JP2956683B2 - 携帯機器用ハンドストラップ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話機等の携
帯機器に携行手段として取り付けられるハンドストラッ
プに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、携帯電話機等の携帯機器において
は、携帯時における落下防止等を図るために、ハンドス
トラップやチェーンクリップ等が装着されている。前記
ハンドストラップは、合成繊維等によって作製された紐
の両端部を圧接具によって連結してループ状にするとと
もに、前記連結部を連結紐によって携帯機器に固定して
おき、前記ループ部分に手を挿入して携帯するようにし
たものである。また、前記チェーンクリップは、クリッ
プを金属製あるいは合成繊維製のチェーンによって携帯
機器に連結しておき、前記クリップによって鞄や手提げ
袋の開口縁部を挟み込むことにより、携帯機器が鞄や手
提げ袋等から落下することを防止するようにしたもので
ある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前者のハン
ドストラップにおいては、携帯機器を手にぶら下げて携
帯するのに適しているが、鞄や手提げ袋等に入れて携帯
する場合における落下防止機能が無く、また、後者のチ
ェーンクリップにおいては、手にぶら下げて携帯するに
は不向きである。

【０００４】したがって、使用者は、その使用形態に応
じてハンドストラップやチェーンクリップを選択しなけ
ればならず、使用形態を変更するような場合にあって
は、その都度ハンドストラップとチェーンクリップとを
交換するといった煩雑な作業を行なわなければならな
い。

【０００５】本発明は、このような従来の問題点を有効
に解決するためになされたもので、携帯機器の使用形態
を変更した場合にあっても、その使用形態に適した落下
防止機能を容易に確保することのできる携帯機器用ハン
ドストラップを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の請求項１に記載
の携帯機器用ハンドストラップは、前述した目的を達成
するために、携帯機器に取り付けられるクリップホルダ
ーと、このクリップホルダーに着脱可能に取り付けられ
るクリップと、一端部が前記クリップホルダーに固定さ
れるとともに、他端部が前記クリップに固定される可撓
性を有する連結紐とによって構成され、前記クリップホ
ルダーに、前記クリップが嵌合される収納凹部が形成さ
れていることを特徴とするものである。

【０００７】本発明の請求項２に記載の携帯機器用ハン
ドストラップは請求項１に記載の前記クリップホルダー
とクリップとの間に、このクリップの前記収納凹部から
の離脱を防止する係止機構が設けられていることを特徴
とするものである。

【０００８】本発明の請求項３に記載の携帯機器用ハン
ドストラップは、請求項２に記載の前記係止機構が、前
記クリップホルダーとクリップの何れか一方に形成され
た係止孔と、他方に形成され前記係止孔と係合する係合
突起とによって構成されていることを特徴とするもので
ある。

【０００９】本発明の請求項４に記載の携帯機器用ハン
ドストラップは、請求項１ないし請求項３の何れかに記
載の前記クリップが、相対回動可能に連結された一対の
クリップ片と、これらのクリップ片の対向する一対の端
部を相互に圧接させる弾性部材とによって構成されてい
ることを特徴とするものである。

【００１０】また、本発明の請求項５に記載の携帯機器
用ハンドストラップは、請求項１ないし請求項４の何れ
かに記載の前記連結紐の各端部が、前記クリップホルダ
ーとクリップとに形成された通し穴に挿通された後に折
り返され、これらの折り返し部分において圧接具によっ
て固定されていることを特徴とするものである。

【００１１】さらに、本発明の請求項６に記載の携帯機
器用ハンドストラップは、請求項１ないし請求項４の何
れかに記載の前記連結紐の各端部が、前記クリップホル
ダーとクリップとに形成された通し穴に挿通された後に
折り返され、これらの折り返し部分において、前記連結
紐の把持およびその開放をなすクランプによって固定さ
れていることを特徴とするものである。

【００１２】請求項１ないし請求項６の何れかに記載の
携帯機器用ハンドストラップによれば、クリップをクリ
ップホルダーに形成されている収納凹部に嵌合固定する
ことにより、これらの間を連結する連結紐がループ状に
形成されるとともに、このループ状の連結紐が、前記ク
リップホルダーを介して携帯機器に取り付けられる。こ
れによって、使用者は、ループ状に形成されている連結
紐内に手を挿入することにより、携帯機器を手にぶら下
げた状態で携帯することができるとともに、クリップと
クリップホルダーとが一体化されることにより、携帯時
に前記クリップが邪魔になるようなことはない。また、
クリップをクリップホルダーから切り離すことにより、
このクリップが露出させられて、鞄や手提げ袋等の開口
縁部を挟み込むことが可能となり、携帯機器を鞄や手提
げ袋に収納して携帯する場合においても、携帯機器を鞄
や手提げ袋に固定してその落下を防止することができ
る。したがって、使用形態の変化に応じた落下防止機能
を容易にかつ確実に得ることができる。また、クリップ
をクリップホルダーに形成された収納凹部に嵌合させる
ことにより、クリップをクリップホルダー内にほぼ完全
に隠し込み、これによって意匠的効果を高めることがで
きるとともに、使用時の引っかかりを極力なくすことが
できる。

【００１３】そして、請求項２に記載の発明のように、
クリップとクリップホルダーとを係止機構によって係止
することによりその離脱を防止して、ループ状となされ
た連結紐のループ形状を確実に保持することができ、そ
の落下防止機能を確実に保持することができる。

【００１４】請求項３に記載の発明のように、クリップ
とクリップホルダーの何れか一方に形成された係止孔
と、他方に形成された係合突起とによって係止機構を構
成し、これらの係止孔と係止突起との係合によって前記
クリップとクリップホルダーとの離脱を防止するように
したから、その離脱防止効果が高められて、ハンドスト
ラップの落下防止機能が高められる。

【００１５】請求項４に記載の発明のように、クリップ
を、一対の相対回動可能な一対のクリップ片と、これら
のクリップ片の対向する一対の端部を相互に圧接させる
弾性部材とによって構成することにより、この弾性部材
の弾性力を利用して前記クリップ片をクリップホルダー
に圧接させて、これらの固定をより一層高めることがで
きる。

【００１６】また、請求項５に記載の発明のように、連
結片の各端部をクリップホルダーやクリップに形成され
ている通し穴に挿通させた後に折り返し、この折り返し
部分を圧接具によって固定することにより、連結紐とク
リップホルダーやクリップとの連結を確実にする。

【００１７】さらに、請求項６に記載の発明のように、
連結片の各端部をクリップホルダーやクリップに形成さ
れている通し穴に挿通させた後に折り返し、この折り返
し部分を、前記連結紐の把持およびその開放をなすクラ
ンプによって固定することにより、必要に応じて連結紐
の折り返し部分の把持を開放することによって、この折
り返し部分の重畳量を調整することができ、この結果、
クリップとクリップホルダーとの間隔やループ状に連結
される連結紐のループ径を、使用形態に応じて任意に調
整することができる。

【００１８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て図面を参照して説明する。図６は、本実施形態に係わ
るハンドストラップＨが装着された携帯機器としての携
帯電話機Ｔの外観斜視図であり、このハンドストラップ
Ｈは、携帯電話機Ｔに取り付けられるクリップホルダー
１と、このクリップホルダー１に着脱可能に取り付けら
れるクリップ４と、一端部が前記クリップホルダー１に
固定されるとともに、他端部が前記クリップ４に固定さ
れる可撓性を有する連結紐７とによって構成されてい
る。

【００１９】ついで、これらの詳細について説明すれ
ば、クリップホルダー１は、図３および図４に示すよう
に、一部が開放され断面が略三角形状の箱形に形成され
ており、その閉塞部となる部分には、ループ状に形成さ
れた取付紐２が外部へ向けて一体に取り付けられ、その
内部が、クリップ４が収納される収納凹部Ｃとなされて
いる。また、クリップホルダー１は、合成樹脂の成形品
であり、その成形時に、取付紐２が一体成形されること
によって一体化されており、この取付紐２を介して携帯
電話機Ｔへ連結されるようになっている。

【００２０】さらに、クリップホルダー１の開口端部に
は、連結紐７の一端部が挿通される通し穴３が形成され
ているとともに、この通し穴３が形成された部分と対向
する位置の内面１ａには、後述するクリップ４に突設さ
れた係合突起（図１、図２、および図４参照）５が係合
させられる係止孔８が形成されている。

【００２１】クリップ４は、図１および図４に示すよう
に、一対のクリップ片をその中間部において回動可能に
連結し、かつ、これらのクリップ片の対向面間に介装さ
れて、両クリップ片の一対の対向縁部を相互に圧接させ
る板バネやねじりバネ等の弾性部材１１とによって構成
されている。そして、両クリップ片の、弾性部材１１に
よって弾発された状態において相互に離間させられた状
態に保持される上端部１２の一方には、連結紐７が挿通
される通し穴６が形成され、また、他方のクリップ片の
外面には、このクリップ４がクリップホルダー１の収納
凹部Ｃ内に収納された際に、クリップホルダー１の内面
１ａに形成されている係止孔８に係合させられる係合突
起５が突設されている。

【００２２】連結紐７は、合成樹脂繊維によって紐状に
編み上げられたもので、適度な可撓性を有するととも
に、伸縮が抑制されている。そして、本実施形態におい
ては、この連結紐７の一端部が、クリップホルダー１の
通し穴３に挿通された後に折り返されるとともに、この
折り返し部分において圧接具９によって圧接されること
により、クリップホルダー１に連結され、また、他端部
が、クリップ４の通し穴６に挿通された後に折り返され
るとともに、この折り返し部分において圧接具１０によ
って圧接されることにより、このクリップ４に連結され
ている。これによって、クリップ４がクリップホルダー
１に連結紐７を介して連結されている。

【００２３】このように構成された本実施形態に係わる
ハンドストラップＨは、図６に示すように、携帯電話機
Ｔに、取付紐２を介してクリップホルダー１側において
連結される。そして、手にぶら下げて携帯するような使
用形態を採る場合には、図２、図４、および、図６に示
すように、クリップ４をクリップホルダー１の収納凹部
Ｃ内に、相互に当接させられている端部側から挿入し、
クリップ４に突設されている係合突起５をクリップホル
ダー１の内面１ａに形成されている係止孔８と嵌合する
まで押し込み、これらを相互に係合させる。

【００２４】このようにして、クリップ４をクリップホ
ルダー１に押し込んで、係合突起５を係止孔８へ係合さ
せると、これらのクリップホルダー１とクリップ４とが
固定されるとともに、連結紐７がループ状に保持される
から、使用者は、この連結紐７の内側へ手を挿入するこ
とによって、携帯電話機Ｔを手首にぶら下げることがで
きる。

【００２５】ここで、本実施形態においては、クリップ
４をクリップホルダー１に固定した状態において、前述
のように、係合突起５と係止孔８との係合がなされてい
ることにより、クリップ４とクリップホルダー１との離
脱が確実に防止され、この結果、連結紐７のループ形状
が解かれることがなく、携帯電話機Ｔが不用意に落下す
ることを防止することができる。しかも、クリップ４を
構成するクリップ片が弾性部材によってその上端部１２
が相互に離間するように弾発されていることにより、係
合突起と係止孔８とが係合方向に押圧されてその離脱が
確実に防止されていることにより、前述した携帯電話機
Ｔの落下防止機能が一層確実なものとなる。

【００２６】そして、連結紐７をループ状とした状態に
おいて、クリップ４がクリップホルダー１内に収納され
ているので、連結紐７を手首に掛けた場合においてもク
リップ４が邪魔になることはない。

【００２７】一方、携帯電話機Ｔを鞄や手提げ袋等に入
れて携帯する場合等にあっては、両クリップ片の上端部
１２を相互に接近するように回動させて、このクリップ
片の係合突起５とクリップホルダー１の係止孔８との係
合を解除した後に、クリップ４をクリップホルダー１か
ら引き離し、図１に示すように、連結紐７のループを開
放すればよい。これによって、クリップ４が露出させら
れるから、このクリップ４によって鞄や手提げ袋の開口
縁部を挟むことによって、携帯電話機Ｔを鞄や手提げ袋
に固定してその落下を防止することができる。

【００２８】このように、本実施形態に係わるハンドス
トラップＨにあっては、クリップ４をクリップホルダー
１に固定したり、また、その連結を解除するといった簡
便な操作によって、異なる使用形態に対応した適切な落
下防止構造とすることができる。

【００２９】なお、前述した実施形態において示した各
構成部材の諸形状や寸法等は一例であって、設計要求等
に基づき種々変更可能である。たとえば、連結紐７の各
端部をループ状に固定する手段として圧接具９を用いた
例について示したが、これに代えて、図５に示すよう
に、連結紐７の各端部の折り返し部分を、連結紐７の把
持およびその開放をなすクランプ１３によって固定する
ようにすることも可能である。このような構成とするこ
とによって、クランプ１３による連結紐７の把持を解除
した状態において連結紐７を滑らせることにより、この
クランプ１３とクリップ４およびクリップホルダー１と
の間隔を調整することができ、使用者の手首の太さに合
わせたループ径に調整することができるとともに、鞄や
手提げ袋における携帯電話機Ｔの収納位置とクリップ４
の固定位置との距離に合わせた連結紐７の長さに調整す
ることができる。

【００３０】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わる携
帯機器用ハンドストラップによれば、クリップとクリッ
プホルダーとの係脱操作といった簡便な操作によって、
連結紐をループ状にしまたそのループを解除することが
でき、使用形態に適した落下防止構造とすることがで
き、使用形態の変更に伴うハンドストラップの交換を不
用にすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態を示す一部を省略した要部
の外観斜視図である。

【図２】本発明の一実施形態の位置使用形態を示す外観
斜視図である。

【図３】本発明の一実施形態を示すもので、クリップホ
ルダーの縦断面図である。

【図４】本発明の一実施形態を示すもので、クリップホ
ルダー内にクリップを収納した状態を示す縦断面図であ
る。

【図５】本発明の他の実施形態を示す一部を省略した外
観斜視図である。

【図６】本発明の一実施形態が適用された携帯機器とし
ての携帯電話機を示す外観斜視図である。

【符号の説明】

１ クリップホルダー １ａ 内面 ２ 取付紐 ３ 通し穴 ４ クリップ ５ 係合突起 ６ 通し穴 ７ 連結紐 ８ 係止孔 ９・１０ 圧接具 １１ 弾性部材 １２ 上端部 １３ クランプ Ｈ ハンドストラップ Ｔ 携帯電話機（携帯機器）

Claims (6)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 携帯機器に取り付けられるクリップホル
   ダーと、このクリップホルダーに着脱可能に取り付けら
   れるクリップと、一端部が前記クリップホルダーに固定
   されるとともに、他端部が前記クリップに固定される可
   撓性を有する連結紐とによって構成され、前記クリップ
   ホルダーに、前記クリップが嵌合される収納凹部が形成
   されていることを特徴とする携帯機器用ハンドストラッ
   プ。
2. 【請求項２】 前記クリップホルダーとクリップとの間
   に、このクリップの前記収納凹部からの離脱を防止する
   係止機構が設けられていることを特徴とする請求項１に
   記載の携帯機器用ハンドストラップ。
3. 【請求項３】 前記係止機構が、前記クリップホルダー
   とクリップの何れか一方に形成された係止孔と、他方に
   形成され前記係止孔と係合する係合突起とによって構成
   されていることを特徴とする請求項２に記載の携帯機器
   用ハンドストラップ。
4. 【請求項４】 前記クリップが、相対回動可能に連結さ
   れた一対のクリップ片と、これらのクリップ片の対向す
   る一対の端部を相互に圧接させる弾性部材とによって構
   成されていることを特徴とする請求項１ないし請求項３
   の何れかに記載の携帯機器用ハンドストラップ。
5. 【請求項５】 前記連結紐の各端部が、前記クリップホ
   ルダーとクリップとに形成された通し穴に挿通された後
   に折り返され、これらの折り返し部分において圧接具に
   よって固定されていることを特徴とする請求項１ないし
   請求項４の何れかに記載の携帯機器用ハンドストラッ
   プ。
6. 【請求項６】 前記連結紐の各端部が、前記クリップホ
   ルダーとクリップとに形成された通し穴に挿通された後
   に折り返され、これらの折り返し部分において、前記連
   結紐の把持およびその開放をなすクランプによって固定
   されていることを特徴とする請求項１ないし請求項４の
   何れかに記載の携帯機器用ハンドストラップ。