JP2956821B2 - 自動券売機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動券売機に関し、特
に、タッチセンサスクリーン上にタッチ操作画面を表示
する自動券売機に関し、特に、客が前記タッチ操作画面
を用いて所望の他社線の駅までの通し券（Through Tick
et：スルーチケット）を簡単に購入できるようにしたも
のに関するものである。

【０００２】なお、以下の説明において、“自社線”と
いう用語は、客がこの発明の自動券売機の設置駅、すな
わち、発券駅から乗車する線を意味し、“他社線”とい
う用語は、前記客が所定の乗継ぎ駅において前記自社線
から乗り継ぐ他社の線を意味する。

【０００３】

【従来の技術】鉄道等の駅に設置される自動券売機とし
ては、客側の操作パネルのタッチセンサスクリーン上に
タッチ操作画面を表示し、客が該タッチ操作画面をタッ
チ操作することによって、所望の他社線の駅までの通し
券を購入できるようにしたタイプのものがある。

【０００４】図３に示すように、例えば、ある客が、い
つも利用しているＡ社線のＢ駅から、所定の乗換え駅で
あるＣ駅を経由してＤ社線のＥ駅まで遠出し、しかる後
に、前記Ｅ駅からＣ駅を経由してＢ駅に戻るような場合
には、前記Ｅ駅に設置されたこのタイプの自動券売機の
操作パネルを次のように操作することによって、前記Ｂ
駅までの通し券を購入することができる。すなわち、こ
のような場合、前記客は、まず、前記操作パネルに設け
られた通し券発券指示ボタンをオン操作する。この通し
券発券指示ボタンが押されると、前記操作パネルのタッ
チセンサスクリーンには、他社線の種類を選択的に指定
するための他社線指定用画面が表示される。

【０００５】そして、この他社線指定用画面を用いて、
最終着駅であるＢ駅が存在するＡ社線（設置駅すなわち
発券駅であるＥ駅側から見れば“他社線”ということに
なる）を客が指定すると、前記タッチセンサスクリーン
には、図４に例示するような料金指定用画面が表示され
る。この料金指定用画面には、前記Ｅ駅から上述のよう
に指定されたＡ社線の各々の駅までの通し料金（つま
り、Ｅ駅から乗換え駅であるＣ駅までのＤ社線（発券駅
であるＥ駅から見れば“自社線”）料金と、前記Ｃ駅か
ら該当駅までの他社線料金との合計料金）がそれぞれ列
挙される。このようにして、前記客は、前記料金指定用
画面に列挙された様々な通し料金のうち、例えば料金表
示板を参照して予め確認しておいた前記Ｂ駅までの通し
料金にタッチすることによって、前記Ｂ駅までの通し券
を購入できることになる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のこのタ
イプの自動券売機にあっては、上述のように、前記料金
指定用画面には、指定された他社線の各々の駅までの通
し料金が表示されるのみであるため、前記他社線指定用
画面および料金指定用画面を利用して他社線の駅までの
通し券を購入しようとする客は、１）前記自動券売機の
操作パネルとは別個に設けられているのが普通である料
金表示板を参照して最終着駅（図３の例にあっては、Ｂ
駅）までの通し料金を確認しておくか、または、２）乗
換え駅（図３の例にあっては、Ｃ駅）から前記最終着駅
までの他社線料金と、発券駅（図３の例にあっては、Ｅ
駅）から前記乗換え駅までの自社線料金との合計金額を
算出できるよう、前記他社線料金と自社線料金とを記憶
している必要がある。

【０００７】しかしながら、上記１）のように、前記料
金表示板を参照して最終着駅までの通し料金を確認し、
しかる後に、前記他社線指定用画面および料金指定用画
面を利用して券指定操作を行うのは、面倒で、時間がか
かる。また、上記２）のように、前記他社線料金と自社
線料金とを記憶している客は、ほとんど皆無である。因
みに、このような客は、いつも利用している前記他社線
の料金については比較的よく知っているかもしれない
が、ほとんど利用することのない前記自社線の料金につ
いては知らないのが普通である。従って、客側には、料
金表示板を参照する必要なく、他社線指定用画面および
料金指定用画面だけによって、他社線の特定の駅までの
通し券を購入したいという強い要求がある。しかし、こ
れまで、このような要求に対処できる機能を備えた自動
券売機は提案されていない。

【０００８】この発明は上述の点に鑑みてなされたもの
で、所望の他社線の駅までの通し券を、簡単に購入でき
るようにした自動券売機を提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明は、発券時にタッチして指定する操作画面
と、操作画面上で発券駅から所望の他社線の駅までの通
し券の発券を指示する時に、オン操作する発券指示操作
子とを客側の操作パネルに有する自動券売機において、
操作画面は、発券指示操作子のオン操作時に所望の他社
線を選択的に指定し、指定した他社線の各々の駅までの
通し料金を列挙して料金指定用画面に表示し、料金指定
用画面に通し料金ごとに発券駅から所定の乗換え駅まで
の自社線料金、または所定の乗換え駅から他社線の所望
の駅までの他社線料金を付加的に表示することを特徴と
するものである。

【００１０】

【作用】自動券売機の設置駅である発売駅から、所定の
乗換え駅を経由して他社線の駅まで、通しで１枚の券で
行くことができる通し券を購入しようとする客は、通し
券発券指示操作子をオン操作する。操作画面（タッチセ
ンサスクリーン）上で発券駅から所望の他社線の駅まで
の通し券の発券を指示する時に、発券指示操作子のオン
操作時に所望の他社線を選択的に指定し、指定した他社
線の各々の駅までの通し料金を列挙して料金指定用画面
に表示する。このときの料金指定用画面に通し料金ごと
に発券駅から所定の乗換え駅までの自社線料金、または
所定の乗換え駅から他社線の所望の駅までの他社線料金
を付加的に表示する。このような料金指定用画面によっ
て、客は自社線と他社線料金の両方の料金を参照するこ
とにより、他社線の所望の駅までの通し料金を算出でき
るので、簡単に、所望の駅までの通し料金を選択的に指
定できる。

【００１１】上記のような料金指定用画面を表示するこ
の発明は、特に、ほとんど利用することがない線の駅
（発券駅）から、所定の乗換え駅を経由して、いつも利
用している線の駅まで戻るための通し券を購入する客
（つまり、図３に関して説明したような客）にとって、
大きな利点がある。すなわち、このような客は、普通、
前記所定の乗換え駅からいつも利用している線（発券駅
側から見れば、“他社線”）の駅までの料金（つまり、
他社線料金）については予め記憶している、という前提
の下に、この発明では、このような客にとって馴染みの
無い前記発券駅から前記所定の乗換え駅までの自社線料
金を付加的に表示するようにしている。このようにし
て、前記客は、表示された自社線料金と、予め記憶して
いる他社線料金とを加算することによって、前記他社線
の駅までの通し料金を簡単に算出でき、従って、操作パ
ネルとは別個に設けられている料金表示板をわざわざ見
る必要なく、タッチセンサスクリーン上のタッチ操作画
面を見るだけで、簡単に、前記他社線駅への通し券を購
入することができる。

【００１２】この発明の一実施態様によると、前記料金
指定用画面には、各前記通し料金ごとに、前記自社線料
金のみならず、前記所定の乗換え駅から前記他社線の所
望の駅までの他社線料金も付加的に表示されるようにな
っている。このようにして、前記他社線料金を明確に記
憶していない客は、タッチ操作画面を見るだけで、極め
て簡単に、前記他社線駅への通し券を購入することがで
きる。

【００１３】

【実施例】以下、添付図面を参照してこの発明を詳細に
説明する。図１は、この発明の一実施例に係る自動券売
機の操作パネル１の外観構成を示すものであり、この発
明に係る部分のみを抽出して示している。ここに示した
操作パネル１は、外観構成において、上述した従来の自
動券売機の操作パネルと同様である。

【００１４】通し券発券指示ボタン２は、客が該自動券
売機の設置駅、すなわち、発券駅から他社線の最終着駅
までの通し券を購入するためにオン操作する操作子であ
る。該通し券発券指示ボタン２がオン操作されると、タ
ッチセンサスクリーン４には、図１に例示されているよ
うな、他社線の種類を選択的に指定するための他社線指
定用画面が表示される。従来と同様に、該他社線指定用
画面には、前記発券駅について利用可能なすべての他社
線、および、各他社線ごとの所定の乗換え駅が列挙表示
される。

【００１５】既知のように、客が前記他社線指定用画面
に列挙表示された他社線のうち、前記最終着駅が存在す
る１つの他社線にタッチすると、該１つの他社線が選択
的に指定されることになる。この他社線の指定によっ
て、タッチセンサスクリーン４には、図２に例示するよ
うな料金指定用画面が表示される。なお、図２は、前記
他社線指定用画面によって、他社線としてＡ社線を指定
した場合における料金指定用画面を例示している。

【００１６】前記料金指定用画面には、客が上述のよう
に指定した他社線の所望の駅を、該所望の駅までの通し
料金によって選択的に指定できるよう、前記発券駅から
上述のように指定されたＡ社線の各々の駅までの通し料
金（つまり、前記発券駅から所定の乗換え駅までの自社
線料金と、前記乗換え駅から該当駅までの他社線料金と
を合計した料金）がそれぞれ表示される。この実施例に
よると、前記料金指定用画面には、各前記通し料金ごと
に、前記発券駅から所定の乗換え駅までの自社線料金も
付加的に表示されるようになっている。

【００１７】このように前記料金指定用画面に前記発券
駅から所定の乗換え駅までの自社線料金をも付加的に表
示するようにしたので、この発明は、特に、図３に関し
て先に説明したような、ほとんど利用することがない線
の駅（発券駅）から、所定の乗換え駅を経由して、いつ
も利用している線の駅まで戻るための通し券を購入する
客に対して、通し券購入上の大きな利点を提供する。

【００１８】すなわち、このような客は、一般的に、い
つも利用している他社線の駅と所定の乗換え駅との間の
料金については比較的よく知っているので、前記料金指
定用画面において各通し料金ごとに表示された自社線料
金を参照するだけで、前記他社線の最終着駅までの通し
券の料金を簡単に算出することができるわけである。従
って、前記操作パネル１とは別個に設けられている料金
表示板をわざわざ見る必要なく、タッチセンサスクリー
ン上の前記他社線指定用画面と料金指定用画面とを見る
だけで、簡単に、前記他社線駅への通し券を購入するこ
とができる。

【００１９】なお、この発明の他の実施例として、前記
料金指定用画面には、各前記通し料金ごとに、前記自社
線料金のみならず、前記所定の乗換え駅から前記他社線
の所望の駅までの他社線料金も付加的に表示されるよう
になっていてもよい。このようにして、前記他社線料金
を明確に記憶していない客も、前記料金指定用画面を利
用して、極めて簡単に、前記他社線駅への通し券を購入
することができる。なお、前記通し券発券指示ボタン２
は、上記実施例のような押しボタンに限らず、前記タッ
チセンサスクリーン４上に表示されるタッチスイッチに
よって実現するようにしてもよい。

【００２０】

【発明の効果】以上のように、この発明はタッチセンサ
スクリーン上に表示される料金指定用画面に表示される
各通し料金ごとに、発券駅から所定の乗り換え駅までの
自社線料金に所定の乗換え駅から他社線の所望の駅まで
の他社線料金を付加的に表示する料金指定用画面によっ
て、客は自社線と他社線料金の両方の料金を参照しなが
ら他社線の所望の駅までの通し料金を算出できるので、
所望の他社線の駅までの通し券を簡単に購入することが
できる、という優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る自動券売機の操作パネ
ルの外観構成を示す正面図。

【図２】同実施例において、タッチセンサスクリーンに
表示される料金指定用画面の一例を示す図。

【図３】従来の技術の問題点を説明するための図。

【図４】従来の自動券売機のタッチセンサスクリーンに
表示される料金指定用画面の一例を示す図。

【符号の簡単な説明】 １ 操作パネル ２ 通し券発券指示ボタン ４ タッチセンサスクリーン

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−97793（ＪＰ，Ａ) 実開 昭61−189372（ＪＰ，Ｕ) 実開 平２−130057（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) G07B 5/00

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 発券時にタッチして指定する操作画面
   と、前記操作画面上で発券駅から所望の他社線の駅まで
   の通し券の発券を指示する時に、オン操作する発券指示
   操作子とを客側の操作パネルに有する自動券売機におい
   て、前記操作画面は、 前記発券指示操作子のオン操作時に所望の他社線を選択
   的に指定し、前記指定した他社線の各々の駅までの通し
   料金を列挙して料金指定用画面に表示し、 前記料金指定用画面に前記通し料金ごとに発券駅から所
   定の乗換え駅までの自社線料金、または前記所定の乗換
   え駅から前記他社線の所望の駅までの他社線料金を付加
   的に表示する ことを特徴とする自動券売機。