JP2958750B2 - 軟削材用自己螺進ネジ及びその製造方法 - Google Patents

軟削材用自己螺進ネジ及びその製造方法

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JP2958750B2 JP11045496A JP11045496A JP2958750B2 JP 2958750 B2 JP2958750 B2 JP 2958750B2 JP 11045496 A JP11045496 A JP 11045496A JP 11045496 A JP11045496 A JP 11045496A JP 2958750 B2 JP2958750 B2 JP 2958750B2
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Fujitetsuku Kk
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ALC等の気泡コ
ンクリート基材や、その他、粉材を成形することにより
製作されたコンクリート成形板等の軟削材に用いるため
の自己螺進ネジ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コンクリート用アンカーとして使
用される自己螺進ネジが提供されており、尾端に頭部を
有し先端に尖鋭部を有するシャンクの外周に沿って螺旋
状に延びる螺糸を形成している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような自己螺進ネ
ジを被着体にねじ込むに際しては、ネジの尖鋭部を被着
体の表面に立て、所定のスラスト力を与えながらネジを
回転せしめる。回転工具として、一般に動力工具が使用
される。
【0004】ところが、ALC等の軟削材においては、
柔らかく脆弱であるため、ネジのねじ込み開始時に、ネ
ジの尖鋭部が軟削材を削るだけで、ネジの回転に応じた
螺進力を生じ難い。即ち、被着体に対する喰付きが悪
い。そこで、作業者は、ネジに大きなスラスト力を与
え、ネジの尖鋭部を軟削材中に押し込むことになるが、
このスラスト力が過大であると、軟削材の素材を破壊し
所謂バカ孔になるため、ネジを締着せず空回りしてしま
う。
【0005】この点について、本発明者が知見したとこ
ろによると、被着体に対するネジの喰付きの良否は、軟
削材の組織を構成する粒子の大小及び密度に左右される
が、市販の軟削材に対しては、概して、ネジのシャンク
径及び螺糸山径を小さくした細いネジの場合には大きな
問題がない。即ち、細径のネジであれば、ねじ込み開始
時からネジを軟削材に対して容易に螺進せしめることが
できる。
【0006】然しながら、ネジを細径にすると、強度不
足のためアンカーとして適しないばかりか、満足な引抜
き抵抗を得られない。従来構造のネジにおいては、AL
C等の軟削材にネジを螺進せしめたとき、ネジの螺糸
は、その大部分が穿孔により破壊された粉体に係合して
いるに過ぎず、軟削材の非破壊組織に対してほとんど係
合していない。このため、一応はネジの締着がなされた
かのように見えるが、引抜き容易であり脱落の虞れがあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決し、ねじ込み開始時において、軟削材に対する螺進が
良好であり、しかも、ねじ込み後に軟削材中に強固に締
着されるようにした自己螺進ネジを提供すると共に、該
ネジの製造方法を提供するものである。
【0008】 そこで、本発明の自己螺進ネジがその
段として構成したところは、尾端に頭部を有し先端に尖
鋭部を有するシャンクの外周に沿って螺旋状に延びる螺
糸を形成した自己螺進ネジにおいて、前記シャンクが尖
鋭部を越えて頭部の方向に延びる第一シャンク部と、第
一シャンク部に設けられた第一螺糸部と第二シャンク部
に設けられた第二螺糸部を一連に形成すると共に、第一
螺糸部から連続して尖鋭部の尖端に至り次第に山径を減
じる導入螺糸部を形成して成り、前記第一螺糸部のねじ
山間に形成された第一シャンク部の円柱面の直径R1
と、第二螺糸部のねじ山間に形成された第二シャンク部
の円柱面の直径R2を、R1<R2に構成して成り、前
記導入螺糸部から第一螺糸部及び第二螺糸部の全体にわ
たり螺糸のピッチを同一ピッチに構成すると共に、前記
第一螺糸部の山径d1と第二螺糸部の山径d2を、d1
<d2に構成し、更に、前記第一螺糸部のねじ山角θ1
と第二螺糸部のねじ山角θ2を、θ1>θ2に構成して
成る点にある。
【0009】 また、本発明の自己螺進ネジの製造方法
がその手段として構成したところは、尾端に頭部を有し
先端に尖鋭部を有するシャンクの外周に沿って螺旋状に
延びる螺糸を形成した自己螺進ネジの製造方法におい
て、先頭から頭部の方向に延びる第一ブランクシャンク
部と、該第一ブランクシャンク部に続いて頭部の方向に
延びる第二ブランクシャンク部を備え、第一ブランクシ
ャンク部の直径D1と第二ブランクシャンク部の直径D
2を、D1<D2に構成したシャンク素材を用い、前記
シャンク素材を転造することにより、第一ブランクシャ
ンク部から形成される第一シャンク部に第一螺糸部を設
けると共に、第二ブランクシャンク部5から形成される
第二シャンク部に第二螺糸部を設け、第一螺糸部と第二
螺糸部の両者を一連に形成し、更に、第一ブランクシャ
ンク部の先端に転造される尖鋭部に第一螺糸部から連続
して尖端に至り次第に山径を減じる導入螺糸部を形成す
ると共に、前記導入螺糸部から第一螺糸部及び第二螺糸
部の全体にわたり螺糸のピッチを同一ピッチに構成する
に際し、前記第一螺糸部のねじ山間に形成された第一シ
ャンク部の円柱面の直径R1と、第二螺糸部のねじ山間
に形成された第二シャンク部の円柱面の直径R2を、R
1<R2に形成しつつに、前記第一螺糸部の山径d1と
第二螺糸部の山径d2を、d1<d2に形成すると共
に、前記第一螺糸部のねじ山角θ1と第二螺糸部のねじ
山角θ2を、θ1>θ2に形成する点にある。
【0010】
【0011】
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施形態を詳述する。
【0013】(第1実施形態)図1に示す第1実施形態
において、図1(A)は、本発明の自己螺進ネジを製造
するために準備されたシャンク素材を示し、図1(B)
は、該シャンク素材を転造することにより製造した自己
螺進ネジを示している。
【0014】図1(A)に示すように、シャンク素材1
は、パンチングダイス等により、尾端に頭部2を備えた
ブランクのシャンク部3有しており、先端から頭部2の
方向に延びる第一ブランクシャンク部4と、該第一ブラ
ンクシャンク部4に続いて頭部2の方向に延びる第二ブ
ランクシャンク部5とを備え、第一ブランクシャンク部
4の直径D1と第二ブランクシャンク部5の直径D2
を、D1<D2に形成している。
【0015】前記シャンク素材1は、次いで、公知のよ
うなローリングダイスにより転造され、第一ブランクシ
ャンク部4には、第一シャンク部6と該第一シャンク部
6の外周に沿って螺旋状に延びる第一螺糸部7を転造す
ると共に、第二ブランクシャンク部5には、第二シャン
ク部8と該第二シャンク部8の外周に沿って螺旋状に延
びる第二螺糸部9を転造せしめられ、第一螺糸部7と第
二螺糸部9の両者を一連に形成する。尚、第二シャンク
部8と頭部2の間には、ローリングダイスによる転造を
受けないブランク部10が残存する。一方、第一ブラン
クシャンク部4の先端には、尖鋭部11が転造され、第
一螺糸部7から連続して尖端に至り次第に山径を減じる
導入螺糸部12が形成される。
【0016】前記第一螺糸部7のねじ山間に位置してね
じ谷径を規定する第一シャンク部6の周面は、シャンク
の軸線とほぼ平行に延びる円柱面6aを有し、ねじ山間
において軸方向に延びる円柱面6aの長さは、第一螺糸
部7を構成するねじ山の肉厚よりも大きい。
【0017】同様に、第二螺糸部9のねじ山間に位置し
てねじ谷径を規定する第二シャンク部8の周面は、シャ
ンクの軸線とほぼ平行に延びる円柱面8aを有し、ねじ
山間において軸方向に延びる円柱面8aの長さは、第二
螺糸部9を構成するねじ山の肉厚よりも大きい。
【0018】そして、第一シャンク部6の円柱面6aを
規定する直径R1と、第二シャンク部8の円柱面8aを
規定する直径R2は、R1<R2に形成される。
【0019】第一シャンク部6に形成された第一螺糸部
7の山径d1と、第二シャンク部8に形成された第二螺
糸部9の山径d2は、d1<d2に形成され、前記第一
螺糸部7のねじ山角θ1と、第二螺糸部9のねじ山角θ
2は、θ1>θ2に形成される。
【0020】螺糸は、導入螺糸部12から第一螺糸部7
及び第二螺糸部9の全体にわたり同一ピッチで螺旋状に
延び、図示実施態様の場合、全体にわたり同一リード角
に形成されているが、第二螺糸部9のリード角に対して
第一螺糸部7のリード角をやや大きく形成しても良い。
【0021】好ましい実施例において、シャンク素材1
の第一ブランクシャンク部4と第二ブランクシャンク部
5を合わせたブランクシャンク部3の全軸長は、55mm
であり、第一ブランクシャンク部4の軸長を15mm、第
二ブランクシャンク部5の軸長を40mmとし、第一ブラ
ンクシャンク部4の直径D1を3.8mmφ、第二ブラン
クシャンク部5の直径D2を4.4mmφとしている。
【0022】そして、前記数値のシャンク素材1を転造
することにより得られた自己螺進ネジは、尖鋭部11と
第一シャンク部6を合わせた軸長を15mm、第二シャン
ク部8の軸長を35mm、ブランク部10の軸長を5.0
mmとされる。また、第一螺糸部7が、山径d1を約6.
0〜6.5mmφ、ねじ山角θ1を約60度とするのに対
して、第二螺糸部9は、山径d2を約6.5〜7.5mm
φ、ねじ山角θ2を約50度とする。
【0023】このような自己螺進ネジは、前記数値に対
応した形状を有するローリングダイスを用いることによ
り転造されるものであるが、転造前のシャンク素材1と
してD1<D2のように形成したものを用いることによ
り製造が可能になったものである。
【0024】尚、本発明が前記の具体的数値に限定され
ないことは勿論であるが、第一螺糸部7を備えた第一シ
ャンク部6の軸長は、発明の目的を達成できる範囲にお
いて可及的短く設計することが好ましい。
【0025】この第1実施形態によれば、自己螺進ネジ
の尖鋭部11を軟削材から成る被着体13の表面に立
て、所定のスラスト力を与えながらネジを回転せしめる
と、導入螺糸部12及び第一螺糸部7が被着体13に好
適に螺進する。即ち、上述の本発明者が知見した細径の
ネジと同様に、導入螺糸部12を含む尖鋭部11及び第
一螺糸部7を含む第一シャンク部6が細径に形成されて
いるので、ねじ込み開始時から軟削材を無理に破壊して
空回りするようなことはなく、被着体13に対してスム
ースに進入し良好に螺進する。その結果、図2(A)に
示すように、被着体13には、第一螺糸部7により削成
された雌ねじ部14aと、第一シャンク部6の円柱面6
aにより穿孔された孔面15aが形成される。
【0026】引き続き、回転される自己螺進ネジは、図
2(B)に示すように、先に第一螺糸部7により削成さ
れた雌ねじ部14a及び第一シャンク部6により穿孔さ
れた孔面15aのそれぞれに、後続の第二螺糸部9及び
第二シャンク部8を進入せしめる。
【0027】前述のように第一シャンク部6の円柱面6
aの直径R1に対して、第二シャンク部8の円柱部8a
の直径R2を、R1<R2としているので、進入した第
二シャンク部8は、その円柱面8aにより、先に形成さ
れた孔面15aを押し広げて締着孔面15bを形成す
る。従って、軟削材を圧縮しながら孔面15aを締着孔
面15bにまで押し広げるので、該円柱面8aと締着孔
面15bとは相互に圧着される。しかも、このような面
接触による押し広げのため、軟削材が破壊されたり崩壊
することはない。
【0028】また、第一螺糸部7の山径d1に対して、
第二螺糸部9の山径d2を、d1<d2としているの
で、進入した第二螺糸部9は、先に形成された雌ねじ部
14aを切削しつつ径大化せしめ、締着雌ねじ部14b
を削成することにより、軟削材中に食い込む。この際、
前述のように第一螺糸部7のねじ山角θ1に対して、第
二螺糸部9のねじ山角θ2を、θ1>θ2としているの
で、締着孔面15bと締着雌ねじ部14bの間のコーナ
部分において軟削材を破壊する虞れがない。
【0029】このねじ山角をθ1>θ2とした意義を、
図3に示す比較例に基づいて説明すると、この比較例に
おいて、第一螺糸部7のねじ山角θαと第二螺糸部9の
ねじ山角θβは、θα=θβとされている。その他の構
成、即ち、第一シャンク部6の円柱面6aの直径R1に
対して、第二シャンク部8の円柱部8aの直径R2を、
R1<R2とした点、第一螺糸部7の山径d1に対し
て、第二螺糸部9の山径d2を、d1<d2とした点
は、本発明の実施形態と同様である。そこで、図3に示
すように、この比較例においては、先に第一螺糸部7に
より削成された雌ねじ部14a及び第一シャンク部6に
より穿孔された孔面15aのそれぞれに、後続の第二螺
糸部9及び第二シャンク部8が進入して新たに締着孔面
15b及び締着雌ねじ部14bを形成する際、両螺糸部
7、9のねじ山角をθα=θβとしているので、締着孔
面15bと締着雌ねじ部14bの間のコーナ部分に位置
して軟削材を第二螺糸部9により改めて切削することに
なるので、脆弱なコーナ部分が破壊により欠けた崩壊部
16を生じ易く、ネジの締着力と引抜き抵抗を減少して
しまう虞れがある。
【0030】これに対して、本発明の実施形態によれ
ば、図2(B)に示すように、軟削材のコーナ部分は、
第二螺糸部9によって切削されるのではなく、第二シャ
ンク部8の円柱部8aにより押し広げるように圧縮され
るため、比較例のような崩壊部16を生じる虞はない。
そして、第二螺糸部9は、円柱部8aにより圧縮形成さ
れた締着孔面15bと先に形成された雌ねじ部14aと
の交点から外周方向にのみ該雌ねじ部14aを鋭角に大
径化するように切削することにより締着雌ねじ部14b
を削成するので、この締着雌ねじ部14bの部分におい
ても軟削材を崩壊する虞れはなく、第二螺糸部9を軟削
材中に食い込ませる。
【0031】(第2実施形態)上記第1実施形態では、
自己螺進ネジのシャンクに尖鋭部11から順次、第一シ
ャンク部6、第二シャンク部8を設けた構成を示した
が、本発明は、更に、第三シャンク部、第四シャンク部
等の付加されたシャンク部を設けても良い。
【0032】図4に示す第2実施形態は、第三シャンク
部を付加した構成を示している。即ち、図4(A)に示
すように、シャンク素材1は、パンチングダイス等によ
り、尾端に頭部2を備えたブランクのシャンク部3有し
ており、先端から頭部2の方向に延びる第一ブランクシ
ャンク部4と、該第一ブランクシャンク部4に続いて頭
部2の方向に延びる第二ブランクシャンク部5と、更
に、第二ブランクシャンク部5から頭部2の方向に延び
る第三ブランクシャンク部18を備え、第一ブランクシ
ャンク部4の直径D1と第二ブランクシャンク部5の直
径D2と第三ブランクシャンク部18の直径D3を、D
1<D2<D3に形成している。
【0033】前記シャンク素材1は、ローリングダイス
により転造され、図4(B)に示すように、第一ブラン
クシャンク部4には、第一シャンク部6と該第一シャン
ク部6の外周に沿って螺旋状に延びる第一螺糸部7を転
造すると共に、第二ブランクシャンク部5には、第二シ
ャンク部8と該第二シャンク部8の外周に沿って螺旋状
に延びる第二螺糸部9を転造せしめられ、更に、第三ブ
ランクシャンク部18には、第三シャンク部19と該第
三シャンク部19の外周に沿って螺旋状に延びる第三螺
糸部20を転造し、これらの螺糸部を一連に形成する。
尚、第三シャンク部19と頭部2の間には、ローリング
ダイスによる転造を受けないブランク部10が残存し、
第一ブランクシャンク部4の先端には、尖鋭部11が転
造され、第一螺糸部7から連続して尖端に至り次第に山
径を減じる導入螺糸部12が形成される。
【0034】前記第一螺糸部7のねじ山間に位置してね
じ谷径を規定する第一シャンク部6の周面は、シャンク
の軸線とほぼ平行に延びる円柱面6aを有し、ねじ山間
において軸方向に延びる円柱面6aの長さは、第一螺糸
部7を構成するねじ山の肉厚よりも大きい。
【0035】同様に、第二螺糸部9のねじ山間に位置し
てねじ谷径を規定する第二シャンク部8の周面は、シャ
ンクの軸線とほぼ平行に延びる円柱面8aを有し、ねじ
山間において軸方向に延びる円柱面8aの長さは、第二
螺糸部9を構成するねじ山の肉厚よりも大きい。
【0036】更に同様に、第三螺糸部20のねじ山間に
位置してねじ谷径を規定する第三シャンク部19の周面
は、シャンクの軸線とほぼ平行に延びる円柱面19aを
有し、ねじ山間において軸方向に延びる円柱面19aの
長さは、第三螺糸部20を構成するねじ山の肉厚よりも
大きい。
【0037】第一シャンク部6の円柱面6aを規定する
直径R1と、第二シャンク部8の円柱面8aを規定する
直径R2と、第三シャンク部19の円柱面19aを規定
する直径R3は、R1<R2<R3に形成される。
【0038】第一シャンク部6に形成された第一螺糸部
7の山径d1と、第二シャンク部8に形成された第二螺
糸部9の山径d2と、第三シャンク部19に形成された
第三螺糸部20の山径d3は、d1<d2<d3に形成
され、前記第一螺糸部7のねじ山角θ1と、第二螺糸部
9のねじ山角θ2と、第三螺糸部20のねじ山角θ3
は、θ1>θ2>θ3に形成される。
【0039】この際、各シャンク部の円柱面の直径は、
R1<R2<R3の条件の下で、R2とR1の差より
も、R3とR2の差を小さく設定するのが良い。即ち、
(R2−R1)>(R3−R2)が好ましい。同様に、
螺糸の山径についても、d1<d2<d3の条件の下に
おいて、(d2−d1)>(d3−d2)とするのが好
ましい。第1実施形態では軟削材の同一個所の穿孔と切
削を二回にわたり行うのに対して、この第2実施形態に
おいては、第三シャンク部19及び第三螺糸部20によ
り三回にわたる同一個所の穿孔と切削を行うため、軟削
材が疲労して崩壊しないように配慮する必要があるから
である。
【0040】螺糸は、導入螺糸部12から第一螺糸部7
及び第二螺糸部9並びに第三螺糸部20の全体にわたり
同一ピッチで螺旋状に延び、図示実施態様の場合、全体
にわたり同一リード角に形成されているが、第二螺糸部
9のリード角に対して第一螺糸部7のリード角をやや大
きく形成しても良い。
【0041】この第2実施形態によれば、自己螺進ネジ
の尖鋭部11を軟削材から成る被着体13の表面に立
て、所定のスラスト力を与えながらネジを回転せしめる
と、導入螺糸部12及び第一螺糸部7が被着体13に好
適に螺進しつつ、第一螺糸部7により削成された雌ねじ
部14aと、第一シャンク部6の円柱面6aにより穿孔
された孔面15aを形成する。引き続き、自己螺進ネジ
を回転すると、先に第一螺糸部7により削成された雌ね
じ部14a及び第一シャンク部6により穿孔された孔面
15aのそれぞれに、後続の第二螺糸部9及び第二シャ
ンク部8を進入する。この際、第二シャンク部8の円柱
面8aにより、先に形成された孔面15aを押し広げて
締着孔面15bを形成し、第二螺糸部9により、先に形
成された雌ねじ部14aを切削しつつ径大化せしめ、締
着雌ねじ部14bを削成することにより、軟削材中に食
い込む。この点は、上記第1実施形態について説明した
ところと同様であり、その作用状態を図5(A)(B)
に示している。
【0042】更に、ネジを回転すると、図5(C)に示
すように、前記締着孔面15b及び締着雌ねじ部14b
には、それぞれ、後続の第二螺糸部9及び第二シャンク
部8が進入せしめられ、そこでネジの締着を終了する。
第三シャンク部19の円柱面19aは締着孔面15bを
押し広げて更なる圧着孔面15cを形成することにより
該孔面15cに圧着され、第三螺糸部20は、締着雌ね
じ部14bから更に外周方向に食い込んで食込雌ねじ部
14cに係合する。この際、第三螺糸部20のねじ山角
θ3と第二螺糸部9のねじ山角θ2を、θ2>θ3とし
ているので、圧着孔面15cと食込み雌ねじ部14cの
間のコーナ部分において軟削材を破壊する虞れはない。
この点は、第一螺糸部7のねじ山角θ1と第二螺糸部9
のねじ山角θ2を、θ1>θ2とした意義について、上
述したところと同様である。
【0043】
【発明の効果】請求項1に記載の本発明によれば、尖鋭
部11に続く第一シャンク部6に形成した第一螺糸部7
の山径d1と、更にそこから続く第二シャンク部8に形
成した第二螺糸部9の山径d2を、d1<d2に構成し
たので、自己螺進ネジをALC等の軟削材にねじ込む
際、ねじ込み開始時においては、尖鋭部11及び第一螺
糸部7が細径のネジと同様にスムースに螺入し、従来の
ように軟削材を切削破壊して空回りを生じることはな
く、後続の第二螺糸部9を軟削材中に好適に導くことが
できる。そして、先に第一螺糸部7により形成された雌
ねじ部14aに後続の第二螺糸部9を導入せしめること
により、雌ねじ部14aを若干だけ拡径するように切削
して締着雌ねじ部14bを形成するので、軟削材の破壊
を招くことなく第二螺糸部9と締着雌ねじ部14bを好
適に係合せしめることが可能になり、その結果、ねじ込
み開始時の螺入容易性と、ねじ込み完了後の充分な引抜
き抵抗を有する強固な締結を可能にするという二律背反
的な要求を満足できるという効果がある。
【0044】請求項2に記載の本発明によれば、前記構
成及び効果に加えて、第一螺糸部7のねじ山間に形成さ
れた第一シャンク部6の円柱面6aの直径R1と、第二
螺糸部9のねじ山間に形成された第二シャンク部8の円
柱面8aの直径R2を、R1<R2に構成したものであ
るから、第一シャンク部6が軟削材に対して先に形成し
た小径の孔面15aに後続の第二シャンク部8が導入さ
れ、そこで孔面15aを面接触により押し広げ方向に圧
縮して締着孔面15bを形成するので、該第二シャンク
部8の円柱部8aが締着孔面15bに圧着され、強固な
締着力を得ることができ、しかも、面接触による圧縮の
ため軟削材を破壊することはないという効果がある。
【0045】請求項3に記載の本発明によれば、前記構
成及び効果に加えて、第一螺糸部7のねじ山角θ1と第
二螺糸部9のねじ山角θ2を、θ1>θ2とした構成で
あるから、第二シャンク部8の円柱部8aによる締着孔
面15bに対する圧着と、第二螺糸部9の締着雌ねじ部
14bに対する係合を実現するに際し、締着雌ねじ部1
4bと締着孔面15bの間のコーナ部における軟削材に
崩壊部16を生じる虞れがなく、所期目的を確実に達成
できるという効果がある。
【0046】請求項4に記載の本発明によれば、先端か
ら頭部の方向に延びる第一ブランクシャンク部4と、該
第一ブランクシャンク部4に続いて頭部の方向に延びる
第二ブランクシャンク部5を備え、第一ブランクシャン
ク部4の直径D1と第二ブランクシャンク部5の直径D
2を、D1<D2に構成したシャンク素材1を用い、こ
のようなシャンク素材1を転造することにより、前述の
ような第一シャンク部6及び第一螺糸部7と、第二シャ
ンク部8及び第二螺糸部9を形成するものであるから、
本発明の自己螺進ネジを実際に容易に製造することがで
きるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示しており、(A)は
シャンク素材を示す正面図であり、(B)は該シャンク
素材から製造した自己螺進ネジを示す正面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る自己螺進ネジの作
用を示しており、(A)はねじ込み開始時の状態を示す
断面図であり、(B)はねじ込み完了の状態を示す断面
図である。
【図3】本発明に対する比較例の作用を示す断面図であ
る。
【図4】本発明の第2実施形態を示しており、(A)は
シャンク素材を示す正面図であり、(B)は該シャンク
素材から製造した自己螺進ネジを示す正面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る自己螺進ネジの作
用を示しており、(A)はねじ込み開始時の状態を示す
断面図であり、(B)はねじ込み途上の状態を示す断面
図であり、(C)はねじ込み完了の状態を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1 シャンク素材 2 頭部 4 第一ブランクシャンク部 D1 第一ブランクシャンク部の直径 5 第二ブランクシャンク部 D2 第二ブランクシャンク部の直径 6 第一シャンク部 R1 第一シャンク部の直径 7 第一螺糸部 d1 第一螺糸部の山径 θ1 第一螺糸部のねじ山角 8 第二シャンク部 R2 第二シャンク部の直径 9 第二螺糸部 d2 第二螺糸部の山径 θ2 第二螺糸部のねじ山角 11 尖鋭部 13 被着体(軟削材) 14a 雌ねじ部 14b 締着雌ねじ部 15a 孔面 15b 締着孔面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−23614(JP,A) 特開 平7−19219(JP,A) 特開 昭58−609(JP,A) 実開 昭62−119516(JP,U) 実開 平7−18016(JP,U) 実開 昭57−11329(JP,U) 実開 昭52−70259(JP,U) 実開 平2−21316(JP,U) 実開 平6−51525(JP,U) 実開 昭58−170410(JP,U) 実開 平4−124317(JP,U) 実開 昭61−150511(JP,U) 実開 平4−54316(JP,U) 特公 昭47−39873(JP,B1) 特公 昭50−11013(JP,B1) 実公 昭48−43317(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16B 25/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 尾端に頭部を有し先端に尖鋭部を有する
    シャンクの外周に沿って螺旋状に延びる螺糸を形成した
    自己螺進ネジにおいて、 前記シャンクが尖鋭部を越えて頭部の方向に延びる第一
    シャンク部と、第一シャンク部に設けられた第一螺糸部
    と第二シャンク部に設けられた第二螺糸部を一連に形成
    すると共に、第一螺糸部から連続して尖鋭部の尖端に至
    り次第に山径を減じる導入螺糸部を形成して成り、 前記第一螺糸部のねじ山間に形成された第一シャンク部
    の円柱面の直径R1と、第二螺糸部のねじ山間に形成さ
    れた第二シャンク部の円柱面の直径R2を、R1<R2
    構成して成り、 前記導入螺糸部から第一螺糸部及び第二螺糸部の全体に
    わたり螺糸のピッチを同一ピッチに構成すると共に、
    記第一螺糸部の山径d1と第二螺糸部の山径d2を、d
    1<d2に構成し、更に、前記第一螺糸部のねじ山角θ
    1と第二螺糸部のねじ山角θ2を、θ1>θ2に構成し
    て成ることを特徴とする軟削材用自己螺進ネジ。
  2. 【請求項2】 尾端に頭部を有し先端に尖鋭部を有する
    シャンクの外周に沿って螺旋状に延びる螺糸を形成した
    自己螺進ネジの製造方法において、 先頭から頭部の方向に延びる第一ブランクシャンク部
    と、該第一ブランクシャンク部に続いて頭部の方向に延
    びる第二ブランクシャンク部を備え、第一ブランクシャ
    ンク部の直径D1と第二ブランクシャンク部の直径D2
    を、D1<D2に構成したシャンク素材を用い、 前記シャンク素材を転造することにより、第一ブランク
    シャンク部から形成される第一シャンク部に第一螺糸部
    を設けると共に、第二ブランクシャンク部5から形成さ
    れる第二シャンク部に第二螺糸部を設け、第一螺糸部と
    第二螺糸部の両者を一連に形成し、更に、第一ブランク
    シャンク部の先端に転造される尖鋭部に第一螺糸部から
    連続して尖端に至り次第に山径を減じる導入螺糸部を形
    成すると共に、前記導入螺糸部から第一螺糸部及び第二
    螺糸部の全体にわたり螺糸のピッチを同一ピッチに構成
    するに際し、 前記第一螺糸部のねじ山間に形成された第一シャンク部
    の円柱面の直径R1と、第二螺糸部のねじ山間に形成さ
    れた第二シャンク部の円柱面の直径R2を、R1<R2
    に形成しつつに、前記第一螺糸部の山径d1と第二螺糸
    部の山径d2を、d1<d2に形成すると共に、前記第
    一螺糸部のねじ山角θ1と第二螺糸部のねじ山角θ2
    を、θ1>θ2に形成することを特徴とする請求項1に
    記載の軟削材用自己螺進ネジの製造方法。
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