JP2954494B2 - 気体式減速度制御ダンパ - Google Patents

気体式減速度制御ダンパ

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JP2954494B2 JP6311739A JP31173994A JP2954494B2 JP 2954494 B2 JP2954494 B2 JP 2954494B2 JP 6311739 A JP6311739 A JP 6311739A JP 31173994 A JP31173994 A JP 31173994A JP 2954494 B2 JP2954494 B2 JP 2954494B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリンダに形成された
気体排出孔とシリンダ内で移動可能に設けられた制御部
材との間の気体抵抗を制御することにより、所望の減速
特性を得ることができる気体式減速度制御ダンパに関す
るものであり、例えば自動車の衝突実験装置や自動車衝
突実験用ダミー人形の首部屈曲特性の検定装置などに適
用可能なものである。
【0002】
【従来の技術】自動車が衝突したときの衝撃から乗員を
守るため、自動車は所定の安全基準を満たすことが要求
されている。かかる安全性を検査するため、ダミー人形
を載せた自動車に実際に衝突したときと同様の衝撃を与
え、そのときのダミー人形の挙動を観察することによ
り、自動車が衝突したときの安全性を検査する衝突実験
装置が用いられている。
【0003】図8は、かかる自動車の衝突実験装置の例
を示したもので、台車40はその底部に適宜数の車輪を
有し、図示しない適宜のアクチュエータにより矢印S方
向に所定の速度で移動するようになっている。台車40
上には衝突実験のための自動車のボディ41が載置され
て固定されており、ボディ41は台車40と一体に移動
するようになっている。このボディ41内には自動車が
衝突したときの衝撃などを検査するためのダミー人形4
2が載せられている。一方、上記台車40の進行方向に
はダンパ43が設けられている。このダンパ43は、自
動車のボディ41が壁などに実際に衝突したときと同様
の状況を再現するために、台車40の速度を所定の減速
曲線に従って減速させるためのものであり、ダンパ43
の被当接部材44にダンパ40が衝突すると、被当接部
材44が図8において左側へ移動しながら、台車40と
共にボディ41の速度を減速させるようになっている。
このような装置によれば、台車40を所定の速度でダン
パ43に衝突させることで、自動車が壁などに衝突した
のと同様の状況を再現することができ、この時のダミー
人形42の挙動を観察することで自動車の安全性の検査
などをすることができる。なお、自動車のボディ41を
直接ダンパ43の被当接部材44に衝突させて検査する
場合もある。
【0004】このように、自動車が衝突したときの状況
を模擬的に再現して各種の試験を行うものであるため、
現実に自動車が衝突したときの状況にできるだけ近い状
況を再現する必要があり、そのためにはダンパ43の減
速特性を任意所望の特性に設定する必要がある。また、
自動車が衝突したときの状況を忠実に再現したとして
も、実験用ダミー人形が人体と同様の挙動をするもので
なければ目論見どうりの実験結果を得ることはできな
い。特にダミー人形の首部の屈曲特性は重要であり、技
術基準によって首部の屈曲側特性と伸張側特性が定めら
れている。
【0005】図9は自動車衝突実験用ダミー人形の首部
屈曲特性の検定装置の例を示す。図9において、アーム
21は図示しない上部の軸を中心に紙面に平行な面内で
回転可能なものであり、このアーム21の先端部分には
ダミー人形の首部22及び頭部23が取り付けられてい
る。上記首部22はコイルばね等の弾性体で構成され屈
曲可能になっている。アーム21の回転軌跡上にはダン
パ24が設けられており、このダンパ24と上記アーム
21の先端部分が当接するようになっている。このダン
パ24は自動車が壁などに実際に衝突したときと同様
に、アーム21の速度を減速させるためのもので、所定
の減速特性を有するように設定されている。検定に当た
っては、上記アーム21を所定の回転位置、例えば略水
平態位をとる位置まで回転させ、次にこの回転力を解放
してアーム21を自重により自然に回転させ、アーム2
1が上記ダンパ24に衝突し減速される過程での上記首
部22の屈曲の様子を観察する。図9で符号22Aは屈
曲した首部を示し、符号23Aは首部22の屈曲によっ
て回動した頭部を示す。このように、首部22の屈曲の
様子を観察することにより、ダミー人形の首部の屈曲側
特性と伸張側特性が所定の技術基準に適合しているかど
うか、より具体的には、首部22の回動角度D(図9に
おいて鎖線で示す)や、回動速度が所定の範囲内にある
か否かを検査する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来、上記のような自
動車の衝突実験用装置のダンパ43やダミー人形の首部
屈曲特性の検定装置のダンパ24としてアルミニウムか
らなるハニカム構造体(以下「アルミハニカム」とい
う)を用いていた。すなわち、アルミニウムからなる板
を折り曲げて6角形の筒状に形成したものを多数一体に
束ねた形のアルミハニカム体を用意し、このアルミハニ
カム体に、上記アルミニウムの板面に平行な方向からア
ームを衝突させ、このときの衝撃力で上記アルミハニカ
ム体が潰されることにより、上記アルミハニカム体にダ
ンパとしての機能をもたせていた。しかし、アルミハニ
カムはその材質、形状、製作むら等によって衝撃吸収特
性がばらつき、同一条件で試験を再現することが困難で
あった。また、特定の仕様のアルミハニカム体を使用し
ようとする場合は、初めにそれをテストして特性を確認
してから使用する必要があり、面倒であった。さらに、
一つのハニカム体は1回試験するとつぶれてしまうため
1回だけしか使用することができないという難点もあ
る。
【0007】また、上記のような自動車の衝突実験装置
やダミー人形の首部屈曲特性の検定装置以外の機器にダ
ンパを用いる場合であっても、その機器の特性に応じ
て、例えばある移動体を最初は急激に減速させ、その後
は徐々に減速させたいなど、ダンパの緩衝力を時間軸上
で変化させて所望の減速特性を得たい場合もあるが、上
記のようなアルミハニカムからなるダンパを用いたので
は、衝撃吸収特性を任意に変化させることは困難なた
め、所望の減速特性を得ることができないという問題が
あった。
【0008】本発明は上記従来技術の問題点を解決する
ためになされたもので、任意所望の減速特性を得ること
ができ、減速特性が経時的に変化することもなく、特性
の再現性が良好であり、かつ耐久性に優れたダンパであ
って、特に自動車衝突実験装置やダミー人形の首部屈曲
特性の検定装置などに好適な気体式減速度制御ダンパを
得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】 上記の目的を達成する
ため本発明は、圧搾気体導入部を有するとともに、一端
部に気体排出孔を有するシリンダと、このシリンダ内に
設けられ外部からの運動エネルギーにより上記気体排出
孔の方に向かって移動可能なピストンと、このピストン
と一体に設けられ上記気体排出孔に遊嵌し先端部がこの
気体排出孔から上記シリンダの外部に突出する制御部材
と、この制御部材の先端部に一体に設けられ上記気体排
出孔を塞ぐことができる蓋部材とを有し、上記ピストン
は、その圧搾気体受圧面積が上記蓋部材の圧搾気体受圧
面積よりも大きく形成され、シリンダ内に圧搾気体が導
入されることにより、ピストンは上記外部からの運動エ
ネルギーによる移動方向とは逆方向に移動して上記蓋部
材が上記気体排出孔を塞ぐようにし、上記制御部材は、
ピストンが外部からの運動エネルギーにより移動して蓋
部材が気体排出孔を解放したときこの気体排出孔から逃
げる気体の抵抗を制御することを特徴とする。制御部材
は、その移動方向の外径が連続的に変化するものであっ
てもよいし、段階的に変化するものであってもよい。
【0010】
【作用】シリンダ内に圧搾気体を導入すると、蓋部材よ
りも圧搾気体受圧面積の大きいピストンが圧搾気体に押
され、外部からの運動エネルギーによる移動方向とは逆
方向に移動して蓋部材が気体排出孔を塞ぎ、圧搾気体を
シリンダ内に閉じ込める。この状態からピストンが外部
からの運動エネルギーによりシリンダ内を一方向に移動
すると、制御部材及び蓋部材も一体に移動し、蓋部材が
気体排出孔を解放し、気体排出孔とこれに遊嵌された制
御部材との間隙から圧搾気体が外部に逃げる。この間隙
から圧搾気体が逃げるときの気体抵抗によってピストン
が減速され、ダンパとしての働きをする。上記気体抵抗
は気体排出孔と制御部材との間隙の大きさによって変化
するから、制御部材の移動方向の外径を連続的にあるい
は段階的に変化させるなど任意の形状にすることによ
り、その形状に応じて気体抵抗が変化し、これによって
所望の減速特性を得ることができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明にかかる気体式減速度制御ダン
パを自動車の衝突実験装置に適用した実施例について図
面を用いて説明する。図1、図2において、シリンダー
1は中空円筒状に形成されている。シリンダ1の図1に
おいて左側の端部にはピストン挿通孔2が形成されてお
り、これと反対側の端部には気体排出孔3が形成されて
いる。シリンダ1内にはバルブ10を介して圧搾気体が
導入される。気体排出孔3の内周面はシリンダ1の外方
に向かって徐々に径が小さくなるテーパー状に形成され
ている。また、上記シリンダ1の中空部にはシリンダー
1内を往復移動可能に設けられたピストン4が収納され
ている。このピストン4は縦断面形状が略T字状で、円
板状の受圧部4aとこの受圧部4aから垂直に突出した
ロッド4bとから構成されている。上記受圧部4aの外
周面には全周にわたって周溝が形成されており、この周
溝にOリング5が嵌合されることにより受圧部4aとシ
リンダ1内周面との間の隙間が密閉されている。上記ロ
ッド4bは上記シリンダ1のピストン挿通孔2からシリ
ンダー1の外部へ突出しており、その先端部には物体9
が衝突するようになっている。この物体9は、図1に矢
印P方向の力を受けて移動するもので、図8に示すよう
な自動車衝突実験装置においては台車40に相当し、図
9に示すようなダミー人形の首部屈曲特性の検定装置で
はアーム21の先端部に相当する。
【0012】上記受圧部4aのロッド4bが形成されて
いる面とは反対側に制御部材としてのコントロールピン
6が取り付けられており、コントロールピン6はピスト
ン4と一体に移動可能となっている。コントロールピン
6はその移動方向の外径が連続的に変化しており、図
1、図2に示す実施例では先端側から基端側に向かって
(図1において右端から左端に向かって)連続的に径が
大きくなるテーパー状に形成されている。コントロール
ピン6の先端部は、上記シリンダ1の気体排出孔3に遊
嵌しており、この先端部は上記気体排出孔3からシリン
ダー1の外部に突出可能となっている。また、シリンダ
1から突出したコントロールピン6の先端部には、円板
状の蓋部材7が一体に形成されている。この蓋部材7の
上記気体排出孔3との当接部分には周溝が形成されてお
り、この周溝にはOリング8が嵌合されている。従っ
て、上記ピストン4が図1において最も左端側にあると
き、すなわちピストン4が原位置にあるときOリング8
により上記気体排出孔3と蓋部材との間の隙間が密閉さ
れるようになっている。なお、上記ピストン4とコント
ロールピン6とはそれぞれ別体とせずに、一体成形とし
てもよい。
【0013】次に、上記のように構成されたダンパの動
作について図1ないし図3を用いて説明する。まず、ピ
ストン4を原位置すなわち図1においてシリンダ1の左
端側にセットし、バルブ10を開いてシリンダ1内に圧
搾気体を導入する。圧搾気体によってピストン4の受圧
面4aと蓋部材7の受圧面が押されるが、ピストン4の
受圧面4aの面積が蓋部材7の受圧面の面積より大きい
ため、ピストン4と共に一体成形されたコントロールピ
ン6、蓋部材7が図1に示すように左方に移動し、蓋部
材7のOリング8が気体排出孔3の周縁部に圧着し、気
体排出孔3を密閉する。
【0014】この状態で、自動車衝突実験装置の台車な
どに相当する物体9が矢印P方向に移動し、ロッド4b
の先端部分に衝突すると、その運動エネルギーによりピ
ストン4が図2に示すようにシリンダ1内を右方向へ移
動する。このピストン4の移動に伴ってコントロールピ
ン6も一体に移動し、コントロールピン6の先端部分は
気体排出孔3を横切ってシリンダ1の外側へ突出すると
共に蓋部材7が気体排出孔3を解放する。
【0015】上記のように気体排出孔3が解放される
と、シリンダ1内の圧搾気体が、気体排出孔3から図2
に矢印Aで示すように外部へ流出する。しかし、この時
のコントロールピン6と気体孔3との間の隙間の大きさ
が、シリンダ1内の気体を一気に流出させることができ
るだけの大きさではないことから、気体が流出するとき
の抵抗がピストン4及びコントロールピン6の移動に対
する抵抗となる。したがって、この抵抗によりピストン
4を介してこれに当接している物体9の移動速度も減速
されることとなる。そして、コントロールピン6は先端
部から基端部に向かって連続的に径が大きくなるように
形成されていることから、この径の大きさに応じて気体
排出孔3とコントロールピン6との間の隙間の大きさも
連続的に小さくなり、この変化に応じて気体抵抗が連続
的に大きくなる。このようにして、移動体9が所望の減
速特性の下に減速されることになる。
【0016】なお、上記気体排出孔3はピストン4が原
位置にある場合にはOリング8により密閉されているた
め、物体9が衝突した瞬間、すなわちピストン4及びコ
ントロールピン6が移動を開始する瞬間まではシリンダ
ー1内が密閉状態に保たれることとなり、外部からの運
動エネルギーが最も大きい衝突の瞬間から減速効果を発
揮することができる。また、気体排出孔3の内周面は、
その外側の径r2がその内側の径r1よりも小さくなるテ
ーパー状に形成されていることから、急激に減速される
ことなく比較的ゆるやかに減速されるようになってい
る。
【0017】図3は、図1、図2に示す気体式ダンパの
減速特性を示したもので、縦軸は減速度(G)、横軸は
時間(T)を示す。図1、図2に示すようなテーパー状
のコントロールピン6を用いた場合、図3に示すような
略台形状の波形となる。これは図1、図2に示す実施例
においては、コントロールピン6の径が先端側から基端
側に向かって連続的に大きくなるように形成されている
ことから、コントロールピン6の右方への移動によりコ
ントロールピン6と気体孔3との間の間隔は徐々に狭く
なり、コントロールピン6の抵抗が徐々に大きくなるこ
とにより減速度は高くなる一方、物体9の速度は、物体
9がダンパに当接したのち徐々に減速するためシリンダ
1内のエアーの流れも徐々に弱まって抵抗が減少するこ
とによるものと考えられる。よって、この両者の関係に
より全体として図3に示すような減速特性を得ることが
できる。
【0018】次に、本発明に適用可能な制御部材の別の
実施例について図4ないし図7を用いて説明する。図4
に示した実施例は制御部材としてのコントロールピン1
1をその移動方向で2つの部分に分け、その各部分の外
周面をそれぞれ先端側(図4において右側)に向かって
徐々に径が大きくなるテーパー状に形成したものであ
る。このコントロールピン11を有する気体式ダンパを
自動車衝突実験装置に用いた場合、コントロールピン1
1の径の大きさに応じて気体排出孔とコントロールピン
11との間の隙間の大きさが変化する。従って、このコ
ントロールピン11を有する気体式ダンパによれば、図
7に実線で示すように二つのピークを有する減速特性
を得ることができる。
【0019】図5に示すコントロールピン12は、移動
方向に基端部から順にそれぞれ段部12a、段部12
b、段部12cを形成し、それぞれの段部の外径が段部
12a、段部12b、段部12cの順で段階的に小さく
なるようにしたものである。図5に示すコントロールピ
ン12を用いた気体式ダンパを自動車衝突実験装置に用
いると、コントロールピン12の径の大きさに応じて気
体排出孔とコントロールピン12との間の隙間の大きさ
が変化することから、このコントロールピン12を有す
る気体式ダンパによれば、図7に破線で示すように時
間と共に徐々に減速度が大きくなる減速特性を得ること
ができる。
【0020】また、図6に示すコントロールピン13
は、その外周面を基端側の大径部13aと先端側の小径
部13bの2段階に形成した例である。このコントロー
ルピン13を用いた気体式ダンパを自動車衝突実験装置
に用いると、コントロールピン13の径の大きさに応じ
て気体排出孔とコントロールピン13との間の隙間の大
きさが変化することから、このコントロールピン13を
有する気体式ダンパによれば、図7に一転鎖線で示す
ような減速特性を得ることができる。
【0021】図1ないし図6に示す各実施例によれば、
制御部材の外径をその移動方向に適宜異ならせることに
より気体式ダンパの緩衝力を時間軸上で変化させること
ができるため、これを移動体の減速機構として用いるこ
とにより所望の減速特性を得ることができる。従って、
これを自動車衝突実験装置に用いれば、実際に自動車が
衝突したときと同様の減速特性を実現することができ、
より正確な実験結果を得ることができる。また、ダミー
人形の首部屈曲特性の検定装置に用いれば、所望の減速
特性が得られるように設定するのが容易であり、ダミー
人形の首部屈曲特性が所定の技術基準に適合しているか
どうかを容易に判定することができる。
【0022】さらに、本発明にかかる各実施例によれ
ば、シリンダ内から気体排出孔を介して排出される気体
の抵抗を利用して緩衝するようになっているため、ばね
などを用いた場合と異なり、耐久性を向上させることが
できるし、また繰り返し使用してもその減速特性が変化
することはなく、再現性のよい実験を繰り返し行なうこ
とができる。
【0023】なお、図1ないし図5に示した実施例はい
ずれも、本発明にかかるダンパを自動車の衝突実験装置
やダミー人形の首部屈曲特性の検定装置に適用した例で
あるが、本発明はかかる実施例に限定されるものではな
く、外部からの運動エネルギーを緩衝し、減速させる機
構として種々の機器に適用することができる。かかる場
合であっても、制御部材の径をその移動方向に適宜変化
させておくことで、所望の減速特性を得ることができ
る。また、本発明のダンパに用いることができる気体と
しては、空気、N2ガス、CO2ガスその他適宜のものを
用いることができる。
【0024】
【発明の効果】 本発明によれば、圧搾気体導入部を有
するとともに、一端部に気体排出孔を有するシリンダ
と、このシリンダ内に設けられ外部からの運動エネルギ
ーにより上記気体排出孔の方に向かって移動可能なピス
トンと、このピストンと一体に設けられ上記気体排出孔
に遊嵌し先端部がこの気体排出孔から上記シリンダの外
部に突出する制御部材と、この制御部材の先端部に一体
に設けられ上記気体排出孔を塞ぐことができる蓋部材と
を有してなり、上記ピストンは、その圧搾気体受圧面積
が上記蓋部材の圧搾気体受圧面積よりも大きく形成さ
、シリンダ内に圧搾気体が導入されることにより、ピ
ストンは上記外部からの運動エネルギーによる移動方向
とは逆方向に移動して上記蓋部材が上記気体排出孔を塞
ぐようにし、上記制御部材は、その移動方向の外径が連
続的に変化し、ピストンが外部からの運動エネルギーに
より移動して蓋部材が気体排出孔を解放したときこの気
体排出孔から逃げる気体の抵抗を制御するようにしたた
め、外部からの運動エネルギーが最も大きい衝突の瞬間
から減速効果を発揮することができるとともに、上記制
御部材の外径をその移動方向で適宜変化させることによ
り、上記衝突の瞬間から所望の減速特性を実現すること
ができる。
【0025】さらに、シリンダ内から気体排出孔を介し
て排出される気体の抵抗を利用して緩衝するようになっ
ているため、ダンパとしてアルミハニカムを用いた場合
と異なり、耐久性を向上させることができるし、また繰
り返し使用してもその減速特性が変化することはなく、
再現性のよい実験を繰り返し行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる気体式減速度制御ダンパの一実
施例を示す断面図。
【図2】同上実施例の気体式減速度制御ダンパの動作を
示す断面図。
【図3】同上実施例の気体式減速度制御ダンパの減速特
性を示すグラフ。
【図4】本発明に適用可能な制御部材の別の例を示す断
面図。
【図5】本発明に適用可能な制御部材のさらに別の例を
示す断面図。
【図6】本発明に適用可能な制御部材のさらに別の例を
示す断面図。
【図7】図4ないし図6に示す制御部材を用いた気体式
ダンパの減速特性を示すグラフ。
【図8】自動車衝突実験装置の例を示す側面図。
【図9】ダミー人形の首部屈曲特性の検定装置の要部を
示す断面図。
【符号の説明】
1 シリンダ 3 気体排出孔 4 ピストン 6 制御部材としてのコントロールピン 7 蓋部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16F 9/00 - 9/58 B60R 21/00 630 G01M 7/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧搾気体導入部を有するとともに、一端
    部に気体排出孔を有するシリンダと、 このシリンダ内に設けられ外部からの運動エネルギーに
    より上記気体排出孔の方に向かって移動可能なピストン
    と、 このピストンと一体に設けられ上記シリンダの気体排出
    孔に遊嵌し先端部がこの気体排出孔から上記シリンダの
    外部に突出する制御部材と、 この制御部材の先端部に一体に設けられ、上記気体排出
    孔を塞ぐことができる蓋部材とを有し、 上記ピストンは、その圧搾気体受圧面積が上記蓋部材の
    圧搾気体受圧面積よりも大きく形成され、シリンダ内に
    圧搾気体が導入されることにより、ピストンは上記外部
    からの運動エネルギーによる移動方向とは逆方向に移動
    して上記蓋部材が上記気体排出孔を塞ぎ、 上記制御部材は、上記ピストンが外部からの運動エネル
    ギーで一方向に移動して上記蓋部材が気体排出孔を解放
    したときこの気体排出孔から逃げる気体の抵抗を制御す
    ることを特徴とする気体式減速度制御ダンパ。
  2. 【請求項2】 制御部材は、その移動方向の外径が連続
    的に変化するものである請求項1記載の気体式減速度制
    御ダンパ。
  3. 【請求項3】 制御部材は、その移動方向の外径が段階
    的に変化するものである請求項1記載の気体式減速度制
    御ダンパ。
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