JP2965594B2 - 転写材 - Google Patents

転写材

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JP2965594B2
JP2965594B2 JP191690A JP191690A JP2965594B2 JP 2965594 B2 JP2965594 B2 JP 2965594B2 JP 191690 A JP191690 A JP 191690A JP 191690 A JP191690 A JP 191690A JP 2965594 B2 JP2965594 B2 JP 2965594B2
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功一 嶋本
満美 田口
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Nissha Printing Co Ltd
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Nissha Printing Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
この発明は、化粧品容器・電気器具・雑貨などに、耐
摩耗性、耐候性、耐薬品性、耐溶剤性、耐熱性に優れた
層を設けることのできる転写材に関するものである。
【従来の技術】
従来、転写材は、種々の基材表面に図柄を形成する際
に用いられており、基体シート上に設けられた各層は樹
脂を主成分とするものであった。
【発明が解決しようとする課題】
しかし、樹脂は有機物であるため耐摩耗性、耐候性、
耐薬品性、耐溶剤性、耐熱性などの物性が低いので、こ
の転写材を基材上に転写して得られた転写層にはたとえ
ば次のような欠点があった。 剥離層の場合は、耐摩耗性が低いために表面が傷つい
たり、耐薬品性、耐溶剤性が低いためにアルコールなど
によって損なわれたりした。 図柄層の場合は、耐熱性が低いために軟化して図柄が
ずれたり、耐候性が低いために長時間おいておくと変色
したりした。 蒸着前アンカー層の場合は、耐熱性が低いために軟化
してひずみを生じ蒸着面にヤケが生じたりした。 接着層の場合は、耐熱性が低いために軟化して転写後
に基材との密着力が低下した。 この発明は以上のような課題を解決し、耐摩耗性、耐
候性、耐薬品性、耐溶剤性、耐熱性に優れた層を設ける
ことのできる転写材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、離型性を有する基体シ
ート上に設けられた層のうち少なくとも一層が、金属酸
化物系ポリマーを含む層で構成されるようにこの発明の
転写材を構成した。 図面を参照しながらこの発明をさらに詳しく説明す
る。第1図はこの発明の転写材の一実施例を示す断面図
である。1は基体シート、2は剥離層、3は図柄層、4
は蒸着前アンカー層、5は蒸着層、6は蒸着後アンカー
層、7は接着層をそれぞれ示す。 基体シート1としては、ポリエチレンテレフタレート
やポリプロピレン・ポリエチレン・ポリアミド・セロハ
ン・ポリイミド・ポリエーテルエーテルケトンなどのプ
ラスチックフィルム、あるいはこれらと紙との複合フィ
ルムなど通常の転写材の基体シートとして用いられるも
のを用いる。 また、基体シート1に離型性を付与するために、基体
シート1表面に離型処理を施してもよい。離型処理とし
ては、シリコン樹脂・ウレタン樹脂・尿素樹脂・エポキ
シ樹脂などの熱硬化型樹脂、またはフッ化ビニリデン樹
脂などのフッ素化合物樹脂などを基体シート1にコーテ
ィングし、必要に応じて熱処理を施したり、あるいは、
配向性ポリプロピレンなどの離型性に優れたフィルムを
基体シート1にラミネートしてもよい。また、基体シー
ト1表面に凹凸加工が施されたものを用いてもよい。 金属酸化物系ポリマーは、アルミニウム・ケイ素・チ
タニウム・マグネシウム・ジルコニウム・インジウム・
錫・亜鉛・鉄・ニッケル・マンガン・クロム・希土類元
素からなる群から選ばれた少なくとも一つの元素からな
るアルカリ金属塩・金属アルコキシドなどを部分的にま
たはすべて加水分解したり、金属酸化物を溶解またはコ
ロイダル化して作製される金属酸化物系ポリマー溶液
(金属酸化物系ゾル、金属酸化物の水和物などともいわ
れる。)が乾燥して形成されものである。特に、アルミ
ニウム・ケイ素・チタニウム・マグネシウム・ジルコニ
ウム・インジウムおよび錫からなる群より選ばれた少な
くとも一つの元素からなる金属酸化物系ポリマーは透明
性に優れている。 金属酸化物系ポリマーを含む層を設けるには、金属酸
化物系ポリマー溶液を塗布・乾燥させるとよい。 金属酸化物系ポリマー溶液の塗布方法としては、グラ
ビア印刷法・スクリーン印刷法などの印刷法、またグラ
ビアコーター法・ロールコーター法・リバースコーター
法などのコーター法、あるいはスプレー法、スピナー法
などがある。 また、乾燥方法としては、熱風乾燥法・遠赤外線乾燥
法・レーザー照射法・電子線照射法・紫外線照射法など
がある。乾燥条件としては、たとえば熱風乾燥法では10
〜450℃で数秒〜数週間である。多くの場合は、40〜200
℃で30秒〜60分間が適当であり、基体シートまたはその
上に設けられた他の層の耐熱性と作業性を考慮して決定
する。金属酸化物系ポリマー溶液の乾燥時の反応雰囲気
としては空気中でも問題ないが、金属酸化物の酸化状
態、配向状態や配列状態などを変えるために、不活性ガ
ス雰囲気または窒素雰囲気、水素雰囲気、湿度制御雰囲
気などで行ってもよい。 さらに、必要に応じて、添加剤、酸・アルカリなどの
反応助剤や反応促進剤などを金属酸化物系ポリマー溶液
中に加えてもよいし、樹脂を混入して塗布適性および可
撓性を向上させることもできる。窒素または酸素の少な
くとも一つの元素を有する添加剤は、金属酸化物系ポリ
マー溶液中に加えられることにより可撓性や転写密着性
を高めることができる。添加剤の種類としては、高沸点
溶剤・可塑剤・ミセル化剤・界面活性剤・シランカップ
リング剤・オリゴマーなどがあるが、特にこれらのうち
で、アミノ基・アミド基・イミド基・エーテル基・水酸
基のうち少なくとも一つの官能基を有する化合物が金属
酸化物系ポリマーとの親和性に優れている。このような
添加剤としては、たとえばN,Nジメチルアクリルアミド
・N,Nジメチルアセトアミド・ジメチルアミノプロピル
メタアクリルアミド・ポリアミド・ジオキサン・ポリエ
チレングリコール・グリセリン・2エチルヘキシルグリ
コール・イソブタノール・ポリビニルアルコールなどが
ある。 金属酸化物系ポリマーを含む層を剥離層2とするに
は、金属酸化物系ポリマー溶液を基体シート上に、塗布
・乾燥して設けるとよい。転写後の剥離層2は、耐摩耗
性に優れているので表面強度が高く、耐薬品性、耐溶剤
性に優れているので剥離層の下に設けられた層も保護す
ることができる。 図柄層3とするには、金属酸化物系ポリマー溶液中に
着色材を加えて適当なパターンに塗布・乾燥して設ける
とよい。このとき着色材としては、染料、有機顔料、無
機顔料、体質顔料などを用いることができる。転写後の
図柄層3は、耐熱性が優れているので図柄は固定され、
また耐候性に優れているので綺麗な色を維持することが
できる。 蒸着前アンカー層4とするには、金属酸化物系ポリマ
ー溶液を蒸着層5の前に塗布・乾燥して設けるとよい。
転写後の蒸着前アンカー層4は、耐熱性に優れているの
でひずみが生じて蒸着面においてヤケが起こることがな
く美麗な金属光沢が得られる。 接着層7とするには、金属酸化物系ポリマー溶液中に
窒素または酸素の少なくとも一つの元素を有する添加剤
を加えてに塗布・乾燥して設けるとよい。転写後の接着
層7は、耐熱性に優れ基材との密着力を維持できる。 また、すべての層を金属酸化物系ポリマーを含む層と
してもよいし、一部の層を金属酸化物系ポリマーを含む
層とし、他の層を他の素材からなる層で構成してもよ
い。 たとえば、樹脂を主成分とする層を設けてもよい。熱
可塑性樹脂としては、アクリル系樹脂・塩化ビニル酢酸
ビニル共重合体系樹脂・塩素化ゴム系樹脂・ポリエステ
ル系樹脂・アルキッド系樹脂・ポリアミド系樹脂・炭化
水素系樹脂などがあり、熱硬化性樹脂としては、尿素系
樹脂・エポキシ系樹脂・ウレタン系樹脂・フェノール系
樹脂・メラミン系樹脂などがある。 また、それが金属酸化物系ポリマーを含む層に隣接す
る層である場合、金属酸化物系ポリマーと親和性を有す
る樹脂にしてもよい。特にアミノ基・エーテル基・水酸
基およびエステル基からなる群より選ばれた少なくとも
一つの官能基を有する樹脂が適している。なお、この発
明でいうアミノ基はイミノ基を含むものである。たとえ
ば、アミノ基を有する樹脂としてはポリアミド系樹脂・
ウレタン系樹脂・尿素系樹脂・メラミン系樹脂などがあ
り、エーテル基を有する樹脂としてはポリビニルアセタ
ール系樹脂・ポリビニルエーテル系樹脂・ポリエーテル
系樹脂・ポリエチレンオキサイド系樹脂などがあり、水
酸基を有する樹脂としてはフェノール系樹脂・ポリビニ
ルアルコール系樹脂・フェノキシ系樹脂・エポキシ系樹
脂・ポリエステルポリオール系樹脂などがあり、エステ
ル基を有する樹脂としてはアルキッド系樹脂・酢酸セル
ロース系樹脂・ジアリルフタレート系樹脂・ポリエステ
ル系樹脂・アクリル系樹脂などがある。これらの中で
も、ポリビニルアセタール系樹脂およびエポキシ系樹脂
が、金属酸化物系ポリマーとの親和性がもっとも優れて
いる。 また、接着層7として樹脂と金属化合物からなる層を
設けてもよい。樹脂と金属酸化物からなる接着層7は、
転写後の加熱により金属化合物を軟化または融解させた
のち凝固させることによって基材と転写層の密着性を向
上させることができる。さらにこの接着層7は金属化合
物の軟化点または融点までの耐熱性を有するので、転写
後に高温で転写物を使用する場合にも転写材を構成する
ことができる。金属化合物は、アルミニウム・ケイ素・
クロム・マンガン・鉄・ニッケル・銅・亜鉛・鉛・銀・
インジウム・錫・テルルの群からなる少なくとも一つの
金属からなるものであり、金属酸化物や金属水酸化物な
どとして用いられる。このような金属化合物としてたと
えばガラスフリットなどがある。金属化合物の軟化点ま
たは融点に特に制限はないが、300〜700℃のものが経済
性・作業性の点から望ましい。このような組成の接着層
7の塗布方法は、金属酸化物系ポリマーを含む層と同様
である。 また、蒸着層5を設けてもよく、部分的に金属を除去
する必要がある時には、溶剤などに可溶な樹脂を用い
て、除去する部分に可溶化層として塗布してから蒸着
し、樹脂ともに蒸着金属を部分的に溶剤で除去してもよ
い。蒸着層5は真空蒸着法・スパッタリング法・イオン
プレーティング法などで形成され、蒸着金属としてアル
ミニウム・ニッケル・クロムなどを用いることができ
る。 なお、この発明の転写材は、通常の転写法のほか、成
型同時転写法にも使用することができる。
【作用】
この発明の転写材を基材に重ね合わせ、加熱加圧を行
い、次いで基体シートを剥離する。転写条件は特に限定
されないが、多くの場合100℃〜250℃で、0.1秒〜5分
くらいが適当である。第2図はこの転写材が基材に転写
された状態を示す断面図であり、2は剥離層、3は図柄
層、4は蒸着前アンカー層、5は蒸着層、6は蒸着後ア
ンカー層、7は接着層、8は基材をそれぞれ示す。 また、金属酸化物系ポリマーは、10〜1000℃、1分〜
数カ月間乾燥することによって、酸化反応、脱水重縮合
反応、架橋反応などを起こして金属酸化物に変化する。
転写材の状態では金属酸化物系ポリマーが金属酸化物と
なっていたり、金属酸化物系ポリマーと金属酸化物とが
混合した状態になっていたりする。転写された後基材上
では最終的には金属酸化物になっているものである。 金属酸化物系ポリマーは無機物であるので、その性質
により、耐摩耗性、耐候性、耐薬品性、耐溶剤性、耐熱
性などに優れた層が基材上に設られる。
【実施例】
実施例1 厚さ25μmのポリイミドフィルムの基体シート上に原
子比でインジウム:錫=8:2になる金属酸化物系ポリマ
ー溶液を用いて、剥離層をグラビアコーター法で塗布
し、80℃にて30分間乾燥した後、200℃で2時間および3
50℃で5分間乾燥し、さらに450℃で5秒間乾燥した。 次に、シリカ系ポリマーと青色無機顔料よりなる青色
インキを用いて、図柄層をグラビア印刷し、120℃で1
分間加熱した。 最後に、アクリル樹脂と軟化点が450℃以上のガラス
フリットよりなるインキを用いてスクリーン印刷で接着
層を設けて、転写材を得た。 このようにして得られた転写材をガラス板に転写した
後、500℃で2時間熱処理したところ、表面が導電性、
耐摩耗性、耐溶剤性、耐熱性、耐候性に優れた図柄を有
するガラス板が得られた。 実施例2 厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを
基体シートにし、まずアクリル樹脂よりなるインキを用
いてリバースコーター法にて0.2μmの剥離層を設け
た。 その上に、シリカ系ポリマー溶液(シリカゾル)を用
いて保護層をグラビアコーター法にて塗布し、80℃1分
間乾燥し、保護層を設けた。 次に、ポリビニルブチラール樹脂と赤、青、黄それぞ
れの有機顔料よりなる3色のインキを用いてグラビア印
刷法にて図柄層を設けた。 最後に、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂よりなるイ
ンキを用いてスクリーン印刷で接着層を設けて転写材を
得た。 このようにして得られた転写材は、剥離層が樹脂から
なる層であっても、剥離層は非常に薄いので耐摩耗性、
耐薬品性、耐溶剤性、耐候性に優れた保護層の表面強度
および図柄層の保護機能を妨げなかった。 実施例3 厚さ3μmの配向性ポリオレフインフィルムを基体シ
ートにし、原子比でケイ素:チタニウム=19:1からなる
金属酸化物系ポリマー溶液と青色無機顔料からなる青色
のインキをグラビア印刷法にて塗布した後100℃で20分
間乾燥して、図柄層を形成した。 次に、アクリル樹脂よりなるインキを用いてグラビア
印刷法にて接着層を設けて転写材を得た。 このようにして得られた転写材をポリスチレン成形品
に転写することによって、図柄層が耐摩耗性、耐薬品
性、耐溶剤性、耐熱性、耐候性に優れた図柄を有するポ
リスチレン成形品が得られた。 実施例4 厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを
基体シートとし、その上にアクリル樹脂と赤色有機顔料
よりなる赤色のインキを用いてグラビア印刷法にて図柄
層を設けた。 次に、シラン系ポリマーからなる蒸着前アンカー層を
グラビア印刷法にて設け100℃で1分間乾燥し、アルミ
ニウムを蒸着し、さらに塩化ビニル酢酸ビニル共重合体
樹脂よりなるインキを用いてグラビア印刷法にて蒸着後
アンカー層を設けた。 最後に、アクリル樹脂よりなるインキを用いて接着層
をグラビア印刷法にて形成した。 このようにして、蒸着前アンカー層が耐熱性に優れて
いるので、過酷な作業条件でも美麗な金属光沢を有する
転写材を得ることができた。 実施例5 厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに
メラミン樹脂をコーティングして加熱処理した基体シー
トに、その上に原子比でケイ素:アルミニウム=9:1か
らなる金属酸化物系ポリマー溶液をグラビア印刷で塗布
した後120℃で5分間乾燥して剥離層を設けた。 次に、原子比でケイ素:マグネシウム=10:1からなる
金属酸化物系ポリマー溶液と赤、青、黄それぞれの無機
顔料よりなる3色のインキをスクリーン印刷法にてそれ
ぞれ塗布した後150℃で3分間乾燥して、図柄層を形成
した。 その上に、シラン系ポリマー溶液をグラビア印刷法に
て塗布した後120℃で10分間乾燥して蒸着前アンカー層
を設け、アルミニウムを蒸着し、さらにその上にシラン
系ポリマー溶液とポリエチレングリコールからなるイン
キをスクリーン印刷法にて塗布した後120℃で1分間乾
燥して接着層を設けて転写材を得た。 このようにして得られた転写材をコーヒーカップなど
のセラミックスコースターに転写することによって、転
写層が耐摩耗性、耐薬品性、耐溶剤性、耐候性、耐熱性
に優れた転写柄を有するセラミックスコースターを得る
ことができた。 実施例6 厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに
ワックスをコーティングした基体シートにシリカ系ポリ
マー溶液と赤色無機顔料からなる赤色のインキをグラビ
ア印刷で塗布した後80℃で50分間乾燥して、図柄層を形
成した。 次に、金属化合物として軟化点が365℃以上のガラス
フリットを用い、ガラスフリットとアクリル樹脂からな
る接着層をロールコーター法で設けて転写材を得た。 このようにして得られた転写材をセラミックスに転写
した後450℃まで加熱して、基材と転写層を強固に密着
させた。このセラミックスはガラスフリットの軟化点ま
での高温で使用しても図柄に問題は生じなかった。 実施例7 厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに
メラミン樹脂をコーティングして加熱処理した基体シー
トに、原子比でケイ素:アルミニウム=8:2からなる金
属酸化物系ポリマー溶液からなるインキをスクリーン印
刷法にて塗布した後150℃で1分間乾燥して、剥離層を
形成した。 次に、エポキシ樹脂よりなるインキを用いてグラビア
印刷法にてアンカー層を設けた。 さらにポリエステル樹脂と油溶性青色染料よりなるイ
ンキを用いてグラビア印刷法にて図柄層を設けた。 最後に、ポリエステル樹脂よりなるインキを用いて接
着層をグラビア印刷で形成して転写材を得た。 このようにして得られた転写材をポリエステル成形品
に転写することによって、耐摩耗性、耐薬品性、耐溶剤
性、耐熱性、耐候性に優れた図柄を有するポリエステル
成形品が得られた。 実施例8 厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを
基体シートとし、まず剥離層としてアクリル樹脂をリバ
ースコーター法にて厚さ0.1μmに塗布した。その上
に、シリカ系ポリマー溶液をロールコーター法にて厚さ
15μmに塗布し、60℃にて2分間乾燥し、さらに180℃
で20分間乾燥した。 次いで、エポキシ樹脂と緑、赤、青、黄それぞれの顔
料よりなる4色のインキを用いてグラビア印刷法にて図
柄層を形成した。 最後に、アクリル樹脂よりなる接着層を設けて転写材
を完成した。 このようにして得た転写材をアクリル板に転写し、基
体シートを剥離して、図柄を転写した。このアクリル板
の最表面には薄いアクリル層が、次いでシリカ層が形成
されている。アクリル層は非常に薄いので、シリカ層の
表面強度および図柄層の保護機能を妨げなかった。 比較例として、金属酸化物系ポリマーを含む層を省略
した転写材を作製し、それぞれ表面強度を測定したとこ
ろ、表1に示す結果を得た。また、アセトンおよびメチ
ルエチルケトンを含ませた脱脂綿で成型品の表面をそれ
ぞれ100回こすったところ、本実施例ではまったく変化
が生じなかったが、比較例では図柄層がこすり取れた。 実施例9 厚さ25μmのポリイミドフィルムを基体シートとし、
その上にアルミニウム:ケイ素=1:1の比率の金属酸化
物系ポリマー溶液をグラビアコーター法にて厚さ5μm
に塗布し、80℃にて30分間乾燥した後、200℃で2時間
および350℃で5分間乾燥し、さらに450℃で5秒間乾燥
した。 次に、ポリビニルブチラール樹脂よりなるインキを用
いて全面に透明な層を設け、次いでポリビニルブチラー
ル樹脂よりなるインキで図柄層を部分的に設けた。 最後に、アクリル樹脂よりなるインキを用いて接着層
をスクリーン印刷法にて形成して転写材を完成した。 このようにして得た転写材をABS成型品に転写し、ア
ルミナおよびシリカの複合膜を最表面に形成した。 比較例として、金属酸化物系ポリマーを含む層を省略
した転写材を作製し、それぞれ表面強度を測定したとこ
ろ、表1に示す結果を得た。また、アセトンおよびメチ
ルエチルケトンを含ませた脱脂綿で成型品の表面をそれ
ぞれ100回こすったところ、本実施例ではまったく変化
が生じなかったが、比較例では図柄層がこすり取れた。 実施例10 厚さ30μmの配向性ポリオレフィンフィルムを基体シ
ートとし、その上にケイ素:チタニウム=4:1の比率の
金属酸化物系ポリマーを含む層をスピナー法にて厚さ0.
1μmに塗布し、60℃にて2時間乾燥した。 次に、熱硬化性アクリル樹脂よりなるインキを用いて
グラビア印刷法にて図柄層を設け、80℃で2分間乾燥し
た。 最後に、アクリル樹脂と塩化ビニル酢酸ビニル共重合
体樹脂よりなるインキを用いて接着層をグラビア印刷法
にて形成して転写材を完成した。 このようにして得た転写材をハイインパクトポリスチ
レン成型品に転写し、シリカおよびチタニアの複合膜を
最表面に形成した。 比較例として、金属酸化物系ポリマーを含む層を省略
した転写材を作製し、それぞれ表面強度を測定したとこ
ろ、表1に示す結果を得た。また、アセトンおよびメチ
ルエチルケトンを含ませた脱脂綿で成型品の表面をそれ
ぞれ100回こすったところ、本実施例ではまったく変化
が生じなかったが、比較例では図柄層がこすり取れた。 実施例11 厚さ30μmのポリエーテルエーテルケトンフィルムを
基体シートとし、その上にアルミニウム:マグネシウム
=9:1の比率の金属酸化物系ポリマー溶液をスプレー法
にて厚さ1μmに塗布し、100℃にて50分間乾燥した
後、180℃で10分間乾燥した。 次に、ウレタン樹脂よりなるインキを用いてグラビア
印刷法にて図柄層を設けた。 最後にアクリル樹脂よりなるインキを用いて接着層を
グラビア印刷法にて形成して転写材を完成した。 このようにして得た転写材をポリスチレン樹脂を用い
て成形同時転写し、アルミナおよびマグネシアの複合膜
を最表面に有するポリスチレン成型品を形成した。 比較例として、金属酸化物系ポリマーを含む層を省略
した転写材を作製し、それぞれ表面強度を測定したとこ
ろ、表1に示す結果を得た。また、アセトンおよびメチ
ルエチルケトンを含ませた脱脂綿で成型品の表面をそれ
ぞれ100回こすったところ、本実施例ではまったく変化
が生じなかったが、比較例では図柄層がこすり取れた。 実施例12 厚さ50μmのポリエステルフィルムの基体シートに、
離型層としてメラミン樹脂をリバースコーター法で塗布
し熱処理した。その上にアルミニウム:ジルコニウム:
ケイ素=4:2:4の比率の金属酸化物系ポリマーを含む層
をグラビア印刷にて厚さ0.8μmに塗布し、100℃にて2
分間乾燥した後、150℃で20分間さらに180℃で2分間乾
燥した。 次に、フェノキシ樹脂よりなるインキを用いて全面に
透明な層を設け、次いでポリエステル樹脂よりなるイン
キを用いて図柄層をスクリーン印刷法にて設けた。さら
に、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂よりなるインキ
で蒸着アンカー層をグラビア印刷法にて設けた後、アル
ミニウムを蒸着し、さらにその上に前記と同様の蒸着ア
ンカー層を設けた。 最後に、アクリル樹脂よりなるインキを用いて接着層
をグラビア印刷法にて形成して転写材を完成した。 このようにして得た転写材をABS成型品に転写し、ア
ルミナおよびジルコニアおよびシリカの複合膜を最表面
に形成した。 比較例として、金属酸化物系ポリマーを含む層を省略
した転写材を作製し、それぞれ表面強度を測定したとこ
ろ、表1に示す結果を得た。また、アセトンおよびメチ
ルエチルケトンを含ませた脱脂綿で成型品の表面をそれ
ぞれ100回こすったところ、本実施例ではまったく変化
が生じなかったが、比較例では図柄層がこすり取れた。
【発明の効果】
この発明の転写材は、金属酸化物系ポリマーが無機物
であるため、耐摩耗性、耐候性、耐薬品性、耐溶剤性、
耐熱性などの諸物性に優れた層を基材上に設けることが
できる。
【図面の簡単な説明】 第1図はこの発明の転写材の一実施例を示す断面図、第
2図はこの発明の転写材が基材に転写された状態をを示
す断面図である。 1……基体シート、2……剥離層、3……図柄層、4…
…蒸着前アンカー層、5……蒸着層、6……蒸着後アン
カー層、7……接着層、8……基材。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】離型性を有する基体シート上に設けられた
    層のうち少なくとも一層が、透明な金属酸化物系ポリマ
    ーを含む層で構成されたことを特徴とする転写材。
  2. 【請求項2】金属酸化物系ポリマーを含む層の金属が、
    アルミニウム・ケイ素・チタニウム・マグネシウム・ジ
    ルコニウム・インジウムおよび錫からなる群より選ばれ
    た少なくとも一つの元素である請求項1記載の転写材。
  3. 【請求項3】金属酸化物系ポリマーを含む層に隣接する
    層が、アミノ基・エーテル基・水酸基およびエステル基
    からなる群より選ばれた少なくとも一つの官能基を有す
    る樹脂を主成分とするものである請求項1記載の転写
    材。
  4. 【請求項4】金属酸化物系ポリマーを含む層が、窒素ま
    たは酸素の少なくとも一つの元素を有する添加剤を含む
    ものである請求項1記載の転写材。
  5. 【請求項5】接着層が、樹脂と金属化合物からなるもの
    である請求項1記載の転写材。
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