JP2955712B2 - ポリイミド組成物 - Google Patents
ポリイミド組成物Info
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- JP2955712B2 JP2955712B2 JP1164350A JP16435089A JP2955712B2 JP 2955712 B2 JP2955712 B2 JP 2955712B2 JP 1164350 A JP1164350 A JP 1164350A JP 16435089 A JP16435089 A JP 16435089A JP 2955712 B2 JP2955712 B2 JP 2955712B2
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- polyimide
- aromatic
- polyphosphate
- polyimide composition
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐熱性樹脂として有用なポリイミドに関す
る。更に詳しくは、耐熱劣化性が改善されたポリイミド
組成物に関する。
る。更に詳しくは、耐熱劣化性が改善されたポリイミド
組成物に関する。
ポリイミドは、従来より、耐熱性・耐薬品性・電気絶
縁性・機械的強度などにおいて優れた諸特性を有するこ
とが知られており、電気絶縁材料・断熱材料・宇宙航空
機材料などに広く利用されている。
縁性・機械的強度などにおいて優れた諸特性を有するこ
とが知られており、電気絶縁材料・断熱材料・宇宙航空
機材料などに広く利用されている。
更には、近年、電気電子産業の発展にともない、ポリ
イミドに対しても尚一層の信頼性が要求されるようにな
ってきた。特に電気絶縁性及び破断強度などの機械的特
性の耐熱劣化安定性の一層の向上が要求されるようにな
ってきた。
イミドに対しても尚一層の信頼性が要求されるようにな
ってきた。特に電気絶縁性及び破断強度などの機械的特
性の耐熱劣化安定性の一層の向上が要求されるようにな
ってきた。
ポリイミドの耐熱劣化安定性を改善する試みのうち、
米国特許第3,714,116号で開示されている方法の一つ
に、ポリイミドに有機リン化合物を添加する方法があ
る。しかし乍ら、ここに示されている有機リン化合物
は、低分子量の化合物であるか或いは分子骨格に脂肪族
結合を有する有機リン化合物であり、いずれも熱分解温
度が低かった。従って、上述の改質法によるポリイミド
組成物は約200℃以下程度の比較的低温域での短時間の
耐熱安定性には優れているものの、高温長時間の条件に
暴露された場合には、系内の有機リン化合物は分解飛散
してしまい、その改良効果を発現できなかった。
米国特許第3,714,116号で開示されている方法の一つ
に、ポリイミドに有機リン化合物を添加する方法があ
る。しかし乍ら、ここに示されている有機リン化合物
は、低分子量の化合物であるか或いは分子骨格に脂肪族
結合を有する有機リン化合物であり、いずれも熱分解温
度が低かった。従って、上述の改質法によるポリイミド
組成物は約200℃以下程度の比較的低温域での短時間の
耐熱安定性には優れているものの、高温長時間の条件に
暴露された場合には、系内の有機リン化合物は分解飛散
してしまい、その改良効果を発現できなかった。
また、高耐熱性電気絶縁材料として有用な芳香族ポリ
イミドは350℃以上の高温で成型されるのが普通であ
る。このため、上記の如き有機リン化合物からなる添加
剤をこのような芳香族ポリイミドに適用しようとする場
合、該有機リン化合物は成型加工中に揮発飛散するか或
いは分散飛散し、系内に残存させることができず、従っ
て、その効果を発現させることができなかった。
イミドは350℃以上の高温で成型されるのが普通であ
る。このため、上記の如き有機リン化合物からなる添加
剤をこのような芳香族ポリイミドに適用しようとする場
合、該有機リン化合物は成型加工中に揮発飛散するか或
いは分散飛散し、系内に残存させることができず、従っ
て、その効果を発現させることができなかった。
上記の課題を解決するため、本発明者は鋭意検討の結
果、特定の芳香族ポリフォスフェイトを含有させること
により、所期の目的が達成されることを見出し、本発明
を完成した。
果、特定の芳香族ポリフォスフェイトを含有させること
により、所期の目的が達成されることを見出し、本発明
を完成した。
即ち、本発明は、一般式(II) (R01は4価の有機残基、R02は2価の有機残基を示
す。) で表される構造を有するポリイミドに、一般式(I) (R1,R2,R3,R4,R5,R6は、各々水素原子、炭素数が1〜
3のアルキル基または水酸基を示し、nは1〜3の整数
を示す。) で表される構造を有する芳香族ポリフォスフェイトを添
加してなることを特徴とするポリイミド組成物を内容と
するものである。
す。) で表される構造を有するポリイミドに、一般式(I) (R1,R2,R3,R4,R5,R6は、各々水素原子、炭素数が1〜
3のアルキル基または水酸基を示し、nは1〜3の整数
を示す。) で表される構造を有する芳香族ポリフォスフェイトを添
加してなることを特徴とするポリイミド組成物を内容と
するものである。
本発明に用いられる芳香族ポリフォスフェイトは、例
えば一般式(I) (R1,R2,R3,R4,R5,R6は、各々水素原子、炭素数1〜3
のアルキル基または水酸基を示し、nは1〜3の整数を
示す。) で表される化合物、例えば、フェニル・レゾルシン・ポ
リフォスフェイト(PFR)、クレジル・レゾルシン・ポ
リフォスフェイト(CRP)、フェニル・クレジル・レゾ
ルシン・ポリフォスフェイト(PCRP)、キシリル・レゾ
ルシン・ポリフォスフェイト(XRP)、フェニル・イソ
プロピルフェニル・レゾルシン・ポリフォスフェイト
(PIPR)、クレジル・キシリル・レゾルシン・ポリフォ
スフェイト(CXRP)、フェニル・イソプロピルフェニル
・ジイソプロピルフェニル・レゾルシン・ポリフォスフ
ェイト(PDRP)等、及びこれらの誘導体、これらに置換
基を導入したもの等が挙げられる。これらの化合物は沸
点及び分解温度がこれらの単量体であるフェニルフォス
フェイトの沸点及び分解温度よりも高温域に存在するこ
とが重要である。
えば一般式(I) (R1,R2,R3,R4,R5,R6は、各々水素原子、炭素数1〜3
のアルキル基または水酸基を示し、nは1〜3の整数を
示す。) で表される化合物、例えば、フェニル・レゾルシン・ポ
リフォスフェイト(PFR)、クレジル・レゾルシン・ポ
リフォスフェイト(CRP)、フェニル・クレジル・レゾ
ルシン・ポリフォスフェイト(PCRP)、キシリル・レゾ
ルシン・ポリフォスフェイト(XRP)、フェニル・イソ
プロピルフェニル・レゾルシン・ポリフォスフェイト
(PIPR)、クレジル・キシリル・レゾルシン・ポリフォ
スフェイト(CXRP)、フェニル・イソプロピルフェニル
・ジイソプロピルフェニル・レゾルシン・ポリフォスフ
ェイト(PDRP)等、及びこれらの誘導体、これらに置換
基を導入したもの等が挙げられる。これらの化合物は沸
点及び分解温度がこれらの単量体であるフェニルフォス
フェイトの沸点及び分解温度よりも高温域に存在するこ
とが重要である。
これらの芳香族ポリフォスフェイトの添加量はポリイ
ミド100重量部に対し、0.01〜10重量部が望ましい。0.0
1重量%未満では充分な添加効果が得られない。また10
重量%を越えると、生成するポリイミド組成物からなる
成型体の機械的強度等の諸特性を損なう傾向がある。
ミド100重量部に対し、0.01〜10重量部が望ましい。0.0
1重量%未満では充分な添加効果が得られない。また10
重量%を越えると、生成するポリイミド組成物からなる
成型体の機械的強度等の諸特性を損なう傾向がある。
本発明のポリイミド組成物を得る方法、即ち、芳香族
ポリフォスフェイトをポリイミドに混合する方法の例に
ついて説明する。
ポリフォスフェイトをポリイミドに混合する方法の例に
ついて説明する。
(A)ポリイミドが不溶不融の場合 ポリイミドの前躯体であるポリイミド酸溶液に芳香族
ポリフォスフェイトを混合し、然る後に、熱的あるいは
化学的に脱水閉環イミド化し、本発明のポリイミド組成
物を得る。
ポリフォスフェイトを混合し、然る後に、熱的あるいは
化学的に脱水閉環イミド化し、本発明のポリイミド組成
物を得る。
(B)ポリイミドが溶媒可溶性の場合 ポリイミド溶液中に芳香族ポリフォスフェイトを混合
した後に、溶媒を除去し本発明のポリイミド組成物を得
る。
した後に、溶媒を除去し本発明のポリイミド組成物を得
る。
(C)ポリイミドが可塑性の場合 溶融したポリイミドに芳香族ポリフォスフェイトを混
合したのち、これを冷却し、本発明のポリイミド組成物
を得る。
合したのち、これを冷却し、本発明のポリイミド組成物
を得る。
(D)ポリイミドがイミドオリゴマーの硬化物である場
合 イミドオリゴマー中に芳香族ポリフォスフェイトを混
合した後、熱あるいは光などのエネルギーにより反応硬
化させ、本発明のポリイミド組成物を得る。
合 イミドオリゴマー中に芳香族ポリフォスフェイトを混
合した後、熱あるいは光などのエネルギーにより反応硬
化させ、本発明のポリイミド組成物を得る。
次に、本発明に用いられるポリイミドは、一般式(I
I) (R01は4価の有機残基、R02は2価の有機残基を示
す。) で表される構造を有するものが好適である。また上記一
般式(II)において、R01が4価の芳香族残基、R02が2
価の芳香族残基であるポリイミドに特に好適である。
I) (R01は4価の有機残基、R02は2価の有機残基を示
す。) で表される構造を有するものが好適である。また上記一
般式(II)において、R01が4価の芳香族残基、R02が2
価の芳香族残基であるポリイミドに特に好適である。
ポリイミドは通常、ジアミン類とジ酸無水物類を有機
極性溶媒中で反応して得られる。本発明に用いられるポ
リイミドを構成するジアミン類の一部を列挙すると、芳
香族ジアミン成分としては、例えばパラフェニレンジア
ミン、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジアミノビフェニ
ル、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、3,
3′−ジクロロ−4,4′−ジアミノビフェニル、4,4′−
ジアミノパラターフェニル、4,4′−ビス(4−アミノ
フェノキシ)ビフェニル、4,4′−ジアミノジフェニル
スルフォン、3,3′−ジアミノジフェニルスルフォン、
ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフ
ォン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕
スルフォン、ビス〔4−(2−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕スルフォン、1,4−ビス(4−アミノフェノキ
シ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベ
ンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビ
ス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテ
ル、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、ビス(3−エ
チル−4−アミノフェニル)メタン、ビス(3−メチル
−4−アミノフェニル)メタン、ビス(3−クロロ−4
−アミノフェニル)メタン、3,3′−ジアミノジフェニ
ルスルフォン、4,4′−ジアミノジフェニルスルフォ
ン、2,2′,5,5′−テトラクロロ−4,4′−ジアミノビフ
ェニル、4,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4′
−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ジアミノジフ
ェニルエーテル、3,4′−ジアミノジフェニルエーテ
ル、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミ
ノビフェニル、4,4′−ジアミノオクタフルオロビフェ
ニル、2,4′−ジアミノトルエン、メタフェニレンジア
ミン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス
(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ア
ミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス
(3−ヒドロキシ−4−アミノフェニル)プロパン、2,
2−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェニル)ヘキ
サフルオロプロパン、9,9−ビス(4−アミノフェニ
ル)−10−ヒドロ−アントラセン、オルトトリジンスル
フォン等が挙げられる。これらの化合物は単独もしくは
2種類以上を組み合わせて用いても良い。更には、3,
3′,4,4′−ビフェニルテトラアミン、3,3′,4,4′−テ
トラアミノジフェニルエーテル等の多価アミン化合物の
一部使用も可能である。
極性溶媒中で反応して得られる。本発明に用いられるポ
リイミドを構成するジアミン類の一部を列挙すると、芳
香族ジアミン成分としては、例えばパラフェニレンジア
ミン、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジアミノビフェニ
ル、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、3,
3′−ジクロロ−4,4′−ジアミノビフェニル、4,4′−
ジアミノパラターフェニル、4,4′−ビス(4−アミノ
フェノキシ)ビフェニル、4,4′−ジアミノジフェニル
スルフォン、3,3′−ジアミノジフェニルスルフォン、
ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフ
ォン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕
スルフォン、ビス〔4−(2−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕スルフォン、1,4−ビス(4−アミノフェノキ
シ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベ
ンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビ
ス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテ
ル、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、ビス(3−エ
チル−4−アミノフェニル)メタン、ビス(3−メチル
−4−アミノフェニル)メタン、ビス(3−クロロ−4
−アミノフェニル)メタン、3,3′−ジアミノジフェニ
ルスルフォン、4,4′−ジアミノジフェニルスルフォ
ン、2,2′,5,5′−テトラクロロ−4,4′−ジアミノビフ
ェニル、4,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4′
−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ジアミノジフ
ェニルエーテル、3,4′−ジアミノジフェニルエーテ
ル、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミ
ノビフェニル、4,4′−ジアミノオクタフルオロビフェ
ニル、2,4′−ジアミノトルエン、メタフェニレンジア
ミン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス
(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ア
ミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス
(3−ヒドロキシ−4−アミノフェニル)プロパン、2,
2−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェニル)ヘキ
サフルオロプロパン、9,9−ビス(4−アミノフェニ
ル)−10−ヒドロ−アントラセン、オルトトリジンスル
フォン等が挙げられる。これらの化合物は単独もしくは
2種類以上を組み合わせて用いても良い。更には、3,
3′,4,4′−ビフェニルテトラアミン、3,3′,4,4′−テ
トラアミノジフェニルエーテル等の多価アミン化合物の
一部使用も可能である。
また、他方の成分であるジ酸無水物の例を列挙する
と、芳香族テトラカルボン酸二無水物の例としては、ピ
ロメリット酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルテト
ラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノン
テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,5,6−テ
トラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
と、芳香族テトラカルボン酸二無水物の例としては、ピ
ロメリット酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルテト
ラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノン
テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,5,6−テ
トラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
尚、ここでは芳香族ポリイミドの構成例について述べ
たが、本発明は脂肪族ポリイミド等にも適用が可能であ
る。また本発明に使用されるイミドオリゴマーの例とし
ては、ビスマレイミドやナジック酸末端オリゴマーや、
アセチレン末端オリゴマー等が例示できる。
たが、本発明は脂肪族ポリイミド等にも適用が可能であ
る。また本発明に使用されるイミドオリゴマーの例とし
ては、ビスマレイミドやナジック酸末端オリゴマーや、
アセチレン末端オリゴマー等が例示できる。
また、ポリイミド組成物を成型して得られる形態とし
ては、通常の成型体、シート、フィルム、積層物等が例
示できるが、本発明の効果を最も有効に利用するために
はフィルム状の形態が望ましい。その理由は、一般にフ
ィルム状の物は、比表面積が大きく、空気中で熱劣化を
受けやすく、従って、芳香族ポリフォスフェイトの添加
効果が顕著にあらわれるのみならず、薄いフィルム状物
などの場合、微小な欠陥の存在が破断強度の低下を招き
やすく、しばしば深刻な問題となることが多いためであ
る。
ては、通常の成型体、シート、フィルム、積層物等が例
示できるが、本発明の効果を最も有効に利用するために
はフィルム状の形態が望ましい。その理由は、一般にフ
ィルム状の物は、比表面積が大きく、空気中で熱劣化を
受けやすく、従って、芳香族ポリフォスフェイトの添加
効果が顕著にあらわれるのみならず、薄いフィルム状物
などの場合、微小な欠陥の存在が破断強度の低下を招き
やすく、しばしば深刻な問題となることが多いためであ
る。
従来、ポリイミドの耐熱劣化安定剤として有機リン系
化合物が添加剤として用いられた例はあるが、前述のよ
うに、この添加剤そのものの熱分解温度あるいは沸点が
低く、そのため樹脂成型中に飛散してしまうか、又は成
型体が高温に曝された際に該添加剤が系外に飛散してし
まい系内に残留させることができず、従って、その効果
を充分に利用することができなかった。
化合物が添加剤として用いられた例はあるが、前述のよ
うに、この添加剤そのものの熱分解温度あるいは沸点が
低く、そのため樹脂成型中に飛散してしまうか、又は成
型体が高温に曝された際に該添加剤が系外に飛散してし
まい系内に残留させることができず、従って、その効果
を充分に利用することができなかった。
これに対し、本発明は、かかる有機リン系化合物から
なる添加剤を高分子量化し、更に芳香族骨格を導入する
ことにより、該添加剤そのものの熱安定性を改良するこ
とに成功した。この結果、該安定化剤は樹脂成型過程に
おいても、更に、かかる成型体が高温に長時間曝された
場合にも長く系内に滞留し、その結果を維持することが
できる。かくして、従来不可能であった高温成型ポリイ
ミドの耐熱劣化安定性を大幅に改善することができるよ
うになったのみならず、高温長時間の過酷な条件下での
ポリイミドの耐熱劣化安定性を改善することを可能とし
たものである。
なる添加剤を高分子量化し、更に芳香族骨格を導入する
ことにより、該添加剤そのものの熱安定性を改良するこ
とに成功した。この結果、該安定化剤は樹脂成型過程に
おいても、更に、かかる成型体が高温に長時間曝された
場合にも長く系内に滞留し、その結果を維持することが
できる。かくして、従来不可能であった高温成型ポリイ
ミドの耐熱劣化安定性を大幅に改善することができるよ
うになったのみならず、高温長時間の過酷な条件下での
ポリイミドの耐熱劣化安定性を改善することを可能とし
たものである。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本
発明はこれらにより何ら制限を受けるものではない。
発明はこれらにより何ら制限を受けるものではない。
比較例1 ジメチルアセトアミド溶媒中、4,4′−ジアミノジフ
ェニルメタンと3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸二無水物とを常法により反応させ、ポリアミド
酸の15%ジメチルアセトアミド溶液を得た。
ェニルメタンと3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸二無水物とを常法により反応させ、ポリアミド
酸の15%ジメチルアセトアミド溶液を得た。
これに脱水剤として無水酢酸を、脱水触媒としてβ−
ピコリンを加え、支持体上にキャストし、約100℃の熱
風オーブン中で約5分間加熱乾燥し、自己支持性のフィ
ルムを得た。これを支持体から引き剥し、支持枠に固定
した後、高温熱風オーブンにて280℃まで徐々に加熱乾
燥した。空気中にて放冷後、支持枠から取り外し、厚さ
約50μmのポリイミドフィルムを得た。
ピコリンを加え、支持体上にキャストし、約100℃の熱
風オーブン中で約5分間加熱乾燥し、自己支持性のフィ
ルムを得た。これを支持体から引き剥し、支持枠に固定
した後、高温熱風オーブンにて280℃まで徐々に加熱乾
燥した。空気中にて放冷後、支持枠から取り外し、厚さ
約50μmのポリイミドフィルムを得た。
このフィルムを250℃の熱風乾燥機中に1000時間エー
ジングした。エージング前後の絶縁破壊電圧及び引っ張
り破断時伸び率を測定し、その保持率を計算した。結果
を第1表に示す。
ジングした。エージング前後の絶縁破壊電圧及び引っ張
り破断時伸び率を測定し、その保持率を計算した。結果
を第1表に示す。
比較例2 脱水剤及び脱水触媒とともにTPP(低分子量芳香族フ
ォスフェイト)を、生成するポリイミド樹脂100重量部
に対して0.5重量部添加した以外は比較例1と同様の方
法にてフィルムを作成し、測定評価した。結果を第1表
に示す。
ォスフェイト)を、生成するポリイミド樹脂100重量部
に対して0.5重量部添加した以外は比較例1と同様の方
法にてフィルムを作成し、測定評価した。結果を第1表
に示す。
実施例1〜9 脱水剤及び脱水触媒とともに所定の芳香族ポリフォス
フェイトを所定量添加した以外は比較例1と同様の方法
にてフィルムを作成し、測定評価した。結果を第1表に
示す。
フェイトを所定量添加した以外は比較例1と同様の方法
にてフィルムを作成し、測定評価した。結果を第1表に
示す。
比較例3 ジメチルフォルムアミド溶媒中、4,4′−ジアミノフ
ェニルエーテルとピロメリット酸二無水物とを常法によ
り反応させ、ポリアミド酸の15%ジメチルフォルムアミ
ド溶液を得た。
ェニルエーテルとピロメリット酸二無水物とを常法によ
り反応させ、ポリアミド酸の15%ジメチルフォルムアミ
ド溶液を得た。
これに脱水剤として無水酢酸を、脱水触媒としてβ−
ピコリンを加え、支持体上にキャストし、約100℃の熱
風オーブン中で約5分間加熱乾燥し、自己支持性のフィ
ルムを得た。これを支持体から引き剥し、支持枠に固定
した後、高温熱風オーブンにて、450℃まで、徐々に加
熱乾燥した後、空気中にて放冷後、支持枠から取り外
し、厚さ約50μmのポリイミドフィルムを得た。
ピコリンを加え、支持体上にキャストし、約100℃の熱
風オーブン中で約5分間加熱乾燥し、自己支持性のフィ
ルムを得た。これを支持体から引き剥し、支持枠に固定
した後、高温熱風オーブンにて、450℃まで、徐々に加
熱乾燥した後、空気中にて放冷後、支持枠から取り外
し、厚さ約50μmのポリイミドフィルムを得た。
このフィルムを300℃の熱風乾燥機中に1000時間エー
ジングした。エージング前後の絶縁破壊電圧及び引っ張
り破断時伸び率を測定し、その保持率を計算した。結果
を第2表に示す。
ジングした。エージング前後の絶縁破壊電圧及び引っ張
り破断時伸び率を測定し、その保持率を計算した。結果
を第2表に示す。
比較例4 脱水剤及び脱水触媒とともにTPP(低分子量芳香族フ
ォスフェイト)を、生成するポリイミド樹脂100重量部
に対して0.5重量部添加した以外は比較例1と同様の方
法にてフィルムを作成し、測定評価した。結果を第2表
に示す。
ォスフェイト)を、生成するポリイミド樹脂100重量部
に対して0.5重量部添加した以外は比較例1と同様の方
法にてフィルムを作成し、測定評価した。結果を第2表
に示す。
実施例10〜19 脱水剤及び脱水触媒とともに所定の芳香族ポリフォス
フェイトを所定量添加した以外は比較例3と同様の方法
にてフィルムを作成し、測定評価した。結果を第2表に
示す。
フェイトを所定量添加した以外は比較例3と同様の方法
にてフィルムを作成し、測定評価した。結果を第2表に
示す。
(表中の添加剤の略称の説明) PRF:フェニル・レゾルシン・ポリフォスフェイト CRP:クレジル・レゾルシン・ポリフォスフェイト PCRP:フェニル・クレジル・レゾルシン・ポリフォスフ
ェイト XRP:キシリル・レゾルシン・ポリフォスフェイト PIRP:フェニル・イソプロピルフェニル・レゾルシン・
ポリフォスフェイト CXRP:クレジル・キシリル・レゾルシン・ポリフォスフ
ェイト PDRP:フェニル・イソプロピルフェニル・ジイソプロピ
ルフェニル・レゾルシン・ポリフォスフェイト TPP:トリフェニルフォスフェイト(低分子量有機リン系
化合物) 第1表及び第2表の結果から明らかなように、例えば
比較例2と実施例1、比較例4と実施例11は、いずれも
ポリフォスフェイトを同量(0.5重量部)添加した場合
であるが、実施例1は比較例2に比べて、また実施例11
は比較例4に比べて熱劣化性が顕著に向上していること
がわかる。
ェイト XRP:キシリル・レゾルシン・ポリフォスフェイト PIRP:フェニル・イソプロピルフェニル・レゾルシン・
ポリフォスフェイト CXRP:クレジル・キシリル・レゾルシン・ポリフォスフ
ェイト PDRP:フェニル・イソプロピルフェニル・ジイソプロピ
ルフェニル・レゾルシン・ポリフォスフェイト TPP:トリフェニルフォスフェイト(低分子量有機リン系
化合物) 第1表及び第2表の結果から明らかなように、例えば
比較例2と実施例1、比較例4と実施例11は、いずれも
ポリフォスフェイトを同量(0.5重量部)添加した場合
であるが、実施例1は比較例2に比べて、また実施例11
は比較例4に比べて熱劣化性が顕著に向上していること
がわかる。
本発明によれば、成型加工中の熱劣化性及び高温条件
下での熱劣化性が飛躍的に改良されたポリイミド組成物
が提供される。
下での熱劣化性が飛躍的に改良されたポリイミド組成物
が提供される。
Claims (5)
- 【請求項1】一般式(II) (R01は4価の有機残基、R02は2価の有機残基を示
す。) で表される構造を有するポリイミドに、一般式(I) (R1,R2,R3,R4,R5,R6は、各々水素原子、炭素数が1〜
3のアルキル基または水酸基を示し、nは1〜3の整数
を示す。) で表される構造を有する芳香族ポリフォスフェイトを添
加してなることを特徴とするポリイミド組成物。 - 【請求項2】芳香族ポリフォスフェイトの含有量が、ポ
リイミド100重量部に対し0.01〜10重量部である請求項
1記載のポリイミド組成物。 - 【請求項3】一般式(II)において、R01が4価の芳香
族残基、R02が2価の芳香族残基である請求項1記載の
ポリイミド組成物。 - 【請求項4】ポリイミドがフィルム状に成形したポリイ
ミドである請求項1記載のポリイミド組成物。 - 【請求項5】ポリイミドが分子の末端に官能基を有する
イミドオリゴマーの硬化物である請求項1記載のポリイ
ミド組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1164350A JP2955712B2 (ja) | 1989-06-27 | 1989-06-27 | ポリイミド組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1164350A JP2955712B2 (ja) | 1989-06-27 | 1989-06-27 | ポリイミド組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0328266A JPH0328266A (ja) | 1991-02-06 |
JP2955712B2 true JP2955712B2 (ja) | 1999-10-04 |
Family
ID=15791493
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1164350A Expired - Lifetime JP2955712B2 (ja) | 1989-06-27 | 1989-06-27 | ポリイミド組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2955712B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5282955A (en) * | 1975-12-29 | 1977-07-11 | Toyobo Co Ltd | Flame resistance compositions |
US4097560A (en) * | 1977-06-29 | 1978-06-27 | M & T Chemicals Inc. | Novel phosphorus compounds and flame retardant compositions containing same |
-
1989
- 1989-06-27 JP JP1164350A patent/JP2955712B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0328266A (ja) | 1991-02-06 |
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