JP2954869B2 - 外科用レーザーアプリケータおよびその製造方法 - Google Patents

外科用レーザーアプリケータおよびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、石英ガラス心を備
えた光ファイバを有しており、この光ファイバの中心か
ら離れた端部に石英ガラススリーブから造られた接触先
端が設けられており、この際石英ガラス心の中心から離
れた端部が石英ガラススリーブの中心から離れた端部と
融着されて光学的な先端を形成している、組織を接触蒸
発させるための外科用レーザーアプリケータおよびこの
外科用レーザーアプリケータを造るための方法に関す
る。
【０００２】
【従来の技術】
Ｎｄ：ＹＡＧ−レーザー光線による組織の気化には、組
織の近傍における高い出力密度およびこれに伴い高いレ
ーザー出力が必要である。組織の多くのものはそれらの
表面にきらきらする、レーザー光線を屈折させる液体膜
を備えており、従ってこれは二次的な障害の発生の原因
ともなっている。このような理由から、久しい間いわゆ
る接触気化が希求されて来たが、これはレーザー光線を
案内する光導体の端部に挿着されるいわゆるサフアイア
先端(Saphirspitzen) −例えば米国特許第４，６９３，
２４４号公報参照−を使用することにより始めて可能と
なった。このようなアプリケータは、サフアイアと光導
体間の結合位置の冷却が必要であり、これに加えて使用
するサフアイアが比較的高価であることから、構造的に
極めて多額の経費を要する。更に、冷却が行なわれない
場合サフアイアと光導体間の結合位置が過熱され、これ
によりサフアイア先端が脱落してしまう。
【０００３】ヨーロッパ公開特許第０ ５１４ ２５８
号公報には、上記の様式のアプリケータが開示されてい
るが、このアプリケータにあっては円筒形のスリーブは
光ファイバの端部を囲繞しており、この光ファイバと融
着されて接触先端を形成している。スリーブと光ファイ
バとの間の密接したはめ合わせにより、融着の領域は正
確に調節不可能であり、従ってレーザー光線が射出され
て接触先端を去る領域も予め定ることは不可能である。
更に、レーザー光線は、特にダイオードレーザーを使用
した際、接触先端から著しく発散する。
【０００４】更に、ＷＯ ９２／１７２４３公報から、
合成樹脂から造られた透明な中空針が知られているが、
この中空針内に組織に刺込み可能な光ファイバの自由端
が開口している。しかし、このアプリケータは高体温症
のためのものであり、使用される材料（合成樹脂）によ
り気化には使用することはできない。光導体の覆いを取
除いて端部に挿入される光透過性のキャップもドイツ連
邦共和国特許公告第３９ １９ ３２２号公報に記載さ
れているが、この発明にあっては、このゾンデは同様に
高体温症のためにのみ使用されるものであり、このゾン
デもまた、上記のＷＯ ９２／１７２４３におけると同
様に、レーザー光線はキャップ内で光導体から射出さ
れ、先ずこのキャップの壁部を通過しなければならな
い。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】本発明の根底をなす課
題は、構造上単純であり、廉価で製造することが可能で
あり、外科用レーザーとして高い信頼性のための要件を
充足し、かつ特にダイオードレーザーを使用した際照射
されるレーザー光線の発散が改良される、接触気化（Ko
ntaktvaporisation)のための外科用レーザーアプリケー
タを提供することである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、本発明に
より、光ファイバの石英ガラス心が石英ガラススリーブ
の内壁に対して或る間隔をもって同軸状に指向している
こと、および石英ガラス心から石英ガラススリーブへの
移行部が口先が拡がっている漏斗状部として形成されて
いることによって解決される（この場合、以下で使用す
る『中心から離れた』と言う概念と、『中心に近い』と
言う概念は、『光源』、即ち『レーザー機器』に対し
て、『遠い』および『近い』と言うことを意味す
る。）。
【０００７】上記の公知の技術による挿着される先端と
異なり、光が接触先端を去る以前に光が越えなければな
らないレーザー光線を弱める空隙が、光導体と先端との
間にはもはや存在しない。光導体から接触先端への漏斗
状の移行部によって、レーザー光線は光導体内で大きな
口径をもって走り、光線は集束され、特に接触先端が凸
状に形成されている場合、この接触先端から収斂状態で
射出される。これにより、レーザー光線は集束され、ア
プリケータ−組織−移行部において高い出力密度が達せ
られる。この出力密度は点の形状で迅速に組織を加熱
し、従って迅速に炭化芽(Karbonisationskeim)の発生を
誘起する。この炭化芽の発生の直後、次のレーザー光線
がこの炭化層から著しく吸収され、従って炭化の工程は
大表面で維持される。
【０００８】更に、融着工程により、接触先端と光導体
間に機械的な固い結合が形成され、光導体の調心が製造
工程においてのみ必要であるに過ぎない。光導体のジャ
ケット層（バッフア）が同様に石英ガラスから造られて
いる場合、このジャケット層は融着の際石英ガラススリ
ーブと一体化される。照射特性を異なる解剖学的な事情
および変化に適応させるために、融着された領域はくさ
び状および／または円錐状に形成されており、これらの
領域は常に、これらの領域が光ファイバから発散する光
によって捕捉されるような大きさに形成しているに過ぎ
ない。
【０００９】以下に添付した図面に図示した発明の実施
の形態につき本発明を詳細に説明する。
【００１０】
【発明の実施の形態】図１および２に図示したアプリケ
ータは石英ガラス心２と合成樹脂ジャケット３を備えた
光ファイバ１を有しており、合成樹脂ジャケットは端部
において１〜２ｃｍ石英ガラス心２から離れた領域に存
在している。接触先端４は石英ガラススリーブ４．２か
ら成り、この石英ガラススリーブは光ファイバ１の石英
ガラス心２をきのこ状に囲繞しており、半球形の、レー
ザー光線が射出する表面を備えた光学的に透明な先端
４．３が形成されるように、光ファイバと領域２．１お
よび４．１において融着されている。石英ガラススリー
ブ４．２の内壁と光ファイバの石英ガラス心２のジャケ
ット面間には、可能な限り均一な、周面において漏斗状
の移行領域２．２によって橋渡しされている間隔ｄが形
成されている。最適な間隔ｄは長さｌと漏斗状部の拡大
の寸法によって定まる。漏斗状部が内方から外方へと増
大する口径を有している場合、その最適な長さｌは、レ
ーザー光線が最大の口径で漏斗状部のジャケットと接線
方向で接触する点によって定まる。図２において、レー
ザー光線は口径限界に近い状態で概略示めされている。
このようなレーザー光線は漏斗状部２．２の領域内でそ
の湾曲したジャケット面に当たり、そこから光導体１の
光軸線方向で反射する。接触先端４．３の凸状の射出面
との結合部において、さらに発散作用が行なわれる。
【００１１】図２に示した接触先端を造るためには、円
筒形の石英ガラススリーブが使用され、この石英ガラス
スリーブを経て石英ガラス心２の覆いを外された端部が
差込まれる。光導体１の被覆部３が同様に石英ガラスか
ら成る場合、被覆部の取外しは必要ない。石英ガラスス
リーブから突出している光導体の端部は、滴状の肉厚部
が形成され、この肉厚部の直径が少なくとも石英ガラス
スリーブの内径に相当するように、しかし有利にはより
大きくなるように、融着される。こうして、この肉厚部
と光導体の残った部分間には漏斗状の移行部２．２が形
成される。次いで、光導体１の中心から離れた端部２．
１と４．１および石英ガラススリーブ４は軟化点に達す
るまで短時間加熱され、その際石英ガラススリーブは互
いに融着し合い、均質なガラス体を形成する。この漏斗
状の移行部２．２は後者の融着が行なわれている間維持
されていなければならない。外科用レーザーにあって典
型的な、０，３７の数値的な開口度（約４２°の全角度
に相当）有する６００μｍの光導体直径にあっては、漏
斗状部の最適な長さｌは約３ｍｍである。
【００１２】石英ガラススリーブ４．２の中心から離れ
た端部４．４は光導体１に対して接着カラー５で閉じら
れており、従って作業は接触先端により完全に液体内に
浸漬された状態で行うことが可能である。その際、接着
材は光導体１の石英ガラス心２より低い屈折率を有して
おり、従って石英ガラス心２のこの領域内においてさら
にレーザー光線のための全反射が保証される。
【００１３】レーザー光線が表面４．３から石英ガラス
スリーブ４に逆反射することが完全に回避不可能なの
で、中心に近いアプリケータ端部４．４に比較的高い温
度が生じる。従って、この領域を鏡面層６によりレーザ
ー光線から保護するのが有利である。この目的には、公
知の金属積層およびλ／４積層が適している。図３，４
および５に、接触先端の色々な実施の形態を示したが、
図３による接触先端は先端の領域内にビツトのように形
成されており、中空の器官を処置するのに使用される。
図４による円錐形に尖鋭に形成されている接触先端は点
状の接触による気化に使用される。片側が平坦に形成さ
れている尖鋭部を備えた図５による接触先端は、片側の
みが働き、従って中空の器官の片側における気化に使用
される。
【００１４】
【発明の効果】本発明により、構造上単純であり、僅か
な経費で製造することが可能であり、かつ外科用レーザ
ーとして高い信頼性のための要件を充足し、かつ特にダ
イオードレーザーを使用した際照射されるレーザー光線
の発散が改良された、接触気化のための外科用レーザー
アプリケータが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図１】接触先端を備えたアプリケータの断面図であ
る。
【図２】図１によるアプリケータの部分領域の断面図で
ある。
【図３】ビット状の接触先端を備えたアプリケータの断
面図である。
【図４】円錐形の接触先端を備えたアプリケータの断面
図である。
【図５】片側が平坦に形成されているアプリケータの断
面図である。
【符号の説明】
１ 光導体 ２ 石英ガラス心 ２．１，４．１ 光導体の端部 ２．２ 漏斗状部 ３ 合成樹脂ジャケット ４ 接触先端 ４．２ 石英ガラススリーブ ４．３ 先端（表面） ４．４ 中心から離れた端部 ５ 接着カラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−145205（ＪＰ，Ａ) 実開 昭61−198902（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) A61B 17/36 350

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項０１】 石英ガラス心を備えた光ファイバを有
    しており、この光ファイバの中心から離れた端部に石英
    ガラススリーブから造られた接触先端が設けられてお
    り、この際石英ガラス心の中心から離れた端部が石英ガ
    ラススリーブの中心から離れた端部と融着されて光学的
    な先端（３．４）を形成している、組織を接触気化させ
    るための外科用レーザーアプリケータにおいて、光ファ
    イバ（１）の石英ガラス心（２）が石英ガラススリーブ
    （４．２）の内壁に対して或る間隔をもって同軸状に指
    向していること、および石英ガラス心（２）から石英ガ
    ラススリーブ（４．２）への移行部が口先が拡がってい
    る漏斗状部（２．２）として形成されていることを特徴
    とする外科用レーザーアプリケータ。
  2. 【請求項０２】 漏斗状部（２．２）のジャケット面
    が、幅広な端部方向に向かって徐々に大きくなる曲面を
    有していることを特徴とする請求項１に記載のアプリケ
    ータ。
  3. 【請求項０３】 光学的に透明な先端（３．４）が半球
    形に形成されていることを特徴とする請求項１或いは２
    に記載のアプリケータ。
  4. 【請求項０４】 光学的に透明な先端がくさび状および
    ／または円錐状に形成されていることを特徴とする請求
    項１或いは２に記載のアプリケータ。
  5. 【請求項０５】 石英ガラススリーブ（４．２）の中心
    に近い端部（４．４）が光ファイバ（１）と接着されて
    いることを特徴とする請求項１から４までのいずれか一
    つに記載のアプリケータ。
  6. 【請求項０６】 接着材（５）の屈折率が石英ガラス心
    （２）の屈折率よりも小さいことを特徴とする請求項１
    に記載のアプリケータ。
  7. 【請求項０７】 石英ガラススリーブ（４．２）の中心
    に近い端部（４．４）が少なくとも光ファイバ（１）と
    の接着の領域内において光線を反射する層（６）を備え
    ていることを特徴とする請求項１から６までのいずれか
    一つに記載のアプリケータ。
  8. 【請求項０８】 レーザー光線が光学的に透明な先端
    （３．４）の全表面から射出されるように構成されてい
    ることを特徴とする請求項１から７までのいずれか一つ
    に記載のアプリケータ。
  9. 【請求項０９】 光ファイバ（１）の石英ガラス心
    （２）と融着していない石英ガラススリーブ（４．２）
    の部分の長さが少なくとも１０ｍｍであることを特徴と
    する請求項１から８までのいずれか一つに記載のアプリ
    ケータ。
  10. 【請求項１０】 石英ガラス心を備えた光ファイバを有
    しており、この光ファイバの中心から離れた端部に石英
    ガラススリーブから造られた接触先端が設けられてお
    り、この際石英ガラス心の中心から離れた端部が石英ガ
    ラススリーブの中心から離れた端部と融着されて光学的
    な先端（３．４）を形成している、組織を接触蒸発させ
    るための外科用レーザーアプリケータを造るための製造
    方法において、 ａ）光ファイバへの漏斗状の移行部を備えた滴状の肉厚
    部を形成するために光ファイバの中心から遠い端部を溶
    融すること、 ｂ）光ファイバ上に挿入された円筒形のスリーブの端面
    を漏斗状の移行部の維持下に光ファイバの滴状の肉厚部
    と融着させること、を特徴とする外科用レーザーアプリ
    ケータを造るための方法。
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