JP2966588B2 - ブルドーザの電子式操向制御装置 - Google Patents

ブルドーザの電子式操向制御装置

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JP2966588B2
JP2966588B2 JP18333091A JP18333091A JP2966588B2 JP 2966588 B2 JP2966588 B2 JP 2966588B2 JP 18333091 A JP18333091 A JP 18333091A JP 18333091 A JP18333091 A JP 18333091A JP 2966588 B2 JP2966588 B2 JP 2966588B2
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  • Non-Deflectable Wheels, Steering Of Trailers, Or Other Steering (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はブルドーザのステアリン
グ自動制御システムに係り、特にオペレータがファイン
コントロールをしなくとも通常の操作で常に滑らかな旋
回性能が得られ、オペレータの乗り心地を向上すると共
に、装置の耐久性を向上するようにしたことを特徴とす
るブルドーザの電子式操向制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来におけるブルドーザのクラッチ・ブ
レーキ式操向制御装置は図6に示すように構成されてい
る。図6において1はエンジン、2はトルクコンバータ
2aとロックアップクラッチ2bより構成されるトルコ
ンユニット、3は前進・後進クラッチF,Rおよびそれ
ぞれ1速,2速,3速の各速度段クラッチ3a,3b,
3cより構成される変速機、4は入力軸5、変速歯車機
構6、横入力軸7、左右それぞれのクラッチ8R、8
L、中間軸9R、9L、ブレーキ10R、10L、出力
軸11R、11Lより構成される操向ユニット、12
R,12Lは左右の終減速機、13R,13Lは左右の
出力軸、14R,14Lは左右のスプロケットで、以上
エンジン1〜左右のスプロケット14R,14Lの構成
要素により走行駆動される。また、図7は図6における
左右のクラッチ8R、8Lおよびブレーキ10R、10
Lの制御装置を模式的に示した図で、15Rは右操向レ
バ、15Lは左操向レバ、16はブレーキペダル、46
R,46Lはステアリングレバ、47R,47Lはブレ
ーキレバ、18は制御ポンプ、49R,49Lは前記右
操向レバ15R、左操向レバ15Lの操作量に応じて左
右のクラッチ8R、8Lに制御油圧を供給するためのク
ラッチ操作弁、50R,50Lは同じく左右のブレーキ
10R、10Lに制御油圧を供給するためのブレーキ操
作弁、51R,51Lはステアリングリンク、52はロ
ッド、53はブレーキリンク、54は前記ロッド52の
戻しばね、55R,55Lは調整ボルトである。
【0003】次に前記図6および図7における制御方法
について説明する。ブルドーザの走行中に右操向レバ1
5RをA方向に操作すると、ステアリングリンク51R
を介してステアリングレバ46Rにより先ずクラッチ操
作弁49Rのロッド49rを押しはじめ、右クラッチ8
Rに制御圧を供給し始めると右クラッチ8Rが開放し始
める。更に操向レバ15RをA方向に操作すると右クラ
ッチ8Rが完全に開放されると共に、ブレーキ操作弁5
0Rのロッド50rを押しはじめ、右ブレーキ10Rの
制御圧を減少し始めると右ブレーキ10Rが制動され始
める。左操向レバ15LをA方向に操作する場合につい
ても同様のため説明を省略する。右操向操作の途中でブ
レーキペダル16を操作すると、ロッド52がばね54
に抗して押し下げられるためブレーキリンク53を介し
て左右のブレーキレバ47R,47Lにより左右のブレ
ーキ弁50R、50Lのロッド50r,50lを押し縮
めることにより、前記ブレーキペダル16の操作量に応
じて左右のブレーキ10R,10Lを制動することがで
きる。このとき右ブレーキ操作弁50Rは、前記右操向
レバ15Rによる右ブレーキ操作弁50Rのロッド50
rの操作量とブレーキペダル16による右ブレーキ操作
弁50Rのロッド50rの操作量のうち多い方の操作量
によって制御される。図8および図9はクラッチをOF
FしてブレーキをONする場合のクラッチとブレーキと
のモジュレーション特性を示したグラフであり、縦軸は
作動油の油圧を示し、横軸は経過時間を示す。図8は右
操向レバ15Rをゆっくり操作したときにおける右クラ
ッチ8Rの油圧と右ブレーキ10Rの油圧との時間的変
化を示す図、図9は右操向レバ15Rを早く操作したと
きにおける図8と同様な図である。
【0004】図8は右クラッチ8Rが開放されてから右
ブレーキ10Rが結合し始めているため、クラッチおよ
びブレーキ油圧はスムーズに変化している。このことは
車両にショックのないことを示している。これに対し、
図9は右クラッチ8Rが完全に開放されないうちに右ブ
レーキ10Rが結合し始めたため、ブレーキ油圧が大き
く変動している。このことは車両に大きなショックのあ
ることを示している。前記ショックを防止するためにス
テアリングレバ46R,46Lに調整ボル55R,55
Lを設けて、該調整ボル55R,55Lによりクラッチ
8R,8Lとブレーキ10R,10Lの作動間隔を調整
している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の技術におけ
る操向ショックを防止するためには、クラッチが解放さ
れてからブレーキが制動するまで、あるいはブレーキが
解除されてからクラッチが結合するまでに時間間隔を設
けるのが一般的であるが、傾斜地で操向操作を行った場
合には操向レバを操作した側のクラッチおよびブレーキ
の両方が開放状態となる時間が生ずるため、いわゆる逆
ステアリング現象等の不具合を生じる欠点がある。その
ため、前記各時間間隔を操向レバの操作速度や油温、エ
ンジン回転数等のその時の運転操作条件に合った値に調
整して、ショックのない滑らかな旋回の得られる操向モ
ジュレーション特性を得ると同時に、前記のような逆ス
テアリング現象等の不具合を防止しているが、前記運転
操作条件は時々刻々変化するため、あらゆる運転操作条
件においてショックのない滑らかな旋回を行うことは不
可能であった。本発明は、前記問題点に着目して成され
たもので、乗り心地を向上したブルドーザの操向制御装
置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明に係るブルドーザの電子式操向制御装置の第
は、変速機の出力軸に伝動連結された左右の駆動軸に
より、クラッチおよびブレーキを介してエンジンの動力
を左右の各スプロケットに伝動するブルドーザの操向制
御装置において、クラッチおよびブレーキを独立に制御
する電子比例制御弁と、操向レバーと、操向レバーの操
作量に応じた操向信号を発生する操向信号発生器と、操
向信号発生器からの操向信号を入力して各電子比例制御
弁に操向制御信号を出力するコントローラとを具備し、
コントローラから各電子比例制御弁に出力する操向制御
信号の経時変化は、操向レバーを中立からフルストロー
クまで操作する時にはブレーキ油圧が完全開放圧の状態
で、クラッチ油圧が完全結合圧から操向レバーのストロ
ークに応じたクラッチ維持圧まで変化する第1範囲と、
クラッチ油圧がクラッチ維持圧、または該クラッチ維持
圧から完全開放圧まで変化し、ブレーキ油圧が結合開始
圧より僅かに高いブレーキ準備圧から完全制動圧まで変
化する第2範囲からなり、他方、操向レバーをフルスト
ロークから中立まで操作する時にはクラッチ油圧が完全
開放圧の状態で、ブレーキ油圧が完全制動圧から操向レ
バーのストロークに応じたブレーキ維持圧まで変化する
第2範囲と、ブレーキ油圧が前記操向レバーのストロー
クに応じた操向レバーのストロークに応じたブレーキ維
持圧、または該ブレーキ維持圧から完全開放圧まで変化
し、クラッチ油圧が結合開始圧より僅かに高いクラッ
チ準備圧から完全結合圧まで変化する第1範囲とからな
【0007】第2に、上記第1のブルドーザの電子式操
向制御装置において、操向レバーのストロークに応じた
クラッチ維持圧およびブレーキ維持圧は、ストローク増
加時においてブレーキ油圧が最大維持圧の状態でクラッ
チ油圧が完全結合圧から最大維持圧まで変化する第1範
囲と、クラッチ油圧が最大維持圧の状態でブレーキ油圧
が結合開始圧から完全結合圧まで変化する第2範囲から
なり、他方、ストローク減少時において、クラッチ油圧
が最大維持圧の状態でブレーキ油圧が完全結合圧から最
大維持圧まで変化する第2範囲と、ブレーキ油圧が最大
維持圧の状態でクラッチ油圧が結合開始圧から完全結合
圧まで変化する第1範囲とからなり、前記ストローク増
加時における第1範囲とストローク減少時における第2
範囲とのラップする範囲を調整するよう構成し、第3
に、上第1のブルドーザの電子式操向制御装置におい
て、コントローラから各電子比例制御弁に出力する操向
制御信号の経時変化は、操向レバーの操作量増加時にお
ける第2範囲のブレーキ準備圧、または操向レバーの操
作量減少時における第1範囲のクラッチ準備圧を所定時
間、所定圧力上昇させたのち徐々に低下させるよう構
成し、第4に、上記第1のブルドーザの電子式操向制御
装置において、操向レバーの操作量増加時における第2
範囲のクラッチ完全開放から所定時間後にブレーキ制動
が開始され、操向レバーの操作量減少時における第1範
囲のブレーキ完全開放から所定時間後にクラッチ結合が
開始されるよう構成し、第5に、上記第4のブルドーザ
の電子式操向制御装置において、ブレーキ制動が開始
るまでの所定時間、またはクラッチ結合が開るまで
の所定時間は、作動条件により調整するよう構成した。
【0008】
【作用】上記構成によれば次のように作用する。上記第
1の構成は、車両の走行中に操向レバーを操作しない
と、左右のクラッチを制御する電子制御弁および左右の
ブレーキを制御する電子制御弁の何れにもコントローラ
から操向制御信号が出力されないため、左右のクラッチ
は結合され、左右のブレーキは開放状態となる。 従っ
て、前記変速機の出力軸に伝動連結された左右の駆動軸
に伝達されたエンジンの動力は左右のスプロケットに同
一方向に、同一回転で伝達されるため車両は直進する。
【0009】前記のように車両が直進走行中に操向レバ
ーを右旋回方向に操作すると、該操向レバーの操作量に
応じ、且つ所定の経時特性を有する操向信号が操向信号
発生器からコントローラに出力され、該コントローラか
らは前記操向信号に応じた所定の経時変化を示すクラッ
チ油圧またはブレーキ油圧を生ずる操向制御信号が右の
クラッチおよびブレーキ用電子制御弁に発信される。従
って、右のクラッチ油圧は操向レバーの操作量に応じて
高くなり、また、クラッチが開放されてから、車両の傾
斜角や作動油温度等の作動条件によって調整される所定
時間間隔の後にブレーキが制動を開始し、該ブレーキの
制動力はその後徐々に増すため、エンジンから右スプロ
ケットへ伝達される動力が徐々に減少して、右スプロケ
ットの回転数が減速され、車両はショックのない滑らか
な操向モジュレーション特性により右方向に旋回する。
次に、車両が右方向へ旋回中に、右側に操作されていた
操向レバーを中立方向へ戻すと、該操向レバーの操作量
に応じ、且つ所定の経時特性を有する操向信号が操向信
号発生器からコントローラに出力され、該コントローラ
からは前記操向信号に応じた所定の経時変化を示すクラ
ッチ油圧またはブレーキ油圧を生ずる操向制御信号が右
のクラッチおよびブレーキ用電子制御弁に発信される。
従って、右のクラッチ油圧は操向レバーの操作量に応じ
て低くなり、また、ブレーキが開放されてから、車両の
傾斜角や作動油温度等の作動条件によって調整される所
定時間間隔の後にクラッチが結合されるため、右のスプ
ロケットへ伝達される動力が徐々に増加して、右スプロ
ケットの回転数が増速され、車両はショックのない滑ら
かな操向モジュレーション特性により右方向の旋回半径
を増大して車両の直進方向に戻る。なお、操向レバーを
左側に操作するとき、および左側に操作されていた操向
レバーを中立方向に戻すときについても前記操向レバー
の操作と同様のため説明を省略する。
【0010】そして、各電子比例制御弁は入力される操
向制御信号に比例した油圧を発生するため、ブレーキお
よびクラッチ油圧は前記コントローラから各電子比例制
御弁に出力される操向制御信号の経時変化と同じ経時変
化の油圧を発生する。従って、前記操向レバーの操作量
増加時における第1範囲と第2範囲、また操向レバーの
操作量減少時における第2範囲と第1範囲を形成する。
上記第2の構成は、上記第1の構成における操向レバー
のストロークに応じたクラッチおよびブレーキ維持圧に
おいて、ストローク増加時における第1範囲とストロー
ク減少時における第2範囲とのラップする範囲を調整す
ることによってクラッチとブレーキの結合するタイミン
グを調整して操向時におけるショックを防止したり、フ
ァインコントロールにより操向性の向上をはかる。上記
第3の構成は、上記第1の構成においてコントローラか
ら各電子比例制御弁に出力する操向制御信号の経時変化
は、操向レバーの操作量増加時における第2範囲のブレ
ーキ準備圧、または操向レバーの操作量減少時における
第1範囲のクラッチ準備圧を所定時間、所定圧力上昇さ
せたのち、徐々に低下するようにして、クラッチおよび
ブレーキの結合開始点を明確化し、クラッチおよびブレ
ーキが共に結合する状態を防止した。上記第5の構成
は、上記第4の構成におけるブレーキ制動が開始し始め
るまでの所定時間、またはクラッチが結合し始めるまで
の所定時間は、作動条件により自動的に調整して操作レ
バーの操作速度が遅い場合には前記所定時間を減少させ
てファインコントロール性を向上し、操作レバの操作速
度が早い場合には前記所定時間を増加して同時結合によ
るショックを防止してオペレータの乗り心地性を向上さ
せた。
【0011】
【実施例】以下に、本発明に係るブルドーザの電子式操
向制御装置の実施例について、添付図面を参照して詳述
する。図1はブルドーザの電子式操向制御装置の構成図
であり、従来の技術と同一部品には同一番号を付して説
明する。1はエンジン、2はトルクコンバータ2aとロ
ックアップクラッチ2bより構成されるトルコンユニッ
ト、3は前進クラッチF,後進クラッチRおよび1速,
2速,3速の各速度段クラッチ3a,3b,3cより構
成される変速機、4は入力軸5、変速歯車機構6、横入
力軸7、左右それぞれのクラッチ8R、8L、中間軸9
R、9L、ブレーキ10R、10L、出力軸11R、1
1Lより構成される操向ユニット、12R,12Lは左
右の終減速機、13R,13Lは左右の出力軸、14
R,14Lは左右のスプロケットである。また、15は
操向レバー、15aは操向信号発生器、16はブレーキ
ペダル、16aはブレーキ信号発生器、17は前記操向
信号発生器15aおよびブレーキ信号発生器16aから
の操作信号を入力するコントローラ、18は制御ポン
プ、19R,19Lは前記コントローラ17からの制御
信号を入力して左右のクラッチ8R、8Lを油圧により
制御する電子制御弁、20R,20Lは前記コントロー
ラ17からの制御信号を入力して左右のブレーキ10
R、10Lを油圧により制御する電子制御弁である。
【0012】次に前記構成による作用について説明す
る。エンジン1の動力はトルコンユニット2のトルクコ
ンバータ2aまたはロックアップクラッチ2b、および
変速機3の前進クラッチFまたは後進クラッチRと1
速,2速,3速の各速度段クラッチ3a,3b,3cの
何れか一つの選択された速度段を介して、操向ユニット
4の入力軸5に伝達され、該入力軸5に伝達されたエン
ジン1の動力は変速歯車機構6を介して横入力軸7に伝
達される。走行中に操向レバー15およびブレーキペダ
ル16を操作しないと、左右のクラッチ8R、8Lを制
御する電子制御弁19R,19Lおよび左右のブレーキ
10R、10Lを制御する電子制御の何れにもコントロ
ーラ17から制御信号が出力されないため、左右のクラ
ッチ8R、8Lは結合され、左右のブレーキ10R、1
0Lは開放状態となる。従って、前記操向ユニット4の
横入力軸7に伝達されたエンジン1の動力は、左右の各
中間軸9R、9L、出力軸11R、11L、終減速機1
2R,12Lおよび出力軸13R,13Lを介して、左
右のスプロケット14R,14Lに同一方向に、同一回
転で伝達されるため車両は直進する。
【0013】前記のように車両が直進走行中に操向レバ
ー15を右旋回方向にフルストロークまで操作すると、
該操向レバー15の操作量に応じた操向信号が操向信号
発生器15aからコントローラ17に出力されるため、
該コントローラ17からは図4に示すような時間に対す
るクラッチ油圧またはブレーキ油圧を発生する制御信号
が右の各電子制御弁19Rおよぴ20Rに発信される。
従って、右のクラッチ油圧は操向レバー15の操作量に
応じて高くなり、また、クラッチが開放されてから、車
両の傾斜角や作動油温度等の作動条件によって調整され
る所定時間間隔の後にブレーキが制動を開始し、該ブレ
ーキの制動力はその後徐々に増すため、エンジン1から
右スプロケット14Rへ伝達される動力が徐々に減少し
て、右スプロケット14Rの回転数が減速され、車両は
ショックのない滑らかな操向モジュレーション特性によ
り右方向に旋回すると同時に、従来のような逆ステアリ
ング現象等の不具合を防止することができる。また、操
向レバー15をフルストロークまで操作せず、フルスト
ロークの途中まで操作するときは、図4における右のク
ラッチ油圧とブレーキ油圧は図3に示す操向レバー15
の操作量に応じたクラッチ維持圧またはブレーキ維持圧
を維持するため、クラッチまたはブレーキは一方が開放
状態で他方が半結合状態により右方向に旋回するか、あ
るいは両方とも開放状態となる。
【0014】次に、車両が右方向へ旋回中に、右側に操
作されていた操向レバー15をフルストロークから中立
へ戻すと、図5に示すような時間に対するクラッチ油圧
またはブレーキ油圧を発生する制御信号が右の各電子制
御弁19Rおよぴ20Rに発信される。従って、右のブ
レーキ油圧は操向レバー15の操作量に応じて高くな
り、また、ブレーキが開放されてから、車両の傾斜角や
作動油温度等の作動条件によって調整される所定時間間
隔の後にクラッチが結合を開始し、クラッチの結合力は
その後徐々に増すため、前記右スプロケット14Rへの
エンジン1の動力が徐々に伝達されるようになり、右ス
プロケット14Rの回転数が増速され、車両はショック
のない滑らかな操向モジュレーション特性により直進方
向に戻ると同時に、従来のような逆ステアリング現象等
の不具合を防止することができる。また、操向レバー1
5を中立位置まで操作せず、中立位置の途中まで操作す
るときについては、図5における右のクラッチ油圧とブ
レーキ油圧は図3に示す操向レバー15の操作量に応じ
たクラッチ維持圧またはブレーキ維持圧を維持するた
め、クラッチまたはブレーキは一方が開放状態で他方が
半結合状態により右方向に旋回するか、あるいは両方と
も開放状態となる。なお、操向レバー15を左側へフル
ストロークまで、またはストローク増加方向に操作する
とき、および左側に操作されていた操向レバー15を中
立位置まで、または中立方向に戻すときについても前記
操向レバー15の操作と同様のため説明を省略する。
【0015】次に図1に示すコントローラ17の詳細に
ついて図2により説明する。図において、21は操向モ
ード選定器、22は維持圧・ビルトアップ率設定器、2
3は操向制御信号発生器、24はブレーキングモード選
定器、25は維持圧・ビルトアップ率設定器は、26は
ブレーキ制御信号発生器、27はブレーキ制御信号比較
器である。操向レバー15の操向信号発生器15aから
コントローラ17内の操向モード選定器21に操向信号
が入力すると、該操向モード選定器21において操向レ
バー15の操作方向と操作スピードにより操向モードを
選定して、操向レバー15のストロークと操作スピード
信号を維持圧・ビルトアップ率設定器22に出力すると
共に、操向モードを操向制御信号発生器23に出力す
る。前記操向制御信号発生器23により発生したクラッ
チ制御信号ic はクラッチ用電子比例制御弁19R,
Lに出力されると、該電子比例制御弁19R,19
から前記クラッチ制御信号ic に比例した制御油圧がク
ラッチ8R,8Lに供給される。前記操向制御信号発生
器23に示した操向制御信号の経時変化は前記操向モー
ド選定器21におけるモード1およびモード2の場合を
示す、図4と同じものであり、モード3およびモード4
の場合は図5に示すような経時変化と同じでなる。ま
た、前記操向制御信号発生器23に示した操向制御信号
のビルトアップ率θ1 は必ずしもブレーキとクラッチを
同じにする必要はない。なお、操向制御中にブレーキペ
ダル16を操作すると、該ブレーキペダル16の操作に
応じたブレーキ信号がブレーキ信号発生器16aからコ
ントローラ17のブレーキングモード選定器24に出力
される。前記ブレーキングモード選定器24からブレー
キペダル16のストロークと操作スピードが維持圧・ビ
ルトアップ率設定器25に入力されると、該設定器25
よりブレーキ制御信号発生器26にブレーキ維持圧pb
とビルトアップ率θ1 が出力され、該ブレーキ制御信号
発生器26からブレーキペダル電流ib2がブレーキ制御
信号比較器27に出力される。なお、前記設定器25よ
り出力されるビルトアップ率θ1 は前記操向制御信号発
生器23に示したブレーキまたはクラッチの各ビルトア
ップ率θ1 と必ずしも同じにする必要はない。一方、前
記操向制御信号発生器23により発生したブレーキ制御
信号ib1も該ブレーキ制御信号比較器27に出力され、
これらのうち、大きい制御信号がブレーキ制御信号ib
として左右のブレーキ用電子比例制御弁20R,20L
に出力されると、該両電子比例制御弁20R,20Lか
ら前記ブレーキ制御信号ib に比例した制御油圧がブレ
ーキ10R,10Lに供給される。
【0016】図3は図2における操向レバー15のスト
ロークとクラッチまたはブレーキ維持圧との関係を示す
図の説明図である。操向レバー15の操作量増加時に
は、ストローク0からcまでを中立範囲、ストロークc
からストロークbまでを第1範囲、ストロークbからフ
ルまでを第2範囲と設定し、操向レバー15の操作量減
少時には、ストロークフルからストロークaまでを第2
範囲、ストロークaからストロークcまでを第1範囲、
ストロークcからストローク0までを中立範囲と設定す
る。以上のように操向レバー15のストロークが少ない
うちは操向操作側のクラッチ8R,8Lが開放されはじ
め、続いてクラッチ8R,8Lが完全に開放された後、
ブレーキ10R、10Lが結合し始めて操向側のスプロ
ケット14R,14Lが操向レバー15のストロークに
応じた速度まで減速されるため、操向レバー15のスト
ロークに応じた旋回半径で車両を操向させることができ
る。
【0017】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によるときは
次のような効果を得ることができる。 (1)操向レバーをファインコントロールする必要な
く、通常の操向操作により全ゆる運転条件下において滑
らかな操向特性が得られるため、オペレータの操向操作
性を向上することができる。 (2)操向レバーを通常に操向操作しても全ゆる運転条
件下においてクラッチおよびブレーキの接続時における
ショックがないため、オペレータの乗心地を向上するこ
とができると共に、クラッチおよびブレーキの耐久性を
向上することができる。 (3)各クラッチとブレーキを独立に制御する電子式操
向制御装置であるため、各運転条件をコントローラに入
力することにより、全ゆる運転条件においてショックの
ない、オペレータの乗心地性を向上する操向制御装置が
得られると共に、リンク式に比べ低コストで製作するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるブルドーザの電子式操向制御装
置を示す図である。
【図2】図1におけるコントローラの詳細を示す図であ
る。
【図3】図2における操作レバのストロークとクラッチ
またはブレーキ維持圧との関係を示す図である。
【図4】操作レバの操作量増加時におけるクラッチまた
はブレーキ油圧の経時特性を示す図である。
【図5】操作レバの操作量減少時におけるクラッチまた
はブレーキ油圧の経時特性を示す図である。
【図6】従来の技術における図1と同様な図である。
【図7】従来の技術における操向操作装置を示す図であ
る。
【図8】従来の技術におけるクラッチとブレーキ油圧特
性を示す図である。
【図9】従来の技術におけるクラッチとブレーキ油圧特
性を示す図である。
【符号の説明】
1:エンジン、2:トルコンユニット、3:変速機、
4:操向ユニット、5:入力軸、6:変速歯車機構、
7:横入力軸、8R,8L:左右のクラッチ、9R,9
L:左右の中間軸、10R,10L:左右のブレーキ、
11R,11L:左右の出力軸、12R,12L:左右
の終減速機、13R,13L:左右の出力軸、14R
14L:左右のスプロケット、15:操向レバー、15
a:操向信号発生器、16:ブレーキペダル、16a:
ブレーキ信号発生器、17:コントローラ、18:制御
ポンプ、19R,19L:左右のクラッチ用電子比例制
御弁、20R,20L:左右のブレーキ用電子比例制御
弁、21:操向モード選定器、22:維持圧・ビルトア
ップ率設定器、23:操向制御信号発生器、24:ブレ
ーキングモード選定器、25:維持圧・ビルトアップ率
設定器、26:ブレーキ制御信号発生器、27:ブレー
キ制御信号比較器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−153659(JP,A) 特開 昭56−8759(JP,A) 特開 昭63−181904(JP,A) 特開 昭64−4580(JP,A) 実開 昭64−10466(JP,U) 実開 昭62−145885(JP,U) 実開 平2−132586(JP,U) 特表 平1−501054(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B62D 11/08

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変速機の出力軸に伝動連結された左右の
    駆動軸により、クラッチ及びブレーキを介してエンジン
    の動力を左右の各スプロケットに伝動するブルドーザの
    操向制御装置においてクラッチ及びブレーキを独立に制御する各電子比例制御
    弁と操向レバーと操向レバーの操作量に応じた操向信号を発生する操向信
    号発生器と操向信号発生器からの操向信号を入力して各電子比例制
    御弁に操向制御信号を出力するコントローラとを具備
    、 コントローラから各電子比例制御弁に出力する操向制御
    信号の経時変化は、 操向レバーを中立からフルストロークまで操作する時に
    はブレーキ油圧が完全開放圧の状態で、 クラッチ油圧が完全結合圧から操向レバーのストローク
    に応じたクラッチ維持圧まで変化する第1範囲と、 クラッチ油圧がクラッチ維持圧又はこのクラッチ維持圧
    から完全開放圧まで変化し、ブレーキ油圧が結合開始圧
    より僅かに高いブレーキ準備圧から完全制動圧まで変化
    する第2範囲からなり、他方 、操向レバーをフルストロークから中立まで操作す
    る時にはクラッチ油圧が完全開放圧の状態で、 ブレーキ油圧が完全制動圧から操向レバーのストローク
    に応じたブレーキ維持圧まで変化する第2範囲と、 ブレーキ油圧が前記操向レバーのストロークに応じたブ
    レーキ維持圧又はこのブレーキ維持圧から完全開放圧ま
    で変化し、クラッチ油圧が結合開始圧より僅かに高い
    クラッチ準備圧から完全結合圧まで変化する第1範囲
    からなることを特徴とするブルドーザの電子式操向制御
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1のブルドーザの電子式操向制御
    装置において、操向レバーのストロークに応じたクラッ
    維持圧及びブレーキ維持圧は、 ストローク増加時において、 ブレーキ油圧が最大維持圧の状態でクラッチ油圧が完全
    結合圧から最大維持圧まで変化する第1範囲と、 クラッチ油圧が最大維持圧の状態でブレーキ油圧が結合
    開始圧から完全結合圧まで変化する第2範囲からな
    り、他方 、ストローク減少時において、 クラッチ油圧が最大維持圧の状態でブレーキ油圧が完全
    結合圧から最大維持圧まで変化する第2範囲と、 ブレーキ油圧が最大維持圧の状態でクラッチ油圧が結合
    開始圧から完全結合圧まで変化する第1範囲とからな
    り、 ストローク増加時における第1範囲とストローク減少時
    における第2範囲とのラップする範囲を調整することを
    特徴とするブルドーザの電子式操向制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1のブルドーザの電子式操向制御
    装置において、コントローラから各電子比例制御弁に出
    力する操向制御信号の経時変化は、操向レバーの操作量
    増加時における第2範囲のブレーキ準備圧、又は操向レ
    バーの操作量減少時における第1範囲のクラッチ準備圧
    を所定時間、所定圧力上昇させたのち徐々に低下さ
    せることを特徴とするブルドーザの電子式操向制御装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1のブルドーザの電子式操向制御
    装置において、 操向レバーの操作量増加時における第2範囲のクラッチ
    完全開放から所定時間後にブレーキ制動が開始され、 操向レバーの操作量減少時における第1範囲のブレーキ
    完全開放から所定時間後にクラッチ結合が開始されるこ
    とを特徴とするブルドーザの電子式操向制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項4のブルドーザの電子式操向制御
    装置において、ブレーキ制動が開始るまでの所定時
    間、又はクラッチ結合が開るまでの所定時間は、作
    動条件により調整されることを特徴とするブルドーザの
    電子式操向制御装置。
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