JP2952090B2 - スラッジ除去方法 - Google Patents

スラッジ除去方法

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JP2952090B2
JP2952090B2 JP3282774A JP28277491A JP2952090B2 JP 2952090 B2 JP2952090 B2 JP 2952090B2 JP 3282774 A JP3282774 A JP 3282774A JP 28277491 A JP28277491 A JP 28277491A JP 2952090 B2 JP2952090 B2 JP 2952090B2
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    • F22STEAM GENERATION
    • F22BMETHODS OF STEAM GENERATION; STEAM BOILERS
    • F22B37/00Component parts or details of steam boilers
    • F22B37/02Component parts or details of steam boilers applicable to more than one kind or type of steam boiler
    • F22B37/48Devices for removing water, salt, or sludge from boilers; Arrangements of cleaning apparatus in boilers; Combinations thereof with boilers
    • F22B37/483Devices for removing water, salt, or sludge from boilers; Arrangements of cleaning apparatus in boilers; Combinations thereof with boilers specially adapted for nuclear steam generators

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  • Cleaning By Liquid Or Steam (AREA)
  • Incineration Of Waste (AREA)
  • Treatment Of Sludge (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】本発明は、一般に、蒸気発生器の二次側
の内部からスラッジや付着物を除去するための化学的に
促進ないしは向上された圧力パルス洗浄方法、即ちスラ
ッジ除去方法に関するものである。
【0002】例えば原子力蒸気発生器の二次側のような
熱交換器の容器の内部を洗浄するための圧力パルス方法
及び化学的方法は共に、従来から当該分野において知ら
れている。しかし、これらの洗浄方法の目的及び作用を
理解するには、原子力蒸気発生器に関連される構造と保
守について、ある程度の基礎的な理解が必要となる。よ
って、以下、原子力蒸気発生器について概説する。
【0003】原子力蒸気発生器は、主に、原子炉の炉心
からの高温放射性の水が流通される半球状の一次側と、
一次側の上部に配置され非放射性の水が供給される二次
側と、一次側及び二次側を熱的に連結するが、流体的に
は遮断するように一次側及び二次側の間に配置された多
数のU字状伝熱管を含む管板とから成り、一次側の放射
能汚染された水からの熱を二次側の非放射性の水に伝
え、それにより、非放射性の水を沸騰し、非放射性の蒸
気を発生するようになっている。
【0004】U字状伝熱管は蒸気発生器の二次側内に収
容されている。各伝熱管は倒置され、その開口端部は管
板に取り付けられ、レッグ部(直管部)及びベンド部は
二次側内に延びている。また、各伝熱管のレッグ部を横
方向に支持するために、垂直方向に互いに離隔された複
数の支持プレートが二次側内に設けられている。U字状
伝熱管のレッグ部は支持プレートに設けられた貫通孔を
通って延びている。ところで、伝熱管が通る支持プレー
ト及び管板の貫通孔と、伝熱管との間には、小さな環状
のスペースが存在する。この環状スペースは「クレビス
領域」として周知である。このようなクレビス領域は、
蒸気発生器内を流れる水のための極めて狭い流路を提供
するものに過ぎないが、この狭い流路は、そこに流入し
た水を完全に沸騰除去し、それによってこれらのクレビ
ス領域を乾燥させる。この慢性的な乾燥によって、水の
中の不純物はクレビス領域に付着し、その中で集積され
る。これらの不純物は、付着物の形成を促進し、伝熱管
の外面を腐食させる恐れがある。このようにして形成さ
れる腐食生成物及びスラッジは、時間の経過につれてク
レビス領域内に蓄積し、最終的には、伝熱管に実際に影
響を与える可能性がある。伝熱管が耐腐食性のインコネ
ル600(商標)から作られている場合であっても、不純
物やスラッジが除去されないならば、何等かの保守作業
が行われない限り、伝熱管のクレビス領域の部分に腐食
や応力が発生し、最終的には伝熱管に割れを生ずる可能
性がある。割れの入った伝熱管は、蒸気発生器の一次側
からの放射性流体を二次側に漏出させ、二次側内の非放
射性の水を汚染することになるので、このような腐食や
腐食後の割れが生じないよう保守作業を行うことが重要
である。
【0005】そこで、従来から、スラッジの蓄積を防止
し、腐食の状態を改善するために、色々な化学的洗浄方
法が開発されている。この方法の最も一般的なものの中
の一つによれば、まず、原子力蒸気発生器の運転を停止
し、一次側及び二次側から水を完全に排出する。次に、
クレビス領域内に入っている腐食生成物の大部分は、ク
レビス領域又は伝熱管の表面に密に付着された酸化鉄及
び銅であるので、キレート含有鉄を除去可能な溶剤及び
銅を除去可能な溶剤を、順次、二次側の内部に送り込
み、それらを溶解して除去する。鉄除去用溶剤は、約20
0°F(93.3℃)の温度で二次側の内部で循環されるのが
一般的であり、銅除去用溶剤は、約100°F(37.8℃)で
循環される。
【0006】このような溶剤は、原子力蒸気発生器の二
次側の内部から酸化鉄及び銅を好適に除去できることは
証明されているが、腐食抑制剤の使用にも拘わらず、蒸
気発生器内、特に蒸気発生器の炭素鋼及び低合金鋼の構
成要素の間に新たな腐食を形成する可能性があった。こ
のような腐食による影響を最小とするために、前記溶剤
には、低濃度の活性キレート成分が含まれているのが一
般的である。このような低濃度の活性キレート成分の使
用にも拘わらず、前記溶剤は、蒸気発生器内の金属要素
に相当な腐食を誘発する可能性があると考えられてい
る。更に、低濃度の活性キレート成分の使用は、溶剤が
機能するのに要する時間を延ばし、しばしば、二次側の
内部を複数回の溶剤浴処理にかける必要を生ずる。例え
ば、最も広く受け入れられている従来の洗浄方法の一つ
においては、蒸気発生器内に2回、鉄溶剤を導入し排出
する必要があり、銅溶剤の導入と排出は6回行う必要が
ある。このような複数回の溶剤浴処理、及び、それに必
要な種々のリンスサイクルによって、蒸気発生器の化学
的洗浄のみを120時間以上続けることになる。原子力蒸
気発生器の停止中、収益損失は1日につき100万ドルに
達するので、この技術的現状の洗浄作業のコストは非常
に高く、特に、このような作業の全費用として、化学的
溶剤の費用、再循環・過熱設備の設置費用、蒸気発生器
の二次側の放射性内部から排出された多量の使用済み鉄
溶剤、銅溶剤及びリンス溶液の廃棄費用等を含めて考え
た場合には、更にコストは高くつくことは、容易に理解
されよう。
【0007】圧力パルス洗浄方法は、蒸気発生器の内部
を完全に機械的に洗浄する方法を提供するものである。
この型式の洗浄方法においては、まず、蒸気発生器をオ
フラインとして排水を行い、次いで、二次側内に配置さ
れている伝熱管束の頂部まで純水(脱イオン水)を満た
す。この後、蒸気発生器が純水で満たされている間に、
加圧ガスパルスを、管板の近傍で純水中に連続的に発す
る。このガスパルスは、二次側内の純水に衝撃波を形成
するが、この衝撃波は、伝熱管、支持プレート、管板及
び二次側のクレビス領域にあるスラッジ及び付着物を遊
離し、移動させ、流動化さえする傾向がある。分離され
流動化されたスラッジ及び付着物は、圧力パルス作業中
にフィルターを通すことによって、水から除去される。
異物除去衝撃波の発生を担う加圧ガスパルスは、再循環
工程中ばかりでなく、純水が二次側に注入され且つそこ
から排出されている間にも、純水中に連続的に発せられ
るのが好ましい。
【0008】圧力パルス洗浄は、蒸気発生器の二次側内
の金属表面に新たな望ましくない腐食を誘発しないの
で、当該技術分野においては相当な進歩をみせており、
化学的洗浄方法に代わるものとして、原子力発電工業に
おいて急速に受け入れられてきている。しかし、圧力パ
ルス洗浄は、多くの原子力蒸気発生器の二次側に存在す
る多量のスラッジ及び付着物を除去することができる
が、蒸気発生器のクレビス領域内に密に蓄積した付着物
を除去する場合には殆ど効果がない。この圧力パルス洗
浄の効果を制限する要因の一つは、加圧ガスパルスによ
り発生される衝撃波の効力がクレビス領域による狭い流
路によって減じられる点にあると考えられる。従って、
管板の上面に堆積した大量のスラッジ及び付着物を除去
するために、しばしば、圧力パルスを発する前に、スラ
ッジ掻出しないしはスラッジランシング(sludge lanci
ng)を管板領域で行うこととしている。また、溶液から
管板上に沈澱した浮遊スラッジを除去するために、圧力
パルス作業の終了後にもスラッジランシングを行う。し
かしながら、このようなスラッジランシングは、圧力パ
ルス洗浄作業の時間及び費用を増加させる欠点がある。
【0009】従って、既知の圧力パルス洗浄技術及び化
学的洗浄技術に関連される利点の全てを維持しつつ、問
題点は回避することのできる改良型スラッジ除去方法が
必要とされていることは明らかであろう。このようなス
ラッジ除去方法は、比較的簡単に低費用で実施すること
ができ、且つ、短時間で蒸気発生器の二次側の内部を効
果的に洗浄することができ、しかも液状放射性廃棄物の
発生が極めて少ないのが理想的である。また、本スラッ
ジ除去方法が蒸気発生器内に新たな腐食を発生させず、
スラッジランシングの必要性を排除できるならば、更に
望ましい。
【0010】
【発明の概要】一般的に述べるならば、本発明は、化学
的に向上された圧力パルス洗浄方法であるスラッジ除去
方法に関し、この方法は、従来の圧力パルス洗浄方法よ
りも効果的であり、また、化学的洗浄方法に関連される
欠点を解決、又は少なくともその一部を改善する。本発
明による方法は、熱交換器の容器(例えば、原子力蒸気
発生器の二次側)の内部に、二次側内部の遊離されたス
ラッジ及び付着物の流動化を促進すると共に再凝固を防
止するために界面活性剤、分散剤、チキソトロープ及び
浮遊剤から成る群の中の少なくとも一つから形成された
洗浄剤を含んでいる水溶液を導入する工程と、二次側の
内部表面からスラッジ及び付着物を遊離させて除去する
衝撃波を発生させるために、前記溶液内に連続的な加圧
ガスパルスを発する工程と、を含んでいる。本発明の好
適な方法においては、水溶液は、二次側内のクレビス領
域内への溶液の浸透を促進するための界面活性剤と、遊
離されたスラッジ及び付着物の流動化を促進するための
分散剤との組合せから形成される。界面活性剤は、「Im
munol 236(アルカリフェノイエトキシレート(alkylphe
noy ethoxylate)と、エチレンオキシドと、脂肪アルカ
ノールアミドとの組合せ)」、「Surfynol 104(第三級
アセチレンジオール(tertiary acethylenic amid
e))」、「Triton-X100(オクチフェノリポリーエトキ
シエタナール(octyphenorypoly ethoxyethanal))」及
び「Hamposyl-L(ラウロイルサルコシン(lauroylsarcos
ine))」から成る群の中の少なくとも一つから形成され
るのが好ましく、分散剤は、ポリアクリル酸エステル、
アクリルポリマー、ポリプロピロキシクウォータニウム
アンモニウムアセテート(polypropyloxy quarternium a
mmoniumacetate)及びアミンドデシルベンゼンスルホン
酸塩から成る群の中の少なくとも一つから形成される。
水溶液が蒸気発生器の内部で不要な腐食を誘発する可能
性を最小化するために、溶液の水分中の洗浄剤の濃度
は、約0.1〜0.5重量%に維持されるのが好ましい。
【0011】本発明の好適な方法においては、蒸気発生
器の二次側を、その内容物である伝熱管の束の頂部まで
洗浄剤の水溶液で満す。次いで、濾過装置を通して水溶
液を再循環して、水溶液中に連続的に発せられた加圧ガ
スパルスにより発生された衝撃波によって分離され遊離
されたスラッジ及び付着物を除去する。その後、この水
溶液は蒸気発生器の二次側の内部から排出される。
【0012】溶液中に加圧ガスパルスの発射は、溶液を
二次側の内部に注入した直後から開始しても良く、更
に、排水工程が終わるまで続けても良い。パルスを形成
するのに用いられるガスの圧力は、二次側が溶液で満た
されるにつれて約400psig(2.76MPa)から約900psig
(6.21MPa)まで増加され、再循環工程中は約800〜900p
sig(5.52〜6.21MPa)の間で維持され、そして、溶液が
二次側の内部から排出される時、約900psigから約400ps
igまで減じられる。好ましくは、加圧パルスは、約10〜
60秒の周期で発生されると良い。
【0013】二次側の排水後にスラッジランシングを行
う必要を無くすために、二次側内の溶液の液位が最下部
の支持プレートとほぼ同じとなった時に、本方法の排水
工程を停止し、溶液の濾過手段を通しての再循環を再度
開始して、溶液に混入されるスラッジ及び付着物の濃度
が所定の低レベルに達するまで加圧ガスパルスを溶液に
発し続け、その後、排水工程を完了させると良い。この
再循環中、溶液が濾過手段を流通する際に当該溶液中に
スラッジ及び付着物が随伴されているようにするため
に、溶液は好ましくは少なくとも25ガロン/分(94.63
×10-3m3/分)の流量で圧送される。
【0014】本発明の化学的に向上された圧力パルス洗
浄方法によるスラッジ除去方法は、従来の圧力パルス洗
浄方法よりも効果的であり、化学的洗浄方法と同等の効
果が得られ、しかも、従来の化学的洗浄方法で用いられ
る洗浄剤に関連される望ましくない腐食を誘発すること
もない。また、本発明の方法は、従来の圧力パルス洗浄
方法では必要であった洗浄後のスラッジランシングを不
要とし、洗浄溶液を加熱する必要もないので、従来の化
学的洗浄方法よりも迅速且つ容易に実行でき、更に、複
数回の洗浄剤浴処理も必要ないので、放射性液状廃棄物
の発生を低減することができる。
【0015】
【好適な実施例の詳細な説明】まず、図1について説明
する。本発明のスラッジ除去方法である強化型圧力パル
ス洗浄方法は、特に、原子力蒸気発生器1の内部の洗浄
に有効である。このような蒸気発生器1は、その下部部
分に半球状の一次側3を有すると共に、管板7によって
流体的に仕切られた中間部分に円筒形状の二次側5を有
している。熱は、一次側3から多数の逆U字状の伝熱管
9を介して二次側5に伝えられる。各伝熱管9は、管板
7の貫通孔に取り付けられる入口端部11と出口端部12と
を有している。また、仕切り板14が半球状一次側3を、
チャンネルヘッド16a,16bとして周知である2つの四分
球状チャンバに分割している。全伝熱管9の入口端部11
は図で右手側のチャンネルヘッド16aと連通し、全伝熱
管9の出口端部12は左手のチャンネルヘッド16bと連通
している。チャンネルヘッド16a,16bには、それぞれ、
マンウェイ18a,18bにより出入り可能となっている。一
方、二次側5には、U字状伝熱管9の管束上に非放射性
の精製水を導き、伝熱管9を水中に浸漬するために、給
水入口20が設けられている。これらの伝熱管9の上方に
は、蒸気乾燥装置22が配置されている。この蒸気乾燥装
置22は、蒸気発生器1で発生された蒸気に随伴されてい
る水蒸気分を捕獲し、伝熱管9を浸漬するのではなく、
給水に戻す。蒸気発生器1の頂部に設けられた出口ポー
ト24は、発電機に接続されたタービンの羽根(図示しな
い)に乾燥蒸気を導く。更に、多数の互いに垂直方向に
離隔された支持プレート26が、蒸気発生器1の二次側5
の長さ方向に沿って配置され、U字状伝熱管9のレッグ
部(直管部)を横方向に支持している。図2及び図3に
明示するように、各支持プレート26は、伝熱管9が挿通
される複数の貫通孔28を有している。
【0016】次に、作用について説明する。まず、原子
炉の炉心からの高温放射性水は、チャンネルヘッド16a
内に導入され、その後、上方に流れて各伝熱管9の入口
端部11内に流入する。この高温水は、各伝熱管9の入口
側レッグ部(いわゆるホットレッグ)を通って上昇し、
各伝熱管9のベンド部に沿って流れ、更に、出口側レッ
グ部(いわゆるコールドレッグ)を通って下降して伝熱
管9の出口端部12から出口側チャンネルヘッド16b内に
流出し、最終的には、原子炉の炉心に戻される。
【0017】一次側3からの高温放射性水は多量の熱を
伝熱管9の管壁を通して、該伝熱管9の周囲の非放射性
水に伝える。これによって、非放射性水は沸騰して蒸気
を発生し、最終的に、この蒸気は蒸気発生器1の出口ポ
ート24から流出される。
【0018】図2及び図3を参照すると、スラッジ及び
腐食生成物が蒸気発生器1のクレビス領域に蓄積した状
態が、明瞭に理解されよう。伝熱管9と、支持プレート
26の貫通孔28との間には、狭い環状スペース30がある。
この環状スペース30は、蒸気発生器1の稼働中に伝熱管
9の回りで一定の流通状態にある非放射性水のための比
較的狭い流路を提供する。このようにして生じる制限的
な流通は、周囲の水が伝熱管9を再度包み込むよりも早
く、スペース30から水をボイルアウト(沸騰喪失)させ
る。この乾燥沸騰の結果、二次側5の水中に存する不純
物が、この狭い環状スペース30の表面に層状に付着され
ることとなり、スラッジ及び付着物32を形成する。この
スラッジ及び付着物32が蓄積すると、環状スペース30を
通しての再流通は更に遅らされ、その結果、このクレビ
ス領域内のスラッジ及び付着物32の蓄積をより一層促進
する。最終的には、このようなスラッジ及び付着物32は
環状スペース30を完全に満たす。化学分析によれば、こ
れらのスラッジ及び付着物32の主構成要素は、磁鉄鉱(F
e3O4)、元素状態の銅及び酸化銅を含んでいることが分
かっている。このようなスラッジ及び付着物32は、支持
プレート26の近傍の伝熱管9の外壁面に腐食を発生させ
る可能性があり、かかる場合、その伝熱管9に割れを作
り、蒸気発生器1の一次側3からの高温放射性水によっ
て二次側5の非放射性水を汚染する恐れがある。また、
同じ破壊的現象は、管板7の貫通孔と、そこを通る伝熱
管9の外壁面との間の環状スペース(図示しない)にも
生じ得るものである。
【0019】本発明による強化型圧力パルス洗浄方法の
主目的の一つは、環状スペース30等のクレビス領域から
スラッジ及び付着物32を除去することと、そのスラッジ
等の異物により生成し始める可能性のある腐食生成物を
除去することにある。そのために、本発明の方法では、
このようなスラッジ及び付着物32を遊離させ、移動さ
せ、流動化すべく、蒸気発生器1の二次側5内に導入さ
れる界面活性剤、分散剤、チキソトロープ若しくは浮遊
剤の水溶液又はそれらを組み合わせた水溶液に、圧力パ
ルスを発生させることとしている。
【0020】図1及び図4は本発明の最適な実施態様を
示しており、図示するように、圧力パルス発生器33a,3
3bと溶液再循環装置34とが、原子力蒸気発生器1の下部
のハンドホール35a,35bと上部のマンウェイ37a,37bの
中に配設されている。より詳細に説明するならば、加圧
ガスパルスを放射するためのノズル41を有する圧力パル
ス発生器33a,33bは、それぞれ、下部ハンドホール35
a,35b内に脱着可能に固定されている。各圧力パルス発
生器33a,33bには、窒素又は空気の圧縮ボトルのような
圧力ガス供給源43が接続されると共に、ノズル41を通し
て一定体積の圧縮窒素を発するために、パルス発生器33
a,33bを周期的に作動させるパルスコントロールユニッ
ト45が接続されている。好適な方法においては、各圧力
パルス発生器33a,33bは、ノズル41を通して一定体積の
圧縮窒素を発するために、当該パルス発生器33a,33bを
周期的に作動させる1つのパルスコントロールユニット
45を含んでいる。また、好適な実施例において、圧力パ
ルス発生器33a,33bの各々は、米国、コネチカット州、
ノルウォークのボルト・テクノロジー・インコポレーテ
ッド(Bolt Technology Inc.)により製造されているPA
R 600 B エアガンであり、パルスコントロールユニット
45は、同社により製造されているFC100型コントローラ
である。更に、ノズル41は水平方向に向けられているよ
うに概略的に図示されているが、ガスパルスにより発生
された衝撃波がノズル41の開口端部に最も近い伝熱管9
に及ぼす瞬間的な力を最小とするために、管板7の上面
に対して30度の角度で斜めに取り付けられるのが、より
好ましい。また、各圧力パルス発生器33a,33bの発射シ
リンダは75〜100in.3(1229〜1639cm3)の加圧ガスを含
むのが好適である。
【0021】ここで、図1及び図4を参照すると、本発
明の方法を実施するのに好適に用いられる再循環装置34
は1対の吸込み管48a,48bを含み、これらの吸込み管
は、それぞれ、ハンドホール35a,35bを通って延びてい
る。取付プレート(図示しない)によって、圧力パルス
発生器33a,33bのノズル41と吸込み管48a,48bとは、ハ
ンドホール35a,35b上に液密に取り付けられる。各吸込
み管48a,48bの開口端部は、管板7の上面に近接して配
置される。好適な実施例において、各吸込み管48a,48b
の内径は約3in.(7.62cm)以上であり、好ましくは250
ガロン/分(0.946m3/分)の流量で蒸気発生器1から
洗浄溶液を容易に吸い出すことができるようになってい
る。これらの吸込み管48a,48bは、ポリ塩化ビニルのよ
うな耐久性プラスチック又はステンレス鋼のパイプから
形成されるのが良い。
【0022】図4を特に参照すると、両吸込み管48a,4
8bは1本の主再循環管50に接続されている。この主再循
環管50は、吸込みポンプ54の吸込み口の上流に配置され
たインライン型ストレーナ装置52を有している。ストレ
ーナ装置52の目的は、蒸気発生器1からの溶液に随伴さ
れるスラッジ及びその他の異物の大きな粒子により、吸
込みポンプ54の羽根が損傷されるのを防止するためであ
る。尚、吸込みポンプ54は、約300ガロン/分(1.136m3
/分)の容量を有するインペラー型ポンプであるのが好
ましい。
【0023】吸込みポンプ54の下流側には、蒸気発生器
1の二次側5を通って再循環される洗浄用水溶液からス
ラッジ及び付着物の微粒子を除去するための濾過装置56
がある。この濾過装置56は、フィルターユニット60a,6
0bから形成された上流側フィルターバンク58と、フィル
ターユニット64a,64bから形成された下流側フィルター
ユニット62とを有している。各フィルターバンク58,62
は互いに並列に接続されており、いずれかのフィルター
バンク58,62のユニット内のフィルター要素を交換する
必要が生じた場合、一方のフィルターバンクが主再循環
管50と他方のフィルターバンクとの両方から完全に遮断
されるようになっている。このために、各フィルターユ
ニット60a,60b,64a,64bの上流側と下流側とに、遮断
弁66a,66b、遮断弁68a,68b、遮断弁70a,70b及び遮断
弁72a,72bがそれぞれ設けられる。好適な実施例におい
て、フィルターユニット60a,60bはバッグ型フィルター
であり、フィルターユニット64a,64bはカートリッジ型
フィルターユニットである。各フィルターユニット60
a,60b,64a,64b内のフィルター要素(図示しない)
は、それぞれ、1ミクロン以上の径を有する粒状物質を
除去するよう寸法決めされるのが好ましい。
【0024】濾過装置56の下流側には、互いに並列に流
体的に接続された複数のイオン交換柱から形成された樹
脂床ないしは樹脂ベッド74がある。以下でより詳細に述
べるが、樹脂ベッド74の目的は、水溶液を純水に戻すた
めに蒸気発生器1から流出した水溶液に含まれる化学的
洗浄剤及び他のイオン種を全て除去することにあるの
で、樹脂ベッド74は、洗浄作業が終了するまでは、ライ
ン上にないようにするのが一般的である。濾過装置56を
通過した洗浄溶液が洗浄作業の終期に樹脂ベッド74内を
強制的に通されるよう、3つの遮断弁76a,76b,76cが
設けられている。また、樹脂ベッド74の出口を主再循環
管50に戻すよう接続するリターン管(想像線で示す)が
任意に設けられても良い。このような任意のリターン管
は、洗浄溶液から溶解放射性イオン種を除去するために
洗浄溶液を樹脂ベッド74に流すことが望まれる場合に設
けられる。しかし、その作業モードを望む場合には、溶
液内に存在する溶解洗浄剤を除去せずに放射性イオン種
のみを除去するイオン交換柱のための樹脂を選択するこ
とが必要となる。また、樹脂ベッド74が使用されていな
い時に、主再循環管50を通る溶液の流れが樹脂ベッド74
に一切接触しないように、遮断弁77が任意のリターン管
に設けられる。
【0025】樹脂ベッド74の下流には保持タンク78があ
る。好適な実施例においては、タンク78は約500ガロン
(1.893m3)の容量を有している。このタンク78の目的
は、常時、十分な量の溶液が再循環装置34内にあること
を確保し、空気が溶液送込みポンプ80(保持タンク78の
下流側に配置)の入口又は再循環装置34内の他の重要接
合部に入らないようにすることにある。
【0026】インペラー型の溶液送込みポンプ80は、
保持タンク78の下流側に配置されている。このポンプ
80の目的は、主再循環管50の残りの部分に濾過され
た洗浄溶液を送り、その洗浄溶液を主再循環管50の終
端に接続された2本の注入管82a,82bから強制的
に排出させるようにすることにある。好ましくは、注入
管82a,82bの出口端部は伝熱管9の束の真上に配
置される。本発明の排水工程中(この工程については、
この後に詳細に説明する)、注入管82a,82bは、
支持プレート26の上面に沈殿する傾向のあるスラッジ
及び異物を効果的に洗い流し、最終的には、そのスラッ
ジ及び異物は、管板7の上面上に流れる洗浄溶液に随伴
され、吸込み管48a,48bによって吸い出される。
蒸気発生器1の二次側5の全体に洗浄溶液を垂直方向に
再循環させる技術は、特開平03−291496号公報
に開示された概念である。尚、注入管86に接続された
注入弁84は、保持タンク78の直ぐ上流側で、主再循
環管50に接続していることに注意されたい。この注入
弁84の目的は、注入管86に接続されたタンク(図示
しない)から洗浄溶液を導入することにある。
【0027】本発明による好適な方法の第1工程では、
まず、蒸気発生器1をオフラインとし、二次側5内の水
を全て完全に排出する。蒸気発生器1の状態に応じて、
この時点でスラッジ掻出しないしはスラッジランシング
が必要であるか否かが判断される。管板7及び支持プレ
ート26上のスラッジ及び付着物が比較的軽度であるなら
ば、スラッジランシングは必要なく、図4に示す溶液再
循環装置34を二次側5に流体的に接続する。しかしなが
ら、管板7及び支持プレート26上のスラッジ及び付着物
が数インチの厚さとなっている場合、周知技術によるス
ラッジランシングが、次の2つの理由から実施される。
まず第1に、このようなスラッジランシングは、最大10
00ポンド(453kg)に達するであろうスラッジ及び異物
(これらの異物等は、管板7及び蒸気発生器1のその他
の領域に遊離的に付着されるものであるが、支持プレー
ト26の貫通孔28と伝熱管9との間の環状スペース30等の
クレビス領域を流体的に隔離し、そこを取り巻く洗浄剤
による浸透及び洗浄作用を受けることができないように
してしまう傾向があるものである)を迅速に除去するこ
とによって、洗浄作業全体を促進するからである。第2
に、このようなスラッジランシングは、本方法の圧力パ
ルス洗浄段階における濾過装置56のフィルターユニット
60a,60b,64a,64bの逆洗又は交換に必要な多大な時間
を減じることができるからである。スラッジランシング
をする、しないに拘わらず、本方法の次の工程では、圧
力パルス発生器33a,33bのノズル41及び吸込み管48a,4
8bをハンドホール35a,35bに固定する取付プレート(図
示しない)を設置し、更に、上部マンウェイ37a,37bか
ら通して伝熱管9の束の上方位置に注入管82a,82bを設
置する。
【0028】本方法の次の工程においては、まず、導入
弁84を開いて、洗浄溶液をタンク(図示しない)から保
持タンク78内に入れる。保持タンク78がこの洗浄溶液で
十分に満たされたならば、溶液送込みポンプ80を駆動し
て、洗浄溶液を導入管82a,82bから伝熱管9上に噴射
し、二次側5を洗浄溶液で満たし始める。
【0029】洗浄溶液は、界面活性剤、分散剤、チキソ
トロープ及び/又は浮遊剤を含む純水から成る水溶液で
ある。洗浄溶液が二次側5内の金属面に腐食や他の望ま
しくない化学反応を起こす可能性を最小にするために、
純水内の洗浄剤の濃度は多くとも0.5重量%であること
が好ましく、0.1重量%程度でも良い。更に、洗浄溶液
内で活性成分を形成する界面活性剤、分散剤、チキソト
ロープ及び浮遊剤は、洗浄溶液を望ましくないアルカリ
性又は酸性とし得る塩化ナトリウム又は硫酸イオンが実
質的に無いように、選ばれる。これらの洗浄剤は、更
に、クレビス領域30内に望ましくない凝固体を形成して
洗浄作業を害する恐れのあるリン酸塩、及び、望ましく
ない腐食を発生させるものとして知られているハロゲン
化物が実質的に無いように選ばれる。
【0030】本発明による方法で使用するのに適してい
る界面活性剤の例としては、米国、ペンシルバニア州、
フィラデルフィアのハリー・ミラー・カンパニー(Harry
Miller Company)から入手可能な「Immunol 236」、米
国、ペンシルバニア州、アレントンのエア・プロダクツ
(Air Products)から入手可能な「Surfynol104」、米
国、ペンシルバニア州、フィラデルフィアのローム・ア
ンド・ハース(Rohm & Haas)から入手可能な「Triton X1
00」、及び、米国、ニューハンプシャー州、ナシュアの
ダブリュー・アール・グレース・カンパニー(W. R. Gra
ce Company)から入手可能な「Hamposyl L」等がある。
より一般的に述べるならば、その主活性成分として、ア
ルカリフェノイエトキシレート(alkylphenoy ethoxylat
e)と、エチレンオキシドと、脂肪アルカノールアミドと
の組合せ、又は、第三級アセチレンジオール(tertiary
acethylenic amide)、オクチフェノリポリーエトキシエ
タナール(octyphenorypoly ethoxyethanal)若しくはラ
ウロイルサルコシン(lauroylsarcosine)のいずれかを含
む界面活性剤が、本発明による方法で使用するのに適し
ている。上で例示した界面活性剤の中で、「Surfynol 1
04」が最も好適である。それは、圧力パルス発生器33
a,33bにより発生される圧力ガスの爆発性の衝撃を受け
た場合にも、実質的に発泡しないことが分かっているか
らである。
【0031】本発明の方法と関連して用いられる分散剤
としては、タンニン酸、「Wayplex55-S」、「Wayplex 5
5-A」、「Indulin C」、「Indulin AT」、ポリオクリッ
クアミド(polyocrylic acid)、及び、「Reax 68 W」の
形態のリグニンがある。より一般的に述べるならば、活
性成分としてポリアクリル酸エステル、アクリルポリマ
ー、ポリプロピロキシクウォータニウムアンモニウムア
セテート(polypropyloxy quarternium ammonium acetat
e)、イミダゾリンアセテート及びアミンドデシルベンゼ
ンスルホン酸塩を含む分散剤が、本発明の方法に用いる
のに適している。前述の各分散剤は、圧力パルス発生器
33a,33bにより洗浄溶液中で分離され流動化されたスラ
ッジ及びその他の異物の小さな粒子を被覆することで機
能し、それら粒子が互いに塊にならないようにしてい
る。
【0032】本発明による方法に関連して用いられる浮
遊剤としては、「Emersol 221」又は「Emersol 221」に
トリエタノールアミンを混合したものがある。「Emerso
l 221」は、米国、オハイオ州、シンシナティのエマー
リイ・インダストリーズ(Emery Industries) から得ら
れる。より一般的には、その活性成分の大部分が9-オク
タデセン酸から成る浮遊剤が、本発明の方法で用いるこ
とができる。
【0033】前述の界面活性剤、分散剤、チキソトロー
プ及び浮遊剤の群の中の一つ以上から成る洗浄溶液は本
発明の方法に用いられ得るが、界面活性剤及び分散剤の
みの混合物が本発明の方法を実施するのに最も好まし
い。浮遊剤はスラッジ及び異物の粒子を浮遊状態に維持
する助けとなるが、また、二次側5の内部にある洗浄剤
の表面の近く、従って吸込み管48a,48bから遠くの不相
応な量の粒状のスラッジ及び他の異物を移動させる傾向
もある。チキソトロープは洗浄剤を濃密化することによ
り粒状スラッジ等の粒状体を浮遊状態に維持するのを助
けるが、支持プレート26の貫通孔28と伝熱管9との間の
環状スペース30のような小さなクレビス領域に洗浄剤が
浸透できないようにもする。
【0034】十分な量の洗浄溶液が二次側5内に溜めら
れ、圧力パルス発生器33a,33bのノズル41が完全に液中
に没したならば、これらの圧力パルス発生器33a,33bを
作動して溶液中に加圧ガスパルスの発射を開始し、二次
側5内の金属表面からスラッジ及びその他の異物を効果
的に遊離させ除去する衝撃波を発生させる。かかる衝撃
波は、最初、約400pisg(2.76MPa)まで加圧されたガス
パルスによって誘起される。しかしながら、洗浄溶液の
液位が上昇するにつれて、ガスパルスの圧力は、洗浄溶
液が伝熱管9の最上ベンド部と同じ液位となるまで、比
例的に最大約900psig(6.21MPa)まで増加する。このよ
うに、ガスパルスの圧力を比例的に増加させることによ
って、二次側5の底部での溶液の水圧レベルが徐々に増
加して、圧力パルス発生器33a,33bにより発生される衝
撃波の強さを減じる傾向を相殺することができる。圧力
パルス発生器33a,33bにより発生される圧力パルスは、
10〜60秒の時間間隔で発せられ、好適には、10秒毎に1
パルスである。
【0035】溶液充填工程は、注入管82a,82bを通る流
量が25ガロン/分(94.64×10-3m3/分)程度となるよ
うにして実行されても良いが、本方法の完了に必要とさ
れる全時間を短縮するためには、250ガロン/分(94.64
×10-2m3/分)の比較的に大流量が好ましい。
【0036】溶液充填工程が完了する前であっても、吸
込みポンプ54を駆動して本方法の再循環工程を開始して
も良い。勿論、この特殊形態の作業を行う場合には、吸
込みポンプ54の流量を調節して、洗浄溶液の液位が伝熱
管9の束の高さとほぼ等しくなるまで、吸込みポンプ54
の流量が送込みポンプ80の流量よりも少なくなるように
し、その後、溶液の送出し量と吸込み量とが等しくなる
ようにする。洗浄溶液の再循環は、約75〜250ガロン/
分(28.39×10-2〜94.64×10-2m3/分)の流量で行うよ
うにするのが好ましい。この再循環工程中、再循環され
る溶液は濾過装置56のフィルターユニット60a,60b,64
a,64bによって絶えず濾過される。圧力パルス発生器33
a,33bによる二次側5内のスラッジ及びその他の付着物
の流動化と、溶液中に存する界面活性剤及び分散剤によ
りもたらされる溶液の浸透性及び分散性の向上、更に、
再循環工程中の溶液の流量が比較的に大きいことは、互
いに共働して、吸込み管48a,48bを通して二次側5から
排出される溶液に、スラッジ及びその他の付着物を効果
的に随伴させることができ、かかるスラッジ等は最終的
に濾過装置56によって溶液から除去される。軽量のスラ
ッジ及び異物付着物しかない蒸気発生器1を洗浄するた
めには、再循環工程は約1時間だけで良いが、二次側5
内に当初から存在する大きなスラッジ及び他の付着物を
確実に除去するためには、圧力パルスを連続的に発生し
つつ、洗浄溶液の再循環を16〜24時間行う。勿論、フィ
ルターユニット60a,60b内のバッグフィルター及びカー
トリッジフィルターは、この工程中に必要に応じて交換
される。
【0037】本方法の再循環工程が完了した後、送込み
ポンプ80を停止し、或は、吸込みポンプ54に比較して送
込みポンプ80の流量を減らすことによって、二次側5か
ら排水を行う。この排水工程中、二次側5から排出され
る正味量の洗浄溶液を樹脂ベッド74中に強制的に流通さ
せ、この溶液から溶解イオン種及び活性洗浄剤を除去
し、溶液を純水(脱イオン水)に戻すよう、遮断弁76
a,76b,76cは調整される。この排水工程は、二次側5
内の洗浄溶液の液位が最下部の支持プレート26の高さと
ほぼ同じとなるまで続けられ、その後、遮断弁76a,76
b,76cを再び先の状態に戻し、送込みポンプ80の流量を
吸込みポンプ54の流量と等しくして第2の再循環工程に
入る。この時点で、残っている分離スラッジのほぼ全て
は、比較的少量の急速に循環される洗浄溶液内に集めら
れ、再度、濾過装置56により濾過されて全ての粒状のス
ラッジ及び付着物が除去される。洗浄溶液内の流動化し
たスラッジ及び付着物の濃度を測定するために、吸込み
管48a,48bから排出される洗浄溶液のサンプルを定期的
に採取する。かかる流動化スラッジ及び付着物の濃度
が、ほぼ全ての浮遊物質が二次側5から除去されたこと
を示すレベルに達したならば、送込みポンプ80の流量を
吸込みポンプ54の流量よりも少なく設定し、遮断弁76
a,76b,76cを再度反転させて排水工程を続ける。この
後、排水工程は、ほぼ全ての洗浄溶液が二次側5の内部
から排出されるまで続けられる。
【0038】尚、洗浄溶液から遊離・流動化されたスラ
ッジ及び異物を全て完全に除去する場合における第2の
再循環工程の効果によって、第2のスラッジランシング
(洗浄媒体として純水のみを用いた従来の圧力パルス洗
浄作業ではしばしば必要であった)の必要性を除去でき
るという利点があることに、注意されたい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスラッジ除去方法が適用され得る型式
の原子力蒸気発生器の断面図である。
【図2】図1に示す蒸気発生器内で用いられる伝熱管の
一つの断面図であり、支持プレートの貫通孔内での伝熱
管の挿通状態、及び、この伝熱管と支持プレートの貫通
孔との間の環状スペースに蓄積したスラッジや腐食生成
物の状態を示す図である。
【図3】図2の2B−2B線に沿って見た場合の平面図
である。
【図4】本発明のスラッジ除去方法を実施するのに用い
られる再循環装置の概略図である。
【符号の説明】 1 原子力蒸気発生器 5 二次側 7 管板 9 伝熱管 26 支持プレート 28 貫通孔 30 環状スペース(クレビス領域) 32 スラッジ及び付着物 33a,33b 圧力パルス発生器 34 再循環装置 48a,48b 吸込み管 50 主再循環管 54 吸込みポンプ 56 濾過装置 80 送込みポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アレン・ジェイ・バウム アメリカ合衆国、ペンシルベニア州、ピ ッツバーグ、メイコン・アベニュー 1006 (72)発明者 ウイリアム・エドワード・キング アメリカ合衆国、ペンシルベニア州、ピ ッツバーグ、ウエッジウッド・ドライブ 9262 (56)参考文献 特開 昭63−116099(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F28G 7/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱交換器の容器内部からスラッジ及び付
    着物を除去するために、 前記容器内部内に液体を導入する工程と、 前記容器内部から前記スラッジ及び付着物を遊離させて
    除去する衝撃波を発生させるために、前記液体内に連続
    的な加圧ガスパルスを発生する工程とを含み、 前記液体が、前記スラッジ及び付着物の流動化を促進す
    ると共に再凝固を防止するために、界面活性剤、分散
    剤、チキソトロープ及び浮遊剤から成る群の中の少なく
    とも一つから形成された洗浄剤を含んでいる、スラッジ
    除去方法において、 前記液体と流動化したスラッジ及び付着物とを前記熱交
    換器及び濾過手段間に再循環させながら、液体レベルを
    調整して前記熱交換器の最下部の管支持プレートに合わ
    せると共に、該再循環する液体中の前記流動化したスラ
    ッジ及び付着物の濃度をサンプル検査する工程と、その
    該サンプル検査の工程に応答して前記熱交換器の内部
    から前記洗浄剤の全てを除去する工程とを含むことを特
    徴とする スラッジ除去方法。
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