JP2953525B2 - オレフィン重合用触媒およびオレフィンの重合方法 - Google Patents

オレフィン重合用触媒およびオレフィンの重合方法

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JP2953525B2 JP34091689A JP34091689A JP2953525B2 JP 2953525 B2 JP2953525 B2 JP 2953525B2 JP 34091689 A JP34091689 A JP 34091689A JP 34091689 A JP34091689 A JP 34091689A JP 2953525 B2 JP2953525 B2 JP 2953525B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、オレフィン重合用触媒およびこの触媒を用
いたオレフィンの重合方法に関し、さらに詳しくは優れ
た重合活性を有し、しかも分子量分布が広いオレフィン
(共)重合体を与えることができるような新規なオレフ
ィン重合用触媒およびこの触媒を用いたオレフィンの重
合方法に関する。
発明の技術的背景 従来からα−オレフィン重合体たとえばエチレン重合
体またはエチレン・α−オレフィン共重合体を製造する
ための触媒として、チタン化合物と有機アルミニウムと
からなるチタン系触媒が知られている。ところが一般
に、チタン触媒系で得られるオレフィン重合体は、分子
量分布および組成分布が広く、とくに組成分布が広いた
め表面非粘着性や透明性が劣っていた。
一方、新しいチーグラー型オレフィン重合触媒とし
て、ジルコニウム化合物およびアルミノオキサンからな
る触媒を用いたエチレン・α−オレフィン共重合体の製
造方法が最近提案されている。
上記のような新しいチーグラー型オレフィン重合用触
媒を用いて得られるオレフィン重合体は、通常、分子量
分布および組成分布が狭い。このため用途によっては、
分子量分布が広く、成形性に優れたオレフィン重合体が
望まれていた。
またシクロアルカジエニル骨格を有する配位子を含む
遷移金属化合物触媒の存在下にオレフィンを重合または
共重合させると、分子量の大きいオレフィン重合体を得
ることは難しく、したがって高分子量を有するオレフィ
ン重合体を得ることのできるようなシクロアルカジエニ
ル骨格を有する配位子を含む遷移金属化合物触媒の出現
が望まれていた。
発明の目的 本発明は、上記のような従来技術に鑑みてなされたも
のであって、優れた重合活性を有ししかも分子量分布が
広く成形性に優れ、かつ組成分布も狭いというバランス
のとれたオレフィン重合体を得ることができるようなオ
レフィン重合用触媒およびこの触媒を用いたオレフィン
の重合方法を提供することを目的としている。
発明の概要 本発明に係るオレフィン重合用固体触媒成分 [I]は、[A]シクロアルカジエニル骨格を有する配
位子を含むジルコニウム化合物が担体に担持された固体
上に、[B]チタン、マグネシウムおよびハロゲンを必
須成分とするチタン触媒成分が担持されてなることを特
徴としている。
また本発明に係るオレフィン重合用触媒は、 [I]上記のような固体触媒成分と、 [II]有機アルミニウムオキシ化合物と、 必要に応じて [III]有機アルミニウム化合物とから形成されている
ことを特徴としている。
上記のような[I]固体触媒成分は、オレフィンが予
備重合されていてもよい。
さらに本発明に係るオレフィンの重合方法は、上記の
ようなオレフィン重合用触媒の存在下に、オレフィンを
重合あるいは共重合することを特徴としている。
本発明に係るオレフィン重合用触媒は、優れた重合活
性を有し、しかも分子量分布が広く成形性に優れた高分
子量のオレフィン重合体を与えることができる。
発明の具体的説明 以下本発明に係るオレフィン重合用触媒およびこの触
媒を用いたオレフィンの重合方法について具体的に説明
する。
第1図に、本発明に係るオレフィン重合用触媒につい
ての説明図を示す。
本発明において「重合」という語は、単独重合のみな
らず、共重合を包含した意で用いられることがあり、ま
た「重合体」という語は単独重合体のみならず共重合体
を包含した意で用いられることがある。
本発明は係るオレフィン重合用固体触媒成分[I]
は、 [A]シクロアルカジエニル骨格を有する配位子を含む
ジルコニウム化合物が担体に担持された固体上に、 [B]チタン、マグネシウムおよびハロゲンを必須成分
とするチタン触媒成分 が担持されている。
本発明で用いられるシクロアルカジエニル骨格を有す
る配位子を含む遷移金属化合物は、式 MLx (式中、Mは遷移金属であり、Lは遷移金属に配位する
配位子であり、少なくとも1個のLはシクロアルカジエ
ニル骨格を有する配位子であり、シクロアルカジエニル
骨格を有する配位子を少なくとも2個以上含む場合に
は、少なくとも2個のシクロアルカジエニル骨格を有す
る配位子は低級アルキレン基、置換アルキレン基、シリ
レン基、置換シリレン基を介して結合されていてもよ
く、シクロアルカジエニル骨格を有する配位子以外のL
は炭素数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロ
キシ基、ハロゲンまたは水素であり、xは遷移金属の原
子価である)で示される。
上記式において、Mはジルコニウムである。
シクロアルカジエニル骨格を有する配位子としては、
たとえばシクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタ
ジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、n−ブチ
ルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエ
ニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基などのア
ルキル置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、フ
ルオレニル基などを例示することができる。
上記のようなシクロアルカジエニル骨格を有する配位
子は、2個以上遷移金属に配位されていてもよく、この
場合には少なくとも2個のシクロアルカジエニル骨格を
有する配位子は、アルキレン基、置換アルキレン基、シ
リレン基、置換シリレン基を介して結合されていてもよ
い。アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、
プロピレン基などを例示でき置換アルキレン基として
は、イソプロピリデン基などを例示でき、置換シリレン
基としては、ジメチルシリレン基、ジフェニルシリレン
基などを例示できる。
シクロアルカジエニル骨格を有する配位子以外の配位
子は、炭素数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、アリ
ーロキシ基、ハロゲンまたは水素である。
炭素数1〜12の炭化水素基としては、アルキル基、シ
クロアルキル基、アリール基、アラルキル基などを例示
することができ、具体的には、アルキル基としては、メ
チル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチ
ル基などが例示され、 シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シク
ロヘキシル基などが例示され、 アリール基としては、フェニル基、トリル基などが例
示され、 アラルキル基としては、ベンジル基、ネオフィル基な
どが例示される。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブ
トキシ基などが例示され、 アリーロキシ基としては、フェノキシ基などが例示さ
れる。
ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など
が例示される。
以下、Mがジルコニウムであるシクロアルカジエニル
骨格を有する配位子を含む遷移金属化合物について、具
体的な化合物を例示する。
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムモノクロ
リドモノハイドライド、 ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムモノブロ
ミドモノハイドライド、 ビス(シクロペンタジエニル)メチルジルコニウムハ
イドライド、 ビス(シクロペンタジエニル)エチルジルコニウムハ
イドライド、 ビス(シクロペンタジエニル)フェニルジルコニウム
ハイドライド、 ビス(シクロペンタジエニル)ベンジルジルコニウム
ハイドライド、 ビス(シクロペンタジエニル)ネオペンチルジルコニ
ウムハイドライド、 ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムモ
ノクロリドハイドライド、 ビス(インデニル)ジルコニウムモノクロリドモノハ
イドライド、 ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、 ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジブロミ
ド、 ビス(シクロペンタジエニル)メチルジルコニウムモ
ノクロリド、 ビス(シクロペンタジエニル)エチルジルコニウムモ
ノクロリド、 ビス(シクロペンタジエニル)シクロヘキシルジルコ
ニウムモノクロリド、 ビス(シクロペンタジエニル)フェニルジルコニウム
モノクロリド、 ビス(シクロペンタジエニル)ベンジルジルコニウム
モノクロリド、 ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリド、 ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロリド ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、 ビス(インデニル)ジルコニウムジブロミド、 ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチ
ル、 ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジフェニ
ル、 ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジベンジ
ル、 ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムメトキシ
クロリド、 ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムエトキシ
クロリド、 ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムエ
トキシクロリド、 ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムフェノキ
シクロリド、 ビス(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、 エチレンビス(インデニル)ジメチルジルコニウム、 エチレンビス(インデニル)ジエチルジルコニウム、 エチレンビス(インデニル)ジフェニルジルコニウム
モノクロリド、 エチレンビス(インデニル)メチルジルコニウムモノ
クロリド、 エチレンビス(インデニル)エチルジルコニウムモノ
クロリド、 エチレンビス(インデニル)メチルジルコニウムモノ
ブロミド、 エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、 エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジブロミ
ド、 エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデ
ニル)ジメチルジルコニウム、 エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデ
ニル)メチルジルコニウムモノクロリド、 エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、 エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデ
ニル)ジルコニウムジブロミド、 エチレンビス(4−メチル−1−インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、 エチレンビス(5−メチル−1−インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、 エチレンビス(6−メチル−1−インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、 エチレンビス(7−メチル−1−インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、 エチレンビス(5−メトキシ−1−インデニル)ジル
コニウムジクロリド、 エチレンビス(2,3−ジメチル−1−インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、 エチレンビス(4,7−ジメチル−1−インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、 エチレンビス(4,7−ジメトキシ−1−インデニル)
ジルコニウムジクロリド、 ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、 ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジ
クロリド、 ジメチルシリレンビス(メチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド イソプロピリデンビス(インデニル)ジルコニウムジ
クロリド イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−フルオレ
ニル)ジルコニウムジクロリド。
本発明では、このようなシクロアルカジエニル骨格を
有する配位子を含む遷移金属化合物は、固体上に含有さ
れて用いられる。
上記のような遷移金属化合物が含有される固体として
は、平均粒径が通常1〜300μm好ましくは10〜200μm
の範囲にある微粒子状無機担体または微粒子状有機担体
である。上記微粒子状無機担体としては酸化物が好まし
く、具体的にはSiO2、Al2O3、MgO、ZrO2、TiO2、または
これらの混合物を例示することができる。これらの中
で、SiO2、Al2O3、およびMgOからなる群から選ばれた少
なくとも1種の成分を主成分として含有する担体が好ま
しい。該無機酸化物担体は通常150〜100℃、好ましくは
200〜800℃で2〜20時間焼成して用いられる。
さらに、微粒子状有機担体としては、微粒子状有機重
合体、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン。ポリ−
1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテンなどの微
粒子状重合体などが用いられる。
またこのような固体状に、シクロアルカジエニル骨格
を有する配位子を含む遷移金属化合物を担持させるに
は、具体的には、下記のようにすればよい。
(1)炭化水素溶媒中で上記のような固体成分と遷移金
属化合物を混合接触させる方法。この際、遷移金属化合
物は炭化水素溶媒に溶解して用いることが好ましい。
(2)(1)で得られた懸濁液より炭化水素溶媒を蒸発
させる方法。
(3)(1)において予め固体成分を有機アルミニウム
化合物、ハロゲン化ケイ素化合物で処理して用いる方
法。
(4)(1)において予め遷移金属化合物を有機アルミ
ニウム化合物で処理して用いる方法。
遷移金属化合物が含有される固体[A]を調製する際
に用いられる上述したような各成分の使用量は、調整方
法によって異なり一概に規定できないが、例えば、固体
成分1g当り遷移金属化合物は約5×10-6〜1×10-2モル
好ましくは約1×10-5〜5×10-3モルの量で用いられ
る。このようにして得られた遷移金属化合物が含有され
る固体[A]においては、通常固体成分1g当り遷移金属
化合物は3×10-6〜3×10-3モル、好ましくは5×10-6
〜2×10-3モル、より好ましくは1×10-5〜1×10-3
ル含有されていることが望ましい。
このような遷移金属化合物が含有される固体[A]の
調製法などについては、例えば、特開昭63−51405号公
報、同63−51407号公報、同63−54403号公報、同63−61
010号公報、同63−22804号公報、同63−89505号公報、
同63−213504号公報、および同63−260903号公報などに
開示されている。
次に、上記のようなシクロアルカジエニル骨格を有す
る配位子を含む遷移金属化合物が担体に担持された固体
[A]上に担持されるチタン触媒成分[B」について説
明すると、このチタン触媒成分[B]は、チタン、マグ
ネシウムおよびハロゲンを必須成分とし、さらに必要に
応じて電子供与体を含有している。
このようなチタン触媒成分[B]は、マグネシウム化
合物、チタン化合物および必要に応じて電子供与体を接
触させることにより調製される。
本発明において、チタン触媒成分[B]の調製に用い
られるチタン化合物としては、たとえばTi(OR)gX4-g
(Rは炭化水素基、Xはハロゲン原子、0≦g≦4)で
示される4価のチタン化合物を挙げることができる。よ
り具体的には、 TiCl4、TiBr4、TiI4などのテトラハロゲン価チタン; Ti(OCH3)Cl3、 Ti(OC2H5)Cl3、 Ti(Cn−C4H9)Cl3、 Ti(OC2H5)Br3、 Ti(OisoC4H9)Br3などのトリハロゲン化アルコキシ
チタン; Ti(OCH32Cl2、 Ti(OC2H52Cl2、 Ti(Cn−C4H92Cl2、 Ti(OC2H52Br2などのジハロゲン化ジアルコキシチ
タン; Ti(OCH33Cl、 Ti(OC2H53Cl、 Ti(On−C4H93Cl、 Ti(OC2H53Brなどのモノハロゲン化トリアルコキシ
チタン; Ti(OCH3、 Ti(OC2H5、 Ti(On−C4H9 Ti(Oiso−C4H9 Ti(O−2−エチルヘキシル)などのテトラアルコ
キシチタンなどを挙げることができる。
これらの中ではハロゲン含有チタン化合物、とくにテ
トラハロゲン化チタンが好ましく、さらに好ましくは四
塩化チタンが用いられる。これらチタン化合物は単独で
用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよ
い。さらに、これらのチタン化合物は、炭化水素化合物
あるいはハロゲン化炭化水素化合物などに希釈されてい
てもよい。
本発明において、チタン触媒成分[B]の調製に用い
られるマグネシウム化合物としては、還元性を有するマ
グネシウム化合物および還元性を有しないでマグネシウ
ム化合物を挙げることができる。
ここで、還元性を有するマグネシウム化合物として
は、たとえば、マグネシウム・炭素結合あるいはマグネ
シウム・水素結合を有するマグネシウム化合物を挙げる
ことができる。このような還元性を有するマグネシウム
化合物の具体的な例としては、 ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジプ
ロピルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ジアミル
マグネシウム、ジヘキシルマグネシウム、ジデシルマグ
ネシウム、 エチル塩化マグネシウム、プロピル塩化マグネシウ
ム、ブチル塩化マグネシウム、ヘキシル塩化マグネシウ
ム、アミル塩化マグネシウム、ブチルエトキシマグネシ
ウム、エチルブチルマグネシウム、オクチルブチルマグ
ネシウム、ブチルマグネシウムハライドなどを挙げるこ
とができる。これらマグネシウム化合物は、単独で用い
ることもできるし、後述する有機アルミニウム化合物と
錯化合物を軽視していてもよい。よい。また、これらの
マグネシウム化合物は、液体であっても固体であっても
よい。
還元性を有しないマグネシウム化合物の具体的な例と
しては、 塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、沃化マグネシ
ウム、弗化マグネシウムなどのハロゲン化マグネシウ
ム; メトキシ塩化マグネシウム、エトキシ塩化マグネシウ
ム、イソプロポキシ塩化マグネシウム、ブトキシ塩化マ
グネシウム、オクトキシ塩化マグネシウムなどのアルコ
キシマグネシウムハライド; フェノキシ塩化マグネシウム、メチルフェノキシ塩化
マグネシウムなどのアルコキシマグネシウムハライド; エトキシマグネシウム、イソプロポキシマグネシウ
ム、ブトキシマグネシウム、n−オクトキシマグネシウ
ム、2−エチルヘキソキシマグネシウムなどのアルコキ
シマグネシウム; フェノキシマグネシウム、ジメチルフェノキシマグネ
シウムなどのアリロキシマグネシウム; ラウリン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム
などのマグネシウムのカルボン酸塩などを挙げることが
できる。
これら還元性を有しないマグネシウム化合物は、上述
した還元性を有するマグネシウム化合物から誘導した化
合物あるいは触媒成分の調製時に誘導した化合物であっ
てもよい。還元性を有しないマグネシウム化合物を、還
元性を有するマグネシウム化合物から誘導するには、た
とえば、還元性を有するマグネシウム化合物を、ポリシ
ロキサン化合物、ハロゲン含有シラン化合物、ハロゲン
含有アルミニウム化合物、エステル、アルコールなどの
化合物と接触させればよい。
なお、マグネシウム化合物は上記の還元性を有するマ
グネシウム化合物および還元性を有しないマグネシウム
化合物の外に、上記のマグネシウム化合物と他の金属と
の錯化合物、複化合物あるいは他の金属化合物との混合
物であってもよい。さらに、上記の化合物を2種以上組
み合わせた混合物であってもよい。
本発明に係るオレフィン重合用固体触媒成分[I]
は、上記のような[A]シクロアルカジエニル骨格を有
する配位子を含むジルコニウム化合物が担体に担持され
た固体触媒成分上に、[B]チタン触媒成分が担持され
てなっているが、[A]シクロアルカジエニル骨格を有
する配位子を含むジルコニウム化合物が担体に担持され
た固体触媒成分上に[B]チタン触媒成分を担持する方
法としては、 (1) [A]固体触媒成分の存在下に液状のマグネシ
ウム化合物と有機アルミニウム化合物とを反応させて
[A]固体触媒成分上にマグネシウム・アルミニウム複
合体を析出させ、次いでチタン化合物を反応させる方
法。
(2) [A]固体触媒成分の存在下に液状のマグネシ
ウム化合物と液状のチタン化合物と有機アルミニウム化
合物とを反応させて[A]固体触媒成分上にマグネシウ
ム・アルミニウム・チタン複合体を析出させる方法、 (3) [A]固体触媒成分の存在下に液状のマグネシ
ウム化合物と液状のチタン化合物とを反応させて[A]
固体触媒成分上にマグネシウム・チタン複合体を析出さ
せる方法、 (4)(3)で得られた固体成分を更にチタン化合物と
反応させる方法、 (5) [A]固体触媒成分と液状のチタン化合物を反
応させた後、液状のマグネシウム化合物と反応させる方
法、 などを挙げることができる。
[A]固体触媒成分上に[B]チタン触媒成分が担持
された固体触媒成分を調製する際に用いられる上述した
ような各成分の使用量は、調製方法によって異なり一概
に規定できないが、例えば[A]固体触媒成分中の遷移
金属1グラム原子当り、マグネシウム化合物は約0.05〜
500モル好ましくは0.1〜200モルの量、チタン化合物は
約0.02〜100モル、好ましくは0.05〜50モルの量で用い
られる。
反応温度は通常−50〜150℃好ましくは−20〜100℃で
あり、反応時間は、反応温度によっても異なるが、通常
0.2〜100時間好ましくは0.5〜50時間程度である。
このようにして得られた[A]シクロアルカジエニル
骨格を有する配位子を含むジルコニウム化合物が担体に
担持された固体[I]上には、[B]チタン触媒成分は
遷移金属とチタンとの原子比(遷移金属/Ti)が、0.02
〜10、好ましくは0.05〜5であり、マグネシウムとチタ
ンとの原子比(Mg/Ti)は1〜100、好ましくは2〜50で
あり、ハロゲンとチタンとの原子比(ハロゲン/Ti)は
4〜200好ましくは5〜100であるように担持されること
が望ましい。
次に本発明に係る第1のオレフィン重合用触媒につい
て説明する。
このオレフィン重合用触媒は、 [I]上記のような[A]シクロアルカジエニル骨格を
有する配位子を含むジルコニウム化合物が担体に担持さ
れた固体上に、[B]チタン、マグネシウムおよびハロ
ゲンを必須成分とするチタン触媒が担持された固体触媒
成分と、 [II]有機アルミニウムオキシ化合物とから形成されて
いる。
本発明で用いられる[II]有機アルミニウムオキシ化
合物は、従来公知のアルミノオキサンであってもよく、
また本発明者らによって見出されたベンゼン不溶性の有
機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
上記のようなアルミノオキサンは、たとえば下記のよ
うな方法によって製造することができる。
(1) 吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を含有
する塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水
和物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、
塩化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、
トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合
物を添加して反応させて炭化水素の溶液として回収する
方法。
(2) ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラ
ヒドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウ
ムなどの有機アルミニウム化合物に直接水や氷や水蒸気
を作用させて炭化水素の溶液として回収する方法。
なお、該アルミノオキサンは、少量の有機金属成分を
含有してもよい。また回収された上記のアルミノオキサ
ンの溶液から溶媒あるいは未反応有機アルミニウム化合
物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解してもよい。
アルミノオキサンの溶液を製造する際に用いられる有
機アルミニウム化合物としては、具体的には、トリメチ
ルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピ
ルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ
n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウ
ム、トリsec−ブチルアルミニウム、トリtert−ブチル
アルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシ
ルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシ
ルアルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウム、ト
リシクロオクチルアルミニウムなどのトリアルキルアル
ミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルア
ルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、
ジイソブチルアルミニウムクロリドなどのジアルキルア
ルミニウムハライド、ジエチルアルミニウムハイドライ
ド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのジア
ルキルアルミニウムハイドライド、ジメチルアルミニウ
ムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシドなどの
ジアルキルアルミニウムアルコキシド、ジエチルアルミ
ニウムフェノキシドなどのジアルキルアルミニウムアリ
ーロキシドなどが挙げられる。
これらのうち、特にトリアルキルアルミニウムが好ま
しい。
また、有機アルミニウム化合物として、一般式 (i−C4H9xAly(C5H10 (x、y、zは正の数であり、z≧2xである)で表わさ
れるイソプレニルアルミニウムを用いることもできる。
上記のような有機アルミニウム化合物は、単独である
いは組合せて用いられる。
アルミノオキサンの溶液に用いられる溶媒としては、
ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、シメンなどの
芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オク
タン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカン
などの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサ
ン、シクロオクタン、メチルシクロペンタンなどの脂環
族炭化水素、ガソリン、灯油、軽油などの石油留分ある
いは上記芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化
水素のハロゲン化物とりわけ、塩素化物、臭素化物など
の炭化水素溶媒が挙げられる。その他、エチルエーテ
ル、テトラヒドロフランなどのエーテル類を用いること
もできる。これらの溶媒のうち特に芳香族炭化水素が好
ましい。
また本発明で用いられるベンゼン不溶性の有機アルミ
ニウムオキシ化合物は、60℃のベンゼンに溶解するAl成
分がAl原子換算で10%以下好ましくは5%以下特に好ま
しくは2%以下であり、ベンゼンに対して不溶性あるい
は難溶性である。
このような有機アルミニウムオキシ化合物のベンゼン
に対する溶解性は、100ミリグラム原子のAlに相当する
該有機アルミニウムオキシ化合物を100mlのベンゼンに
懸濁した後、撹拌下60℃で6時間混合した後、ジャケッ
ト付G−5ガラス製フィルターを用い、60℃で熱時濾過
を行ない、フィルター上に分離された固体部を60℃のベ
ンゼン50mlを用いて4回洗浄した後の全濾液中に存在す
るAl原子の存在量(xミリモル)を測定することにより
求められる(x%)。
また上記のようなベンゼン不溶性の有機アルミニウム
オキシ化合物を赤外分光法(IR)によって解析すると、
1220cm-1付近における吸光度(D1220)と、1260cm-1
近における吸光度(D1260)との比(D1260/D1220)は、
0.09以下好ましくは0.08以下特に好ましくは0.04〜0.07
の範囲にあることが望ましい。
なお有機アルミニウムオキシ化合物の赤外分光分析
は、以下のようにして行なう。
まず窒素ボックス中で、有機アルミニウムオキシ化合
物とヌジョールとを、めのう乳針中で磨砕しペースト状
にする。
次にペースト状となった試料を、KBr板に挾み、窒素
雰囲気下で日本分光社製IR−810によってIRスペクトル
を測定する。
本発明で用いられる有機アルミニウムオキシ化合物の
IRスペクトルを第2図に示す。
このようにして得られたIRスペクトルから、D1260/D
1220を求めるが、このD1260/D1220値は以下のようにし
て求める。
(イ)1280cm-1付近と1240cm-1付近の極大点を結び、こ
れをベースラインL1とする。
(ロ)1260cm-1付近の吸収極小点の透過率(T%)と、
この極小点から波数軸(横軸)に対して垂線を引き、こ
の垂線とベースラインL1との交点の透過率(T0%)を読
み取り、1260cm-1付近の吸光度(D1260=logT0/T)を計
算する。
(ハ)同様に1280cm-1付近と1180cm-1付近の極大点を結
び、これをベースラインL2とする。
(ニ)1220cm-1付近の吸収極小点の透過率(T′%)
と、この極小点から波数軸(横軸)に対して垂線を引
き、この垂線とベースラインL2との交点の透過率(T′
%)を読み取り、1220cm-1付近の吸光度(D1220=log
T′0/T′)を計算する。
(ホ)これらの値からD1260/D1220を計算する。
なお従来公知のベンゼン可溶性の有機アルミニウムオ
キシ化合物のIRスペクトルを第3図に示す。この第3図
からもわかるように、ベンゼン可溶性の有機アルミニウ
ムオキシ化合物は、D1260/D1220値が、ほぼ0.10〜0.13
の間にあり、本発明で用いられるベンゼン不溶性の有機
アルミニウムオキシ化合物は、従来公知のベンゼン可溶
性の有機アルミニウムオキシ化合物とD1260/D1220値で
明らかに相違している。
上記のようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキ
シ化合物は、 [式中、R1は炭素数1〜12の炭化水素基である]で示さ
れるアルキルオキシアルミニウム単位を有すると推定さ
れる。
上記のアルキルオキシアルミニウム単位において、R1
は、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、シクロ
ヘキシル基、シクロオクチル基などである。これらの中
でメチル基、エチル基が好ましく、とくにメチル基が好
ましい。
このベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物
は、式 で表わされるアルキルオキシアルミニウム単位の他に式 で表わされるオキシアルミニウム単位[ここで、R1は上
記に同じであり、R2は、炭素数1〜12の炭化水素基、炭
素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリーロキ
シ基、水酸基、ハロゲンまたは水素であり、R1およびR2
は互いに異なる基を表わす]を含有していてよい。その
場合には、アルキルオキシアルミニウム単位 を30モル%以上、好ましくは50モル%以上、特に好まし
くは70モル%以上の割合で含むアルキルオキシアルミニ
ウム単位を含有する有機アルミニウムオキシ化合物が好
ましい。
次に上記のようなベンゼン不溶性の有機アルミニウム
オキシ化合物の製造方法について具体的に説明する。
このベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物
は、アルミノオキサンの溶液と、水または活性水素含有
化合物とを接触させることにより得られる。
活性水素含有化合物としては、メタノール、エタノー
ル、n−プロパノール、イソプロパールなどのアルコー
ル類、エチレングリコール、ヒドロキノン等のジオール
類、酢酸、プロピオン酸などの有機酸類等が用いられ
る。このうちアルコール類、ジオール類が好ましく、特
にアルコール類が好ましい。
アルミノオキサンの溶液と接触させる水または活性水
素含有化合物は、ベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの
炭化水素溶媒、テトラヒドロフランなどのエーテル溶
媒、トリエチルアミンなどのアミン溶媒などに溶解ある
いは分散させて、あるいは、蒸気または固体の状態で用
いることができる。また水として、塩化マグネシウム、
硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸銅、硫酸ニ
ッケル、硫酸鉄、塩化第1セリウムなどの塩の結晶水あ
るいはシリカ、アルミナ、水酸化アルミニウムなどの無
機化合物またはポリマーなどに吸着した吸着水などを用
いることもできる。
アルミノオキサンの溶液と、水または活性水素含有化
合物との接触反応は、通常溶媒、たとえば炭化水素溶媒
中で行なわれる。この際用いられる溶媒としては、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、クメン、シメンなどの芳香
族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカンな
どの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサ
ン、シクロオクタン、メチルシクロヘキサンなどの脂環
族炭化水素、ガソリン、灯油、軽油などの石油留分等の
炭化水素溶媒あるいは蒸気芳香族炭化水素、脂肪族炭化
水素、脂環族炭化水素のハロゲン化物とりわけ、塩素化
物、臭素化物などのハロゲン化炭化水素、エチルエーテ
ル、テトラヒドロフランなどのエーテル類を用いること
もできる。これらの媒体のうちでは、芳香族炭化水素が
特に好ましい。
該接触反応に用いられる水または活性水素含有化合物
は、アルミノオキサンの溶液中のAl原子に対して0.1〜
5モル好ましくは0.2〜3モルの量で用いられる。反応
系内の濃度は、アルミニウム原子に換算して、通常1×
10-3〜5グラム原子/好ましくは1×10-2〜3グラム
原子/の範囲であることが望ましく、また反応系内の
水の濃度は、通常2×10-4〜5モル/好ましくは2×
10-3〜3モル/の濃度であることが望ましい。
アルミノオキサンの溶液と、水または活性水素含有化
合物とを接触させるには、具体的には下記のようにすれ
ばよい。
(1)アルミノオキサンの溶液と、水または活性水素含
有化合物を含有した炭化水素溶媒とを接触させる方法。
(2)アルミノオキサンの溶液に、水または活性水素含
有化合物の蒸気を吹込むなどして、アルミノオキサンと
蒸気とを接触させる方法。
(3)アルミノオキサンの溶液と、水または氷あるいは
活性水素含有化合物を直接接触させる方法。
(4)アルミノオキサンの溶液と、吸着水含有化合物ま
たは結晶水含有化合物の炭化水素懸濁液あるいは活性水
素含有化合物が吸着された化合物の炭化水素懸濁液とを
混合して、アルミノオキサンと吸着水または結晶水とを
接触させる方法。
なお、上記のようなアルミノオキサンの溶液は、アル
ミノオキサンと水または活性水素含有化合物との反応に
悪影響を及ぼさない限り、他の成分を含んでいてもよ
い。
アルミノオキサンの溶液と、水または活性水素含有化
合物との接触反応は、通常−50〜150℃好ましくは0〜1
20℃さらに好ましくは20〜100℃の温度で行なわれる。
また反応時間は、反応温度によっても大きく変わるが、
通常0.5〜300時間好ましくは1〜150時間程度である。
またベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物
は、上記のような有機アルミニウムと水とを接触させる
ことによって直接得ることもできる。この場合には、水
は、反応系内に溶解している有機アルミニウム原子が全
有機アルミニウム原子に対して20%以下となるような量
で用いられる。
有機アルミニウム化合物と接触させる水は、ベンゼ
ン、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素溶媒、テトラヒ
ドロフランなどのエーテル溶媒、トリエチルアミンなど
のアミン溶媒などに溶解または分散させて、あるいは水
蒸気または氷の状態で用いることができる。また水とし
て、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミ
ニウム、硫酸銅、硫酸ニッケル、硫酸鉄、塩化第1セリ
ウムなどの塩の結晶水あるいはシリカ、アルミナ、水酸
化アルミニウムなどの無機化合物あるいはポリマーなど
に吸着した吸着水などを用いることもできる。
有機アルミニウム化合物と水との接触反応は、通常、
炭化水素溶媒中で行なわれる。この際用いられる炭化水
素溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメ
ン、シメンなどの芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキサデ
カン、オクタデカンなどの脂肪族炭化水素、シクロペン
タン、シクロヘキサン、シクロオクタン、メチルシクロ
ヘキサンなどの脂環族炭化水素、ガソリン、灯油、軽油
などの石油留分あるいは上記芳香族炭化水素、脂肪族炭
化水素、脂環族炭化水素のハロゲン化物、とりわけ塩素
化物、臭素化物などの炭化水素溶媒が挙げられる。その
他、エチルエーテルテトラヒドロフランなどのエーテル
類を用いることもできる。これらの媒体のうち、芳香族
炭化水素が特に好ましい。
反応系内の有機アルミニウム化合物の濃度は、アルミ
ニウム原子に換算して通常1×10-3〜5グラム原子/
好ましくは1×10-2〜3グラム原子/の範囲であるこ
とが望ましく、また反応系内の水の濃度は、通常1×10
-3〜5モル/好ましくは1×10-2〜3モル/の濃度
であることが望ましい。この際、反応系内に溶解してい
る有機アルミニウム原子が、全有機アルミニウム原子に
対して20%以下、好ましくは10%以下、より好ましくは
0〜5%であることが望ましい。
有機アルミニウム化合物と水とを接触させるには、具
体的には下記のようにすればよい。
(1)有機アルミニウムの炭化水素溶液と水を含有した
炭化水素溶媒とを接触させる方法 (2)有機アルミニウムの炭化水素溶液に、水蒸気を吹
込むなどして、有機アルミニウムと水蒸気とを接触させ
る方法。
(3)有機アルミニウムの炭化水素溶液と、吸着水含有
化合物または結晶水含有化合物の炭化水素懸濁液とを混
合して、有機アルミニウムと吸着水または結晶水とを接
触させる方法。
(4)有機アルミニウムの炭化水素溶液と氷を接触させ
る方法。
なお、上記のような有機アルミニウムの炭化水素溶液
は、有機アルミニウムと水との反応に悪影響を及ぼさな
い限り、他の成分を含んでいてもよい。
有機アルミニウム化合物と水との接触反応は、通常−
100〜150℃好ましくは−70〜100℃さらに好ましくは−5
0〜80℃の温度で行なわれる。また反応時間は、反応温
度によっても大きく変わるが、通常1〜200時間好まし
くは2〜100時間程度である。
次に本発明に係る第2のオレフィン重合用触媒につい
て説明する。
このオレフィン重合用触媒は、 [I]上記のような固体触媒成分と、 [II]上記のような有機アルミニウムオキシ化合物と、 [III]有機アルミニウム化合物と から形成されている。
このような[III]有機アルミニウム化合物として
は、たとえばRn 6AlX3-n(式中、R6は炭素数1〜12の炭
化水素基であり、Xはハロゲンまたは水素であり、nは
1〜3である)で示される有機アルミニウム化合物を例
示することができる。
上記式において、R6は炭素数1〜12の炭化水素基たと
えばアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基で
あるが、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、イソプロピル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘ
キシル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキ
シル基、フェニル基、トリル基などである。
このような有機アルミニウム化合物としては、具体的
には以下のような化合物が用いられる。
トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、
トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミ
ニウム、トリオクチルアルミニウム、トリ2−エチルヘ
キシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム。
イソプレニルアルミニウムなどのアルケニルアルミニ
ウム。
ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウ
ムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリド、ジ
イソブチルアルミニウムクロリド、、ジメチルアルミニ
ウムブロミドなどのジアルキルアルミニウムハライド。
メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアウミニ
ウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニウムセスキ
クロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチル
アルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウ
ムセスキハライド。
メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウム
ジクロリド、イソプロピルアルミニウムジクロリド、エ
チルアルミニウムジブロミドなどのアルキルアルミニウ
ムジハライド。
ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルア
ルミニウムハイドライドなどのアルキルアルミニウムハ
イドライド。
また、有機アルミニウム化合物として、R6 nAlY
3-n(式中R6は上記と同様であり、Yは−OR7基、−OSiR
8 3基、−OAlR9 2基、−NR10 2基、−SiR11 3基または であり、nは1〜2であり、R7、R8、R9およびR13はメ
チル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シ
クロヘキシル基、フェニル基などであり、R10は水素、
メチル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、ト
リメチルシリル基などであり、R11およびR12はメチル
基、エチル基などである。)で示される化合物を用いる
こともできる。
このような有機アルミニウム化合物としては、具体的
には、以下のような化合物が用いられる。
(i)R6 nAl(OR73-n ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニ
ウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムメトキシド
など、 (ii)R6 nAl(OSiR8 33-n Et2Al(OSiMe3) (iso−Bu)2Al(OSiMe3) (iso−Bu)2Al(OSiEt3)など、 (iii)R6 nAl(OAlR9 23-n Et2AlOAlEt2 (iso−Bu)2AlOAl(iso−Bu)など、 (iV)R6 nAl(NR10 23-n Me2AlNEt2 Et2AlNHMe Me2AlNHEt Et2AlN(Me3Si) (iso−Bu)2AlN(Me3Si)など、 (V)R6 nAl(SiR11 33-n (iso−Bu)2AlSiMe3など、 上記のような有機アルミニウム化合物として、R6 3A
l、R6 nAl(OR73-n、R6 nAl(OAlR9 23-nで表わされる
有機アルミニウム化合物を好適な例として挙げることが
でき、特にR6がイソアルキル基であり、n=2のものが
好ましい。これらの有機アルミニウム化合物は、2種以
上混合して用いることもできる。
次に本発明に係る第1の予備重合触媒について説明す
ると、この予備重合触媒は、 [I]上記のような[A]シクロアルカジエニル骨格を
有する配位子を含むジルコニウム化合物が担体に担持さ
れた固体上に、[B]チタン触媒成分が担持されてなる
固体触媒成分と、 [II]有機アルミニウムオキシ化合物と から形成されているオレフィン重合用触媒に、オレフィ
ンを予備重合してなる。
また本発明に係る第2の予備重合触媒について説明す
ると、この予備重合触媒は、 [I]上記のような固体触媒成分と、 [II]有機アルミニウムオキシ化合物と、 [III]有機アルミニウム化合物と から形成されているオレフィン重合用触媒にオレフィン
を予備重合してなる。
上記予備重合は、オレフィン重合用触媒1g当り、0.1
〜500g好ましくは0.3〜300g、特に好ましくは1〜100g
の量でα−オレフィンを予備重合させることにより行な
われる。
予備重合では、本重合における系内の触媒濃度よりも
かなり高濃度の触媒を用いることができる。
予備重合においては、固体触媒成分[I]は、後述す
る不活性炭化水素媒体1当り、チタン原子換算で、通
常約0.01〜200ミリグラム原子、好ましくは約0.1〜100
ミリグラム原子、特に好ましくは1〜50ミリグラム原子
の濃度で用いられることが望ましい。
予備重合においては、有機アルミニウムオキシ化合物
[II]は、固体状触媒成分[I]1g当り0.1〜500g好ま
しくは0.3〜300gの重合体が生成するような量で用いら
れ、固体触媒成分[I]中の遷移金属[A]1グラム原
子当り、通常約5〜500グラム原子好ましくは10〜200グ
ラム原子特に好ましくは1〜20グラム原子の量で用いら
れることが望ましい。
予備重合においては、有機アルミニウム化合物[II
I]は、固体触媒成分[I]1g当り0.1〜500g好ましくは
0.3〜300gの重合体が生成するような量で用いられ、固
体触媒成分[I]中のチタン原子1グラム原子当り、通
常約0〜100グラム原子、好ましくは約0.5〜50グラム原
子、特に好ましくは1〜20グラム原子の量で用いられる
ことが望ましい。
なお電子供与体は、必要に応じて用いられ、固体触媒
成分[I]中のチタン原子1グラム原子当り、0.1〜50
モル、好ましくは0.5〜30モル、特に好ましくは1〜10
モルの量で用いられることが好ましい。
予備重合は、不活性炭化水素媒体にオレフィンおよび
上記の触媒成分を加え、温和な条件下に行なうことが好
ましい。
この際用いられる不活性炭化水素媒体としては、具体
的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプ
タン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族
炭化水素; シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペン
タンなどの脂環族炭化水素; ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水
素; エチレンクロリド、クロルベンゼンなどのハロゲン化
炭化水素、あるいはこれらの混合物などを挙げることが
できる。なお、オレフィン自体を溶媒として用いて予備
重合を行なうこともできるし、実質的に溶媒のない状態
で予備重合することもできる。
予備重合で使用されるオレフィンは、後述する本重合
で使用されるオレフィンと同一であっても、異なっても
よく、具体的には、エチレンであることが好ましい。
予備重合の際の反応温度は、通常約−20〜+100℃、
好ましくは約20〜+80℃より好ましくは0〜+50℃の範
囲であることが望ましい。
なお、予備重合においては、水素のような分子量調節
剤を用いることもできる。このような分子量調節剤は、
135℃のデカリン中で測定した予備重合により得られる
重合体の極限粘度[η]が、約0.2dl/g以上、好ましく
は約0.5〜10dl/gになるような量で用いることが望まし
い。
予備重合は、上記のように、固体触媒成分[I]1g当
り約0.1〜500g、好ましくは約0.3〜300g、特に好ましく
は1〜100gの重合体が生成するように行なうことが望ま
しい。予備重合量をあまり多くすると、オレフィン重合
体の生産効率が低下することがある。
次に本発明に係る第3のオレフィン重合用触媒につい
て説明する。
このオレフィン重合用触媒は、 上記のような予備重合触媒と、 [II]有機アルミニウムオキシ化合物と から形成されている。
また本発明に係る第4のオレフィン重合用触媒につい
て説明すると、このオレフィン重合用触媒は、 上記のような予備重合触媒と、 [III]有機アルミニウム化合物と から形成されている。
さらにまた本発明に係る第5のオレフィン重合用触媒
について説明すると、このオレフィン重合用触媒は、 上記のような予備重合触媒と、 [II]有機アルミニウムオキシ化合物と、 [III]有機アルミニウム化合物と から形成されている。
本発明に係るオレフィンの重合方法では、上記のよう
なオレフィン重合用触媒の存在下に、オレフィンを重合
または共重合することによりオレフィン重合体を得てい
る。
このようなオレフィン重合用触媒により重合すること
ができるオレフィンとしては、エチレン、および炭素数
が3〜20のα−オレフィン、たとえばプロピレン、1−
ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1
−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−デセン、
1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセ
ン、1−エイコセン、シクロペンテン、シクロヘプテ
ン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テ
トラシクロドデセン、2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ
−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンなどを
挙げることができる。
さらにスチレン、ビニルシクロヘキサン、ジエンなど
を用いることもできる。
本発明では、重合は溶解重合、懸濁重合などの液相重
合法あるいは気相重合法いずれにおいても実施できる。
このようなオレフィン重合用触媒を用いたオレフィン
の重合温度は、通常、−50〜200℃、好ましくは0〜150
℃の範囲である。重合圧力は、通常、常圧〜100kg/c
m2、好ましくは常圧〜50kg/cm2の条件下であり、重合反
応は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法におい
ても行なうことができる。さらに重合を反応条件の異な
る2段以上に分けて行なうことも可能である。得られる
オレフィン重合体の分子量は、重合系に水素を存在させ
るか、あるいは重合温度を変化させることによって調節
することができる。
上記のようなオレフィン重合用触媒を用いて、オレフ
ィンの重合を行なうに際して、固体触媒成分[I]は、
反応容積1あたり、チタン原子は通常1×10-8〜1×
10-3グラム原子好ましくは1×10-7〜1×10-4グラム原
子の量で、またシクロアルカジエニル骨格を有する配位
子を含む遷移金属原子は、通常1×10-8〜1×10-3グラ
ム原子/好ましくは1×10-7〜1×10-4グラム原子/
の量で用いられることが望ましい。
有機アルミニウムオキシ化合物[II]は、通常アルミ
ニウム原子に換算して1×10-7〜5×10-3グラム原子/
好ましくは1×19-6〜2×10-3グラム原子/の量で
用いられることが望ましい。
有機アルミニウム化合物[III]は、通常5×10-5
5×10-2モル/好ましくは1×10-4〜1×102モル/
の量で用いられることが望ましい。
またアルミニウム/全遷移金属(原子比)は、10〜50
00好ましくは20〜2000であることが望ましく、さらに有
機アルミニウムオキシ化合物[II]に対する有機アルミ
ニウム化合物[III]の比(Al原子比)は、0.1〜20好ま
しくは0.2〜10の範囲であることが望ましい。
なお、本発明では、オレフィン重合用触媒は、上記の
ような各成分以外にも、オレフィン重合に有用な他の成
分を含むことができる。
以下本発明を実施例により説明するが、本発明はこれ
ら実施例に限定されるものではない。
以下の実施例における分子量分布(w/n)および
組成分布(n−デカン可溶部量)は以下のようにして求
めた。
w/n値の測定は、武内著、丸善発行の「ゲルパー
ミエーション・クロマトグラフィー」に準じて次の如く
行なう。
(1)分子量既知の標準ポリスチレン(東洋ソーダ
(製)単分散ポリスチレン)を使用して、分子量Mとそ
のGPC(Gel Permeation Choromatograph)カウントを
測定し、分子量MとEV(Elution Volume)の相関図較
正曲線を作成する。この時の濃度は0.02重量%とする。
(2)GPC測定により試料のGPCクロマトグラフをとり、
前記(1)によりポリスチレン換算の数平均分子量
n、重量平均分子量wを算出し、w/n値を求め
る。その際のサンプル調製条件およびGPC測定条件は以
下の通りである。
[サンプル調製] (イ)試料を0.1重量%になるようににo−ジクロルベ
ンゼン溶媒とともに三角フラスコに分取する。
(ロ)三角フラスコを140℃に加温し、約30分間撹拌
し、溶解させる。
(ハ)その濾液をGPCにかける。
[GPC測定条件] 次の条件で実施した。
(イ)装 置 Waters社製(150C−ALC/GPC) (ロ)カラム 東洋ソーダ製(GMHタイプ) (ハ)サンプル量 400μ (ニ)温 度 140℃ (ホ)流 速 1ml/分 共重合体中のn−デカン可溶部量(可溶部量の少ない
もの程組成分布が狭い)の測定は、共重合体約3gをn−
デカン450mlに加え、145℃で溶解後、23℃まで冷却し濾
過によりn−デカン不溶部を除き、濾液よりn−デカン
可溶部を回収することにより行なった。
また、MFRは2.16kg荷重下190℃で測定した。
実施例1 ([A]ジルコニウム触媒成分の調製) 充分に窒素置換した200mlのガラス製フラスコにシリ
カ(平均粒径70μ、比表面積260m2/g、細孔容積1.65cm3
/g)を700℃で5時間焼成したもの2.5g、ジメチルアル
ミニウムモノクロリドのトルエン溶液(Al=1モル/
)26mlおよびトルエン50mlを加え80℃で2時間熱し
た。その後、上澄液をデカンテーションにより除き更に
トルエンで洗浄した。その後、トルエン50mlおよびビス
(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ドのトルエン溶液(Zr=0.0モル/)13mlを添加し再
び80℃で1時間熱した。その後、エバポレーターにより
減圧下でトルエンを留去し固体成分とした。次に、得ら
れた固体成分をトルエンで洗浄することによりシリカ1g
に対しジルコニウムが9.0mg担持されたジルコニウム触
媒成分を得た。
([I]固体触媒成分の調製) 充分に窒素置換した200mlのガラス製のフラスコに上
記で調製したジルコニウム触媒成分を5g、ジエチルアル
ミニウムモノクロリドのヘキサン溶液(Al=1.0モル/
)3.2mlおよびヘキサン35mlを導入した。次に25℃でM
gCl2・3(2−ヘキシルアルコール)・0.4TiCl4の組成
を持つヘキサン溶液(Mg=1.0モル/)1.5mlを添加
し、その後、系内の温度を上げヘキサンを蒸発させるこ
とにより固体触媒成分[I]を得た。このようにして得
られた固体触媒成分[I]中のジルコニウムとチタンの
原子比(Zr/Ti)は0.82であった。
実施例2 ([II]ベンゼン可溶性有機アルミニウムオキシ化合物
の調製) 充分に窒素置換した400mlのフラスコにAl2(SO4
・14H2O 37.1gとトルエン133mlを導入し、−5℃に冷
却後、トルエン152mlで希釈したトリメチルアルミニウ
ム47.9mlを1時間かけて滴下した。その後0〜−5℃で
1時間反応させた後、3時間かけて40℃まで昇温し、40
℃で更に72時間反応させた。反応後、濾過により固液分
離を行ない、更に濾液よりトルエンを除去することによ
って白色固体のベンセン可溶性有機アルミニウムオキシ
化合物を得た。
(重合) 充分に窒素置換した2のステンレス製オートクレー
ブにシクロヘキサン600mlと4−メチル−1−ペンテン3
00mlを導入し、系内を70℃に昇温した。その後、ベンゼ
ン可溶性有機アルミニウムオキシ化合物をアルミニウム
原子に換算して1ミリグラム原子と、実施例1で調製し
た[I]固体触媒成分をチタン原子に換算して7.5×10
-4ミリグラム原子をエチレンで圧入することにより重合
を開始した。連続的にエチレンを供給しながら全圧8kg/
cm2−G、80℃で40分間重合を行なった。その結果、MFR
が2.50g/10分であり、密度が0.919g/cm3であり、デカン
可溶部量が1.5重量%であり、w/nが45であるエチ
レン・4−メチル−ペンテン共重合体36.5gを得た。
実施例3 ([II]ベンゼン不溶性有機アルミニウムオキシ化合物
の調製) 充分に窒素置換した200mlのガラス製フラスコに実施
例2で調製したベンゼン可溶性有機アルミニウムオキシ
化合物のトルエン溶液(Al=2.73モル/)36.6ml、微
粉砕したAl2(SO4・14H2O(60メッシュパス品)1.6
9gおよびトルエン63.4mlを混合し80℃で7時間撹拌する
ことによりベンゼン不溶性有機アルミニウムオキシ化合
物を得た。なおこの化合物の60℃ベンゼンに対する溶解
度は0.3重量%であった。
(重合) 実施例2の重合においてベンゼン可溶性有機アルミニ
ウムオキシ化合物の代わりに上記で調製したベンゼン不
溶性有機アルミニウムオキシ化合物をアルミニウム原子
に換算して0.3ミリグラム原子、トリイソブチルアルミ
ニウムを1ミリモルおよび固体触媒成分をチタン原子に
換算して1×10-3ミリグラム原子用いた以外は同様に行
ないMFRが0.81g/10分であり、密度が0.917g/cm3であ
り、デカン可溶部量が1.4重量%であり、w/nが6.1
であるエチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体3
0.2gを得た。
実施例4 ([I]固体触媒成分の調製) 実施例1における[I]固体触媒成分の調製において
MgCl2・3(2−エチルヘキシルアルコール)ヮ0.4TiCl
4の代わりにMgCl2・3(2−エチルヘキシルアルコー
ル)・0.2TiCl4の組成をもつヘキサン溶液(Mg=1.0モ
ル/)2.0mlを添加した以外は同様に行ないジルコニ
ウムとチタンの原子の比(Zr/Ti)は1.2である固体触媒
成分[I]を得た。
実施例5 (予備重合) 充分に窒素置換した400mlのガラス製フラスコにヘキ
サン200ml、実施例4で調製した固体触媒成分(I)を
チタン原子換算で0.35ミリグラム原子と実施例2で調製
したベンゼン可溶性有機アルミニウムオキシ化合物をア
ルミニウム原子換算で42ミリグラム原子およびトリイソ
ブチルアルミニウムを6.3ミリモル添加した。その後、
エチレンを系内に供給しながら常圧下30℃で5時間エチ
レンの予備重合を行なった。予備重合後、デカンテーシ
ョンによりヘキサンを除き、さらにヘキサンで洗浄する
ことにより子対触媒成分(I)1g当りポリエチレン9gを
含有した予備重合触媒を得た。なお、この予備重合触媒
中のジルコニウムとチタンの原子比(Zr/Ti)は1.1であ
った。
実施例6 (重合) 充分に窒素置換した2のステンレス製オートクレー
ブに塩化ナトリウム(和光純薬特級)150gを装入し、90
℃で1時間減圧乾燥した。その後、系内を65℃まで冷却
し、実施例5で調製した予備重合触媒をチタン原子換算
で5×10-2ミリグラム原子添加した。その後、水素0.5
を導入し、さらに65℃でエチレンを導入し、全圧を8k
g/cm2Gとして重合を開始した。その後、エチレンを補給
しながら全圧を8kg/cm2Gに保ち、80℃で1時間重合を行
なった。重合終了後、水洗により塩化ナトリウムを除き
残ったポリマーをメタノールで洗浄した後、80℃で1晩
減圧乾燥した。その結果、嵩比重が0.35g/cm3であり、M
FRが0.01g/10分以下であるポリエチレン62.2gを得た。
比較例1 (重合) 実施例2の重合において[I]固体触媒成分を用い
ず、実施例1で調製したジルコニウム触媒成分[A]を
ジルコニウム原子に換算して5×10-4ミリモル用いた以
外は同様に行ないMFRが0.90g/10分であり、密度が0.914
g/cm3であり、23℃でのデカン可溶部量が0.72重量%で
あり、w/nが3.3であるエチレン・4−メチル−1
−ペンテン共重合体60.5gを得た。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係るオレフィン重合用触媒について
の説明図である。 第2図は、ベンゼン不溶性アルミニウムオキシ化合物の
IRスペクトルであり、 第3図は、ベンゼン可溶性アルミニウムオキシ化合物の
IRスペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 4/658

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】[A]シクロアルカジエニル骨格を有する
    配位子を含むジルコニウム化合物が担体に担持された固
    体上に、 [B]チタン、マグネシウムおよびハロゲンを必須成分
    とするチタン触媒成分 が担持されてなることを特徴とするオレフィン重合用固
    体触媒成分。
  2. 【請求項2】[I][A]シクロアルカジエニル骨格を
    有する配位子を含むジルコニウム化合物が担体に担持さ
    れた固体上に、 [B]チタン、マグネシウムおよびハロゲンを必須成分
    とするチタン触媒成分 が担持されてなる固体触媒成分と、 [II]有機アルミニウムオキシ化合物と から形成されていることを特徴とするオレフィン重合用
    触媒。
  3. 【請求項3】[I][A]シクロアルカジエニル骨格を
    有する配位子を含むジルコニウム化合物が担体に担持さ
    れた固体上に、 [B]チタン、マグネシウムおよびハロゲンを必須成分
    とするチタン触媒成分 が担持されてなる固体触媒成分と、 [II]有機アルミニウムオキシ化合物と、 [III]有機アルミニウム化合物と から形成されていることを特徴とするオレフィン重合用
    触媒。
  4. 【請求項4】[I][A]シクロアルカジエニル骨格を
    有する配位子を含むジルコニウム化合物が担体に担持さ
    れた固体上に、 [B]チタン、マグネシウムおよびハロゲンを必須成分
    とする固体状チタン触媒成分 が担持されてなる固体触媒成分と、 [II]有機アルミニウムオキシ化合物と から形成されているオレフィン重合用触媒に、オレフィ
    ンを予備重合してなることを特徴とする予備重合を施し
    たオレフィン重合用触媒。
  5. 【請求項5】[I][A]シクロアルカジエニル骨格を
    有する配位子を含むジルコニウム化合物が担体に担持さ
    れた固体上に、 [B]チタン、マグネシウムおよびハロゲンを必須成分
    とするチタン触媒成分 が担持されてなる固体触媒成分と、 [II]有機アルミニウムオキシ化合物と、 [III]有機アルミニウム化合物と から形成されるオレフィン重合用触媒に、オレフィンを
    予備重合してなることを特徴とする予備重合を施したオ
    レフィン重合用触媒。
  6. 【請求項6】請求項第2項または第3項に記載のオレフ
    ィン重合用触媒、または、請求項4または請求項5に記
    載の予備重合を施したオレフィン重合用触媒の存在下
    に、オレフィンを重合または共重合させることを特徴と
    するオレフィンの重合方法。
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