JP2961285B2 - ポリオレフィン不織シート - Google Patents
ポリオレフィン不織シートInfo
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- Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
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Description
制電性の優れたシートに関する。より詳しくは、本発明
は、保護衣、ウィンドブレーカー、雨衣、包装材料、封
筒類、寝袋等のシートとして好んで用いることができ
る、優れた防水性と制電性を有するポリオレフィン不織
シートに関する。
フィン不織シートとして、各種のシートが知られてい
る。例えば、通常の合成繊維紡糸法に基づいて紡出した
繊維を高速空気流によって、高速索引することによって
得る不織シート、メルトブロー法による不織シート、い
わゆるフラッシュ紡糸法によってポリオレフィンをフィ
ブリル化3次元網状繊維にした不織シートが知られてい
る。フラッシュ紡糸法による不織シートは、構成する繊
維が極めて微細且つ複雑な断面形状を持つことを特徴と
し、その特徴を利用して各種用途に用いられている。
防水性を有すると共に制電性を有することが要望され
る。かかる要望を満たすために、特公昭55−5106
8号公報には、化学式;MnR3 −nPO4 (nは1ま
たは2)の化合物であって、n=1の化合物とn=2の
化合物が混合されている繊維処理剤を用いれば、防水性
を損なうことなく制電性を付与することができることが
開示されている。
8号公報に開示された構成を有する化合物からなる繊維
処理剤は、防水性と制電性を不織シートに併せて付与す
ることができるが、この繊維処理剤は対繊維重量%で少
なくとも0.1%使用することが必要である。ところ
が、不織シートにこれら繊維処理剤を適用すると日本人
の好まない臭気を発生し、臭気の点および印刷特性上か
ら極力付着量が少ないことが望まれ、少なくとも0.1
%の付着量を必要とする前述の繊維処理剤では、実用上
その用途範囲が限定されるという問題点を有する。
剤の有する問題点を解消することを目的として、下記化
学式〔II〕で示す化合物と下記化学式〔III〕で示
す化合物からなり、〔II〕の化合物のモル比率が〔I
II〕の化合物の2倍以上である繊維処理剤を0.05
重量%以上、およびフルオロカーボン化合物からなる撥
水剤を0.05重量%以上含有することを特徴とするポ
リオレフィン不織布シート、 RM2 PO4 ・・・ 〔II〕 R2 MPO4 ・・・ 〔III〕 (ただし、MはLi,Na,K,H,またはアンモニウ
ムイオンであり、Rは炭素数6又は7のアルキル基であ
る。)が優れた防水性と制電性を有することを見出し、
既に特願平1−279765号として出願した。
理剤の使用量を少なくすることができ、臭気の少なさや
印刷特性が優れ、且つ実用上充分の制電性を有してい
た。しかし、この不織シートは経時変化により黄変する
問題点があること、繊維処理剤が0.05重量%より小
さくなると制電性が不十分になることがあり、用途によ
ってはさらにその改善が望まれた。
防水性と共に制電性を有するポリオレフィン不織シート
を提供するためであり、下記化学式〔I〕で示す化合物
からなる繊維処理剤を0.02重量%以上、およびフル
オロカーボン化合物から成る撥水剤を0.02重量%以
上含有することにより達成できる。
基であり、MはLi,Na,K,H,またはアンモニウ
ムイオンである。)
維処理剤および撥水剤付与前のシートは公知の方法で製
造することができる。例えば、特開昭61−16046
9号公報にはポリプロピレン連続フィラメント不織布の
製造方法の例が、特開昭63−6107号公報にはメル
トブロー法によるポリプロピレン極細繊維の不織布の製
造方法の例が開示されている。また、フラッシュ紡糸法
の例として、例えば、特公昭62−172073号公報
には高密度ポリエチレンの例が、特公昭62−1925
98号公報にはポリプロピレンの例が開示されている。
オレフィン系ポリマーを高温・高圧下でトリクロロフル
オロメタン、トリクロロトリフルオロエタン等のハロゲ
ン化炭素、塩化メチレン等の炭化水素又はこれらの混合
液により溶解した後、急激な圧力損失を与えると、溶液
に極めて微細に相分離したかの如き構造を与える。この
液状物を紡糸ノズルより吐出させ、ポリマーに配向を与
えると共に3次元網状繊維を形成せしめる。
ェブ状にした後、常温ないし適当な温度(ポリオレフィ
ンポリマーの融点以下)に保ったロール(平滑ロール、
エンボスロール等)あるいは、フェルトカレンダーによ
り部分または全面圧着してシート状にする。この不織シ
ートは極めて微細かつ複雑な断面構造を持つ繊維からな
る。
0g/m2 、好ましくは40〜100g/m2 である。
30g/m2 より小さいと十分な防水性が得られない。
また、あまり厚くなると柔軟性が損なわれ、製造時にし
わが入ったり折れ易く、品質上から好ましくない。
記に説明するように前述の不織シートに繊維処理剤と撥
水剤を付与することにより製造することができる。本発
明の繊維処理剤は、Mがカリウムの場合はモノメトキシ
低級アルキルフォスフェイトカリウム、ビスメトキシ低
級アルキルフォスフェイトカリウムからなり、この両者
のモル比率は3対1から1対3の間にあり、通常はおよ
そ1対1である。
ることができる。例えば、市販の3−メトキシブタノー
ル(ダイセルヒルス社製)3モルに五酸化燐1モルを時
間をかけながら少量づつ投入して攪拌し、モノ−、ビス
−メトキシブチルフォスフェイトを製造する。その生成
物を、例えば水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを用
いて中和し、所定のPHに調整する。また、3−メチル
−3−メトキシブタノール(クラレ社製)を使用して
も、同様の方法で本発明のモノ−、ビス−3−メトキシ
ブチルフォスフェイトアルカリ金属塩或いはアンモニウ
ム塩を製造することができる。
物からなる撥水剤としては、フルオロアルキルカルボン
酸、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロア
ルキルスルホン酸およびその塩(リチウム、ナトリウ
ム、カリウム等)、モノパーフルオロアルキルエチルフ
ォスフェイト塩、パーフルオロアルキルスルホン酸ジエ
タノールアミド等のフロロカーボン類、ポリテトラフル
オロエチレンポリマー、テトラフルオロエチレン−ヘキ
サフルオロプロピレンコポリマー、ポリトリフルオロモ
ノクロルエチレンポリマー、ポリビニルフロライドポリ
マー、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキ
シエチレンコポリマー、ポリクロロトリフルオロエチレ
ンポリマー等のフルオロポリマー類を挙げることができ
る。これらフルオロカーボン化合物は水溶液、エマルジ
ョン、ディスパージョン状となっており、繊維処理剤と
ともに通常の方法が適用できる。
ィング法、グラビアロール法、キスロール法、スプレー
法等が挙げられる。付与した繊維処理剤はテンターのよ
うな熱風又は熱ドラムによる接触加熱等で乾燥し、仕上
げる。また、繊維処理剤を付与する前にあらかじめコロ
ナ放電処理を施しておくことによって、不織シートの表
面の濡れ性が改善され、繊維処理剤及び撥水剤の付与を
容易にすることができる。
水溶液に、アルコール類(エタノール、プロパノール
等)やアセトンを1〜10重量%程度添加するか、又は
トライトンX100(ノニルフェニルエチレンオキサイ
ド8モル付加物)の様なノニオン界面活性剤を0.05
〜1.0重量%処理液に配合して用いることにより、繊
維処理剤及び撥水剤の付与を容易にすることができる。
ド、ステアリン酸トリグリセリド、ジメチルポリシロキ
サン等の撥水剤;パーフロロアルキルフォスフェイト、
パーフロロポリエチレン等の撥油剤;アニオン、カチオ
ン、ノニオン、両性等の界面活性剤及び合成樹脂エマル
ジョンやラテックス等を配合してもさしつかえない。ま
た、本発明の繊維処理剤および撥水剤には、燐酸塩や他
の無機塩類を含んでいても効果に支障を来さない場合は
さしつかえない。
剤、撥水剤はそれぞれ別の2段工程で処理してもさしつ
かえないが、工程上一浴で実施するのが好ましい。繊維
処理剤、撥水剤の混合に際しては、両者の相溶性、イオ
ン性、PH等の問題があり、これらを考慮して、溶液安
定性の良い処理液となし、ポリオレフィン不織シートへ
適用する。このように他の化合物を混合使用しても問題
が起こりにくい条件として、繊維処理剤のPHはモノメ
トキシ低級アルキルフォスフェート塩及びビスメトキシ
低級アルキルフォスフェート塩の第1当量点と第2当量
点の間である5〜9に調整する必要がある。
工や柔軟化処理を施したポリオレフィン不織シートに繊
維処理剤および撥水剤を施す場合は、処理液が膜状とな
りにくく、繊維処理剤の付着量を0.5重量%、撥水剤
を0.1重量%程度まで増加させることが要求される場
合がある。通常は繊維処理剤の付着量を0.05〜0.
1重量%、撥水剤を0.03〜0.05重量%程度で十
分制電効果のある不織シートが得られる。このように特
定の範囲のモノ−及びビス−メトキシ低級アルキルフォ
スフェイト塩化合物からなる繊維処理剤及びフルオロカ
ーボン化合物からなる撥水剤を使用することにより、防
水性を損なうことなく制電性効果をもたらすことができ
る。
これらは本発明の範囲を制限しない。まず、本発明の不
織シートの諸物性の測定法を説明する。 制電性(半減期測定法);試験片をコロナ放電で帯
電させた後、この帯電圧が半分に減衰するまでの時間
(半減期)を測定する方法により制電性を評価した(J
IS−L−1094)。この測定方法は織物又は編物の
静電気減衰特性の評価に適する。半減期は60秒以下が
合格であり、10秒以下であればより好ましい。
法(JIS−L−1092)のA法及びB法の静水圧で
測定した。耐水度試験においては、処理不織シートの耐
水圧(mmH2 O)が未処理不織シートの耐水圧(mm
H2 O)の70%以上を保持していれば良いとする。 撥水度試験(スプレー試験);繊維製品の防水性試
験方法(JIS−L−1092)を用いて測定した。た
だし、該不織シートは実質的に洗濯しないため、洗濯を
しない状態で評価する。撥水度試験(スプレー試験)に
おいては、表面の湿潤があっても裏面への水滴の湿潤が
なく、且つ撥水度70以上を合格とする。
法(JIS−L−1099)A−1法(塩化カルシウム
法)により評価する。この試験方法は透湿カップ内に空
気層をもたせ、試験片を境界として、透湿カップ内側を
塩化カルシウムで乾燥状態にし、透湿カップ外側を多湿
状態として、この間に生じた蒸気圧差により強制的に水
蒸気を吸湿させ、その透過量を測定し、透湿度を評価す
る。従って、この試験方法は衣服内が多湿状態となる着
用条件下での透湿度測定に適し、透湿防水素材をはじめ
あらゆる繊維素材に適用できる。この透湿度は、処理不
織シートの透湿度(g/m2 ・日)が未処理不織シート
の透湿度(g/m2 ・日)の70%を保持していれば良
い。 黄変性試験(恒温恒湿加速試験);不織シートを恒
温恒湿槽(70℃×90%RH)に500時間放置した
後、該不織シートの黄変を調べる。未処理不織シートを
基準とした視覚判定により差がなければ黄変の変化なし
とする。 黄変性試験(室内放置試験);不織シートを実験室
内の壁に張り付け、約4カ月放置(太陽光の照射下、7
月末〜11月末まで)した後、該不織布シートの黄変を
調べる。未処理不織シートを基準とした視覚判定によ
り、差がなければ黄変の変化なしとする。
の付与と測定用試料の調整は下記の方法で行った。不織
シートを繊維処理剤溶液に浸漬し、硬度75±5を有す
るゴムロール間で空気乾燥し、不織シート表面から過剰
の溶液を除去した。この湿った不織シートを空気乾燥
し、次いで予め指定の20±2℃の40±2%RHの恒
温室で24時間以上調整した。
ノズルより低温・低圧域に吐出し、溶剤をフラッシュさ
せてフィブリル化網状繊維とした後、金網上に堆積さ
せ、130℃のカレンダーロールにより熱圧着せしめ、
目付け62g/m2 、厚さ0.2mmのポリエチレン不
織シートを得た。このシートにコロナ放電処理を施し、
表1に示す種々の繊維処理剤0.1重量%の水溶液で処
理した。なお、これらの繊維処理剤は、すべて表1に示
したモノ−及びビス−メトキシ低級アルキルフォスフェ
イトカリウムの混合物(約1:1モル量)であった。
ルアクリレート系撥水剤を不織シートに施したが、予め
該不織シートの表面はコロナ放電処理が施してあるの
で、十分に不織シートに処理溶液を付与せしめることが
できた。(繊維処理剤の付着量は0.1重量%、撥水剤
は0.05重量%であった。)この結果を表1に示し
た。表1に示すように、本発明の繊維処理剤および撥油
剤を用いることにより、良好な防水透湿性及び制電性を
示すことが判る。
リプロピレンの堆積物不織シートを得た。このシートを
155℃のエンボスロールにより部分圧着加工し、目付
67g/m2 、厚さ0.21mmの不織シートを得た。
該不織シートにあらかじめコロナ放電処理を施し、モノ
−、ビス−3−メトキシブチルフォスフェイトカリウム
からなる繊維処理剤の付着量を変えて、不織シートに付
与した。また、同時に撥水剤としてパーフルオロアルキ
ルアクリレート系化合物を不織シートに対して0.05
重量%になるように付与せしめた。この結果を表2に示
した。表2に示すように、モノ−、ビス−3−メトキシ
ブチルフォスフェイトカリウムからなる繊維処理剤は、
不織シートに0.02重量%以上付着させることによっ
て、十分な制電性が得られる。
ポリプロピレンからなる不織シートの目付けは40g/
m2 であった。該シートにあらかじめコロナ放電処理を
施し、その後、繊維処理剤として化合物の金属(M)を
変えて、同様に制電性、撥水性の効果を調べた。なお、
使用した繊維処理剤は、モノ−、ビス−3−メトキシブ
チルフォスフェイト塩からなり、繊維処理液のPHは6
〜7の間に調整し、付着量が0.1重量%となるように
不織シートの処理を行った。また、同時に撥水剤として
パーフルオロアルキルアクリレート系化合物を不織シー
トに対して0.05重量%になるように付与せしめた。
この結果を表3に示した。表3に示すように、金属
(M)を変えることによっても、制電効果、防水性が実
質的に変わらないことが判明した。
−3−メトキシブチルフォスフェイトカリウムからなる
繊維処理剤0.1重量%および下記表4に示すフルオロ
カーボン化合物からなる撥水剤を0.05重量%付与し
た。この結果を表4に示した。表4に示すように、フル
オロカーボン化合物からなる撥水剤を変えても、防水効
果は変わらないことが判った。
3−メトキシブチルフォスフェイトカリウムからなる繊
維処理剤0.05重量%およびポリテトラフルオロエチ
レンポリマーをその付着量を変えて付与せしめた。この
結果を表5に示した。表5に示すように、モノ−、ビス
−3−メトキシブチルフォスフェイトカリウムからなる
繊維処理剤量を一定にして、ポリフルオロエチレンポリ
マーディスパージョンの量を増やし、不織シートに0.
02重量%以上付与した場合に、完全な防水性を示すこ
とが判った。
維処理剤(PH5〜7)0.5重量%及びフルオロカー
ボン化合物0.1重量%を付与した。該不織シートの黄
変性試験を行った。この結果を表6に示した。表6で示
されるように、本発明の繊維処理剤及びフルオロカーボ
ンの組合せによる黄変は見られなかった。
で、優れた防水性且つ制電性を有するポリオレフィン不
織シートであり、前述のような問題点が解決されてお
り、その結果、包装材料、封筒類、保護衣、ウィンドブ
レーカー、雨衣、寝袋等のシートとして有用に用いるこ
とができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 下記化学式〔I〕で示す化合物からなる
繊維処理剤を0.02重量%以上、およびフルオロカー
ボン化合物から成る撥水剤を0.02重量%以上含有す
ることを特徴とする、ポリオレフィン不織シート。 【化1】 (ただし、nは1または2であり、RはHまたはCH3
基であり、MはLi,Na,K,H,またはアンモニウ
ムイオンである。)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7817791A JP2961285B2 (ja) | 1991-03-19 | 1991-03-19 | ポリオレフィン不織シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7817791A JP2961285B2 (ja) | 1991-03-19 | 1991-03-19 | ポリオレフィン不織シート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04289270A JPH04289270A (ja) | 1992-10-14 |
JP2961285B2 true JP2961285B2 (ja) | 1999-10-12 |
Family
ID=13654683
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7817791A Expired - Lifetime JP2961285B2 (ja) | 1991-03-19 | 1991-03-19 | ポリオレフィン不織シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2961285B2 (ja) |
-
1991
- 1991-03-19 JP JP7817791A patent/JP2961285B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04289270A (ja) | 1992-10-14 |
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