JP2958317B2 - 濾過装置 - Google Patents

濾過装置

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JP2958317B2
JP2958317B2 JP8038414A JP3841496A JP2958317B2 JP 2958317 B2 JP2958317 B2 JP 2958317B2 JP 8038414 A JP8038414 A JP 8038414A JP 3841496 A JP3841496 A JP 3841496A JP 2958317 B2 JP2958317 B2 JP 2958317B2
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昭一 桜井
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NIPPON MEIN TETSUKU JUGEN
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、軽油、ガ
ソリン等の流体燃料(以下単に燃料)中に混在するゴミ
等の異物を除去するコンパクトな濾過装置の改良に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、エンジンに供給される燃料は、
水、塵、錆、鉄分等を燃料供給系から排除するために、
燃料供給系にフューエルフィルタとともにウォータセパ
レータが取り付けられている。
【0003】例えば、図5に示すエンジンの燃料供給系
は、燃料を収容する燃料タンク1に手動ポンプ2を連通
し、これら燃料タンク1及び手動ポンプ2より上位にウ
ォータセパレータ3を設置し、配管pにより連通してい
る。
【0004】前記燃料タンク1内の燃料は、フィードポ
ンプ4により吸引され、配管pにより手動ポンプ2及び
ウォータセパレータ3を経てフューエルフィルタ5,5
を通り、インジェクションポンプ6によってインジェク
ションノズル7に供給され、エンジン(図示せず)内に
噴射されるようになっている。
【0005】このようにした燃料供給系では、燃料タン
ク1からフィードポンプ4によって吸引された燃料は、
主としてウォータセパレータ3により水分が分離され、
フューエルフィルタ5,5によって錆等の異物が除去さ
れる。なお、前記フューエルフィルタ5,5及びインジ
ェクションノズル7においてオーバーフローした余剰燃
料は、戻し回路mにより前記タンク1に戻される。
【0006】このように構成された燃料供給系におい
て、ウォータセパレータ3は、図6に示すように、合成
樹脂製の透明容器本体8に燃料入口9と燃料出口(前記
燃料入口の後方に形成されており、図示せず)とが開設
された蓋体10を取り付けたもので、水より若干比重が
小さく、かつ燃料より若干比重が大きいフロート11を
容器本体8内に設け、水と燃料との比重差を利用して両
者を分離するもので、分離された境界部分にフロート1
1が浮遊するようにし、フロート11の位置より溜まっ
た水の量を知ることができる。
【0007】このウォータセパレータ3は、燃料中から
水を除去するものであり、透明容器本体8内には、常に
水が存在していないことが好ましいとされるものであ
り、従来から頻繁に水抜きを行なうことが望ましいとさ
れているものである。
【0008】この水抜きは、エアー抜きプラグ12を外
した後に、ドレーンプラグ13を外すことにより行う
か、この水抜きを行なうことによりエアー抜きプラグ1
2を外した孔より空気がウォータセパレータ3内に入り
込むことになるので、手動ポンプ2を操作して、タンク
1より燃料をウォータセパレータ3内に取込み、前記空
気を追出すように満した後に、エアー抜きプラグ12を
締付け孔を閉塞する。
【0009】また、燃料中のゴミあるいは錆等の異物
は、フューエルフィルタ5,5により除去される。異物
がフューエルフィルタ5,5に詰ると、フィルタ5,5
内の濾過エレメント16を交換する。
【0010】このフューエルフィルタ5,5は、図7に
示すように、ボディ14の下部に設けられたケース15
内に濾過エレメント16が設けられ、前記ボディ14の
入口通路17から流入した燃料を濾過エレメント16に
より濾過して、出口通路18から流出するようにしたも
のであり、この出口通路18の流路途上にエアー抜きプ
ラグ19が設けられ、このエアー抜きプラグ19を外せ
ば、濾過エレメント16を交換した後に入り込んだエア
ーも容易に抜くことができる。
【0011】そして、清浄になった燃料がインジェクシ
ョンポンプ6を経てインジェクションノズル7に送られ
ることになる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の燃料供給系においては、燃料中に含まれている
ゴミ等の異物を除去するフューエルフィルタにより除去
されないような微細なゴミは、そのままエンジンまで運
ばれることになる。
【0013】このような微細なゴミが、エンジンのイン
ジェクションノズル7等の極めて細い燃料通路部分に入
ると、燃料が燃焼するとき一緒に燃焼されるが、そのス
ラッジがインジェクションノズル7に付着したり、この
スラッジを核としてカーボンが成長し、この結果、燃料
は完全燃焼ぜす、燃焼後の排気ガス中に一酸化炭素や、
NOx が増大し、大気汚染の原因となる。
【0014】また、フューエルフィルタ5が目詰まりを
起すと、フューエルフィルタ5の濾過エレメント16を
交換する作業を行なうが、この作業中にエアーが内部に
入り込む虞れがある。この場合のエアー抜きは、ウォー
タセパレータ3の場合と同様に手動ポンプ2を操作する
ことにより行なうが、手動ポンプ2から相当離れた位置
のフューエルフィルタ5に入り込んだ空気を除去するの
で、この空気が再度前記ウォータセパレータ3内に入り
込んだり、他のフューエルフィルタ5内に入り込む等と
いう事態が生じ、完全にエアー抜きを行なうにはきわめ
て面倒な作業となる不具合がある。
【0015】特に、図5に示すように、異物の除去を確
実に行なうために、多段にフューエルフィルタ5,5を
設けた場合には、どのフューエルフィルタ5,5が目詰
まりしているのか直ちには判断することはできず、結局
すべてのフューエルフィルタ5,5を交換し、かつエア
ー抜きも全てのものについてチェックしつつ行なわなけ
ればならないという事態が生じ、作業が一層面倒なもの
となっている。
【0016】さらに、フューエルフィルタ5,5におい
て、一旦目詰まりが生じると、前述した異物が混入した
ポンプ等周辺機器までも、破損しているか否かをチェッ
クしなければならず、フィルタ交換時には、単にフィル
タの交換のみでなく、種々のチェック作業も要すること
になり、保守点検に時間がかかる。
【0017】しかも、フューエルフィルタ5が目詰まり
を起すと、フィードポンプ4による燃料の押込み圧力に
よりフィルタの濾紙が破れる虞れがあり、濾紙の寿命も
短いものとなっている。
【0018】加えて、配管途中にフューエルフィルタ5
とウォータセパレータ3との両者を取り付けると、狭少
なエンジンルームにとってはスペース的に好ましくない
という欠点もある。
【0019】本発明は、このような従来技術の課題に鑑
みてなされたものであり、燃料中に混在する微細なゴミ
までも除去することができ、フィルタの交換、水あるい
はエアー抜きも簡単に行なうことができるコンパクトな
濾過装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る濾過装置は、本体容器に流入した流体燃
料を、前記本体容器の下部に設けられた水貯溜部内に張
られた水の中を通過させ濾過するようにした濾過装置に
おいて、前記本体容器は、燃料タンクと連通され比較的
少量の流体燃料が流入する第1の入口と、エンジンで使
用されず戻し回路により戻された多量のリターン燃料が
流入する第2の入口とを有し、当該本体容器の上部に密
閉のケースを取付け、前記ケース内に濾紙を中空の軸の
周囲に多数積層した濾過エレメントを設けるとももに当
該濾過エレメントの上部に空気抜き部を有する上端室を
形成し、前記両入口から流入した流体燃料を一旦前記水
貯溜部の水の中を通過させた後に前記濾過エレメント内
を流通させ、前記上端室及び前記軸内を流通して前記本
体容器に設けられた出口よりエンジンに導くようにした
ことを特徴とする。
【0021】微細なゴミが除去された燃料は、インジェ
クションノズルからエンジン内に噴射しても、このイン
ジェクションノズルにスラッジやカーボン等が付着せ
ず、エンジンが完全燃焼しやすく、燃焼後の排気ガス中
に含まれる一酸化炭素、NOxあるいは黒煙等の量が大
幅に低減する。しかも、エンジンが完全燃焼しやすいの
で、不完全燃焼のブローバイガスがクランク室内に入り
込み、エンジンオイルを汚染するという事態も防止で
き、エンジンオイルの寿命も長くなり、結果的にエンジ
ンの耐久性が向上する。
【0022】また、このように微細なゴミが除去される
と、次に燃料を濾過エレメント、フィードポンプ、イン
ジェクションポンプあるいはインジェクションノズル等
を通したとき、ここで微細なゴミによる目詰りや作動不
良が生じることがなく、燃料系全体が長寿命となる。
【0023】前記したウォータセパレータ3やフューエ
ルフィルタ5は廃止でき、燃料供給系をコンパクトなも
のとすることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0025】図1は本発明に係る濾過装置が組込まれる
エンジン燃料系の全体概略図、図2は本発明に係る濾過
装置の実施の形態を示す断面図、図3は図2の3−3線
に沿う断面図、図4は図2の4−4線に沿う断面図であ
るが、図5〜7に示す部材と共通する部材には同一符号
を付している。
【0026】本実施例の濾過装置30が組込まれるエン
ジン燃料系は、図1に示すように、燃料が収容されてい
る燃料タンク1に燃料ポンプ2を連通し、この燃料ポン
プ2からの燃料を配管P1 を通って、後に詳述する濾
過装置30の第1の入口Iaに供給するようになってい
る。
【0027】この濾過装置30により濾過された燃料
は、第1の出口Oaから流出し、配管P2 を通ってフィ
ードポンプ4により吸引され、フューエルフィルタ5を
介してインジェクションポンプ6によってインジェクシ
ョンノズル7よりディーゼルエンジン(図示せず)に供
給される。
【0028】なお、この濾過装置30は、出口O側にフ
ィードポンプ4を連設しているため、濾過装置30は燃
料を吸い込む燃料吸込式となり、濾過装置30内に設け
られる濾紙Rの破損は極めて少ないものとなる。
【0029】このディーゼルエンジンで使用されずオー
バーフローした余剰燃料は、濾過された後の清浄なもの
であるため、戻し回路mにより前記濾過装置30の第2
の入口Ibより濾過装置30内に戻されるようになって
いるが、本発明は、これのみに限定されるものではな
く、図中破線で示すように燃料タンク1に直接戻すよう
にしても良く、また両者並設しても良い。
【0030】なお、図1中符号「B」は、濾過装置30
が、例えば目詰り等の不具合が生じたときのバイパス回
路である。
【0031】図2に示す本実施の形態の濾過装置30に
ついて概説すれば、本体容器31の第1の入口Iaから
流入した燃料を、本体容器31の下部に設けられた水貯
溜部32内に張られた水Wの中を通過させた後に、上部
の濾過エレメント51内を通りエンジンに導くようにし
たものであり、アルミニウム合金あるいは鉄製の本体容
器31と、この本体容器31の上部にOリングOを介し
て取付けられた上部ケース50とを有している。
【0032】まず、本体容器31は、上部容器31aと
下部容器31bとをねじ部Nにより着脱自在に連結した
ものであり、内部は、仕切板33により上部室34と下
部室35に区画されている。
【0033】下部室35の側壁には、第1の入口Iaと
第2の入口Ibが開設され、第1の入口Iaは燃料タン
ク1と燃料ポンプ2を介して連通され、第2の入口Ib
はエンジン側からのリターン燃料が流入するようになっ
ている。また、上部室34の側壁34aには、第1の出
口Oaと第2の出口Obが開設され、第1の出口Oaは
濾過した後の燃料をエンジン側に流出するものであり、
第2の出口Obは濾過装置30を2台並設する場合とか
あるいは戻し回路mより帰還した燃料をそのまま第1の
入口Iaに戻すために使用されるポートである。
【0034】これら両入口Ia,Ib及び前記両出口O
a,Obは、それぞれ本体容器31の対向する位置に開
設されている。このように両入口I及び両出口Oを本体
容器31の対向する位置に開設したのは、濾過装置30
を取り付けた車両がいかなる状態になっても濾過装置3
0内の水面が水平に保持されるようにジャイロスコープ
の原理で支持できるようにするためである。
【0035】つまり、図3に示すように、本体容器31
の各出入口部分には軸受Jを取付け、この各出入口部分
を回転自在に支持すると共に出口側軸受相互、また入口
側軸受相互を1本の支持部材37,38により支持し、
各支持部材37,38を車体側に連結する。また、この
各出入口部分に回転自在なカップリングC(図1参照)
を介して燃料パイプPと連結し、燃料パイプPと無関係
に濾過装置30が揺動変位できる状態としている。な
お、濾過装置30の揺動をより円滑にするには、燃料パ
イプP自体をフレキイブルチューブ等により構成するこ
とが好ましい。
【0036】これにより濾過装置30は、ジャイロスコ
ープの原理で車体側とは無関係に常に水平位置を取るこ
とができ、濾過装置内の水面を水平に保持することがで
きることになる。
【0037】前記下部室35には、各入口Iから流入し
た燃料を底壁側に向かって流下させるように区画壁39
が仕切板33の下面から垂下され、この区画壁39の下
端は、本体容器31の下部に設けられた水貯溜部32の
水面下に没している。したがって、流入した燃料は、区
画壁39の下端を潜って内部室40に流入することにな
り、強制的に水Wと接触するようになっている。つま
り、流入した燃料は、区画壁39の下端を潜るとき、水
Wと接触し、燃料中に含まれている微細なゴミの粒子
が、それ自体が有する親水性や界面張力の影響により粒
子中に水が入り込み、その重量が増大し、燃料中から水
側に移動し、燃料中からは除去され、水貯溜部32の底
部に沈殿することになる。
【0038】一方、区画壁39により形成された内部室
40には、水より軽く燃料より重い比重を有するフロー
ト41が設けられ、水と燃料との比重差を利用して両者
を区画分離し、その境界部分にフロート1が浮遊する
ように構成している。
【0039】このフロート41の円盤部42は、内部室
40の略全域を覆う程度の大きさで、水面の変動を抑制
する機能を有している。
【0040】またフロート41の円盤部42からは、前
記底壁に設けられた水排出部43を開閉する開閉弁44
が垂下され、フロート41の昇降により水貯溜部32内
の水量を調節している。この水排出部43には、前記フ
ロート41の開閉弁44をバイパスし前記本体容器31
の底部に沈殿した微細なゴミを外部に排出する小径のド
レン通路45を形成しておくことが好ましい。
【0041】水中を通った燃料は、区画壁39の内部室
40を通って上昇し、前記上部ケース50に向かって導
かれるので、該フロート41には多数の通孔41aが開
設され、これら通孔41aを通って燃料は上昇する。
【0042】また、この区画壁39には、段部が形成さ
れ、この段部の内周面に形成されたねじ部Nに蓋46が
螺合され、この蓋46により前記フロート41の上昇限
を規制すとともに後述の濾過カセット49を保持する
ようになっている。この蓋46にも多数の通孔46aが
開設され、これら通孔46aを通って燃料は上昇する。
【0043】この蓋46と前記仕切板33の下面との間
の内部室40には、多数の穴が開設されたパンチングプ
レート等からなるケース47内に活性炭を主原料とする
濾過ペレット48を多数詰納した濾過カセット49が設
けられている。この濾過ペレット48は、内部に微細な
通孔あるいは連通路を有する性質があることから、この
濾過ペレット48に接触して燃料が流れると、前記水と
の接触によっては除去されない比較的大きなゴミが漉さ
れることになり、また、この濾過ペレット48は、活性
炭の粒子が異臭を除去したり硫黄やリン分を吸着除去す
る等の性質も有していることから、燃料中の異臭や硫黄
分等も除去し、燃焼時に発生する異臭や硫黄酸化物を根
源から除去することにもなる。
【0044】ただし、本発明は、必ずしもこのような仕
切板33と区画壁39とにより形成される内部室40に
濾過カセット49を設ける必要はなく、場合によって
は、通常のフィルタであっても良く、また、これがなく
ても、エンジンに対して好ましい結果が得られるもので
あることは、実験により立証済みである。
【0045】前記上部ケース50は、内部に濾過エレメ
ント51が収納された密閉容器であり、前記区画壁39
の内部室40と連通した連通管52により本体容器31
からの燃料が導入されるようになっている。この濾過エ
レメント51は、濾紙Rが中空の中心軸53の周囲に多
数積層されたものであるが、場合によっては、この濾紙
Rを貫通する通孔54を開設しても良い。この濾紙Rに
より漉された燃料は、上端室55より前記中心軸53中
を通って前記上部室34に導かれ、出口Oa,Obから
流出するようになっている。
【0046】また、上部ケース50の上室55には、
燃料中に含まれている空気が溜まるが、この空気は、天
板56に設けられた空気抜き部57により外部に排出さ
れる。この空気抜き部57には、燃料より軽い比重を有
するフロート59が通路60内に収納され、該フロート
59の上端に設けられた開閉弁61により外部と連通さ
れている連通口62を開閉するようになっている。
【0047】なお、この空気抜きを円滑にするために
は、前記空気抜き部57に放射状の小さな通孔63を開
設することが好ましい。
【0048】次に作用を説明する。
【0049】エンジンの始動すると、これに伴ってフィ
ードポンプ4も始動し、タンク1内から燃料等を引出
し、濾過装置30内で濾過しつつエンジンに供給する。
【0050】この場合、濾過装置30においては、第1
の入口Iaから流入した水、燃料、泥あるいはゴミ等が
混在状態の液体は、まず、入口Iaより仕切板33の側
壁35aと区画壁39とにより形成される下部室35に
流入する。この下部室35の下部域では、水貯溜部32
が設けられているので、水、泥、等は自重により水W内
に落下し、微細なゴミの粒子は、燃料が区画壁39の下
端を潜るとき、ゴミ自体が有する親水性や界面張力の影
響により粒子中に水が入り込み、その重量が増大し、燃
料中から水側に移動し、燃料中からは除去される。これ
により水、泥、、微細なゴミ等は、その自重により水貯
溜部32の底部に沈殿する。そして、内部室40の下部
域では、比重の重い水は下部に、比重の軽い燃料は上部
に溜り、分離される。この境界部分にはフロート41が
存在し、水と燃料を区画する。
【0051】なお、この水貯溜部32の水が所定量以上
になると、フロート41が上昇し、開閉弁44が開き、
水排出部43より泥や微細なゴミを含む水が外部に排出
される。
【0052】このように、本実施の形態では、まず、水
貯溜部32の水により燃料中に含まれている微細なゴミ
や泥等が除去されるが、このような微細なゴミは、エン
ジンにとって最も悪影響を及ぼすものであるため、この
微細なゴミが除去されることにより、エンジン自体の寿
命が大幅に改善されることになるのである。また、次
に、燃料を濾過エレメント51、フューエルエレメント
5、フューエルポンプ4、インジェクションポンプ6あ
るいはインジェクションノズル7等を通したとき、微細
なゴミによる目詰りや作動不良が生じることがなくな
り、燃料系全体としても長寿命となる。
【0053】実験によれば、ここにおいて除去される微
細なゴミの大きさとしては、大体1/1000mm〜4
/1000mm程度のもの、つまり、ミクロンオーダー
のゴミが除去されることが判明している。
【0054】次に、この燃料は、フロート41や蓋46
の通孔41a,46aを通って上昇し、区画壁39の内
部室40に設けられた濾過カセット49内を通る。この
濾過カセット49内には濾過ペレット48が多数詰納さ
れているので、比較的大きなゴミが濾過ペレット48の
微細な通孔あるいは連通路により除去される。実験によ
れば、ここにおいて除去されるゴミの大きさとしては、
大体1/100mm程度のものであることが判明してい
る。
【0055】また、この活性炭を主原料とする濾過ペレ
ット48は、燃料中の異臭を除去したり硫黄やリン分を
吸着除去するので、燃料燃焼時に発生する異臭や硫黄酸
化物を根源から除去することになる。
【0056】なお、この濾過装置30が車両側の傾斜に
より傾斜すると、水貯溜部32の水や当該水貯溜部32
の底部に沈殿したゴミ等が上部室34側に移動しようと
するが、本実施の形態では、このような大きな傾斜に対
しては各出入口部分を軸受Jにより回転自在に支持し、
ジャイロスコープの原理により濾過装置内の水面が水平
に保持されるようにしているので、ゴミ等の上部室34
側への移動は防止される。また、車両の振動により水貯
溜部32の水が波立ち、微細なゴミ等が浮動しようとす
るが、この水の波立ちは、前記比較的大きなフロート4
1の円盤部42が阻止する。
【0057】このようにして、比較的大きなゴミ等が除
去された燃料は、上部室34内を貫通している連通管内
を通り上部ケース50に導かれる。この上部ケース50
内には、濾紙Rが積層されているので、ここでさらに大
きなゴミが除去される。実験によれば、ここにおいて除
去されるゴミの大きさとしては、大体2/100mm程
度のものであることが判明している。
【0058】また、ここでは、燃料中に含まれている空
気も集まるが、この空気の量が所定量以上になると、空
気抜き部57のフロート59が自重により下方に移動
し、開閉弁61が開き、空気は連通口62より外部に排
出される。
【0059】このようにしてゴミや空気等が除去された
純粋な燃料のみがフューエルポンプ4により送られ、フ
ューエルフィルタ5を通り、インジェクションポンプ6
によってインジェクションノズル7よりディーゼルエン
ジン(図示せず)に供給される。
【0060】しかし、エンジンにおいて使用される燃料
は、当該エンジンに供給された燃料の3割程度であり、
大部分の燃料がフューエルフィルタ5やインジェクショ
ンノズル7をオーバーフローし、この燃料は、戻し回路
Mにより濾過装置30の第2の入口Ibに戻されること
になる。つまり、濾過装置30の内部を流通する燃料
は、使用燃料に対応できる流速で供給すれば良いので、
その速度は、ゆっくりとしてスピードでよいことにな
る。
【0061】したがって、燃料は、水Wや濾過ペレット
48と十分接触しつつ流れ、水貯溜部32における微細
なゴミの除去機能や、濾過カセット49における濾過ペ
レット48のゴミの吸着機能は、十分に発揮され、燃料
内の異物を確実に除去することができる。
【0062】このため、フューエルフィルタ5における
目詰りもなく、インジェクションノズル7先端にスラッ
ジ等が付着することもないので、エンジンが完全燃焼し
やすく、燃焼後の排気ガス中に含まれる一酸化炭素、N
Ox あるいは黒煙等の量が大幅に低減する。しかも、エ
ンジンが完全燃焼しやすいので、不完全燃焼のブローバ
イガスがクランク室内に入り込み、エンジンオイルを汚
染するという事態も防止でき、エンジンオイルの寿命も
長くなり、結果的にエンジンの耐久性が向上する。
【0063】なお、濾過装置30が万一目詰りしたとき
には、フューエルポンプ4がバイパス回路Bを通って燃
料をエンジンに供給することになり、このようにして供
給している間に、濾過エレメント51や濾過カセット4
9を交換する。
【0064】この交換作業は、極めて簡単で、本体容器
31との連結を解いたり、あるいは本体容器31の下部
容器31b及び蓋46を外すのみで、新たなものと交換
することができる。
【0065】本発明は、上述した実施例のみに限定され
るものではなく、種々変更使用が可能である。例えば、
前述した実施の形態では、濾過装置30は、1つである
が、これのみでなく、他の濾過装置30を第2の出口O
bにパイプ等を用いて連結すれば、さらに多量の燃料を
濾過することもできる。
【0066】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、燃
料を本体容器の水貯溜部内に張られた水の中を通過さ
せ、エンジンに最も悪影響を及ぼす微細なゴミを燃料中
から除去するようにしたので、エンジンの完全燃焼を促
進し、排気ガス中の一酸化炭素、NOx あるいは黒煙等
の量が大幅に低減でき、エンジンの耐久性が向上し、燃
料系全体も長寿命となる。また、ウォータセパレータや
フューエルフィルタ等の廃止により、燃料供給系をコン
パクトなものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の濾過装置が組込まれるエンジン燃料
系の全体概略図である。
【図2】 同濾過装置を示す断面図である。
【図3】 図2の3−3線に沿う断面図である。
【図4】 図2の4−4線に沿う断面図である。
【図5】 従来の濾過装置のエンジン燃料系の全体概略
図である。
【図6】 ウォータセパレータの断面図である。
【図7】 フューエルフィルタの断面図である。
【符号の説明】
1…燃料タンク、 31…本体容器、32…水貯
溜部、 33…仕切板、34…上部室、
34a…上部室の側壁、35…下部室、 3
5a…下部室の側壁、37…支持部材、 38…
支持部材、39…区画壁、 40…内部室、4
1…フロート、 43…水排出部、44…開閉
弁、 45…排出通路、48…濾過ペレット、
50…上部ケース、51…濾過エレメント、 52
…連通管、59…空気抜き部、 C…カップリン
グ、Ia…第1の入口、 Ib…第2の入口、Oa
…第1の出口、 Ob…第2の出口、J…軸受、
S…シール材、P1 ,P2 …燃料パイ
プ、 W…水。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本体容器(31)に流入した流体燃料を、前
    記本体容器(31)の下部に設けられた水貯溜部(32)内に張
    られた水(W)の中を通過させ濾過するようにした濾過装
    置において、 前記本体容器(31)は、燃料タンク(1)と連通され比較的
    少量の流体燃料が流入する第1の入口(Ia)と、エンジン
    で使用されず戻し回路(m)により戻された多量のリター
    ン燃料が流入する第2の入口(Ib)とを有し、当該本体容
    器(31)の上部に密閉のケース(50)を取付け、前記ケース
    (50)内に濾紙(R)を中空の軸(53)の周囲に多数積層した
    濾過エレメント(51)を設けるとももに当該濾過エレメン
    ト(51)の上部に空気抜き部(59)を有する上端室(55)を形
    成し、前記両入口(Ia,Ib)から流入した流体燃料を一旦
    前記水貯溜部(32)の水(W)の中を通過させた後に前記濾
    過エレメント(51)内を流通させ、前記上端室(55)及び前
    記軸(53)内を流通して前記本体容器(31)に設けられた出
    口(O)よりエンジンに導くようにしたことを特徴とする
    濾過装置。
  2. 【請求項2】 前記本体容器(31)は、内部が仕切板(33)
    により上下に区画され上部室(34)及び下部室(35)と、該
    上部室(34)の側壁(34a)に開設された流体燃料の出口
    (O)と、下部室(35)の側壁(35a)に開設された前記第1
    及び第2の入口(Ia,Ib)と、前記両入口(Ia,Ib)から流
    入した流体燃料が一旦底壁側に流下するようにガイドす
    る前記仕切板(33)の下面から垂下された区画壁(39)と、
    前記区画壁(39)の下端が水没する程度まで水が貯溜され
    た水貯溜部(32)と、該区画壁(39)により形成された内部
    室(40)に設けられ、水(W)より軽く流体燃料より重い比
    重を有しかつ当該水(W)を外部に排出する水排出部(43)
    を開閉する開閉弁(44)を備えたフロート(41)と、前記本
    体容器(31)の上部にシール材(S)を介して着脱自在に取
    付けられ前記濾過エレメント(51)が内部に収納されかつ
    頂部に形成された上端室(55)に空気抜き部(59)が設けら
    れた密閉のケース(50)と、前記区画壁(39)の内部室(40)
    と前記ケース(50)とを連通する連通管(52)とを有するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の濾過装置。
  3. 【請求項3】 前記本体容器(31)は、濾過した後の流体
    燃料をエンジン側に流出する第1の出口(Oa)と、非常用
    として流体燃料を前記第1又は第2の入口(Ia,Ib)に向
    かって流出する第2の出口(Ob)とを有し、前記両入口(I
    a,Ib)及び前記両出口(Oa,Ob)をそれぞれ前記本体容器
    (31)の対向位置に開設するとともに回転自在なカップリ
    ング(C)を介して燃料パイプ(P1 ,P2)と連結し、これら
    各出入口部分を軸受(J)により支持すると共に出口側軸
    受相互、また入口側軸受相互を支持部材(37,38)により
    支持し、各支持部材(37,38)を車体側に連結するように
    構成したことを特徴とする請求項2に記載の濾過装置。
  4. 【請求項4】 前記水排出部(43)は、前記フロート(41)
    の開閉弁(44)をバイパスし前記本体容器(31)の底部に沈
    殿した微細なゴミを外部に排出する小径のドレン通路(4
    5)を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の濾
    過装置。
  5. 【請求項5】 前記区画壁(39)の内部室(40)は、活性炭
    を主原料とする濾過ペレット(49)を詰納したことを特徴
    とする請求項2又は3に記載の濾過装置。
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