JP2961703B2 - キーボード装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はキーボード装置に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、エレクトロニクス機器は、極度な
小型化、薄型化が要求されている。これに応えるため
に、高密度配線が可能であり、機器本体のわずかな隙間
を利用して実装が可能なＦＰＣが多用される。

【０００３】このようなＦＰＣは、柔軟な性質に着目し
てキーボードメンブレムシートとして応用される。キー
ボードメンブレムシートを応用した例として、図５にブ
ック型のコンピュータの小型情報処理装置を示す。

【０００４】ブック型のコンピュータ６は、表面部に複
数のキートップ７をマトリクス状に配列した装置本体８
と、この装置本体８の一側に回動自在に連結される開閉
表示部９とからなる。

【０００５】装置本体８の内部には、図４に示すよう
に、上キーボードメンブレムシート２ａと下キーボード
メンブレムシート２ｂとが対向に配列され、各々コネク
タ１３を介してシステム基板１１に接続される。

【０００６】キートップ７は、上キーボードメンブレム
シート２ａ上に配置されており、該キートップ７を押す
ことにより、上キーボードメンブレムシート２ａに設け
られた接点部１０が、下キーボードメンブレムシート２
ｂの対応位置に設けられた接点部１０に接触し、キーボ
ードからの入力信号は、システム基板１１に送られる。

【０００７】さらに、装置本体８のキートップ７マトリ
クス周囲に、例えばＬＣＤ等の電子部品１が配置される
場合には、これらの電子部品１は、ケーブル１２、およ
び別のコネクタ１３’を介してシステム基板１１に接続
される。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
例においては、システム基板１１へのＬＣＤ等の電子部
品１の接続は、専用のコネクタ１３’を経由して行なわ
れるために、システム基板１１上に別のコネクタ１３’
を実装するスペースを確保する必要があり、実装面積が
少なくなる欠点を有していた。

【０００９】さらに、ＬＣＤ等の電子部品１とキーボー
ドマトリクスとは、システム基板１１上に独立に設けら
れたコネクタ１３、１３’に各々接続する必要があり、
キーボード装置の組み立てる作業が煩雑さを伴うもので
あった。

【００１０】本発明は、以上の欠点を解消すべきなされ
たものであって、システム基板１１の実装面積を拡大さ
せ、キーボードの組み立て作業の向上を図ることができ
るキーボード装置を提供することを目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明によれば上記目的
は、キーボード周辺に配置される電子部品１をキーボー
ドメンブレムシート２に形成した配線パターン３を利用
してシステム基板１１に接続するキーボード装置であっ
て、 前記電子部品１は、ＬＣＤ等の多端子素子４であ
り、 該多端子素子４を、加圧方向のみに導電性を有する
異方性導電ゴム５を介し、キーボードメンブレムシート
２の配線パターン３に接続するキーボード装置を提供す
ることにより達成される。

【００１２】

【作用】本発明のキーボード装置において、キーボード
周りに配置される電子部品１とシステム基板１１との接
続は、キーボードメンブレムシート２を介して行なわれ
る。この結果、電子部品１をシステム基板１１に接続す
るコネクタ１３が不要となり、システム基板１１の実装
面積が拡大する上に、特別なコネクタ１３’の嵌合作業
が不要となる。

【００１３】電子部品１がＬＣＤ等の多端子素子４であ
る場合には、加圧方向のみに導電性を有する異方性導電
ゴム５を介して、キーボードメンブレムシート２に接続
される。

【００１４】

【実施例】以下、本発明の望ましい実施例を添付図面に
基づいて詳細に説明する。小型情報処理装置は、従来の
技術で述べたものと同様に、装置本体８と開閉表示部９
とを備える（図５参照）。また、キーボード周りには、
リセットスイッチ２１（１）、ＯＮＮ／ＯＦＦスイッチ
２２（１）と、装置本体８の状態を表示するためのＬＣ
Ｄ（液晶表示板）４が配置される。

【００１５】図１ないし図３に本発明の実施例を示す。
先ず、図３を参照すると、カバー１４により覆われる装
置本体８の内部には、図示しないＣＰＵ等が実装された
システム基板１１が配置される。

【００１６】キーボード装置は、カバー８から突出して
配置される複数のキートップ７と、キートップ７の操作
をシステム基板１１に伝達するためのキーボードキーボ
ードメンブレムシート２からなる。

【００１７】キーボードメンブレムシート２は、上下に
対向して配置される上下のキーボードメンブレムシート
２ａ、２ｂから構成される。各キーボードメンブレムシ
ート２ａ、２ｂは、柔軟で、かつ、絶縁性を有する基材
２ｃの表面にキートップ７に対応するパターン２ｄを形
成したもので、パターン２ｄを対向させた状態で設置さ
れる。

【００１８】キートップ７は上キーボードメンブレムシ
ート２ａ上面に設けられ、キートップ７の押下時に隣接
する接点部１０が異常接触するのを防止するために、上
下キーボードメンブレムシート２ａ、２ｂ間には、適宜
のスペーサ１５が配置される。さらに、下キーボードメ
ンブレムシート２ｂの裏面には、アルミニウム板等から
形成される支持板１６が配置され、キートップ７の押下
時の下キーボードメンブレムシート２ｂの橈みを防止し
ている。

【００１９】さらに、キートップ７周囲に配置されるＬ
ＣＤ（多端子素子４）をシステム基板１１に接続するた
めに、下キーボードメンブレムシート２ｂには、多端子
素子４接続専用のパターン３ａが配線される。

【００２０】なお、ＬＣＤ４の上面とカバー８面とを同
一平面にする場合には、後述する片面基板１７上にスペ
ーサを介在させることも可能である。ＬＣＤ４は、裏面
に引き出しパッド（図示せず）が形成された片面基板１
７に実装され、下キーボードメンブレムシート２ｂの引
き出しパッドとの接続は、異方性導電ゴム５を介して行
なわれる。

【００２１】異方性導電ゴム５は、支持部５ａと、加圧
方向にのみ導電性を示す導電部５ｂとを有して角柱状に
形成されており、該異方性導電ゴム５に下キーボードメ
ンブレムシート２ｂに鉛直方向の加圧力を適宜手段によ
り与えるために、下キーボードメンブレムシート２ｂの
裏面には支持板２０が配置される。

【００２２】この場合、片面基板１７の引き出しパッド
と異方性導電ゴム５との接点圧を高めるために、片面基
板１７の引き出しパッドを突起状に突出させることも可
能である。

【００２３】なお、図示の実施例においては、片面基板
１７の裏面に形成された引き出しパッドを異方性導電ゴ
ム５に圧接させることにより行なわれているが、この他
に、ＬＣＤ自身の導電パターンを直接異方性導電ゴム５
の導通部に押し付けて行うことも可能である。

【００２４】さらに、スイッチ等の端子素子数が少ない
電子部品１の場合も異方性導電ゴム５を使用することが
できるが、異方性導電ゴム５を適用しないで、下キーボ
ードメンブレムシート２ｂとに直接接続をしてもよい。
この場合の接続は、電子部品１のパターンとキーボード
メンブレムシート２に設けられた電子部品１専用のパタ
ーンとを補強板によるネジ止めや、圧接、はんだつけ等
により行う。

【００２５】以上のよう構成されるキーボードメンブレ
ムシート２とシステム基板１１との接続は、図３に示す
ように上下キーボードメンブレムシート２ｂの先端に形
成した接続部１８をシステム基板１１に設けられた各コ
ネクタ１３に嵌合させて行われる。

【００２６】したがってこの実施例において、キートッ
プ７を押し下げると、上キーボードメンブレムシート２
ａに設けられた接点部１０が、下キーボードメンブレム
シート２ｂに設けられた接点部１０に接触し、コネクタ
１３に接続された接続部１８を介し、入力信号がシステ
ム基板１１に認識される。

【００２７】さらに、ＬＣＤ４への表示信号は、システ
ム基板１１、コネクタ１３、下キーボードメンブレムシ
ート２ｂ、異方性導電ゴム５を経由してＬＣＤ４に伝達
される。

【００２８】このとき、異方性導電ゴム５は、加圧方
向、すなわち図２、３においてキーボードメンブレムシ
ート２に直交する方向にのみ導電性を有し、隣接する方
向への導電が行なわれないので、下キーボードメンブレ
ムシート２ｂの引き出しパッドとＬＣＤ等の電子部品１
の端子１９との接続のみが行われる。

【００２９】なお、図１、２の実施例においては、ＬＣ
Ｄ等の電子部品１の接続を下キーボードメンブレムシー
ト２ｂにより行っているが上キーボードメンブレムシー
ト２ａにより、接続を行うことも可能である。さらに、
ＬＣＤ等の電子部品１が複数存在し、一つのキーボード
メンブレムシート２でＬＣＤ等の電子部品１の接続を行
うことに不都合が生じるときは、上下キーボードメンブ
レムシート２ｂを利用して行うことも可能である。

【００３０】また、さらに、複数のＬＣＤ等の電子部品
１を異方性導電ゴム５を介してキーボードメンブレムシ
ート２に接続する場合、異方性導電ゴム５の設置は、Ｌ
ＣＤ等の電子部品１ごとに異方性導電ゴム５を設けて行
うか、異方性導電ゴム５を複数のＬＣＤ等の電子部品１
の長さ分に設けて行うか、または、複数のＬＣＤ等の電
子部品１をグループに分け、グループの長さ分の異方性
導電ゴム５を設けて行うことが望ましい

【００３１】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、ＬＣＤ
等の電子部品と、システム基板との電気的接続は、キー
ボードメンブレムシートの配線パターンにより行うこと
により、ＬＣＤ等電子部品専用の接続経路をなくすこと
ができ、キーボード装置のコストダウンとシステム基板
の実装面積の拡大をすることができる。

【００３２】また、キーボードメンブレムシート上にＬ
ＣＤ等電子部品を搭載するため、キーボード装置の組立
作業の効率を向上することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す要部分解斜視図である。

【図２】図１の詳細を示す図である。

【図３】キーボードメンブレムシートの接続状態を示す
断面図である。

【図４】従来例を示す図で（ａ）は断面図、（ｂ）は分
解斜視図である。

【図５】小型情報処理装置を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 電子部品 ２ キーボードメンブレムシート ３ 配線パターン ４ 多端子素子 ５ 異方性導電ゴム

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】キーボード周辺に配置される電子部品をキ
   ーボードメンブレムシートに形成した配線パターンを利
   用してシステム基板に接続するキーボード装置であっ
   て、 前記電子部品は、ＬＣＤ等の多端子素子であり、 該多端子素子を、加圧方向のみに導電性を有する異方性
   導電ゴムを介し、キーボードメンブレムシートの配線パ
   ターンに接続する キーボード装置。