JP2965156B2 - 焼結層の形成方法 - Google Patents

焼結層の形成方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は焼結層の形成方法に関し、特に鉄系共晶合金
焼結材を鉄系金属に鋳ぐるんで耐摩耗性焼結層を形成す
る方法に関するものである。
〔従来技術〕 従来、自動車用エンジンの鋳鉄製カムシャフトなどの
カム部やジャーナル部の耐摩耗性向上の為、鋳造時鋳型
の一部として冷し金を組込み、この冷し金に接触する溶
湯の急冷凝固により微細なチル組織化し耐摩耗性を向上
させる方法が広く実用化されている。しかし、この方法
では耐摩耗性を向上させるのに限界があり、鋳型の鋳造
も複雑化し且つ高価な冷し金も多数必要となる。
そこで、耐摩耗性合金粉末を成形・焼結してなる焼結
部材を鋳型内に取付けた状態で鋳鉄の溶湯を鋳込み、上
記焼結部材を鋳鉄に拡散接合させて焼結部材を鋳ぐるん
だ鋳ぐるみカムシャフトとする技術が採用されつつあ
る。例えば、特開昭60−76268号公報には、耐摩耗性焼
結カムピースやジャーナルピースを鋳型内にセットし、
その鋳型内に鋳鉄溶湯を鋳込んでシャフト部を形成する
とともに、シャフト部とカムピース及びジャーナルピー
スとを一体的に結合するカムシャフトの製造方法が記載
されている。この場合、上記カムピースの焼結体の為の
材料としては、重量%にてCr:2〜15%、Mo:0.5〜5%、
V:0.5〜5%、C:0.5〜3%及び残部実質的にFeとからな
る合金粉末材料、或いはCr:2〜10%、Mo:0.1〜0.5%、
V:0.1〜0.5%、C:0.5〜3.0%、P:0.3〜0.7%及び残部Fe
とからなる合金粉末材料が有効であるとされている。上
記焼結カムピースは、上記何れかの組成の材料を用いて
カムピースの形状に成形したものを非酸化性雰囲気中で
焼結して製造される。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記公報に記載された技術においては、カムピースの
質量が大きいこと及びカムピースの材料中に含まれるMo
やPの量が少ないため鋳鉄材料の鋳込時焼結カムピース
からの液相の晶出が組成的に少ないこと、などの理由に
より鋳込時にカムピースに接触する溶湯が急冷凝固し、
鋳鉄材料とカムピースとの接合不良が起るという問題が
ある。上記カムピースの質量を小さくするために、カム
部全体を焼結部材で形成することは好ましくなく、カム
部のカム形成部近傍部のみを焼結部材とすることが望ま
しい。
そこで、カム部のカム形成部近傍部の表層部に比較的
薄肉の焼結材を鋳ぐるんで耐摩耗性焼結層を形成しよう
とすると、溶湯の鋳込み時に熱容量の小さな焼結材が急
激に昇温しその熱衝撃で焼結材にクラックが発生し、所
期の焼結層を形成することが難しいという問題がある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明に係る焼結層の形成方法は、0.8〜2.0重量%の
Pと、3.5〜7.0重量%のMoと、5.0〜10.0重量%のCr
と、1.5〜3.0重量%のCと、Feとを含んだ鉄系共晶合金
粉末で成形体を形成し、上記成形体をFe−P−C系共晶
合金の共晶温度とFe−Mo−C系共晶合金の共晶温度との
間の温度で焼結して焼結材を形成し、次に上記焼結材を
鋳型に取付け、次に上記鋳型に鉄系金属の溶湯を供給し
て焼結材を鉄系金属に一体的に接合させるものである。
上記Fe、P、Mo、及びCrを含んだ鉄系共晶合金粉末と
しては、重量%でP:0.8〜2.0%、Mo:3.5〜7.0%、C:1.5
〜3.0%、Cr:5.0〜10.0%及び残部実質的にFeからなる
鉄系共晶合金粉末を用いることが望ましい。
Cについて説明すると、CはFe及びPと結合してFe−
P−C系共晶合金(融点950℃)を形成して合金化に役
立つとともに、Fe及びMoと結合してFe−Mo−C系共晶合
金(融点1070℃)を形成して合金化に役立つ一方、基地
組織を強化するとともにFe、P、Mo、Cr等の炭化物から
なる硬化相を形成する。Cが1.5%未満では低融点晶出
物の生成が少なくなって、鉄系金属溶湯と反応しにくく
なる。また、Cが3.0%を越えると析出する硬化相が多
くなりすぎ、靭性が低下してクラックが発生しやすくな
る。
Pについて説明すると、PはFe及びCと結合してFe−
P−C系共晶合金を形成して耐摩耗性を向上させるとと
もに合金の融点を低下させ液相を晶出する。Pが0.8%
未満では液相量が少なくなり、合金の密度が大きくなら
ないと同時に鉄系金属溶湯と反応しにくくなって接合不
良が起きる。また、Pが2.0%を越えると液相量が過多
となって鋳ぐるみ時に溶融してしまう。
Moについて説明すると、Moは基地の強化特に耐熱衝撃
性の強化及びその炭化物の析出により硬化相の形成に寄
与し、Fe及びCと結合してFe−Mo−C系共晶合金を形成
して液相を晶出し、融点を下げる役割りをする。Moが3.
5%未満では硬化相が少なくなりかつ液相量も少なくな
る。また、7.0%を越えると液相量が多くなりすぎるた
め溶湯にて溶融化しやすくなる。
Crについて説明すると、Crはその炭化物の析出により
耐摩耗性を向上させる副次的な元素として有効であり、
基地の強化特に靭性の向上と耐熱衝撃性の向上に役立
つ。Crが5.0%未満では十分な耐摩耗性が得られず、ま
た10.0%を越えると融点が上昇するため鉄系金属溶湯と
反応しにくくなる。
以上の元素の他に、溶湯による液相晶出を促進する元
素としてBが有効であり、BはFe、Cと結合してFe−B
−C系共晶合金を形成して融点を下げ液相を晶出する効
果及び硬化相を形成する効果がある。また、耐摩耗性向
上元素として、V、W、Nb、Ta、Ti等の含有も有効であ
り、これらの元素は基地の強化、特に靭性の向上に役立
ち、さらにCと結合して硬質相を形成するのに好ましい
元素である。また、耐熱衝撃性を向上させるために、N
i、Co、Cu及びWを添加してもよい。
次に、上記鉄系共晶合金粉末で形成した成形体を焼結
するときの温度について説明する。この焼結温度は、溶
湯の熱衝撃による焼結材のクラック発生を防ぐ上で非常
に重要である。即ち、Fe−P−C系共晶合金の共晶温度
(950℃)未満で焼結すると、Fe−P−C系共晶合金の
液相が晶出されないため、焼結材の密度が大きくなら
ず、気孔が多く存在して強度が低くなり、クラック発生
を防止できない。一方、Fe−Mo−C系共晶合金の共晶温
度(1070℃)以上で焼結すると、炭化物が成長し金属組
織の結晶粒が大きくなり靭性及び耐熱衝撃性が低下す
る。その結果、溶湯を鋳込んだときに溶湯からの熱によ
る熱衝撃でクラックが発生する。
次に、上記焼結材を鋳型に取付け、鉄系金属の溶湯を
鋳型に供給すると、上記焼結材に熱衝撃でクラックが発
生することなく、また鉄系金属溶湯に接触したときに焼
結材は少なくともFe−Mo−C系共晶合金の共晶温度(10
70℃)以上に加熱されるので、その共晶温合金の液相が
晶出し、焼結材と鋳込まれた鉄系金属とが拡散接合して
一体化する。
〔作用〕
本発明に係る焼結層の形成方法においては、上記鉄系
共晶合金粉末で作った成形体を、Fe−P−C系共晶合金
の共晶温度とFe−Mo−C系共晶合金の共晶温度との間の
温度で焼結するので、Fe−P−C系共晶合金の液相の晶
出によりかなりの程度まで焼結がなされ、焼結材の気孔
が減少して密度が増すとともに強度が向上する。しか
も、比較的低温での焼結なので炭化物があまり成長せず
且つ結晶粒が粗大化することもない。従って、焼結材の
強度・靭性・耐熱衝撃性が高いものとなる。
次に、その焼結材を鋳型に取付けて鉄系金属の溶湯を
溶湯すると、溶湯に接触する焼結体は、溶湯からの熱を
吸収して少なくともFe−Mo−C系共晶合金の共晶温度以
上に加熱される。これにより、Fe−Mo−C系共晶合金の
液晶が晶出して焼結材と鋳込まれた鉄系金属とが強力に
拡散接合して一体化する。このときの焼結によって炭化
物の成長が進み耐摩耗性硬化相が形成される。そして、
注湯前焼結材は前述の如く強度・靭性・耐熱衝撃性が高
いので、注湯に際して熱衝撃によって焼結材にクラック
が発生することがなく、耐摩耗性に優れた所期の焼結層
が形成されることになる。
〔発明の効果〕
本発明に係る焼結層の形成方法によれば、以上説明し
たように、成形体の焼結時にはFe−P−C系共晶合金の
液相の晶出作用を有効に活用して比較的低温で焼結を行
なうことにより、強度・靭性・耐熱衝撃性に優れた焼結
材を形成し得る、そして、この焼結材を鋳型に取付けた
状態で鉄系金属の溶湯を鋳込むので、注湯時の熱衝撃に
よって焼結材にクラックが発生するのを確実に防止する
ことが出来るだけでなく、注湯時にはFe−Mo−C系共晶
合金の液相の晶出作用を活用して焼結材と鋳込まれた鉄
系金属とを強力に拡散接合させることが出来る。
こうして、クラックを含まず且つ鉄系金属に強力に接
合した耐摩耗性に優れた焼結層を形成することが出来
る。
鉄系共晶合金粉末が0.8〜2.0重量%のPを含むので、
耐摩耗性に優れ密度が大きな焼結層となり、焼結層と鉄
系溶湯との接合も良好となる。鉄系共晶合金粉末が3.5
〜7.0重量%のMoを含むので、焼結層の耐熱衝撃性と硬
度を確保できる。鉄系共晶合金粉末が5.0〜10.0重量%
のCrを含むので、Crの炭化物の析出により耐摩耗性を確
保することができる。鉄系共晶合金粉末が1.5〜3.0重量
%のCを含むので、焼結層において硬度の高い炭化物の
析出量が過剰にならず、焼結層の靭性を確保できる。
しかも、成形体は鋳型に取付ける前に焼結しておくこ
とが必要であることに鑑みると、本発明では工程数が増
す訳でもないので、特殊な機械装置を用いずとも容易か
つ経済的に実施することが出来る。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例について説明する。
本実施例は、自動車用エンジンのタペットのカムとの
摺接部に耐摩耗性鉄系共晶合金からなる焼結層を形成す
る場合の実施例である。
実施例1 重量%にてC:2.0%、P:0.9%、Cr:9.1%、Mo:4.1%及
び残部実質的にFeからなり、粉末粒径200メッシュ以下
の耐摩耗性鉄系共晶合金粉末97重量%とアセトンで希釈
したアクリル系粘着性結合剤3重量%とを混練機で混練
後、厚さ1.5mmのシート状に成形し、このシート1を40m
mφに打抜いた粉末成形体1aを製作した(第1図
(a)、(b)参照)。
次に、脱ロウ処理(予備焼結処理)として、上記粉末
成形体1aをH2ガス雰囲気中で300℃まで加熱して60分間
保持後冷却した(第1図(c)参照)。
次に、焼結処理として、その粉末成形体を真空炉内に
収容して10℃/分昇温速度で1040℃まで加熱昇温し20分
間保持したのち、900℃まで降温しこの温度に30分間保
持した後、N2ガスにて急冷して焼結部材1Aを製作した
(第1図(d)参照)。
次に、第1図(e)に示すように、自動車用エンジン
のタペットを鋳造する為の分割式のシェル鋳型2の鋳造
キャビティ2aのうちタペットのカムとの摺接部に対応す
る部分に焼結部材1Aを配設し、次にその鋳型2の鋳造キ
ャビティ2a内へ1410℃の球状黒鉛鋳鉄FCD45の溶湯を注
湯し、上記焼結部材1Aを鋳ぐるんだ。この鋳込み時焼結
部材1AはFe−Mo−C系共晶合金の共晶温度(1070℃)よ
り高い約1250℃の温度に加熱され、本焼結されることに
なる。この結果、焼結部材1Aは溶融せず、またクラック
の発生も起らなかった。
上記脱ロウ処理及び1410℃の焼結処理(仮焼結)を施
した焼結部材1Aの金属組織を光学顕微鏡により400倍に
拡大したものが第2図(a)に示してある、一方、上記
仮焼結まで施した焼結部材1Aを複数準備し、そのうちの
2サンプルについては、上記鋳ぐるみすることなく、真
空炉内に収容して10℃/分の昇温速度で1080℃まで加熱
し、その温度に20分間保持後900℃まで降温し、900℃に
30分間保持してからN2ガスで急冷した。この本焼結処理
した焼結部材の金属組織を光学顕微鏡により400倍に拡
大したものが第2図(b)に示してある。
上記第2図(a)及び(b)とを比較すれば明らかな
ように、仮焼結した焼結部材1Aでは、白色の析出炭化物
が粗大化していないのに対し、本焼結した焼結部材では
耐摩耗性に寄与する白色の炭化物が成長し粗大化してい
る。尚、黒色部は基地(マクリックス)である。
上記鋳ぐるんだ方の焼結部材1Aと球状黒鉛鋳鉄FCD45
との接合部付近の金属組織を上記同様に400倍に拡大し
たものが第2図(c)に示してあり、符合Aは焼結部材
1Aの金属組織、BはFCD45の金属組織である。第2図
(c)から焼結部材1AとFCD45とは良好に接合している
ことが判る。
実施例2 耐摩耗性の鉄系共晶合金粉末として、重量%にてC:2.
2%、P:1.1%、Cr:8.3%、Mo:4.8%及び残部実質的にFe
からなり、粉末粒径200メッシュ以下の耐摩耗性鉄系共
晶合金粉末97重量%と、トルエンで希釈したアクリル系
粘着性結合剤3重量%とを混練機で混練後、厚さ2.0mm
のシート状に形成し、このシートを40mmφに打抜いた粉
末成形体を製作し、この粉末成形体を実施例1と同条件
にて脱ロウ後、真空炉で10℃/分昇温速度で990℃まで
加熱昇温し20分間保持したのち、900℃まで降温しこの
温度に30分間保持した後、N2ガスにて急冷して仮焼結さ
れた焼結部材を製作し、この焼結部材を実施例1と同様
の鋳型内に同様にセットし、次に鋳型内に鋳鉄FC25の13
60℃の溶湯を鋳込んで焼結部材を鋳鉄に鋳ぐるんだ。こ
の結果、上記焼結部材と鋳鉄とは良好に接合し、焼結部
材にクラックが発生することもなく、鋳鉄の表層に鉄系
共晶合金からなる耐摩耗性結晶層が形成された。
比較例1 実施例1と同様の材料で製作し且つ同様に脱ロウ処理
まで施した粉末成形体に対して、仮焼結に代えて1080℃
の本焼結を施して焼結部材を製作し、この焼結部材を実
施例1と同様に鋳型にセットし、球状黒鉛鋳鉄FCD45の1
410℃の溶湯を鋳込んで焼結部材を鋳ぐるんだ。この結
果、焼結部材には熱衝撃によるクラック(端部から中央
に向って長さ5mmのもの2本)が発生していた。これ
は、本焼結の温度が高かったので炭化物の粗大化が進
み、靭性・耐熱衝撃性などが低下したためである。
比較例2 耐摩耗性鉄系共晶合金粉末として、重量%にてC:1.8
%、P:0.9%、Cr:8.9%、Mo:4.8%及び残部実質的にFe
からなり、粉末粒径200メッシュ以下の耐摩耗性鉄系共
晶合金粉末97重量%と、トルエンで希釈したアクリル系
粘着性結合剤3重量%とを混練機で混練後、厚さ1.5mm
のシート状に形成し、このシートを39.5mmφに打抜いた
粉末成形体を製作し、この粉末成形体を実施例1と同条
件にて脱ロウ後、真空炉で10℃/分昇温速度で940℃ま
で加熱昇温し20分間保持したのち、900℃まで降温しこ
の温度に30分間保持した後、N2ガスにて急冷した。
上記のように仮焼結した焼結部材を実施例1と同様の
鋳型にセットし同様に鋳鉄FC25の1360℃の溶湯を鋳込ん
で焼結部材を鋳ぐるんだ。この結果、焼結部材には溶湯
から伝えられる熱の熱衝撃でクラック(端部から中央部
に向けて長さ8mmのもの1本と長さ5mmのもの2本)が発
生していた。これは、仮焼結時の温度がFe−P−C系共
晶合金の共晶温度(950℃)より低かったので、その共
晶合金の液相が晶出されず、気孔が多くなって強度が低
下したためである。
以上説明したように、本発明によれば、Fe、P、Mo及
びCrを含んだ鉄系共晶合金粉末を用いて、鋳鉄や球状黒
鉛鋳鉄の鋳造品の表層に耐摩耗性の焼結層を確実に形成
することが出来る。上記実施例は自動車用エンジンのタ
ペットを製造する場合のものであるが、同エンジンのカ
ムシャフトのカム部のカム形成部にも同様にして耐摩耗
性焼結層を形成することが出来る。但し、この場合カム
形成部の曲面形状に沿うような形状の焼結部材を製作
し、それを鋳ぐるめばよい。尚、本発明はタペットやカ
ムシャフト以外に耐摩耗性摺動部を必要とする各種の機
械部品の製造にも適用し得ることは言うまでもない。
尚、本発明に類似する方法として、Pe、P、B及びC
を含んだ鉄系共晶合金粉末で成形体を形成し、上記成形
体をFe−P−C系共晶合金の共晶温度とFe−B−C系共
晶合金の共晶温度との間の温度で焼結して焼結材を形成
し、その後本発明と同様に鉄系金属の溶湯に鋳ぐるんで
一体的に接合させることも考えられるし、またFe、Mo、
B及びCを含んだ鉄系共晶合金粉末を用いて同様の考え
方で処理することも考えられる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の実施例及に係るもので、第1図(a)〜
(f)は実施例1の工程説明図、第2図(a)〜(c)
は夫々実施例1における仮焼結した焼結部材の金属組織
の400倍拡写真、本焼結した焼結部材の金属組織の400倍
拡大写真及び焼結部材と球状黒鉛鋳鉄との接合部付近の
金属組織の400倍拡大写真である。 1a……粉末成形体、1A……焼結部材、2……鋳型。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F01L 1/04 F01L 1/14 D 1/14 B22F 3/10 E (72)発明者 浅井 裕史 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−65051(JP,A) 特開 昭55−145149(JP,A) 特開 昭50−158509(JP,A) 特開 昭63−235413(JP,A) 特公 昭55−51419(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 19/00 B22F 3/10 B22F 7/08 F01L 1/04 F01L 1/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】0.8〜2.0重量%のPと、3.5〜7.0重量%の
    Moと、5.0〜10.0重量%のCrと、1.5〜3.0重量%のC
    と、Feとを含んだ鉄系共晶合金粉末で成形体を形成し、
    上記成形体をFe−P−C系共晶合金の共晶温度とFe−Mo
    −C系共晶合金の共晶温度との間の温度で焼結して焼結
    材を形成し、次に上記焼結材を鋳型に取付け、次に上記
    鋳型に鉄系金属の溶湯を供給して焼結材を鉄系金属に一
    体的に接合させることを特徴とする焼結層の形成方法。
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