JP2953682B2 - 多孔質セラミックス成形型を使用した高速泥漿鋳込み成形法 - Google Patents

多孔質セラミックス成形型を使用した高速泥漿鋳込み成形法

Info

Publication number
JP2953682B2
JP2953682B2 JP4295491A JP29549192A JP2953682B2 JP 2953682 B2 JP2953682 B2 JP 2953682B2 JP 4295491 A JP4295491 A JP 4295491A JP 29549192 A JP29549192 A JP 29549192A JP 2953682 B2 JP2953682 B2 JP 2953682B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
pore diameter
water
casting
molding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP4295491A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06170821A (ja
Inventor
祥人 近藤
豊 橋塚
宗昭 芝山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KAGAWAKEN
Shikoku Research Institute Inc
Original Assignee
KAGAWAKEN
Shikoku Research Institute Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KAGAWAKEN, Shikoku Research Institute Inc filed Critical KAGAWAKEN
Priority to JP4295491A priority Critical patent/JP2953682B2/ja
Publication of JPH06170821A publication Critical patent/JPH06170821A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2953682B2 publication Critical patent/JP2953682B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Producing Shaped Articles From Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は特定の親水性の成形型
を用いることを特徴とする泥漿鋳込み成形法に関する。
詳細には、水とのぬれ特性のよい材質の制御された気孔
径及び気孔率を有する多孔質セラミックス成形型を使用
することにより高速に泥漿鋳込み成形する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】セラミックスの成形法の中で、鋳込み成
形法はろくろ成形法と並び陶磁器の成形法として古くか
らある。すなわち、陶磁器原料である粘土等を水に分散
させたスラリーを多孔質材料である石膏型に流し込み、
石膏型−スラリー界面で、石膏型内部に吸水させ、固液
分離することにより石膏型表面に粘土を着肉させること
により成形される。近年、ファインセラミックスの成形
法として、等方加圧成形(CIP)、射出成形法が開発
されているが、本鋳込み成形法は複雑・大型品の成形が
可能で、かつ高密度成形品が得られていることからアル
ミナ、ジルコニア、窒化珪素等の成形法に関する研究が
盛んに実施されている。
【0003】
【従来技術の問題点】従来の鋳込み成形法の問題点は、
成形速度が遅い、石膏型の摩耗・溶解による成形体
のCa汚染および寸法精度の低下等である。石膏型の摩
擦・溶解に対しては樹脂型等、脱石膏型化が検討されて
いるが、型材質が疎水性のため加圧の必要性がある。ま
た、焼結したセラミックス化合物焼結体からなる細孔直
径が1μ以下である成形型も開発されているが、半永久
的に使用できるという脱石膏型化の検討がなされている
だけである(特開昭62−244603 号公報)。鋳
込み成形における成形速度は均一な組織を有する成形体
を得るためには重要な因子である。すなわち、スラリー
中に分散されたセラミックス原料は時間の経過とともに
凝集するため、成形時間が経過するとともに成形体密度
は低下する。この凝集の現象はセラミックス原料が微粒
子になるほど強くなる。鋳込み成形速度は石膏型の吸水
圧力および吸水速度に支配されることから、スラリーに
外圧をかけることにより成形速度を早くすることが試み
られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、セラミッ
クスの鋳込み成形において、成形速度が遅いという従来
技術の問題点をスラリーに外圧をかけるという手段では
なく、親水性セラミックス成形型を用いその気孔率及び
気孔径を制御して毛細管力を調整することにより解決し
ようとするものである。すなわち、セラミックスの鋳込
み成形において、石膏型の替わりに気孔率、気孔径を制
御した親水性多孔質セラミックスを使用することにより
成形速度を飛躍的に向上させることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は上記従来技術
の問題点を解決し、成形速度の速い鋳込み成形法を提供
するものである。この発明の高速泥漿鋳込み成形法は、
ガラス質結合剤10重量%以下を含有する粒径が2.0
μ以下でかつよく整粒された水とのぬれ特性のよい材質
セラミックス化合物粉末原料の成形体の焼結物である
気孔径が0.6μ以下でかつ気孔率が30体積%以上で
ある、好ましくは気孔径が0.6μより小さくかつ気孔
率が30体積%以上である気孔径および気孔率の制御に
より毛細管力が調整された親水性の成形型を使用するこ
とを特徴とする。この発明において使用する水とのぬれ
特性のよい材質のセラミックス化合物粉末原料として
は、アルミナ、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ジルコニア等
の粉末があげられる。ガラス質結合剤としては公知のア
ルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物が用いら
れる。そして、粉末原料の成形体はプレス成形、塑性成
形、泥漿鋳込み成形等の公知の成形方法で得られたもの
である。
【0006】親水性多孔質セラミックス成形型の気孔率
及び気孔径の制御 多孔質セラミックスは色々な方法で製造されるが、最も
簡単な方法はセラミックス原料を成形し、焼結温度より
100〜400℃低い温度で焼結することにより得られ
る。多孔質セラミックスの最も重要な因子である気孔率
は、成形密度および焼結温度により決定され、成形密度
および焼結温度が低いほど気孔率は高くなる。また、気
孔径の制御については、よく整粒されたセラミックス原
料を使用すれば、その平均粒子径の約1/3の気孔径に
制御することが可能である。本発明において使用される
型材としての多孔質セラミックスは例えば整粒されたア
ルミナにガラス質結合剤を0〜10wt%添加し、上記
方法により気孔径および気孔率を制御されたものであ
る。よく整粒されたセラミックス化合物粉末とは粒度分
布の狭い粉末のことで、対数正規分布式の標準偏差σが
1.0〜2.0の範囲にあるものである。
【0007】鋳込み成形型としての気孔径制御の意味 セラミックスの鋳込み成形において、スラリーを加圧し
た場合、圧力が高くなればなるほど成形速度は早くな
る。親水性の多孔体における液体の毛細管力(浸透圧
△Pは、常圧での鋳込み成形では液体のぬれ効果に
よるものであることから、式Iで表すことができる。
なわち、この発明の高速鋳込み成形のように毛細管力
(浸透圧力)を利用するには、型が泥漿と接した場合に
型中の連続気孔に泥漿、結局水が強い毛細管力によって
吸引されなければならない。このような毛細管力△p
は、型材の水との界面エネルギーγ と型材表面と水と
の接触角θ、すなわち、ぬれの自由エネルギーγ co
sθ、さらに気孔半径rによって支配され、これらの間
には次のような関係がある。 式Iより、毛細管力を大きくするには、型材の表面エネ
ルギギーγ が大きく、特に水との接触角θが小さい、
さらに気孔径rの小さいことが必要であり、このような
条件に合う場合には、そのような気孔がたくさんあるこ
とも重要であることが分かる。すなわち、水とのぬれの
自由エネルギーが大きい材質ほど、また気孔径が小さい
多孔質セラミックスほど毛細管力は大きくなり、鋳込み
成形における成形速度は速くなることがわかる。また、
セラミックス原料は微粒子化がすすみ、スラリー中に分
散されたセラミックス粉末は、鋳込み型の気孔径が大き
いと気孔中に入り、目詰まりの原因ともなることから、
気孔径が制御できることは意味あることである。
【0008】
【参考例】
多孔質アルミナと石膏の型材としての性能比較 石膏型としてはファインセラミックスの鋳込み成形に一
般的に使用されているα石膏100部に対して水45部
を加え、5分間撹拌し、5分間静置した後、石膏型とし
た(型1という。)。一方、多孔質アルミナについては
平均粒子径が20、3、1.3μmの各アルミナを30
Mp aの圧力でプレス成形し、20μmのアルミナに
ついては1650℃、3、1.3μmについては140
0℃で焼結し多孔体とした(型2〜型4という。)。さ
らに、平均粒子径1.3μmについては3つの試験体に
ついて 60Mp aの圧力でプレス成形し、焼結温度
を変えて(1400℃、1500℃、、1550℃)多
孔体とした(型5〜型7という。)。石膏および多孔質
アルミナの平均気孔径(水銀ポロシーメータ法)、気孔
率(水中重量法)、水に対するぬれの自由エネルギー
(浸透速度法)を表1に示す。 表1において、型1の石膏の平均気孔径が4.4μmで
あるのに対して、多孔質アルミナの平均気孔径は型2〜
型4と使用した原料の平均粒子径が小さくなるとともに
減少しており、使用した原料の平均粒子径のほぼ1/3
となっている。型4と型5とは成形密度だけが異なって
おり、型5と型6とは焼結温度だけが異なっており、気
孔率は成形密度および焼結温度によって決定されること
が裏付けられている。多孔質アルミナのぬれの自由エネ
ルギーは、平均気孔径が小さくなるほど大きくなり、一
定の値を示していない。これは気孔の形状および気孔表
面の状態に左右されたものと考えられるが、いずれにし
ても多孔質アルミナのぬれの自由エネルギーは石膏に対
して8〜14倍の大きい値を示している。したがって、
式Iから、石膏に比較して多孔質アルミナは平均気孔径
が小さくなるほどぬれ効果による浸透圧力は大きくなる
といえる。
【0009】
【実施例】表1に示した7種類の多孔体、型1〜型7に
ついてアルミナの鋳込み成形試験を実施した。型4〜6
を使用した方法が本発明の実施例であり、その他は比較
例である。平均粒子径0.6μmのアルミナ100部に
対して、水30部、分散剤としてポリカルボン酸アンモ
ニウム塩0.4部、アクリル系バインダー1.5部を加
えて作製したアルミナスラリーについて、鋳込み時間t
に対する着肉厚さLを測定し、着肉速度定数 (L
t)を算出した。図1に水の浸透圧力ΔPと着肉速度定
数との関係を示す。図1において、石膏の着肉速度定数
はアルミナ20μmより少し大きい値を示しているが、
多孔質アルミナの平均気孔径が小さくなるとともに着肉
速度定数は増大し、石膏に比較してアルミナ1.3μm
の着肉速度定数は最大約12倍の値を示している。この
事実は、水に対するぬれの自由エネルギーが大きい材質
で、かつ平均気孔径が極力小さい多孔質セラミックスを
セラミックスの鋳込み成形用型として使用すれば、石膏
型に比較して飛躍的に成形速度が速くなることを教示す
るものである。
【0010】
【発明の効果】この発明は、多孔質セラミックス成形型
を使用した泥漿鋳込み成形法において、成形型の気孔率
及び気孔径を制御することにより成形速度を飛躍的に速
くすることができるという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】型1〜型7の浸透圧力と着肉速度定数との関係
を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芝山 宗昭 香川県高松市宮脇町2−21−3 (56)参考文献 特開 平4−4104(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス質結合剤10重量%以下を含有す
    る粒径が2.0μ以下でかつよく整粒された水とのぬれ
    特性のよい材質のセラミックス化合物粉末原料の成形体
    の焼結物である気孔径が0.6μ以下でかつ気孔率が3
    0体積%以上である気孔径および気孔率の制御により毛
    細管力が調整された親水性の成形型を使用することを特
    徴とする高速泥漿鋳込み成形法。
  2. 【請求項2】 水とのぬれ特性のよい材質のセラミック
    ス化合物がアルミナである請求項記載の高速泥漿鋳込
    み成形法。
JP4295491A 1992-09-24 1992-09-24 多孔質セラミックス成形型を使用した高速泥漿鋳込み成形法 Expired - Fee Related JP2953682B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4295491A JP2953682B2 (ja) 1992-09-24 1992-09-24 多孔質セラミックス成形型を使用した高速泥漿鋳込み成形法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4295491A JP2953682B2 (ja) 1992-09-24 1992-09-24 多孔質セラミックス成形型を使用した高速泥漿鋳込み成形法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06170821A JPH06170821A (ja) 1994-06-21
JP2953682B2 true JP2953682B2 (ja) 1999-09-27

Family

ID=17821298

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4295491A Expired - Fee Related JP2953682B2 (ja) 1992-09-24 1992-09-24 多孔質セラミックス成形型を使用した高速泥漿鋳込み成形法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2953682B2 (ja)

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH044104A (ja) * 1990-04-20 1992-01-08 Kawasaki Steel Corp フェライト紛末用湿式成形用型

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06170821A (ja) 1994-06-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4904411A (en) Highly loaded, pourable suspensions of particulate materials
CN111233485B (zh) 基于高固含量硅系浆料3d打印直写成型复杂结构陶瓷的方法
US5009822A (en) Alumina-or alumina/zirconia-silicon carbide whisker ceramic composites and methods of manufacture
US5466400A (en) Process for drip casting silicon nitride slurries
JP3893148B2 (ja) 成形部材
Hampton et al. Experimental analysis and modeling of slip casting
US5696041A (en) High solids silicon nitride aqueous slurries
JP2953682B2 (ja) 多孔質セラミックス成形型を使用した高速泥漿鋳込み成形法
US4970181A (en) Process for producing ceramic shapes
US6214069B1 (en) Process for the manufacture of a sintered, ceramic abrasive and grinding tools with this abrasive
JPH01172283A (ja) 微細気孔性セラミックス多孔体の製造方法
EP0813508B1 (en) A process for forming ceramic products from an aqueous suspension with a high solids content
JP3290000B2 (ja) 傾斜機能成形材とその焼結品
JP2878406B2 (ja) ポーラスセラミック部材
JP2016524044A (ja) 高融点金属体のスリップおよび圧力鋳造
Shyu et al. Zirconia-mullite ceramics made from composite particles coated with amorphous phase: I. Effect of zirconia addition
JPH11226922A (ja) セラミックス管の鋳込み成形方法
JP2002160975A (ja) 粉体の湿式成形方法、及び粉体焼結体の製造方法
JPH04280854A (ja) 遠心鋳込成形法
JP2885691B2 (ja) セラミック成形用坏土及びその製造方法
KR960008883B1 (ko) 저압성형 및 승화건조에 의한 물품의 제조방법
JP2001335809A (ja) 発泡焼結成形体の前駆組成物及びこれを用いた発泡焼結成形体の製造方法
JPH06227873A (ja) セラミックス多孔体の製造方法
JP2820476B2 (ja) スリップキャスティング用鋳型およびスリップキャスティング方法
JP2003252693A (ja) セラミックス−金属複合材料及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 19970708

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees