JP2956125B2 - 音源情報制御装置 - Google Patents

音源情報制御装置

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、音源を再生する際などに、仮想的に音源を
とりまく環境を設定して音源情報を制御し、任意の音の
ミキシングや音場を得る音源情報制御装置に関するもの
である。
[発明の概要] 本発明は、音源の再生等に使用される音源情報制御装
置において、 画面上で聴取者の位置情報や音源の位置情報および音
場情報を設定できるようにし、それらの情報に従って音
源からの音を調整して、聴取者の耳にあたかも設定され
た音場の位置でその音が聞こえるようにすることによ
り、 任意の仮想的な音場作りや音作りを聴取者が容易に行
えるようにしたものである。
[従来の技術] 従来の音響メディアにおいては、作り手によって音作
りが決定されており、一般のリスナー(聴取者)が調整
できるのは、せいぜい音量やトーンコントロールであっ
た。しかし、近年、デジタル技術による音の生成,加
工,記憶や伝送デバイス等の高帯域化によって、一般の
リスナーの手もとでも、多様な音作りができるようにな
って来ている。例えば、多彩な音の加工をするDSP(デ
ジタル シグナル プロセッサ)を用いたコントロール
アンプは、リスナーの好みで様々な音響ホールで聴く音
響特性をシミュレートすることができる。また、マルチ
チャネルの音源(ソース)を用いて、ユーザーがミキシ
ングコンソールを駆使し音作りをすることも可能な環境
にある。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記従来の技術におけるリスナー側で
の音作りの手段では、以下のような問題点があった。
(1)DSPを用いたコントロールアンプによる音作りで
は、変化させるべき多種のパラメータを数値によって指
定しなければならず、とても一般のリスナーが気楽に使
えるものではなかった。従って、パラメータの組み合わ
せを最初から限定していくつか用意しておき、その中か
らリスナーに指定させるなどの方法を採らざるを得な
い。
(2)ミキシングコンソールによる音作りでは、所定の
音作りをする場合に音源とボリュームの対応がつきにく
く、また、装置が大きく、家庭で使うにはスペースを取
り過ぎることなどが問題点となっていた。
本発明は、上記問題点を解決するために創案されたも
ので、任意の仮想的な音場作りや音作りを聴取者が容易
に行えるようにする音源情報制御装置を提供することを
目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成するための本発明の音源情報制御装
置の構成は、 入力手段(9)、演算処理手段(7,10)、音源再生手
段(2)、音響調整手段(3,4)を備える音源情報制御
装置であって、 入力手段(9)は、チャネル毎の音源位置、聴取者位
置の指定が可能であり、演算処理手段(7,10)は、 音場情報、チャネル毎の音源位置に基づくアイコン、
聴取者位置に基づくマークを表示部(8)に表示すると
共に、 音場情報、チャネル毎の音源位置、聴取者位置に基づ
いて、チャネル毎の音響制御信号を生成し、 音源再生手段(2)は、複数チャネルの音響信号を再
生し、 音響調整手段(3,4)は、各チャネルの音響制御信号
に基づいて当該チャネル毎の音響信号を調整し出力する
ことを特徴とする。
[作用] 本発明は、聴取者の位置情報や音源の位置情報および
音場情報に従って音源からの音を調整し、聴取者の耳に
あたかもその音場の位置でその音が聞こえるようにする
とともに、その聴取者の位置情報や音源の位置情報およ
び音場情報を聴取者が画面上の操作で設定できるように
することにより、任意の音作りや音場作りを容易に行え
るようにする。
[実施例] 以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。
第1図は本発明の一実施例を示すブロック図である。
本実施例は、オーディオ再生系とその制御系から成る。
オーディオ再生系の構成において、1はマルチチャネル
の音源、2は音源1の再生を行う音源再生装置、3は再
生されたマルチチャネル音信号の各チャネル毎に指定の
音響特性で調整するDSP(デジタル シグナル プロセ
ッサ)、4はチャネル数変換を行うミキシング装置、5
は変換されたチャネル(例えば左,右チャネル)ごとに
音響信号の増幅を行うアンプ、6はアンプの出力を接続
したヘッドホンである。また、制御系の構成において、
7はリスナーの位置情報やそのリスナーをとりまく音響
環境情報すなわち音場情報を作成しそれらに従ってDSP3
やミキシング装置4の制御信号を作成する演算処理装
置、8はリスナーの位置情報や音場情報を画面に表示す
るディスプレイ装置、9はリスナーの位置情報や音場情
報の作成をユーザーが画面上で操作するためのポインテ
ィングデバイス、10は制御信号を作成するための音響特
性データなどを格納するメモリである。ポインティング
デバイス9としては、マウスなどが使用される。
第2図は、ディスプレイ装置8の表示画面の構成例を
示す図である。この表示例では、仮想的なコンサートホ
ールを立面図で示している。81は仮想的なリスナーの位
置(リスニングポジション)を示し、82は舞台位置を、
83は舞台上の音源の位置を、84は天井を、85は反響板
を、86は壁をそれぞれ示している。87は操作用のカーソ
ルであり、88は音源再生を操作するための表示ブロック
である。カーソル87はポインティングデバイス9から入
力される変量で必要な箇所に移動される。このカーソル
87の移動により、リスナー位置81を選択して移動させた
り、壁86や天井84,反響板85を選択して移動させ仮想的
にホールの大きさを変更したり、反響板85を増減・移動
したりする。また、音源の位置83は、始めに収録時等の
楽器の種類と配置情報を音源1より受け取り、わかりや
すく各楽器をアイコンによって表示する。これらの楽器
の配置も、カーソル87による選択と移動によって自由に
変化させることができる。これらの操作による仮想的な
リスナーの位置81とそのリスナーをとりまく仮想的な音
場情報に基づいて、演算処理装置7は、DSP3に対するパ
ラメータを変化させて制御信号を作成する。一方、演算
処理装置7は、音源再生装置2に対しては、カーソル87
で選択された表示ブロック88のシンボル表示に基づい
て、スタート/ストップ等の再生コントロール信号を送
出する。また、ミキシング装置4に対しては、チャネル
変換の際の各マルチチャネル音信号の混合量を指定す
る。
以上のように構成した実施例の動作および作用を述べ
る。
まず、動作を開始すると、演算処理装置7は、モデル
化された大ホール,小ホール,ライブハウス,レコーデ
ィングスタジオなど音源のまわりの環境を表示する。さ
らに、その中に音源1より送出される各チャネルの楽器
の種別情報と収録時の配置情報を得て、各楽器の配置を
アイコン表示する。上記モデル化された音響ホール等や
楽器の種別とアイコンの対応等はメモリ10に格納してお
く。次にユーザーは、ポインティングデバイス9でカー
ソル87を動かし、例えばウィンドウ表示されている項目
の選択により調整モードを選択して、リスナーの位置あ
るいは楽器の位置や配列あるいは音響ホール等の天井,
壁,音響板等の位置や数を任意に調整する。もちろん、
無の状態から音源まわりの環境を設定しても良い。これ
らの調整や設定を受けて、演算処理装置7は、メモリ10
に格納してある音源まわりの環境の音響特性を参照し、
ホール中の音源1を構成する各チャネルからリスナーま
での距離や、天井,壁,音響板等の環境によるリスナー
までの音の反射径路の距離等を算出して、チャネル毎に
音の大きさ,種々の反射径路による残響時間,その残響
音の大きさ等を決定し、DSP3に対するパラメータを求め
て制御信号を作成し、DSP3へ送出する。ここで、ユーザ
ーの操作により、演算処理装置7を介して音源再生装置
2がスタートされると、例えばマルチチャネルのCD等の
音源1から記録音が再生され、チャンネル別にDSP3へ再
生音が入力される。DSP3は、上記制御信号に従って各チ
ャネル音信号に残響音等をミキシングして調整を行い、
ミキシング装置4へ送出する。ミキシング装置4は、マ
ルチチャネル信号をヘッドホン6の左右の2チャンネル
等に変換する。
このように、本実施例では、ユーザーが仮想的に設定
したリスナー位置や音場情報に基づいて、あたかもその
音場の中のリスニングポジションで音源の再生音を聞く
ことができる。そのリスナー位置や音場情報の設定にお
いて、ユーザーは画面上の操作によりその設定を任意に
行うことができ、わかりやすいユーザーインターフェイ
スで行うことができる。
なお、上記実施例におけるヘッドホン6は、2つ以上
のスピーカに置き換えても良い。この場合、必要により
スピーカの置かれる環境を考慮し、ミキシング装置4等
において、チャネル数変換とともにリスナーの耳に到達
する音がヘッドホンと等価になるように逆変換を行うの
が好適である。また、音源1としては、シンセサイザ等
であっても良い。その場合には、ユーザーによる画面上
の操作で各チャネル毎に音色等を指定することも可能で
ある。このように、本発明はその主旨に沿って種々に応
用され、種々の実施態様を取り得るものである。
[発明の効果] 以上の説明で明らかなように、本発明の音源情報制御
装置によれば、ユーザーは、画面上での操作というわか
りやすいユーザーインターフェイスにより、簡単に音作
りや音場作りを楽しむことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示すブロック図、第2図は
上記実施例のディスプレイ装置の表示画面の構成例を示
す図である。 1…音源、2…音源再生装置、3…デジタル シグナル
プロセッサ(DSP)、7…演算処理装置、8…ディス
プレイ装置、9…ポインティングデバイス、10…メモ
リ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G10K 15/00 H04S 7/00 G01H 1/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力手段(9)、演算処理手段(7,10)、
    音源再生手段(2)、音響調整手段(3,4)を備える音
    源情報制御装置であって、 入力手段(9)は、チャネル毎の音源位置、聴取者位置
    の指定が可能であり、演算処理手段(7,10)は、 音場情報、チャネル毎の音源位置に基づくアイコン、聴
    取者位置に基づくマークを表示部(8)に表示すると共
    に、 音場情報、チャネル毎の音源位置、聴取者位置に基づい
    て、チャネル毎の音響制御信号を生成し、 音源再生手段(2)は、複数チャネルの音響信号を再生
    し、 音響調整手段(3,4)は、各チャネルの音響制御信号に
    基づいて当該チャネル毎の音響信号を調整し出力する ことを特徴とする音源情報制御装置。
  2. 【請求項2】入力手段(9)は、シンボルの選択が可能
    であり、 演算処理手段(7,10)は、シンボルを表示部(8)に表
    示すると共に、シンボルの選択に従って、音源再生手段
    (2)の再生を制御する ことを特徴とする請求項1に記載の音源情報制御装置。
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日本音響学会公演論文集,S63,10,p729−730,「大空間の明瞭度予測に用いる可聴化型シミュレータについて」

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