JP2954796B2 - 原稿読取装置の原稿サイズ検出センサ - Google Patents

原稿読取装置の原稿サイズ検出センサ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンピュータのイメー
ジ入力装置や複写機等の情報機器に用いられる原稿読取
装置の原稿サイズ検出センサに関する。
【0002】
【従来の技術】図11は従来の原稿サイズ検出センサの
概略を示す断面図、図12および図13は従来の原稿サ
イズ検出センサの原稿読取装置における配置例を示す図
である。
【0003】一般に、原稿サイズ検出センサでは、図1
1の如く、赤外発光ダイオード(LED)等の発光素子
1と、フォトトランジスタ等の受光素子2を、原稿Gを
乗せる透明ガラス板3(原稿載置台)の下に設置してい
る。そして、発光素子1の発光軸λ1を受光素子2の受
光軸λ2に対して傾斜させることで、発光素子1からガ
ラス板3にて正反射した正反射光L1が受光素子2にほ
とんど入射しないよう構成している。
【0004】なお、図11中、4は発光素子1および受
光素子2を搭載する回路基板(PWB)、5はこれらを
収納するホルダーである。
【0005】従来の原稿サイズ検出センサにおいて、ガ
ラス板3上に原稿Gが無いとき、発光素子1より発光さ
れた光L2は、ガラス板3で反射する光L1と、ガラス
板3を透過する光L3とに分かれる。このうち、ガラス
板3で反射した光L1は、受光素子2の付近に照射され
るが、前述のように、発光素子1の発光軸λ1を受光素
子2の受光軸λ2に対して傾斜させているため、図11
のように光L1は受光素子2へほとんど入射しない。そ
うすると、受光素子2は電気信号を出力せず、これによ
り原稿Gが無いことを検出できる。
【0006】一方、ガラス板3上に原稿Gがあるとき、
ガラス板3を透過した光が原稿Gにて乱反射し、このう
ちの一部の光L4が受光素子2に入射する。
【0007】そして、従来では、図12および図13の
如く、検出、識別したい原稿サイズの種類(日本工業規
格[JIS]による「A3」,「A4」,「A4R」,
「B4」,「B5」,「B5R」の六種類)に対応し
て、発光素子1および受光素子2を複数(四箇所)のセ
ンシング領域Ra1〜Rd1,Ra2〜Rd2にそれぞ
れ一個づつ配置し、図14および図15の如く、各セン
シング領域Ra1〜Rd1,Ra2〜Rd2の受光素子
2への光入射の組み合わせを判断することで、原稿Gサ
イズを判断していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の原稿サイズ検出
センサでは、図12および図13の如く、発光素子1お
よび受光素子2のセンサユニットが四個必要となる。そ
うすると、数が多い分、コストが高くつき、取付け作業
も煩雑となり、またそれぞれに固定部材等を要すること
を考えると、原稿読取装置の省スペース化を阻害する要
因となる。
【0009】本発明は、センサユニットの個数が少なく
て済み、コスト低減、取付け作業の簡易化、および省ス
ペース化を図り得る原稿読取装置の原稿サイズ検出セン
サの提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明請求項1による課
題解決手段は、図1の如く、原稿11を載置するための
原稿載置台12と、該原稿載置台12上の原稿11を露
光する露光部13と、該露光部13から出射し原稿載置
台12上の原稿11で反射した光を読み取る読取部14
とを備えた原稿読取装置において、複数のセンシング領
域R1,R2,R3,R4,R5での原稿の有無を検出
し原稿サイズを検出するためのものであって、前記各セ
ンシング領域R1〜R5は、一定面積を有してスポット
状に形成され、原稿載置台12に載置される所定の原稿
サイズの境界線近傍に配置され、互いに隣り合う前記セ
ンシング領域R1〜R5が連続配置されることにより、
全センシング領域R1〜R5は一体的に配列され、該セ
ンシング領域R1〜R5に光を照射する発光素子32
と、該発光素子32から出射し原稿載置台12上の原稿
11で反射した光を受光する受光素子33と、両素子3
2,33を制御しかつ受光素子33からの出力信号を検
出するための信号処理回路基板35とが設けられ
発光素子32および受光素子33は、一個のセンサユニ
ットに配置されたものである。
【0011】本発明請求項2による課題解決手段は、請
求項1記載の発光素子32は、一体的に配列されたセン
シング領域R1〜R5の少なくとも全領域に視野角を持
つ単一の発光体が用いられたものである。
【0012】本発明請求項3による課題解決手段は、請
求項1記載の受光素子33は、一体的に配列された全セ
ンシング領域R1〜R5に視野角を持つ単一の受光体が
用いられ、該受光体は、各センシング領域R1〜R5ご
とに対応して分割され複数の受光子が形成されてな
、該各受光子からの前記信号処理回路基板35への出
力系は、各受光子ごとに受光情報が検出可能となるよ
う、それぞれ独立配線されたものである。
【0013】
【作用】上記請求項1〜3による課題解決手段におい
て、原稿11を原稿載置台12上に載置し、露光部13
で原稿11に光を照射し、反射光を読取部14で読み取
る。このとき、所定の原稿サイズの境界線上にあるスポ
ット状のセンシング領域R1〜R5について、サイズ検
出センサにより原稿11の有無を検出する。
【0014】ここで、発光素子32および受光素子33
を、一個のセンサユニットに配置しているため、センサ
ユニットの個数が少なくて済む。
【0015】
【実施例】
(第一実施例)本実施例の原稿読取装置は、例えば一般
的な複写機に用いられるもので、図1の如く、原稿11
を載置するための原稿載置台12と、該原稿載置台12
上の原稿11を露光する露光部13と、該露光部13か
ら出射し原稿載置台12上の原稿11で反射した光を読
み取る読取部としての光学系14と、前記原稿11のサ
イズを検出するサイズ検出センサ15とを備えている。
【0016】前記原稿載置台12は、図1の如く、例え
ば最大A3サイズの原稿11を載置できる従来と同様の
透明ガラス板が使用され、各サイズ(日本工業規格[J
IS]:「A3」,「A4」,「A4R」,「B4」,
「B5」,「B5R」)の原稿11の載置領域σ1,σ
2,σ3,σ4,σ5,σ6は、図12に示した従来例
と同様に、図2のように予め決定されている。なお、該
原稿載置台12の上方には、通常、外乱光の進入を防止
するための図示しない原稿カバーが設けられる。
【0017】前記露光部13は、図1の如く、基板21
上に複数個の光源22が一列に配され、該光源22から
の光をレンズ23にて原稿載置台12側に照射する一般
的なものが使用される。
【0018】前記光学系14は、図1の如く、感光体2
4と、前記原稿載置台12での反射光を感光体24に導
くセルフォックレンズ25とからなる一般的なものが使
用される。
【0019】前記サイズ検出センサ15は、図2の如
く、一定面積を有してスポット状に形成された複数のセ
ンシング領域R1〜R5のそれぞれに原稿11があるか
否かを検出し、その組み合わせを判断することで原稿サ
イズを検出するもので、図1の如く、ホルダー31内
に、センシング領域R1〜R5に光を照射する発光素子
32と、該発光素子32から出射し原稿載置台12上の
原稿11で乱反射した光を受光する受光素子33と、両
素子32,33を制御しかつ受光素子33の出力信号か
ら原稿11の有無を検出するための信号処理回路基板3
5(PWB)とが設けられている。
【0020】前記センシング領域R1は、図2の如く、
原稿載置台12の「A4」載置領域σ1の隅部で、「B
4」載置領域σ2および「B5」載置領域σ3より外側
に配置され、「A3」および「A4」の原稿11がある
ときのみ、光が反射する位置に設定される。
【0021】前記センシング領域R2は、原稿載置台1
2の「B4」載置領域σ2の端部で、「B5」載置領域
σ3および「A4R」載置領域σ4より外側に配置さ
れ、「A3」,「A4」および「B4」の原稿11があ
るときのみ、光が反射する位置に設定される。
【0022】前記センシング領域R3は、原稿載置台1
2の「A4R」載置領域σ4の端部で、「B5」載置領
域σ3および「B5R」載置領域σ5より外側に配置さ
れ、「A3」,「A4」,「B4」および「A4R」の
原稿11があるときのみ、光が反射する位置に設定され
る。
【0023】前記センシング領域R4は、原稿載置台1
2の「B5R」載置領域σ5の端部で、「B5」載置領
域σ3より外側に配置され、「A3」,「A4」,「B
4」,「A4R」および「B5R」の原稿11があると
きのみ、光が反射する位置に設定される。
【0024】前記センシング領域R5は、原稿載置台1
2の「A3」載置領域σ6の端部で、「B4」載置領域
σ2および「A4」載置領域σ1より外側に配置され、
「A3」の原稿11があるときのみ、光が反射する位置
に設定される。
【0025】そして、互いに隣り合うセンシング領域R
1〜R5は、図3のように互いに連続配置され、これに
より、全センシング領域R1〜R5はL字形に一体的に
配列されている。
【0026】前記発光素子32は、図1の如く、一体的
に配列されたセンシング領域R1〜R5の少なくとも全
領域に視野角を持つ単一の発光体としての赤外発光ダイ
オード(LED)が使用される。該発光素子32の前方
には、図1の如く、照射レンズ36が設けられる。発光
素子32の発光軸λ1は、原稿載置台12で正反射した
正反射光L1の大部分が受光素子2からずれて発散する
よう、受光素子33の受光軸λ2に対して傾斜される。
【0027】前記受光素子33は、一体的に配列された
全センシング領域R1〜R5に視野角を持つ単一の受光
体としてのホトダイオード(PD)が用いられている。
【0028】該ホトダイオード33は、その表面がハー
フダイシング処理される等により、各センシング領域R
1〜R5ごとに分割され、これにより、複数の受光子が
形成された多分割受光素子とされている。
【0029】また、該受光子からの前記信号処理回路基
板35への出力系は、前記各受光子ごとに受光情報が検
出可能となるよう、それぞれ独立配線されている。
【0030】該各受光子の前方には、図1の如く、照射
レンズ37が一個づつ設けられる。そして、該照射レン
ズ37の集光により、各受光子と各センシング領域R1
〜R5とがそれぞれ対応するよう構成される。
【0031】そして、該発光素子32および受光素子3
3は、一個のセンサユニットに配置されている。
【0032】上記構成において、原稿読取時には、原稿
11を原稿載置台12上に載置し、露光部13で原稿1
1に光を照射し、反射光を読取部14で読み取る。
【0033】このとき、発光素子32は、照射レンズ3
6にて集光されながら、センシング領域R1〜R5の少
なくとも全領域を全て覆う状態で光照射する。
【0034】照射された光は、原稿載置台12を上向き
に通過した後、原稿載置台12の上面の各センシング領
域R1〜R5に照射される。
【0035】ここで、各センシング領域R1〜R5に原
稿11がなければ、光はそのまま上方に通り過ぎてい
く。
【0036】一方、各センシング領域R1〜R5に原稿
11があれば、光はそのセンシング領域R1〜R5にお
ける原稿11の下面で乱反射し、原稿載置台12を下向
きに通過後、照射レンズ37に照射される。そして、照
射レンズ37にて、センシング領域R1〜R5単位ごと
に、各受光子に結像される。
【0037】その後、各受光子ごとに独立配線された出
力系により、各受光子ごと、すなわち各センシング領域
R1〜R5ごとの受光情報が信号処理回路基板35へ出
力される。
【0038】このときの各センシング領域R1〜R5ご
との受光情報の組み合わせを図4に示す。このように、
符号化されることにより、載置された原稿11のサイズ
が識別可能となる。
【0039】ところで、上述の動作を実現せしめるに当
たって、本実施例では、発光素子32および受光素子3
3を、一個のセンサユニットに配置しているので、セン
サユニットの個数が少なくて済む。
【0040】したがって、従来のように四箇所にユニッ
トを配置するのに比べて、部材統一による部品点数の削
減から部品コストを低減でき、これに伴って、取付け作
業の簡易化を図ることができる。しかも、省スペース化
が図れる。
【0041】なお、本発明は、上記実施例に限定される
ものではなく、本発明の範囲内で上記実施例に多くの修
正および変更を加え得ることは勿論である。
【0042】例えば、原稿載置台12上の各サイズの原
稿11の載置位置は、図5のように設定してもよい。こ
の場合、センシング領域R1〜R5は図6に示すように
一体的に配列すればよい。この場合の各センシング領域
R1〜R5のサイズ識別の組み合わせは、図7のように
なる。
【0043】また、上記実施例では、センシング領域を
R1〜R5の5領域に設定していたが、情報を細分化し
て検出精度を上げるため、センシング領域を増やし、多
分割受光素子の分割数を増やすことも可能である。例え
ば、図8,9はセンシング領域をR1〜R12の12領
域にした例を示している。各センシング領域R1〜R1
2のサイズ識別の組み合わせは、図10のようになる。
【0044】さらに、本実施例では、受光素子33とし
て、ホトダイオード(PD)を用いていたが、このよう
なものに限定するものではなく、例えば、原稿までの測
距を疑似的に行うことで、電流I,Iの比率にて検
出する半導体位置検出素子(以下、PSD:Posit
ion Sensitive Photodetect
or)を用いてもよい。
【0045】さらにまた、上記実施例では、複写機を例
にあげて説明したが、これに代えて、イメージスキャナ
やファクシミリ装置等に適用してもよい。
【0046】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明請
求項1〜3によると、サイズ検出センサのセンシング領
域を一定面積を有するスポット状に形成し、互いに隣り
合うセンシング領域を連続配置することで全センシング
領域を一体的に配列し、発光素子および受光素子を一個
のセンサユニットに配置しているので、センサユニット
の個数が少なくて済む。
【0047】したがって、従来のように四箇所にユニッ
トを配置するのに比べて、部材統一による部品点数の削
減から部品コストを低減でき、これに伴って、取付け作
業の簡易化を図ることができる。しかも、省スペース化
が図れるといった優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の原稿サイズ検出センサを使
用した原稿読取装置の概略図
【図2】本発明の一実施例の原稿載置領域とセンシング
領域との関係を示す図
【図3】本発明の一実施例のセンシング領域を示す図
【図4】本発明の一実施例の光検出の組み合わせとサイ
ズ識別の関連図
【図5】本発明の他の実施例の原稿載置領域とセンシン
グ領域との関係を示す図
【図6】本発明の他の実施例のセンシング領域を示す図
【図7】本発明の他の実施例の光検出の組み合わせとサ
イズ識別の関連図
【図8】本発明の他の実施例の原稿載置領域とセンシン
グ領域との関係を示す図
【図9】本発明の他の実施例のセンシング領域を示す図
【図10】本発明の他の実施例の光検出の組み合わせと
サイズ識別の関連図
【図11】従来の原稿サイズ検出センサの概略図
【図12】従来の原稿載置領域とセンシング領域との関
係を示す図
【図13】従来の光検出の組み合わせとサイズ識別の関
連図
【図14】従来の原稿載置領域とセンシング領域との関
係を示す図
【図15】従来の光検出の組み合わせとサイズ識別の関
連図
【符号の説明】
11 原稿 12 原稿載置台 13 露光部 14 読取部 15 サイズ検出センサ 32 発光素子 33 受光素子 35 信号処理回路基板 R1〜R5 センシング領域

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原稿を載置するための原稿載置台と、該
    原稿載置台上の原稿を露光する露光部と、該露光部から
    出射し原稿載置台上の原稿で反射した光を読み取る読取
    部とを備えた原稿読取装置において、複数のセンシング
    領域での原稿の有無を検出し原稿サイズを検出するため
    のものであって、 前記各センシング領域は、一定面積を有してスポット状
    に形成され、原稿載置台に載置される所定の原稿サイズ
    の境界線近傍に配置され、互いに隣り合う前記センシン
    グ領域が連続配置されることにより、全センシング領域
    は一体的に配列され、 該センシング領域に光を照射する発光素子と、 該発光素子から出射し原稿載置台上の原稿で反射した光
    を受光する受光素子と、 両素子を制御しかつ受光素子からの出力信号を検出する
    ための信号処理回路基板とが設けられ 記発光素子および受光素子は、一個のセンサユニット
    に配置されたことを特徴とする原稿読取装置の原稿サイ
    ズ検出センサ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の発光素子は、一体的に配
    列されたセンシング領域の少なくとも全領域に視野角を
    持つ単一の発光体が用いられたことを特徴とする原稿読
    取装置の原稿サイズ検出センサ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の受光素子は、一体的に配
    列された全センシング領域に視野角を持つ単一の受光体
    が用いられ、該受光体は、各センシング領域ごとに対応
    して分割され複数の受光子が形成されてなり、該各受
    光子からの前記信号処理回路基板への出力系は、各受光
    子ごとに受光情報が検出可能となるよう、それぞれ独立
    配線されたことを特徴とする原稿読取装置の原稿サイズ
    検出センサ。
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