JP2953053B2 - 液体クロマトグラフのスペクトル測定装置 - Google Patents

液体クロマトグラフのスペクトル測定装置

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嘉秀 安居
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、試料に含まれる多成分を単成分に分離して
分光光度計検出器や分光蛍光光度計検出器などの分散型
光検出器で検出する液体クロマトグラフにおいて、溶出
分離成分の吸収スペクトルや蛍光スペクトルを測定する
スペクトル測定装置に関するものである。
(従来の技術) 分散型光検出器を備えた液体クロマトグラフでは、ク
ロマトグラムを得ることができる他に、溶出分離成分の
ピークで波長走査を行なって吸収スペクトルや蛍光スペ
クトルを測定して溶出分離成分の同定を行なうことがで
きる。
スペクトル測定を行なうには、目的とする溶出分離成
分の保持時間を予め実験によって求めて設定しておき、
試料測定時には測定開始後その設定された保持時間にな
ると自動的に波長走査を行なうようにプログラムしてい
る。
(発明が解決しようとする課題) 液体クロマトグラフではスペクトルは溶出分離成分が
検出器のフローセルを流れているオンフロー状態で波長
走査が行なわれるので、フローセル中の試料濃度は時々
刻々変化する。そのためにスペクトルに濃度勾配がつい
てしまう。
従来のように保持時間を予め設定しておき、その保持
時間になると自動的に波長走査を開始するようなプログ
ラムでは、試料注入のタイミングのばらつきや測定条件
の変動などによって保持時間に誤差を生じた場合には、
スペクトルの形状に与える濃度変化の影響の割合が測定
の度に異なってくるため、同一成分のスペクトルであっ
てもその形状に違いを生じる結果となる。
本発明はオンフロー状態で波長走査を行なってスペク
トル測定を行なう際に、溶出分離成分の保持時間が変化
した場合でも安定したスペクトル形状を得ることのでき
るスペクトル測定装置を提供することを目的とするもの
である。
(課題を解決するための手段) 本発明では予め設定された保持時間の区間に出現する
ピークに対してそのピークの頂点を自動的に検出し、そ
の検出されたピークの頂点の時点を基準にして検出器の
波長走査を開始させる。
第1図は本発明を表わしたものである。
2は目的とする溶出分離成分の保持時間区間を記憶し
ている保持時間区間設定部、4は試料測定の際、保持時
間区間設定部2に設定された保持時間の区間内に現われ
た溶出分離成分に対して検出出力のピークを検出するピ
ーク検出部、8はピーク検出時を基準にして検出器6の
波長走査を開始させる波長走査制御部である。
(作用) 本発明における分析動作の全体の流れを第2図を参照
して説明する。
目的とする成分を液体クロマトグラフで分析してその
保持時間を予め求める。求められた保持時間を挾む適当
な区間とその区間にクロマトグラムピークを検出したと
きに検出器の波長走査を行なうことをプログラムしてお
く。その後に実際の試料について分析を行なう。
ピーク検出の際の処理の流れを第3図を参照して説明
する。
分析を開始し、プログラムされた保持時間区間になる
と、ピーク検出を行ない、ピークが検出されるとピーク
頂点から一定時間後に波長走査を開始する。ピーク検出
は、例えば第4図に示されるように、検出器出力を一定
時間間隔で取り込み、設定されたn点以上検出値が連続
して上昇し、その後設定されたm点連続して下がった時
点をもってピーク検出とみなし、ピーク頂点からm点下
がった時点で検出器の波長走査を開始させる。リアルタ
イムにピーク検出を行なう場合には、真のピーク頂点で
波長走査を開始させることは不可能であり、このように
ピーク頂点から何点か下がったところで波長走査を開始
させる。
(実施例) 第5図は本発明が適用される一例としての液体クロマ
トグラフを表わす。
12は溶離液10をカラム6へ送り出す送液ポンプであ
り、送液ポンプ12とカラム6の間の流路には試料を注入
するインジェクタ14が設けられている。カラム16で分離
された溶出分離成分は検出器6を経てドレインへ排出さ
れる。検出器6は分光光度計検出器又は分光蛍光光度計
検出器であり、ある波長でのクロマトグラムを得ること
ができるほかに、波長走査を行なってスペクトルを得る
こともできる。
20は検出器6の検出信号を取り込んで処理を行なった
り、検出器6の波長走査を制御するデータ処理部であ
る。第1図の保持時間区間設定部2、ピーク検出部4及
び波長走査制御部8はデータ処理部20により実現され
る。データ処理部20は例えばマイクロコンピュータシス
テムやパーソナルコンピュータである。
(発明の効果) 本発明では液体クロマトグラフの検出器の出力をもと
にピーク検出を行ない、その検出されたピークを基準に
して波長走査を行なうようにしたので、各分析における
波長走査開始の時刻の誤差が小さくなり、スペクトルに
与える濃度変化の影響を一定にすることができ、スペク
トル測定の信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を示すブロック図、第2図は本発明の全
体の流れを示すフローチャート図、第3図は本発明にお
ける波長走査を示すフローチャート図、第4図はピーク
検出の方法を示す図、第5図は本発明が適用される一例
としての液体クロマトグラフを示す流路図である。 2……保持時間区間設定部、4……ピーク検出部、6…
…検出器、8……波長走査制御部、20……データ処理
部。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分散型光検出器を備えた液体クロマトグラ
    フのスペクトル測定装置において、目的とする溶出分離
    成分の保持時間区間を記憶している保持時間区間設定部
    と、試料測定の際、前記保持時間区間設定部に設定され
    た保持時間の区間内に現われた溶出分離成分に対して検
    出出力のピークを検出するピーク検出部と、ピーク検出
    時を基準にして検出器の波長走査を開始させる波長走査
    制御部とを備えたことを特徴とするスペクトル測定装
    置。
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WO2016147415A1 (ja) * 2015-03-19 2016-09-22 株式会社島津製作所 クロマトグラフ用制御装置

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