JP2968665B2 - 液晶表示素子の製造方法 - Google Patents

液晶表示素子の製造方法

Info

Publication number
JP2968665B2
JP2968665B2 JP12298893A JP12298893A JP2968665B2 JP 2968665 B2 JP2968665 B2 JP 2968665B2 JP 12298893 A JP12298893 A JP 12298893A JP 12298893 A JP12298893 A JP 12298893A JP 2968665 B2 JP2968665 B2 JP 2968665B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
substrates
substrate
crystal display
sealing material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP12298893A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0675233A (ja
Inventor
耕次郎 坪田
和巧 藤岡
洋二 吉村
裕之 大上
裕 ▲高▼藤
克己 野村
真澄 久保
宏和 亀井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Consejo Superior de Investigaciones Cientificas CSIC
Original Assignee
Consejo Superior de Investigaciones Cientificas CSIC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=27314594&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2968665(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Consejo Superior de Investigaciones Cientificas CSIC filed Critical Consejo Superior de Investigaciones Cientificas CSIC
Priority to JP12298893A priority Critical patent/JP2968665B2/ja
Publication of JPH0675233A publication Critical patent/JPH0675233A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2968665B2 publication Critical patent/JP2968665B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2つの基板の間に液晶
層を挟んだ液晶表示素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】上述した液晶表示素子は、対向配設した
2つの基板の間を、一部を除いてシール材にてシール
し、その一部である注入口より内部に液晶を注入するこ
とにより行われる。その注入は、従来、内部雰囲気圧を
調整可能とした室内に液晶槽を備えた液晶注入装置によ
り行われている。例えば室内を真空ポンプにて10-3
orr近傍まで真空引きした後、液晶表示素子の注入口
を下にした状態で液晶槽に貯留された液晶に注入口を浸
漬し、その後室内を大気圧にまで戻すことにより、シー
ル材にてシールされた2つの基板の間に液晶を注入さ
せ、最後に注入口にディスペンサー等により紫外線硬化
樹脂を塗布し、その樹脂に紫外線を照射することにより
注入口を封止することが行われている。
【0003】ところで、液晶の注入は、複数の液晶表示
素子に対して同時に行われ、注入口の封止は液晶表示素
子の全てに液晶が注入された時に行われる。従って、従
来の場合に於いて、複数の液晶表示素子全部に液晶が充
填されたのちに注入口の封止が行われる。一方、複数の
液晶表示素子全部に亘り、各液晶表示素子毎の最適な液
晶注入の時間が異なる。その結果、液晶表示素子の2つ
の基板の間のギャップ(以下、セル厚という)が、該最
適な液晶の注入時間よりも実際の液晶注入時間が長いも
のほど厚くなり、各液晶表示素子間でセル厚がばらつく
という問題があった。
【0004】また、このようにセル厚がばらつくと、セ
ル厚が厚くなった液晶表示素子とセル厚が薄くなった液
晶表示素子とでは表示される色相にばらつきが生じ、ま
た液晶の応答速度の相違や、液晶の表示状態と非表示状
態とが切り替わる駆動電圧の閾値のばらつき等が発生す
るので、表示品位の低下が招来される。なお、セル厚を
各液晶表示素子間で一定とするには、2つの基板の間に
プラスチックビーズ、ガラスファイバー等のスペーサを
介在させる方法があるが、この方法による場合にはスペ
ーサが存在する近傍では液晶の配向が乱れ、これにより
表示品位が低下するという難点がある。
【0005】図42は、他の従来の液晶表示素子の一例
を示す平面図であり、図43は、図42中の切断面線G
−Gから見た断面図である。従来の液晶表示素子61
は、ガラスなどの透光性を有する第1基板62及び第2
基板63の間に、シール材64によって液晶が封入され
て液晶相66が形成されている。液晶層66及びシール
材64中に、樹脂やガラス等が球状や円筒状に形成され
たスペーサ65が混入されている。スペーサ65と各基
板62、63とが密着することによって、第1基板62
と第2基板63との間隙、即ち液晶層66の膜厚を設定
している。
【0006】第1基板62及び第2基板63の液晶層6
6側の表面に於いて、単純マトリクス動作やアクティブ
マトリクス動作を行って、表示画像の絵素毎に液晶へ電
圧を印加するための電極と、液晶分子の配向を決定する
配向膜とが形成されており、必要に応じて、カラーフィ
ルタ層や遮光層が形成される。尚、アクティブマトリク
ス動作の場合に於いて、絵素電極への印加電圧を制御す
るスイッチング素子が、アモルファスSiや、多結晶S
iなどからなるTFT(薄膜トランジスタ)等で構成さ
れて、一方の基板表面に形成される。
【0007】以下、従来の液晶表示素子61の製造方法
について説明する。まず、予め電極や配向膜が第1基板
62及び第2基板63を用意して、第1基板62の表面
の周囲に、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂等のシール材6
4をスクリーン印刷法等を用いて、開口部67を残して
塗布した後に、スペーサを1mm2当り100ないし5
0個の分布密度となるように、湿式散布法や乾式散布法
を用いて散布する。
【0008】次に、第2基板63と第1基板62との位
置合わせを行って、相互に固定した後、加熱や紫外線照
射によって、シール材64を硬化させて、液晶セルを組
み立てる。
【0009】次に、得られた液晶セル内に液晶を注入す
るため、液晶セル内の空気を真空排気した後、開口部6
7から液晶を注入して、開口部67を別のシール材68
でシールすることによって、液晶表示素子が得られる。
尚、この後、必要に応じて、基板の整形工程や分断工
程、あるいは偏光板や光反射板の貼付け工程等が行われ
る。
【0010】しかしながら、従来の液晶表示素子61
は、液晶層66の中に、スペーサ65が存在するため、
以下のような問題点を有している。(1)基板62表面
にスペーサ65を散布する際に、スペーサ65が数個か
ら数十個の単位で凝集する傾向があり、そのため、液晶
層の膜厚が不均一になったり、凝集部分の光透過率が低
下して表示不良となる。(2)スペーサ65の近傍にあ
る液晶分子の配向が不均一となり、その部分の光変調効
率が低下したり、スペーサ64自身の光の透過により光
漏洩が生じ、表示不良やコントラストの低下となる。
(3)液晶セル内に液晶を注入する際に、注入時間の調
整によって液晶層の膜厚を調整しているため、複数個の
液晶セルに対して同時に液晶注入処理を行うと、液晶セ
ルの組立誤差や加工精度誤差等の影響により、各液晶表
示素子毎に液晶層の膜厚に変動が生じコントラスト不良
となる。このような問題点は、特に液晶表示素子を用い
た投影装置に於いて、表示画像を拡大する場合に顕著に
なる。
【0011】貼り合わせ工程に於ける他の従来技術の製
造方法を図44に示す。まず、一方の基板63上に、基
板間のギャップ制御のためのスペーサ65を混入した熱
硬化性樹脂からなるシール材64を、シールパターンに
沿ってスクリーン印刷法により塗布し、もう一方の基板
62全面にも、ギャップ制御のためのスペーサ65を散
布する。このとき、散布するスペーサ65の量は、10
0〜150個/mm2程度である。次に、これら一対の
基板62、63を貼り合わせる。緩衝材68を装着した
上定盤67と、下定盤69とを備える押圧装置により、
基板62、63全面に均等に圧力が加わるように、押圧
荷重70で押圧した。各基板62、63を押圧装置に保
持した状態で加熱し、シール材64を硬化させる。従っ
て、基板62、63間のギャップは、シール材64に混
入したスペーサ65と、基板62全面に散布したスペー
サ65とによって制御されている。
【0012】前記従来の方法に於いて、均一なギャップ
の液晶表示素子を実現するために、スペーサ65の散布
は必要不可欠となる。シール材64に混入したスペーサ
65の所定のギャップ迄、シール材64を押し潰すため
に、大きな荷重70を加える必要がある。この荷重70
を支え、且つ基板62、63間を均一なギャップに保持
するには、スペーサ65を大量に散布する必要がある。
スペーサ65のこのような大量の散布は、下記の新たな
問題点を発生させる。(1)画像を表示する表示領域に
大量のスペーサ65が存在することにより、前記開口率
が低下し、及びこれによる表示品位の低下、コントラス
トの低下が生じる。(2)スペーサ65が、数個〜数十
個凝集することによる光漏洩によって点輝点が発生し、
表示品位が低下する。(3)基板62、63の押圧時に
於ける薄膜トランジスタ等のスイッチング素子の破壊に
よる画素欠陥が発生する。
【0013】また、スペーサ65を散布しない従来の製
造方法の場合、前記表示部にギャップ制御のための媒体
が存在していないため、前記押圧動作により表示部の基
板62、63が凹形状あるいは凸形状になり易く、均一
なギャップを実現することが出来ない。その結果、表示
品位の低下を招く。また、表示素子のサイズが、例とし
て、一辺が25mmを超える程度に大きくなる場合に於
いて、前記セルギャップを均一に形成することが困難で
ある。
【0014】従来技術に於いて、スペーサレスの液晶表
示素子のサイズは、主に1インチ前後とされており、特
に1インチを超えるスペーサレスの液晶表示素子に於け
る液晶の注入は、真空注入法によると以下のような問題
点を生じる。
【0015】(1)従来技術のように、真空注入法で液
晶の注入を行う場合、一対の基板が封入されているチェ
ンバー内を真空に引き、液晶表示素子を液晶槽中に漬け
る。この後、チェンバー内を一気に大気圧に戻してしま
うと、液晶表示素子の内部と外部との圧力差によって両
基板にたわみが生じ、このたわみがセルギャップよりも
大きくなると、前記一対の基板が接触してしまう。この
ようにして、上下基板が接触することにより、更に以下
のような問題点が発生する。
【0016】(1a)TFT基板の上に形成されている
スイッチング素子等の素子の破壊の原因になったり、両
基板の表面に形成された配向膜に損傷を与え、液晶分子
の配向不良をもたらす。
【0017】(1b)液晶が両基板間に進入し難くな
り、両基板間に完全に注入される迄、多大な時間を要す
る。これにより、製造工程が長時間を要するという問題
点がある。更に、最終的に両基板が接触したままである
場合、液晶の注入不良を発生する。
【0018】(2)スペーサレスの液晶表示素子のサイ
ズは、主に1インチ前後であるため、圧力差による両基
板のたわみは微小であり、問題にならなかったが、1イ
ンチを超えるサイズの液晶表示素子に於いて、使用され
るガラス基板の物理的性質(厚さとヤング率)によっ
て、上記の問題点が発生する場合がある。
【0019】本発明は、このような従来の課題を解決す
べくなされたものである。
【0020】本発明の第1の目的は、液晶層の中にスペ
ーサが存在しないことにより、高品質の画像表示を実現
することができる液晶表示素子及びその製造方法を提供
することである。
【0021】本発明の第2の目的は、表示部にスペーサ
を介在させることなく表示用の基板の中央部に於いて凹
凸が発生する事態を防止し、表示欠陥の発生を防止し、
表示領域を拡大することが出来、しかも開口率が増大さ
れ、高コントラストの表示を実現することができる液晶
表示素子を提供することである。
【0022】本発明の第3の目的は、スペーサを用いる
ことなく液晶表示素子の一対の基板間のギャップを一定
にすることができる液晶表示素子の製造方法を提供する
ことである。
【0023】
【0024】
【0025】
【課題を解決するための手段】 本発明の液晶表示素子の
製造方法は、第1基板と第2基板との間隙を設定するス
ペーサが混入したシール材を、第1基板と第2基板
との間に介在させて、該シール材が配置されている領域
に、切抜き端部を有し、高さ5μm〜30μmで、周期
200μm〜800μmの凹凸が両面に形成されている
弾性シートを、第1基板又は該第2基板の裏面に載置
して加圧する工程と、該シール材を硬化させる工程と、
第1基板、第2基板及びシール材によって形成さ
れた空間に液晶を注入する工程とを含んでおり、そのこ
とにより上記目的が達成される。
【0026】
【0027】本発明の液晶表示素子の製造方法は、対向
配設された2つの基板の周縁部に一部を除いてシール材
を設ける工程と、該一部である液晶注入口に、所要注入
液晶量よりも多量の液晶をセットする工程と、セットさ
れた液晶を、該2つの基板の内部と外部との圧力差によ
り、2つの基板間に注入させる工程と、該2つの基板間
に注入された該液晶層の中央部の厚みを測定する工程
と、該厚みの測定結果に基づいて該2つの基板間の該中
央部での離隔距離を機械的に調整し、該注入口から液晶
を注入させ、又は排出させる工程と、該注入口を封止す
る工程と、を含んでおり、そのことにより、上記目的を
達成することができる。
【0028】本発明に於いて、前記離隔距離の機械的調
整を、2つの基板の両方を保持したまま両方の基板を離
隔又は接近させる機構により行う場合がある。
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】本発明の液晶表示素子の製造方法は、一対
の基板が、該一対の基板間のギャップを決定するスペー
サを混入したシール材によって相互に固定され、基板間
のギャップの中央付近の表示領域に於いてスペーサが配
置されていない該一対の基板間に液晶を保持している液
晶表示素子を製造する製造方法に於いて、重ね合わせる
複数の圧力媒体の内、少なくとも一種類が、貼り併せら
れた該一対の基板と同等以上の平滑性を有し、且つ貼り
合わせられた該一対の基板よりも高いたわみ強度を有す
る加圧材であって、該一対の基板と圧力媒体との平滑な
面が接触するように配置されており、複数の圧力媒体を
含む複合緩衝材料を用いて、該一対の基板の内の一方の
基板全面を押圧する工程と、シール材を硬化させ、該
一対の基板を押圧されている状態で、相互に接着する工
程とを含んでおり、そのことにより上記目的を達成する
ことができる。
【0036】本発明に於いて、上記緩衝媒体が、圧力の
伝達に等方性を有する媒体であり、ガスあるいは液体の
いずれかの相互に独立したセルを含む弾性体、あるいは
アルカリハライド結晶粒、あるいはパイロフェライト等
の固体の圧力媒体から選ばれた物質である場合がある。
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】本発明の液晶表示素子の製造方法は、一対
の基板が、該一対の基板間のギャップを決定するスペー
サを混入したシール材によって相互に固定され、基板間
のギャップの中央付近の表示領域に於いてスペーサが配
置されていない該一対の基板間に液晶を保持している液
晶表示素子を製造する製造方法に於いて、該シール材の
粘度及び押圧応力は、シール材の応力−歪み特性の粘度
依存性に基づいて決定されており、該一対の基板の少な
くとも一つの基板を、スペーサによって定められるギャ
ップの距離に基づいて定められる押圧力で押圧する工程
と、該一対の基板の一方の基板にシール材を塗布する
工程と、該シール材を硬化させる工程とを含んでおり、
そのことにより上記目的を達成することができる。
【0042】本発明に於いて、前記一対の基板の少なく
とも一方の基板は、透明電極を有している場合がある。
【0043】本発明に於いて、前記一対の一方の基板
は、液晶の電気光学効果を制御する手段を有している場
合がある。
【0044】本発明に於いて、基板は、シール材の粘度
を一定に維持しながら、セルギャップが定められるよう
に押圧される場合がある。
【0045】本発明に於いて、該基板は、シール材の粘
度とシール材への押圧力とを制御することによりセルギ
ャップを定めるように押圧される場合がある。
【0046】
【0047】本発明に於いて、前記シール材は、光によ
り活性化される重合反応開始剤を含む光硬化性樹脂組成
物、あるいは該樹脂組成物に於いて、熱により未反応成
分の反応が活性化される光硬化と熱硬化併用型樹脂組成
物である場合がある。
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【作用】 本発明の液晶表示素子の製造方法は、第1基板
と第2基板との間隙を設定するスペーサが混入したシー
ル材を、第1基板と第2基板との間に介在させて、シー
ル材が配置されている領域に、切抜き端部を有し、高さ
5μm〜30μmで、周期200μm〜800μmの凹
凸が両面に形成されている弾性シートを、第1基板又は
第2基板の裏面に載置して加圧する工程と、シール材を
硬化させる工程と、第1基板、第2基板及びシール材に
よって形成された空間に液晶を注入する工程とを含んで
おり、上記 弾性シートの両側に、高さ5μm〜30μ
m、周期200μm〜800μmの凹凸が形成されてい
るため、基板に作用する圧力が均一化されて、シール材
に混入されているスペーサと各基板との密着が、基板全
面に亘って均一となり、シール材の厚さ誤差を低減させ
ることが出来る。
【0060】本発明にあっては、2つの基板間に注入さ
れた液晶層の中央部の厚みを測定し、測定結果に基づい
て、2つの基板間の中央部での離隔距離を機械的に調整
する。これにより、該注入口から液晶が注入されまた
は、排出されることになり、易者押送の中央部の厚みが
一定値になる。
【0061】本発明による場合は、詳述したようにセル
厚制御を行いながら液晶を注入し、注入口を封止するの
で、セル厚を均一且つ一定値にでき、これにより従来に
比べ製品の歩留りを大幅に向上させることができ、ま
た、表示むらの発生がなく、しかもコントラストの高
い、表示品位の良好な液晶表示素子を提供することがで
きる。
【0062】液晶表示素子の液晶層内にスペーサがな
い、もしくはスペーサの散布量を大幅に低減した液晶表
示素子を作成することができる。また、本発明の製造方
法によれば、従来、たわみ易いために特に製造が困難で
あった、表示領域にスペーサがない、かつ表示領域のサ
イズの大きい液晶表示素子に於いても、均一なセルギャ
ップを実現することができる。
【0063】また、本発明の製造方法に於いて、従来困
難であった、基板上に複数個の表示せるに相当する電極
群を形成し、同時に貼り合わせる、いわゆる多面取り方
式の製造方法により、表示領域にスペーサの内、セルギ
ャップの均一な液晶表示素子を製造することができる。
【0064】液晶の電気光学的効果を制御するためのT
FT(薄膜トランジスタ)などのアクティブ素子、ある
いは透明電極が形成された第1の絶縁性透明基板と、カ
ラーフィルタ層あるいは遮光膜から構成されるブラック
マスクパターンが形成された第2の絶縁性透明基板とを
貼り合わせる時に、従来の液晶表示素子の製造方法に於
いて、シール材として熱硬化型樹脂を用いているが、本
発明に於いて、シール材の硬化工程に於けるシール材の
粘度低下をほとんど伴わない紫外線硬化型樹脂を用い
る。
【0065】紫外線硬化型樹脂をスクリーン印刷法によ
り、前記第2の絶縁性透明基板にシール部本体、仮止
め、及び該シール材の印刷性と、第1および第2の絶縁
性透明基板への押圧工程に於ける該シール材へ加わる押
圧圧力の偏り防止を目的としたダミーパターンで、シー
ル材を塗布し、前記第1と第2の絶縁性透明基板を、こ
れらの上の絵素部を相互に位置決めして相互に貼り合わ
せ、両基板がずれないように前記仮止めパターンのみに
紫外線を照射し、該パターンを硬化させる。
【0066】この後のセルギャップ制御を行う押圧工程
のセルギャップ決定因子は、シール材の粘度および該シ
ール材に加わる押圧圧力であり、該シール材の圧力ーセ
ルギャップ特性に基づき決定するものである。粘度一定
の条件下で、圧力σとセルギャップdとは、下記第1式
【0067】
【式1】σ=Fd2 で近似することができる。第1式の記号F、nは、使用
されるシール材に固有の値である。
【0068】本発明は、この第1式の関係から、適切な
樹脂材料を選択することにより、前記圧力σの変動に対
して、セルギャップdのばらつきを小さく、しかも一定
の値にできることに基づいて成されたものである前記第
1式に従い、目的とするセルギャップを設定するときの
シール材の粘度と押圧荷重とを決定し、シール材の粘度
制御を基板全体の温度制御により行い、所定の押圧荷重
にて押圧する。シール材が目標のセルギャップ迄十分に
押圧されるまで押圧状態を継続し、セルギャップが目標
とする値となった時点で、押圧状態を維持したまま、シ
ール材を硬化させるための、紫外線照射を行う。押圧
は、シール材の硬化反応が終了するまで、維持する。
【0069】この後、硬化したシール材のガラス転位温
度以上の温度で基板を加熱する。これにより、押圧工程
で発生したガラスの歪みを緩和することができ、より均
一なセルギャップを実現することができる。
【0070】また、シール材が光硬化と熱硬化との併用
型樹脂である場合、前記加熱工程を同時に行う。
【0071】次に、基板を液晶表示素子の形状に分断
し、液晶を真空注入法で注入する。このとき、該液晶表
示素子に十分に液晶が注入できなかった場合、液晶の注
入口を液晶に浸した状態で、該液晶表示素子の液晶層の
基板表面を物理的に吸引して、該両基板を相互に反対側
に引っ張ることにより、液晶を該液晶表示素子内に矯正
的に注入する。この工程をセルギャップを測定しつつ行
い、セルギャップが均一となった時点で、液晶注入口に
紫外線硬化樹脂を塗布し、紫外線照射をおこない、該樹
脂を硬化させ注入口を封止する。
【0072】以上の工程により、スペーサを全く使用し
ないでセルギャップの均一な液晶表示素子を作成するこ
とができる。
【0073】液晶表示素子の製造工程であるセルギャッ
プ制御を行う押圧工程に於いて、シール材として使用す
る紫外線硬化樹脂の粘度に対する圧力ーセルギャップ特
性を利用することにより、シール材および液晶層内にス
ペーサを全く具備することなく、セルギャップが均一な
液晶表示素子を作成することができる。
【0074】以上のように本発明によれば、セルギャッ
プを制御するためのスペーサを全く具備することなく、
セルギャップの均一な液晶表示素子を作成することがで
きる。従って、従来のように、液晶層中に介在するスペ
ーサによる開口率の低下の問題、スペーサ近傍の液晶の
配向不良による表示品位の低下を防止することができ、
コントラストの高い表示品位に優れた液晶表示素子を作
成することができる。セルギャップ制御の押圧工程に於
いても、スペーサへの荷重集中による素子あるいは配向
膜の損傷、あるいは応力分布の均一性低下似よるセルギ
ャップむらが生じないため、基板上の液晶の電気光学的
効果を制御するためのアクティブ素子、配線材、配向膜
等に欠陥が発生せず、製造上の歩留りが向上され、且つ
表示特性の均一化を図ることができる。また、スペーサ
が不要となることにより、生産工程が大幅に簡略化で
き、生産コストの削減を図ることができる。
【0075】また、a−SiTFTまたは、多結晶Si
TFTが形成された第1の基板と、カラーフィルタ層あ
るいはブラックマスクパターンが形成された第2の基板
とを貼り合わせる時に、液晶層の保持のためガラスファ
イバー等のスペーサを、シール材を構成する樹脂材料と
混合して、シール印刷によって、該第2の基板に塗布し
た後、第1の基板にはスペーサを散布せずに両方の基板
を貼り合わせる。シール材の樹脂として、熱硬化型樹脂
または、紫外線硬化型樹脂などが用いられる。以後、押
圧工程を行い、オーブンによるシール材の硬化、分断作
業を経て液晶表示素子を作成する。
【0076】このようにして、作成された液晶表示素子
に、液晶を注入すると、液晶表示素子の前記第1の基板
と第2の基板とが、前記注入されてくる液晶と以下のよ
うな平衡状態に到達するまで、液晶の注入が行われる。
【0077】従来技術の製造方法に於いて、液晶表示素
子や液晶をセットして、液晶表示素子のシール材で囲ま
れた表示領域部分の空間の空気層を真空排気する。真空
排気を行った後、セットした液晶の脱泡処理が十分に行
われてから、液晶槽に液晶表示素子の注入口を漬けて、
液晶表示素子の外部の真空を大気圧にして行くと、液晶
が前記空間内に侵入し始める。このとき、前記第1の基
板と第2の基板との間の表示領域に、セルギャップ保持
のためのスペーサがないため、セルギャップが著しく小
さくなる。
【0078】このとき、本来ならば液晶表示素子の周囲
の気圧を大気圧迄戻すが、前記のように、液晶表示素子
の内部と外部との圧力差による各基板のたわみが、セル
ギャップより大きいときに、両基板が接触していまう。
これにより、液晶の注入不良や配向膜の損傷、これによ
る液晶の配向不良などが生じる。
【0079】そこで、本発明に於いて、前記真空下での
液晶表示素子の外部の真空状態を対気圧に戻すときの速
度または、到達圧力を調節して、液晶表示素子の内部と
外部との圧力差が一定に保持されるように、圧力を制御
する。これにより、両基板が接触しないようにしてい
る。これにより、液晶表示素子の内部の液晶に気泡がな
く、且つ第1の基板と第2の基板との間に、液晶を注入
する際に、両基板が接触することがないように出来る。
なぜなら、両基板のたわみ量Δdは、液晶表示素子の内
部の圧力と周囲の圧力との差、(P0−P1)に比例す
るからである。即ち、前記Δd=K(P0ーP1)と表
すことができる。
【0080】最後に、前記第1の基板と第2の基板との
間のセルギャップが液晶注入前の状態まで回復しようと
する力と、液晶が両基板間のセルギャップが小さくなる
ように各基板を引っ張る力とが平衡するが、液晶が両基
板を引っ張る力は小さく、両基板は元の形状に復元す
る。
【0081】そして、液晶表示素子に液晶が注入、充填
された後に、前記注入口付近に付着している液晶を拭き
取り、ディスペンサー等で紫外線硬化型樹脂を前記注入
口に塗布し、紫外線を照射して、前記塗布された樹脂を
硬化させ、該注入口の封止を行う。
【0082】このようにして、セルギャップ制御のため
にスペーサを必要とせず、セルギャップが均一で且つ表
示品位の高い液晶表示素子を作成することができる。
【0083】本発明によれば、表示領域にスペーサが存
在しない液晶表示素子に、真空注入法で液晶を注入する
際、一対の基板が相互に接触しないように、液晶表示素
子の内部と外部との圧力差が、両基板の変形に対する復
元力を越えないように制御することにより、セルギャッ
プが均一で表示品位が高い液晶表示素子を素子破壊及び
配向不良などを生じることなく、しかも短時間で作成す
ることができる。これにより、1インチを超えるサイズ
の液晶表示素子を、スペーサを用いることなく、容易に
作成することができる。
【0084】本発明の液晶注入時に、液晶表示素子の内
部及び外部の圧力あるいは外部の圧力の到達圧力と、外
部の圧力の変動速度とを調節することによって、表示領
域にスペーサが存在していない液晶表示素子を作成する
際に、配向膜の損傷や液晶の注入不良を生じることな
く、該液晶表示素子を作成することができ、また、液晶
の注入時間を短縮することができる。従って、コントラ
ストの高い、表示品位の良好な液晶表示素子を作成する
ことができる。
【0085】
【実施例】図1は、本発明の第1の実施例である液晶表
示素子を示す平面図であり、図2は、図1の切断面線A
−Aから見た断面図である。本実施例の液晶表示素子1
は、ガラスなどの透光性を有する第1基板2及び第2基
板3の間にシール材4によって液晶が封入された液晶層
6が形成されており、樹脂やガラスなどが球形状や円筒
状に形成されたスペーサ5が、シール材4の中にのみ存
在しており、スペーサ5と各基板2、3とが密着するこ
とによって、第1基板2と第2基板3との間の間隙、即
ち液晶層6の厚さを設定している。
【0086】第1基板2及び第2基板3の液晶層6側の
表面には、単純マトリクス動作やアクティブマトリクス
動作を行って、表示画像の画素毎に液晶へ電圧を印加す
るための電極と、液晶分子の配向を決定する配向膜とが
形成されており、必要に応じてカラーフィルタ層や遮光
層が形成される。尚、アクティブマトリクス動作の場合
は、絵素電極への印加電圧を制御するスイッチング素子
が、アモルファスSi(以下、a−Si)や多結晶Si
(以下、p−Si)等で構成されて、一方の基板表面に
形成されている。
【0087】図3は、図1及び図2に示した液晶表示素
子を用いたアクティブマトリクス動作によるカラー液晶
表示装置の一例を示す破断斜視図である。この例に於い
て、第1基板2の表面に千鳥格子状に配置された複数の
絵素電極10と、各絵素電極10への印加電圧を制御す
る複数のスイッチング素子11と、各スイッチング素子
11を駆動する走査電極12と、表示信号を各スイッチ
ング素子11に伝達する信号電極13とが形成されてい
る。一方、第2基板3の表面には、前記絵素電極10毎
に赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)のカラーフィ
ルタを有するカラーフィルタ層15が、各絵素電極10
に対応して形成され、その表面に共通電極14が形成さ
れている。
【0088】第1基板2と第2基板3との間には、液晶
層6が形成されると共に、第1基板2及び第2基板3の
各裏面側に、偏光子16、17が配置され、例として第
1基板2の裏面側から光が入射すると、絵素電極10と
共通電極14との間に印加される電圧によって、液晶の
光学的性質が変化して、第2基板3の裏面側に出射する
光が変調される。
【0089】こうして得られたカラー液晶表示装置の液
晶層6には、スペーサ5が配置されていないので、表示
不良のない高品質の画像を提供することができる。
【0090】次に、図1に示した液晶表示素子1の製造
方法について説明する。まず、予め電極や配向膜が形成
された第1基板2及び第2基板3を用意する。一方、ス
ペーサ5として、例として直径5μmのガラスファイバ
ーをエポキシアクリレート系などの紫外線硬化性樹脂に
分散させ、樹脂1g当りのガラスファイバーの重量が5
0mgとなる混合比に調整したシール材4を準備する。
【0091】次に図4の平面図に示すように、第1基板
2の表面に、スペーサ5を分散したシール材4をシール
印刷法やスクリーン印刷法等を用いて、開口部7を残し
て、開口部7以外の残余のシール領域に線幅0.4mm
程度で塗布する。以下、1枚の基板について、6つの液
晶セルを組み立てる例を説明するが、本発明は、このよ
うな例に限定されるものではない。
【0092】次に、図5の断面図に示すように、第1基
板2と第2基板3との位置合わせを行って相互に貼り合
わせた後、金属性の定盤31、32を備えるプレス装置
に設置して、基板2、3の表面に於ける各定盤31、3
2からの圧力が1〜1.5kg/cm2になるように、
押圧力Faを基板2、3の全体に印加することによっ
て、シール材4に混入されたスペーサ5と第1基板2及
び第2基板3とが密着するようにシール材4を押し潰
す。
【0093】次に、図6の部分断面図に示すように、ガ
ラスファイバー33aが平織された布にフッ素樹脂33
bを含浸させた厚さ0.15mmの弾性シート33を用
意して、図7の平面図に示すように、第1基板2と第2
基板3との間に介在するシール材4の塗布形状にほぼ一
致するように、図中の斜線を付した領域34の切抜き加
工を施す。図8は、図7の部分拡大図であり、斜線領域
34の周縁部である切抜き端部の位置と、プレス後のシ
ール材4の外縁との距離Xと、プレス後のシール材4の
幅Yとの関係は、Y/3≦X≦Y/2の関係式を満足す
るように、切り抜かれることが好ましい。
【0094】次に、図9の断面図に示されるように、切
抜き加工された弾性シート33を前述した第2基板3の
裏面に載置して、図8に示すような位置合わせを行った
後、透光性を有する石英ガラス製の定盤35及び金属製
の定盤36を備えて構成されているプレス装置に設置し
て、基板2、3に於ける前記プレス装置による圧力が1
kg/cm2以下となるように、力Fbを基板2、3の
表面の全体に印加する。すると、図10の部分断面図に
示すように、弾性シート33が存在する領域に圧力が集
中して、液晶セルのシール材4の外側で、第1基板2と
第2基板3との間隙が狭くなり、シール材4の内側で第
1基板2と第2基板3との間隙が広くなるように、第2
基板3が変形する。尚、弾性シート33での圧力分布を
均一化するために、弾性シート33の両面に於いて、図
6に示すように、高さQが5μm〜30μmで、周期P
が200μm〜800μmの凹凸が形成されていること
が好ましい。
【0095】この変形した状態を保持しながら、定盤3
5の裏面側に配置された光源37から、紫外線UVを所
定時間照射することによってシール材4が硬化して、シ
ール材4の内側、即ち液晶が注入される領域の間隙が、
シール材4の厚さより大きい液晶セルが得られる。こう
して得られた液晶セルの第1基板2と第2基板3との間
隙は、スペーサ5の部分に於いて5μm、シール材4の
内側近傍に於いて5.2μm±0.1μmとなり、液晶
セルの中央部に於いて5.8μm程度になる。次に、6
つの液晶セルが形成された基板2、3を1枚の液晶セル
毎に切断して、例として10枚ずつ開口部7の方向を揃
えて治具11に収納された後、図14に示す液晶注入装
置40の内部に固定する。液晶注入装置40の真空容器
47には、弁42を介して真空排気ポンプ43が連結さ
れると共に、窒素ガスN2導入用のリーク弁41が配置
され、真空容器47の内側に於いて、液晶46を保持す
る容器が外側の直線移動手段44によって上下に位置合
わせ可能なように設置されている。
【0096】まず、弁42を開けて真空排気ポンプ43
を駆動して、真空容器47内の真空度が1×10-4〜3
×10-4Torrになるまで真空排気した後、弁42を
閉じて真空排気ポンプ43を停止する。次に、容器45
を上方へ移動して、液晶セルの開口部7を容器45内の
液晶46に浸けた後、リーク弁41を開けて真空容器4
7の中に窒素ガスN2を導入して、ほぼ大気圧に戻すこ
とによって、液晶セル内に液晶46が注入される。
【0097】次に、真空容器47から取り出して、液晶
セルの開口部7を樹脂などの別のシール材8でシールす
ることによって、図1及び図2に示す液晶表示素子1を
得ることができる。なお、液晶注入直後に真空容器47
から取り出した液晶セルの液晶層の厚さを測定すると、
5.3μm±0.1μmの数値が得られた。従って、切
抜き加工した弾性シート33を介在させて液晶セルをプ
レスすると共に、シール材4を硬化させることによっ
て、液晶注入時間に依存せずに液晶層の厚さ制御を行う
ことが可能となる。また、こうして得られた液晶表示素
子1の液晶層の厚さ誤差は、±5%の範囲内に収まっ
て、製造ばらつきが少ない液晶表示素子1が得られる。
【0098】以下、本発明による第2の実施例を説明す
る。
【0099】図12に、本実施例の製造方法に好適に使
用される液晶注入装置を示す。この装置は、真空チャン
バ102を備えている。真空チャンバ102内は、真空
排気ポンプ105によって真空にされ、配管104に設
けたリークバルブ103を開けると配管104を流れる
窒素ガスにより、大気圧にできる。真空チャンバ102
内には、液晶治具昇降機構110が備えられる。この液
晶治具昇降機構110は、図13及び図14に示すよう
に、上板111aと、下板111bと、支柱111cと
からなる治具111を有し、支柱111cの内面側に高
さを変えて、複数設けた支持具12に液晶表示素子10
1をセットでき、治具111全体がその下の昇降機構1
13により、昇降するように構成されている。支持具1
12は、表面にテフロン(商標名)被膜が形成され、液
晶表示素子101をセットする際に液晶表示素子101
を傷つけないようにしている。
【0100】また、真空チャンバ102内には、支持具
112にセットされた液晶表示素子101に液晶を供給
するディスペンサ120が備えられている。ディスペン
サ120は、図12に於けるXYZ軸方向の制御機構1
21に支持されていて、この制御機構12により、X軸
方向、Y軸方向及びZ軸方向に移動可能となっている。
ディスペンサ120に於いて、液晶122aを貯留する
液晶槽122から、液晶122aが液晶表示素子101
に供給されるように構成されており、制御機構121を
介してディスペンサ120は、液晶122aを液晶表示
素子101に塗布する。上記液晶槽122に於いて、液
晶脱泡用ポンプ123を備え、この液晶脱泡用ポンプ1
23により、液晶122aに脱泡処理が施される。
【0101】上述した液晶治具昇降機構110の近傍に
は、液晶表示素子101を液晶治具昇降機構110から
受け取って液晶層厚み調整機構130に渡す移動機構1
24が設けられている。この移動機構124は、ベルト
コンベアを備えており、高さが固定されている。液晶治
具昇降機構110から移動機構124への液晶表示素子
101の移動は、液晶治具昇降機構110が、全体的に
降下し、移動機構124のベルトに液晶表示素子101
が当接すると、移動機構124は液晶表示素子101を
液晶治具昇降機構110から引き出して、液晶層厚み調
整機構130側に搬送する。
【0102】液晶層厚み調整機構130は、上下に2つ
のステージ131、132を備え、下側のステージ13
1は高さが固定され、上側のステージ132は昇降機構
133により昇降可能に構成されている。下側のステー
ジ131に、移動機構124にて搬送されてきた液晶表
示素子101がセットされる。この液晶層厚み調整機構
130における液晶表示素子101は拡大されて示され
ている。ステージ131は、上面にセル厚測定用の光フ
ァイバ137aの一端と、減圧加圧用の孔131bとが
設けられている。光ファイバ137aの他端は、セル厚
測定装置134aに接続され、減圧加圧用の孔131b
は通路を介して、セル吸着用ポンプ135aとセル加圧
用コンプレッサ136aとに連通連結されている。
【0103】一方、ステージ132に於いて、その下面
にセル厚測定用の光ファイバ137bの一端と減圧加圧
用の孔132bとが設けられている。光ファイバ137
bの他端は、セル厚測定装置134bに接続され、減圧
加圧用の孔132bは通流路を介して、セル吸着用ポン
プ135bとセル加圧用コンプレッサ136bとに連通
連結されている。なお、ステージ131の上面とステー
ジ132の下面とには、それぞれOリング138a、1
38bが設けられている。
【0104】このように構成された液晶注入装置を用い
た本実施例の液晶表示素子の製造方法について説明す
る。
【0105】先ず、通常の液晶表示素子作製プロセスに
より、例えば液晶が注入されていない段階であって、ス
イッチング素子としてTFT(薄膜トランジスタ)が、
基板101a、101bのいずれかの上にマトリクス状
に形成された3インチサイズのTFT液晶表示素子10
1を作製する。この液晶表示素子101は、図15に示
すように、スイッチング素子としてのTFT(薄膜トラ
ンジスタ)が形成されたTFT基板101aと、対向基
板101bとを対向配設させ、その対向する部分の周囲
にシール材101cを設けると共に、シール材101c
を部分的に省略して液晶の注入口101dが形成されて
いる。
【0106】本実施例に於いて、両基板101a、10
1bの間に、セル厚を一定に保持する為のスペーサを設
けていない。続いて、液晶治具昇降機構110の支持具
112に、作製した液晶表示素子101或はそのように
既に作製した液晶表示素子101の複数枚を、注入口1
01dを揃えて、図12に示すようにセットする。
【0107】次に、真空排気ポンプ105を作動させて
真空チャンバ102内を真空排気し、真空度1〜3×1
-4Torr以下に排気する。その後、真空排気ポンプ
105を停止させ、液晶槽122内の脱泡済み液晶が充
填されたディスペンサ120を、制御機構121により
操作して、複数枚の液晶表示素子101の注入口101
dの近傍に、液晶122aを所定量滴下する。滴下量と
しては、例えば液晶表示素子101のサイズ、液晶層の
厚みに基づいて計算される内容積の2倍量を標準とす
る。各液晶表示素子101での内容積のばらつきが少な
い場合には、もっと少ない量としても構わない。
【0108】次に、リークバルブ103を開放して真空
チャンバ102内に窒素ガスを導入する。これにより液
晶表示素子101の内部と、真空チャンバ102内であ
る外部とに圧力差が生じる。窒素ガス導入と同時に、複
数枚の液晶表示素子101の内部に液晶が注入されてい
く。
【0109】次いで、複数枚の液晶表示素子101全て
に液晶122aが気泡を含まず注入されると、液晶治具
昇降機構110を降下させ、一番下の液晶表示素子10
1を移動機構124により液晶治具昇降機構110から
引き出して、液晶層厚み調整機構130側に搬送する。
液晶表示素子101を液晶層厚み調整機構130の下側
のステージ131上にセットする。セットが終了する
と、上側のステージ132を昇降機構133により降下
させ、液晶表示素子101を、ステージ131、132
で挟む。このとき、ステージ131と液晶表示素子10
1との間はOリング138aにより密閉状態となり、ス
テージ132と液晶表示素子101との間はOリング1
38bにより密閉状態となる。
【0110】次に、ステージ131、132間に挟まれ
ている液晶表示素子101のセル厚測定を行う。セル厚
測定は、液晶表示素子101の内部に液晶が注入され、
液晶分子がTN(ツイステッドネマティック)配向し
て、光学変調素子として機能する状態で行う。測定方式
は、ステージ131、132に埋め込まれている光ファ
イバー137a、137bにより偏光板を介して可視光
光線の波長を走査する。これによって生じる透過光強度
の波長依存性を評価することにより算出する。この測定
値は、セル厚測定装置134a、134bの一方に設け
たコンピュータにより得られる。
【0111】次に、該コンピュータは、セル厚に応じて
セル吸着用ポンプ135a、135b、又はセル加圧用
コンプレッサ136a、136bの一方を駆動させる信
号を出力する。具体的には、図16に示すように、セル
厚が薄い場合は、セル吸着用ポンプ135a、135b
を作動させ、ステージ131、132間に挟まれている
液晶表示素子101を両側から吸引、吸着して、液晶表
示素子101の全面に於いてセル厚が大きくなるように
する。
【0112】これにより、注入口101dの近傍に塗布
した液晶122aが液晶表示素子101の内部に吸い込
まれていく。吸着力は、真空排気ポンプ105とリーク
バルブ103との併用により微細に調節可能となってい
る。これと反対に、セル厚が厚い場合は、図17に示す
ように、セル加圧用コンプレッサ136a、136bを
作動させ、ステージ131、132間に挟まれている液
晶表示素子101を両側から圧縮空気により加圧し、注
入口101dから液晶122aを排出させる。加圧力
は、例えば1kg/cm2程度が適当である。このよう
にすることにより、液晶表示素子101のセル厚が調整
される。なお、この調整のとき、セル厚測定装置134
a、134bによって、セル厚の管理を継続して行い、
セル厚を所望の一定値に制御するようにしておく。
【0113】次に、所定のセル厚になると、紫外線硬化
樹脂を注入口101dに塗布し、この樹脂に紫外線を照
射する。これにより注入口101dの封止が完了する。
【0114】このようにして第1枚目の液晶表示素子1
01の封止が完了すると、完了した液晶表示素子101
を移動機構124によって、液晶治具昇降機構110の
元の場所に戻し、第2枚目の液晶表示素子101を、入
れ代わりに液晶層厚み調整機構130に移動させる。
【0115】以下、上述した手順通りに全部の液晶表示
素子101に対して液晶の注入を行って、液晶表示素子
101を作製する。
【0116】以上詳述したように、本実施例の製造方法
による場合、2つの基板101a、101bの間に注入
された液晶層の中央部の厚みを測定する。この測定結果
に基づいて、2つの基板101a、101bの間の中央
部での各基板101a、101bの間の離隔距離を機械
的に調整する。これにより、該注入口101dから液晶
122aが注入され又は排出されることとなり、液晶層
の中央部の厚みが一定値になる。
【0117】図18は、本実施例の製造方法によって製
造された液晶表示素子のセル厚分布を、従来の製造方法
により製造された液晶表示素子のセル厚分布と共に示す
グラフである。セル厚分布の測定箇所は、図15のA−
A線上であり、液晶表示素子101の対角線上である。
尚、図18中のラインBは本実施例の製造方法によって
製造された液晶表示素子101の場合、ラインCは2つ
の基板101a、101bの間にスペーサを介在させた
場合、ラインDは2つの基板101a、101bの間に
スペーサを介在させることなく液晶を注入してセル厚が
厚くなった場合、ラインEは2つの基板101a、10
1bの間にスペーサを介在させることなく液晶を注入し
てセル厚が薄くなった場合をそれぞれ示す。
【0118】これらの図から理解されるように、本実施
例の場合は、2つの基板101a、101bの間にスペ
ーサを介在させる場合よりもセル厚調整の精度が低い
が、単に液晶を注入するラインDやラインEで示される
場合よりも格段に精度よくセル厚を調整できる。
【0119】このように本実施例による場合に於いて、
スペーサを使用しないで対向配設させた2つの基板10
1a、101bの間のセル厚を、均一かつ一定値に保持
して、液晶の注入や液晶表示素子101の注入口の封止
を行うことが可能となる。これにより、製造された液晶
表示素子101を、例えばプロジェクション映写機に使
用して投影拡大を行うと、通常のスペーサ散布方式にて
作製された液晶表示素子を使用する場合と比べて、スペ
ーサが無いためにスペーサ部分だけ光が透過した状態と
なる表示不良が発生せず表示品位も良好であった。
【0120】本発明の第3の実施例は、スペーサを用い
ず、表示領域のギャップを均一に保持した液晶表示素子
を製造するためのものである。従来では、シール領域以
外にスペーサが配置されていない場合、表示領域に歪み
を生じ易く、注入される液晶の量によってもギャップ量
が変動してしまい、歪みを増大させる。そのため、液晶
の注入後も表示領域に歪みを生じない液晶表示素子を製
造するためには、一対の基板がシール材で固着され、液
晶が注入される前の空セルの状態から、両基板をできる
だけ均一なギャップで貼り合わせる必要がある。
【0121】以下、図19及び図20を参照する。一対
の基板201、204の一方にスペーサ203を含んだ
シール材202を塗布し、もう一方の基板には、スペー
サ203を散布せずに2枚の基板201、204を貼り
合わせ、押圧装置によって両基板201、204を相互
に押圧する。
【0122】押圧保持する手段として、圧力分布に対し
て、緩衝作用を有する緩衝材と、表面が平滑で高いたわ
み強度を有する加圧材とから構成される。前記加圧材と
して、表面のうねりが、基板の表面のうねりよりも小さ
く、且つ基板のたわみ強度以上のたわみ強度を有する材
料が選ばれる。また、前記たわみ強度は、その材料の形
状、寸法、材料特性、特に縦弾性係数によって決定され
る。異なった特性を有する複数の部材を組み合わせたも
のを介して、基板全面を押圧して貼り合わせを行う。
【0123】前記緩衝材を用いることにより、前記押圧
装置による押圧力の分布むら、基板の厚みむら等、一対
の基板相互を押圧する力の分布の不均一を発生させる要
素を吸収し、均一な基板の押圧が可能となる。また、加
圧材により基板全面に荷重を印加しても、スペーサが介
在しない表示領域に於けるたわみの発生をできるだけ抑
制し、シール領域のみを効果的に押圧することができ
る。このとき、基板と加圧材との間に空気等の圧縮性流
体が介在することによる圧力分布のむらの発生を防止
し、押圧後、基板と加圧材とを剥離し易くするために、
加圧材の表面に溝(スリット)を形成する加工を施す。
【0124】上述のような押圧装置で、一対の基板を相
互に押圧しながら、紫外線を照射し、シール材の仮硬化
を行う。このとき、表示領域に於いて、わずかではある
がたわみが残っているため、図19に示すように、シー
ル材202の外側よりも内側の方がギャップが小さくな
っている状態で、前記シール材202が仮硬化する。そ
のため、前記仮硬化後、シール材202を軟化させるた
めに、シール材202のガラス転位点以上の温度に加熱
を行う。
【0125】このとき、シール材202の硬化(熱硬
化)も併せて行われる。即ち、シール材202を加熱す
ると、前記ガラス転位点以上の温度となったとき、シー
ル材202は軟化する。更に温度を上昇させると、軟化
していたシール材202は硬化する。本実施例に於い
て、このようなシール材202の軟化と熱硬化とを連続
した工程で一挙に行うようにしている。
【0126】シール材202を軟化させることにより、
前記たわみによって生じている基板205、208の復
元力によって、図19のシール材202の形状を、図2
0に示すように、基板205、208のたわみが抑制さ
れた形状に補正することができる。この状態で、基板2
05、208を冷却すると、押圧の際に生じた基板20
5、208の表示領域に於けるたわみが極めて小さい液
晶セルを製造することができる。
【0127】このような本実施例の製造方法によって、
セルギャップの制御にスペーサを必要とせず、かつ均一
なギャップの液晶表示素子を製造することができる。
【0128】以下、本発明の第3の実施例を図面を参照
して詳細に説明する。
【0129】第3の実施例を、図21に基づいて説明す
る。相互に貼り合わせられる上下の基板204、206
として、外寸150×150mm、厚さ1.1mmのガ
ラス(コーニング社製、7059バリウムホウケイ酸ガ
ラス、縦弾性係数6.89×103kg/mm2、表面う
ねり10μm以下)を使用し、図22のシールパターン
に示すような3インチの液晶表示パネルを4枚作成し
た。各基板の片面には、液晶の電気光学的特性を制御す
る電極を形成し、配向膜を形成してラビングで配向処理
を行ったものを使用した。
【0130】前記上下の基板を接着するシール材205
は、エポキシアクリルレイト系紫外線硬化性樹脂であ
り、25℃での樹脂特性は、粘度45,000cp<5
rpm>(ブルックフィールド粘度計(HBT型)測
定)、揺変指数3.3<0.5rpm/5rpm値>の
ものを使用した。このシール材205に混入されるギャ
ップ制御用のスペーサ208は、ガラスファイバー(日
本電気ガラス社製、PF−50S:直径5.0μm、長
さ15.0μm)を使用し、その混合比は、シール材2
05の1g当り50mgに調整した。このシール材20
5が、下基板204の貼り合わせ面に、前記液晶表示パ
ネルのシールパターンに沿ってスクリーン印刷法により
塗布されている。
【0131】次に、図21に示したような構成により、
液晶表示パネルの押圧を行った。本実施例の場合、加圧
材には石英ガラス板203(信越石英社製、縦弾性係数
7.4×103kg/mm2、表面うねり5μm以下、外
寸150×150mm、厚さ3mm)を用いた。この石
英ガラス板203には、基板との間の空気の介在を防止
するために、基板と接触する表面に、図23に示すよう
な、ピッチ10mm、幅0.05mm、深さ0.1mm
のスリット211を、ダイシング加工を行って形成し
た。
【0132】加圧材には、そのたわみ強度Eeが、基板
204のたわみ強度Eaよりも高く(Ee≧Ea)、そ
の表面うねりR1は、基板204表面うねりRwよりも
小さい(R1≦Rw)ものを用いる。
【0133】緩衝材202には、例としてスポンジ(タ
イガースポリマー社製、フッ素ゴムスポンジ、外寸15
0×150mm、厚さ7mm)を用いることができる。
このスポンジは、フッ素ゴムを約5倍に発泡させたもの
で、圧力分布に対する緩衝性が優れており、図24のよ
うに、空気に極めて近い応力−歪み特性の特性曲線を示
す材料である。この緩衝材202として、ゴムなどを発
泡させた材料で、圧力を均一に伝達できる流体に近似し
た特性を示し、材料内部に均一且つ微細で独立したセル
構造を有する物質、もしくはKCl、NaCl等のアル
カリハライド結晶粒、あるいは、パイロフィライト等の
固定の圧力媒体等も使用できる。これらの圧力媒体のサ
イズ、形状は、基板204、206に塗布したシールパ
ターンを十分に覆える大きさであればよく、基板204
と同一のサイズ、形状とすることが望ましい。
【0134】図21に示したような順序で基板204、
207、圧力媒体を押圧装置にセットし、シール材20
5に含まれるスペーサ208により定まる所定のギャッ
プになるまで押圧する。押圧装置の押圧圧力は、0.9
kg/cm2に定められた。このようにして、基板20
4、207を押圧した状態で保持し、定盤207から紫
外線UVを照射し、シール材205を仮硬化させて、液
晶表示装置を製造した。本実施例に於いて、基板20
4、207を押圧したまま120sec保持し、そのま
まの状態で、紫外線照射を90sec間行い、照射の
後、120sec間だけ保持した。基板204、207
の押圧、シール材205の仮硬化後、製造された液晶表
示パネルの前記セルギャップを測定すると、表示領域中
央部付近での最大たわみ量は、0.6μm程度であっ
た。
【0135】この状態に於いて、図19に示すように、
液晶表示パネルの内側のギャップが、液晶表示パネルの
外側のギャップよりも小さいように、一対の基板20
4、207がたわんだ状態で、シール材205が硬化し
ている。シール材205を軟化させ、シール材205の
形状の補正を行うためと、シール材205の本硬化を行
うためとに、焼成を行った。使用したシール材205の
ガラス転位温度Tgが120℃であることから、焼成条
件は、焼成温度150℃、焼成時間30分とした。焼成
後の液晶表示パネルの表示領域の前記ギャップを測定す
ると、基準となるギャップ量に対するばらつきは、±
0.15μmであった。
【0136】この液晶表示パネルに、真空注入法により
液晶を注入すると、空セルの状態と同程度の均一なギャ
ップを有する液晶表示パネルを製造することが出来た。
【0137】以上のような実施例に於いて、複数の圧力
媒体を介して、基板204、207の全面を押圧するこ
とにより、基板204全面に荷重を印加した状態でも、
シール領域205を効果的に押圧することができ、液晶
表示パネルの表示領域に於いて、絵素部にスペーサを散
布する必要が解消され、シール領域205のみでギャッ
プを保持することができる。これにより、ギャップむら
の発生を防止し、表示欠陥の発生が防止され、高開口
率、高コントラストの液晶表示装置を実現することが出
来た。
【0138】本発明による液晶表示素子の製造方法の第
1の実施例を以下に説明する。
【0139】まず、本実施例に於いて使用したシール材
について説明する。該シール材の材料は、エポキシ樹脂
系であり、紫外線硬化作用と熱硬化作用とを併用する。
硬化条件は、紫外線硬化の場合に、波長365nmで9
000mJの紫外線照射が必要である。また、熱硬化の
場合に、紫外線硬化後、150℃で30分の焼成が必要
である。
【0140】該シール材の25℃での樹脂特性は、ブル
ックフィールド回転粘度計(HBT型)の測定値が22
4,000cP(5rpm)で、揺変指数が5.0
(0.5rpm/5rpm値)である。また、セルギャ
ップの決定因子となるシール材の応力(σ(kgf/c
2))−セルギャップ(d(μm))特性は、前記第
1式σ=Fdnで近似することができる。本実施例に於
いて、F=1334、n=3.5であり、応力−セルギ
ャップ特性は、図25のグラフの曲線のようになる。本
実施例に於ける目標セルギャップは、例として5μmで
あり、上記第1式から押圧圧力は、4.8kg/cm2
と決定される。
【0141】以下に、本実施例の液晶表示素子の製造方
法について説明する。図27及び図31を参照する。ガ
ラス基板306、307として、コーニング社製705
9の外寸150mm×150mm、厚さ1.1mmのも
のを使用し、該基板306、307上に、画面サイズが
3.0インチの図31に示すa−SiTFTを、図26
に示すシールパターンに基づいて具備した基板(以下、
TFT基板)307と、カラーフィルタ328を具備し
た基板(以下、CF基板)306とを一対として使用す
る。
【0142】まず、両基板306、307の表示領域上
にポリイミド樹脂からなる配向膜326を塗布し、ラビ
ング法で配向処理を行っておく。その後、CF基板30
7上に上記紫外線硬化型樹脂を、図26に示すシールパ
ターンにスクリーン印刷法で塗布する。図26中のパタ
ーン301は、液晶表示素子の本体シールパターンであ
り、パターン302は、基板306、307を相互に貼
り合わせる工程に於ける各基板306、307同士の仮
止め用パターンであり、パターン303は、押圧工程に
於いてシール材へ印加される押圧圧力の偏り防止を目的
としたダミーパターンである。
【0143】シール材の塗布結果は以下の通りである。
シール材の平均高さは16±2μm、パターン幅は30
0±20μmである。上記条件下で、5μmのセルギャ
ップとなる状態まで押圧すると、全シール面積は、約2
0cm2となる。この結果と前記第1式から求めた押圧
圧力から、セルギャップ制御を行う押圧工程の押圧荷重
は96kgfとなる。
【0144】次に、TFT基板307上へ、対向電極へ
の接点端子部に導電性カーボン樹脂を塗布する。ここ
で、使用される導電性カーボン樹脂の粘度は、前述した
ような測定装置と測定法とによれば、25℃に於いて1
1,000cP(5rpm)であり、上記紫外線硬化型
樹脂の粘度より十分に小さい。
【0145】上記処理を施した一対のガラス基板30
6、307を、絵素部を位置決めした上で貼り合わせ、
図26に示した仮止め用パターン302にのみ、紫外線
を照射を行って硬化させ、貼り合わせた一対の基板30
6、307が相互にずれないように固定する。
【0146】次のセルギャップ制御を行う押圧工程に於
いて使用するプレス装置の概略を図27に示す。該プレ
ス装置のプレス定盤309、310は、室温から50℃
の温度範囲で、精度±1.5℃で温度制御が可能な恒温
槽312内に設置されている。また、一方のプレス定盤
310には、該プレス定盤310上の基板307の全面
に紫外線を照射することができる紫外線照射装置が具備
されている。該照射装置は、光源として例として高圧水
銀灯を用いており、波長が365nmの紫外線を60m
W/cm2の強度で紫外線を照射することができる。ま
た、もう一方のプレス定盤309には、圧力を該基板3
06の表面全面に均一に伝達するために、緩衝材311
が具備されている。本実施例に於ける緩衝材311は、
タイガースポリマー社製フッ素ゴムスポンジ3mmt
使用した。
【0147】該プレス装置によって基板306、307
の温度を25±1.5℃に設定し、この状態で前記第1
式から求めた押圧荷重96kgfで押圧する。この押圧
状態を90秒間維持することにより、シール材301、
303は、前記目標セルギャップで定常状態となる。
【0148】次に、押圧を継続している状態で、紫外線
を150秒間照射し、該シール材301、303に紫外
線硬化反応を行わせる。紫外線照射終了後、紫外線硬化
反応が90秒程度継続するため、120秒の間、押圧を
継続し、その後、基板306、307をプレス装置から
取り出す。続いて、該シール材301、303の熱硬化
型反応を行わせるために150℃のオーブンで30分間
焼成を行う。本焼成工程は、シール材301、303の
ガラス転位温度120℃を上回っており、押圧工程で生
じた基板306、307の歪みを緩和させる硬化も得ら
れる。本実施例に於ける焼成前後のセルギャップの最大
歪みは、従来技術に於ける最大歪み0.8μmから、
0.4μmへと改善された。
【0149】貼り合わせの終了した基板306、307
を液晶表示素子の形状に分断し、液晶315を図31に
示すように、真空注入法で注入する。このとき、液晶3
15の真空注入工程終了の時点では、液晶表示素子の液
晶層中にスペーサがないため、図28に示す装置によっ
て、液晶層315を注入した範囲に相当する基板30
6、307の表面を真空で吸引することにより、液晶を
強制的に該液晶表示素子内に注入する。このとき、吸引
のための真空度をセルギャップを測定しつつ行い、セル
ギャップが5±0.15μmの範囲になった時点で、液
晶の注入口に残存している液晶をN2ガスブロワーで除
去し、紫外線硬化型樹脂を前記注入口に塗布し、紫外線
のスポット照射により該紫外線硬化型樹脂を硬化させ
る。
【0150】以上の製造工程によって、スペーサを全く
具備することなくセルギャップが均一な液晶表示素子を
製造することが出来た。
【0151】以下に前記実施例の製造方法の変形例につ
いて説明する。
【0152】液晶表示素子の製造方法に関する前記第1
の実施例と同様な液晶表示素子の製造工程に於いて、一
対の基板306、307を相互に押圧する押圧装置に用
いられる緩衝材を、図29に示すような複合緩衝材とし
てもよい。該複合緩衝材は、基板306、307への押
圧荷重の均一化を図るために用いられ、タイガースポリ
マー社製フッ素ゴムスポンジ7mmtからなる第1緩衝
材324と、石英ガラス3mmtからなる第2緩衝材3
25とを重ね合わせた構成である。前記第2緩衝材32
5は、信越石英社製で縦弾性係が7.4×103kg/
mm2、表面うねりが10μm以下の材料を用いた。第
2緩衝材325の一方の表面には、図30に示すよう
な、ピッチ10mm、幅0.05mm、深さ0.1mm
のスリット325aがダイシングにより加工して形成さ
れている。
【0153】このスリット325aは、押圧時に貼り合
わせた基板306と第2緩衝材325との間に空気が介
入することによって発生する押圧むらを防止するための
空気抜きである。
【0154】このような液晶表示素子の製造方法に関す
る実施例によって、シール材301、303の紫外線硬
化工程終了時点でのセルギャップの最大歪みは0.6μ
mで蟻、シール材301、303の前記焼成工程終了時
点での前記最大歪みは0.3μmであった。この液晶表
示素子に液晶を注入すると、セルギャップは5±0.1
μmとなり、前記実施例の場合よりも、セルギャップの
ばらつきが更に改善された液晶表示素子を製造すること
が出来た。
【0155】本発明による液晶表示素子の製造方法の第
2の実施例を、図32〜図41を参照して、以下に説明
する。本実施例は、前記第1実施例と類似し、対応する
部分に同一の参照符号を付す。
【0156】周知の液晶表示素子の製造工程で、液晶表
示素子を作成する。ここで、ガラス基板は、コーニング
社製7059ガラスで厚さ1.1mmのものを使用す
る。前記製造方法の第1実施例に於けるTFT基板40
3と、対向基板402とを貼り合わせる時に於いて、熱
硬化型樹脂を含むシール材402をシール印刷法により
対向基板402に塗布し、該TFT基板403には、ス
ペーサを散布せずに前記一対の基板402、403を貼
り合わせる。本実施例に於いて、シール材402は熱硬
化型樹脂を使用し、シール材402内にセルギャップ制
御用に混合するガラスファイバーは、直径5.0μmの
ものを用い、その混合比はシール材1gに対してガラス
ファイバー50mgとした。
【0157】この貼り合わせた液晶表示素子をプレス装
置に設置し、シール材402に荷重を印加し、前処理と
して所定のセルギャップになるように、シール材402
に混合したガラスファイバー直径に相当する厚みまで押
し潰すようにプレスする。その後、シール材402の硬
化のために、170度程度の温度で1時間以上オーブン
で焼成する。このようにして作成された液晶表示素子の
シール材402で囲まれた表示領域の空気層厚をセルギ
ャップを測定装置を用いて測定した結果、表示領域内の
凹凸率は、前記ガラスファイバーの直径に相当するセル
ギャップに対して、±5%以内に収まっていた。そし
て、ガラスの分断作業を行って、液晶表示素子を構成す
る。液晶表示素子のサイズは3インチであり、その平面
形状が図32に示される。
【0158】本実施例の液晶表示素子の液晶注入方法
は、まず、液晶注入装置410に必要枚数の液晶表示素
子404を、図33に示すように、各注入口406の方
向を揃えてセットすると同時に、セットされた液晶表示
素子の枚数に対応した量の液晶407を入れた注入皿4
08をセットする。液晶注入装置410の真空チャンバ
ー内を真空排気して、真空度を1〜3×10-4Torr
とする。前記真空チャンバー内の液晶407の脱泡処理
を十分に行う。
【0159】その後、真空排気のポンプを停止し、液晶
407を入れた注入皿408を乗せた上下移動可能なス
テージ409を上昇させて、液晶407を前記注入口4
06に漬ける。続いて、リークバルブ411を開放し、
チャンバー内に窒素ガスを送り込む。
【0160】窒素ガスを送り込むのと同時に、セットし
た液晶表示素子404に液晶407が注入され始める
が、ここでは、チャンバー内を一気に大気圧まで戻さ
ず、1cmHg/mim毎にリークする。この作業は、
リークを開始してから液晶注入装置410の真空ゲージ
の76cmHgから開始し、大気圧になるまでの時間は
約76mim程度となる。
【0161】チャンバー内が大気圧に戻った後、液晶表
示素子404を1枚取り出して、液晶層の厚みを計測し
た。従来技術に於いて、図34〜図37に示すように、
TFT基盤403と前記B/M基板402の両基板間の
セルギャップを保持するための保持体が存在しないため
に、両基板402、403が接触や吸着してしまう(図
35)か、あるいは、セルギャップが著しく小さくな
り、液晶が完全に注入されるまで、多大な時間を要して
しまう。
【0162】これに対し、本実施例におけるように、真
空排気後のリーク時に、液晶表示素子の内部と外部との
圧力差を制御することにより、図38〜図40のように
なる。本実施例に於いて、前記上下基板402、403
の相互の接触が阻止され、配向膜の損傷が防止され、ま
た、注入不良が防止される。また、液晶407の注入時
間が短縮される。
【0163】本実施例に於いて、液晶注入直後のセルギ
ャップは薄いが、4時間程度液晶407に漬けて自然放
置することにより、最も速いものでセルギャップと同量
の層厚5.0μmまで注入することができ、液晶注入時
間によってセルギャップを制御することが出来た。
【0164】また、数十枚の液晶表示素子404をチャ
ンバー内の真空排気後に一気に大気圧までリークした場
合だと、ほぼ全部の液晶表示素子404の表示領域に基
板402、403相互の接触が発生し、各基板402、
403が相互に吸着したままであった。真空排気して
6.5時間経過した時点に於いて、前記上下基板40
2、403が離れ始めたが、10時間経過した時点で
も、前記セルギャップと同量の層厚5.0μmまで注入
することはできなかった。
【0165】本発明は、前記チャンバー内が大気圧にな
るまでは比較的時間を要するが、真空排気後に一気に大
気圧まで戻す従来技術の場合よりも、最終的な歩留りの
向上、及び全製造時間の短縮を実現することができる。
その経過時間に対するセルギャップの関係を図41のグ
ラフに示す。
【0166】製造工程の最後に、全部の液晶表示素子4
04に、液晶407が注入された時点で、液晶表示素子
404の注入口406に付着している液晶を十分に拭き
取る。次に、紫外線硬化型樹脂を前記注入口406に塗
布して、十分に注入口406が被覆されていることを確
認した後、紫外線照射装置を用いて該樹脂を硬化させ、
前記注入口406を封止する。そして、同様な手順で、
残余の全ての液晶表示素子404を処理する。製造され
た液晶表示素子は、結果的にセルギャップのばらつきの
範囲が、前述したように所定のセルギャップに相当する
層厚の一例である5μmに対して±5%以内に収まり、
セルギャップを制御することができる。このようにし
て、液晶表示素子のセルギャップを均一に保持したま
ま、液晶の充填及び注入口の封止を行うことができ、表
示品位の良好な液晶表示素子を製造することができる。
また、液晶表示素子の内部と外部との圧力差と液晶の注
入時間とを制御して液晶が注入された液晶表示素子は、
1インチ以上のサイズでもスペーサを用いることなく容
易に製造されることができる。また、該製造の時点にお
ける前述したような各種の問題点をも併せて解消するこ
とができる。
【0167】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
変調光が通過する液晶層の中に、スペーサが存在しなく
ても、液晶層の厚さが均一で且つ製造誤差の少ない液晶
表示素子が得られるため、スペーサの存在に起因する表
示不良やコントラスト不良を解消することができ、特に
画像拡大表示を行う投影装置等に用いられた場合、きわ
めて高品質の画像表示を実現することができる。
【0168】また、該弾性シートの両側に、高さ5μm
〜30μm、周期200μm〜800μmの凹凸が形成
されているため、基板に作用する圧力が均一化されて、
シール材に混入されているスペーサと各基板との密着
が、基板全面に亘って均一となり、シール材の厚さ誤差
を低減させることが出来る。
【0169】本発明による場合は、詳述したようにセル
厚制御を行いながら液晶を注入し、注入口を封止するの
で、セル厚を均一且つ一定値にでき、これにより従来に
比べ製品の歩留りを大幅に向上させることができ、ま
た、表示むらの発生がなく、しかもコントラストの高
い、表示品位の良好な液晶表示素子を提供することがで
きる。
【0170】また、液晶表示素子の製造工程であるセル
ギャップ制御を行う押圧工程に於いて、シール材として
使用する紫外線硬化樹脂の粘度に対する圧力ーセルギャ
ップ特性を利用することにより、シール材および液晶層
内にスペーサを全く具備することなく、セルギャップが
均一な液晶表示素子を作成することができる。
【0171】更に、本発明によれば、セルギャップを制
御するためのスペーサを全く具備することなく、セルギ
ャップの均一な液晶表示素子を作成することができる。
従って、従来のように、液晶層中に介在するスペーサに
よる開口率の低下の問題、スペーサ近傍の液晶の配向不
良による表示品位の低下を防止することができ、コント
ラストの高い表示品位に優れた液晶表示素子を作成する
ことができる。
【0172】セルギャップ制御の押圧工程に於いても、
スペーサへの荷重集中による素子あるいは配向膜の損
傷、あるいは応力分布の均一性低下似よるセルギャップ
むらが生じないため、基板上の液晶の電気光学的効果を
制御するためのアクティブ素子、配線材、配向膜等に欠
陥が発生せず、製造上の歩留りが向上され、且つ表示特
性の均一化を図ることができる。また、スペーサが不要
となることにより、生産工程が大幅に簡略化でき、生産
コストの削減を図ることができる。
【0173】また、本発明の液晶注入時に、液晶表示素
子の内部及び外部の圧力あるいは外部の圧力の到達圧力
と、外部の圧力の変動速度とを調節することによって、
表示領域にスペーサが存在していない液晶表示素子を作
成する際に、配向膜の損傷や液晶の注入不良を生じるこ
となく、該液晶表示素子を作成することができ、また、
液晶の注入時間を短縮することができる。従って、コン
トラストの高い、表示品位の良好な液晶表示素子を作成
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の液晶表示素子を示す平面図
である。
【図2】図1の切断面線A−Aから見た断面図である。
【図3】図1の液晶表示素子を用いたアクティブマトリ
クス型カラー液晶表示装置の一例を示す斜視図である。
【図4】シール材4の塗布状態を示す平面図である。
【図5】第1基板2と第2基板3との間のシール材4を
押し潰すプレス工程を示す断面図である。
【図6】弾性シート33の一例を示す部分断面図であ
る。
【図7】弾性シート33の切抜き形状を示す平面図であ
る。
【図8】図7の弾性シート33とシール材4との関係を
示す部分拡大図である。
【図9】図7の弾性シート33を介在させて、第1基板
及び第2基板に圧力を加える工程を示す断面図である。
【図10】図9の構成の部分断面図である。
【図11】液晶注入装置40の一例を示す系統図であ
る。
【図12】本発明方法に好適な液晶注入装置を示す系統
図である。
【図13】図12の液晶注入装置に備わった治具11の
側面図である。
【図14】前記治具11の正面図である。
【図15】本実施例の製造方法により製造される液晶表
示素子を途中まで製造している状態の液晶表示素子を示
す平面図である。
【図16】セル厚が薄いときに吸引によりセル厚を調整
する場合を示す断面図である。
【図17】セル厚が厚いときに加圧によりセル厚を調整
する場合を示す断面図である。
【図18】各種の方法による場合のセル厚分布を示す特
性図である。
【図19】基板断面図である。
【図20】基板断面図である。
【図21】複数の圧力媒体を用いた押圧方法を示す断面
図である。
【図22】基板上のシール材の塗布パターンを示す平面
図である。
【図23】加圧材のスリット加工を示す斜視図である。
【図24】緩衝材の圧力−歪み特性を示すグラフであ
る。
【図25】本実施例に於いて用いられたエポキシ系紫外
線硬化型樹脂の圧力−セルギャップ特性を示すグラフで
ある。
【図26】シール材の塗布パターンを示す平面図であ
る。
【図27】プレス装置の構成を示す断面図である。
【図28】液晶表示素子に液晶を強制的に注入するため
の液晶強制注入装置の構成を示す断面図である。
【図29】プレス装置の構成を示す断面図である。
【図30】図29に示されている緩衝材の石英ガラスの
一方の面に設けたスリットの形状を示す斜視図である。
【図31】本実施例の製造方法によって作成された液晶
表示素子の断面図である。
【図32】本発明の実施例に於ける液晶表示素子の平面
図である。
【図33】液晶注入装置に液晶表示素子をセットした状
態の断面図である。
【図34】本実施例の対比例の製造工程を示す液晶表示
素子の断面図である。
【図35】本実施例の対比例の製造工程を示す液晶表示
素子の断面図である。
【図36】本実施例の対比例の製造工程を示す液晶表示
素子の断面図である。
【図37】本実施例の対比例の製造工程を示す液晶表示
素子の断面図である。
【図38】本実施例の製造工程を示す液晶表示素子の断
面図である。
【図39】本実施例の製造工程を示す液晶表示素子の断
面図である。
【図40】本実施例の製造工程を示す液晶表示素子の断
面図である。
【図41】前記対比例と本実施例とのセルギャップと経
過時間との関係を示すグラフである。
【図42】従来の液晶表示素子の一例を示す平面図であ
る。
【図43】図42の切断面線G−Gから見た断面図であ
る。
【図44】従来の押圧方法を示す断面図である。
【符号の説明】
1 液晶表示素子 2 TFT基板 3 対向基板 6 液晶層 7 注入口 102 真空チャンバ 105 真空排気ポンプ 110 液晶治具昇降機構 124 移動機構 130 液晶層厚み調整機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大上 裕之 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 ▲高▼藤 裕 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 野村 克己 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 久保 真澄 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 亀井 宏和 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−139518(JP,A) 特開 平3−38615(JP,A) 特開 平4−11223(JP,A) 特開 平1−114822(JP,A) 特開 平5−249444(JP,A) 実開 昭57−195124(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02F 1/1341 G02F 1/1339 505

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1基板と第2基板との間隙を設定する
    スペーサが混入したシール材を、第1基板と第2基
    板との間に介在させて、該シール材が配置されている領
    域に、切抜き端部を有し、高さ5μm〜30μmで、周
    期200μm〜800μmの凹凸が両面に形成されてい
    弾性シートを、第1基板又は該第2基板の裏面に載
    置して加圧する工程と、 該シール材を硬化させる工程と、 第1基板、第2基板及びシール材によって形成さ
    れた空間に液晶を注入する工程とを含む液晶表示素子の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 対向配設された2つの基板の周縁部に一
    部を除いてシール材を設ける工程と、 該一部である液晶注入口に、所要注入液晶量よりも多量
    の液晶をセットする工程と、 セットされた液晶を、該2つの基板の内部と外部との圧
    力差により、2つの基板間に注入させる工程と、 該2つの基板間に注入された該液晶層の中央部の厚みを
    測定する工程と、 該厚みの測定結果に基づいて該2つの基板間の該中央部
    での離隔距離を機械的に調整し、該注入口から液晶を注
    入させ、又は排出させる工程と、 該注入口を封止する工程とを含む液晶表示素子の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 一対の基板が、該一対の基板間のギャッ
    プを決定するスペーサを混入したシール材によって相互
    に固定され、基板間のギャップの中央付近の表示領域に
    於いてスペーサが配置されていない該一対の基板間に液
    晶を保持している液晶表示素子を製造する製造方法に於
    いて、重ね合わせる複数の圧力媒体の内、少なくとも一種類
    が、貼り併せられた該一対の基板と同等以上の平滑性を
    有し、且つ貼り合わせられた該一対の基板よりも高いた
    わみ強度を有する加圧材であって、該一対の基板と圧力
    媒体との平滑な面が接触するように配置されており、 複数の圧力媒体を含む複合緩衝材料を用いて、該一対の
    基板の内の一方の基板全面を押圧する工程と、 シール材を硬化させ、該一対の基板を押圧されている
    状態で、相互に接着する工程とを含む液晶表示素子の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 一対の基板が、該一対の基板間のギャッ
    プを決定するスペーサを混入したシール材によって相互
    に固定され、基板間のギャップの中央付近の表示領域に
    於いてスペーサが配置されていない該一対の基板間に液
    晶を保持している液晶表示素子を製造する製造方法に於
    いて、該シール材の粘度及び押圧応力は、シール材の応力−歪
    み特性の粘度依存性に基づいて決定されており、 該一対の基板の少なくとも一つの基板を、スペーサによ
    って定められるギャップの距離に基づいて定められる押
    圧力で押圧する工程と、 該一対の基板の一方の基板にシール材を塗布する工程
    と、 該シール材を硬化させる工程とを含む液晶表示素子の製
    造方法。
JP12298893A 1992-05-25 1993-05-25 液晶表示素子の製造方法 Expired - Fee Related JP2968665B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12298893A JP2968665B2 (ja) 1992-05-25 1993-05-25 液晶表示素子の製造方法

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4-132870 1992-05-25
JP13287092 1992-05-25
JP17715592 1992-07-03
JP4-177155 1992-07-03
JP12298893A JP2968665B2 (ja) 1992-05-25 1993-05-25 液晶表示素子の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0675233A JPH0675233A (ja) 1994-03-18
JP2968665B2 true JP2968665B2 (ja) 1999-10-25

Family

ID=27314594

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12298893A Expired - Fee Related JP2968665B2 (ja) 1992-05-25 1993-05-25 液晶表示素子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2968665B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08220549A (ja) * 1995-02-17 1996-08-30 Chiyoushiyuu Sangyo Kk Lcd用パネルの液晶注入口を封止するための方法及び装置
JP3742485B2 (ja) 1997-04-24 2006-02-01 株式会社半導体エネルギー研究所 液晶パネル
JP2000206545A (ja) 1999-01-13 2000-07-28 Ran Technical Service Kk 液晶封止装置
JP4599674B2 (ja) * 2000-07-11 2010-12-15 ソニー株式会社 液晶パネルの製造方法
JP3742000B2 (ja) 2000-11-30 2006-02-01 富士通株式会社 プレス装置
JP4638593B2 (ja) * 2000-12-15 2011-02-23 シチズンホールディングス株式会社 液晶素子の製造方法及び加圧装置
KR20020089782A (ko) * 2001-05-24 2002-11-30 삼성전자 주식회사 액정 표시 장치용 인라인 시스템 및 이를 이용하는 액정표시 장치의 제조 방법
US8054437B2 (en) 2006-03-31 2011-11-08 Citizen Holdings Co., Ltd. Large substrate, method of manufacturing liquid crystal device from the same, and liquid crystal device obtained
JP6895296B2 (ja) * 2017-03-31 2021-06-30 シチズンファインデバイス株式会社 液晶表示素子の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0675233A (ja) 1994-03-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5499127A (en) Liquid crystal display device having a larger gap between the substrates in the display area than in the sealant area
US6222603B1 (en) Method of manufacturing liquid crystal display device with a double seal
US7710534B2 (en) System and method for manufacturing liquid crystal display devices
KR100720414B1 (ko) 액정 표시 장치의 제조 방법
KR100300169B1 (ko) 액정표시장치및그의제조방법
JP2001147437A (ja) 液晶表示パネル及びその製造方法
US20090221208A1 (en) Adjusting Apparatus of Gap Width and Method Thereof
US6870591B2 (en) Liquid crystal display with separating wall
JPH11119234A (ja) 液晶表示素子セルの封孔方法及び装置
JP2968665B2 (ja) 液晶表示素子の製造方法
US20070132933A1 (en) Method for repairing LCD device and LCD device with using the same method
KR20000005664A (ko) 무응력액정셀조립
US6859255B2 (en) Method of fabricating a liquid crystal liquid display panel
US6879369B2 (en) Structure of LCD manufactured by one-drop fill technology including a substrate with transparent conductive patterns
JPH112805A (ja) 液晶表示装置およびその製造方法
JP2002341359A (ja) 液晶表示素子の製造方法及び製造装置
US20040080704A1 (en) Apparatus of assembling display panels and method of manufacturing display device using assembling apparatus
KR100769187B1 (ko) 액정 표시 장치의 제조 방법
JP2004233836A (ja) 液晶ディスプレーの構造およびその製造方法
KR100769186B1 (ko) 액정 표시 장치의 제조 방법
KR100720443B1 (ko) 액정 표시 장치의 제조 방법
US20040239868A1 (en) Apparatus of assembling display panels and method of manufacturing display device using assembling apparatus
JPH08146437A (ja) 液晶パネルの貼り合わせ方法および装置
KR20030073819A (ko) 액정 표시 장치의 제조 방법
JP2000193985A (ja) 液晶パネルの製造方法及び製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19990809

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070820

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080820

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080820

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090820

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090820

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100820

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110820

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110820

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120820

Year of fee payment: 13

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees