JP2967881B2 - コンタクト - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、ハウジング内に装着されるコンタクトに関
し、詳しくハウジング内にコンタクトを係止するランス
構造の改良に関する。

（従来の技術） ハウジング内に挿入されたコンタクトをハウジング内
に固定する一般的な手段は、コンタクトに設けられた切
起片（ランス）とハウジングの内壁の一部とを係合させ
て位置決め係止する方法がとられていた。すなわち、コ
ンタクトの一部を打ち抜き上下方向に弾性を有するラン
スを該コンタクトのハウジングへの挿入方向と反対の方
向に延長させて形成する。コンタクトを一定方向にハウ
ジングへ挿入する時にはハウジング内壁にランスが押圧
されて撓みコンタクトがハウジングの定位置に装着され
る。このハウジング内壁のランス配設位置よりコンタク
ト挿入方向後方にはハウジング内に突出した内壁突部が
形成されており、前記定位置に配設されたコンタクトの
ランスはランス自体の有する弾性により上方へ復帰し、
この突部と当接し、挿入方向後方へコンタクトが脱落す
ることがないよう係止せしめられているものである。

しかしこのように端部がコンタクト本体より浮き上が
ることにより弾性を有する切起こし片形状のランスが切
り起されてなるコンタクトはコンタクトの取扱い中にこ
のランスの端部が同種の他のコンタクトのランスやその
他の部材にひっかかり損傷されがちであり、かつコンタ
クトが連鎖片の形で形成され格納のために巻枠上に巻か
れる場合、ハウジング内にコンタクトを装着する以前に
ランスが変形されることがある。

このような問題を解決するために特開昭51−30270号
公報に示すような固定手段がある。

第５図に示すように絶縁材料である樹脂からなり通路
１を有するハウジング２の上板2aから通路１内方へ、弾
性を有し矢印Ａ方向へ撓み可能なアーム３をハウジング
２と一体的に延設させることにより、コンタクト４を矢
印Ｂ方向へ挿入する際には、前記アーム３が撓みコンタ
クト４が挿入され、コンタクト４の挿着後はアーム３の
前端の段部3aがコンタクト４の係合部５と係合しコンタ
クト４が所定装着位置に位置決め係合される構造があ
る。

（発明が解決しようとする課題） しかし、一般にハウジングを形成する樹脂は強度面の
要求から弾性をあげることに限界があるため、コンタク
ト嵌入時に該コンタクトに押されて弾性的に変形する充
分な弾性およびコンタクト係止時コンタクトを係止する
に足る充分な強度をランスに与えるためには、ランスの
大きさを大きくして適当な強度および弾性をもつランス
を一体成形する必要があり、ハウジング内のランス配設
部分のスペースを大きくする必要が生ずる。したがって
コネクタの小型化という要望に反するものである。

本発明は、前述したような要望に応え、コンタクトと
ハウジングの係合用のランスが破損しにくく、かつコネ
クタをより小型化することのできるコンタクトの提供を
目的とする。

（課題を解決するための手段） 本発明のコンタクトは、コネクタハウジング内に形成
された突部に係止する係止部を有するランス及び該ラン
スの自由端と係合する係合部を有するコンタクトであっ
て、前記ランスの前記係止部の両側には、前記係合部の
内側に延出される一対の側部が形成され、前記コネクタ
ハウジングの前記突部が前記一対の側部間に位置すると
共に前記側部間に形成された前記係止部に係合すること
により、前記コネクタハウジングに対してのコンタクト
の抜け止めがなされることを特徴とする。

（実 施 例） 以下、図面を用いて本発明のコンタクト10を説明す
る。第１図に示す本発明のコンタクト10も一般的なコン
タクトと略同様の機能を有し、電気絶縁材料である樹脂
成形品のコネクタハウジング11に一定の方向（矢印Ｃ）
に挿入されて装着されるものである。第２図にコンタク
ト10の断面略図、第３図に平面図を示す。

このコンタクト10の上面には、前記ハウジング11への
装着時にハウジング11の内壁の一部と係合してハウジン
グ11内のコンタクト10を所定位置に固定するためのラン
ス12が形成されている。第３図に示すようにコンタクト
10のランス12のハウジング挿入方向（矢印Ｃ）後方には
ランス12の自由端と係合する係合部14が設けられてい
る。このランス12はコンタクトの前方側端部12aはコン
タクト１の本体部と一体的に形成されており、上下方向
に弾性力を有する形状で後方に延長されており、後方側
端部である自由端15の側部15a,15bが前記係合部14の前
端内に延出せしめられている。

ハウジング11は前記コンタクト10を挿入する通路部17
を有し、前記ランス12の自由端15と係合してコンタクト
10が挿入方向と逆の方向へ位置ずれするのを防止する突
部18が中央部に形成されている。さらに、ハウジング11
を背面からみた第４図に示すように前記コンタクト10の
底部に形成され、コンタクト10が天地逆にハウジング11
内に挿入されるのを防止するためコンタクト11に形成さ
れた下方凸部16を嵌合する溝部19aが形成されている。
このようなコンタクト10をハウジング11内に挿入する際
には、コンタクト10のハウジング11挿入方向前方部分よ
り前記溝部19aに突部16を嵌合させてハウジング11内に
挿入する。この時前記ランス12は第１図に示す矢印Ｄ方
向の押圧を突部18により加えられ矢印Ｄ方向へ撓んだ状
態でハウジング11内へ装着される。コンタクト10が第１
図に示す所定位置まで挿入されると、ランス12は突部18
による押圧から解除され、ランス12の自由端15が突部18
との係合位置へ弾性復帰し、突部18とランス12との係合
により、コンタクト10は矢印Ｃと反対の方向へ脱落する
ことはない。

ランス12の自由端15が突部18との係合位置へ復帰する
と、突部18は、一対の側部15a、15b間に位置する。

そして、突部18が側部15a、15b間に形成された自由端
15の端縁（係止部）15cに係合することにより、コンタ
クト10のコネクタハウジング11に対しての抜け止め、即
ち矢印Ｃと反対方向への抜め止めがなされる。

この際に、突部18は、側部15a、15b間に形成された自
由端15の端縁15cに係合しているので、コンタクト10の
抜め止めは、係合部14の内側に延出される側部15a、15b
の形状や曲げ角度等に影響されることなく、確実になさ
れると共に、突部18が、一対の側部15a、15b間に位置し
ているので、コンタクト10の側方への移動は一対の側部
15a、15bによって規制され、コネクタハウジング11に対
するコンタクト10の側方の位置決めがランス12に設けた
一対の側部15a、15bによってなされる。

また本発明のコンタクト10はハウジング11内でのコン
タクト10の回転を防ぐスタビライザー14aが設けられて
いるため確実にハウジング11内の所定位置に位置決めさ
れる。

なお本発明のランス構造は図示のレセプタクル（メ
ス）型のコンタクト10のみならず、相手方のタブ（オ
ス）型コンタクトにも適用できることは言うまでもな
い。

また、ランスの自由端15は第３図に示すように側部15
a,15bが結合されていても、あるいは結合されていなく
てもよい。

（発明の効果） 本発明に係るコンタクトは、ランスの係止部の両側
に、係合部の内側に延出される一対の側部が形成されて
いるので、自由端が突出していた従来のランスに比べラ
ンスの自由度が規制され、取扱い時に他のコンタクトと
接触してランスが変形したりしないばかりでなく、コネ
クタハウジングの突部が一対の側部間に位置すると共に
側部間に形成された係止部に係合することにより、コネ
クタハウジングに対しての抜け止めがなされるので、コ
ンタクトの抜め止めが係合部の内側に延出する側部の形
状や曲げ角度等に影響されることなく確実になされると
共に、コンタクトの側方への移動は一対の側部によって
規制され、コネクタハウジングに対するコンタクトの側
方の位置決めがランスに設けた一対の側部によって確実
になされるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のコンタクトの一実施例のハウジング装
着状態を示す一部断面図、 第２図は前記コンタクトの一部断面略図、 第３図は前記コンタクトの平面図、 第４図は本発明のコンタクトを収容するハウジングを背
面から見た図、 第５図は従来の一般的なコンタクトとハウジングの一例
である。 10……コンタクト、11……コネクタハウジング 12……ランス、14……係合部 15……自由端、15a、15b……側部 15c……端縁（係止部）、18……突部

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】コネクタハウジング内に形成された突部に
   係止する係止部を有するランス及び該ランスの自由端と
   係合する係合部を有するコンタクトであって、 前記ランスの前記係止部の両側には、前記係合部の内側
   に延出される一対の側部が形成され、 前記コネクタハウジングの前記突部が前記一対の側部間
   に位置すると共に前記側部間に形成された前記係止部に
   係合することにより、前記コネクタハウジングに対して
   の抜け止めがなされることを特徴とするコンタクト。