JP2958631B2 - 燃料油用分散剤 - Google Patents

燃料油用分散剤

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JP2958631B2 JP15455597A JP15455597A JP2958631B2 JP 2958631 B2 JP2958631 B2 JP 2958631B2 JP 15455597 A JP15455597 A JP 15455597A JP 15455597 A JP15455597 A JP 15455597A JP 2958631 B2 JP2958631 B2 JP 2958631B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は燃料油用分散剤に関
し、詳しくは燃料油に対する溶解性に優れ、特にガソリ
ン中で発生するスラッジの抑制性に優れ、且つガソリン
エンジンの吸気系および燃焼室内の清浄性に優れた燃料
油用分散剤に関する。
【0002】
【従来の技術】ガソリンエンジンの燃料系統や燃焼室内
にスラッジやデポジット等の沈積物を生じるとエンジン
機能の低下、排ガス等に悪影響を及ぼす。このためスラ
ッジやデポジットの除去、付着防止、浄化等を目的にガ
ソリンなどの燃料油には各種の添加剤が添加されてい
る。
【0003】例えば、特公昭56−48556号、特開
平3−229797号、特開平6−322381号各公
報などにポリエーテルアミン系燃料油添加剤が開示され
ている。また、特開平8−199179号公報にウレタ
ン系燃料油添加剤が開示されている。しかしながら、上
記燃料油添加剤は、スラッジが生成しやすいガソリンを
用いた場合や、加減速が頻繁な過酷な運転条件下使用し
た場合は、その清浄効果は不十分であり、特に燃焼室の
清浄効果が不十分であり、優れた清浄効果を発揮する燃
料油添加剤の開発が待ち望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、スラッジが生成しやすいガソリンを用いた場合や、
頻繁かつ過酷な運転条件下においても、内燃エンジンの
吸気系統や燃焼室の清浄性に優れた燃料油用分散剤を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に鋭意検討した結果、特定の化学構造のオキシアルキレ
ン誘導体、および特定の化学構造のアルキルコハク酸ア
ミド化合物またはイミド化合物が燃料油用分散剤として
優れた清浄性を発揮することを見いだし本発明に到達し
た。すなわち、本発明は一般式(1)〜(3)のいずれ
かで表されるN−アリール−アリーレンジアミンのオキ
シアルキレン誘導体からなる燃料油用分散剤である。
【0006】
【化4】
【0007】〔式中、R1は炭素数6〜30のアリール
基;R2は炭素数6〜30のアリーレン基;Aは炭素数
2〜20の炭化水素基;X1は炭素数2〜20の脂肪族
炭化水素基、または−(AO)kH基;kは2〜50の
数を示す。〕
【0008】
【化5】
【0009】〔式中、R1は炭素数6〜30のアリール
基;R2は炭素数6〜30のアリーレン基;Aは炭素数
2〜20の炭化水素基;X1は炭素数2〜20の脂肪族
炭化水素基、または−(AO)kH基;X2は炭素数2〜
20のm価の炭化水素基、または炭素数6〜200のア
シル基、ハイドロカルビルカルバモイル基、ハイドロカ
ルビルヒドロキシエチル基;kは2〜50の数;mは1
〜6の数を示す。〕
【0010】
【化6】
【0011】〔式中、R1は炭素数6〜30のアリール
基;R2は炭素数6〜30のアリーレン基;R3は炭素数
2〜40の炭化水素基;Aは炭素数2〜20の炭化水素
基;X3は水素原子または炭素数2〜20の脂肪族炭化
水素基;kは2〜50の数;nは0または1〜4の整数
を示す。〕
【0012】
【発明の実施の形態】以下、これらについて詳細に説明
する。本発明の燃料油用分散剤はN−アリール−アリー
レンジアミノ基を含有するオキシアルキレン誘導体であ
り、一般式(1)〜(3)のいずれかで表される。
【0013】
【化7】
【0014】〔式中、R1は炭素数6〜30のアリール
基;R2は炭素数6〜30のアリーレン基;Aは炭素数
2〜20の炭化水素基;X1は炭素数2〜20の脂肪族
炭化水素基、または−(AO)kH基;kは2〜50の
数を示す。〕
【0015】
【化8】
【0016】〔式中、R1は炭素数6〜30のアリール
基;R2は炭素数6〜30のアリーレン基;Aは炭素数
2〜20の炭化水素基;X1は炭素数2〜20の脂肪族
炭化水素基、または−(AO)kH基;X2は炭素数2〜
20のm価の炭化水素基、または炭素数6〜200のア
シル基、ハイドロカルビルカルバモイル基、ハイドロカ
ルビルヒドロキシエチル基;kは2〜50の数;mは1
〜6の数を示す。〕
【0017】
【化9】
【0018】〔式中、R1は炭素数6〜30のアリール
基;R2は炭素数6〜30のアリーレン基;R3は炭素数
2〜40の炭化水素基;Aは炭素数2〜20の炭化水素
基;X3は水素原子または炭素数2〜20の脂肪族炭化
水素基;kは2〜50の数;nは0または1〜4の整数
を示す。〕
【0019】R1は炭素数6〜30のアリール基(たと
えばフェニル基、ジフェニル基、ナフチル基、アントラ
セニル基、およびこれらのアルキル置換基)、好ましく
は炭素数6〜18のアリール基があげられる。さらに好
ましくはフェニル基である。 R2は炭素数6〜30の
アリーレン基、好ましくは炭素数6〜18のアリーレン
基であり、さらに好ましくはフェニレン基である。R3
は炭素数2〜40の炭化水素基で、例えば炭素数2〜2
0のアルキル基、アルケニル基、炭素数6〜28のアリ
ール基、アラルキル基、アルキルアリール基などが挙げ
られる。好ましくは炭素数2〜20のアルキル基、炭素
数6〜28のアルキルアリール基であり、たとえばラウ
リル基、フェニル基、ノニルフェニル基が挙げられる。
Aは炭素数2〜20の炭化水素基、好ましくは炭素数2
〜12の炭化水素基である。具体的にはAO基として後
述のアルキレンオキサイドの開環した残基である。
【0020】X1は炭素数2〜20の脂肪族炭化水素基
(たとえばエチル基、ブチル基、プロピル基、ヘキシル
基、ラウリル基、フェニル基)、または−(AO)k
基であり、好ましくは炭素数2〜12の脂肪族炭化水素
基、または−(AO)kH基である。X2としては、mが
1の場合、例えば炭素数2〜20の炭化水素基(たとえ
ばエチル基、ブチル基、プロピル基、ヘキシル基、ラウ
リル基、オレイル基、フェニル基)、炭素数6〜200
のアシル基(たとえばラウロイル基、ステアロイル基、
オレイロイル基)ハイドロカルビルカルバモイル基(た
とえばフェニルカルバモイル基、ステアリルカルバモイ
ル基、オレイルカルバモイル基)、ハイドロカルビルヒ
ドロキシエチル基である。好ましくは、炭素数6〜20
0のアシル基、ハイドロカルビルカルバモイル基、ハイ
ドロカルビルヒドロキシエチル基である。mが2以上の
場合のX2としては、例えばQ1−(CO)m基(ただ
し、Q1はポリカルボン酸からカルボキシル基を除いた
残基)、Q2−(NHCO)m基(ただし、Q2はポリイ
ソシアネート化合物の残基)、Q3−[CH(OH)−
CH2m基(ただし、Q3はポリエポキシ化合物の残
基)が挙げられる。mは1〜6の数、好ましくは1〜
3、特に好ましくはmは1である。X3は水素原子、ま
たは炭素数2〜20の炭化水素基(たとえばエチル基、
ブチル基、プロピル基、ヘキシル基、ラウリル基、オレ
イル基、フェニル基)、好ましくはYは水素原子、また
は炭素数2〜12の炭化水素基である。kは2〜50の
数、好ましくは5〜30である。kが2未満では清浄効
果が弱くなる場合があり好ましくない。また50を超え
ると燃料油への溶解性が悪化する場合があり好ましくな
い。nは0または1〜4の整数、好ましくは0、1また
は2である。本発明のオキシアルキレン誘導体のアリー
ル基とアリーレン基に挟まれた窒素原子に起因する2級
アミン価は、スラッジ抑制効果、清浄効果及び燃料油へ
の溶解性の観点から通常0.5〜300、好ましくは2
〜200である。
【0021】また、本発明のオキシアルキレン誘導体
は、例えばN−フェニル−1,4−フェニレンジアミン
のようなN−アリール−アリーレンジアミン化合物とア
ルキレンオキサイド化合物とを反応させることで容易に
得ることができる。
【0022】反応させるアルキレンオキサイド化合物中
のアルキレンオキサイドは炭素数2〜20のアルキレン
オキサイドであり、エチレンオキサイド、プロピレンオ
キサイド、1,2−ブチレンオキサイド、2,3−ブチ
レンオキサイド、1,2−ドデセンオキサイド、スチレ
ンオキサイド等が挙げられる。清浄効果の面からエチレ
ンオキサイド、プロピレンオキサイド、2,3−ブチレ
ンオキサイドが好ましく、燃料油への溶解性の面からは
1,2−ドデセンオキサイド、スチレンオキサイドが好
ましい。
【0023】N−アリール−アリーレンジアミノ基含有
化合物を必要により適当な溶媒(トルエン、キシレン
等)中、50℃〜120℃に加熱しながらアルキレンオ
キサイドを加え、付加反応させることで、一般式(1)
で示されるオキシアルキレン誘導体が得られる。付加反
応は、1種のアルキレンオキサイドの付加反応だけでな
く、2種類以上のアルキレンオキサイドを混合して反応
させるランダム付加反応や、2種類以上のアルキレンオ
キサイドを順次反応させるブロック付加反応によっても
よい。水酸化ナトリウム等の反応触媒を用いた場合や、
反応温度が120℃を超える場合には、アリール基とア
リーレン基に挟まれた窒素原子にもアルキレンオキサイ
ドが付加する場合があり好ましくない。
【0024】本発明のオキシアルキレン誘導体は、一般
式(1)で示されるオキシアルキレン誘導体の末端の水
酸基を、これと反応しうる反応性化合物で変性させても
よい。たとえば一般式(1)で示されるオキシアルキレ
ン誘導体を、必要により適当な溶媒(トルエン、キシレ
ン等)中、水酸基と反応可能な基、たとえばイソシアネ
ート基、カルボキシル基、エポキシ基を分子内に1個以
上含有する有機化合物[たとえばフェニルイソシアネー
ト;トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、キシリレンジイソシアネート、α,α,
α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメ
タンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
トおよびこれらの変性体(イソシアヌレート体、ビュレ
ット体、ウレトジオン体、トリメチロールプロパン付加
体等);ラウリン酸;ステアリン酸;オレイン酸;ドデ
カン二酸;エピクロルヒドリン)など]を加え、反応さ
せることで一般式(2)で示されるオキシアルキレン誘
導体が得られる。
【0025】また、N−アリール−アリーレンジアミノ
基含有化合物を必要により適当な溶媒(トルエン、キシ
レン等)中、加熱しながら下記一般式(7)または一般
式(8)に示される化合物(I)を加え、アミド化反応
させることで一般式(3)で示されるオキシアルキレン
誘導体が得られる。
【0026】
【化10】
【0027】
【化11】
【0028】〔式中、R3は炭素数2〜40の炭化水素
基;Aは炭素数2〜20の炭化水素基;kは2〜50の
数;nは0または1〜4の整数を示す。〕
【0029】一般式(7)に示す化合物は、例えばノニ
ルフェノール、ラウリルアルコールのようなフェノール
類またはアルコール類(i−1)にアルキレンオキサイ
ドを付加させた一般式(9)に示す化合物を、加圧下で
ホスゲンで処理すること等により合成できる。また一般
式(8)に示す化合物は、一般式(9)に示す化合物を
アルカリ雰囲気下、炭素数が1〜4のα−モノハロゲン
置換脂肪酸(例えばクロロ酢酸ナトリウム)で処理する
こと等により合成できる。
【0030】
【化12】
【0031】〔式中、R3は炭素数2〜40の炭化水素
基;Aは炭素数2〜20の炭化水素基;kは2〜50の
数;nは0または1〜4の整数を示す。〕
【0032】本発明の分散剤は、種々の燃料油、例えば
石油留分、アルコール類、LNG、植物油等の内燃機関
の燃料として使用し得る全てに対して使用可能である。
特に内燃機関用ガソリンに添加した場合にガソリンエン
ジンの燃料系統や燃焼室の清浄性に極めて優れた性能を
発揮する。本発明の分散剤の燃料油への添加量は特に規
制されるものではないが、好ましくは燃料油に対して1
0ppm以上10,000ppm以下である。10pp
m未満では添加効果が十分でなく、10,000ppm
を越えても効果の向上がみられない。
【0033】なお、本発明の分散剤を添加した燃料油中
に、必要に応じてほかの添加剤、例えば酸化防止剤、金
属清浄剤、無灰清浄剤、腐食防止剤等を配合することも
できる。
【0034】
【実施例】以下、実施例に挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0035】実施例、比較例における使用原料の略号の
意味は以下の通りである。 <アミノ化合物> AM−1:N−フェニル−1,4−フェニレンジアミン [aldrich chemical company製] AM−2:N−フェニル−1,2−フェニレンジアミン [aldrich chemical company製] AM−3:N−イソプロピル−N’−フェニル−1,4−フェニレンジアミン [精工化学製オゾノン3C] AM−4:N−(ジメチルブチル)N’−フェニル−1,4−フェニレンジア ミン [精工化学製オゾノン6C] RAM :ラウリルアミン <アルキレンオキサイド> EO :エチレンオキサイド PO :プロピレンオキサイド BO :ブチレンオキサイド DO :ドデセンオキサイド SO :スチレンオキサイド <フェノール類、アルコール類(i−1)> NP :ノニルフェノール RP :ラウリルフェノール RA :ラウリルアルコール OA :オレイルアルコール
【0036】実施例1〜9 温度計、撹拌機、環流冷却器および窒素導入口を備えた
耐圧反応容器に、表1に示す量のアミノ化合物および溶
剤を仕込み、反応容器内の空気を窒素ガスで置換した
後、密閉状態にし、80℃まで加熱、表1に示す量のア
ルキレンオキサイド(AO−1)を加え、無触媒で、反
応温度80℃で10時間反応させた。更に表1に示す量
のアルキレンオキサイド(AO−2)を加え、反応温度
80℃で10時間反応させた。反応終了後50℃まで冷
却した後、濾過した。これをさらに常圧下で150℃ま
で昇温し、150℃になった時点で減圧に切り替え、2
000Paに到達後1.5時間、溶剤の留去を行い、室
温まで冷却して本発明のオキシアルキレン誘導体の試料
1〜9を得た。なお、得られた試料のアミン価を表4に
示す。試料1〜9はいずれも無触媒でアルキレンオキサ
イドの付加反応を行ったため、得られた付加物には、ア
リール基とアリーレン基に挟まれた窒素原子にはアルキ
レンオキサイドが付加していないことを示している。
【0037】実施例10〜15 温度計、撹拌機、環流冷却器および窒素導入口を備えた
耐圧反応容器に、表2に示す量の化合物(i−1)、付
加反応触媒として水酸化カリウム8.0gを加え、窒素
ガス置換した後、容器を密閉状態にした。100℃まで
加熱し、表2に示す量のアルキレンオキサイド(AO−
1)を加え、反応温度115℃で3時間反応させた。更
に表2に示す量のアルキレンオキサイド(AO−2)を
加え、反応温度120℃で3時間反応させた。反応終了
後60℃まで冷却した後、クロロ酢酸ナトリウム11
6.5gを加え、反応温度100℃で10時間反応させ
た。反応終了後50℃まで冷却した後、反応生成溶液を
塩酸により中和し濾過し付加触媒を除去することでカル
ボキシル基含有の化合物(I)を得た。得られた試料の
酸価を表2に示す。さらに表3に示す量のアミノ化合
物、化合物(I)および溶剤を、温度計、撹拌機、環流
冷却器および窒素導入口を備えた耐圧反応容器に加え、
窒素ガス置換した後、窒素ガスを通流しながら、反応温
度130℃で3時間、脱水、アミド化反応させた。最後
に常圧下で150℃まで昇温し、150℃になった時点
で減圧に切り替え、2000Paに到達後1.5時間、
溶剤の留去を行い、室温まで冷却してを本発明のオキシ
アルキレン誘導体の試料10〜15を得た。得られた試
料のアミン価を表4に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】比較例1および比較例2 温度計、撹拌機、環流冷却器および窒素導入口を備えた
耐圧反応容器に、表5に示す量の、アミノ化合物、溶
剤、および付加反応触媒として水酸化カリウム8.0g
を仕込み、窒素ガスで置換した後容器を密閉状態にし、
100℃まで加熱、表5に示す量のアルキレンオキサイ
ド(AO−1)を加え、反応温度115℃で3時間反応
させた。更に表5に示す量のアルキレンオキサイド(A
O−2)を加え、反応温度120℃で3時間反応させ
た。反応終了後60℃まで冷却した後、反応生成溶液を
塩酸により中和し濾過し付加触媒を除去した。最後に常
圧下で110℃まで昇温し、110℃になった時点で減
圧に切り替え、2000Paに到達後1.5時間、溶剤
の留去を行い、室温まで冷却してをオキシアルキレン誘
導体の比較試料1および2を得た。得られた試料のアミ
ン価を表6に示す。
【0043】比較例3 温度計、撹拌機、環流冷却器および窒素導入口を備えた
耐圧反応容器に、B−1化合物700g(0.40mo
l)、アクリロニトリル21g(0.48mol)、お
よび付加反応触媒として水酸化カリウム3.2gを仕込
み、窒素ガスで置換した後容器を密閉状態にし、80℃
まで昇温後、5時間付加反応させた。反応終了後60℃
まで冷却した後、反応生成溶液を塩酸により中和し濾過
し付加触媒を除去した。さらに常圧下で110℃まで昇
温し、110℃になった時点で減圧に切り替え、200
0Paに到達後1.5時間、過剰のアクリロニトリルを
除去し、シアノエチル変性したポリオールを得た。最後
にラネーニッケルを水素化触媒として20Kg/cm2
水素圧をかけて水素添加を行い、1級アミノ基含有ポリ
オール化合物(比較試料3)を得た。得られた試料のア
ミン価を表6に示す。
【0044】
【表5】
【0045】
【表6】
【0046】実施例1〜15、比較例1〜3で得られた
試料によるスラッジ抑制の効果を、酸価安定性試験評価
で行なった。また清浄性の効果を、エンジン試験評価で
行なった。その結果を表7に示す。
【0047】酸価安定性試験 温度計、撹拌機、環流冷却器および空気導入口を備えた
応容器に、50mm×50mm×0.2mmの銅板、5
0mm×50mm×0.2mmの鋼板、および試料20
0ppm添加したガソリン500ccを入れ、空気を吹
き込みながら100℃で72時間撹拌しガソリンを酸価
劣化させた。劣化ガソリン10gにペンタンを加え10
0ccまで希釈し均一混合後、遠心分離(1000G×
10min)した。分離した沈降物をペンタンで2回洗
浄し、乾燥後、沈降物であるスラッジの重量を測定しス
ラッジ抑制性を評価した。また劣化前後の酸価を測定し
差を求め、酸価安定性を評価した。
【0048】エンジン試験1 総排気量1800ccの燃料インジェクション式未使用
の乗用車を用意し、ガソリンのみを用いて以下に示す1
サイクル30分の走行モードを120時間繰り返した
後、吸気弁に付着したデポジット量を測定した。 走行モード ;アイドリング(1分)→1500rpm(15分)→2700 rpm(10分)→停止(4分) 次いでデポジットを取り除くことなく吸気弁を取り付
け、各試料200ppm添加したガソリンを用いて、上
記に示す1サイクル30分の走行モードを48時間繰り
返した。試験後、吸気弁に付着したデポジット量を測定
し、試料200ppm添加したガソリンを使用前のデポ
ジット量との差を求め吸気系デポジット清浄性の評価と
した。
【0049】エンジン試験2 総排気量1800ccの燃料インジェクション式未使用
の乗用車を用意し、各試料200ppm添加したガソリ
ンを用いて回転数1800rpmで120時間稼働後、
燃焼室に付着したデポジット量を測定し、ガソリンのみ
で稼働した場合に燃焼室に付着したデポジット量との差
を求めた。
【0050】
【表7】
【0051】
【発明の効果】本発明の燃料油添加剤はガソリン中で
発生するスラッジの抑制に優れた効果を発揮する。吸
気系デポジットおよびに特燃焼室デポジットの清浄性に
優れた効果を発揮する。特に特燃焼室デポジットの清
浄性に極めて優れた効果を発揮する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C10L 1/22 C10L 1/06 CA(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で表されるN−アリール−
    アリーレンジアミンのオキシアルキレン誘導体からなる
    燃料油用分散剤。 【化1】 〔式中、R1は炭素数6〜30のアリール基;R2は炭素
    数6〜30のアリーレン基;Aは炭素数2〜20の炭化
    水素基;X1は炭素数2〜20の脂肪族炭化水素基、ま
    たは−(AO)kH基;kは2〜50の数を示す。〕
  2. 【請求項2】 一般式(2)で表されるN−アリール−
    アリーレンジアミンのオキシアルキレン誘導体からなる
    燃料油用分散剤。 【化2】 〔式中、R1は炭素数6〜30のアリール基;R2は炭素
    数6〜30のアリーレン基;Aは炭素数2〜20の炭化
    水素基;X1は炭素数2〜20の脂肪族炭化水素基、ま
    たは−(AO)kH基;X2は炭素数2〜20のm価の炭
    化水素基、または炭素数6〜200のアシル基、ハイド
    ロカルビルカルバモイル基、ハイドロカルビルヒドロキ
    シエチル基;kは2〜50の数;mは1〜6の数を示
    す。〕
  3. 【請求項3】 一般式(3)で表されるN−アリール−
    アリーレンジアミンのオキシアルキレン誘導体からなる
    燃料油用分散剤。 【化3】 〔式中、R1は炭素数6〜30のアリール基;R2は炭素
    数6〜30のアリーレン基;R3は炭素数2〜40の炭
    化水素基;Aは炭素数2〜20の炭化水素基;X3は水
    素原子または炭素数2〜20の脂肪族炭化水素基;kは
    2〜50の数;nは0または1〜4の整数を示す。〕
  4. 【請求項4】 N−アリール−アリーレンジアミンがN
    −フェニル−1,2−フェニレンジアミンまたはN−フ
    ェニル−1,4−フェニレンジアミンである請求項1〜
    3のいずれか記載の燃料油用分散剤。
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