JP2002116295A - 除染方法及び除染装置 - Google Patents

除染方法及び除染装置

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JP2002116295A
JP2002116295A JP2000311682A JP2000311682A JP2002116295A JP 2002116295 A JP2002116295 A JP 2002116295A JP 2000311682 A JP2000311682 A JP 2000311682A JP 2000311682 A JP2000311682 A JP 2000311682A JP 2002116295 A JP2002116295 A JP 2002116295A
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decontamination
chemical
tank
water
liquid
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JP2000311682A
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English (en)
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Makoto Nagase
誠 長瀬
Naoto Uetake
直人 植竹
Kazumi Anazawa
和美 穴沢
Motohiro Aizawa
元浩 会沢
Motoaki Sakashita
元昭 坂下
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Hitachi Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、除染対象物の除染に要する時
間を短縮できる除染方法及び除染装置を提供する。 【解決手段】水中でキャビテーションが発生するウォー
タージェットを水中で除染対象物品に噴射して、前記ウ
ォータージェットに使用した水を利用して化学除染を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、除染方法及び除染
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の物理的手段を用いた除染に関する
技術としては、氷やドライアイス,砂などを用いた各種
のブラスト除染やウォータージェットを気中や水中で用
いた除染、超音波を用いた除染法が存在している。化学
的手段を用いた除染法としては無機酸や有機酸を用いた
除染法が存在し、一例として有機酸を用いた除染法に関
しては特開平3−10919号に示されるように、酸化
処理剤として過マンガン酸を、還元剤としてジカルボン
酸を用いて原子炉の金属製構造部品を化学的に汚染除去
する方法が記載されている。
【0003】また、強酸化学除染の前にブラスト前処
理,ウォータージェットを記載した図がデコミッショニ
ング技法第8号(1993年6月)59頁Fig.21に
掲載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】原子力関連施設より放
射性核種によって汚染された物品を除染して搬出基準を
満足させる場合、ブラスト除染では研削物質が入り込め
ない細部の除染効果が望めない。気中のウォータージェ
ットもジェットがあたる部分以外の効果が期待できな
い。水中のウォータージェットでは、微細な隙間では効
果が不十分である。超音波は小さな物品に対しては有効
であるが一般的に大きな物では力が不足する。したがっ
て、物理的手段だけでは複雑な形状や汚染の形態の物品
全てに対して適用することが難しい。また、化学除染で
は形状にあまり依存しないが、塗料や油などの付着物が
存在する場合には除染効果が小さくなる問題があり、種
々の汚染の形態を有する物品の除染に対して単独で適用
することはやはり難しい。そこで、ブラスト除染と強酸
を用いた化学除染を組合せた除染法があるが、ブラスト
除染で使用する研削材が砂や金属酸化物では除染後の研
削材が放射能で汚染されるため二次廃棄物量が多くなる
と共に、材料表面に残留した研削材を洗浄してから化学
除染を実施する必要があるので工程が増えて処理時間と
コストが余計にかかる。アイスブラストでは二次廃棄物
や洗浄の問題は発生しない代わりに除染効果が小さいと
いう問題が別途発生する。さらに、化学除染で使用する
強酸がフッ酸や塩酸,硝酸であるため除染剤も二次廃棄
物となる。
【0005】強酸化学除染の前にブラスト前処理,ウォ
ータージェットを示した図では、処理の方法が確立され
ておらず、化学除染で使用する強酸がフッ酸や塩酸,硝
酸であるため除染剤も二次廃棄物となる。また、前処理
と強酸除染を全く別個に実施しなければならず、処理に
長時間を要する。
【0006】本発明の目的は、除染対象物の除染に要す
る時間を短縮できる除染方法及び除染装置を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の一つの実施態様は、水中でキャビテーションを発生さ
せるウォータージェットをノズルから除染対象物の水中
に浸漬された部分に噴射し、前記ウォータージェットに
使用した水に化学除染剤を添加して、前記除染対象物の
化学除染を行う。これにより、ウォータージェットの噴
射によって温度が上昇した水を使用して化学除染を行う
ことができる。それにより、化学除染に必要な温度まで
水を昇温するに必要な時間が、ウォータージェットの噴
射によって温度が上昇していない水を昇温する場合より
も短くすることが出来る。
【0008】上記目的を達成するための他の実施態様
は、化学除染液中でキャビテーションを発生させる化学
除染液のウォータージェットをノズルから除染対象物の
除染液中に浸漬された部分に噴射する。それにより、ウ
ォータージェットによる物理除染と化学除染を別々の行
程で行う場合に比べ、除染の時間を短縮することが出来
る。
【0009】上記目的を達成するための他の実施態様
は、槽と、槽内の液中でキャビテーションを発生させる
ウォータージェットを生成させるノズルと、前記ノズル
に前記槽内の液体を供給するポンプと、前記槽に化学除
染剤を注入する装置を有する。
【0010】この実施態様によれば、噴射口からの噴射
によって液体に与えられた運動エネルギーが熱エネルギ
ーとなって、液体の温度が上昇する。これにより、除染
剤を添加する液体の温度が上昇しているので、化学除染
を行う際の昇温の時間を、温度が上昇していない場合よ
りも短縮することが出来る。
【0011】
【発明の実施の形態】(実施例1)本実施例を図1及び
図2を用いて説明する。図1は小型金属部材の除染を実
施する場合の除染装置の系統構成を示している。図2は
除染の手順を示している。除染対象物品2は、除染槽1
の中に設置されている架台3の上に固定される。固定法
としてはバイトで挟んで固定する。また、除染対象物品
2を金属製のかごに入れて、かごを架台3に固定しても
よい。かごを架台3に固定することにより、除染対象物
品2をバイトで固定する必要が無くなるので、取り扱い
が容易となる。
【0012】ウォータージェットを水中で噴射する場
合、水中のジェット流に伴ってキャビテーションが発生
する。このウォータージェットキャビテーションはジェ
ットが直接あたる部位だけでなく、除染対象物品2が複
雑形状をしていてもキャビテーション気泡が隙間に侵入
したり回り込んだりするために除染効果の及ぶ範囲が拡
がるという効果を得ることが出来る。また、水中で除染
対象物に噴射することで、気中で噴射した場合のように
除染対象物からの水滴の飛散がなくなり汚染水の飛散に
よる汚染拡大を抑制することが出来る。
【0013】以下、加工の手順を説明する。まず、除染
槽給水弁29を開いて除染槽1にジェットノズル7が水
没するまで水を張る。この際、ジェットノズル7が20
cm以上水没するようにすると良い。次に、除染槽給水弁
29を閉じ給水ポンプ32を起動して除染槽1の水を冷
却器8で冷却して遮蔽付フィルタ4を介して超高圧ポン
プ5に給水し、超高圧ポンプ5で所定の圧力に昇圧し
て、耐圧ホース6を通してジェットノズル7から噴射さ
れるジェットキャビテーション流を除染対象物品2にあ
てる。ジェットが除染対象物品2の広い範囲に吹き付け
られるようにするためには、ジェットノズル7または除
染対象物品2を動かすための駆動機構を用いればよい。
【0014】ジェットの噴射圧力は、水中でキャビテー
ションを発生させることができれば良く、除染対象物に
よっては10MPaでも良いが物理除染の効果を高める
ために196MPa以上とすれば沸騰水型軽水炉の炉水
に接する環境で生成した酸化皮膜でさえ除去することが
可能となる。超高圧ポンプ5の設定圧力は高くすればす
るほど表面を削り取る効果が大きくなる。しかし、必要
以上に削り取ると除染効果が大きくなる反面、廃棄物量
が多くなると共に超高圧ポンプ5や耐圧ホース6に高い
性能を要求することになり、これに伴いコストも高くな
るので注意する必要がある。このような観点からは29
4MPa以下、好ましくは245MPa以下の圧力が適
当である。
【0015】超高圧ポンプ5への給水温度条件は、水が
凍結しない、即ち、0℃より高く、50℃以下、好まし
くは40℃以下であるため、超高圧ポンプ5の前には冷
却器8を設置している。超高圧ジェットを用いると、そ
の運動エネルギーが熱エネルギーとなるために、除染槽
1内の水温を上昇させることが出来る。即ち、冷却器8
によって超高圧ポンプ5の前の水温は給水温度条件に保
たれるが、除染槽1内の水温は上昇させることが出来
る。この温度上昇により、ウォータージェット除染処理
の次に行う化学除染で行う昇温工程の一部もしくは全て
を省略することが可能となる。これにより、除染工程全
体の所要時間を短縮することができる。
【0016】次に化学除染を行う。物理除染を実施した
後であるから、既に水が張った状態である。水温を計測
し、化学除染に必要な水温(本実施例においては90±
5℃)に達していない場合には循環ポンプ9を用いてヒ
ーター10により必要な水温まで昇温させる。この際、
触媒塔入口弁19は閉じ、バイパス弁20を開いて触媒
塔11はバイパスし、冷却器12も冷却水を流すことな
く、カチオン樹脂塔入口弁21とカチオン樹脂塔出口弁
22を開いてカチオン樹脂塔13に通水循環する。この
とき、混床樹脂塔入口弁23と混床樹脂塔出口弁24を
閉じて混床樹脂塔14は隔離しておく。
【0017】昇温が完了したら除染剤注入ポンプ16を
起動して除染剤注入ライン弁30を開いて化学除染剤タ
ンク15から系統内に除染剤を注入する。除染液として
はシュウ酸やクエン酸等のジカルボン酸を主成分とする
還元除染剤が有効である。本実施例では、シュウ酸0.
2 %を用いる。シュウ酸により除染対象物品2の表面
に残留した放射性核種と隙間に付着していた放射性核種
を溶解して除去する。カチオン樹脂塔13で液中の放射
性核種であるコバルト60,コバルト58,マンガン5
4,鉄59や溶解した鉄やニッケルなどのカチオン成分
がカチオン樹脂に吸着除去される。これにより、除染液
中の放射能濃度が高くなることを防止し、再汚染を抑制
することができる。一方、カチオン交換樹脂塔13には
放射性核種が蓄積するため、遮蔽が施される。除染時間
は除染対象物品2の汚染のレベルや隙間の多さなどの物
理的形状にも依存するが、軽微な汚染で1から3時間、
隙間が多い場合などでは最大10時間程度化学除染を行
う。
【0018】化学除染が終了したら、廃棄物を減らす目
的で除染剤として使用したシュウ酸を触媒塔11を用い
て分解する。触媒塔入口弁19と過酸化水素注入ライン
弁31を開き、過酸化水素タンク17から過酸化水素注
入ポンプ18を用いて過酸化水素をシュウ酸0.2%に
対して等モルである756ppm 以上2倍モル濃度以下と
なるように注入する。2倍モル以上の過酸化水素を注入
すると、触媒で分解される際に、分解ガスの発生量が増
大すると共に過剰な過酸化水素を使用することになる。
望ましくはシュウ酸の1.2から1.5倍のモル濃度とな
る過酸化水素を用いるのがよい。触媒としては白金やル
テニウムのような貴金属を添着した活性炭を使用する。
【0019】シュウ酸の分解が終了したら、カチオン樹
脂塔入口弁21とカチオン樹脂塔出口弁22を閉じてカ
チオン樹脂塔13を隔離し、ヒーター10を停止し冷却
器12に冷却水を通水する。また、混床樹脂塔入口弁2
3と混床樹脂塔出口弁24を開いて混床樹脂塔14への
通水を開始して水の浄化を行い、除染対象物品2の洗浄
を行う。
【0020】液中の放射性核種の濃度が排水基準を満足
するほど十分に低減した後、ドレンライン弁26を開い
てドレンライン25から除染槽1内部の水を排水する。
排水後、除染対象物品2を架台3から取り外して乾燥さ
せ、放射能を測定し搬出基準をクリアしていれば搬出す
る。
【0021】搬出基準をクリアできなかった場合は、図
2に示すように再度化学除染工程に戻して除染を行う。
【0022】また、図2に示すように、ウォータージェ
ット除染後に放射能測定を実施して、搬出基準をクリア
すれば搬出してもよい。これは予め除染対象物品2の形
状が単純で表面汚染であることが明らかな場合に実施す
べきものである。汚染対象物品2が複雑な形状を有し、
ウォータージェット除染のみでは搬出基準をクリアでき
ないことがそれ以前の除染などのデータから明らかな場
合は、ウォータージェット除染後の放射能測定は省略し
てもよい。
【0023】本実施例によれば、物理除染(ウォーター
ジェット除染)を行った系統水を化学除染に用いること
により、昇温時間を短縮することが出来る。それによ
り、除染全体の時間を短縮することが出来る。また、物
理除染及び化学除染に、少なくとも一部の同じ系統水を
用いることにより、同じ系統水を用いない場合に比べ、
除染の際に発生する廃棄物を少なくすることが出来る。
【0024】また、物理除染と化学除染を一つの系統で
実施することにより、物理除染と化学除染の系統を別々
に設ける場合よりも、除染装置に用いるポンプや冷却器
の数を少なくすることができる。
【0025】また、除染対象物品に塗料や油などの放射
性核種以外の付着物があっても物品の分別を実施するこ
となく除染を行うことができる。これにより、塗料や油
などが付着している除染対象物品であっても、高い除染
効果が期待できる。また、水中の超高圧ウォータージェ
ットを用いた物理除染中の入熱により化学除染のための
昇温の少なくとも一部を省略することが可能となる。そ
のため、処理時間の短縮ができる。さらに物理除染によ
り付着物の大部分を除去するため、化学除染で溶解する
金属酸化物の量を、物理除染を行わない場合よりも少な
くすることが出来る。そのため、イオン交換樹脂の使用
量が少なくなり、除染において発生する廃棄物量を低減
することが出来る。 (実施例2)本実施例は、水中にてウォータージェット
を行う際に、除染液をジェットとして用いる実施例であ
る。
【0026】図3に本実施例の系統構成を、図4に作業
フローを示す。
【0027】まず、除染対象物品2を除染槽1内部の架
台3に固定した後、除染槽給水弁29を開いて除染槽1
に除染対象物品2及びジェットノズル7が水没するまで
水を張り、除染剤注入ポンプ16を起動して除染剤注入
ライン弁30を開いて化学除染剤タンク15から除染槽
1内に除染剤を注入する。除染液としては実施例1と同
様にシュウ酸0.2%を用いる。
【0028】除染槽1内の除染液が所定の濃度に調整
後、触媒塔入口弁19を閉じ、バイパス弁20を開き、
触媒塔11をバイパス状態としておく。また、カチオン
樹脂塔入口弁21とカチオン樹脂塔出口弁22を開いて
カチオン樹脂塔13を通水可能状態にする。混床樹脂塔
入口弁23と混床樹脂塔出口弁24を閉じて混床樹脂塔
14を隔離状態にする。
【0029】その後、循環ポンプ9を起動して除染液を
冷却器12,遮蔽付フィルタ4,カチオン樹脂塔13を
通して超高圧ポンプ5に供給し、超高圧ポンプ5を起動
して除染剤を含むジェットを除染対象物品2に向けて噴
射し除染する。このときの噴射圧力は実施例1と同様に
例えば196MPa以上とすればよい。ジェットにより
水温が上昇するため化学的な除染に必要な水温まで水温
を上昇させることが出来る。
【0030】化学的な除染作用が期待できるため本実施
例では実施例1よりも低い噴射圧力で除染が可能であ
る。圧力が低い場合にはジェットの衝突による液温の上
昇が小さいため、化学的な除染作用が生じにくくなるた
め除染剤の濃度、ここではシュウ酸の濃度を1%から5
%まで高める。これにより、温度低下による反応速度低
下の影響を補うことが出来る。これにより、ジェットの
物理的作用と除染剤の化学的作用が相乗効果を示して高
い除染効果を得ることができる。
【0031】除染終了後は超高圧ポンプ5の吐出圧力を
循環に必要な圧力まで下げ、廃棄物を減らす目的で第一
の実施例と同様に除染剤として使用したシュウ酸を触媒
塔入口弁19を開いてヒーター10を用いて昇温し、シ
ュウ酸濃度に応じて、1.2から1.5 倍モル当量の過
酸化水素を過酸化水素注入ライン弁31を開き、過酸化
水素タンク17から過酸化水素注入ポンプ18を用いて
注入しながら触媒塔11を用いて分解する。
【0032】シュウ酸の分解が終了したら、触媒塔入口
弁19,カチオン樹脂塔入口弁21とカチオン樹脂塔出
口弁22を閉じて触媒塔11とカチオン樹脂塔13を隔
離し、ヒーター10を停止する。また、混床樹脂塔入口
弁23と混床樹脂塔出口弁24を開いて混床樹脂塔14
への通水を開始して水の浄化を行いながら除染対象物品
2の洗浄を行う。
【0033】液中の放射性核種の濃度が排水基準を満足
するほど十分に低減した後、超高圧ポンプ5を停止し、
ドレンライン弁26を開いてドレンライン25から排水
して除染槽1内部の水を排水する。排水後、除染対象物
品2を架台3から取り外して乾燥させ、放射能を測定し
搬出基準をクリアしていれば搬出可能となる。
【0034】本実施例によれば、物理除染と化学除染を
重ねて実施することにより、別々の工程でそれぞれを実
施する場合より除染時間を短縮することができる。ま
た、物理除染と化学除染を一つの系統で実施することに
より、物理除染と化学除染の系統を別々に設ける場合よ
りも、除染装置に用いるポンプや冷却器の数を少なくす
ることができる。さらに、物理除染と化学除染を重ねて
実施する際に除染液の温度が上昇するため、化学除染の
際に行う昇温に必要なエネルギーが、物理除染と化学除
染を別々に実施する場合に比べ少なくすることが出来
る。
【0035】また、除染対象物品に塗料や油などの放射
性核種以外の付着物があっても物品の分別を実施するこ
となく除染を行うことができる。これにより、塗料や油
などが付着している除染対象物品であっても、高い除染
効果が期待できる。また、水中の超高圧ウォータージェ
ットを用いた物理除染中の入熱により化学除染のための
昇温の少なくとも一部を省略することが可能となる。そ
のため、処理時間の短縮ができる。 (実施例3)本実施例は、除染槽を2個設け物理除染と
化学除染を別々の除染槽で実施する実施例である。図5
(a)系統において物理除染を行い、除染対象物品を図
5(b)系統に移動させて化学除染を行う。図6に本実
施例の除染手順を示す。本実施例の系統を構成している
各装置は実施例1と同一なのでここでは説明を省略す
る。
【0036】工程を説明する。まず、物理除染工程を実
施する。本工程の手順は実施例1と同じであるのでここ
では説明を省略する。
【0037】物理除染工程終了後、除染対象物品を
(b)系統の除染槽1に移動させた後、化学除染を実施
する。本化学除染では除染剤を再利用するため除染剤の
分解を行わない。化学除染の工程は実施例1と同様なの
でここでは説明を省略する。
【0038】化学除染工程終了後、除染対象物品を洗浄
槽(図示せず)に移動する。ここでは、除染対象物品の
表面の付着している化学除染液をウォータースプレーで
洗浄する。洗浄液は除染液の成分を含むため混床式のイ
オン交換樹脂塔を通水させ、浄化する。その後、洗浄槽
内部の水を排水する。排水後、除染対象物品2を洗浄槽
内で乾燥させ、放射能を測定し搬出基準をクリアしてい
れば搬出する。
【0039】搬出基準をクリアできなかった場合は、図
6に示すように再度化学除染工程に戻して除染を行う。
【0040】本実施例では、除染槽を2個とすること
で、化学除染で使用する除染剤を複数回の化学除染に使
用することが出来る。更に、二回目以降の化学除染にお
いて、それよりも前の回に昇温した除染剤を再び使用す
ることが出来るので、二回目以降の化学除染において除
染液を再び昇温させる場合に比べ、除染終了までの時間
を短縮することが出来る。また、除染液を再使用できる
ので、薬剤を節約することが出来る。そのため、除染に
かかる費用を低減することが出来る。
【0041】なお、化学除染工程において、化学除染液
が二回目以降の使用であって、化学除染を行うに必要な
水温である場合は、昇温を行わなくても良い。また、化
学除染液が二回目以降の使用であって、化学除染液の成
分が化学除染に必要な成分の濃度である場合は、薬剤の
投入を省略することが出来る。
【0042】また、除染対象物品に塗料や油などの放射
性核種以外の付着物があっても物品の分別を実施するこ
となく除染を行うことができる。これにより、塗料や油
などが付着している除染対象物品であっても、高い除染
効果が期待できる。さらに物理除染により付着物の大部
分を除去するため、化学除染で溶解する化学除染剤の量
を、物理除染を行わない場合よりも少なくすることが出
来る。そのため、イオン交換樹脂の使用量が少なくな
り、除染において発生する廃棄物量を低減することが出
来る。 (実施例4)本実施例は、化学除染液でウォータージェ
ット除染を行ったあとの除染対象物品に付着している化
学除染液を、洗浄槽を別に設けて洗浄する実施例であ
る。図7に本実施例の除染手順を示す。
【0043】本実施例の手順を説明する。まず、図3に
示す系統構成によって物理除染兼化学除染を行う。洗浄
の工程は実施例2と同様の手順で行う。ここでは説明を
省略する。
【0044】除染の工程終了後、除染対象物品を洗浄槽
(図示せず)に移動する。ここでは、除染対象物品の表
面の付着している化学除染液をウォータースプレーで洗
浄する。洗浄液は除染液の成分を含むため混床式のイオ
ン交換樹脂塔を通水させ、浄化する。その後、洗浄槽内
部の水を排水する。排水後、除染対象物品2を洗浄槽内
で乾燥させ、放射能を測定し搬出基準をクリアしていれ
ば搬出する。搬出基準をクリアできなかった場合は、図
7に示すように再度物理除染兼化学除染工程に戻して除
染を行う。
【0045】本実施例では、除染に用いる槽とは別に洗
浄槽を別に設けることにより、除染の行程で使用する除
染剤を複数回の化学除染に使用することが出来る。更
に、二回目以降の化学除染において、それよりも前の回
に昇温した除染剤を再び使用することが出来るので、二
回目以降の化学除染において除染液を再び昇温させる場
合に比べ、除染終了までの時間を短縮することが出来
る。また、除染液を再使用できるので、薬剤を節約する
ことが出来る。そのため、除染にかかる費用を低減する
ことが出来る。
【0046】洗浄の工程においては、除染対象物品2の
洗浄を促進するため、洗浄液(水)はワンススルーで用
いると良い。また、イオン交換樹脂を通した水の不純物
濃度が十分に低い場合は、その水を再利用して洗浄を行
っても良い。
【0047】また、除染対象物品に塗料や油などの放射
性核種以外の付着物があっても物品の分別を実施するこ
となく除染を行うことができる。これにより、塗料や油
などが付着している除染対象物品であっても、高い除染
効果が期待できる。また、水中の超高圧ウォータージェ
ットを用いた物理除染中の入熱により化学除染のための
昇温の少なくとも一部を省略することが可能となる。そ
のため、処理時間の短縮ができる。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、除染対象物の除染に要
する時間を短縮できる除染方法及び除染装置を提供する
ことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】除染装置の系統構成の一例を示した図。
【図2】除染工程のフローを示した図。
【図3】物理除染と化学除染を同一の工程で実施する場
合の系統構成の一例を示した図。
【図4】物理除染と化学除染を同一の工程で実施する場
合の除染工程のフローを示した図。
【図5】物理除染と化学除染を別々の除染槽で実施する
場合の系統構成の一例を示した図。
【図6】除染工程のフローを示した図。
【図7】除染工程のフローを示した図。
【符号の説明】
1…除染槽、2…除染対象物品、3…架台、4…遮蔽付
フィルタ、5…超高圧ポンプ、6…耐圧ホース、7…ジ
ェットノズル、8,12…冷却器、9…循環ポンプ、1
0…ヒーター、11…触媒塔、13…カチオン樹脂塔、
14…混床樹脂塔、15…化学除染剤タンク、16…除
染剤注入ポンプ、17…過酸化水素タンク、18…過酸
化水素注入ポンプ、19…触媒塔入口弁、20…バイパ
ス弁、21…カチオン樹脂塔入口弁、22…カチオン樹
脂塔出口弁、23…混床樹脂塔入口弁、24…混床樹脂
塔出口弁、25…ドレンライン、26…ドレンライン
弁、27…給水ライン、28…超高圧ポンプ給水弁、2
9…除染槽給水弁、30…除染剤注入ライン弁、31…
過酸化水素注入ライン弁、32…給水ポンプ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 植竹 直人 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発研究所内 (72)発明者 穴沢 和美 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所原子力事業部内 (72)発明者 会沢 元浩 茨城県日立市幸町三丁目2番1号 日立エ ンジニアリング株式会社内 (72)発明者 坂下 元昭 茨城県日立市幸町三丁目2番1号 日立エ ンジニアリング株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水中でキャビテーションが発生するウォー
    タージェットをノズルから除染対象物の水中に浸漬され
    た部分に噴射し、前記ウォータージェットに使用した水
    に化学除染剤を添加して、前記除染対象物の化学除染を
    行うことを特徴とする除染方法。
  2. 【請求項2】化学除染液中でキャビテーションを発生さ
    せる化学除染液のウォータージェットをノズルから除染
    対象物の除染液中に浸漬された部分に噴射することを特
    徴とする除染方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は2において、前記化学除染液
    による除染は、酸化除染液による除染及び還元除染液に
    よる除染を含むことを特徴とする除染方法。
  4. 【請求項4】請求項1において、前記噴射に用いた槽を
    前記化学除染に用いることを特徴とする除染方法。
  5. 【請求項5】請求項1において、前記噴射に用いた槽と
    異なる槽で前記化学除染を行うことを特徴とする除染方
    法。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5の何れかにおいて、前記除
    染対象物に付着した化学除染液を前記化学除染を行った
    槽と異なる槽で洗浄することを特徴とする除染方法。
  7. 【請求項7】請求項1乃至6の何れかにおいて、前記ウ
    ォータージェットの噴射圧力が10MPa以上,296
    MPa以下であることを特徴とする除染方法。
  8. 【請求項8】請求項3において、前記還元除染剤として
    有機酸を用いることを特徴とする除染方法。
  9. 【請求項9】請求項1乃至8の何れかにおいて、前記ウ
    ォータージェットに送る液体を送り出しているポンプに
    供給されている前記液体の温度が0℃よりも高く50℃
    以下であることを特徴とする除染方法。
  10. 【請求項10】請求項1乃至9の何れかにおいて、前記
    除染対象物は放射性物質で汚染された物であることを特
    徴とする除染方法。
  11. 【請求項11】槽と、槽内の液中でキャビテーションを
    発生させるウォータージェットを生成させるノズルと、
    前記ノズルに前記槽内の液体を供給するポンプと、前記
    槽に化学除染剤を注入する装置を有することを特徴とす
    る除染装置。
  12. 【請求項12】請求項11において、前記槽は、前記槽
    の内部の液体に除染剤を添加して前記液体を化学除染液
    として使用する化学除染管路、管路に設けられた還元除
    染剤分解装置及び脱塩器を有することを特徴とする除染
    装置。
  13. 【請求項13】槽と、槽の内部の化学除染液を槽の内部
    に噴射する噴射口を有する除染装置。
  14. 【請求項14】請求項13において、前記噴射口は、前
    記化学除染液中でキャビテーションを発生させる化学除
    染液のウォータージェットを噴射するノズルであること
    を特徴とする除染装置。
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