JP2954293B2 - オンライン勘定処理システム - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はオンラインシステムに係り、特に金銭取引装
置の利用時間延長や休日運用に対応する取引処理システ
ムに関するものである。

〔従来の技術〕

金融機関等のオンラインシステムおいては、勘定元帳
を中央処理装置側に保持し、金銭取引装置からこの勘定
元帳を参照することにより取引処理を行なっている。中
央処理装置が稼動を停止したとき、取引端末装置から入
力された取引情報は中央処理装置とは別の場所に設置さ
れた記憶装置に一時記憶され、取引端末装置側で取引処
理を継続していた。

例えば、特開昭61−40669号公報に記載されている取
引処理方式は、取引情報を端末装置側の記憶装置に一時
的に記憶させることにより、中央処理装置の稼動状態に
関係なく、取引処理を可能とするものである。

〔発明が解決しようとする課題〕

上記従来技術は、中央処理装置が故障した場合や中央
処理装置と取引端末装置との通信が不能になった場合に
対応するものであり、自動取引装置の利用時間延長、休
日利用あるいは銀行POS端末装置との接続を想定した配
慮が不足しており、さらに既に設置済の自動取引装置な
どの端末装置をそのまま使用できないこと、および利用
者の取引限度額の確認ができないなどの問題点がある。
また、データのバックアップに関しても配慮されていな
い。

本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的
とするところは、従来の取引処理方式における上述の如
き問題を解消し、銀行の取引処理装置の利用時間延長、
休日運用および銀行POS端末装置との接続に対応して、
利用者の預金残高の範囲内での縮小した取引を可能とす
る取引処理方式を提供することにある。

本発明の他の目的はバックアップ可能なオンライン勘
定処理システムを提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、伝送路により接続された中
央処理装置と端末装置とを有する取引処理システムにお
いて、上記中央処理装置（以下正中央処理装置という）
とは別個の中央処理装置（以下副中央処理装置という）
を設け、正中央処理装置の勘定元帳（以下正元帳とい
う）として対象顧客および対象取引についての全ての情
報を格納する勘定元帳を保持するのに対し、該副中央処
理装置の勘定元帳（以下副元帳という）として取引残高
を含む一部の情報を格納する勘定元帳を保持し、前記端
末装置から入力された取引の内、副勘定元帳を参照して
副中央処理装置で処理された場合は、その後前記取引は
正中央処理装置の正勘定元帳に反映され、正勘定元帳を
参照して正中央処理装置で処理された場合は、その後前
記取引は副中央処理装置の副勘定元帳に反映されるよう
にしたものである。

〔作用〕

伝送路により接続された複数の端末装置と、正副構成
の複数の中央処理装置とを有する取引処理システムにお
いて、正中央処理装置は全体の情報を格納する正勘定元
帳を保持し、副中央処理装置には前記正勘定元帳情報の
一部を格納する副勘定元帳を保持し、前記端末装置から
入力された取引の内、副勘定元帳を参照して副中央処理
装置で処理された場合は、その後前記取引は正中央処理
装置の正勘定元帳に反映され、正勘定元帳を参照して正
中央処置装置で処理された場合は、その後前記取引は副
中央処理装置の副勘定元帳に反映されるようにしたもの
である。

これにより、時間延長時、休日運用時、銀行POS端末
接続時などにおいて、利用者は利用者の預金残高の範囲
内で取引可能となり、また休日運用への切替作業負荷を
軽減する。更に副中央処理装置が処理の代行をすること
により正中央処理装置を常時稼動させる必要がなくなる
ため、正中央処理装置のシステムメンテナンス時間の確
保、バックアップにより効率的な24時間運用などが可能
となる。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例を図面に基いて説明する。

（第１の実施例） 第１図は、本発明の第１の実施例による取引処理シス
テムの構成図である。第２図はその要部である中央処理
装置のブロック構成図である。

第１図において、１は伝送路であり、端末装置２、３
および中央処理装置４、５を接続する通信回線または同
軸ケーブル等の伝送路を示している。２はデパートや商
店などに設置されたPOS端末装置、３は利用者の現金預
払のための取引情報を受付ける取引処理端末装置、すな
わち自動現金預払機又は窓口端末装置などであり、４お
よび５は端末装置2,3から入力された取引情報により取
引処理を行なう中央処理装置であり、金融機関の通常営
業時間帯に主に稼動する正中央処理装置５と夜間，休日
などに主に稼動する副中央処理装置４とから成る。６お
よび７は利用者の預金残高情報を保持する元帳ファイル
を格納した記憶装置（ファイル）であり、７は各金融機
関の全科目、全顧客口座を保有する正元帳ファイルであ
るのに対し、６は銀行POSカード、現金カード保有対象
者の普通預金などの単純入出金に対応するミニ版の副元
帳ファイルである。８および９は中央処理装置4,5で処
理した取引ログを記録するジャーナルファイルを格納す
る記憶装置（ファイル）を示している。

第２図において、１は伝送路、２はPOS端末装置、３
は取引処理端末装置、４は中央処理装置（副）、５は中
央処理装置（正）、６および７は元帳ファイル、８およ
び９はジャーナルファイルである。中央処理装置４は、
処理部41、インタフェース装置42および43で構成し、処
理部41は、全体制御部44、端末装置通信制御部45、取引
処理部46、ジャーナルファイル処理部47、伝送データ送
受部48から成る。中央処理装置５は、処理部51、インタ
フェース装置52で構成し、処理部51は、全体制御部53、
伝送データ送受部54、取引処理部55、ジャーナルファイ
ル処理部56から成る。

第３図は本発明の取引処理のための処理フローチャー
トであり、第４図は第３図の取引処理において更新管理
される副元帳ファイル６のフォーマット例を示す図であ
る。

第４図において、副元帳ファイル６の各レコードは、
店番61、CIF番号62、口座番号63、預金残高64、取扱累
計額65などの項目をもっている。預金残高64は利用時点
での預金の残高を示すもの、取扱累計額65は副中央処理
装置４で処理された取引の取引金額を示すものである。
なお副元帳ファイル６の情報は、正元帳ファイル７に対
して対象顧客、対象取引を限定したものであり、正元帳
ファイル７の縮小版である。

以下第３図のフローチャートに基づいて、本実施例に
よるシステムの動作を説明する。

先ず金融機関の顧客である利用者の買物代金の支払も
しくは現金受払のため、POS端末装置２又は取引処理端
末装置３にて入出金関連取引を受付ける（ステップ10
1）。副中央処理装置４は受付けた取引につき、副中央
処理装置で処理すべきかどうかを判定する（ステップ10
2）。正中央処理装置５が稼動状態にない休日運用時、
時間延長時などが副中央処理装置４で処理する場合であ
る。ステップ102で副中央処理装置４で処理すべきと判
定された場合、取引処理部46は、副中央処理装置４で保
持する副元帳ファイル６の関連する口座の預金残高64を
参照し、該利用者の残高確認を行なう（ステップ10
4）。入力された入出金取引を許可するための残高確認
処理においては、前掲第４図に示す副元帳ファイルのフ
ォーマットのうち、該利用者の預金残高64の金額から、
取扱累計額65の金額を差引いた利用可能額により判定す
る（ステップ105）。元帳ファイルの残高OKならば該受
付取引の取引金額を副元帳ファイル６の取扱累計額65に
加算あるいは減算することにより取引内容の元帳への登
録を行なう（ステップ106）。ジャーナル処理部47は、
取引結果を副中央処理装置４のジャーナルファイル８に
記録する（ステップ107）。ジャーナルファイル８に記
録された取引ログを正中央処理装置５にその都度送信す
るかまとめて送信するかを判定し（ステップ108）、ジ
ャーナルファイルを送信する場合は伝送データ送受部4
8、インタフェース装置43、52および伝送データ送受部5
4を介して正中央処理装置５へ送信する（ステップ10
9）。そして、送信された取引ログに基き、正中央処理
装置５の取引処理部55は、正元帳ファイル７を更新する
（ステップ110）。この後取引結果を端末装置に送信す
る（ステップ111）。正中央処理装置が休止中の時など
は、稼動した時点でまとめて正中央処理装置５にジャー
ナルを送信するので、ステップ108に続けて、取引結果
を端末装置に送信する（ステップ111）。そして、端末
装置にて取引を実行する（ステップ112）。

なお、停止中の正中央処理装置に切替る場合は、正中
央処理装置を稼動させ、数回ジャーナルを送ることによ
り、送信すべきジャーナルのストック数を減らす。そし
て、最後にジャーナルを送るときに、取引を副中央処理
装置で一旦待たせて、ジャーナルを送信し、副中央処理
装置がジャーナル到着のメッセージを受信後、待たせた
取引を正中央処理装置に切替て送る。

ステップ102にて中央処理装置５で処理すべきと判定
された場合、取引は上記のルートを介して正中央処理装
置５へ送られ、正中央処理装置５で利用者の残高確認
（ステップ113）以降副中央処理装置４で処理したと同
様のステップをふんで、端末装置で取引を実行（ステッ
プ112）完了する。

本実施例によれば、自動預払機や銀行POS端末装置な
どの端末装置の稼動時間延長や休日運用時に、限定され
た利用顧客、取引種類の元帳ファイルによるミニシステ
ムを構成し、正中央処理装置を稼動させることなくサー
ビスすることも可能となり、勘定処理システム稼働のた
めのファイル再編成、ファイルバックアップ作業の簡素
化ができる。また、運用切替作業の負担が少ない。又、
利用者の預金残高と取扱累計額により限度額管理を行な
っており、信用リスクの発生しない範囲で利用者が自由
に利用できる。この実施例の構成のように、取引を副中
央処理装置で処理しないときにのみ正中央処理装置に取
引データが送られることにより、正中央処理装置のシス
テムメンテナンス作業時間の確保や障害時バックアップ
も可能となるなどの効果がある。

（第２の実施例） 第５図は本発明の第２の実施例による取引処理システ
ムの構成図である。第６図はその要部である中央処理装
置のブロック構成図である。第５図においては、21は伝
送路であり、端末装置22、23および中央処理装置24、25
を接続する通信回線または同軸ケーブル等の伝送路を示
している。22はデパートや商店などに設置されたPOS端
末装置、23は利用者の現金預払のための取引情報を受付
ける取引処理端末装置すなわち自動現金預払機又は窓口
端末装置などであり、24および25は端末装置22,23から
入力された取引情報により取引処理を行なう中央処理装
置であり、金融機関の通常営業時間帯に主に稼動する正
中央処理装置25と夜間、休日などに主に稼動する副中央
処理装置24から構成され、20は通信制御装置であり端末
装置23から入力された取引情報を処理すべき中央処理装
置24、25に振分ける。26,27は利用者の預金残高情報を
保持する元帳ファイルを格納した記憶装置（ファイル）
であり、27は各金融機関の全科目、全顧客口座を保有す
る正元帳ファイルであるのに対し、26は銀行POSカー
ド、現金カード保有対象者の普通預金などの単純入出金
に対応するミニ版の副元帳ファイルである。28,29は中
央処理装置24、25で処理した取引ログを記録するジャー
ナルを格納する記憶装置（ファイル）を示している。

第６図において、20は通信制御装置、21は伝送路、22
はPOS端末装置、23は取引処理端末装置、24は中央処理
装置（副）、25は中央処理装置（正）、26および27は元
帳ファイル（それぞれ副および正）、28および29はジャ
ーナルファイルである。中央処理装置24は、処理部61、
インタフェース装置62および63で構成し、処理部61は、
全体制御部64、端末装置制御部65、取引処理部66、ジャ
ーナルファイル処理部67、伝送データ送受部68から成
る。中央処理装置25は、処理部71、インタフェース装置
72および73で構成し、処理部71は、全体制御部74、端末
装置制御部75、取引処理部76、ジャーナルファイル処理
部77、伝送データ送受部78から成る。

第７図は本発明の第２の実施例の処理フローチャート
である。なお、第７図の取引処理において更新管理され
る副元帳ファイル26のフォーマットは第４図に示すもの
と同じである。

金融機関の現金自動預払機や窓口端末装置のような取
引処理端末装置23などにて、入出金関連取引を受付ける
（ステップ213）。通信制御装置20は端末装置22、23か
ら入力された取引情報を受けて、処理すべき中央処理装
置に該取引情報を振り分ける（ステップ214）。正中央
処理装置25で処理する場合のうち、副中央処理装置24と
元帳ファイルのシェアをするような場合には、ファイル
の排他制御を行なうため、該顧客口座の副元帳ファイル
26のホールドを行なう（ステップ215）。ステップ214で
正中央処理装置25で処理すべきと判定された場合、取引
処理部76は正中央処理装置25で保持する元帳ファイル27
の関連する口座の預金残高64を参照し、該利用者の残高
確認を行なう（ステップ216）。該利用者の預金残高に
より、該取引の可否を判定する（ステップ217）。元帳
ファイルの残高OKならば、該受付取引の取引金額を元帳
ファイル27へ登録する（ステップ218）。副中央処理装
置24と元帳ファイルのシェアをしている場合には副元帳
ファイル26にも登録する（ステップ218点線）。取引結
果を該中央処理装置25のジャーナルファイル29に記録す
る（ステップ219）。ジャーナルファイル29に記録され
た取引ログを副中央処理装置24にその都度送信するかま
とめて送信するかを判定する（ステップ220）。その都
度送信する場合には、ジャーナルを送信し（ステップ22
1）、送信された取引ログに基き、副中央処理装置24の
副元帳ファイル26の預金残高64の金額を更新する（ステ
ップ222）。この後、取引結果を端末装置に送信する。
まとめて副中央処理装置24に送信する場合や、送信不要
すなわちファイルシェアによりステップ218で副元帳フ
ァイル26を更新した場合には、ステップ220に続けて取
引結果を端末装置に送信する（ステップ223）。そし
て、端末装置で取引を実行する（ステップ224）。

なお、停止中の中央処理装置に切替る場合は、その中
央処理装置を稼動させ、数回ジャーナルを送ることによ
り、送信すべきジャーナルのストック数を減らす。そし
て、最後にジャーナルを送るときに、取引を最初に稼動
していた中央処理装置で一旦待たせて、ジャーナルを送
信し、停止していた中央処理装置がジャーナル到着のメ
ッセージを受信後、待たせた取引を正中央処理装置に切
替て送る。

本実施例によれば、正、副の中央処理装置の並列構
成、更には正、副の中央処理装置のファイルシェア構成
をとりうる形となっており、副中央処理装置の故障時対
策の強化、および副元帳への更新情報の迅速反映が可能
などの効果がある。なお、第１実施例においてもファイ
ルシェア構造をとりうることはもちろんである。また、
金融機関の自動預払機や銀行POSの利用時間延長、休日
稼動の要求に対し、限定された利用顧客、取引種類の元
帳ファイルによるミニシステムを構成し、通常時間帯に
稼動する勘定処理システムを稼動させることなくサービ
ス可能とすることにより、勘定処理システム稼動のため
のファイルを再編成、ファイルバックアップ作業の簡素
化、システムメンテナンス作業時間の確保ができる。
又、勘定処理システムが稼動中は、ミニシステムの元帳
ファイルをも更新することにより、時間延長、休日稼動
への切替作業が削減され、更に、ミニシステムの元帳フ
ァイルには顧客の預金残高欄および夜間・休日時の利用
額欄を別個に保持し、随時更新することにより、顧客ご
との利用可能残高に応じ信用リスクなしでサービスがで
き、かつ各システム障害時の回復処理の迅速化ができ
る。更に、本発明のミニシステムを勘定処理システムの
バックアップシステムとして利用できる。

〔発明の効果〕

一方の中央処理装置のジャーナルが他方の中央処理装
置に送られることによりバックアップがとられ、ファイ
ル間のデータの整合性がとられるので、一方の中央処理
装置から別の中央処理装置に切替て連続運転をすること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示すシステム構成図、 第２図は本発明の第１の実施例を示す中央処理装置の構
成ブロック図、 第３図は本発明の実施例を示す取引処理のフローチャー
ト、第４図は本発明の実施例を示す元帳ファイルのフォ
ーマット例を示す図、 第５図は本発明の一実施例を示すシステム構成図、 第６図は本発明の第２の実施例を示す中央処理装置の構
成ブロック図、 第７図は本発明の第２の実施例を示す取引処理のフロー
チャートである。 符号の説明 １、21……伝送路， ２、22……POS端末装置， ３、23……取引処理端末装置， ４、５、24、25……中央処理装置， ６、７、26、27……記憶装置（元帳ファイル）， ８、９、28、29……記憶装置（ジャーナルファイル）， 20……通信制御装置， 41、51、61、71……処理部， 42、43、52、62、72、73……インタフェース装置， 44、53、64、74……全体制御部， 45,65,75……端末装置通信制御部， 46、55、66、76……取引処理部， 47、56、67、77……ジャーナルファイル処理部， 48、54、68、78……伝送データ送受部。

フロントページの続き (72)発明者 浜口 強 神奈川県川崎市幸区鹿島田890番地の12 株式会社日立製作所情報システム工場 内 (72)発明者 永松 光信 神奈川県川崎市幸区鹿島田890番地の12 株式会社日立製作所情報システム工場 内 (56)参考文献 特開 昭61−40669（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−226871（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−32177（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−58596（ＪＰ，Ａ)

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】利用者との間の取引についての情報を保持
   した元帳ファイルを有する中央処理装置と、該中央処理
   装置に接続される複数の端末装置とを有するオンライン
   勘定処理システムにおいて、前記中央処理装置及び前記
   複数の端末装置に接続し、前記元帳ファイルが保持する
   情報の一部を保持した副元帳ファイルを有する副中央処
   理装置を有し、当該副中央処理装置は、前記中央処理装
   置において取引処理が実行され、前記元帳ファイルが更
   新された場合は、当該更新の内容を前記副元帳ファイル
   に反映するとともに、前記中央処理装置が稼働状態にな
   い場合、前記端末装置を介して入力される取引情報に基
   づいて取引処理を行って、前記副元帳ファイルの情報を
   更新することを特徴とするオンライン勘定処理システ
   ム。
2. 【請求項２】前記中央処理装置は、稼働状態となる際
   に、前記副元帳ファイルに対する更新の内容を前記元帳
   ファイルに反映させることを特徴とする請求項１記載の
   オンライン勘定処理システム。