JP2966232B2 - グラフィックイコライザ回路及びグラフィックイコライザ回路を用いた音響装置 - Google Patents

グラフィックイコライザ回路及びグラフィックイコライザ回路を用いた音響装置

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JP2966232B2
JP2966232B2 JP10741993A JP10741993A JP2966232B2 JP 2966232 B2 JP2966232 B2 JP 2966232B2 JP 10741993 A JP10741993 A JP 10741993A JP 10741993 A JP10741993 A JP 10741993A JP 2966232 B2 JP2966232 B2 JP 2966232B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、音声信号処理において
所望の周波数利得の増減させるグラフィックイコライザ
回路及びこのグラフィックイコライザ回路を用いた音響
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】グラフィックイコライザ回路は、ステレ
オ装置、カーオーディオ装置、携帯用オーディオ装置の
音響装置に用いられ、音声信号処理における周波数利得
調整に用いられてきた。図8は、従来の音響装置に用い
られているグラフィックイコライザ回路を示している。
このグラフィックイコライザ回路では、入力端子50に
加えられた音声信号は抵抗51を通して増幅器52の正
相入力端子(+)に加えられ、その出力は出力端子53
から取り出される。適当な利得を得るため、増幅器52
の出力は逆相入力端子(−)に抵抗54を通して帰還さ
れている。そして、音声信号に対して所望の周波数利得
を増減させる利得調整手段として、増幅器52の正相入
力端子(+)と逆相入力端子(−)との間には2連を成
す可変抵抗55、56が並列に接続され、各可変抵抗5
5、56と抵抗51とは音声信号を分圧して増幅器52
に加える分圧回路を成している。そして、可変抵抗5
5、56には2連型の機械式可変抵抗器が用いられてい
る。また、各可変抵抗55、56の可変端子と接地点と
の間には、周波数特性を付与するための手段として個別
に半導体インダクタ57、58が接続されている。
【0003】このようなグラフィックイコライザ回路に
おいて、機械式の可変抵抗55、56には、例えば、図
9に示すようにスイッチで抵抗値を変化させることがで
きる可変抵抗回路を用いることができる。この可変抵抗
回路は、同一又は異なる抵抗値を持つ複数の抵抗55
1、552・・・・55Nの各端子間をアナログスイッ
チ571、572・・・・57Nを以て閉回路を形成し
たものであり、マイクロコンピュータ制御によるアナロ
グスイッチ571、572・・・・57Nの選択的な導
通によって端子59、60の抵抗値を段階的、かつディ
ジタル的に変化させるようにしたものである。この可変
抵抗回路が機械式の抵抗器と異なる点は、抵抗変化が抵
抗551、552・・・・55Nに設定される抵抗値に
依存し、その抵抗値の変化をスイッチの切換えによって
行なうことである。そして、図8に示すグラフィックイ
コライザ回路では、各可変抵抗55、56に対応して図
9に示す可変抵抗回路を用いることができる。
【0004】グラフィックイコライザ回路を構成する場
合、機械式の可変抵抗55、56と図9に示した可変抵
抗回路とでは、各素子や回路が持つ長短や特性が顕著に
現れることになる。機械式の可変抵抗を用いたグラフィ
ックイコライザ回路では、可変抵抗55、56が音声信
号の通過経路であるため、ノイズ等の影響を回避する上
でセット上の配置や配線の引回しに制約を受けることに
なる。
【0005】図10はカーオーディオ装置を示してお
り、その前面パネル70には可変抵抗55、56を操作
するための操作つまみ71が配置されている。この操作
つまみ71の設置位置は、操作性の面だけでなく、可変
抵抗55、56の内部配置に依存しており、このような
点は前面パネル70のデザイン設計に制約を課すること
になる。
【0006】図9に示した可変抵抗回路を用いた場合に
は、デザインを優先した部品配置が可能になる。ところ
が、可変抵抗回路は、マイクロコンピュータ制御による
操作性に加えてデザイン上の利点がある反面、ディジタ
ル的な制御であり、連続的な抵抗値制御を行なおうとす
ると高価になるとともに、オーディオ装置に占める割合
が大きい。このため、経済性や回路規模の点から、シー
ソー式可変抵抗が用いられている。図11はシーソー式
可変抵抗を用いたオーディオ装置の例であり、前面パネ
ル70にはシーソー式可変抵抗を操作する操作ボタン7
2が配置されている。このような操作ボタン72では、
可変抵抗55、56の用いた場合に比較してデザイン設
計の制約が緩和される。
【0007】ところで、カーオーディオ装置では、運転
中のボリューム操作やデザイン面での要求が問題とな
る。安全面からすれば、扱い慣れてきた回転式の操作つ
まみ71が推奨される。しかしながら、カーオーディオ
装置では小型化が求められる上、ノイズの影響を受け易
く、デザイン面での制約が大きい。
【0008】このような技術的な背景から、連続的な可
変形態であって、装置デザイン面での自由度を高めたグ
ラフィックイコライザ回路には、例えば、特開昭63−
276312号「グラフィックイコライザ回路」が提案
されている。このグラフィックイコライザ回路では、負
帰還を掛けている演算増幅器の非反転入力端子に抵抗を
介して入力信号を加えるとともに、帯域分割した中心周
波数に対して通過特性を持つ複数のバンドパスフィルタ
を設置し、各バンドパスフィルタにはその出力信号を電
流出力に変換する一対の電圧電流変換回路を設置し、一
方の電圧電流変換回路には演算増幅器の非反転入力端子
から電流を引き出すように接続し、他方の電圧電流変換
回路は演算増幅器の反転入力端子から電流を引き出すよ
うに接続したものである。このように構成すると、各電
圧電流変換回路の変換コンダクタンスを互いに差動的に
制御することにより、例えば、オーディオ信号の帯域中
の任意の周波数成分を強調し、又は減衰させることがで
きる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
グラフィックイコライザでは、信号成分の加算及び減算
を電圧に変換して電圧伝送を行うため、ノイズによる影
響を受け易く、SN比が悪く、また、電流制御増幅器を
用いて電流伝送を行う伝送回路には適用し難いという欠
点がある。
【0010】そして、このようなグラフィックイコライ
ザ回路を用いた音響装置は、そのグラフィックイコライ
ザ回路の特性の影響を受けるため、SN比の悪化等によ
る音響特性に問題があり、汎用性に乏しいものであっ
た。
【0011】そこで、本発明は、SN比等音響特性を改
善し、汎用性の高いグラフィックイコライザ回路及びグ
ラフィックイコライザ回路を用いた音響装置を提供する
ことを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のグラフィックイ
コライザ回路は、特定の周波数帯域を強調又は減衰させ
るべき入力信号を電流に変換する電圧−電流変換手段
(電圧−電流変換器4)と、この電圧−電流変換手段で
得た信号電流を出力側に伝送させる信号電流と周波数を
調整すべき信号電流とに分流させる電流分配手段(2分
配回路8)と、この電流分配手段から前記信号電流を受
けて電圧変換する電流−電圧変換手段(電流−電圧変換
器14)と、この電流−電圧変換手段から電圧信号を受
けて強調又は減衰させるべき周波数帯域の信号を選択的
に通過させるフィルタ(21、22・・・・)と、この
フィルタで得られた前記周波数帯域を持つ信号を電流に
変換し、この電流を前記入力信号を表す前記信号電流か
ら減算することにより特定の周波数帯域を減衰させて取
り出す周波数減衰系統(10B)と、前記フィルタで得
られた前記周波数帯域を持つ信号を電流に変換し、この
電流を前記入力信号を表す信号電流に加算することによ
り特定の周波数帯域を強調して取り出す周波数強調系統
(10A)とを備えたことを特徴とする。
【0013】また、本発明のグラフィックイコライザ回
路は、特定の周波数帯域を強調又は減衰させるべき入力
信号を信号電流に変換する第1の電圧−電流変換手段
(電圧−電流変換器4)と、この第1の電圧−電流変換
手段で得た信号電流を出力側に伝送させ又は周波数を調
整すべき第1の信号電流に分流させる電流分配手段(2
分配回路8)と、この電流分配手段から前記第1の信号
電流を受け、この第1の信号電流から第2の信号電流を
減算する第1の減算手段(加算器12)と、この第1の
減算手段で得られた信号電流を電圧に変換する電流−電
圧変換手段(電流−電圧変換器14)と、この電流−電
圧変換手段の出力信号を受け、特定の周波数帯域の信号
成分を取り出すフィルタ(21、22・・・・)と、第
1の伝達コンダクタンス(AX /R)が設定され、前記
フィルタの通過信号を電流に変換して前記第2の信号電
流を取り出す第の電圧−電流変換手段(電圧−電流変
換器41、42・・・・)と、前記第1の伝達コンダク
タンスとは異なる第2の伝達コンダクタンス(BX
R)が設定され、前記フィルタの通過信号を電流に変換
して第3の信号電流を取り出す第の電圧−電流変換手
段(電圧−電流変換器61、62・・・・)と、この第
の電圧−電流変換手段で得られた前記第3の信号電流
から前記第2の信号電流を減算する第2の減算手段(加
算器101、102・・・・)と、この第2の減算手段
で得られた信号電流と前記第1の信号電流とを加算して
出力信号を取り出す加算手段(加算器140)とを備え
て、第1の伝達コンダクタンスが零より大きいときには
第2の伝達コンダクタンスを零、第2の伝達コンダクタ
ンスが零より大きいときには第1の伝達コンダクタンス
を零に制御することにより、所望の周波数帯域を減衰又
は強調した出力信号を取り出すことを特徴とする。
【0014】そして、本発明のグラフィックイコライザ
回路を用いた音響装置は、請求項1又は請求項2に記載
のグラフィックイコライザ回路を用いて、直流制御電圧
を以て単一又は複数チャンネルの音声信号の音質制御を
行なうことを特徴とする。
【0015】また、本発明のグラフィックイコライザ回
路を用いた音響装置は、請求項1又は請求項2に記載の
グラフィックイコライザ回路によってトーンコントロー
ル回路を構成し、単一の直流制御電圧を以て単一又は複
数チャンネルの音声信号の音質制御を行なうことを特徴
とする。
【0016】
【作用】このグラフィックイコライザ回路は、電流伝送
を基調としているため、特定の周波数帯域を強調又は減
衰させる入力信号は電圧−電流変換により電流の形態に
変換して処理する。この入力信号電流の周波数帯域を基
準にすると、フィルタを通過させた信号電流は、フィル
タの通過帯域特性に応じた周波数帯域を持つ信号電流と
なる。即ち、フィルタには減衰又は強調させるべき周波
数帯域が通過域として設定されており、このフィルタを
通過させることにより、信号電流はその周波数帯域の周
波数成分を持っている。この場合、特定の周波数帯域を
複数の周波数帯域に区分してフィルタを設定すれば、各
フィルタには周波数成分の異なる信号が得られることに
なる。
【0017】そこで、このグラフィックイコライザ回路
では、その目的とする機能を設定するため、特定の周波
数帯域を強調することと、その周波数帯域を減衰させる
ことの双方を含んでいる。表現上、前者を周波数ブース
ト、後者を周波数カットと称する。周波数ブーストの場
合には、強調すべき周波数成分を持つ信号をフィルタを
以て抽出し、その周波数成分を持つ信号電流に変換した
後、この信号電流を入力信号に対応する信号電流に加算
することにより、特定の周波数帯域を強調した出力信号
を取り出すのである。
【0018】また、周波数カットの場合には、減衰すべ
き周波数成分を持つ信号をフィルタを以て抽出し、その
周波数成分を持つ信号電流に変換した後、この信号電流
を入力信号に対応する信号電流から減算することによ
り、特定の周波数帯域を減衰した出力信号を取り出すの
である。
【0019】また、本発明のグラフィックイコライザ回
路は、請求項2に記載の通り、第1の電圧−電流変換手
段、電流分配手段、電流−電圧変換手段、フィルタ、第
の電圧−電流変換手段、第の電圧−電流変換手段、
第1の減算手段、第2の減算手段及び加算手段で構成
し、第の電圧−電流変換手段に設定されている第1の
伝達コンダクタンス、第の電圧−電流変換手段に設定
されている第2の伝達コンダクタンスについて、第1の
伝達コンダクタンスが零より大きいときには第2の伝達
コンダクタンスを零、第2の伝達コンダクタンスが零よ
り大きいときには第1の伝達コンダクタンスを零に制御
することにより、所望の周波数帯域を減衰又は強調した
出力信号を取り出すようにしたものである。即ち、第
の電圧−電流変換手段は電流による演算処理を行うため
であり、電流−電圧変換手段は後段のフィルタ処理を電
圧信号を以て行うために設置されている。この電流−電
圧変換手段は、全系統からすれば、部分的な処理であ
り、電流伝送を損なうものではない。そして、フィルタ
の出力側では第及び第の電圧−電流変換手段を設置
してフィルタの通過信号の電流変換を行うとともに、第
1及び第2の伝達コンダクタンスの制御を行って、電流
を媒体とした周波数ブースト及び周波数カットを実現し
ている。この場合、周波数ブーストは、フィルタ、第
の電圧−電流変換手段及び加算手段からなる周波数強調
系統によって行われる。また、周波数カットは、第1の
減算手段、フィルタ、第2の減算手段及び加算手段から
なる周波数減衰系統を以て行われる。
【0020】そして、本発明のグラフィックイコライザ
回路を用いた音響装置では、前記グラフィックイコライ
ザ回路を構成要素とし、直流制御電圧を以て単一又は複
数チャンネルの音声信号の音質制御を行なう。したがっ
て、この音響装置では、前記グラフィックイコライザ回
路の動作及びその特性により、優れた特性が得られるこ
とになる。
【0021】また、本発明のグラフィックイコライザ回
路を用いた音響装置では、前記グラフィックイコライザ
回路を以てトーンコントロール回路を構成し、単一の直
流制御電圧を以て単一又は複数チャンネルの音声信号の
音質制御を行なうので、音質制御が良好になり、良好な
音質出力が得られる。
【0022】
【実施例】以下、本発明を図面に示した実施例を参照し
て詳細に説明する。
【0023】図1は、本発明のグラフィックイコライザ
回路の一実施例を示している。このグラフィックイコラ
イザ回路は電流伝送を基調としているので、特定の周波
数帯域を強調又は減衰させるべき入力信号VINが電圧信
号で与えられる場合には、その前段に電圧−電流変換手
段を設置する。したがって、前段部には電圧−電流変換
手段として電圧−電流変換器4が設置され、その後段に
グラフィックイコライザ回路2が設置されている。即
ち、入力端子6に加えられた特定の周波数帯域を強調又
は減衰させるべき入力信号VINは、電圧−電流変換器4
で信号電流IINに変換された後、グラフィックイコライ
ザ回路2に入力される。
【0024】このグラフィックイコライザ回路2には、
電圧−電流変換器4の出力側に電流による減算及び加算
による信号処理の便宜のため、電流分配手段である2分
配回路8が設置されている。電流分配手段である2分配
回路8では、信号電流IINから同一のレベル及び周波数
特性を持った一対の第1の信号電流I1 が得られる。こ
のように、2分配回路8で一対の信号電流I1 に分離さ
せるのは、信号電流I1 を出力側に伝達させる電流伝送
系統と、信号電流I1 から周波数の強調又は減衰すべき
信号電流If を形成する周波数調整系統とを独立させて
処理するためである。そして、周波数調整系統は、特定
周波数の強調(周波数ブースト)を行う周波数強調系統
10Aと、特定周波数の減衰(周波数カット)を行う周
波数減衰系統10Bとを備えている。
【0025】2分配回路8の出力側には、周波数強調系
統10A及び周波数減衰系統10Bの共用部分である第
1の減算手段として加算器12が設置され、信号電流I
1 と負の信号電流I2 とが加算される。換言すれば、信
号電流I1 から信号電流I2を減算させている。この加
算器12の出力側には、電流−電圧変換手段として電流
−電圧変換器14が設置されており、この実施例では抵
抗16及び演算増幅器18が設置され、加算器12の出
力電流はその値に応じた信号電圧に変換される。
【0026】そして、電流−電圧変換器14の出力側に
は、フィルタ21、22・・・が設置されている。各フ
ィルタ21、22・・・はグラフィックイコライザ回路
としての機能を果たすため、処理すべき入力信号VIN
持つ周波数帯域を複数に分割し、分割した周波数帯域に
対応して設置されている。機能的には、各フィルタ2
1、22・・・を単位としてグラフィックイコライザ回
路が成立しており、単一のフィルタ21を以ても本発明
は成立するものである。K1 、K2 ・・・は各フィルタ
21、22・・・の伝達関数を表している。各フィルタ
21、22・・・にはアクティブフィルタ等を用いるこ
とができる。
【0027】また、各フィルタ21、22・・・の出力
側には第の電圧−電流変換手段として電圧−電流変換
器41、42・・・が設置されているとともに、第
電圧−電流変換手段として電圧−電流変換器61、61
・・・が設置されている。この実施例では、電圧−電流
変換器41、42・・・は、電流分配手段を兼用してお
り、フィルタ21、22・・・の出力信号を電流変換す
るとともに、一対の第2の信号電流I2 が得られる。ま
た、電圧−電流変換器61、62・・・には第3の信号
電流I3 が得られる。
【0028】そして、電圧−電圧電流変換器41、42
・・・には第1の伝達コンダクタンスAX /R(=A1
/R、A2 /R・・・)が設定され、また、電圧−電流
変換器61、62・・・には第2の伝達コンダクタンス
X /R(=B1 /R、B2/R・・・)が設定されて
いる。各伝達コンダクタンスAX /R(=A1 /R、A
2 /R・・・)、BX /R(=B1 /R、B2 /R・・
・)の制御条件として、AX (=A1 、A2 ・・・)>
0のとき、BX (=B1 、B2 ・・・)=0、BX >0
のとき、AX =0に制御する。
【0029】電圧−電流変換器41、42・・・の第1
の出力側には加算手段である加算器81、82・・・が
設置され、各信号電流I2 が加算されて加算器12に導
かれる。また、電圧−電流変換器41、42・・・の第
2の出力側には第2の減算手段としての加算器101、
102・・・が設置され、電圧−電流変換器61、62
・・・の出力側には加算手段として加算器121、12
2・・・が設置されている。したがって、各信号電流I
3 が加算器121、122・・・で加算されるととも
に、その加算電流ΣI3 は加算器101、102・・・
に加えられ、この加算電流ΣI3 と負の信号電流I2
が加算される。即ち、加算電流ΣI3 から信号電流I2
が減算され、周波数調整電流としての信号電流If が得
られる。
【0030】そして、この信号電流If と信号電流I1
とを加算する加算手段として加算器140が設置されて
いる。したがって、出力端子142には、イコライザ出
力としての信号電流IO (=I1 +If )が得られる。
この実施例では、出力端子142には負荷として抵抗1
44が接続されており、出力信号VO が得られる。
【0031】以上の構成に基づき、動作を説明する。こ
こで、抵抗16、144の各抵抗値をR、抵抗16に発
生する電圧をVO ´とすると、この電圧VO ´は、
【0032】
【数1】
【0033】が成立し、また、
【0034】
【数2】
【0035】が成立し、各式(1)〜(5)から、
【0036】
【数3】
【0037】が成立する。よって、
【0038】
【数4】
【0039】となる。但し、K1 、K2 ・・・、Kx
それぞれ中心周波数が異なるフィルタ21、22・・・
を構成するバンドパスフィルタの伝達関数であり、各伝
達関数K1 、K2 ・・・、Kx は、
【0040】
【数5】
【0041】となる。ここで、伝達コンダクタンスAX
/R、BX /Rの各係数AX 、BX の数値の制御の一例
について検討する。 a.A1 =B1 、A2 =B2 ・・・、Ax =Bx のとき
【0042】
【数6】
【0043】となり、出力信号VO に設定される周波数
特性はフラットとなる。 b.A1 =A2 =・・・=Ax =B1 =B2 =/・・=
x =0のとき
【0044】
【数7】
【0045】となり、この場合も出力信号VO に設定さ
れる周波数特性はフラットとなる。 c.B1 =B2 =・・・=Bx =0のとき 周波数ブーストモードとなり、フィルタ21、22・・
・に設定されている周波数帯域及びAX により、周波数
帯域が強調された出力信号VO が得られる。 d.A1 =A2 =・・・=Ax =0のとき 周波数カットモードとなり、フィルタ21、22・・・
に設定されている周波数帯域及びBX によって、周波数
帯域を減衰させた出力信号VO が得られる。
【0046】したがって、このグラフィックイコライザ
回路を用いてステレオ装置、カーオーディオ装置、携帯
用オーディオ装置等の音響装置を構成すれば、段階的又
は連続的に増減する直流制御電圧(可変電圧)を以て単
一又は複数のチャンネルの音声信号の音質制御を行なう
ことができる。
【0047】次に、図2は、図1に示したグラフィック
イコライザ回路を用いたトーンコントロール回路の一実
施例を示している。このトーンコントロール回路には、
前段に図1に示した電圧−電流変換器4が設置され、そ
の後段に加算器146とともにグラフィックイコライザ
回路2が設置され、グラフィックイコライザ回路2には
周波数の強調又は減衰を制御する手段として制御回路3
が接続されている。
【0048】加算器146の出力側にはボリュ─ムコン
トロール増幅器(VCA)148が接続され、このVC
A148にはボリュームコントロールを行う制御回路1
50が接続されている。そして、VCA148の出力側
には、VCA148の出力電流を電圧に変換する電流−
電圧変換器151が設置され、この電流−電圧変換器1
51で得られた電圧信号としての出力信号VO が出力端
子152から取り出される。
【0049】このような構成によれば、入力端子6に入
力信号VINが加えられると、電圧−電流変換器4で信号
電流IINに変換され、この信号電流IINは加算器146
に加えられるとともに、グラフィックイコライザ回路2
に加えられる。グラフィックイコライザ回路2では、信
号電流IINを取り込んで、図1で示した回路構成により
所定の周波数帯域の強調又は減衰が行われる。この周波
数の増強又は減衰の制御は、制御回路3による選択操
作、即ち、外部からの制御入力に基づく周波数の強調又
は減衰の指定により行なわれる。この結果、グラフィッ
クイコライザ回路2には、周波数調整出力としての信号
電流IO が得られ、この信号電流IO が信号電流IIN
加算され、トーンコントロール電流としてVCA148
に加えられる。
【0050】VCA148では、加算器146からの信
号電流と制御回路150からの制御信号によってレベル
調整が施され、所望のレベルを持った出力信号電流IO
が得られ、この出力信号電流IO が電流−電圧変換器1
51で電圧信号に変換される。この結果、出力端子15
2には、トーンコントロール出力としての出力信号V O
が得られる。
【0051】したがって、このトーンコントロール回路
を用いてステレオ装置、カーオーディオ装置、携帯用オ
ーディオ装置の音響装置を構成することができ、段階的
又は連続的に増減する直流制御電圧(可変電圧)を以て
単一又は複数のチャンネルの音声信号の音質制御を行な
うことができる。
【0052】次に、図3ないし図6は、図2に示したト
ーンコントロール回路の具体的な回路構成例を示し、図
3は電圧−電流変換器4、加算器146、VCA148
及び電流−電圧変換器151の回路部、図4はグラフィ
ックイコライザ回路2の前部側回路部、図5はグラフィ
ックイコライザ回路2の後部側回路部、また、図6は制
御回路3、150の回路部をそれぞれ示している。
【0053】図3に示すように、電圧−電流変換器4に
は差動増幅器200が設置され、入力端子6に入力信号
INが加えられる。この入力信号VINは信号電流に変換
され、その信号電流IINは加算器146に供給される。
加算器146にはVCA148の一対の差動対202、
204が設置されており、VCA148の各差動対20
2、204に対して信号電流IINが供給されている。こ
の加算器146とVCA148から取り出された出力電
流IO は電流−電圧変換器151に供給されて電圧信号
に変換され、出力端子152から出力信号VO として取
り出される。
【0054】次に、第4図に示すように、図3に示した
電圧−電流変換器4で得られた信号電流IINはグラフィ
ックイコライザ回路2に加えられる。このグラフィック
イコライザ回路2には、図1に示したように、前段側に
電流−電圧変換器14が設置され、その後段側にフィル
タ21が設置されている。この実施例は、図示の如く抵
抗、キャパシタ及び演算増幅器からなるアクティブフィ
ルタで構成されている。そして、このフィルタ21の出
力側には電圧−電流変換器206が設置されている。図
1に示した実施例では、電圧−電流変換手段と伝達コン
ダクタンスの設定手段を共通回路で構成した場合につい
て説明したが、この実施例は電圧−電流変換手段を独立
した回路で構成したものであり、単一の差動増幅器で構
成している。
【0055】次に、図5に示すように、電圧−電流変換
器206の出力側には、加算器81を兼ねる伝達コンダ
クタンス設定手段としてのトランスコンダクタンス増幅
器208、210が設置されている。トランスコンダク
タンス増幅器208は図1の電圧−電流変換器41及び
加算器81、101に相当し、また、トランスコンダク
タンス増幅器210は電圧−電流変換器61及び加算器
121に相当するものである。
【0056】次に、図6に示すように、制御回路3、1
50には、共通の電圧源212が設置され、この電圧源
212には所望の専用電圧を設定するための可変抵抗2
20、221、222、22Nが接続されている。可変
抵抗220には制御回路3に対する直流制御電圧V0
得られ、また、可変抵抗221〜22Nには周波数帯域
の増強又は減衰のための直流制御電圧V1 〜VN が得ら
れる。
【0057】このような構成によれば、図2で示したト
ーンコントロール回路がICによって得られ、図2を参
照して説明した通りのトーンコントロール動作が得られ
る。なお、図3〜図6において、共通の符号a〜mを付
した部分は接続箇所を示している。
【0058】次に、図7は、本発明のグラフィックイコ
ライザ回路を用いた音響装置の一実施例を示している。
この音響装置の入力段にはオーディオ再生装置30が設
置されて音声信号を再生する。このオーディオ再生装置
30は、ステレオ装置、カーオーディオ装置、携帯用オ
ーディオ装置等の音響装置に共通のラジオ受信機であれ
ば検波手段側、テーププレーヤであれば再生磁気ヘッド
側、CDプレーヤであればその再生手段側等の総ての音
声信号が再生し得るあらゆる信号源からの入力信号から
音声信号を再生する。再生される音声信号はモノラル、
ステレオ等の各種のものがある。
【0059】このオーディオ再生装置30から再生され
た音声信号の音質を調整する手段として音質調整装置3
2が設置されている。この音質調整装置32は、図1に
示したグラフィックイコライザ回路、又は図2に示した
グラフィックイコライザ回路を用いたトーンコントロー
ル回路で構成されている。この音質調整回路32には、
直流制御(可変)電圧を発生させる外部制御手段として
複数の可変抵抗320、321、322・・・・32N
からなる可変抵抗回路が接続されている。この可変抵抗
回路は、図6に示した制御回路3、150に対する可変
抵抗220〜22Nと同等の制御を行なうものである。
各可変抵抗320、321、322・・・・32Nには
電圧源から共通の電圧VCCが加えられており、各可変抵
抗320、321、322・・・・32Nの可変端子に
は個別に可変電圧、即ち、直流制御電圧V0 、V1 、V
2 ・・・・VN が発生する。各直流制御電圧V0
1 、V2 ・・・・VN は可変抵抗320、321、3
22・・・・32Nの調整で個別に任意の値を取ること
ができ、個別に音質調整装置32に加えられている。し
たがって、この電圧制御に基づいて、グラフィックイコ
ライザ回路ないしグラフィックイコライザ回路を用いた
トーンコントロール回路によって周波数帯域に応じた利
得制御を以て所望の音声信号の音質調整が行なわれる。
【0060】この音質調整を経た音声信号は音量調整装
置34に加えられて、所望の信号レベルの調整によって
音量調整が施される。そして、この音声信号は電力増幅
回路36で増幅された後、音声再生手段として例えば、
スピーカ38で音声として再生される。
【0061】このようなグラフィックイコライザ回路又
はグラフィックイコライザ回路で構成されたトーンコン
トロール回路を用いた音響装置では、本発明におけるグ
ラフィックイコライザ回路又はトーンコントロール回路
の特性が反映される結果、SN比が改善される等、ノイ
ズに強い優れた音響特性が得られるのである。
【0062】この実施例では、単一チャンネルを例に取
って説明したが、ステレオ等の複数チャンネルを持つ音
響装置では、各チャンネルに対して音質調整装置32を
設置し、単一又は複数の直流制御電圧を用いて個別に又
は共通に音質調整を行なうことができる。
【0063】なお、実施例では、周波数帯域として説明
したが、この周波数帯域は非常に狭い周波数範囲から広
い周波数範囲のものまでも含む概念であり、本発明は特
定の周波数を中心周波数とする複数の周波数に対しても
適用することができる。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本願発明のグラフ
ィックイコライザ回路によれば、強調すべき周波数帯域
又は減衰すべき周波数帯域を調整すべき入力信号を電圧
−電流変換により信号電流に変換し、この信号電流から
抽出した強調すべき周波数帯域又は減衰すべき周波数帯
域を調整すべき信号電流の減算又は加算により強調又は
抑制して所望の周波数帯域を強調又は減衰させた出力信
号を得ることができ、電流伝送を基調としているためS
N比を向上させることができ、ICに適した回路として
構成することができる。
【0065】また、本発明によれば、所望の周波数帯域
の強調等の制御やグラフィックイコライザ回路が持つS
N比の改善により、優れた音質特性を得ることができ、
しかも、連続的な音質制御ができ、オーディオ装置にお
ける前面パネル面でのデザイン上に制約を課すこともな
い汎用性の高い音響装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のグラフィックイコライザ回路の一実施
例を示す回路図である。
【図2】本発明のグラフィックイコライザ回路を用いた
トーンコントロール回路の一例を示すブロック図であ
る。
【図3】図2に示したトーンコントロール回路の具体的
な回路構成例の一部を示す回路図である。
【図4】図2に示したトーンコントロール回路の具体的
な回路構成例の一部を示す回路図である。
【図5】図2に示したトーンコントロール回路の具体的
な回路構成例の一部を示す回路図である。
【図6】図2に示したトーンコントロール回路の具体的
な回路構成例の一部を示す回路図である。
【図7】本発明のグラフィックイコライザ回路を用いた
音響装置の一実施例を示したブロック図である。
【図8】従来のグラフィックイコライザ回路を示す回路
図である。
【図9】グラフィックイコライザ回路等に用いられる可
変抵抗回路を示す回路図である。
【図10】従来のオーディオ装置の前面パネルの形態を
示す正面図である。
【図11】従来のオーディオ装置の他の前面パネルの形
態を示す正面図である。
【符号の説明】
2 グラフィックイコライザ回路4 電圧−電流変換器(第1の電圧−電流変換手段) 8 2分配回路(電流分配手段) 10A 周波数強調系統 10B 周波数減衰系統 12 加算器(第1の減算手段) 14 電流−電圧変換器(電流−電圧変換手段) 21,22 フィルタ 32 音質調整装置 41,42・・・ 電圧−電流変換器(第の電圧−電
流変換手段) 61,62・・・ 電圧−電流変換器(第の電圧−電
流変換手段) 101,102 加算器(第2の減算手段) 140 加算器(加算手段) AX /R 第1の伝達コンダクタンス BX /R 第2の伝達コンダクタンス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−51606(JP,A) 特開 平1−179510(JP,A) 特開 昭63−276312(JP,A) 特開 昭63−276311(JP,A) 特開 昭61−123305(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H03G 5/00 - 11/08 H04R 3/04

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 特定の周波数帯域を強調又は減衰させる
    べき入力信号を電流に変換する電圧−電流変換手段と、 この電圧−電流変換手段で得た信号電流を出力側に伝送
    させる信号電流と周波数を調整すべき信号電流とに分流
    させる電流分配手段と、 この電流分配手段から前記信号電流を受けて電圧変換す
    る電流−電圧変換手段と、 この電流−電圧変換手段から電圧信号を受けて 強調又は
    減衰させるべき周波数帯域の信号を選択的に通過させる
    フィルタと、 このフィルタで得られた前記周波数帯域を持つ信号を電
    流に変換し、この電流を前記入力信号を表す前記信号電
    流から減算することにより特定の周波数帯域を減衰させ
    て取り出す周波数減衰系統と、 前記フィルタで得られた前記周波数帯域を持つ信号を電
    流に変換し、この電流を前記入力信号を表す信号電流に
    加算することにより特定の周波数帯域を強調して取り出
    す周波数強調系統と、この周波数強調系統で得られた信号電流、前記周波数減
    衰系統で得られた信号電流を合成して周波数調整電流を
    得る電流合成手段と、 この電流合成手段で得た前記周波数調整電流と前記電流
    分配手段から出力側に伝送される信号電流とを加算して
    出力信号を取り出す加算手段と、 を備えたことを特徴とするグラフィックイコライザ回
    路。
  2. 【請求項2】 特定の周波数帯域を強調又は減衰させる
    べき入力信号を信号電流に変換する第1の電圧−電流変
    換手段と、 この第1の電圧−電流変換手段で得た信号電流を出力側
    に伝送させ又は周波数を調整すべき第1の信号電流に分
    流させる電流分配手段と、 この電流分配手段から前記第1の信号電流を受け、 この
    第1の信号電流から第2の信号電流を減算する第1の減
    算手段と、 この第1の減算手段で得られた信号電流を電圧に変換す
    る電流−電圧変換手段と、 この電流−電圧変換手段の出力信号を受けて特定の周波
    数帯域の信号成分を取り出すフィルタと、 第1の伝達コンダクタンスが設定され、前記フィルタの
    通過信号を電流に変換して前記第2の信号電流を取り出
    す第の電圧−電流変換手段と、 前記第1の伝達コンダクタンスとは異なる第2の伝達コ
    ンダクタンスが設定され、前記フィルタの通過信号を電
    流に変換して第3の信号電流を取り出す第の電圧−電
    流変換手段と、 この第の電圧−電流変換手段で得られた前記第3の信
    号電流から前記第2の信号電流を減算する第2の減算手
    段と、 この第2の減算手段で得られた信号電流と前記第1の信
    号電流とを加算して出力信号を取り出す加算手段と、 を備えて、第1の伝達コンダクタンスが零より大きいと
    きには第2の伝達コンダクタンスを零、第2の伝達コン
    ダクタンスが零より大きいときには第1の伝達コンダク
    タンスを零に制御することにより、所望の周波数帯域を
    減衰又は強調した出力信号を取り出すようにしたことを
    特徴とするグラフィックイコライザ回路。
  3. 【請求項3】 特定の周波数帯域を強調又は減衰させる
    べき入力信号を電流に変換する電圧−電流変換手段と、 この電圧−電流変換手段で得た信号電流を出力側に伝送
    させる信号電流と周波数を調整すべき信号電流とに分流
    させる電流分配手段と、 この電流分配手段から前記信号電流を受けて電圧変換す
    る電流−電圧変換手段と、 この電流−電圧変換手段から電圧信号を受けて 強調又は
    減衰させるべき周波数帯域の信号を選択的に通過させる
    フィルタと、 このフィルタで得られた前記周波数帯域を持つ信号を電
    流に変換し、この電流を前記入力信号を表す前記信号電
    流から減算することにより特定の周波数帯域を減衰させ
    て取り出す周波数減衰系統と、 前記フィルタで得られた前記周波数帯域を持つ信号を電
    流に変換し、この電流を前記入力信号を表す信号電流に
    加算することにより特定の周波数帯域を強調して取り出
    す周波数強調系統と、この周波数強調系統で得られた信号電流、前記周波数減
    衰系統で得られた信号電流を合成して周波数調整電流を
    得る電流合成手段と、 この電流合成手段で得た前記周波数調整電流と前記電流
    分配手段から出力側に伝送される信号電流とを加算して
    出力信号を取り出す加算手段と、 を備えたことを特徴とするグラフィックイコライザ回路
    を用いた音響装置。
  4. 【請求項4】 特定の周波数帯域を強調又は減衰させる
    べき入力信号を信号電流に変換する第1の電圧−電流変
    換手段と、 この第1の電圧−電流変換手段で得た信号電流を出力側
    に伝送させ又は周波数を調整すべき第1の信号電流に分
    流させる電流分配手段と、 この電流分配手段から前記第1の信号電流を受け、 この
    第1の信号電流から第2の信号電流を減算する第1の減
    算手段と、 この第1の減算手段で得られた信号電流を電圧に変換す
    る電流−電圧変換手段と、 この電流−電圧変換手段の出力信号を受け、特定の周波
    数帯域の信号成分を取り出すフィルタと、 第1の伝達コンダクタンスが設定され、前記フィルタの
    通過信号を電流に変換して前記第2の信号電流を取り出
    す第の電圧−電流変換手段と、 前記第1の伝達コンダクタンスとは異なる第2の伝達コ
    ンダクタンスが設定され、前記フィルタの通過信号を電
    流に変換して第3の信号電流を取り出す第の電圧−電
    流変換手段と、 この第の電圧−電流変換手段で得られた前記第3の信
    号電流から前記第2の信号電流を減算する第2の減算手
    段と、 この第2の減算手段で得られた信号電流と前記第1の信
    号電流とを加算して出力信号を取り出す加算手段と、 を備えて、第1の伝達コンダクタンスが零より大きいと
    きには第2の伝達コンダクタンスを零、第2の伝達コン
    ダクタンスが零より大きいときには第1の伝達コンダク
    タンスを零に制御することにより、所望の周波数帯域を
    減衰又は強調した出力信号を取り出すようにしたことを
    特徴とするグラフィックイコライザ回路を用いた音響装
    置。
  5. 【請求項5】 特定の周波数帯域を強調又は減衰させる
    べき入力信号を電流に変換する電圧−電流変換手段と、 この電圧−電流変換手段で得た信号電流を出力側に伝送
    させる信号電流と周波数を調整すべき信号電流とに分流
    させる電流分配手段と、 この電流分配手段から前記信号電流を受けて電圧変換す
    る電流−電圧変換手段と、 この電流−電圧変換手段から電圧信号を受けて 強調又は
    減衰させるべき周波数帯域の信号を選択的に通過させる
    フィルタと、 このフィルタで得られた前記周波数帯域を持つ信号を電
    流に変換し、この電流を前記入力信号を表す前記信号電
    流から減算することにより特定の周波数帯域を減衰させ
    て取り出す周波数減衰系統と、 前記フィルタで得られた前記周波数帯域を持つ信号を電
    流に変換し、この電流を前記入力信号を表す信号電流に
    加算することにより特定の周波数帯域を強調して取り出
    す周波数強調系統と、この周波数強調系統で得られた信号電流、前記周波数減
    衰系統で得られた信号電流を合成して周波数調整電流を
    得る電流合成手段と、 この電流合成手段で得た前記周波数調整電流と前記電流
    分配手段から出力側に伝送される信号電流とを加算して
    出力信号を取り出す加算手段と、 を備えるグラフィックイコライザ回路によってトーンコ
    ントロール回路を構成し、単一の直流制御電圧を以て単
    一又は複数チャンネルの音声信号の音質制御を行なうよ
    うにしたことを特徴とするグラフィックイコライザ回路
    を用いた音響装置。
  6. 【請求項6】 特定の周波数帯域を強調又は減衰させる
    べき入力信号を信号電流に変換する第1の電圧−電流変
    換手段と、 この第1の電圧−電流変換手段で得た信号電流を出力側
    に伝送させ又は周波数を調整すべき第1の信号電流に分
    流させる電流分配手段と、 この電流分配手段から前記第1の信号電流を受け、 この
    第1の信号電流から第2の信号電流を減算する第1の減
    算手段と、 この第1の減算手段で得られた信号電流を電圧に変換す
    る電流−電圧変換手段と、 この電流−電圧変換手段の出力信号を受け、特定の周波
    数帯域の信号成分を取り出すフィルタと、 第1の伝達コンダクタンスが設定され、前記フィルタの
    通過信号を電流に変換して前記第2の信号電流を取り出
    す第の電圧−電流変換手段と、 前記第1の伝達コンダクタンスとは異なる第2の伝達コ
    ンダクタンスが設定され、前記フィルタの通過信号を電
    流に変換して第3の信号電流を取り出す第の電圧−電
    流変換手段と、 この第の電圧−電流変換手段で得られた前記第3の信
    号電流から前記第2の信号電流を減算する第2の減算手
    段と、 この第2の減算手段で得られた信号電流と前記第1の信
    号電流とを加算して出力信号を取り出す加算手段と、 を備えて、第1の伝達コンダクタンスが零より大きいと
    きには第2の伝達コンダクタンスを零、第2の伝達コン
    ダクタンスが零より大きいときには第1の伝達コンダク
    タンスを零に制御することにより、所望の周波数帯域を
    減衰又は強調した出力信号を取り出すグラフィックイコ
    ライザ回路によってトーンコントロール回路を構成し、
    単一の直流制御電圧を以て単一又は複数チャンネルの音
    声信号の音質制御を行なうようにしたことを特徴とする
    グラフィックイコライザ回路を用いた音響装置。
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