JP2954779B2 - 高強度ニッケル基合金の製造方法 - Google Patents
高強度ニッケル基合金の製造方法Info
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Landscapes
- Continuous Casting (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非晶質相に均一にFC
C−Niの結晶質粒子を分散してなる高強度ニッケル基
合金の製造方法に関する。
C−Niの結晶質粒子を分散してなる高強度ニッケル基
合金の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種ニッケル合金としては、特
公昭55−19976号公報および特公昭59−354
17号公報に記載のものが知られている。いずれも非晶
質合金のユニークな特性を得るために、非晶質単相を狙
ったものである。
公昭55−19976号公報および特公昭59−354
17号公報に記載のものが知られている。いずれも非晶
質合金のユニークな特性を得るために、非晶質単相を狙
ったものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
公昭55−19976号公報および特公昭59−354
17号公報に示されるニッケル合金は、非晶質単相を狙
ったものであるため、非晶質相を強化し機械的特性(特
に、強度、延性)を向上させる点で改善の余地を残して
いる。
公昭55−19976号公報および特公昭59−354
17号公報に示されるニッケル合金は、非晶質単相を狙
ったものであるため、非晶質相を強化し機械的特性(特
に、強度、延性)を向上させる点で改善の余地を残して
いる。
【0004】そこで本発明者らは、結晶質粒子(FCC
粒子)を分散した非晶質相とすることにより、非晶質単
相合金よりもさらに強度の点で優れた特性を有する高強
度ニッケル基合金を特願平3−261263号にて出願
した。
粒子)を分散した非晶質相とすることにより、非晶質単
相合金よりもさらに強度の点で優れた特性を有する高強
度ニッケル基合金を特願平3−261263号にて出願
した。
【0005】さらに、本発明者らは、鋭意検討した結
果、特定の合金組成及び組織の合金を所定の加熱処理を
施すことにより、機械的特性に優れた高強度ニッケル基
合金を得ることができることを知見し、本発明に至っ
た。
果、特定の合金組成及び組織の合金を所定の加熱処理を
施すことにより、機械的特性に優れた高強度ニッケル基
合金を得ることができることを知見し、本発明に至っ
た。
【0006】本発明の目的は、非晶質相からなる合金に
加熱処理を施すことにより、選択的にFCC−Ni粒子
を析出させ、機械的特性に優れた高強度ニッケル基合金
を得る製造方法を提供することである。
加熱処理を施すことにより、選択的にFCC−Ni粒子
を析出させ、機械的特性に優れた高強度ニッケル基合金
を得る製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明は、一
般式:NibalSiaBb(ただし、a、bは原子パーセ
ントで8≦a≦12、9≦b≦12)で示される組成を
有し、組織が実質的に非晶質相からなる合金を、合金の
第1発熱反応の開始温度Tx1(結晶化温度)(K)か
ら第2発熱反応の開始温度Tx2(K)までの温度領域
で、1〜60分の時間で加熱処理し、非晶質相にFCC
−Niからなる結晶質相を均一に分散してなる組織の合
金を製造することを特徴とする高強度ニッケル基合金の
製造方法である。
般式:NibalSiaBb(ただし、a、bは原子パーセ
ントで8≦a≦12、9≦b≦12)で示される組成を
有し、組織が実質的に非晶質相からなる合金を、合金の
第1発熱反応の開始温度Tx1(結晶化温度)(K)か
ら第2発熱反応の開始温度Tx2(K)までの温度領域
で、1〜60分の時間で加熱処理し、非晶質相にFCC
−Niからなる結晶質相を均一に分散してなる組織の合
金を製造することを特徴とする高強度ニッケル基合金の
製造方法である。
【0008】又、第2発明は、上記の一般式をNibal
SiaBbXc(ただし、a、b、cは原子パーセント
で、8≦a≦12、9≦b≦12、0.5≦c≦5、
X:Fe、Mn、Cr、Ti、Zr、Al、V、Mo、
Nbから選ばれる1種もしくは2種以上の元素)に代え
たものである。
SiaBbXc(ただし、a、b、cは原子パーセント
で、8≦a≦12、9≦b≦12、0.5≦c≦5、
X:Fe、Mn、Cr、Ti、Zr、Al、V、Mo、
Nbから選ばれる1種もしくは2種以上の元素)に代え
たものである。
【0009】上記において、Siの範囲を8〜12at
%、Bの範囲を9〜12at%に、それぞれ限定したの
は、その範囲とすることにより、液体急冷法などを利用
した工業的な急冷手段を用いて実質的に非晶質相を有す
る合金を得ることができるとともに、所定条件(上記記
載の条件)で非晶質相と結晶質相とからなり、非晶質相
にFCCのNi粒子からなる結晶質相を均一に分散して
なる合金が得られるためである。後者について詳しく述
べると、上記範囲内において、FCCのNiが選択的に
析出し、このFCC粒子が分散した非晶質相からなる合
金とすることができ、これによって非晶質相をFCC分
散粒子により、強化することができ、合金の強度を飛躍
的に向上させることができる。なお、上記の範囲以外で
も実質的に非晶質相からなる合金を作製でき、これを特
定の温度で加熱することにより、結晶に分解することが
できるが、このように加熱分解より非晶質相と結晶質相
とからなるものを作製した場合、FCCの結晶質相と同
時もしくは、これより優先的にSiおよびBまたはXの
化合物が析出し、靭性が低下する。
%、Bの範囲を9〜12at%に、それぞれ限定したの
は、その範囲とすることにより、液体急冷法などを利用
した工業的な急冷手段を用いて実質的に非晶質相を有す
る合金を得ることができるとともに、所定条件(上記記
載の条件)で非晶質相と結晶質相とからなり、非晶質相
にFCCのNi粒子からなる結晶質相を均一に分散して
なる合金が得られるためである。後者について詳しく述
べると、上記範囲内において、FCCのNiが選択的に
析出し、このFCC粒子が分散した非晶質相からなる合
金とすることができ、これによって非晶質相をFCC分
散粒子により、強化することができ、合金の強度を飛躍
的に向上させることができる。なお、上記の範囲以外で
も実質的に非晶質相からなる合金を作製でき、これを特
定の温度で加熱することにより、結晶に分解することが
できるが、このように加熱分解より非晶質相と結晶質相
とからなるものを作製した場合、FCCの結晶質相と同
時もしくは、これより優先的にSiおよびBまたはXの
化合物が析出し、靭性が低下する。
【0010】また、上記非晶質相にFCCのNiからな
る結晶質相を均一に分散してなる組織の合金は、冷却速
度を小さくして、液体急冷法などを利用した工業的な急
冷手段を用いても製造できる。
る結晶質相を均一に分散してなる組織の合金は、冷却速
度を小さくして、液体急冷法などを利用した工業的な急
冷手段を用いても製造できる。
【0011】上記第2発明において、X元素はFe、M
n、Cr、Ti、Zr、Al、V、Mo、Nbから選ば
れる1種もしくは2種以上の元素であり、これらのX元
素は上記第1発明のNiと0.5〜5at%の範囲内で
置換でき、第1発明と同等の効果を奏する。また、上記
X元素を上記範囲内で添加することにより過飽和固溶体
のマトリックスおよび非晶質相の耐熱性を向上させるこ
とができる。なお、FCC分散による強化機構に対し、
有効な元素としては、上記X元素のうち特にCr、Z
r、Nbがある。これらの元素を少なくとも1種添加す
ることにより、より強度の向上が行なえる。
n、Cr、Ti、Zr、Al、V、Mo、Nbから選ば
れる1種もしくは2種以上の元素であり、これらのX元
素は上記第1発明のNiと0.5〜5at%の範囲内で
置換でき、第1発明と同等の効果を奏する。また、上記
X元素を上記範囲内で添加することにより過飽和固溶体
のマトリックスおよび非晶質相の耐熱性を向上させるこ
とができる。なお、FCC分散による強化機構に対し、
有効な元素としては、上記X元素のうち特にCr、Z
r、Nbがある。これらの元素を少なくとも1種添加す
ることにより、より強度の向上が行なえる。
【0012】上記一般式に示される実質的に非晶質相か
らなる合金は、上記一般式の組成を有する合金の溶湯を
液体急冷法で急冷凝固することにより得ることができ
る。この際の冷却速度は104〜106K/sec程度で
作製される。
らなる合金は、上記一般式の組成を有する合金の溶湯を
液体急冷法で急冷凝固することにより得ることができ
る。この際の冷却速度は104〜106K/sec程度で
作製される。
【0013】また、非晶質相からFCCのNiからなる
結晶質相に分散する加熱処理は、合金の第1発熱反応の
開始温度Tx1から第2発熱反応の開始温度Tx2までの
温度領域で1〜60分の時間を施すことにより、非晶質
相にFCCのNiからなる結晶質相を均一に分散したも
のを作製できる。上記の温度範囲を合金の第1発熱反応
開始温度Tx1(K)〜第2発熱反応開始温度Tx
2(K)にまた時間を1〜60分の範囲にそれぞれ限定
したのは、温度をTx1(K)未満とした場合、FCC
のNi粒子の析出がし難いととも析出したとしても、非
常に時間を要するため実用的でないためである。温度を
Tx2(K)を超えた場合、1分以内の短時間において
も、結晶化が進み非晶質相に結晶質相が均一に分散して
なる組織が得難くなるとともに、FCCのNi粒子を選
択的に析出させることが困難となり、FCCのNi粒子
の析出と同時もしくはこれより優先的に、SiおよびB
またはXの化合物が析出し、靭性が低下するためであ
る。
結晶質相に分散する加熱処理は、合金の第1発熱反応の
開始温度Tx1から第2発熱反応の開始温度Tx2までの
温度領域で1〜60分の時間を施すことにより、非晶質
相にFCCのNiからなる結晶質相を均一に分散したも
のを作製できる。上記の温度範囲を合金の第1発熱反応
開始温度Tx1(K)〜第2発熱反応開始温度Tx
2(K)にまた時間を1〜60分の範囲にそれぞれ限定
したのは、温度をTx1(K)未満とした場合、FCC
のNi粒子の析出がし難いととも析出したとしても、非
常に時間を要するため実用的でないためである。温度を
Tx2(K)を超えた場合、1分以内の短時間において
も、結晶化が進み非晶質相に結晶質相が均一に分散して
なる組織が得難くなるとともに、FCCのNi粒子を選
択的に析出させることが困難となり、FCCのNi粒子
の析出と同時もしくはこれより優先的に、SiおよびB
またはXの化合物が析出し、靭性が低下するためであ
る。
【0014】上記により得られた非晶質相にFCCのN
iからなる結晶質相を均一に分散してなる組織の合金
は、加熱処理後、102K/sec以上の温度で冷却す
ることが好ましい。
iからなる結晶質相を均一に分散してなる組織の合金
は、加熱処理後、102K/sec以上の温度で冷却す
ることが好ましい。
【0015】本発明の製造方法によれば、加熱処理の工
程を利用して、固化成形及び成形加工または接合などが
可能となり、成形または加工後の材料においてより優れ
た特性を有するものを提供できる。
程を利用して、固化成形及び成形加工または接合などが
可能となり、成形または加工後の材料においてより優れ
た特性を有するものを提供できる。
【0016】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明
する。
する。
【0017】実施例1 高周波溶解炉によりNi80Si8B12、Ni78Si12B
10、Ni78Si10B12の成分組成を有する溶融合金3を
つくり、これを図1に示す先端に小孔5(孔径:0.5
mm)を有する石英管1に装入し、加熱溶融した後、そ
の石英管1を銅製ロール2の直上に設置し、回転数40
00〜5000rpmの高速回転下、石英管1内の溶融
合金3をアルゴンガスの加圧下(0.7Kg/cm2)
により石英管1の小孔5から噴射し、ロール2の表面に
接触させることにより急冷凝固させて実質的に非晶質相
からなる合金薄帯4を得る。
10、Ni78Si10B12の成分組成を有する溶融合金3を
つくり、これを図1に示す先端に小孔5(孔径:0.5
mm)を有する石英管1に装入し、加熱溶融した後、そ
の石英管1を銅製ロール2の直上に設置し、回転数40
00〜5000rpmの高速回転下、石英管1内の溶融
合金3をアルゴンガスの加圧下(0.7Kg/cm2)
により石英管1の小孔5から噴射し、ロール2の表面に
接触させることにより急冷凝固させて実質的に非晶質相
からなる合金薄帯4を得る。
【0018】得られた合金薄帯を640〜780(K)
の範囲で3分間電気炉で加熱処理を行ない、加熱処理に
ともなう機械的特性(引張強度:σf、破断歪:εf、ヤ
ング率:E、硬度:Hv)の変化を調べた結果を図2〜
5に示す。図中、白抜きは非晶質相を示すとともに結晶
化開始温度Tx1を示し、黒く塗り潰したものは、非晶
質相にFCCのNi粒子からなる結晶質相が均一微細に
分散したものを示す。図2〜5に示すように、所定の温
度で加熱処理し、非晶質相にFCCのNi粒子からなる
結晶質相を均一微細に分散した構造である合金が、引張
強度、破断歪、ヤング率、硬度の機械的特性に優れてい
ることが分かる。
の範囲で3分間電気炉で加熱処理を行ない、加熱処理に
ともなう機械的特性(引張強度:σf、破断歪:εf、ヤ
ング率:E、硬度:Hv)の変化を調べた結果を図2〜
5に示す。図中、白抜きは非晶質相を示すとともに結晶
化開始温度Tx1を示し、黒く塗り潰したものは、非晶
質相にFCCのNi粒子からなる結晶質相が均一微細に
分散したものを示す。図2〜5に示すように、所定の温
度で加熱処理し、非晶質相にFCCのNi粒子からなる
結晶質相を均一微細に分散した構造である合金が、引張
強度、破断歪、ヤング率、硬度の機械的特性に優れてい
ることが分かる。
【0019】なお、例えば、Ni78Si10B12合金にお
いて、770(K)で上記機械的特性が上昇している
が、加熱処理温度が770(K)を超えた場合、FCC
のNi粒子に加えてB、Siを含む金属間化合物が析出
し、もろい合金材料が得られた。また、Ni78Si12B
10においては、770(K)、Ni80Si8B12におい
ては、約750(K)で脆化した。
いて、770(K)で上記機械的特性が上昇している
が、加熱処理温度が770(K)を超えた場合、FCC
のNi粒子に加えてB、Siを含む金属間化合物が析出
し、もろい合金材料が得られた。また、Ni78Si12B
10においては、770(K)、Ni80Si8B12におい
ては、約750(K)で脆化した。
【0020】尚、引張強度は、インストロン引張試験機
を用い、また、硬度は、100g荷重の微小ビッカース
硬度計を用い測定した。
を用い、また、硬度は、100g荷重の微小ビッカース
硬度計を用い測定した。
【0021】また、図6は上記製造条件により得られた
合金薄帯について、示差熱量分析図を示す。
合金薄帯について、示差熱量分析図を示す。
【0022】上記機械的特性に優れた非晶質相にFCC
のNi粒子からなる結晶質相を均一微細に分散した構造
の合金は、図2〜5の加熱処理温度と対比することによ
り分かるように、加熱処理温度はそれぞれの組成の合金
の第1発熱ピークの開始点Tx1(K)から第2発熱ピ
ークの開始点Tx2と一致する。なお、図6における示
差熱量分析は昇温速度20K/min(0.33K/s
ec)で行った。
のNi粒子からなる結晶質相を均一微細に分散した構造
の合金は、図2〜5の加熱処理温度と対比することによ
り分かるように、加熱処理温度はそれぞれの組成の合金
の第1発熱ピークの開始点Tx1(K)から第2発熱ピ
ークの開始点Tx2と一致する。なお、図6における示
差熱量分析は昇温速度20K/min(0.33K/s
ec)で行った。
【0023】実施例2 実施例1と同様の方法で、表1に示す組成の合金薄帯を
得て、上記と同様に加熱処理を行なったものについて、
上記と同様に、引張強度、破断歪、ヤング率、硬度の機
械的特性を測定した。この結果を表1に示す。
得て、上記と同様に加熱処理を行なったものについて、
上記と同様に、引張強度、破断歪、ヤング率、硬度の機
械的特性を測定した。この結果を表1に示す。
【0024】なお、表1に示されるものは、非晶質相に
FCCのNi粒子からなる結晶質相を微細に分散したも
のである。
FCCのNi粒子からなる結晶質相を微細に分散したも
のである。
【0025】
【表1】
【0026】表1より、表中加熱処理温度にて製造し、
非晶質相にFCCのNi粒子からなる結晶質相を微細に
分散させることにより、引張強度、破断歪、ヤング率、
硬度の機械的特性に優れた合金が得られていることが分
かる。
非晶質相にFCCのNi粒子からなる結晶質相を微細に
分散させることにより、引張強度、破断歪、ヤング率、
硬度の機械的特性に優れた合金が得られていることが分
かる。
【0027】また、表1よりCr、Zr、Nbを添加す
ることにより、より上記特性に優れた合金が得られるこ
とが分かる。
ることにより、より上記特性に優れた合金が得られるこ
とが分かる。
【0028】
【発明の効果】以上のように、本発明の製造方法によれ
ば、非晶質相に均一微細に分散するFCCのNi粒子か
らなる結晶質相を分散する構造の合金を製造でき、これ
により、機械的特性に優れた合金を提供することができ
る。
ば、非晶質相に均一微細に分散するFCCのNi粒子か
らなる結晶質相を分散する構造の合金を製造でき、これ
により、機械的特性に優れた合金を提供することができ
る。
【0029】また、本発明の製造方法によれば、加熱処
理工程を利用して、固化成形及び成形加工または接合な
どが可能となり、機械的特性に優れた、固化材、成形
剤、接合材などを製造できる。
理工程を利用して、固化成形及び成形加工または接合な
どが可能となり、機械的特性に優れた、固化材、成形
剤、接合材などを製造できる。
【図1】本発明において非晶質相からなる合金薄帯を得
るのに適した装置の説明図である。
るのに適した装置の説明図である。
【図2】本発明実施例品の引張強度の試験結果を示すグ
ラフである。
ラフである。
【図3】本発明実施例品の破断歪の試験結果を示すグラ
フである。
フである。
【図4】本発明実施例品のヤング率の試験結果を示すグ
ラフである。
ラフである。
【図5】本発明実施例品の硬度の試験結果を示すグラフ
である。
である。
【図6】本発明実施例品の示差熱量分析図を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22F 1/00 630 C22F 1/00 630A 691 691B 691C (72)発明者 井上 明久 宮城県仙台市青葉区川内無番地川内住宅 11−806 (72)発明者 柴田 利介 宮城県仙台市青葉区米ケ袋1丁目5番12 号 (56)参考文献 特開 昭55−145150(JP,A) 特開 昭61−194609(JP,A) 特開 昭56−77356(JP,A) 特開 平4−304343(JP,A) 特開 平1−275717(JP,A) 特開 平5−70903(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22F 1/10 B22D 11/06 360
Claims (3)
- 【請求項1】 一般式:NibalSiaBb(ただし、
a、bは原子パーセントで8≦a≦12、9≦b≦1
2)で示される組成を有し、組織が実質的に非晶質相か
らなる合金を、合金の第1発熱反応の開始温度Tx
1(結晶化温度)(K)から第2発熱反応の開始温度T
x2(K)までの温度領域で、1〜60分の時間で加熱
処理し、非晶質相に面心立方体構造(FCC)のNiか
らなる結晶質相を均一に分散してなる組織の合金を製造
することを特徴とする高強度ニッケル基合金の製造方
法。 - 【請求項2】 一般式:NibalSiaBbXc(ただし、
X:Fe、Mn、Cr、Ti、Zr、Al、V、Mo、
Nbから選ばれる1種もしくは2種以上の元素、a、
b、cは原子パーセントで、8≦a≦12、9≦b≦1
2、0.5≦c≦5)で示される組成を有し、組織が実
質的に非晶質相からなる合金を、合金の第1発熱反応の
開始温度Tx1(結晶化温度)(K)から第2発熱反応
の開始温度Tx2(K)までの温度領域で、1〜60分
の時間で加熱処理し、非晶質相に面心立方体構造(FC
C)のNiからなる結晶質相を均一に分散してなる組織
の合金を製造することを特徴とする高強度ニッケル基合
金の製造方法。 - 【請求項3】 X元素として少なくともCr、Zr、N
bを含んでいる請求項2記載の高強度ニッケル基合金の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4096491A JP2954779B2 (ja) | 1992-04-16 | 1992-04-16 | 高強度ニッケル基合金の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4096491A JP2954779B2 (ja) | 1992-04-16 | 1992-04-16 | 高強度ニッケル基合金の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05287470A JPH05287470A (ja) | 1993-11-02 |
JP2954779B2 true JP2954779B2 (ja) | 1999-09-27 |
Family
ID=14166555
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4096491A Expired - Lifetime JP2954779B2 (ja) | 1992-04-16 | 1992-04-16 | 高強度ニッケル基合金の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2954779B2 (ja) |
-
1992
- 1992-04-16 JP JP4096491A patent/JP2954779B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05287470A (ja) | 1993-11-02 |
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