JP2961201B2 - スピーカ用ダストキャップ - Google Patents
スピーカ用ダストキャップInfo
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、コーン型スピーカのダストキャップに関
する。
する。
[従来の技術] コーン型スピーカのダストキャップは、周知のごとく
振動板の中心近傍に位置して塵埃等の異物を遮断する機
能を持つが、特に振動板の付根部に結合されたダストキ
ャップでは当該振動板の振動モードに影響を与えるの
で、ある程度剛性が大きく且つ振動板の異常共振を抑制
するための吸振力が比較的大きいことを要求される。
振動板の中心近傍に位置して塵埃等の異物を遮断する機
能を持つが、特に振動板の付根部に結合されたダストキ
ャップでは当該振動板の振動モードに影響を与えるの
で、ある程度剛性が大きく且つ振動板の異常共振を抑制
するための吸振力が比較的大きいことを要求される。
従来におけるダストキャップの代表的な構造は、例え
ば(1)パルブ、金属、合成樹脂等単一の素材を成形し
たもの、(2)炭素繊維織布等に熱硬化性樹脂を含浸さ
せて加熱成形したもの、(3)炭素繊維織布等と熱可塑
性合成樹脂シートを積層し、加熱成形したもの等が実用
化されている。
ば(1)パルブ、金属、合成樹脂等単一の素材を成形し
たもの、(2)炭素繊維織布等に熱硬化性樹脂を含浸さ
せて加熱成形したもの、(3)炭素繊維織布等と熱可塑
性合成樹脂シートを積層し、加熱成形したもの等が実用
化されている。
[解決しようとする課題] この様な構造を有する従来のダストキャップは、
(1)に属するダストキャップは素材の性質によって剛
性と吸振力とを両立させることは困難であり、(2)に
属するダストキャップは繊維の結合材が熱硬化性樹脂で
あるため耐衝撃性が低く、耐水性、長期安定性が低い。
更に、生産時の成形サイクルが長く且つ成形原料のプリ
プレグの保存性がよくない。又、(3)に属するダスト
キャップは例えば熱可塑性合成樹脂シートとしてポリプ
ロピレン樹脂を使用した場合には、成形時のドレープが
悪いため、高圧プレスを要するという解決すべき課題が
あった。
(1)に属するダストキャップは素材の性質によって剛
性と吸振力とを両立させることは困難であり、(2)に
属するダストキャップは繊維の結合材が熱硬化性樹脂で
あるため耐衝撃性が低く、耐水性、長期安定性が低い。
更に、生産時の成形サイクルが長く且つ成形原料のプリ
プレグの保存性がよくない。又、(3)に属するダスト
キャップは例えば熱可塑性合成樹脂シートとしてポリプ
ロピレン樹脂を使用した場合には、成形時のドレープが
悪いため、高圧プレスを要するという解決すべき課題が
あった。
そこで本発明は、無機質高弾性繊維と熱可塑性合成樹
脂繊維とを複合させて使用することにより、上記従来例
の有する課題を解決して、高い剛性と大きい内部ロスと
を両立させたスピーカ用ダストキャップを提供すること
を目的とする。
脂繊維とを複合させて使用することにより、上記従来例
の有する課題を解決して、高い剛性と大きい内部ロスと
を両立させたスピーカ用ダストキャップを提供すること
を目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記した目的を達成するための本発明に係るスピーカ
のダストキャップは、無機質高弾性繊維と熱可塑性合成
樹脂繊維とからなり、前記無機質高弾性繊維が、加熱成
形時に溶融した熱可塑性合成樹脂繊維によって結合、複
合化されていることを特徴とするスピーカ用ダストキャ
ップである。
のダストキャップは、無機質高弾性繊維と熱可塑性合成
樹脂繊維とからなり、前記無機質高弾性繊維が、加熱成
形時に溶融した熱可塑性合成樹脂繊維によって結合、複
合化されていることを特徴とするスピーカ用ダストキャ
ップである。
[作 用] 上記構成のダストキャップのように無機質高弾性繊維
が、熱可塑性合成樹脂繊維によって溶融結合し複合化さ
れていると、バルクな状態の熱可塑性合成樹脂と無機質
高弾性繊維とを混合した材料と比較して、2種の材料が
繊維状であり、更に常温で内部ロスが大きい熱可塑性合
成樹脂を使用することによって見掛上の密度を低くする
ことができるので、{(ヤング率)/(密度)}の値と
内部ロスを表す{tanδ}とを共に大きくすることがで
きる。
が、熱可塑性合成樹脂繊維によって溶融結合し複合化さ
れていると、バルクな状態の熱可塑性合成樹脂と無機質
高弾性繊維とを混合した材料と比較して、2種の材料が
繊維状であり、更に常温で内部ロスが大きい熱可塑性合
成樹脂を使用することによって見掛上の密度を低くする
ことができるので、{(ヤング率)/(密度)}の値と
内部ロスを表す{tanδ}とを共に大きくすることがで
きる。
無機質高弾性繊維と熱可塑性合成樹脂との複合化は、
従来は無機質高弾性繊維織布シートの両側から熱可塑性
合成樹脂シートを熱圧着して複合シートを作成し、当該
複合シートを所定形状にプレス成形する方式によってい
たが、この複合化シートの状態では熱可塑性合成樹脂シ
ート自体の伸びが悪く、且つプレス時の熱の伝達が悪い
ため、ダストキャップの様なムード形状に成形する場合
絞り成形がよくないのでプレス圧力を高める必要があ
り、更に成形後の熱可塑性合成樹脂の分布が不均一なも
のしか出来なかつたのに対し、本願発明の方式では複合
材を形成する2種類の材料が繊維の形状で相互に近接乃
至は混合した状態で成形されるので、素材の熱伝導は良
好で熱可塑性合成樹脂の分布が均一となる。
従来は無機質高弾性繊維織布シートの両側から熱可塑性
合成樹脂シートを熱圧着して複合シートを作成し、当該
複合シートを所定形状にプレス成形する方式によってい
たが、この複合化シートの状態では熱可塑性合成樹脂シ
ート自体の伸びが悪く、且つプレス時の熱の伝達が悪い
ため、ダストキャップの様なムード形状に成形する場合
絞り成形がよくないのでプレス圧力を高める必要があ
り、更に成形後の熱可塑性合成樹脂の分布が不均一なも
のしか出来なかつたのに対し、本願発明の方式では複合
材を形成する2種類の材料が繊維の形状で相互に近接乃
至は混合した状態で成形されるので、素材の熱伝導は良
好で熱可塑性合成樹脂の分布が均一となる。
更に両方の繊維が熱可塑性合成樹脂繊維であるから、
耐衝撃性、保存性に優れ、成形時間を短縮することがで
きる。その上、従来のシート状熱可塑性合成樹脂コンポ
ジットと比較してドレープ性、濡れ性に優れているので
ボイドがなく品質が安定する。
耐衝撃性、保存性に優れ、成形時間を短縮することがで
きる。その上、従来のシート状熱可塑性合成樹脂コンポ
ジットと比較してドレープ性、濡れ性に優れているので
ボイドがなく品質が安定する。
[実施例] 無機質高弾性繊維として炭素繊維の平織布、熱可塑性
合成樹脂繊維としてPP(ポリフェニレンスルファイド樹
脂…融点270℃)繊維の平織布を用い、炭素繊維の平織
布の両面にPP繊維の平織布を重ねて3層とし、ドーム形
状の金型で270℃、11分間プレス成形してスピーカ用の
ダストキャップを得た。
合成樹脂繊維としてPP(ポリフェニレンスルファイド樹
脂…融点270℃)繊維の平織布を用い、炭素繊維の平織
布の両面にPP繊維の平織布を重ねて3層とし、ドーム形
状の金型で270℃、11分間プレス成形してスピーカ用の
ダストキャップを得た。
当該ダストキャップの常温に於けるtanδ、ヤング率
E、密度ρ並びにE/ρの値を第1表に示す。比較のため
に炭素繊維織布とポリプロピレンシートを積層して得た
従来例ダストキャップの上記物性値を同時に示した。こ
の結果から本発明の複合物ダストキャップは従来例と比
較して高剛性で且つ大きなtanδを示している。
E、密度ρ並びにE/ρの値を第1表に示す。比較のため
に炭素繊維織布とポリプロピレンシートを積層して得た
従来例ダストキャップの上記物性値を同時に示した。こ
の結果から本発明の複合物ダストキャップは従来例と比
較して高剛性で且つ大きなtanδを示している。
本発明の複合物を得る手段として、上記実施例の変形
例1として、無機質高弾性繊維と熱可塑性合成樹脂繊維
と混合した長繊維条(コミングルドヤーン)からなる織
布(交差織、3軸織、円盤織等)を一層若しくは複数層
重ねて成形しても得られる。又、変形例2として無機質
高弾性繊維の表面を熱可塑性合成樹脂繊維でラッピング
したプライドマトリックスの織布を一層若しくは複数層
重ねて成形してもよい。或いは変形例3として2種類の
繊維を交ぜ織りにした織布を使用する手段等が考えられ
る。
例1として、無機質高弾性繊維と熱可塑性合成樹脂繊維
と混合した長繊維条(コミングルドヤーン)からなる織
布(交差織、3軸織、円盤織等)を一層若しくは複数層
重ねて成形しても得られる。又、変形例2として無機質
高弾性繊維の表面を熱可塑性合成樹脂繊維でラッピング
したプライドマトリックスの織布を一層若しくは複数層
重ねて成形してもよい。或いは変形例3として2種類の
繊維を交ぜ織りにした織布を使用する手段等が考えられ
る。
以上、本発明に係るスピーカのダストキャップについ
て代表的と思われる実施例を基に詳述したが、本発明に
よるダストキャップの実施態様は、素材樹脂の材質など
に於て、上記実施例の構造に限定されるものではなく、
前記したクレーム記載の構成要件を具備し、本発明にい
う作用を呈し、以下に述べる効果を有する限りにおい
て、適宜改変して実施しうるものである。
て代表的と思われる実施例を基に詳述したが、本発明に
よるダストキャップの実施態様は、素材樹脂の材質など
に於て、上記実施例の構造に限定されるものではなく、
前記したクレーム記載の構成要件を具備し、本発明にい
う作用を呈し、以下に述べる効果を有する限りにおい
て、適宜改変して実施しうるものである。
[効 果] 本発明に係るスピーカのダストキャップは、無機質弾
性繊維が、熱可塑性合成樹脂繊維によって溶融結合し複
合化されているので、高剛性であると共に、見掛上の密
度を低くすることができるので、(ヤング率)/(密
度)の値と内部ロスを表すtanδを共に大きくすること
ができる。
性繊維が、熱可塑性合成樹脂繊維によって溶融結合し複
合化されているので、高剛性であると共に、見掛上の密
度を低くすることができるので、(ヤング率)/(密
度)の値と内部ロスを表すtanδを共に大きくすること
ができる。
又、熱可塑性合成樹脂繊維を使用しているので耐衝撃
性、耐水性、長期安定性並びに保存性に優れている。
性、耐水性、長期安定性並びに保存性に優れている。
更に複合材を形成する2種類の材料が繊維の形状で相
互に接近した状態で成形されるので、素材の熱伝導は良
好で生産性が良好であり、成形時間を短縮することがで
きる。その上、繊維が半ば混合された状態となっている
ので熱可塑性合成樹脂の分布が均一となり、従来のシー
ト状熱可塑性合成樹脂コンポジットと比較してドレープ
性、濡れ性に優れているのでボイドがなく品質が安定す
るという効果を有するものである。
互に接近した状態で成形されるので、素材の熱伝導は良
好で生産性が良好であり、成形時間を短縮することがで
きる。その上、繊維が半ば混合された状態となっている
ので熱可塑性合成樹脂の分布が均一となり、従来のシー
ト状熱可塑性合成樹脂コンポジットと比較してドレープ
性、濡れ性に優れているのでボイドがなく品質が安定す
るという効果を有するものである。
Claims (2)
- 【請求項1】無機質高弾性繊維と熱可塑性合成樹脂繊維
とからなり、該無機質高弾性繊維が、加熱成形時に溶融
した熱可塑性合成樹脂繊維によって結合および複合化さ
れ、 該複合化が、該無機質高弾性繊維と該熱可塑性合成樹脂
繊維とを混合した長繊維条からなる織布、該無機質高弾
性繊維の表面を該熱可塑性合成樹脂繊維でラッピングし
たプライドマトリックス織布、または該無機質高弾性繊
維と該熱可塑性合成樹脂繊維とを交ぜ織りにした織布を
加熱成形することにより行われる スピーカ用ダストキャップ。 - 【請求項2】上記無機質高弾性繊維が炭素繊維であるこ
とを特徴とする請求項1のスピーカ用ダストキャップ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8958390A JP2961201B2 (ja) | 1990-04-03 | 1990-04-03 | スピーカ用ダストキャップ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8958390A JP2961201B2 (ja) | 1990-04-03 | 1990-04-03 | スピーカ用ダストキャップ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03289298A JPH03289298A (ja) | 1991-12-19 |
JP2961201B2 true JP2961201B2 (ja) | 1999-10-12 |
Family
ID=13974809
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8958390A Expired - Fee Related JP2961201B2 (ja) | 1990-04-03 | 1990-04-03 | スピーカ用ダストキャップ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2961201B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008084641A1 (ja) | 2006-12-22 | 2008-07-17 | Panasonic Corporation | スピーカ用振動板と、スピーカ用フレームと、スピーカ用ダストキャップと、これらを用いたスピーカと装置と、スピーカ用部品の製造方法 |
-
1990
- 1990-04-03 JP JP8958390A patent/JP2961201B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03289298A (ja) | 1991-12-19 |
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Legal Events
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |