JP2968085B2 - 気相成長装置 - Google Patents

気相成長装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は半導体製造プロセスに
おいて、半導体ウエハに薄膜を形成する気相成長装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5は、例えばCHEMTRONICS, 1986, Vo
l.1, Dec., p.150 〜151 に示された、IBMのB.S. Me
yerson らが実験に用いている従来の横型拡散炉を用い
た気相成長装置を示す断面図であり、図において、1は
石英ガラス製の反応室、2は加熱用の電気炉、3は原料
ガスの導入口である供給管、4は反応ガスの流れる排気
管、5は薄膜が形成される半導体ウエハ列、6は原料ガ
ス流、7は反応ガス流、8は反応室内ウエハ列後流空
間、9は堆積物である。
【0003】次に動作について説明する。電気炉2で加
熱された反応室1に原料ガス6が供給管3から供給され
ると、該反応室1中で分解され、ウエハ列5上に薄膜が
形成される。分解した反応ガス7は排気管4を通って排
気される。この時、ウエハ列5全体への膜成長速度を精
度よくコントロールするためにはウエハ列5の温度を高
い精度で調節する必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の気相成長装置は
以上のように構成されているので、ウエハ列の温度を全
体にわたって精度よくコントロールする必要があり、こ
れを実現するためには、ウエハ列の前後に広い予熱空間
が必要になる。しかし、予熱空間の後流側でも原料ガス
が分解されるため、ウエハ列に付着できない膜前駆物質
が発生し、排気管及び反応室の後流側に多量の膜あるい
は粉体が堆積し、頻繁なメンテナンスが必要であるとい
う問題点があった。
【0005】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、反応室の後流側や排気管への堆
積物を減少させ、かつウエハへの均一な膜成長を実現す
ることができる気相成長装置を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明に係る気相成長
装置は、反応室内のウエハ列後流側に円筒を設置するも
のである。また、円筒内部に外部より冷却ガスを導入
し、円筒の表面温度を400〜600℃に制御するもの
である。
【0007】
【作用】この発明における気相成長装置は、円筒の設置
により、予熱空間の体積が減少し、膜前駆物質の発生速
度が低下し、排気部への堆積物が減少する。また、円筒
の設置により、炉内の通路断面積が減少するため、排気
部への膜前駆物質の拡散移動が抑制され、ウエハ列上に
均一な膜成長が行われる。また、円筒内部に外部より冷
却ガスを導入し、円筒の表面温度を400〜600℃に
制御するようにしたので、円筒の表面温度を膜前駆物質
の付着確率が小さくなる温度に維持できる。
【0008】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1はこの発明の一実施例による気相成長装置の
断面図であり、図5と同一符号は同一または相当部分を
示す。図において、10は両端の閉じられた石英製の円
筒であり、反応室1内のウエハ列5の直後に反応室1と
同心円状に設置されている。11は円筒10の温度を調
節するための空冷用N2 ガス流である。
【0009】次に、TEOS(テトラ・エチル・オキシ
ドシリコン)の熱分解によるSiO2 膜の堆積を例にと
って動作について説明する。TEOSの分解は500〜
800℃,0.1〜1.0Torrの範囲では気相反応
で行われる。700℃程度に加熱された反応室1にTE
OSがガス供給管3から供給されると、その一部が分解
され、ウエハ列5上に薄膜(SiO2 膜)が形成され
る。残存TEOSを含む分解されたガスは、円筒10と
反応室1とのすき間を通って排気管4へ流れる。この
時、予熱空間の体積が減少することにより、分解された
ガスの滞在時間が短くなるため、ウエハ列5後流でのT
EOSの分解による無駄な膜前駆物質の発生が抑制され
るので、反応室1後流及び排気管4への堆積物9が減少
する。さらに、炉内の通路断面積が狭くなるので、膜前
駆物質の排気管4への拡散移動速度が抑えられ、ウエハ
列5上での膜前駆物質濃度が均一になり、均一な膜成長
速度が実現される。
【0010】TEOSの無駄な分解を抑制するために、
温度を下げるのが効果的であるが、400℃以下に下げ
過ぎると、図3に示すように、付着確率が増大し(凝
縮)、円筒表面に膜前駆物質が急速に堆積し始める。こ
れは、反応室内での発塵の源となると同時に、反応室内
の膜前駆物質が失われウエハ上での成膜速度を低下させ
ることになる。このため、最適値がある。ここで、TE
OSの気相分解速度は図2に示すように、600℃以下
では極めて遅くなり、また、膜前駆物質の表面との反応
性を示す付着確率は図3に示すように温度により大きく
変化し、400℃以上800℃以下では10−4程度の
小さな値となる。このため、Nガス流11による冷
却で円筒10の温度を400〜600℃に設定すれば、
TEOSガスの分解ならびに円筒10表面への膜前駆物
質の堆積を少なく抑えることができる。
【0011】このように、この実施例によれば、反応室
内のウエハ列後流側に石英製の円筒を設置し、この円筒
内に空冷用のN2 ガスを導入して、その温度を調節する
ようにしたので、ウエハ列後流での原料ガスの分解及び
発生した膜前駆物質の排気部への拡散移動が抑制され、
排気部への堆積物が減少し、かつウエハ列に均一な薄膜
が形成でき、さらに、TEOS供給量の低減、及び反応
室内ガス流の整流作用によるウエハ面内の膜成長速度の
均一化が可能になる。
【0012】なお、上記実施例では、両端を閉じた石英
製の円筒10を用いて説明したが、図4に示すように、
冷却用N2 ガス流11を注入する側を閉じていない円筒
12を用いてもよい。
【0013】また、上記実施例では、円筒10の材質
は、不活性である点と、堆積するSiO2 膜のはがれを
考慮して石英ガラスとしたが、これに限るものではな
く、原料ガスに対し不活性なものであればよい。
【0014】また、本発明はTEOSを用いたCVDの
他に、リンドープポリシリコンなどの気相反応が重要な
CVDプロセスに対しても適用でき、上記実施例と同様
の効果を奏する。
【0015】
【発明の効果】以上のように、この発明に係る気相成長
装置によれば、円筒を反応炉内のウエハ列後流に設置し
たので、ウエハ列後流で膜前駆物質の発生速度が低下
し、排気部への堆積物が減少でき、また、発生した膜前
駆物質の排気部への拡散移動が抑制され、ウエハ列に均
一な薄膜が形成できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例による気相成長装置の断面
図である。
【図2】実施例の説明の例として用いたTEOSの分解
速度の温度依存性を示す図である。
【図3】実施例の説明の例として用いたTEOS膜前駆
物質の付着確率の温度依存性を示す図である。
【図4】この発明の他の実施例による気相成長装置の断
面図である。
【図5】従来の気相成長装置の断面図である。
【符号の説明】
1 反応室 2 電気炉 3 ガス供給管 4 排気管 5 ウエハ列 6 原料ガス流 7 反応ガス流 8 反応室内ウエハ列後流空間 9 堆積物 10 円筒 11 冷却用N2 ガス流 12 円筒
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−119631(JP,A) 特開 平1−217925(JP,A) 実開 昭61−39937(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 21/31

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体ウエハに薄膜を形成する減圧気相
    成長装置において、 ウエハ列後流の,原料ガスの滞留が可能な高温の反応室
    空間の容積を大幅に削減する中空体を反応室中に設置
    上記中空体に外部より冷却ガスを導入し、中空体の表面
    温度を400〜600℃に制御する、 ことを特徴とする気相成長装置。
JP11563691A 1991-04-17 1991-04-17 気相成長装置 Expired - Fee Related JP2968085B2 (ja)

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