JP2952442B2 - カセッテセット装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、Ｘ線写真フイルムや蓄
積性蛍光体シート等のシート状画像記録媒体を収納する
カセッテを所定位置にセットする装置に関し、特に詳細
には、相異なるサイズの複数のカセッテに対応できるよ
うにしたカセッテセット装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、人体等の放射線画像を記録す
る記録媒体としてＸ線写真フイルムが公知となってい
る。また同様の目的に使用される記録媒体として、例え
ば特開昭５５−１２４２９号、同５６−１１３９５号公
報等に示される蓄積性蛍光体シート、すなわち蓄積性蛍
光体の層を有するシートも公知となっている。上記の蓄
積性蛍光体とは、放射線（Ｘ線、α線、β線、γ線、紫
外線、電子線等）を照射するとそのエネルギーの一部を
蓄積し、その後可視光等の励起光の照射を受けると蓄積
しているエネルギーに応じて輝尽発光を示す蛍光体であ
る。

【０００３】この蓄積性蛍光体シートに、例えば被写体
を透過した放射線を照射する等によりその被写体の放射
線画像を記録（撮影）した後、この蓄積性蛍光体シート
を励起光で２次元走査し、その際該シートから発せられ
る輝尽発光光を光電的に検出すれば、放射線画像情報を
示す電気的画像信号が得られる。

【０００４】ところで上述した蓄積性蛍光体シートやＸ
線写真フイルムは、通常遮光性のカセッテあるいはマガ
ジンに収納して取り扱われる。カセッテは、蓄積性蛍光
体シート等のシート状画像記録媒体を１枚ずつ収納する
ものであり、通常は、一部に記録媒体を出し入れするた
めの開口が設けられた函体と、この函体に収納されたシ
ート状画像記録媒体に対してほぼ平行の揺動軸を介して
該函体に取り付けられ、この揺動軸の周りに揺動して上
記開口を開閉する蓋体とから構成される。

【０００５】このようなカセッテを用いて放射線画像の
撮影（記録）を行なう際、カセッテは例えば被写体を透
過した放射線の照射を受ける位置に配され、それにより
カセッテ内に収納された蓄積性蛍光体シート等に放射線
が照射されて、そこに放射線画像が撮影される。

【０００６】上述のようなカセッテを、例えば放射線画
像撮影がなされた蓄積性蛍光体シートから放射線画像情
報を読み取るための読取装置に装填する際には、収納し
ている記録媒体をそこから自動的に搬出するために、ま
た読取処理後の蓄積性蛍光体シートをそこに自動的に戻
すために、カセッテを所定の位置に正しくセットするこ
とが必要となる。そのようにカセッテをセットする装置
は多くの場合、１対のガイド部材によってカセッテの左
右両側部を外側から位置規定するように構成される。そ
してカセッテはこの装置に対して、記録媒体出入れ用開
口が設けられた一端部（上記左右両端部と直角な端部）
を前側に向けた状態で挿入され、上記ガイド部材に案内
されつつ所定位置にセットされる。

【０００７】ところで、カセッテの蓋体は従来、カセッ
テ全面と同じ大きさに形成されていたが、最近では特開
昭６３−１０３２３１号公報に示されるように、カセッ
テ全面に対して一部の面積を占める比較的小さな蓋体を
備えたカセッテも提供されている。このような小さな蓋
体を備えたカセッテを前述の放射線画像情報読取装置等
に装填する際には、それを全体的に装置内に装填せず
に、蓋体が開閉する一端部の近辺のみを装置内に収め、
他端部近辺は装置から飛び出している状態で装填するこ
とが広く行なわれている。すなわちそのようにすれば、
放射線画像情報読取装置等においてカセッテ全体を収め
るスペースを確保する必要がなくなり、この放射線画像
情報読取装置等の小型化が達成される。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】一方、上記の放射線画
像情報読取装置等は、複数サイズの画像記録媒体に対処
可能に形成されることも多い。そのような場合は、当然
種々異なるサイズのカセッテが利用されることになる
が、従来のカセッテセット装置は、複数サイズのカセッ
テを取り扱う場合は必ず、カセッテ全体を放射線画像情
報読取装置等の装置内に収めるように構成されていた。
つまり、先に述べたように蓋体が開閉する一端部の近辺
のみを放射線画像情報読取装置等の内部に収める形でカ
セッテをセットするようには構成され得なかった。

【０００９】その原因は、装置内部の遮光が困難になる
ということにある。つまり、蓄積性蛍光体シートやＸ線
写真フイルム等に各種の処理を施す放射線画像情報読取
装置等にあっては、カセッテが装填された際に装置内部
に外光が侵入しないように遮光されなければならない。
前述のようにカセッテの一端部の近辺のみを放射線画像
情報読取装置等の内部に収めるようにしても、取り扱う
カセッテのサイズが１つのみであれば、上記の遮光は格
別困難を伴なわずになされ得るが、複数サイズのカセッ
テを取り扱う場合は、比較的小サイズのカセッテがセッ
トされた際に、カセッテの左右両側に生じた空間から外
光が装置内部に侵入しやすくなるのである。

【００１０】このように遮光上の都合から、カセッテ全
体を装置内に収める状態でカセッテをセットすると、カ
セッテ収納スペースを確保するために放射線画像情報読
取装置等の装置が大型化してしまう。

【００１１】本発明は上記のような事情に鑑みてなされ
たものであり、種々のサイズのカセッテをそれぞれ、蓋
体が開閉する一端部の近辺のみを放射線画像情報読取装
置等の内部に収める形でセットすることができる装置を
提供することを目的とするものである。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明によるカセッテセ
ット装置は、前述したようなシート状画像記録媒体を収
納し、一端部に記録媒体を出し入れするための開口が設
けられたカセッテを、上記一端部に対して直角となる左
右両端部を１対のガイド部材によって位置規定し、セッ
ト口から他端部が露出した状態でカセッテ使用装置内の
所定位置にセットする装置において、上記１対のガイド
部材の少なくとも一方が、両ガイド部材間の距離を変更
できる可動ガイドとされた上で、カセッテがセットされ
たときに、その上記一端部に他端部側から外光が侵入す
ることを防止する固定遮光部材と、上記可動ガイドの移
動を妨げないように移動可能で、該可動ガイドの外側か
らカセッテの一端部側に外光が侵入することを防止する
移動遮光部材とが設けられたことを特徴とするものであ
る。

【００１３】

【作用および発明の効果】上記の構成においては、可動
とされたガイド部材をカセッテ幅に対応するように動か
すことにより、種々のサイズのカセッテをセットするこ
とができる。

【００１４】そして上述のような移動遮光部材が設けら
れているから、比較的小サイズのカセッテがセットされ
てその側方に空間（つまりそれよりも大サイズのカセッ
テがセットされる際のカセッテ収容スペースとなる空
間）が生じたとしても、そこを通って外光がカセッテ開
口側に侵入することを防止できる。

【００１５】

【実施例】以下、図面に示す実施例に基づいて本発明を
詳細に説明する。図１は本発明の第１実施例によるカセ
ッテセット装置を示すものであり、図２は図１のII−II
線に沿った部分の側面形状を示すものである。このカセ
ッテセット装置は一例として、図５に示す放射線画像情
報読取装置40に組み込まれたものであり、そこにおいて
比較的大サイズのカセッテ10（図１中点線表示のもの）
と、比較的小サイズのカセッテ10’のいずれかを所定位
置にセットするように構成されている。

【００１６】まず図４を参照して、カセッテ10について
説明する。このカセッテ10は一例として、前述の蓄積性
蛍光体シート11を収納するものであり、薄い函体12と、
この函体12に設けられた蓄積性蛍光体シート出入れ用の
開口12ａを開閉する蓋体13とを有している。これら函体
12および蓋体13は例えば合成樹脂から形成されている。
そして蓋体13は、函体12内に収納された蓄積性蛍光体シ
ート11に対してほぼ平行の揺動軸Ａの周りに揺動自在に
して函体12に取り付けられており、このように揺動して
開口12ａを開閉する。なお、このように蓋体13を揺動自
在とするためには、例えば公知のヒンジ機構を用いた
り、あるいは蓋体13と函体12とを合成樹脂により一体成
形し、蓋体13を函体12に対してヒンジ線で折り曲げ可能
としておけばよい。

【００１７】なお以上、大サイズカセッテ10について説
明したが、小サイズカセッテ10’もサイズが異なるだけ
で、基本的な構成は大サイズカセッテ10と同様とされて
いる。また両カセッテ10、10’は、共通の手段を利用し
て蓄積性蛍光体シート11の取出しおよび収納ができるよ
うに、蓋体13の長さ（揺動軸Ａから先端までの長さ）は
共通とされている。

【００１８】内部に蓄積性蛍光体シート11を収納したカ
セッテ10あるいは10’は、前述のようにして放射線画像
の撮影に供された後、図１および図２に示すカセッテセ
ット装置に装填される。以下、このカセッテセット装置
を説明する。図示されるようにこのカセッテセット装置
は、カセッテ10あるいは10’が載置される載置台20と、
カセッテ10あるいは10’の右端（図１中の下端）を外側
から位置規定する固定ガイド部材21と、この固定ガイド
部材21と平行にそしてカセッテ10あるいは10’の幅方向
に離して配された可動ガイド部材22と、固定遮光部材と
しての遮光ローラ対23と、板ばねからなり図１中で軸24
を中心に揺動自在とされた移動遮光板25と、可動ガイド
部材22に固定された遮光板26と、カセッテ幅方向に延び
る軸27を中心に揺動自在とされた扉28とを有している。

【００１９】上記可動ガイド部材22は図示しないスライ
ドレールによって案内されて、カセッテ10あるいは10’
の幅方向（図１中の上下方向）に移動自在とされ、固定
ガイド部材21との距離が大サイズカセッテ10の幅よりも
若干大きめとなる図１中実線表示の位置と、固定ガイド
部材21との距離が小サイズカセッテ10’の幅よりも若干
大きめとなる図１中破線表示の位置とにおいてそれぞ
れ、公知のクリック手段（図示せず）により固定される
ようになっている。また可動ガイド部材22は図３に示す
通り、遮光ローラ対23と干渉しないように、それらに対
応する部分に弧状の切欠き22ｄを有している。

【００２０】そしてこの可動ガイド部材22と固定ガイド
部材21には各々、ロックローラ29が回転自在に取り付け
られている。また遮光ローラ対23の各ローラは、大サイ
ズカセッテ10の幅よりもやや長く形成されており、それ
らは図示しない付勢手段により互いに近付く方向に付勢
され、図示しないストッパにより互いに若干離間した状
態に保たれる。また放射線画像情報読取装置40には遮光
ローラ対23の上側のローラを覆うフレーム30と、カセッ
テセット口31ａを有するフレーム31とが設けらている。

【００２１】次に上記構成のカセッテセット装置の作用
について説明する。まず大サイズカセッテ10がセットさ
れる場合、可動ガイド部材22は図１の実線表示位置に設
定される。なお板ばねからなる移動遮光板25は自身のば
ね力により、図１中で軸24周りに反時計方向に付勢され
ており、常にその先端部が可動ガイド部材22に固定され
た遮光板26に圧接する状態を保つ。

【００２２】大サイズカセッテ10をセットする際には、
その一端部、つまり開口12ａが有る側の端部がフレーム
31のカセッテセット口31ａを通して、遮光ローラ対23の
間に挿し込まれる。このとき、それまで自重で垂下して
いた扉28が跳ね上げられ、また遮光ローラ対23は上下に
少し開いて大サイズカセッテ10を受け入れる。カセッテ
10が所定位置まで押し込まれるとその先端に、固定ガイ
ド部材21、可動ガイド部材22にそれぞれ形成されたスト
ッパ21ａ、22ａが当接して、カセッテ10がこの所定位置
にセットされる。

【００２３】次いで適宜の方法により蓋体13が図２に示
すように開かれ、先端部にローラ75を保持したローラア
ーム74が矢印Ｂ方向に、つまりカセッテ10内に向けて移
動される。こうしてローラ75が大サイズカセッテ10内の
蓄積性蛍光体シート11に接したところでローラアーム74
の移動が停止され、次にローラ75が図示しない駆動手段
により、図２中反時計方向に回転される。するとこのロ
ーラ75に接している蓄積性蛍光体シート11が、開口12ａ
を通してカセッテ10から外部に搬出される。

【００２４】この搬出された蓄積性蛍光体シート11は、
ガイド板46、47、48やニップローラ45、49、50、51、5
2、53、54、55、56、57等からなるシート搬送系によ
り、消去部60を経て読取部62に送られる。読取部62にお
ける放射線画像情報の読取処理は、例えば特開昭５５−
１２４２９号公報等により公知となっているものである
が、以下それについて簡単に説明する。蓄積性蛍光体シ
ート11はニップローラ55，56、57により励起光副走査の
ために図５中矢印Ｈ方向に定速で搬送される。そして主
走査用光学系63から出射した励起光としてのレーザビー
ム64が、蓄積性蛍光体シート11上を、上記矢印Ｈ方向と
ほぼ直角な方向に走査（主走査）する。

【００２５】このレーザビーム64の照射を受けた蓄積性
蛍光体シート11の部分からは、そこに蓄積記録されてい
る放射線画像情報に対応した光量の輝尽発光光が発せら
れ、この輝尽発光光は光ガイド65を介して光電子増倍管
等の光検出器66によって検出される。したがってこの光
検出器66からは、蓄積性蛍光体シート11に蓄積記録され
ている放射線画像情報を示す出力信号Ｓが得られる。こ
の信号Ｓを例えばＣＲＴ表示装置や光走査記録装置等の
画像再生装置に送って画像再生に供すれば、蓄積性蛍光
体シート11に記録されていた放射線画像が可視像として
再生される。

【００２６】放射線画像情報の読取りが終了した蓄積性
蛍光体シート11は、上記ニップローラ45、49〜57がそれ
までとは逆方向に回転されることにより、読取部62から
消去部60を経てカセッテ装填部に向けて送られる。この
消去部60を蓄積性蛍光体シート11が通過する際複数の消
去光源61が点灯され、それらから発せられた消去光が蓄
積性蛍光体シート11に照射される。放射線画像情報読取
り後も蓄積性蛍光体シート11に残存していた放射線エネ
ルギーは、この消去光照射により蓄積性蛍光体シート11
から放出され、該シート11は新たに放射線画像撮影に使
用され得る状態となる。

【００２７】この消去処理を受けた蓄積性蛍光体シート
11は、先の場合とは逆方向つまり時計方向に回転してい
るローラ75により、カセッテ10内に搬入される。次い
で、前述した蓄積性蛍光体シート取出しの場合とは逆の
操作がなされることにより、カセッテ10の閉蓋およびロ
ックがなされる。すなわち、まずローラアーム74が矢印
Ｂ方向と反対方向に移動して、ローラ75がカセッテ10外
の待機位置まで戻される。次いで、大きく開かれていた
蓋体13は、前述のように開蓋を行なった手段により、僅
かな開蓋状態（図２中の破線表示状態）に戻される。ロ
ーラ75が待機位置に戻ったことが検知手段によって検知
され、そのことが例えば表示装置等によって知らされる
と、装置オペレータはカセッテ10をカセッテセット口31
ａから引き抜く。このようにカセッテ10が引き抜かれる
とき、蓋体13が１対のロックローラ29によって上方から
押され、蓋体13および函体12の双方に設けられたロック
爪（ともに図示せず）が互いに係合して蓋体13がロック
状態となる。

【００２８】上記のように大サイズカセッテ10がセット
されているとき、その一端部の開口12ａの周辺部分は、
装置外部に対して遮光されていなければならない。この
場合の遮光は、フレーム30、31と、固定ガイド部材21
と、可動ガイド部材22と、固定遮光部材としての遮光ロ
ーラ対23とによって達成される。なお僅かの隙間に対し
ては、適宜公知のスポンジやテレンプ等を取り付けるこ
とによって遮光を実現すればよい。

【００２９】次に小サイズカセッテ10’がセットされる
場合について説明する。この場合可動ガイド部材22は、
図１の破線表示位置に設定される。そしてこの小サイズ
カセッテ10’からの蓄積性蛍光体シート11の取出し、お
よびそこへの収納は、大サイズカセッテ10の場合と同様
にしてなされる。

【００３０】次にこのときの遮光について説明する。可
動ガイド部材22を図１の実線表示位置から破線表示位置
に向けて移動させると、前述のように付勢されている移
動遮光板25は遮光板26を追いかけるようにしてそれに接
する状態を保つ。可動ガイド部材22が図１の破線表示位
置に設定された際には、この移動遮光板25も破線表示位
置を取る。この場合も遮光は基本的に大サイズカセッテ
10をセットする際と同様にしてなされるが、この場合は
大サイズカセッテセット時とは異なり、可動ガイド部材
22よりも外側において、遮光ローラ対23のローラ間に隙
間ができる。

【００３１】しかしここで本装置においては、移動遮光
板25が遮光板26に常時接しているので、上記隙間から装
置内部側に外光が侵入しても、その外光は移動遮光板25
および遮光板26によって遮断され、カセッテ10’の開口
12ａ側に回り込み得ない。したがってこの場合において
も、良好な遮光効果が得られるようになる。

【００３２】次に大サイズカセッテ10もまた小サイズカ
セッテ10’もセットされない場合について説明する。こ
の場合可動ガイド部材22は、図１の破線表示位置に設定
される。このとき、放射線画像情報読取装置40内に蓄積
性蛍光体シート11は存在し得ないので、特に遮光を図る
必要はない。しかし本実施例の装置においては、前述の
扉28が自身の重さによって垂下して、図２の破線表示位
置をとる。したがって、固定ガイド部材21と可動ガイド
部材22との間において、遮光ローラ対23の間からほこり
等が装置内部に入ることが防止される。またこのとき、
移動遮光板25が遮光板26に接しているから、これら両者
によっても、ほこり等の侵入防止効果が得られる。

【００３３】次に図６を参照して、本発明の第２実施例
について説明する。なおこの図６において、図１中のも
のと同等の要素については同番号を付し、それらについ
ての重複した説明は省略する（以下、同様）。

【００３４】図６に示す第２実施例装置においては、可
動ガイド部材22に蛇腹タイプの移動遮光板32の一端が接
続され、この移動遮光板32の他端は放射線画像情報読取
装置40の本体側に固定されている。そして可動ガイド部
材22は引張りばね33により、小サイズカセッテ10’をセ
ットする位置（破線表示位置）に復帰するように付勢さ
れている。

【００３５】この構成においても、可動ガイド部材22の
外側には常に移動遮光板32が存在するから、この可動ガ
イド部材22が小サイズカセッテ10’をセットする位置に
設定された際に、可動ガイド部材22の外側において遮光
ローラ対23の間から装置内に入る外光はこの移動遮光板
32によって遮られ、小サイズカセッテ10’の蓄積性蛍光
体シート取出し用開口側に侵入することがない。

【００３６】図７に示す第３実施例装置においては、可
動ガイド部材22に巻尺タイプの移動遮光板34の一端が固
定され、この移動遮光板34の他端は巻取軸35に固定され
ている。巻取軸35は図示しない付勢手段により、図中時
計方向に回転付勢されて、移動遮光板34を自動的に巻き
取るように構成されている。この構成においても、第２
実施例装置と同様にして小サイズカセッテセット時の遮
光がなされる。

【００３７】なお上記の移動遮光板34は布あるいはプラ
スチックフイルム等のシート材から形成されるが、その
代りによろい戸状の部材を用いることも可能である。

【００３８】以上説明した第１〜３実施例の装置は、相
異なるサイズの３種以上のカセッテをセットすることも
可能である。以下においては、相異なるサイズの２種の
カセッテのみをセット可能とした実施例について説明す
る。

【００３９】図８に示す第４実施例装置においては、放
射線画像情報読取装置40本体に固定された回動軸36ａを
中心に回動可能な移動遮光カバー36が設けられている。
この移動遮光カバー36は、大サイズカセッテ10がセット
される際には図中実線表示の位置に設定され、小サイズ
カセッテ10’がセットされる際には手動操作により回動
されて、先端が可動ガイド部材22に接する破線表示の位
置に設定される。以上のようにすることにより、小サイ
ズカセッテ10’のセット時に、可動ガイド部材22の外側
において遮光ローラ対23の間から外光が装置内に侵入す
ることが防止される。

【００４０】次に図９に示す第５実施例装置において
は、外端部が大サイズカセッテセット時に可動ガイド部
材22の内側に接し、内端部が小サイズカセッテセット時
に可動ガイド部材22の外側に接する移動遮光カバー37が
設けられている。そして可動ガイド部材22は引張りばね
38により、大サイズカセッテ10をセットする位置（実線
表示位置）に復帰するように付勢されている。

【００４１】上記移動遮光カバー37は、図10の側面図に
示すように断面くさび状とされ、回動軸37ａを中心に回
動自在に支持されている。そしてこの移動遮光カバー37
は圧縮コイルばね39により、図10中で回動軸37ａ周りに
反時計方向に付勢され、その他の外力が加えられなけれ
ば、その先端部が装置本体側のストッパ70に当接して、
図10に示す位置に設定される。

【００４２】この構成において小サイズカセッテ10’が
セットされる際、可動ガイド部材22の外側においては、
遮光ローラ対23の前側に移動遮光カバー37が位置するの
で、これら遮光ローラ対23の間から外光が装置内に侵入
することが防止される。

【００４３】なお、引張りばね38によって付勢されてい
る可動ガイド部材22は、小サイズカセッテ10’のセット
時には移動遮光カバー37の側面に当接して所定位置に設
定される。大サイズカセッテ10のセット時には、大サイ
ズカセッテ10を載置台20上を滑らせる状態で前方に押し
込むと、移動遮光カバー37が該カセッテ10に押されて載
置台20よりも下側に沈み込む。そこで、引張りばね38に
よって付勢されている可動ガイド部材22は、図９に実線
で示す位置まで自動的に退出する。

【００４４】大サイズカセッテセット状態から小サイズ
カセッテセット状態に戻す際には、手動操作により移動
遮光カバー37を載置台20よりも下側に押し下げ、その状
態を保ったまま可動ガイド部材22を移動遮光カバー37よ
りも内側まで移動させればよい。この操作を円滑に行な
うためには、移動遮光カバー37を、その左側面（図９中
上側の側面）と上面とがなだらかな斜面で連続する形状
としておくのが望ましい。

【００４５】なお固定ガイド部材21のストッパ21ａおよ
び可動ガイド部材22のストッパ22ａには、図９に示すよ
うなロック解除ピン73が取り付けられることもある。こ
のロック解除ピン73は、カセッテ10あるいは10’の前端
面に設けられたピン通過孔からカセッテ内に進入して、
蓋体13の閉蓋状態を保つロック部材の係合を解くもので
ある（なお特開昭６３−１０３２３１号公報にはそのよ
うなロック解除ピンの一例が示されている）。

【００４６】このようなロック解除ピン73が設けられる
際、もしこの図９のカセッテセット装置のように可動ガ
イド部材22がカセッテ10あるいは10’に押し付けられる
構造になっていないと、各種公差（部品寸法バラツキ、
組立バラツキ、カセッテ寸法公差等）により、ロック解
除ピン73がカセッテ10あるいは10’のピン通過孔に円滑
に進入し得ないことがある。そのような不具合を無くす
ためには、例えば図13に示すように、ロック解除ピン73
を固定したストッパ22ａを回動軸76を介して可動ガイド
部材22に取り付け、このストッパ22ａが回動軸76を中心
に若干首振り運動できるようにするのが望ましい。ある
いは図14に示すように、ロック解除ピン73を固定したス
トッパ22ａをコイルばね77を介して可動ガイド部材22に
取り付け、このストッパ22ａが若干浮動するように構成
してもよい。

【００４７】次に図11に示す第６実施例装置において
は、回動軸71ａを中心に回動自在とされた移動遮光カバ
ー71が設けられている。この移動遮光カバー71は図12の
正面図に示されるように、先端部がテーパ状とされ、図
示しない付勢手段により、回動軸71ａを中心に図12中時
計方向に回転付勢されている。したがって移動遮光カバ
ー71は、小サイズカセッテ10’のセット時、先端部が可
動ガイド部材22に接して水平状態となる。この状態のと
き移動遮光カバー71は、可動ガイド部材22の外側におい
て遮光ローラ対23の間のスペースに向き合う状態とな
り、遮光がなされる。なお、可動ガイド部材22の外側の
端面には、遮光をより確実化する遮光スポンジ72が固定
されている。

【００４８】一方大サイズカセッテ10のセット時に可動
ガイド部材22が外側に移動されると、移動遮光カバー71
は付勢力に抗して押し上げられ、可動ガイド部材22が大
サイズカセッテ10のセット位置（図11の実線表示位置）
まで来ると直立状態となり、可動ガイド部材22が所定位
置に設定されるのを妨げないようになっている。

【００４９】なお以上説明した各実施例は、蓄積性蛍光
体シート11を収納したカセッテ10あるいは10’を取り扱
うものであるが、本発明は、蓄積性蛍光体シート以外の
シート状画像記録媒体を収納するカセッテに対しても適
用可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例装置を示す平面図

【図２】第１実施例装置の一部破断側面図

【図３】第１実施例装置の要部を示す一部破断側面図

【図４】本発明の装置が扱うカセッテの一例を示す斜視
図

【図５】上記カセッテが装填される放射線画像情報読取
装置の概略側面図

【図６】本発明の第２実施例装置を示す平面図

【図７】本発明の第３実施例装置を示す平面図

【図８】本発明の第４実施例装置を示す平面図

【図９】本発明の第５実施例装置を示す平面図

【図１０】第５実施例装置の要部を示す側面図

【図１１】本発明の第６実施例装置を示す平面図

【図１２】第６実施例装置の要部を示す正面図

【図１３】本発明の装置に用いられるカセッテストッパ
の一例を示す斜視図

【図１４】本発明の装置に用いられるカセッテストッパ
の別の例を示す平面図

【符号の説明】

10、10’ カセッテ 11 蓄積性蛍光体シート 12 函体 12ａ 函体の開口 13 蓋体 20 載置台 21 固定ガイド部材 21ａ、22ａ、70 ストッパ 22 可動ガイド部材 23 遮光ローラ対 25、32、34 移動遮光板 26 遮光板 28 扉 30、31 フレーム 31ａ カセッテセット口 33 復帰ばね 35 巻取軸 36、37、71 移動遮光カバー 38 引張りばね 39 圧縮コイルばね 40 放射線画像情報読取装置 72 遮光スポンジ 73 ロック解除ピン 74 ローラアーム 75 ローラ Ａ 蓋体の揺動軸

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シート状の画像記録媒体を収納し、一端
   部に記録媒体を出し入れするための開口が設けられたカ
   セッテを、前記一端部に対して直角となる左右両端部を
   １対のガイド部材によって位置規定し、セット口から他
   端部が露出した状態でカセッテ使用装置内の所定位置に
   セットする装置において、 前記１対のガイド部材の少なくとも一方が、両ガイド部
   材間の距離を変更できる可動ガイドとされ、 前記カセッテがセットされたときに、その前記一端部に
   他端部側から外光が侵入することを防止する固定遮光部
   材と、 前記可動ガイドの移動を妨げないように移動可能で、該
   可動ガイドの外側から前記カセッテの一端部側に外光が
   侵入することを防止する移動遮光部材とが設けられたこ
   とを特徴とするカセッテセット装置。