JP2956142B2 - テレビジョン受像機の偏向装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【発明の概要】

偏向ヨークと出力回路間を接続するコネクター電線に
シールド線を用いることにより、コネクター電線相互間
に発生する浮遊容量の変動を安定させてリンギングの発
生を抑制し、さらに高周波ノイズの影響を少なくする。

【従来の技術及びその問題点】

従来のテレビジョン受像機では、第２図のように偏向
ヨーク５、６と水平・垂直偏向出力回路８、９間を接続
する電線としてビニール被覆電線１〜４を使用してい
た。 通常のテレビジョン受像機や水平偏向周波数が64KHz
以下のモニターでは、この方法でもさほどリンギングが
悪化することはないが、水平偏向周波数が100KHzを越え
る高解像度モニターやハイビジョンでは、コネクター電
線相互間に存在する浮遊容量Ｃが、コネクター電線相互
の間隔や引き回しのバラツキによってその変動が無視で
きなくなり不安定化し、該電線が長くなればそれだけ浮
遊容量が増して変動が激しくなり、第３図に示すように
この容量で寄生振動による偏向電流のリンギングが発生
してラスターに明暗縞ができることが確認された。 また、ハイビジョンシステムの場合などは、水平偏向
ヨークのホット側に電流を供給するケーブルには高電圧
（1.2KV_pp），大電流（20A_pp）でかつ高周波（127KHz）
パルス信号の電流が流れている。このため、コネクター
線材からは高調波も含めて強いノイズが発生しており、
この妨害波が実際に陰極線管の電子ビームやビデオ信号
増幅回路に悪い影響を与える。 さらに、水平偏向ヨーク５のクール側にはリニアリテ
ィ補正コイル等の部品が数個つながれており、これらの
コイルと浮遊容量とが寄生振動を生じてリンギングが発
生する。 本発明は、このような水平偏向ヨーク５のホット側コ
ネクター電線１より飛散する高周波ノイズ（妨害電波）
を減少させ、さらに浮遊容量の変動によるリンギングの
発生を防止することを目的とするものである。

【問題点を解決するための手段】

この発明は、前記問題点を解決するために、水平偏向
ヨーク（HDY）５のホット側（高圧端子側）及びクール
側（低圧端子側）と水平偏向出力回路８とを接続する電
線１、２、垂直偏向ヨーク（VDY）６のホット側及びク
ール側と垂直偏向出力回路９とを接続する電線３、４の
全部または一部にシールド線７を採用し、このシールド
側の一端をグラウンドレベルであるシャーシに接続して
中心線をシールドする。第１図は、全部のコネクター電
線にシールド線を採用した実施例を示している。 すべてのコネクター電線をシールドするのが理想的で
あるが、場合によっては水平偏向ヨーク５のホット側一
本のみや水平偏向ヨーク５のホット側を除く他の３本に
シールド線を採用してもよい。

【作用効果】

本発明は、上述のように偏向ヨークへの電線としてシ
ールド線を採用したから、即ちコネクター線の周りをグ
ラウンドレベルでシールドすることにより、高周波漏洩
電波の飛散を防ぎ、浮遊容量の変動も減少してリンギン
グの発生を抑制することができ、表示画面左端の明暗縞
及び横線のうねりが改善される。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の説明図、第２図は、従来のコネクタ
ー電線及び浮遊容量の存在を示す図、第３図は、偏向電
流のリンギングを示す波形図である。 １〜４……コネクタ電線、５……水平偏向ヨーク（HD
Y）、６……垂直偏向ヨーク（VDY）、７……シールド
線、８……水平偏向出力回路、９……垂直偏向出力回路

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】水平偏向出力回路と水平偏向ヨークのホッ
   ト側及びクール側を接続する電線及び垂直偏向出力回路
   と垂直偏向ヨークのホット側及びクール側を接続する電
   線の全部または一部にグラウンドレベルのシールドを施
   したシールド線を使用することを特徴とするテレビジョ
   ン受像機の偏向装置。