを実現することを可能ならしめる。
また、前記補助舵角制御手段は、更に、シフトアップ
で生ずるエンジン回転数の減少によるエンジン回転数の
変化率が前記所定値を超えても、前記舵角補正手段によ
る補正はこれを行わないよう禁止する手段を有する構成
として、本発明は好適に実施でき、同様にして、上記の
ことを実現することを可能ならしめる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に説明す
る。
第2図は本発明舵角制御装置の一実施例で、1は前
輪、2は後輪を夫々示す。本実施例では後輪のみならず
前輪もアクティブに補助操舵する構成の場合を示す。前
輪1は夫々ステアリングホイール(ハンドル)3への操
舵入力をステアリングギヤ4を介して伝達することによ
り通常通り主操舵可能にすると共に、ステアリングギヤ
4のケースを補助操舵機構中のアクチュエータ5により
ストロークさせることで主操舵角に対して最大α度まで
の補助操舵を可能とする。また、後輪2は、補助操舵機
構中のアクチュエータ6のストロークにより最大β度ま
での補助操舵を可能とする。ここで、本実施例では、α
度>β度と仮定する。
前・後輪補助操舵系には、上記アクチュエータ5,6の
他に、両系統に共通な圧力源としてのオイルポンプ7を
設け、更に分流弁12、舵角制御弁14,15を設ける。オイ
ルポンプ7はリザーバ8内のオイルを吸入して主回路9
に吐出し、分流弁12はこれにより主回路9上のオイルを
前輪補助操舵回路10及び後輪補助操舵回路11に分配す
る。
上記分流弁12は、シャトルスプール12aをバネ12b,12c
により中立位置に弾支して構成するものとし、スプール
12aの両端には圧力室12d,12eを画成する。これらの圧力
室12d,12eは、スプール12aに形成した径の異なるオリフ
ィス12f,12gを経て主回路9に通じさせると共に、同じ
くスプール12aに形成した横孔12h,12i及び出力ポート12
j,12kを経て補助操舵回路11,10に通じさせる。しかし
て、横孔12h,12iは夫々圧力室12d,12eの圧力に応動する
スプール12aのストロークに応じて出力ポート12j,12kと
の連通度を加減され、以下の分流機能を果たすものとす
る。
即ち、例えば回路10に着目すると、回路10の要求流量
Qfは、前輪補助操舵アクチュエータ5のピストン受圧面
積SAとピストン移動速度vとの積Qf=SA×vで表わさ
れ、更にアクチュエータ5のストロークをd、前輪操舵
周波数をfとすれば、移動速度はv=2π×f×dであ
るため、回路10の要求流量QfはQf=SA×2π×f×dと
なる。また、回路11の要求流量Qrについても同様にして
求まり、ポンプ7の吐出量QoをQo=Qf+Qrとすると、所
要要求流量Qf,Qrを得る分配比は、前記オリフィス12g,1
2fの径をQf/Qo,Qr/Qoに対応して設定することで得られ
る。分流弁12は、こうしてポンプ吐出量Qoを回路10,11
へ要求流量Qf,Qrに分配して供給することができる。更
に、回路10、または回路11が流量変化で圧力降下する
と、分流弁12のスプール12aが図中右行または左行して
横孔12iまたは12hの開度を減じ、流量分配比がくずれる
のを防止し得て一系統の圧力変動が他系統に影響するの
を防ぐことができる。
舵角制御は、このように両系の圧力変動が相互に干渉
し合わないようになされた上記構成の下、舵角制御弁1
4,15の制御によって行われる。
舵角制御弁14,15は、夫々圧力制御弁から構成され、
これらは補助操舵回路10,11及び共通なドレン回路13
と、アクチュエータ5,6との間に介挿される。
前輪補助操舵用の舵角制御弁14は、ソレノイド14a,14
bのオフ時(非通電時)図示の中立位置となって回路10
からのオイルを全量ドレン回路13に戻し、アクチュエー
タ5の両室5a,5bを無圧状態に保つ。この時、アクチュ
エータ5は内蔵バネ5c,5dにより中立位置にされ、ステ
アリングギヤ4を前輪1が補助操舵されない位置に保
つ。ソレノイド14aのオン時(通電時)、弁14は室5aを
加圧し、室5bをドレンして、アクチュエータ5を伸長動
作させ、ステアリングギヤ4を図中右行させることによ
り前輪1を前記α度以内で左転舵方向に補助操舵する。
更に、弁14は、ソレノイド14bのオン時(通電時)に
は、室5bを加圧、室5aをドレンしてアクチュエータ5を
収縮動作させ、ステアリングギヤ4を図中左行させるこ
とにより前輪1をα度以内で右転舵方向に補助操舵す
る。
該操舵は、後述の如き制御態様に従ってハンドル操作
に基づきなされる。
前輪1は、このような機構によって補助操舵される。
後輪補助操舵用の舵角制御弁15及びアクチュエータ6
の構成、並びにそれらの機能も、上記舵角制御弁14及び
アクチュエータ5についてのものと同様である。
即ち、舵角制御弁15はソレノイド15a,15bを備え、ア
クチュエータ6は室6a,6b及び内蔵ばね6c,6dを備える。
また、後輪側アクチュエータ6のストロークlを検出す
るストロークセンサ19が設けられる。
上記各ソレノイド15a,15bのいずれもオフの時(非通
電時)には、弁15は両室6a,6bを無圧状態にし、ソレノ
イド15aのオン時(通電時)には室6aの加圧により、ま
たソレノイド15bのオン時(通電時)には室6bの加圧に
より、後輪2は前記β度以内で夫々対応する方向に転舵
せしめられる。
後輪2は、上述のように後輪を操舵する機構によって
転舵される。
上記舵角制御弁14,15の各ソレノイド14a,14b,15a,15b
はコントローラ16によりオン/オフ制御し、このコント
ローラ16には、ステアリングホイール3の操舵角(ハン
ドル角)θを検出する舵角センサ17からの信号、車速V
を検出する車速センサ18からの信号、ストロークセンサ
19からの信号、エンジンの回転数を検出するエンジン回
転数(N)センサ20からの信号等を夫々入力する。
上記コントローラ16は、入力検出回路と、演算処理回
路と、該演算処理回路で実行される舵角制御用のプログ
ラム及び演算結果等を格納する記憶回路と、舵角制御弁
14,15に制御信号を供給する出力回路等とで構成され、
上記入力情報に基づき、前後輪補助舵角を演算し、舵角
制御弁14,15の各ソレノイド14a,14b,15a及び15bをオ
ン、オフ制御する信号IFa,IFb,IRa及びIRbを出力し、前
後輪を個々に演算舵角となるよう補助操舵する。
ここで、上記舵角演算については、基本的には、ステ
アリングホイールの操舵状態(ハンドル角やハンドル
角速度θ等)、また更には車速Vに応じて前後輪の制御
舵角値δfを演算するが例えばハンドル角速度
(ハンドル操舵角速度)をも操舵状態のパラメータとし
て使用する場合は夫々の演算は次式を用いた方法で行う
ことができる。
δ=Kf(v)×θ+Tf(v)× ……(1) δ=Kr(v)×θ+Tr(v)× ……(2) ここに、Kf(v),Tf(v)は前輪舵角制御における制御定
数を構成し、Kr(v),Tr(v)は後輪舵角制御における制御
定数を構成する。具体的には、Kf(v),Kr(v)はθの乗算
係数で、ここでは夫々車速に応じて変化する比例定数、
Tf(v),Tr(v)はの乗算係数であって、同じくここでは
夫々車速に応じて変化する微分定数である。
これら(1),(2)式は、夫々第1項を比例項、第
2項を微分項とする位相反転制御演算式で、簡単に説明
すれば、操舵過渡期(θが小さくが大きい期間)には
微分項をきかしてシャープさを得る一方、保舵期(θか
大きくが小さい期間)には比例項をきかして安定性を
得るといった操舵特性を実現する演算式である。
更に、後輪の舵角制御に関しては、コントローラ16
は、前記後輪用の補助操舵機構をして、所定ハンドル角
までは前輪1と同位相方向に後輪舵角を増加させ、所定
ハンドル角以上では後輪2を逆位相方向に増加させる
(同位相状態にある時は同位相舵角を減少させる)制御
を実行することができる。
コントローラ16はまた、旋回中の加速時及び/又は減
速時に、後輪または前輪の少なくとも一方を前記補助操
舵機構により操舵制御する場合、かような運転状態によ
る舵角補正を過敏なものとすることなく運転者のフィー
リングに合致したものとするように、エンジン回転数の
変化率に応じて制御対象車輪の舵角の補正を行うよう制
御する手段をも構成する。
即ち、コントローラ16は、かかるエンジン運転領域で
の旋回時に、エンジン回転数の変化に応じて前輪または
後輪の舵角を補正する舵角補正制御を実行する。
望ましくは、加速時補正については、エンジン回転数
の増加率が或る基準値を超えた時に基本的に「加速状
態」と判断し、前輪と逆位相方向に後輪を徐々に操舵す
るよう補正し、あるいは上記に代えてまたはこれと共
に、前輪操舵方向と同方向に前輪を補助操舵するよう補
正する。
コントローラ16は、望ましくはまた、上記「加速状
態」が解除されたときの加速解除時処理を実行するよう
になし、「加速状態」の解除時には、後輪を徐々に通常
走行ロジックの制御舵角に戻し、前輪補助操舵角を徐々
に通常走行ロッジの舵角に戻すようにする。更に、旋回
中の加速時のその「加速」判断をエンジン回転数をもっ
て検出するにあたり、旋回中のシフトダウンで生じるエ
ンジン回転数の増加率が基準値を超えても、その場合は
「加速状態」とは判断せず、上記制御はこれを行わな
い。
また、減速補正に関しては、望ましくは、コントロー
ラ16は、エンジン回転数の減少率が或る基準値を超えた
時に基本的に「減速状態」と判断し、前輪と同位相方向
に後輪を徐々に操舵するよう、あるいはこれに代えまた
はこれと共に、減速時に前輪操舵方向と逆方向に前輪を
補助操舵するよう補正する。望ましくは、かかる補正に
加え、減速解除処理を実行し、上記の「減速状態」が解
除された時に、後輪を徐々に通常走行ロジックの制御舵
角に戻し、前輪補助操舵角を徐々に通常走行ロジックに
戻すようになす。
更に、加速補正の場合と同様、一定条件下ではかかる
減速時補正はこれを禁止し、旋回中のシフトアップで生
じるエンジン回転数の減少率が基準値を超えても「減速
状態」とは判断せず、上記制御を行わない。
第3図は、旋回加速時における舵角補正処理のための
制御プログラムの一例を示すフローチャートである。本
プログラムは前後輪共に制御舵角の補正をするようにし
た場合の例であり、コントローラ16内において所定の演
算サイクルに従って実行される。
まず、ステップ100では旋回中かどうかについてのチ
ェックを行う。ここでは、旋回の判断については、例え
ばハンドル角θ、車速Vに基づいて行うものとし、該ス
テップ100実行時点での車速センサ18、舵角センサ17か
らの信号に基づく車速値Vとハンドル角値θから第4図
に示す如きマップ上の旋回領域にあるのか否かを検出す
ることにより判別する。
かかる速値、ハンドル角マップはまた、本例では、ヒ
ステリシス特性を有するものとして示されており、例え
ば旋回判断ONラインとOFFラインの特性が図のように設
定されていて、同じ車速V値でも旋回領域に入る時に
は、旋回領域から非旋回領域へ出る場合のときよりも大
きなハンドル角θでないと旋回領域に入ったと判断しな
いようして、制御のハンチングを防止するようにしてい
る。なお、旋回判断はこのようなマップでなくてもよ
く、例えば車速、ハンドル角マップを用いずに、横加速
度(横g)の平均値を検出しこれを旋回判断に用いてス
テップ100での旋回判断をするようにしてもよい。
上記判別の結果、答がNoで旋回中でなければそのまま
本プログラムを終了する一方、答がYesで旋回中と判断
されたときは、次のステップ101において、エンジン回
転数Nの増加率が所定値より大のとき、旋回加速時での
舵角補正を行うべき加速状態とするためのエンジン回転
数の変化についてのチェックを実行する。
即ち、エンジン回転数の変化率について予め設定した
しきい値ΔNoを判別値として用いて、dN/dt>ΔNo成立
するか否かを判別する。ここに、エンジン回転数の変化
率は、エンジン回転数センサ20の出力を基に、制御プロ
グラムの演算サイクルで何サイクルか前の検出値と今回
検出値との差分で求める。なお、かかる差分を上記処理
に適用する際は、ノイズ等の影響を受けないようにする
ためにも、或る程度長いスパンの差分を使用するのが望
ましい。
上記ステップ101では、こうして得た差分と設定しき
い値ΔNoとの比較を行い、差分値の方が大きいかどうか
で加速判断を行うのである。
ここで、かように「加速」判断をエンジン回転数変化
率をもって行うところ、比較に用いるしきい値ΔNoにつ
いては、これを更に次のような内容のものとすることも
できる。即ち、比較を行うしきい値ΔNoは、これを車速
V等の制御パラメータとすれば、旋回加速時でのアンダ
ーステア低減制御のための舵角補正においてより細かな
制御が可能で、従ってそのような制御をも狙うときは、
ΔNo値を例えば車速Vや、変速機のギヤ位置や、あるい
はそれら両者によって変えることが望ましい。
第5図は、加速判断基準となるエンジン回転数のしき
い値ΔNoの車速V及びギヤ位置に対する変化の特性の一
例を示している。同図(a)に示すように、車速Vに関
しては、しきい値ΔNoは、高車速域、中車速域、低車速
域になるにつれ小なる値をとるように、図示の如き傾向
をもって設定されている。また、ギヤ位置に関しては、
同図(b)に示すように、低いギヤ位置ほどしきい値Δ
Noは大なる値をとるように、図示の如き傾向をもって設
定されている。
ステップ101で適用されるエンジン回転数変化率のし
きい値ΔNoは、これを低く設定したとすれば、同一の増
加率を示す状態であっても、ΔNoが高く設定されている
ときには加速状態ではないと判断される変化率でもステ
ップ101では加速と判断され、結果、後述のように舵角
補正が実行されることから、第5図のΔNo特性は、低速
ほどしきい値ΔNoを低くして、小Rのアンダーステアを
防止し、高速ではしきい値ΔNoを高くして弱アンダース
テアを発生させるなどすることができることを意味す
る。このようにするのが基本的を考え方であり、かつギ
ヤ位置によって変えるときは、同じ車速では低いギヤの
時にしきい値ΔNoを高くして、ギヤによる感度の差異を
少なくするようにすることもできるのである。
しかして、ステップ101での判断の結果、答がNoの場
合にはステップ110へ進み、加速フラグFAが値1に等し
いか否かを判断する。該フラグFAは、後述の加速補正処
理中のステップ108でその値が1に設定され、他方、後
述の加速解除時処理でのステップ117でその値が0に設
定されるフラグである(なお、かかる加速フラグFAの初
期値としては、図示しない電源投入時になされる初期値
化処理において値0が設定される)。
該ステップ110ではこのようなフラグFAの値を監視
し、その結果、Noのとき(FA=0の状態のとき)はその
まま本プログラムを終了する。従って、旋回中でも、上
述の如くにステップ101,110を経てそのまま本プログラ
ムを終了するときは、加速時補正、並びにそれに続く加
速解除時の戻し補正から成る一連の補正処理はなされな
い。
そのため、かかる場合、舵角制御は、例えば前記
(1),(2)式に従って前後輪制御舵角δfを演
算する図示しない舵角制御値演算プログラムでの算出値
がそのままδ値、δ値としてこれも不図示の前後輪
舵角制御出力プログラムに適用されて制御が実行されて
いくことになる。より具体的にいえば、第6図は加速時
を対象としかかる加速補正の場合の前後輪の制御ロジッ
クの基本概念を示す図であるが、もし、エンジン回転数
Nが同図(a)のような増加変化をしめさなければ、同
図(c),(d)の後輪舵角及び前輪舵角については、
時刻t1〜t2〜t3間のような舵角補正は行われず、時刻t1
以前と同じ制御舵角値δrをもって舵角制御が行わ
れていくことになる。
なお、第6図の例では、ハンドル角θはこれを変化さ
せずに一定とした場合で、また、車速変化に関しても、
車速変化による制御定数の変化の分はこれを説明の都合
上省略して示してある。
かくして、補正を行わないときは通常の舵角制御が実
行される。
これに対し、前記ステップ101での比較判断の結果、
差分値の方が大きいと判断された場合(答がYesの場
合)には加速と判断し、上記で触れた後記ステップ108
での加速フラグFAの設定処理を含めた加速時舵角補正制
御に切換えるべく処理を以下へ進める。
旋回加速時の舵角制御に際し、該補正を施すべきタイ
ミングにある加速状態かどうかにつき、それをアクセル
開度ではなく、上述のように、エンジン回転数の変化を
みて該エンジン回転数の増加率で判断し、通常走行の場
合から舵角制御を切換えて制御舵角の補正をすることの
できる本制御においては、エンジン回転数の変化はこれ
がエンジン自身の持つイナーシャの影響により、アクセ
ル操作に対して所定の応答遅れを有して発生することか
ら、加速時のアンダーステア低減を運転者のフィーリン
グを損うことなく適切に実行することができる。即ち、
旋回加速時のアンダーステアの低減にあたり、これを舵
角補正によって行う場合、アクセル操作量を検出し制御
を切換えて舵角補正をするものに比し、舵角補正を過敏
なものとすることがなく、よって、過敏であるが故に車
両がふらつくなどする違和感を軽減でき、運転者にとっ
て違和感のない制御で確実にアンダーステアを低減する
ことができるのである。
本プログラムでは、前記ステップ101からステップ102
に進むと、ここではシフトダウン直後か否かについての
判断を行う。これはシフトダウンで発生するエンジン回
転数の増加が加速判断にかからないようにするため設け
られた判別処理であり、その答がYesの場合(エンジン
回転数大)には、後述のステップ103〜109をスキップし
て本プログラムを終了する。このようにして、旋回中の
シフトダウンで生ずるエンジン回転数の増加の場合につ
いては加速状態とは判断せず、本プログラムでの補正制
御は行わない。
しかして、ステップ102の答がNoのとき、ステップ103
以下へ進んで補正処理を開始する。
本プログラム例では、これを以下のような内容のもの
とすることができ、まず、ステップ103では、本ステッ
プ実行毎、次式に基づき、加速による前後輪制御舵角
(補正量)δ(A),δ(A)を算出する。
δ(A)=δ(A)+Δδf0(A) ……(3) δ(A)=δ(A)+Δδr0(A) ……(4) ここに、上記(3),(4)式の左辺のδ(A)値
及びδ(A)値が補正値の今回値であり、夫々右辺第
1項はその前回値である。即ち、第1項は、夫々、1演
算サイクル前(前回プログラム実行時)における後述の
ステップ109で、δ値に対し加算補正値として適用さ
れた前輪制御舵角補正用の前回値δ(A)、及びδ
値に対し減算補正値として適用された後輪制御舵角補正
用の前回値δ(A)である。なお、ステップ103での
算出処理が最初のものである場合には、前回値δ
(A),δ(A)としては、値0(初期値)を適用
する。
また、上記各式の右辺第2項のΔδf0(A)、及びΔ
δr0(A)は、夫々、加速時の補正での1演算時間あた
りの前輪舵角変化量、及び後輪舵角変化量であって(第
6図(c),(d)の時刻t1〜t2間参照)、夫々第1項
のδ(A)値、δ(A)値に対する加算値として適
用される。これらは、舵角補正時の変化の量を設定する
ものであることから、前輪の加速時補正での第6図
(d)に示す如き切り増し方向への舵角補正(前輪主操
舵方向と同方向に前輪を補助操舵する)ための操舵の速
さは上記Δδf0(A)で、また後輪についての同図
(c)に示す如き逆相側へ向けて舵角補正(同相舵角を
戻すことも含んで前輪と逆位相方向に後輪を操舵する)
ための操舵の速さ(後輪の同相を戻す速さ)は上記Δδ
r0(A)で決まることとなり、従って、前後輪の加速に
よる補助操舵の操舵速度を設定する定数として機能す
る。
上記Δδf0(A),Δδr0(A)の値は、また、車速
Vに応じた制御パラメータとすることができる。車速V
によりこれらの値も変更するときは、車両挙動変化を考
慮し、低速ほど大きくし、高速では挙動変化を小さくす
るようその特性を選定することが望ましい。
上記(3),(4)式での算出値δ(A)、δ
(A)は、夫々次のリミットチェックで所定値に抑え
られない限り、その算出値そのままの値の状態で、前輪
については加算補正値の今回値として、また後輪につい
ては算出補正値の今回値として後述のステップ109で適
用されるものであることから、夫々は加速による補正を
行う場合における前輪の切り増し操作量、後輪の逆相方
向操舵量を定める制御値として機能する。
ステップ103での処理がなされたならば、次のステッ
プ104〜107で前記補正量のリミットチェックを行う。即
ち、前輪側補正値に関し、ステップ104では算出値δ
(A)が所定の判別値δfmax(A)(第6図(d)参
照)より大きい否かをチェックし、その答がNoならばス
テップ105をスキップする一方、答がYesのときはステッ
プ105でδ(A)値を上記値δfmax(A)に再設定
し、また、後輪側補正値に関しても同様に、ステップ10
6で算出値δ(A)が所定の判別値δrmax(A)(同
図(c)参照)より大きいか否かをチェックし、その答
がNoの場合はステップ107をスキップする一方、答がYes
のときはステップ107でδ(A)値を上記値δ
rmax(A)に設定して、ステップ108へ進む。
ここに、δfmax(A),δrmax(A)は、補正時の前
輪、後輪の最大操舵量を予め規定するため定められる値
である。即ち、これらは夫々、第6図に示すように補正
開始時点(時刻t1)での前輪舵角、後輪舵角を基準とし
て設定される制御値であって、δrmax(A)値は、加速
による補正の場合の後輪を操舵する(同相を戻す)最大
操舵量(最大戻し量)であり、δfmax(A)値は、同じ
く補正の場合の前輪を操舵する(舵角を増す)最大操舵
量(最大増加量)である(なお、これらは前記したアク
チエータ5,6のストロークによる最大転舵可能範囲内の
ものとして選ばれる)。
しかして、該δfmax(A),δrmax(A)も、算出値
δ(A),δ(B)がそれらを超える場合には、上
述の如き再設定(ステップ105,107)によって後述のス
テップ109に適用される値であることから、補正時の夫
々の操舵量を定めるものとして機能する。
上記δfmax(A),δrmax(A)の値もまた、例えば
車速Vによって変えることができる。車速Vに応じた制
御パラメータとするときは、先に触れたような中低速の
小中R旋回のアンダーステア解消と、大Rでの弱アンダ
ーステア特性実現の意図から、δfmax(A)値,δrmax
(A)値は低速ほど大きく設定する特性とするのが望ま
しい。
次に、ステップ108では、既述した加速フラグFAをこ
こで値1に設定し、続くステップ109において、前後輪
制御舵角を次式に従い補正して、本プログラムを終了す
る。
δ=δ+δ(A) ……(5) δ=δ−δ(A) ……(6) ここに、上記(5),(6)式の左辺のδ値及びδ
値が夫々前後輪の補正後の制御舵角値であり、また、
右辺第1項は、夫々既述した舵角制御値演算プログラム
において算出されている値である。しかして、加速時補
正の場合には、上式に基づき、夫々第1項δf値に
対し、前輪の場合には今回プログラム実行時の前記ステ
ップ103での算出δ(A)値または該当するときはス
テップ105での設定値δ(A)が加算補正され、ま
た、後輪の場合には同じく今回プログラム実行時のステ
ップ103での算出δ(A)値または該当するときはス
テップ107での設定値δ(A)が減算補正されること
になる。
かくして、該補正後制御舵角に基づき、前後輪舵角制
御出力処理が実行される結果、第6図に示すように、旋
回加速時にエンジン回転数の変化速度に応じて、前後輪
舵角が前輪は切り増すように、後輪は逆相側へ向け切り
戻すように制御されていく。
このような過程において、特に後輪に着目していえ
ば、後輪側では、上記舵角補正により同相アンダーステ
アキャンセルが行われていくこととなり、第6図では、
後輪舵角が更に中立位置をこえて逆相領域へまで補正転
舵された場合の例を示してある。
ここで、4WSでのFR車、4WD車における旋回加速時の車
両挙動について、更に付言しておくと、これら車両の場
合、旋回時、後輪が同相に操舵されているときは、後輪
の駆動力によって発生するヨーモーメントが車両の旋回
を妨げる方向に作用し、旋回を維持するためにフロント
タイヤの負担が増加し、強アンダーステアになる傾向が
みられる。また、FF車の場合、FF車では加速時にもとも
とフロントに駆動力がかかり、フロントタイヤの負担が
大きくアンダーステア特性が強くなりがちなところに加
え、後輪がヨーを打ち消す方向に力を出しているため、
更にアンダーステア特性が強くなってしまう(車速増加
を伴う場合は、後輪舵角の同相舵角が増え上記傾向がよ
り助長される)。
これに対し、本制御に従えは、旋回加速時に、上述の
ようなアンダーステアを適切に解消することができる。
即ち、旋回中の加速時、「加速」の判断においてこれを
エンジン回転数で検出し、後輪を逆位相方向に操舵する
ことができるものであり、4WD車、FR車での後輪駆動力
によるプッシングアンダーステア、FF車での前輪駆動力
発生による前輪コーナリングフォース減少に伴うアンダ
ーステアを解消し得、最適なタイミングで所要のヨーレ
イトを発生させることが可能である。ヨーレイト発生に
より、前輪の横すべり角は減少し、後輪の横すべりは増
加するため、フロントの負担を減らし、リアはより大き
なコーリングフォースを出せるのであり、しかも、既に
述べた通り、違和感のない状態で達成できるのである。
第6図の時刻t1以後のような加速時補正突入後は、前
記ステップ101ではエンジン回転数の変化を監視してお
り、しかしてその答としてNoの判別結果が得られたなら
ば(時刻t2)、前記の加速状態は解除されたとみて、ス
テップ101から前記ステップ110へ進む。加速フラグF
Aは、前述の如く、一旦加速時補正が開始されると、前
記ステップ108実行毎繰り返し値1に設定され続けられ
ている結果(第6図(b)参照)、上述のようにしてス
テップ110へ進んだとき、その答はYesであり、従って、
以後はステップ111以下へ進んで加速解除時の戻し補正
が実行される。
まず、ステップ111では、該ステップ実行毎、前記ス
テップ109での演算処理に準じ、次式により戻し補正の
場合のδ(A)値、δ(A)値を算出する。
δ(A)=δ(A)−Δδf1(A) ……(7) δ(A)=δ(A)−Δδr1(A) ……(8) ここに、上記各式の右辺第1項は夫々前回値(加速解
除時処理移行直後の場合は、その直前サイクルでの前記
ステップ109で適用されたδ(A)値,δ(A)
値)である。また、右辺第2項のΔδf1(A),Δδr1
(A)は、夫々減算値で、加速解除時での1演算時間あ
たりの前後輪舵角変化量を示す(第6図(c),(d)
の時刻t2〜t3間参照)。
上記(7),(8)式での算出値δ(A),δ
(A)、並びに減算値Δδf1(A),Δδf1(A)
は、前記の加速時補正の場合に準じた機能を有する制御
値であって、例えば、Δδf1(A)値,Δδf1(A)値
でいえば、これらは、戻し制御の場合の前後輪の操舵速
度を設定する定数としての機能を果す(前後輪を元の制
御、即ち通常走行ロジックでの舵角制御に復帰させる速
さは、これらで決定される)。
上記Δδf1(A),Δδr1(A)の値も、低速ほど大
きく、高速では車両挙動変化を小さくするよう車速Vに
よって変えることが望ましい。
次に、ステップ112で算出値δ(A)が値Δδ
f1(A)より小さいか否かを判別し、その答がNoならス
テップ113をスキップする一方、答がYesのときはステッ
プ113でδ(A)を値0に設定し、また、ステップ114
で算出値δ(A)が値Δδr1(A)より小さいか否か
を判別し、その答がNoならステップ115をスキップする
一方、答がYesのときはステップ115でδ(A)を値0
に設定して、ステップ116へ進む。該ステップ116では、
δ(A),δ(A)=0かどうかを判断し、答がNo
の場合には、加速解除時の戻し補正の途中であるとみて
前記ステップ109を実行し本プログラムを終了する。
上記処理が実行されることにより、加速解除時には、
第6図に示す如くに、補正量は戻されていく。しかし
て、このような過程で、前記ステップ116でYesの答が得
られたとき、戻し補正が終了したとみて、ステップ117
で加速フラグFAを値0に書き直しステップ109を実行し
て本プログラムを終了する。
かくして、次回以降のプログラム実行時には、フラグ
FAの値0への書換えの結果、前記ステップ110での答はN
oとなり、従って、以降は既述した通常の走行ロジック
での舵角制御が行われることになる。
次に旋回減速時における舵角補正制御について、第7
図以下を参照して説明する。
第7図はその場合の制御プログラムの一例を示すフロ
ーチャートであって、本プログラム例でも前後輪共に補
正するようにしている。
同図における各ステップ200〜217での処理内容は、第
3図の場合の対応するステップ100〜117の内容に準じた
ものであり、基本的に、その制御過程も前記加速補正の
場合の処理手順に準じている。
第7図において、ステップ200では旋回中か否かが、
ステップ201ではエンジン回転数Nの減少率が所定値よ
り大のとき、旋回減速時での舵角補正を行うべき減速状
態とするため、dN/dt<−ΔNoが成立するか否かが、ま
た、ステップ210では減速フラグF0が値1か否かが、夫
々判別される。
旋回の判断は、ここでは、第8図に示すように、車速
Vとハンドル角θから図のマップ上旋回領域にあるか否
かを検出することで行う。このような車速、ハンドル角
マップを用いずに、横gの平均値を検出し旋回判断して
もよい。
エンジン回転数Nの変化率は、制御プログラムの演算
サイクルで何サイクルか前の検出値と今回検出値との差
分で求め、この差分値と予め設定したしきい値との比較
を行い、減速を判断する。比較を行うしきい値は、同様
にしてギヤ位置、車速によって変更するのが望ましい。
第9図は減速判断基準となるエンジン回転数変化率の
しきい値の車速とギヤ位置に対する変化の一例である。
後述するように、減速補正の場合にも、制御の切換えを
エンジン回転数の変化をみて行うことによって、既述し
たエンジン回転数の変化の特性から、アシクセル開度で
舵角補正する場合のものに比し、減速時のタックイン低
減を運転者のフィーリングを損うことなく実現すること
ができるわけであるが、このように旋回中の「減速」判
断をエンジン回転数変化率で行い、舵角補正によりタッ
クインの低減を図る場合に、更に、第9図に示したよう
な特性を用いるときは、高速では誤差動防止のためにし
きい値を高くし、低速ではしきい値を低くして小R高g
からの速いタックインを防止することもでき、また同じ
車速では低いギヤの時にしきい値を高くして、ギヤによ
る感度の差異を少なくするようにするなど、きめ細かく
制御することができる。
前記ステップ200でNoのときはそのまま本プログラム
を終了し、またステップ200,201,210と進んで該ステッ
プ210で答がNoのときも、そのまま本プログラムを終了
する。
ステップ201でYesのときにステップ202で実行される
シフトアップ直後か否かについてのチェックは、シフト
アップで生じるエンジン回転数の減少は減速判断にかか
らないようにするため設けられている。その答がYesの
ときは、そのまま本プログラムを終了し、よって、旋回
中のシフトアップで生じるエンジン回転数の減少率が基
準値を超えても「減速状態」と判断せず、舵角補正制御
は行わない。
減速補正はステップ203以下が実行されるときになさ
れる。
即ち、ステップ203では、前記第3図のステップ103で
の処理に準じ、減速による前後輪制御舵角(補正量)δ
(D),δ(D)を次式に従い算出する。
δ(D)=δ(D)+Δδf0(D) ……(9) δ(D)=δ(D)+Δδr0(D) ……(10) ここで、夫々右辺第2項は、減速時での1演算時間あ
たりの前後輪舵角変化量である。
次に、ステップ204〜207では、減速時補正での前後輪
の最大操舵量分を規定するための所定値δfmax(D),
δrmax(D)を用い、前記第3図のステップ104〜107で
の処理に準じ、リミットチェック並びに該当するときは
該δfmax(D)値、δrmax(D)値への設定処理を行
い、更にステップ208で減速フラグFDを値1に選定し、
ステップ209において、前記第3図のステップ109での処
理に準じ、補正後前後輪制御舵角値δfの次式(1
1),(12)による算出処理を実行して本プログラムを
終了する。
δ=δ−δ(D) ……(11) δ=δ+δ(D) ……(12) 減算時補正の場合は、前輪を切り戻し側へ、後輪を同
相側へ向けて舵角補正するよう、前輪側は(11)式の如
くδ(D)が減算補正値として、また後輪側は(12)
式の如くδ(D)が加算補正値として、夫々上記算出
に適用される。
以上のような制御により、第10図に示す如く、時刻t
11から減速時補正が開始され、旋回減速時に、図示のよ
うなエンジン回転数の減少に応じて、前後輪舵角を制御
することができる。即ち、エンジン回転数の減少率が或
る基準値を超えたときに減速状態と判断し、前輪と同位
相方向に後輪を徐々に操舵することができ、また前輪主
操舵方向と逆方向に前輪を補助操舵することができ、し
かも、加速時での制御の場合と同様にして、減速時の舵
角補正を過敏なものとすることなく、車両のふらつきな
どの違和感を軽減し得て適切にタックイン低減を図るこ
とができるのである。なお、減速補正での前後輪の制御
ロジックの基本概念を示す第10図の場合も、前記第6図
と同様、ハンドル角は一定の場合とし、また図中、車速
変化による制御定数の変化はこれを省略してある。
第10図には、また、上記補正過程において、補正量が
前記リミットチェックで制限された場合の様子の例も示
されており、後輪側では時刻t12〜t14間で、また前輪側
では時刻t13〜t14間でδ(D),δ(D)はδrmax
(D),δfmax(D)値に規制されている。
かかるδfmax(D),δrmax(D)値はまた、前記加
速時補正の場合の制御と同様、車速によって変えること
もできる。その場合には、中低速高gの急激なタックイ
ン防止と、高速での誤差動防止のため、低速ほど大きな
値をとるようその特性を設定するのが望ましい。
また、減速時補正での前輪の補助操舵の速さや、更に
は後述の減速解除時処理での操舵の速さは、第10図中の
Δδf0(D)値,Δδr0(D)値や、後述のステップ21
1で適用される動図中の時刻t14以後のΔδf1(D)値,
Δδr1(D)値で決定されるが、前記加速補正制御の場
合と同様にしてかかる制御値も車速のパラメータとする
こともでき、その場合には、これらの値も、低速ほど大
きくし、高速では車両挙動変化を小さくするように特性
を設定するのがよい。
第10図において、減速解除時処理は時刻t14から開始
され、第7図のプログラム中ではステップ210からステ
ップ211以降へ処理が進むときにかかる減速解除時の戻
し補正がなされる。
ステップ211では、前記第3図のステップ113での処理
に準じ、次式に従うδ(D)値,δ(D)値の算出
処理を実行する。
δ(D)=δ(D)−Δδf1(D) ……(13) δ(D)=δ(D)−Δδr1(D) ……(14) 上記で夫々右辺第2項が減速解除時での1演算時間あ
たりの前後輪舵角変化量である。
次に、ステップ212〜217、及び209により、前記第3
図の場合の戻し処理(ステップ112〜117,109)と同様の
手順で減速状態解除後から通常の走行ロジックでの制御
に復帰させるための処理を実行する。即ち、第10図に示
すようにして補正量を戻していく。図示例では、後輪側
については時刻t15で、また前輪側については時刻t
16で、夫々補正量が零に戻される様子が示されている。
こうして、減速状態が解除されたときに、後輪を徐々
に通常走行ロジックの制御舵角に戻すことができ、また
前輪を徐々に通常走行ロジックの舵角に戻すことができ
る。
以上により,旋回減速時でも、舵角補正を過敏なもの
とすることなく行え、減速時のタックイン低減を違和感
のない制御で適切に達成することができる。
なお、本発明は、加速補正を単独で、もしくは減速補
正を単独で実施することもでき、また両者を実施するこ
ともできる。更に、それらの場合に、舵角補正を前輪だ
けを対象とし、または後輪だけを対象として、実施する
こともでき、前後輪両方を対象としてもよい。
(発明の効果) かくして本発明舵角制御装置は上述の如く、前輪また
は後輪の少なくとも一方をハンドル操作に応じた制御舵
角をもって補助操舵する舵角制御において、エンジン回
転数の変化率が所定値より大のときアンダーステアまた
はタックインを低減をする方向へ制御対象車輪を操舵す
るように制御舵角を補正する第1の補正を行うと共に、
該補正開始後でエンジン回転数の変化率が所定値より大
でなくなったときに制御対象車輪の制御舵角を元の制御
舵角に戻すよう該第1の補正による操舵方向と反対の向
きに制御対象車輪を操舵するように戻し補正をする第2
の補正を行うよう制御できる構成としたから、舵角補正
を過敏なものとすることをなくし得て車両のふらつきな
ど違和感の少ない制御で舵角補正制御の実効を上げるこ
とができ、旋回加速時や旋回減速時でアンダーステアの
低減やタックインの低減を図る場合でも運転者のフィー
リングを損うことなく適切に実現することが可能である
と共に、過剰な舵角補正などがなされることをも避けら
れ、旋回走行中、敏感にすぎることもなく過不足のない
状態でアンダーステア低減またはタックイン低減のため
の舵角補正を実現することが可能であり、かつまた、こ
れを実現しつつ、ハンドル操作に応じた制御舵角をもっ
てなすその補助操舵制御本来の機能もこれを損なわずに
確保することが可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明舵角制御装置の概念図、 第2図は本発明舵角制御装置の一実施例を示すシステム
図、 第3図は同例でのコントローラの加速補正処理のための
制御プログラムの一例を示すフローチャート、 第4図は同プログラムに適用できる旋回判断ロジックの
ためのマップの一例を示す図、 第5図は同じく同プログラムに適用できる加速判断基準
となるエンジン回転数変化率のしきい値の車速とギヤ位
置に対する特性の一例を示す図、 第6図は同プログラムによる加速補正制御の内容の一例
の説明に供する前後輪の制御ロジックの基本概念を示す
図、 第7図はコントローラの減速補正処理のための制御プロ
グラムの一例を示すフローチャート、 第8図は同プログラムに適用できる旋回判断ロジックの
ためのマップの一例を示す図、 第9図は同じく同プログラムに適用できる減速判断基準
となるエンジン回転数変化率のしきい値の車速とギヤ位
置に対する特性の一例を示す図、 第10図は同プログラムによる減速補正制御の内容の一例
の説明に供する前後輪の制御ロジックの基本概念を示す
図である。 1……前輪 2……後輪 3……ステアリングホイール 4……ステアリングギヤ 5……前輪補助操舵アクチュエータ 6……後輪補助操舵アクチュエータ 7……オイルポンプ 12……分流弁 14,15……舵角制御弁 16……コントローラ 17……舵角センサ 18……車速センサ 20……エンジン回転数センサ

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハンドルの操舵状態を検出する操舵状態検
    出手段と、 車両の前輪あるいは後輪の少なくとも一方を補助操舵す
    る補助操舵機構と、 エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、 前記操舵状態検出手段の出力に基づき、前記補助操舵機
    構によりハンドル操作に応じた制御舵角をもって補助操
    舵制御可能な制御手段であって、前記エンジン回転数検
    出手段により検出されるエンジン回転数の変化率が所定
    値より大のときアンダーステアまたはタックインを低減
    をする方向へ前輪または後輪を操舵するように制御舵角
    を補正する第1の補正を行うと共に、該補正開始後でエ
    ンジン回転数の変化率が所定値より大でなくなったとき
    に前輪または後輪の制御舵角を元の制御舵角に戻すよう
    該第1の補正による操舵方向と反対の向きに前輪または
    後輪を操舵するように戻し補正をする第2の補正を行う
    舵角補正手段を有する補助舵角制御手段とを具備してな
    ることを特徴とする舵角制御装置。
  2. 【請求項2】前記舵角補正手段は、エンジン回転数の増
    加率が所定値より大きいか否かを判断する第1の判断手
    段を有し、該判断の結果、エンジン回転数の増加率が所
    定値より大きいとき加速状態とし、該状態では、前輪を
    切り増し側へあるいは後輪を逆相側へ向けて、徐々に操
    舵するように舵角補正することを特徴とする請求項1に
    記載の舵角制御装置。
  3. 【請求項3】前記舵角補正手段は、エンジン回転数の減
    少率が所定値より大きいか否かを判断する第2の判断手
    段を有し、該判断の結果、エンジン回転数の減少率が所
    定値より大きいとき減速状態とし、該状態では、前輪を
    切り戻し側へあるいは後輪を同相側へ向けて、徐々に操
    舵するように舵角補正することを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の舵角制御装置。
  4. 【請求項4】前記第1の判断手段の判断の結果、加速状
    態が解除されたときに、エンジン回転数が増加していて
    も、後輪または前輪の制御舵角を徐々に元の制御舵角に
    戻し前記第1の補正前の舵角制御に復帰させるよう前記
    第2の補正を開始することを特徴とする請求項2または
    3に記載の舵角制御装置。
  5. 【請求項5】前記第2の判断手段の判断の結果、減速状
    態が解除されたときに、エンジン回転数が減少していて
    も、後輪または前輪の制御舵角を徐々に元の制御舵角に
    戻し前記第1の補正前の舵角制御に復帰させるよう前記
    第2の補正を開始することを特徴とする請求項3または
    4に記載の舵角制御装置。
  6. 【請求項6】前記補助舵角制御手段は、更に、シフトダ
    ウンで生ずるエンジン回転数の増加によるエンジン回転
    数の変化率が前記所定値を超えても、前記舵角補正手段
    による補正はこれを行わないよう禁止する手段を有する
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の
    舵角制御装置。
  7. 【請求項7】前記補助舵角制御手段は、更に、シフトア
    ップで生ずるエンジン回転数の減少によるエンジン回転
    数の変化率が前記所定値を超えても、前記舵角補正手段
    による補正はこれを行わないよう禁止する手段を有する
    ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の
    舵角制御装置。
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