JP2967195B1 - 大変位吸収システム - Google Patents

大変位吸収システム

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JP2967195B1
JP2967195B1 JP18583798A JP18583798A JP2967195B1 JP 2967195 B1 JP2967195 B1 JP 2967195B1 JP 18583798 A JP18583798 A JP 18583798A JP 18583798 A JP18583798 A JP 18583798A JP 2967195 B1 JP2967195 B1 JP 2967195B1
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道生 大住
益央 近藤
靖 上仙
信一 花岡
伸一 鈴木
美好 中川
▲琢▼郎 入江
茂己 久保
多喜男 古山
顕史 井上
武生 東口
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KENSETSUSHO DOBOKU KENKYU SHOCHO
KENSETSUSHO KINKICHIHO KENSETSUKYOKU
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KENSETSUSHO DOBOKU KENKYU SHOCHO
KENSETSUSHO KINKICHIHO KENSETSUKYOKU
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Abstract

【要約】 【課題】 地震後の損傷度を低く抑えて車両交通を確保
できる橋梁の大変位吸収システムを提供する。 【解決手段】 第1スライドプレート41と、第2スラ
イドプレート42と、伸縮継手20と、アスファルト舗
装部61,62とを備え、床版31,32が橋軸方向に
相対的に大変位したときにこれを吸収する。両床版3
1,32の間には、第1遊間S1が開けられる。スライ
ドプレート41,42は、床版31,32に対する上下
方向の移動が規制されており、床版31,32に対して
橋軸方向に所定の寸法だけ移動可能である。両スライド
プレート41,42の間には、第1遊間S1よりも短い
第2遊間S2が開けられる。伸縮継手20は、両スライ
ドプレート41,42を連結する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、桁遊間あるいは桁
と橋台との遊間を大きく開ける必要がある場合におい
て、桁と桁、あるいは桁と橋台の衝突を回避するととも
に、大規模地震後においても車両等の通行の確保を可能
とする伸縮構造(大変位吸収システム)に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、橋梁の耐震設計に免震設計を導
入すると、多径間連続化が実現でき、下部構造への慣性
力が低減できるので、走行性・経済性が向上する。しか
し、橋梁の耐震性を高めるために、地震エネルギーを支
承の変形により吸収する免震橋梁では、地震時における
桁の応答変位が大きくなる。すなわち、免震橋梁は、下
部構造に加わる地震力を軽減するとともに桁の連続化に
有利な形式ではあるが、大規模地震時における桁の変位
量が増大するため、桁端部の構造が課題となる。
【0003】また、非免震橋梁であっても地震時におけ
る橋軸方向の桁の応答変位が大きい場合がある。このよ
うな橋軸方向の大変位が想定される橋梁では、桁と橋
台、桁と桁の間に、衝突が起こらないように十分な遊間
を設けることが望まれる。この場合には、この遊間を埋
める大きな伸縮量を有した伸縮装置を使用する必要があ
るが、大きな変位に追従できる大変位伸縮装置を使用す
るのは経済性から合理的でない場合が多い。この大変位
伸縮装置には、鋼製フィンガー方式のもの、リンク方式
のもの、マウラー方式のもの等があるが、いずれも高価
となる上に、長期に亘る維持管理や装置から発生する騒
音・振動の影響を考慮すると採用し難い場合が多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のよう大規模な大
変位伸縮装置を設置する代わりに、いわゆる「ノックオ
フ構造」を採用する場合がある。このノックオフ構造
は、緩衝機構を設けて桁同士の衝突を許容するもので、
ニュージーランドで実用化されている構造である。図2
0及び図21に、ノックオフ構造の一例を示す。ここで
は、大規模地震等の際に桁503,501とノックオフ
構造部(故意的に設けた破壊しやすい部分)508a,
502aが衝突して、ノックオフ構造部508a,50
2aが損傷する。この損傷によって、支承510に支承
される桁502と桁503との間、桁501と橋台50
8との間の大きな変形量が確保される。
【0005】しかしながら、これはノックオフ構造部を
はずすことで変形量を確保する構造形式のため、桁間等
が広がる場合には大きな隙間が生じる。さらにPC桁等
の一部の桁構造形式では、寸法制限のため採用できない
ことがある。本発明の課題は、ほぼ全ての橋梁形式で採
用が可能で、地震後の損傷度を低く抑えて車両交通を確
保できる、比較的安価な橋梁の大変位吸収システムを提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る大変位吸
収システムは、第1桁と、第2桁と、第1スライド部材
と、第2スライド部材と、伸縮継手と、舗装部とを備
え、第1及び第2桁が橋軸方向に相対的に大きく変位し
たときにこれを吸収する橋梁の構造である。第1桁は、
第1床版を有しており、橋脚あるいは橋台に支承され
る。第2桁は、第2床版を有しており、橋脚あるいは橋
台に支承される。第1桁と第2桁との橋軸方向の間に
は、所定の第1遊間が開けられている。第1スライド部
材は、少なくとも一部が第1床版の上に配置されてい
る。この第1スライド部材は、第1床版に対する上下方
向の移動が規制されており、また、第1床版に対して橋
軸方向に所定の寸法だけ移動可能である。第2スライド
部材は、少なくとも一部が第2床版の上に配置されてい
る。この第2スライド部材は、第2床版に対する上下方
向の移動が規制されており、また、第2床版に対して橋
軸方向に所定の寸法だけ移動可能である。第1及び第2
スライド部材の橋軸方向の間には、所定の第2遊間が開
けられる。この第2遊間は、第1遊間よりも短い。伸縮
継手は、第1スライド部材と第2スライド部材とを連結
する。舗装部は、第1床版、第2床版、第1スライド部
材、及び第2スライド部材の上に配置される。
【0007】この大変位吸収システムが採用される橋梁
を通行する車両等は、常時においては、舗装部及び両ス
ライド部材を連結している伸縮継手の上を通行する。橋
軸方向に大変位が発生しうる橋梁では両桁間の第1遊間
を大きく確保しなければならないが、ここでは両桁に対
して上下方向の移動が規制される両スライド部材を設け
ることで車両等の通行を確保している。すなわち、伸縮
継手は両スライド部材間の第1遊間よりも短い第2遊間
に対応できるものであればよく、第1遊間に対応するよ
うな大規模な伸縮継手あるいは伸縮装置を設置する必要
はない。
【0008】そして、ここでは、温度変化や震度法レベ
ルの地震による第2遊間程度の変位は伸縮継手で吸収
し、大規模地震における第2遊間から第1遊間の範囲に
ある大きさの変位は以下に示すように吸収する。第2遊
間を超える変位が発生し、第1桁と第2桁とが接近する
と、第1スライド部材と第2スライド部材との間の第2
遊間がなくなり、両スライド部材が衝突する。すると、
第1スライド部材が第1床版に対して相対的に第2桁側
と反対側に移動する現象、あるいは第2スライド部材が
第2床版に対して相対的に第1桁側と反対側に移動する
現象のうち少なくとも一現象が起こる。これにより、両
スライド部材のうち少なくとも1つは舗装部の一部を損
傷させるが、他の構造には殆ど損傷を与えない。
【0009】また、第2遊間を超える変位が発生し、第
1桁と第2桁とが大きく離れると、伸縮継手によって連
結されている両スライド部材は大きく離れられないた
め、第1スライド部材が第1床版に対して相対的に第2
桁側に移動する現象、あるいは第2スライド部材が第2
床版に対して相対的に第1桁側に移動する現象のうち少
なくとも一現象が起こる。しかしながら、この状態にお
いても両スライド部材は両桁に対して上下方向の移動が
規制されており、両桁間に大きな隙間が開いてもこれに
よって車両等の通行が完全に遮断される恐れは少ない。
すなわち、両桁間には両スライド部材及び伸縮継手が残
るため、これらによって車両等の通行を確保することが
できる。
【0010】このように、ここでは、両桁が橋軸方向に
大きな変位を伴って振動する場合でも、その大変位を吸
収し、且つ車両等の通行を確保することができる。ま
た、ほぼ全ての橋梁形式で採用が可能であり、地震後の
損傷も概ね舗装部に限られ、第1遊間に対応可能な大規
模な伸縮装置を導入する場合に較べて比較的安価なシス
テム(構造)となる。
【0011】請求項2に係る大変位吸収システムは、請
求項1に記載の大変位吸収システムであって、第1及び
第2スライド部材には、それぞれ、橋軸方向に長い長穴
が形成されている。そして、第1スライド部材は、固定
具によって、第1床版に対する上下方向の移動が規制さ
れ、橋軸方向に所定の寸法だけ移動可能にされている。
また、第2スライド部材は、固定具によって、第2床版
に対する上下方向の移動が規制され、橋軸方向に所定の
寸法だけ移動可能にされている。固定具は、頭部及び頭
部よりも径の小さな胴部から構成されるものである。こ
の固定具の胴部は、第1あるいは第2スライド部材の長
穴を貫通して、第1あるいは第2床版に固定される。
【0012】ここでは、ボルト等の固定具によって両ス
ライド部材を各床版に装着している。そして、この固定
具の胴部が貫通する両スライド部材の穴を長穴とするこ
とによって、両スライド部材を各床版に対して橋軸方向
に所定の寸法だけ移動可能にしている。なお、両スライ
ド部材は、固定具の頭部と各床版との間に挟持されるた
め、各床版に対する上下方向の移動が規制される。
【0013】請求項3に係る大変位吸収システムは、請
求項2に記載の大変位吸収システムであって、第1床版
と第1スライド部材との間及び第2床版と第2スライド
部材との間、あるいは固定具の頭部と第1及び第2スラ
イド部材との間のうち少なくとも一方に、摩擦低減部材
が挿入されている。この摩擦低減部材は、第1床版に対
して第1スライド部材が橋軸方向に移動し易いようにす
る、あるいは、第2床版に対して第2スライド部材が橋
軸方向に移動し易いようにする部材である。
【0014】両スライド部材は、固定具の頭部と各床版
との間に挟持されており、これらとの間に摩擦抵抗が存
在する。したがって、この摩擦抵抗が大きいと、地震時
等に両桁が大きく離れて床版に対してスライド部材が相
対移動しなければならない時に両スライド部材を結ぶ伸
縮継手にかかる張力が大きくなる。そして、摩擦抵抗力
が伸縮継手の引張耐力よりも大きければ、伸縮継手が破
損して両スライド部材の連結が解除されてしまう。これ
では、車両等の通行の確保ができなくなり、場合によっ
ては落橋の恐れもある。
【0015】上記のような現象を回避するため、ここで
は摩擦低減部材を挿入して、両スライド部材が各床版に
対して橋軸方向にスライドし易いようにし、両者の橋軸
方向の移動を妨げる摩擦抵抗を減少させている。なお、
摩擦低減部材は、主として静摩擦係数が小さな部材が望
ましく、例えばフッ素樹脂シートなどがある。
【0016】請求項4に係る大変位吸収システムは、請
求項1から3のいずれかに記載の大変位吸収システムで
あって、第1及び第2スライド部材の互いに隣接する端
部と反対側の橋軸方向の端部は、舗装部と接しており、
先端が尖っている。上記のように、この大変位吸収シス
テムでは、地震時における舗装部の損傷を想定してい
る。すなわち、スライド部材が床版に対して相対移動し
て舗装部を損傷させることを前提としたシステムとなっ
ている。したがって、舗装部がスライド部材と床版との
相対移動を阻害すると、スライド部材等の舗装部以外の
部分に損傷が発生することになる。これでは、地震時や
地震後において通行等の確保ができなくなってしまう。
【0017】このような不具合を回避するように、ここ
では、両桁が第2遊間を超えて接近したときに衝突する
両スライド部材の端部と反対側の端部、すなわち、舗装
部に接し舗装部を損傷させる端部の形状を工夫し、先端
を尖らせている。このように先端を尖らせることによっ
て、スライド部材と床版との相対移動を舗装部が妨げる
ことが抑えられ、大地震時等においてスライド部材と床
版との相対移動がより確実に行われることになる。
【0018】請求項5に係る大変位吸収システムは、請
求項1から4のいずれかに記載の大変位吸収システムで
あって、連結部材をさらに備えている。連結部材は、第
1及び第2スライド部材に連結されており、伸縮継手が
伸びて第1及び第2スライド部材が相対的に所定寸法だ
け離れたときに張力がかかる。両スライド部材は、固定
具の頭部と各床版との間に挟持されており、これらとの
間に摩擦抵抗が存在する。したがって、この摩擦抵抗が
大きいと、地震時等に両桁が大きく離れて床版に対して
スライド部材が相対移動しなければならない時に両スラ
イド部材を結ぶ伸縮継手にかかる張力が大きくなる。そ
して、摩擦抵抗力が伸縮継手の引張耐力よりも大きけれ
ば、伸縮継手が破損して両スライド部材の連結が解除さ
れてしまう。これでは、車両等の通行の確保ができなく
なり、場合によっては落橋の恐れもある。
【0019】上記のような現象を回避するため、ここで
は連結部材を配備している。この連結部材は、伸縮継手
が伸びて第1及び第2スライド部材が相対的に所定寸法
だけ離れたときに張力がかかるもので、このときに伸縮
継手が負担している引張力の一部を負担する。これによ
り、伸縮継手に所定値以上の引張力が作用することがな
くなる。
【0020】このように、伸縮継手の持つ両スライド部
材の連結という役割を補助する連結部材を設けたことに
よって、伸縮継手の引張耐力が余り大きく取れない場合
にも、大地震時等における両スライド部材の連結を確保
することができる。請求項6に係る大変位吸収システム
は、第1桁と、第2桁と、スライド部材と、固定部材
と、伸縮継手と、舗装部とを備えており、第1及び第2
桁が橋軸方向に相対的に大きく変位したときにこれを吸
収する橋梁の構造である。第1桁は、第1床版を有して
おり、橋脚あるいは橋台に支承される。第2桁は、第2
床版を有しており、橋脚あるいは橋台に支承される。こ
の第2桁は、第1桁に対して橋軸方向に所定の第1遊間
を開けて配置される。スライド部材は、少なくとも一部
が第1床版の上に配置されている。このスライド部材
は、第1床版に対する上下方向の移動が規制されてお
り、また、第1床版に対して橋軸方向に所定の寸法だけ
移動可能である。固定部材は、少なくとも一部が第2床
版の上に配置されている。この固定部材は、スライド部
に対して橋軸方向に所定の第2遊間を開けて配置され
るもので、第2床版に固定されている。第2遊間は、第
1遊間よりも短い。伸縮継手は、スライド部材と固定部
材とを連結する。舗装部は、第1床版、第2床版、スラ
イド部材、及び固定部材の上に配置される。
【0021】この大変位吸収システムが採用される橋梁
を通行する車両等は、常時においては、舗装部及びスラ
イド部材と固定部材とを連結している伸縮継手の上を通
行する。橋軸方向に大変位が発生しうる橋梁では両桁間
の第1遊間を大きく確保しなければならないが、ここで
は両桁それぞれに対して上下方向の移動が規制されるス
ライド部材及び固定部材を設けることで車両等の通行を
確保している。すなわち、伸縮継手はスライド部材と固
定部材との間の第2遊間に対応できるものであればよ
く、第1遊間に対応するような大規模な伸縮継手あるい
は伸縮装置を設置する必要はない。
【0022】そして、ここでは、温度変化や震度法レベ
ルの地震による第2遊間程度の変位は伸縮継手で吸収
し、大規模地震における第2遊間から第1遊間の範囲に
ある大きさの変位は以下に示すように吸収する。第2遊
間を超える変位が発生し、第1桁と第2桁とが接近する
と、スライド部材と固定部材との間の第2遊間がなくな
り、両部材が衝突する。すると、スライド部材が第1床
版に対して相対的に第2桁側と反対側に移動する。これ
により、スライド部材は舗装部の一部を損傷させるが、
他の構造には殆ど損傷を与えない。
【0023】また、第2遊間を超える変位が発生し、第
1桁と第2桁とが大きく離れると、伸縮継手によって連
結されているスライド部材及び固定部材は大きく離れら
れないため、スライド部材が第1床版に対して相対的に
第2桁側に移動する。しかしながら、この状態において
もスライド部材は第1桁に対して上下方向の移動が規制
されており、両桁間に大きな隙間が開いてもこれによっ
て車両等の通行が完全に遮断される恐れは少ない。すな
わち、両桁間には固定部材、伸縮継手、及びスライド部
材のうちの少なくとも幾つかが残るため、これらによっ
て車両等の通行を確保することができる。
【0024】このように、ここでは、両桁が橋軸方向に
大きな変位を伴って振動する場合でも、その大変位を吸
収し、且つ車両等の通行を確保することができる。ま
た、ほぼ全ての橋梁形式で採用が可能であり、地震後の
損傷も概ね舗装部に限られ、第1遊間に対応可能な大規
模な伸縮装置を導入する場合に較べて比較的安価なシス
テム(構造)となる。
【0025】請求項7に係る大変位吸収システムは、請
求項6に記載の大変位吸収システムであって、スライド
部材には、橋軸方向に長い長穴が形成されている。スラ
イド部材は、固定具によって、第1床版に対する上下方
向の移動が規制され、橋軸方向に所定の寸法だけ移動可
能にされている。固定具は、頭部及び頭部よりも径の小
さな胴部から構成されている。固定具の胴部は、スライ
ド部材の長穴を貫通して、第1床版に固定される。
【0026】ここでは、ボルト等の固定具によってスラ
イド部材を第1床版に装着している。そして、この固定
具の胴部が貫通するスライド部材の穴を長穴とすること
によって、スライド部材を第1床版に対して橋軸方向に
所定の寸法だけ移動可能にしている。なお、スライド部
材は、固定具の頭部と第1床版との間に挟持されるた
め、第1床版に対する上下方向の移動が規制される。
【0027】請求項8に係る大変位吸収システムは、請
求項7に記載の大変位吸収システムであって、第1床版
とスライド部材との間、あるいは固定具の頭部とスライ
ド部材との間の少なくとも一方に、摩擦低減部材が挿入
されている。摩擦低減部材は、第1床版に対してスライ
ド部材が橋軸方向に移動し易いように、第1床版とスラ
イド部材との間、あるいは固定具の頭部とスライド部材
との間の摩擦抵抗を低減させる部材である。
【0028】スライド部材は、固定具の頭部と第1床版
との間に挟持されており、これらとの間に摩擦抵抗が存
在する。したがって、この摩擦抵抗が大きいと、地震時
等に両桁が大きく離れて第1床版に対してスライド部材
が相対移動しなければならない時にスライド部材と固定
部材とを結ぶ伸縮継手にかかる張力が大きくなる。そし
て、摩擦抵抗力が伸縮継手の引張耐力よりも大きけれ
ば、伸縮継手が破損してスライド部材と固定部材との連
結が解除されてしまう。これでは、車両等の通行の確保
ができなくなり、場合によっては落橋の恐れもある。
【0029】上記のような現象を回避するため、ここで
は摩擦低減部材を挿入して、スライド部材が第1床版に
対して橋軸方向にスライドし易いようにし、両者の橋軸
方向の移動を妨げる摩擦抵抗を減少させている。なお、
摩擦低減部材は、主として静摩擦係数が小さな部材が望
ましく、例えばフッ素樹脂シートなどがある。
【0030】請求項9に係る大変位吸収システムは、請
求項6から8のいずれかに記載の大変位吸収システムで
あって、スライド部材の固定部材側とは反対側の橋軸方
向の端部は、舗装部と接しており、先端が尖っている。
上記のように、この大変位吸収システムでは、地震時に
おける舗装部の損傷を想定している。すなわち、スライ
ド部材が第1床版に対して相対移動して舗装部を損傷さ
せることを前提としたシステムとなっている。したがっ
て、舗装部がスライド部材と第1床版との相対移動を阻
害すると、スライド部材や固定部材等の舗装部以外の部
分に損傷が発生することになる。これでは、地震時や地
震後において通行等の確保ができなくなってしまう。
【0031】このような不具合を回避するように、ここ
では、両桁が第2遊間を超えて接近したときに固定部材
と衝突するスライド部材の端部と反対側のスライド部材
の端部、すなわち、舗装部に接し舗装部を損傷させる端
部の形状を工夫し、先端を尖らせている。このように先
端を尖らせることによって、スライド部材と第1床版と
の相対移動を舗装部が妨げることが抑えられ、大地震時
等においてスライド部材と第1床版との相対移動がより
確実に行われることになる。
【0032】請求項10に係る大変位吸収システムは、
請求項6から9のいずれかに記載の大変位吸収システム
であって、連結部材をさらに備えている。連結部材は、
スライド部材及び固定部材に連結されている。この連結
部材は、伸縮継手が伸びてスライド部材及び固定部材が
相対的に所定寸法だけ離れたときに、張力がかかる。ス
ライド部材は、固定具の頭部と第1床版との間に挟持さ
れており、これらとの間に摩擦抵抗が存在する。したが
って、この摩擦抵抗が大きいと、地震時等に両桁が大き
く離れて第1床版に対してスライド部材が相対移動しな
ければならない時に伸縮継手にかかる張力が大きくな
る。そして、摩擦抵抗力が伸縮継手の引張耐力よりも大
きければ、伸縮継手が破損してスライド部材と固定部材
との連結が解除されてしまう。これでは、車両等の通行
の確保ができなくなり、場合によっては落橋の恐れもあ
る。
【0033】上記のような現象を回避するため、ここで
は連結部材を配備している。この連結部材は、伸縮継手
が伸びてスライド部材と固定部材とが相対的に所定寸法
だけ離れたときに張力がかかるもので、このときに伸縮
継手が負担している引張力の一部を負担する。これによ
り、伸縮継手に所定値以上の引張力が作用することがな
くなる。
【0034】このように、伸縮継手の持つスライド部材
と固定部材との連結という役割を補助する連結部材を設
けたことによって、伸縮継手の引張耐力が余り大きく取
れない場合にも、大地震時等におけるスライド部材と固
定部材との連結を確保することができる。請求項11に
係る大変位吸収システムは、請求項6から10のいずれ
かに記載の大変位吸収システムにおいて、スライド部材
は、固定部材に対して、橋梁を通行する車両の通行方向
の上流側に位置する。
【0035】大規模地震時において第2遊間を超える変
位が発生し、第1桁と第2桁とが接近すると、スライド
部材と固定部材との間の第2遊間がなくなり、両部材が
衝突する。これにより、スライド部材が第1床版に対し
て相対的に第2桁側と反対側に移動して、スライド部材
が舗装部の一部を損傷させる。このときの舗装部は、ス
ライド部材が第1床版に対して相対的に第2桁側と反対
側に移動するため、スライド部材が移動してきた空間に
あった舗装部の一部が盛り上がって、第2桁側に傾斜の
きつい面が形成されるような損傷を起こすことが多い。
したがって、舗装部の損傷後に舗装部の上を通行する車
両等にとっては、第1桁側から第2桁側へと向かう場合
に較べて、第2桁側から第1桁側に向かう通行はとても
困難となる。
【0036】ここでは、スライド部材を固定部材に対し
て通行方向の上流側に位置させ、すなわち、車両の通行
方向を第1桁側から第2桁側に向かうように設定するこ
とによって、舗装部がスライド部材によって損傷したと
きの車両等の通行の困難性を低減している。請求項12
に係る大変位吸収システムは、桁と、スライド部材と、
固定部材と、伸縮継手と、舗装部とを備えており、橋台
に対して桁が橋軸方向に大きく変位したときにこれを吸
収する橋梁の構造である。桁は、床版を有しており、橋
台(橋台の橋座)に支承されている。この桁は、橋軸方
向に隣接する橋台の側面(橋台の胸壁)に対して、所定
の第1遊間を開けて配置される。スライド部材は、少な
くとも一部が床版の上に配置されている。このスライド
部材は、床版に対する上下方向の移動が規制されてお
り、床版に対して橋軸方向に所定の寸法だけ移動可能で
ある。固定部材は、スライド部材に対して橋軸方向に第
1遊間よりも短い所定の第2遊間を開けて橋台に固定さ
れる。伸縮継手は、スライド部材と固定部材とを連結す
る。舗装部は、床版、スライド部材、及び固定部材の上
に配置される。
【0037】この大変位吸収システムが採用される橋梁
を通行する車両等は、常時においては、舗装部及びスラ
イド部材と固定部材とを連結している伸縮継手の上を通
行する。橋軸方向に大変位が発生しうる橋梁では桁と橋
台との間の第1遊間を大きく確保しなければならない
が、ここではそれぞれに対して上下方向の移動が規制さ
れるスライド部材及び固定部材を設けることで車両等の
通行を確保している。すなわち、伸縮継手はスライド部
材と固定部材との間の第2遊間に対応できるものであれ
ばよく、第1遊間に対応するような大規模な伸縮継手あ
るいは伸縮装置を設置する必要はない。
【0038】そして、ここでは、温度変化や震度法レベ
ルの地震による第2遊間程度の変位は伸縮継手で吸収
し、大規模地震における第2遊間から第1遊間の範囲に
ある大きさの変位は以下に示すように吸収する。第2遊
間を超える変位が発生し、桁と橋台(橋台の胸壁)とが
橋軸方向に接近すると、スライド部材と固定部材との間
の第2遊間がなくなり、両部材が衝突する。すると、ス
ライド部材が床版に対して相対的に橋台側と反対側に移
動する。これにより、スライド部材は舗装部の一部を損
傷させるが、他の構造には殆ど損傷を与えない。
【0039】また、第2遊間を超える変位が発生し、桁
と橋台とが橋軸方向に大きく離れると、伸縮継手によっ
て連結されているスライド部材及び固定部材は大きく離
れられないため、スライド部材が床版に対して相対的に
橋台側に移動する。しかしながら、この状態においても
スライド部材は桁に対して上下方向の移動が規制されて
おり、桁と橋台との間に大きな隙間が開いてもこれによ
って車両等の通行が完全に遮断される恐れは少ない。す
なわち、桁と橋台との間には固定部材、伸縮継手、及び
スライド部材のうちの少なくとも幾つかが残るため、こ
れらによって車両等の通行を確保することができる。
【0040】このように、ここでは、桁が橋軸方向に大
きな変位を伴って振動する場合でも、その大変位を吸収
し、且つ車両等の通行を確保することができる。また、
ほぼ全ての橋梁形式で採用が可能であり、地震後の損傷
も概ね舗装部に限られ、第1遊間に対応可能な大規模な
伸縮装置を導入する場合に較べて比較的安価なシステム
(構造)となる。
【0041】請求項13に係る大変位吸収システムは、
請求項1から12のいずれかに記載の大変位吸収システ
ムであって、舗装部は補強材を内部に有している。大規
模地震時には舗装部が損傷するが、この損傷は最小限に
抑えることが望ましい。ここでは、舗装部に補強材を保
有させているため、舗装部の橋軸方向の強度が向上して
クラック(亀裂)の発生が抑えられ、また、クラックに
より分離した舗装部の一部が地震時に飛び跳ねるような
現象も抑えられる。
【0042】なお、具体的な舗装部の構成としては、例
えば、2層構造からなるアスファルト舗装層の間に補強
材を敷設するような構成が挙げられる。請求項14に係
る大変位吸収システムは、請求項1から13にいずれか
に記載の大変位吸収システムであって、伸縮継手は、端
面が舗装部に接しており、縮んだ時においても端面を構
成する境界部材の舗装部からの反力による所定の変形を
許容する。
【0043】ここでは、伸縮継手が縮んでいるときにも
伸縮継手の一構成部材である境界部材が舗装部からの反
力によって所定量だけ変形できるようにされている。す
なわち、伸縮継手の伸縮構造の部分が鋼製の場合であっ
ても、縮んだときにこの部分が境界部材の所定の変形を
拘束することがないようにされている。具体的には、例
えば、伸縮構造の部分を主としてゴム等の弾性体で構成
させたり、伸縮構造の部分が鋼製の場合には、少なくと
もこの部分と境界部材の間に軟質なものを介在させる。
【0044】このように、伸縮継手が縮んだ時において
舗装部からの反力により境界部材が所定の変形をするこ
とから、ここでは大規模地震時における舗装部の損傷が
少なくなる。請求項15に係る大変位吸収システムは、
請求項1から14にいずれかに記載の大変位吸収システ
ムであって、伸縮継手は所定量以上の伸びを抑えるスト
ッパー機構を有している。
【0045】ここでは、伸縮継手の伸縮構造の部分の引
張耐力が余り大きく取れない場合にも、ストッパー機構
の働きによって伸縮継手の伸縮構造の部分の大きな引張
力による損傷を抑えることができる。請求項16に係る
大変位吸収システムは、請求項2又は7に記載の大変位
吸収システムであって、長穴は段差を有している。そし
て、固定具は、頭部が長穴内に配置され、頭部の下面が
長穴の段差部分に接する。
【0046】ここでは、スライド部材に形成する長穴
を、段差を有する長穴としている。そして、固定具の頭
部を段差部分に係止させることによって床版に対するス
ライド部材の上下移動を規制させるとともに、固定具の
頭部を長穴内に収めてスライド部材よりも上方に固定具
の頭部が突出しないようにしている。したがって、大規
模地震時においてスライド部材の上に配置される舗装部
と固定具の頭部との干渉が抑えられ、スライド部材が床
版に対してより橋軸方向に移動(スライド)し易くな
る。
【0047】なお、固定具の頭部と長穴の段差部分との
間に摩擦低減部材を挿入すれば、大変位吸収システムの
作動の信頼性がより向上する。
【0048】
【発明の実施の形態】[第1実施形態]本発明の一実施
形態における橋梁の大変位吸収システムを採用する道路
橋(橋梁)を図1に示す。この道路橋は、主として、1
6径間連続PC中空床版である桁1、3径間連続PC箱
桁である桁2、17径間連続PC中空床版である桁3、
桁3に続くPC中空床版である桁4等の複数の桁と、こ
れらの桁を支える複数の橋脚9及び土工部7に隣接する
橋台8から構成されている。それぞれの桁は、例えば図
2及び図3に示すように、橋台8あるいは橋脚9上に装
着される積層ゴム支承10によって支承されている。
【0049】この道路橋は、上記のように、多径間連続
桁を積層ゴム支承10によって支承させる免震設計を用
いた道路橋であることから、地震時においては、上部構
造である桁の橋軸方向の変位量が大きくなる。しかしな
がら、桁と橋台、桁と桁で衝突が起こると、本来の免震
設計の効果が得られないばかりでなく、最悪の場合には
落橋という事態にもなりかねない。このため、図3に示
すように、隣接する桁の間の第1遊間S1を60cmに
設定し、桁1と橋台8との間の遊間S3を30cmに設
定することで、桁の衝突の回避を図っている。これだけ
の遊間を開けておけば、例えば図4(a)〜(e)に示
すように積層ゴム支承10に支承されている桁3,4が
大規模の地震時において橋軸方向に移動しても、桁3と
桁4とが衝突する危険性は極めて小さくなる。
【0050】このような桁間あるいは桁と橋台との間の
遊間における車両の通行を確保するために、本実施形態
においては以下に示す大変位吸収システムを導入してい
る。この大変位吸収システムの基本的な考え方は、温度
変化による変位や震度法レベルの地震による変位はゴム
ジョイント型式等の伸縮継手20で対応し、大規模地震
の大きな変位については、主要な構造は破壊させずに舗
装の一部のみを破壊させるというものである。
【0051】次に、図1に示されている連結部分(桁と
桁との連結部分C2,C3,C4、及び桁と橋台との連
結部分C1)に採用されている桁間の大変位吸収システ
ム、及び桁橋台間の大変位吸収システムについて、それ
ぞれ説明する。 <桁間の大変位吸収システムの構成>桁間の大変位吸収
システムについて、桁1と桁2との連結部分C2(図1
参照)を例にとって以下に説明するが、桁間の他の連結
部分C3やC4等についても同様の大変位吸収システム
が採用される。
【0052】図5に、第1遊間S1が開けられた桁1の
第1床版31と桁2の第2床版32との間をつなぐ大変
位吸収システムを示す。この大変位吸収システムは、第
1スライドプレート41と、第2スライドプレート42
と、ゴム製の伸縮継手20と、アスファルト舗装部6
1,62とを備えているもので、桁1,2が橋軸方向に
相対的に大きく変位したときに、これを吸収する。
【0053】第1及び第2床版31,32は、図5(縦
断面図)及び図8(上面図)に示すもので、桁1,2の
うち、橋梁を通行する車両を直接支える部分である。こ
の床版31,32には、図に示すように、複数の孔31
a,32aが設けられている。これらの孔31a,32
aには、それぞれ雌ねじ31b,32bが埋め込まれ固
着されている。また、第1及び第2床版31,32の上
端部の角には、等辺山形鋼31c,32cが固着されて
いる。これら第1及び第2床版31,32の間の第1遊
間S1は、桁1,2間の第1遊間S1と同じ大きさであ
る。
【0054】第1スライドプレート41は、図5(縦断
面図)及び図7(上面図)に示す鋼板であって、一部が
第1床版31の上に配置されており、一部が第1床版3
1から第2床版32の方に突き出ている。この第1スラ
イドプレート41には、図に示すように、複数の長穴4
1aと、複数の雌ねじ部41bと、尖端部41cとが形
成されている。長穴41aは、橋軸方向に長く、この長
さは第1遊間S1よりも若干長めに設定されている。こ
の長穴41aは、図5に示すように、第1床版31上に
第1スライドプレート41を置いたときに第1床版31
雌ねじ31bの穴が中央にくるように形成されてい
る。雌ねじ部41bは、第1スライドプレート41の上
面に設けられている。尖端部41cは、第2床版32側
とは反対側に形成されており、図5に示すように先端が
尖っている。
【0055】第2スライドプレート42は、図5(縦断
面図)及び図7(上面図)に示す鋼板であって、一部が
第2床版32の上に配置されており、一部が第2床版3
2から第1床版31の方に突き出ている。この第2スラ
イドプレート42には、図に示すように、複数の長穴4
2aと、複数の雌ねじ部42bと、尖端部42cとが形
成されている。長穴42aは、橋軸方向に長く、この長
さは第1遊間S1よりも若干長めに設定されている。こ
の長穴42aは、図5に示すように、第2床版32上に
第2スライドプレート42を置いたときに第2床版32
雌ねじ32bの穴が中央にくるように形成されてい
る。雌ねじ部42bは、第2スライドプレート42の上
面に設けられている。尖端部42cは、第1床版31側
とは反対側に形成されており、図5に示すように先端が
尖っている。
【0056】第1スライドプレート41と第2スライド
プレート42とは、ボルト51,52によって、第1及
び第2床版31,32に対する上下方向の移動が規制さ
れており、また、第1及び第2床版31,32に対して
橋軸方向に所定の寸法だけ移動可能にされている。ボル
ト51,52は、床版31,32上にスライドプレート
41,42を置いた状態で、胴部が長穴41a,42a
を貫通して雌ねじ31b,32bへ締め込まれる。これ
により、スライドプレート41,42は、ボルト51,
52の頭部と床版31,32との間に挟持されて、床版
31,32に対して上下方向に移動できなくなり、橋軸
直角方向の移動も規制されるようになる。一方、ボルト
51,52の胴部は、スライドプレート41,42の長
穴41a,42aに位置するため、スライドプレート4
1,42に対して相対的に移動可能である。言い換えれ
ば、スライドプレート41,42は、床版31,32に
対して橋軸方向に移動することができる。
【0057】また、第1及び第2スライドプレート4
1,42の橋軸方向の間には、第2遊間S2が開けられ
ている(図5及び図7参照)。この第2遊間S2は、こ
こでは8cmに設定されている。伸縮継手20は、図5
(縦断面図)及び図6(上面図)に示すもので、第1ス
ライドプレート41と第2スライドプレート42とを連
結する。この伸縮継手20は、ゴムと鋼板を組み合わせ
たもので、橋軸方向両端部が、ボルト21,22によっ
て、スライドプレート41,42の雌ねじ部41b,4
2bに固定されている。そして、温度変化によって桁
1,2が伸縮したときには、伸縮継手20が伸縮するこ
とで橋軸方向の変位を吸収する。なお、ここではゴム製
の伸縮継手20を採用しているが、同等の性能を有する
鋼製の伸縮装置を用いることも可能である。
【0058】アスファルト舗装部61は、図5及び図6
に示すように、第1床版31及び第1スライドプレート
41の上に配置される。アスファルト舗装部62は、第
2床版32及び第2スライドプレート42の上に配置さ
れる。このアスファルト舗装部61,62の表面高さと
伸縮継手20の上面の高さとは概ね一致しており、これ
らの上を通る車両の通行に支障が出ないようにされてい
る。 <桁間の大変位吸収システムの動作>上記の大変位吸収
システムが採用される橋梁を通行する車両は、常時にお
いては、アスファルト舗装部61,62及び伸縮継手2
0の上を通行する。伸縮継手20は、両スライドプレー
ト41,42間の第2遊間S2の部分を除いては、両ス
ライドプレート41,42に下部を支えられている。し
たがって、図5に示すように第2遊間S2の部分に伸縮
継手20の鋼板部分を配置するようにすれば、車両の重
量がかかっても伸縮継手20が損傷することはない。
【0059】上記のように伸縮継手20は温度変化によ
る桁1,2の変位を吸収するが、震度法レベルの小さな
地震による桁1,2の変位についても伸縮継手20によ
って吸収することができる。ここでは、桁1,2の相対
変位が第2遊間S2以下であれば、伸縮継手20により
その変位を吸収できるようにされている。大規模地震時
においては、桁1,2の相対変位が第2遊間S2を超え
ることが想定される。第2遊間S2を超える相対変位が
発生して第1床版31と第2床版32とが接近すると、
第1スライドプレート41と第2スライドプレート42
との間の第2遊間S2がなくなり、両スライドプレート
41,42が衝突する。その後、両スライドプレート4
1,42は相対移動できなくなり、第1スライドプレー
ト41は第1床版31に対して第2床版32側と反対側
に移動し、第2スライドプレート42は第2床版32に
対して第1床版31側と反対側に移動する。すると、図
9に示すように、アスファルト舗装部61,62が、ス
ライドプレート41,42及びこれらに固定されている
伸縮継手20の端面によって圧縮力を受けて、スライド
プレート41,42の上方に隆起する。
【0060】また、桁1と桁2とが第2遊間S2を超え
て大きく離れると、両スライドプレート41,42が伸
縮継手20によって連結されていてある寸法以上は橋軸
方向に離れられないので、第1スライドプレート41は
第1床版31に対して第2床版32側に移動し、第2ス
ライドプレート42は第2床版32に対して第1床版3
1側に移動する。したがって、床版31,32に対する
スライドプレート41,42の飛び出しが大きくなる
が、この状態においてもスライドプレート41,42は
床版31,32に対してボルト51,52によって上下
方向に一体化されているため、両床版31,32間に大
きな隙間が開いても、これによって車両の通行が完全に
遮断される恐れは少ない。すなわち、両床版31,32
間には両スライドプレート41,42及び伸縮継手20
が残るため、これらによって車両の通行を確保すること
ができる。
【0061】本実施形態の大変位吸収システムでは、上
記のように、大規模地震時にあってはアスファルト舗装
部61,62の一部が損傷してしまうが、他の構造には
殆ど損傷を与えない。また、アスファルト舗装部61,
62が一部破壊されるだけであるので、地震後の復旧を
比較的早期に完了することができる。このように、両桁
1,2が橋軸方向に大きな変位を伴って振動する場合で
も、その大変位を吸収し、且つ車両の通行を確保するこ
とができる。
【0062】また、この桁間の大変位吸収システムは、
ほぼ全ての橋梁形式で採用が可能であり、地震後の損傷
も概ねアスファルト舗装部61,62に限られ、第1遊
間S1に対応可能な大規模な伸縮装置を導入する場合に
較べて比較的安価なシステム(構造)となる。すなわ
ち、この大変位吸収システムは、構造・メカニズムがシ
ンプルで、身近にある材料、容易な加工で製作すること
が可能であるので、非常に経済的なものとなっている。
【0063】また、この大変位吸収システムでは地震時
におけるアスファルト舗装部61,62の損傷を前提と
している。すなわち、スライドプレート41,42が床
版31,32に対して相対移動してアスファルト舗装部
61,62を損傷させることを前提としたシステムとな
っている。したがって、アスファルト舗装部61,62
がスライドプレート41,42と床版31,32との相
対移動を阻害すると、スライドプレート41,42や伸
縮継手20等のアスファルト舗装部61,62以外の部
分に損傷が発生する恐れがある。しかしながら、ここで
はスライドプレート41,42に尖端部41c、42c
を形成し、この先端を尖らせている。これにより、スラ
イドプレート41,42が床版31,32からアスファ
ルト舗装部61,62を剥がしながら床版31,32に
対してスライドし易くなり、大地震時等においてスライ
ドプレート41,42と床版31,32との相対移動が
より確実に行われる。 <桁橋台間の大変位吸収システム>上記の桁間の大変位
吸収システムは、第1床版31を図2における橋台8の
上部、第2床版32を図2における桁1の床版と考えれ
ば、そのまま桁1と橋台8との連結部分C1に採用する
ことができる。 <非免震橋梁への適用>ここでは、多径間連続桁を積層
ゴム支承10によって支承させる免震設計を用いた橋梁
に対して大変位吸収システムを適用しているが、非免震
設計(分散設計)による橋梁の場合にも桁遊間が30c
mを超える場合があり、このような非免震橋梁に対して
も上記のような大変位吸収システムの適用が有効であ
る。
【0064】[第2実施形態]上記第1実施形態の大変
位吸収システムを有効に機能させるためには、床版3
1,32が大きく離れたときにスライドプレート41,
42を連結させておく力を伸縮継手20が負担しなけれ
ばならない。
【0065】すなわち、スライドプレート41,42
は、ボルト51,52の頭部と床版31,32との間に
挟持されており、これらとの間に摩擦抵抗が存在する。
したがって、この摩擦抵抗が大きいと、地震時等に床版
31,32が大きく離れて床版31,32に対してスラ
イドプレート41,42が相対移動しなければならない
時にスライドプレート41,42を結ぶ伸縮継手20に
かかる張力が大きくなる。
【0066】このように第1実施形態の伸縮継手20に
は大きな張力が地震時に作用するが、これが伸縮継手2
0の引張耐力よりも大きければ、伸縮継手20が破損し
て両スライドプレート41,42の連結が解除されてし
まう。これでは、車両の通行の確保ができなくなり、場
合によっては落橋の恐れもある。したがって、上記第1
実施形態の構造の場合には、伸縮継手20として引張耐
力の大きい高価な伸縮継手を採用しなければならない。
【0067】本実施形態は、伸縮継手20の引張耐力が
小さな場合にもスライドプレート41,42の連結を確
保し、伸縮継手20の破損を防ぐ大変位吸収システムの
一例であり、第1実施形態の構成に図10に示すチェー
ン70、あるいは図11に示す連結装置を追加したもの
である。図10に示すチェーン70は、橋梁の幅方向に
複数配備されており、スライドプレート41,42があ
る程度橋軸方向に離れると張力がかかるように両スライ
ドプレート41,42に固定されている。スライドプレ
ート41,42には、複数の切欠き41d,42dが形
成されており、この切欠き41d,42d内に突起41
e,42eが延びている。そして、突起41e,42e
にはチェーン70の両端が固定されている。図10に示
すように、常時においては、チェーン70は若干垂れる
ように装着されている。
【0068】スライドプレート41,42が離れて伸縮
継手20が伸びると、チェーン70に張力がかかり、伸
縮継手20が負担している引張力の一部をチェーン70
が負担する。これにより、伸縮継手20に所定値以上の
引張力が作用することがなくなる。なお、床版31,3
2には切欠き部31d,32dが形成されており、両床
版31,32が接近するときにもチェーン70が床版3
1,32に衝突することはない。
【0069】図11に示す連結装置は、橋梁の幅方向に
複数配備されており、主として、連結棒81と、ナット
82と、ストッパー41f,42fとから構成される。
ストッパー41f,42fは、スライドプレート41,
42の橋軸方向下端部に固着されている。ストッパー4
1f,42fには、連結棒81の直径よりも若干大きい
径の円孔が橋軸方向に開けられており、これらの円孔を
連結棒81が貫通している。この連結棒81の両端部に
はナット82が締められている。ナット82とストッパ
ー41f,42fとの間には、図11に示すように、ス
ポンジ83や座金84などが挿入されている。
【0070】スライドプレート41,42が離れて伸縮
継手20が伸びると、スポンジ83が縮み、その後連結
棒81に張力がかかり、伸縮継手20が負担している引
張力の一部を連結棒81が負担する。これにより、伸縮
継手20に所定値以上の引張力が作用することがなくな
る。なお、床版31,32には切欠き部31e,32e
が形成されており、両床版31,32が接近するときに
も伸縮装置の構成部品が床版31,32に衝突すること
はない。
【0071】このように、本実施形態では、伸縮継手2
0の持つ両スライドプレート41,42の連結という役
割を補助するチェーン70あるいは連結装置を設けたこ
とによって、伸縮継手20の引張耐力が余り大きく取れ
ない場合にも、大地震時等における両スライドプレート
41,42の連結を確保することができる。 [第3実施形態] 本実施形態の大変位吸収システムは、第1実施形態ある
いは第2実施形態の大変位吸収システムであって、床版
31,32とスライドプレート41,42との間に図1
2に示すゴム板33a及びフッ素樹脂シート33bを、
スライドプレート41,42とアスファルト舗装部6
1,62との間にカバープレート43を、スライドプレ
ート41,42と伸縮継手20との間にゴム板23をそ
れぞれ挿入したものである。
【0072】フッ素樹脂シート(摩擦低減部材)33b
は、床版31,32に対してスライドプレート41,4
2がスライドし易いように、両者の摩擦抵抗を和らげる
働きをする。ゴム板33aは、フッ素樹脂シート33b
と床版31,32とをなじませる役割を果たす。カバー
プレート(摩擦低減部材)43にはボルト51,52が
貫通する円孔が形成されており、ボルト51,52によ
って床版31,32に対して橋軸方向に移動不能にされ
ている。したがって、ボルト51,52の頭部はカバー
プレート43の上に位置する。このカバープレート43
は、鋼板であり、スライドプレート41,42とアスフ
ァルト舗装部61,62との摩擦抵抗を和らげる働きを
する。
【0073】このように、本実施形態においてはフッ素
樹脂シート33bやカバープレート43を挿入して床版
31,32及びアスファルト舗装部61,62に対して
スライドプレート41,42がスライドし易いようにし
ているため、スライド時の抵抗力が小さくなり、伸縮継
手20等に作用する引張力が抑えられる。 [第4実施形態] 上記第1実施形態の大変位吸収システムに代え、以下に
示すようなシステムによって、図1に示す連結部分(C
1〜C4)を構成しても良い。
【0074】本実施形態の大変位吸収システムを、桁1
と桁2との連結部分C2(図1参照)を例にとって以下
に説明する。図13に、第1遊間S1が開けられた桁1
の第1床版131と桁2の第2床版132との間をつな
ぐ大変位吸収システムを示す。この大変位吸収システム
は、スライドプレート141と、固定プレート142
と、ゴム製の伸縮継手120と、アスファルト舗装部1
61,162とを備えているもので、桁1,2が橋軸方
向に相対的に大きく変位したときに、これを吸収するこ
とができる。
【0075】第1及び第2床版131,132には、図
13に示すように、複数の孔131a,132aが設け
られている。これらの孔131a,132aには、それ
ぞれ雌ねじ131b,132bが埋め込まれ固着されて
いる。また、第1及び第2床版131,132の上端部
の角には、等辺山形鋼131c,132cが固着されて
いる。これら第1及び第2床版131,132の間の第
1遊間S1は、桁1,2間の第1遊間S1と同じ大きさ
である。
【0076】スライドプレート141は、鋼板であっ
て、一部が第1床版131の上に配置されており、一部
が第1床版131から第2床版132の方に突き出てい
る。このスライドプレート141には、複数の長穴14
1aと、複数の雌ねじ部141bと、尖端部141cと
が形成されている。長穴141aは、橋軸方向に長く、
この長さは第1遊間S1よりも若干長めに設定されてい
る。この長穴141aは、第1床版131上にスライド
プレート141を置いたときに第1床版131の雌ねじ
131bの穴が中央にくるように形成されている。雌ね
じ部141bは、スライドプレート141の上面に設け
られている。尖端部141cは、第2床版132側とは
反対側に形成されており、図13に示すように先端が尖
っている。
【0077】スライドプレート141は、ボルト151
によって、第1床版131に対する上下方向の移動及び
橋軸直角方向の移動が規制されており、また、第1床版
131に対して橋軸方向両方向に第1遊間S1の寸法だ
け移動可能にされている。ボルト151は、第1床版1
31上にスライドプレート141を置いた状態で、胴部
が長穴141aを貫通して雌ねじ131bへ締め込まれ
る。これにより、スライドプレート141は、ボルト1
51の頭部と第1床版131との間に挟持されて、第1
床版131に対して上下方向及び橋軸直角方向に移動で
きなくなる。一方、ボルト151の胴部は、スライドプ
レート141の長穴141aに位置するため、スライド
プレート141に対して相対的に移動可能である。言い
換えれば、スライドプレート141は、第1床版131
に対して橋軸方向に移動することができる。
【0078】固定プレート142は、鋼板であって、一
部が第2床版132の上に配置されており、一部が第2
床版132から第1床版131の方に突き出ている。こ
の固定プレート142には、複数の円孔142aと、複
数の雌ねじ部142bとが形成されている。この固定プ
レート142は、円孔142aを貫通するボルト152
が第2床版132の雌ねじ132bへ締め込まれること
によって、第2床版132に移動不能に固着される。
【0079】また、スライドプレート141及び固定プ
レート142の橋軸方向の間には、第2遊間S2が開け
られている(図13参照)。この第2遊間S2は、ここ
では8cmに設定されている。伸縮継手120は、スラ
イドプレート141と固定プレート142とを連結す
る。この伸縮継手120は、ゴムと鋼板を組み合わせた
もので、橋軸方向両端部が、ボルト121,122によ
って、スライドプレート141の雌ねじ部141b,固
定プレート142の雌ねじ部142bに固定されてい
る。そして、温度変化によって桁1,2が伸縮したとき
には、伸縮継手120が伸縮することで橋軸方向の変位
を吸収する。
【0080】アスファルト舗装部161は、図13に示
すように、第1床版131及び第1スライドプレート1
41の上に配置される。アスファルト舗装部162は、
第2床版132及び固定プレート142の上に配置され
る。上記の大変位吸収システムが採用される橋梁を通行
する車両は、常時においては、アスファルト舗装部16
1,162及び伸縮継手120の上を通行する。伸縮継
手120は、スライドプレート141及び固定プレート
142間の第2遊間S2の部分を除いては、両プレート
141,142に下部を支えられている。
【0081】上記のように伸縮継手120は温度変化に
よる桁1,2の変位を吸収するが、震度法レベルの小さ
な地震による桁1,2の変位についても伸縮継手120
によって吸収することができる。ここでは、桁1,2の
相対変位が第2遊間S2以下であれば、伸縮継手120
によりその変位を吸収できるようにされている。大規模
地震時においては、桁1,2の相対変位が第2遊間S2
を超えることが想定される。第2遊間S2を超える相対
変位が発生して第1床版131と第2床版132とが接
近すると、スライドプレート141と固定プレート14
2との間の第2遊間S2がなくなり、両プレート14
1,142が衝突する。その後、両プレート141,1
42は相対移動できなくなり、スライドプレート141
は第1床版131に対して第2床版132側と反対側に
移動する。すると、アスファルト舗装部161が、スラ
イドプレート141及びこれらに固定されている伸縮継
手120の端面によって圧縮力を受けて、スライドプレ
ート141の上方に隆起する。
【0082】また、桁1と桁2とが第2遊間S2を超え
て大きく離れると、両プレート141,142が伸縮継
手120によって連結されていてある寸法以上は橋軸方
向に離れられないので、スライドプレート141は第1
床版131に対して第2床版132側に移動する。した
がって、第1床版131に対するスライドプレート14
1の飛び出しが大きくなるが、この状態においてもスラ
イドプレート141は第1床版131に対してボルト1
51によって上下方向に一体化されているため、両床版
131,132間に大きな隙間が開いても、これによっ
て車両の通行が完全に遮断される恐れは少ない。すなわ
ち、両床版131,132間にはスライドプレート14
1、固定プレート142、及び伸縮継手120が残るた
め、これらによって車両の通行を確保することができ
る。
【0083】本実施形態の大変位吸収システムでは、上
記のように、大規模地震時にあってはアスファルト舗装
部161の一部が損傷してしまうが、他の構造には殆ど
損傷を与えない。また、アスファルト舗装部161が一
部破壊されるだけであるので、地震後の復旧を比較的早
期に完了することができる。このように、両桁1,2が
橋軸方向に大きな変位を伴って振動する場合でも、その
大変位を吸収し、且つ車両の通行を確保することができ
る。
【0084】また、上記の大変位吸収システムは、第1
床版131を図2における桁1の床版、第2床版132
を図2における橋台8の上部と考えれば、そのまま桁1
と橋台8との連結部分C1に採用することができる。ま
た、スライドプレート141がアスファルト舗装部16
1の一部を損傷させるとき、スライドプレート141及
び伸縮継手120の側端面が第1床版131に対して相
対的に第2床版132側と反対側に移動するため、スラ
イドプレート141が移動してくる空間にあったアスフ
ァルト舗装部161の一部が盛り上がり、スライドプレ
ート141上方のアスファルト舗装部161がスライド
プレート141から剥がれて伸縮継手120に乗り上
げ、第2床版132側に傾斜のきつい面が形成されるよ
うな損傷を起こすことが多い。したがって、アスファル
ト舗装部161の損傷後にこの上を通行する車両にとっ
ては、第1床版131側から第2床版132側へと向か
う場合に較べて、第2床版132側から第1床版131
側に向かう通行はとても困難となる。したがって、スラ
イドプレート141が固定プレート142に対して通行
方向の上流側に位置するように配置を工夫すれば、アス
ファルト舗装部161が損傷したときの車両の通行の困
難性を低減することができる。例えば、車線によって、
上り車線では桁1側にスライドプレートを配置し、下り
車線では桁2側にスライドプレートを配置するといった
工夫をすることができる。
【0085】また、第2実施形態のチェーン70や連結
装置を本実施形態の大変位吸収システムに採用しても良
いし、第3実施形態のフッ素樹脂シート33bやカバー
プレート43を本実施形態の大変位吸収システムに採用
しても良い。 [第5実施形態] 上記第4実施形態においては、スライドプレート141
と固定プレート142との間の第2遊間S2の橋軸方向
の位置を第1遊間S1の橋軸方向の位置のほぼ中央にく
るような構造を採っているが、図14に示すように、第
2遊間S2の位置を第1遊間S1の橋軸方向の位置の端
に持ってくることもできる。
【0086】第4実施形態の図13に示す構造の場合に
は、常時における車両重量によって両プレート141,
142のオーバーハング部分(各床版131,132か
ら飛び出している部分)が垂れるため、両プレート14
1,142の隣接する端部の高さ位置に多少のずれが出
るとともに端部が若干下に向くことになる。したがっ
て、両プレート141,142の変位量及び変位角によ
っては、地震時において両プレート141,142の端
部同士がうまく衝突しない恐れがある。この場合には、
大変位吸収システムがうまく作動せず、アスファルト舗
装部161以外の部位が損傷することもある。このよう
な不具合を回避して大変位吸収システムの作動信頼性を
確保するためには、両プレート141,142について
端部の高さ位置及び端部の向きの変化量を抑える設計
(板厚や断面形状の設定)を行わなければならない。
【0087】これに対して図14に示す本実施形態で
は、スライドプレート141の固定プレート142に隣
接する端部の高さ位置及び平行度が車両重量によって変
化しないため、固定プレート142の端部の高さ位置及
び端部の向きの変化量を抑えるようにすれば大変位吸収
システムの作動の信頼性を確保することができる。 [第6実施形態]上記第4及び第5実施形態において
は、スライドプレート141と固定プレート142との
間の第2遊間S2の橋軸方向の位置を第1遊間S1の橋
軸方向の位置にくるような構造を採っているが、図15
に示すように、第2遊間S2の位置を第1床版131あ
るいは第2床版132の上方に持ってくることもでき
る。
【0088】図15に示すように、第2遊間S2の橋軸
方向の位置を第1遊間S1の橋軸方向の位置とずらして
完全に第1床版131上に持ってくると、スライドプレ
ート141及び固定プレート142の隣接する両端部の
高さ位置及び平行度が車両重量によって変化しないた
め、大変位吸収システムの作動の信頼性がより高くな
る。
【0089】[第7実施形態]上記各実施形態の大変位
吸収システムは、大規模地震発生時には、スライドプレ
ートがアスファルト舗装部に対して貫入方向及び引き抜
き方向に交互に移動する。この際、初動が引き抜き方向
になると、アスファルト舗装部には橋軸直角方向に沿っ
た亀裂が入り、アスファルト舗装部が破断する恐れがあ
る。アスファルト舗装部が破断すると、次ぎに貫入方向
にスライドプレートが移動したときに、アスファルト舗
装部が飛び跳ねるような現象を示す傾向があり、車両の
通行を妨げることになる。
【0090】このような舗装部の亀裂を抑えるために
は、アスファルト舗装部に補強材を加えることが好まし
い。例えば、アスファルト舗装部を2層構造からなるア
スファルト舗装層の間に補強材を敷設するような構成と
すれば、舗装部の橋軸方向の強度が向上してクラック
(亀裂)の発生が抑えられるとともに、亀裂が入ったと
してもアスファルト舗装部の一部が分離して飛び跳ねる
現象が抑えられる。
【0091】なお、補強材としては、不織布やガラス繊
維を含んだものなどが挙げられる。 [第8実施形態]図16に第4実施形態の大変位吸収シ
ステムの大規模地震時における一作動図を示す。両床版
131,132が相対的に近づいて第1床版131が点
線で示す位置まで第2床版132に近づくと、スライド
プレート141は第1床版131に対して第2床版13
2側と反対側に移動し、アスファルト舗装部161が、
スライドプレート141に固定されている伸縮継手12
0の端面を構成するL型鋼材(境界部材)121aから
圧縮力を受けてスライドプレート141の上方に隆起す
る(図16の点線で示すアスファルト舗装部161参
照)。
【0092】ここにおいて、伸縮継手120の伸縮構造
の主要部分がゴムにより構成されているため、伸縮継手
120が縮んでいる時でもアスファルト舗装部161と
接しているL型鋼材121aの垂直端面は内側(第2床
版132側)に倒れる(図16の点線で示すL型部材1
21a参照)。このように、L型部材121aがアスフ
ァルト舗装部161からの反力によって変形するため、
アスファルト舗装部161の隆起が抑えられている。
【0093】これに対し、本実施形態においては図17
に示す伸縮継手221を採用している。この伸縮継手2
21は、伸縮構造部分221cが弾性体から構成されて
おらず、例えば鋼材の組み合わせにより構成されてい
て、縮んだときには概ね剛体となるものである。したが
って、アスファルト舗装部161と接する端面を構成す
るL型鋼材221aと伸縮構造部分221cとの間にも
し何も介在しなければ、大規模地震時において伸縮継手
221が縮んだときにはL型鋼材221aが変形でき
ず、アスファルト舗装部161の隆起形状や隆起の具合
が悪くなる。
【0094】しかし、図17にあるように、ここではL
型鋼材221aと伸縮構造部分221cとの間に軟質部
221bを設けて、伸縮継手221が縮んでいるときに
もL型鋼材221aがアスファルト舗装部161からの
反力によって所定量だけ変形できるようにされている。
これにより、大規模地震時においてアスファルト舗装部
161が隆起する場合にも、その隆起は良好なものとな
る。
【0095】[第9実施形態]上記第2実施形態では、
図10に示すチェーン70、あるいは図11に示す連結
装置によって伸縮継手20の引張強度を補助させている
が、以下に示すような方法によって伸縮継手の引張強度
を補強しても良い。 (1)伸縮継手の内部にチェーン等の連結部材を備えさ
せる。 (2)図18に示すように、伸縮継手321を、伸縮す
るゴム部321f及びゴム部321fが伸びたときに互
いに係止し合うような係止部を持った鋼製部材321a
〜321eにより構成し、所定量だけ伸びると鋼製部材
321a〜321eによって機械的に連結されるように
する。 (3)伸縮継手のゴム部に繊維材等を配合して、ゴム部
のせん断強度を増加させる。
【0096】[第10実施形態] 上記第1実施形態では、スライドプレート41,42に
図5に示すような長穴41a,42aを形成している
が、本実施形態においては、スライドプレート41,4
2に図19に示す切欠き41g,42gをさらに形成し
て、この切欠き41g,42g内にボルト51,52の
頭部を配置している。
【0097】切欠き41g,42gは、橋軸直角方向に
はボルト51,52の頭部の寸法よりも若干大きい寸法
であり、橋軸方向には図19に示すように長穴41a,
42aよりも若干大きな寸法である。長穴41a,42
aがボルト51,52の胴部を貫通させる大きさに形成
されているのに対し、この切欠き41g,42gはボル
ト51,52の頭部を収容できるように形成されてい
る。そして、切欠き41g,42gと長穴41a,42
aとの段差部分の水平面には、ボルト51,52の頭部
の下面が当接する。このボルト51,52の頭部の下面
には、フッ素樹脂シートが貼付されており、摩擦抵抗を
和らげている。
【0098】ここでは、スライドプレート41,42に
長穴41a,42aに加えて切欠き41g,42gを形
成している。言い換えれば、スライドプレート41,4
2に形成する長穴を、段差を有する長穴(41a,41
及び42a,42g)としている。そして、ボルト5
1,52の頭部を段差部分に係止させることによって床
版31,32に対するスライドプレート41,42の上
下移動を規制させるとともに、ボルト51,52の頭部
を切欠き41g,42g内に収めてスライドプレート4
1,42よりも上方にボルト51,52の頭部が突出し
ないようにしている(図19参照)。したがって、大規
模地震時においてアスファルト舗装部61,62とボル
ト51,52の頭部との干渉が抑えられ、スライドプレ
ート41,42が床版31,32に対して橋軸方向にス
ライドし易くなっている。
【0099】なお、ここではボルト51,52の頭部の
下面にフッ素樹脂シートを貼付しているが、このボルト
51,52の頭部の下面に摩擦を低減するコーティング
を施しても良いし、段差部分の水平面上に摩擦を低減す
るような工夫をしても良い。また、ボルト51,52の
頭部が切欠き41g,42g内に収まりスライドプレー
ト41,42の上面がフラットな状態となるため、スラ
イドプレート41,42とアスファルト舗装部61,6
2との間にフッ素樹脂シートを挿入する場合にもこれが
容易となる。
【0100】
【発明の効果】本発明では、小規模地震の地震動や温度
収縮等に対する変形には伸縮継手で対処し、大規模地震
時等により伸縮継手の可能変形量を超えるような変形に
対しては、スライド部材によって舗装部の一部を損傷さ
せてその変形を吸収する。このように、スライド部材を
舗装部に貫入させる構造とすることにより、全ての橋梁
形式での採用が可能となるとともに、地震後の損傷度が
低く抑えられ車両の通行を確保できる。また、本発明に
より、比較的安価で、かつ、簡易な構造で必要な桁遊間
を確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の大変位吸収システムを採
用する橋梁の側面概略図。
【図2】橋台による桁の支持構造図。
【図3】橋脚による桁の支持構造図。
【図4】地震時の桁の挙動。
【図5】大変位吸収システムの縦断面図。
【図6】伸縮継手及びアスファルト舗装部の上面図。
【図7】スライドプレートの上面図。
【図8】床版の上面図。
【図9】地震時の大変位吸収システムの動作図。
【図10】第2実施形態の大変位吸収システムの縦断面
図。
【図11】第2実施形態の大変位吸収システムの縦断面
図。
【図12】第3実施形態の大変位吸収システムの一部縦
断面図。
【図13】第4実施形態の大変位吸収システムの縦断面
図。
【図14】第5実施形態の大変位吸収システムの縦断面
図。
【図15】第6実施形態の大変位吸収システムの縦断面
図。
【図16】第4実施形態の伸縮継手周辺の縦断面図。
【図17】第8実施形態の伸縮継手周辺の縦断面図。
【図18】第9実施形態の伸縮継手の縦断面図。
【図19】第10実施形態の大変位吸収システムの縦断
面図。
【図20】従来のノックオフ構造図。
【図21】従来のノックオフ構造図。
【符号の説明】
1 桁(第1桁) 2 桁(第2桁) 8 橋台 9 橋脚 20,120 伸縮継手 31,131 第1床版 32,132 第2床版 10 積層ゴム支承 33b フッ素樹脂シート(摩擦低減部材) 41 第1スライドプレート(第1スライド部材) 42 第2スライドプレート(第2スライド部材) 41a,42a,141a 長穴 41c,42c、141c 尖端部 41g,42g 切欠き(長穴) 43 カバープレート(摩擦低減部材) 51,52,151,152 ボルト(固定具) 61,62,151,152 アスファルト舗装部
(舗装部) 70 チェーン(連結部材) 81 連結棒(連結部材) 121a L型鋼材(境界部材) 142 固定プレート(固定部材) 321 伸縮継手 S1 第1遊間 S2 第2遊間 S3 遊間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上仙 靖 茨城県つくば市春日1−204−812 (72)発明者 花岡 信一 兵庫県三田市あかしあ台1−43−2 (72)発明者 鈴木 伸一 和歌山県和歌山市福島300−27 (72)発明者 中川 美好 大阪府枚方市山之上1−5−3 (72)発明者 入江 ▲琢▼郎 滋賀県高島郡新旭町字太田2671−42 (72)発明者 久保 茂己 兵庫県神戸市東灘区魚崎西町1−7−11 A402 (72)発明者 古山 多喜男 岐阜県不破郡関ヶ原町大字関ヶ原1804− 2 (72)発明者 井上 顕史 滋賀県大津市朝日が丘2−9−21 (72)発明者 東口 武生 滋賀県大津市松原町3−6 松原寮 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E01D 19/06 E01C 11/02

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1床版を有し、橋脚あるいは橋台に支承
    される第1桁と、 第2床版を有し、橋脚あるいは橋台に支承され、前記第
    1桁に対して橋軸方向に所定の第1遊間を開けて配置さ
    れる第2桁と、 少なくとも一部が前記第1床版の上に配置され、前記第
    1床版に対する上下方向の移動が規制されており、前記
    第1床版に対して橋軸方向に所定の寸法だけ移動可能で
    ある第1スライド部材と、 少なくとも一部が前記第2床版の上に配置され、前記第
    2床版に対する上下方向の移動が規制されており、前記
    第2床版に対して橋軸方向に所定の寸法だけ移動可能で
    あり、前記第1スライド部材に対して橋軸方向に前記第
    1遊間よりも短い所定の第2遊間が開けられる第2スラ
    イド部材と、 前記第1スライド部材及び前記第2スライド部材を連結
    する伸縮継手と、 前記第1床版、前記第2床版、前記第1スライド部材、
    及び前記第2スライド部材の上に配置される舗装部と、 を備え、前記第1及び第2桁が橋軸方向に相対的に大き
    く変位したときにこれを吸収する橋梁の大変位吸収シス
    テム。
  2. 【請求項2】前記第1及び第2スライド部材には、橋軸
    方向に長い長穴が形成されており、 前記第1及び第2スライド部材は、頭部及び前記頭部よ
    りも径の小さな胴部から構成され前記胴部が前記長穴を
    貫通して前記第1あるいは第2床版に固定される固定具
    によって、前記第1あるいは第2床版に対する上下方向
    の移動が規制され橋軸方向に所定の寸法だけ移動可能に
    されている、請求項1に記載の大変位吸収システム。
  3. 【請求項3】前記第1及び第2床版と前記第1及び第2
    スライド部材との間、あるいは前記固定具の頭部と前記
    第1及び第2スライド部材との間の少なくとも一方に
    は、前記第1及び第2床版に対して前記第1及び第2ス
    ライド部材が橋軸方向に移動し易いように摩擦低減部材
    が挿入される、請求項2に記載の大変位吸収システム。
  4. 【請求項4】前記第1及び第2スライド部材の互いに隣
    接する端部と反対側の橋軸方向の端部は、前記舗装部と
    接しており、先端が尖っている、請求項1から3のいず
    れかに記載の大変位吸収システム。
  5. 【請求項5】前記第1及び第2スライド部材に連結さ
    れ、前記伸縮継手が伸びて前記第1及び第2スライド部
    材が相対的に所定寸法だけ離れたときに張力がかかる連
    結部材をさらに備えた、請求項1から4のいずれかに記
    載の大変位吸収システム。
  6. 【請求項6】第1床版を有し、橋脚あるいは橋台に支承
    される第1桁と、 第2床版を有し、橋脚あるいは橋台に支承され、前記第
    1桁に対して橋軸方向に所定の第1遊間を開けて配置さ
    れる第2桁と、 少なくとも一部が前記第1床版の上に配置され、前記第
    1床版に対する上下方向の移動が規制されており、前記
    第1床版に対して橋軸方向に所定の寸法だけ移動可能で
    あるスライド部材と、 少なくとも一部が前記第2床版の上に配置され、前記
    ライド部材に対して橋軸方向に前記第1遊間よりも短い
    所定の第2遊間を開けて前記第2床版に固定される固定
    部材と、 前記スライド部材及び前記固定部材を連結する伸縮継手
    と、前記第1床版、前記第2床版、前記スライド部材、及び
    前記固定部材の上 に配置される舗装部と、 を備え、前記第1及び第2桁が橋軸方向に相対的に大き
    く変位したときにこれを吸収する橋梁の大変位吸収シス
    テム。
  7. 【請求項7】前記スライド部材には、橋軸方向に長い長
    穴が形成されており、 前記スライド部材は、頭部及び前記頭部よりも径の小さ
    な胴部から構成され前記胴部が前記長穴を貫通して前記
    第1床版に固定される固定具によって、前記第1床版に
    対する上下方向の移動が規制され橋軸方向に所定の寸法
    だけ移動可能にされている、請求項6に記載の大変位吸
    収システム。
  8. 【請求項8】前記第1床版と前記スライド部材との間、
    あるいは前記固定具の頭部と前記スライド部材との間の
    少なくとも一方には、前記第1床版に対して前記スライ
    ド部材が橋軸方向に移動し易いように摩擦低減部材が挿
    入される、請求項7に記載の大変位吸収システム。
  9. 【請求項9】前記スライド部材の前記固定部材側とは反
    対側の橋軸方向の端部は、前記舗装部と接しており、先
    端が尖っている、請求項6から8のいずれかに記載の大
    変位吸収システム。
  10. 【請求項10】前記スライド部材及び固定部材に連結さ
    れ、前記伸縮継手が伸びて前記スライド部材及び固定部
    材が相対的に所定寸法だけ離れたときに張力がかかる連
    結部材をさらに備えた、請求項6から9のいずれかに記
    載の大変位吸収システム。
  11. 【請求項11】前記スライド部材は、前記固定部材に対
    して、橋梁を通行する車両の通行方向の上流側に位置す
    る、請求項6から10のいずれかに記載の大変位吸収シ
    ステム。
  12. 【請求項12】床版を有し、橋台に支承され、橋軸方向
    に隣接する前記橋台の側面に対して所定の第1遊間を開
    けて配置される桁と、 少なくとも一部が前記床版の上に配置され、前記床版に
    対する上下方向の移動が規制されており、前記床版に対
    して橋軸方向に所定の寸法だけ移動可能であるスライド
    部材と、 前記スライド部材に対して橋軸方向に前記第1遊間より
    も短い所定の第2遊間を開けて前記橋台に固定される固
    定部材と、 前記スライド部材及び前記固定部材を連結する伸縮継手
    と、前記床版、前記スライド部材、及び前記固定部材の上
    配置される舗装部と、を備え、前記橋台に対して前記桁
    が橋軸方向に大きく変位したときにこれを吸収する橋梁
    の大変位吸収システム。
  13. 【請求項13】前記舗装部は補強材を内部に有してい
    る、請求項1から12のいずれかに記載の大変位吸収シ
    ステム。
  14. 【請求項14】前記伸縮継手は、端面が前記舗装部に接
    しており、縮んだ時においても前記端面を構成する境界
    部材の前記舗装部からの反力による所定の変形を許容す
    る、請求項1から13にいずれかに記載の大変位吸収シ
    ステム。
  15. 【請求項15】前記伸縮継手は所定量以上の伸びを抑え
    るストッパー機構を有している、請求項1から14にい
    ずれかに記載の大変位吸収システム。
  16. 【請求項16】前記長穴は段差を有しており、 前記固定具は、頭部が前記長穴内に配置され、頭部の下
    面が前記長穴の段差部分に接する、請求項2又は7に記
    載の大変位吸収システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114318967A (zh) * 2022-01-05 2022-04-12 中铁二院工程集团有限责任公司 一种大坡度简支桥梁无砟轨道齿轨连接系统

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