JPH10253290A - 熱交換器容器の内部又は原子力蒸気発生器の二次側の内部からスケール、スラッジ或いは沈積物を除去する方法 - Google Patents

熱交換器容器の内部又は原子力蒸気発生器の二次側の内部からスケール、スラッジ或いは沈積物を除去する方法

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JPH10253290A
JPH10253290A JP4358698A JP4358698A JPH10253290A JP H10253290 A JPH10253290 A JP H10253290A JP 4358698 A JP4358698 A JP 4358698A JP 4358698 A JP4358698 A JP 4358698A JP H10253290 A JPH10253290 A JP H10253290A
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マイケル・ダブリュ・ルーサム
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加圧水型原子炉の蒸気発生器の二次側内部に
堆積したスラッジ、スケール等を効率良く管支持板等か
ら引き離して蒸気発生器外へ排出する。 【解決手段】 原子力蒸気発生器の二次側の内部からス
ラッジ、スケール或いは沈積物を除去する方法は、キャ
リア剤と挿入剤とからなる化学洗浄剤を含有する化学洗
浄水溶液で二次側5の内部を満たす工程、二次側5内を
通して化学洗浄水溶液を再循環する一方、同時に圧力パ
ルス発生器39及びノズル41を用いて化学洗浄水溶液
の中へガスの加圧パルスを導入して二次側5からスラッ
ジ、スケール或いは沈積物をゆるめる再循環工程、再循
環工程中に化学洗浄水溶液をフィルタ群57に通してス
ラッジ等を取り除く工程、及び蒸気発生器1の二次側5
から化学洗浄水溶液を廃液タンク61に排出する工程か
らなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】本発明は一般に、蒸気発生システムにお
けるボイラー表面及び熱交換器表面のように水系と接触
する熱交換機器表面からスケール、スラッジ及び他の沈
積物を除去移送するための方法に関する。本発明は、熱
交換器容器への化学洗浄水溶液の導入に関する。その化
学洗浄水溶液は、非腐食性キャリア剤及び/又は非腐食
性挿入剤を含んでいる。本発明は、スラッジ及び腐食生
成物を除去する衝撃波を発生するために、非腐食性化学
洗浄水溶液の中で一連の圧力パルスを発生することに関
する。本発明は、スケール、スラッジ及び他の沈積物を
除去移送するために化学洗浄水溶液の中にそのスケー
ル、スラッジ及び他の沈積物を浸すことに関する。本発
明は、更に、熱交換器容器の内部表面、特に原子力蒸気
発生器の二次側の内部、からスケール、スラッジ、腐食
生成物及び他の沈積物を除去し移送するために化学洗浄
添加剤を含んでいる水の高速噴流を使用する操作に関す
る。前述の浸漬操作に使用される化学洗浄水溶液及び前
述の水噴流に含まれる化学洗浄添加剤は、キャリア剤、
及び/又は挿入剤を含んでいる非腐食性洗浄剤或いはキ
レート剤でよい。本発明は、化学洗浄、圧力パルス洗
浄、スラッジランシング(sludge lancing)、上部管束
水力洗浄(UBHC)及び不活性ガススパージングが引
き続いて行われる管束フラッシュを含む原子力蒸気発生
器洗浄操作において特に有用である。
【0002】
【発明の背景】原子力蒸気発生器の二次側のような熱交
換器容器の内部を洗浄するための圧力パルス法及び化学
法は共に従来技術で知られている。米国特許第4,89
9,697号(フランクリン他)、米国特許第4,92
1,662号(フランクリン他)、米国特許第5,00
6,304号(フランクリン他)、米国特許第5,09
2,280号(フランクリン他)及び米国特許第5,0
92,355号(カドウェル他)は全て、水中に導入さ
れた衝撃波によって原子力蒸気発生器の二次側の熱交換
表面からスラッジ及び漂積物を解放して除去するための
圧力パルス洗浄方法及びその装置を開示している。米国
特許第5,019,329号(フランクリン他)は、圧
力パルス型洗浄操作又は他の衝撃波型洗浄操作において
原子力蒸気発生器の二次側を鉛直方向にフラッシングす
ることによる原子力蒸気発生器の二次側のための改良洗
浄方法を開示している。
【0003】米国特許第5,154,197号(オウル
ド他)は、原子力蒸気発生器の二次側における熱交換器
容器の内部からスラッジ及び腐食生成物を除去するため
の化学的に補助された圧力パルス洗浄方法を開示してい
る。該米国特許は、キレート含有液体洗浄剤の中へ圧力
パルスを導入することを教示している。該米国特許の実
施例において、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDT
A)がキレート剤として示されている。
【0004】原子力蒸気発生器の二次側のような熱交換
器容器の内部を水の高速噴流を用いて洗浄するスラッジ
ランシング方法はまた、従来技術で知られている。米国
特許第4,079,701号(ヒックマン他)、米国特
許第4,276,856号(デント他)及び米国特許第
4,273,076号(ラホダ他)は全て、水の高速噴
流によって原子力蒸気発生器の二次側の熱交換表面から
スラッジ及び漂積物を解放して除去するためのスラッジ
ランシング方法及び装置を示している。米国特許第5,
069,172号(シレイ他)は、スケール、スラッジ
及び他の沈積物の解放された粒子を移動するための往復
吸引装置を組み込んでいる原子力蒸気発生器の二次側の
ための改良スラッジランシング方法を開示している。
【0005】米国特許第5,154,197号(オウル
ド他)は、熱交換器容器へキレート含有液体洗浄剤を導
入するに先立って水の高速噴流を用いたスラッジランシ
ングの使用と洗浄剤中の圧力パルスの生成を教示してい
る。非キレート含有化学剤の使用は、腐食制御を目的と
する従来技術において知られている。米国特許第5,1
94,223号(モウルトン他)及び米国特許第5,3
68,775号(ロッシ他)は、給水及び復水系にそれ
ぞれ非キレート含有化学剤を添加することによって、腐
食を抑制し制御する方法を開示している。しかしなが
ら、前述の洗浄方法の目的及び操作が理解され得る前
に、原子力蒸気発生器の構造及び維持の問題の基本的理
解が必要である。
【0006】原子力蒸気発生器は一般に、原子炉炉心か
らの高温で放射性の水が循環するボウル型の一次側、該
一次側の上に配設され非放射性の水が供給される二次側
及び蒸気発生器の該一次側と二次側との間に置かれ該一
次側と二次側とを熱的には結合するが流体的には隔離す
る多数のU字形熱交換管を含む管板を有し、一次側の放
射能汚染水からの熱が該二次側の非放射性水に伝えら
れ、それにより非放射性水を沸騰せしめて発電用の非放
射性蒸気を発生せしめる。
【0007】そのU字形熱交換管は、該原子力蒸気発生
器の二次側に内蔵されている。各U字形熱交換管は逆様
になっていて、その開放端が管板に支持され、脚部と曲
げ部分が二次側に延出している。鉛直方向に離れた複数
の支持板が、各熱交換管の脚部を水平方向に支持するた
めに二次側に設けられている。U字形熱交換管の脚部
は、この支持板にある穴を通って延びている。小さい環
状空間が、これらの熱交換管とこれらの管が貫通する支
持板及び管板の穴との間に存在する。これらの環状空間
は、当該技術においてクレビス領域として知られてい
る。かかるクレビス領域は、蒸気発生器の二次側を貫い
て循環する給水のために非常に限定された流路のみを提
供する。その結果、これらの領域を通る水の量が減少し
て、乾燥沸騰(dry boiling )として知られる現象を生
ずるが、この現象ではこのクレビス領域内で給水が急速
に沸騰する傾向を有するため、再び周囲の給水の中に浸
されるまでに短時間現実にドライアウトを生ずることが
ある。ドライアウトが常習的に起こると、給水に溶解し
た不純物をこのクレビス領域内で沈着又は沈殿させて蓄
積させる。これらの沈殿物は、究極的には、スケール、
スラッジ、腐食生成物及び他の漂積物を熱交換管の外表
面に発生させ、発生した腐食生成物が長い時間にわたっ
て蓄積し、そこで蒸気発生器の二次側の給水の流れを阻
害したり、蒸気発生器の蒸気出力が著しく低下したりす
るまで熱伝達量を低減する。更に尚、スケール、スラッ
ジ及び他の漂積物があると、熱交換管のクレビス領域及
び熱交換管の自由スパン領域に於いて応力腐食割れを促
進することが知られていて、これはもし停止されなけれ
ば、最後には蒸気発生器の一次側の水がその二次側の水
を放射能汚染させることとなる。このような訳で、スケ
ール、スラッジ及び腐食堆積物が熱伝達ロス及び給水の
放射能汚染を起こすことを防止する保守作業が使用され
ることは極めて重要である。
【0008】このようなスケール及びスラッジ堆積物を
溶解し、そして腐食を改善するために従来技術において
化学洗浄法が開発された。このような方法の一つにおい
て、蒸気発生器は先ず、運転から除外され、そして一次
側及び二次側から完全に水が排出される。次に、クレビ
ス領域内にある腐食生成物及び熱交換管のスケールの大
部分がクレビス領域内或いは熱交換管の表面に堅くへば
りついた鉄酸化物及び銅であるので、キレートを含有し
た鉄溶剤及び銅溶剤が不純物を溶解して除去するために
蒸気発生器の内部に連続的に導入される。そのような鉄
除去溶剤は、代表的には、エチレンジアミンテトラ酢酸
(以下EDTAという。)、ヒドラジン、水酸化アンモ
ニウム、及び蒸気発生器の金属表面とEDTAとの間の
腐食反応を遅らせる抑制剤の混合液を含んでいる。銅溶
剤は同様に、EDTAと水酸化アンモニウムの混合液を
含み、更に過酸化水素及びエチレンジアミン(EDA)
を含んでいる。前述の米国特許第5,154,197号
(オウルド他)の従来技術の化学洗浄法は、少なくとも
鉄溶剤リンスが続いて行われる少なくとも1回のキレー
ト含有鉄溶剤浴の導入を開示しており、その鉄溶剤リン
スには又、引き続いて少なくとも1回のキレート含有銅
溶剤浴と少なくとも1回の銅溶剤リンスが行われる。鉄
溶剤及び銅溶剤は、共にキレート剤としてEDTAを含
んでいる。キレートを含有する鉄溶剤及び銅溶剤の全て
の残渣の痕跡を除去するために、鉄リンス及び銅リンス
が行われる。
【0009】かかる鉄溶剤及び銅溶剤は、該蒸気発生器
の二次側の内部から鉄酸化物及び銅の沈積物を除去する
のに効果があることが実証されたが、それらは又、抑制
剤を使用しているにも拘らず、蒸気発生器の内部の、特
に蒸気発生器の炭素鋼部材及び低級合金鋼部材との間で
の新しい(別の)腐食を促進する能力を有する。これら
の腐食効果を最小にするために、鉄溶剤及び銅溶剤は典
型的には、低濃度の活性キレート成分を有する。しかし
ながら、低濃度剤の使用は、洗浄剤が作用するのに要す
る時間を増大し、そして二次側の内部を多数回のリンス
サイクルを伴う溶剤浴に多数回晒すことをしばしば必要
とする。
【0010】腐食を抑制する方法において使用するため
に、非キレート含有剤が前述の米国特許第5,194,
223号(モウルトン他)及び米国特許第5,368,
775号(ロッシ他)によって開示されている。しかし
ながら、米国特許第5,194,223号及び米国特許
第5,368,775号のいずれも、熱交換器容器の内
部表面から、スケール、スラッジ及び他の沈積物を解放
し、除去する方法を何も教示していないし示唆してもい
ない。
【0011】スケール、スラッジ及び他の沈積物を解放
し、除去するために用いられる従来技術の化学的操作に
関連した他の欠点は、蒸気発生器の二次側の数多くのク
レビス領域の全てから、堅くへばりついた鉄酸化物及び
銅の不純物を除去するにはかかる操作が完全に効果があ
るというものではないという事実である。この効果がな
いことの一部は、小さい空間に堅く詰まった不純物がそ
こに浸透し、かかる不純物の表面の大きな範囲で接触さ
せる十分な機会を化学溶液に与えないという事実に起因
している。スケール、スラッジ及び他の沈積物の不溶性
成分が、洗浄作用中これらの堅くへばりついた沈積物の
表面に残渣として集積し、沈積物の表面を越えて化学溶
液が浸透するのを妨害し、これによりクレビス領域内の
沈積物の溶解を停止し、或いは少なくとも大幅に減少す
ると信じられている。
【0012】蒸気発生器の二次側内部のこのような小さ
い空間内のスケール及びスラッジの処理し難い沈積物を
機械的に解放し除去するために従来技術において、圧力
パルス洗浄法が又開発された。圧力パルス操作の実施に
おいて、蒸気発生器は停止され、系統から隔離され、内
部水が排出される。次いで、十分な脱塩水が二次側に導
入されて、管板及び二次側に設けられた熱交換管の束を
完全に水中に没しさせる。蒸気発生器が満たされつつあ
る間に、不活性ガスの圧力パルスが蒸気発生器の管板の
近くでその脱塩水の中に連続して導入される。ガスの圧
力パルスは、二次側の脱塩水の中に爆発的な衝撃波を発
生し、この衝撃波は水中に沈んだ全ての熱交換器部品に
衝突し、熱交換管、管支持板及び管板の表面並びに二次
側のクレビス領域内に存在するスラッジ及び沈積物を弛
緩させ、解放し、流動化さえもする。解放され、流動化
されたスラッジ及び沈積物は、圧力パルス操作の間フィ
ルタを通し、そしてオプションとして脱イオン器を通し
て再循環させることにより脱塩水から除去される。好ま
しくは、漂積物除去の衝撃波のパルスは、再循環工程の
間ばかりでなく、脱塩水が二次側に導入されるとき及び
二次側から排出される時にも連続して脱塩水の中に導入
される。
【0013】圧力パルス操作は、蒸気発生器の二次側内
の金属表面に新しく望ましくない腐食を発生しないの
で、それは当該技術における大きな進歩を表しており、
原子力発電産業において化学法の代替として急速に受け
入れられている。しかしながら、圧力パルス洗浄は、か
かる蒸気発生器の二次側の多くに存在する大量のスラッ
ジ及び沈積物を除去できるけれども、蒸気発生器のクレ
ビス領域の中に蓄積された堅くへばりついた沈積物の全
てを除去するには稀にしか効果が無い。
【0014】蒸気発生器の二次側の内部においてスラッ
ジ、スケール或いは沈積物の大量の蓄積物を解放するた
めに、従来技術においてスラッジランシング法が又開発
された。スラッジランシング操作は、蒸気発生器の内部
に蓄積したスラッジ、スケール、又は沈積物を弛緩し除
去する為に脱塩水の高速噴流を使用する。スラッジラン
シングは、蒸気発生器の管板領域及び支持板領域の上面
で行われる。スラッジランシング操作は、化学洗浄や圧
力パルス洗浄のような熱交換器容器洗浄を引き続いて行
うに先立って使用されることもある。これらの大量蓄積
のスラッジ等の弛緩は、引き続く洗浄操作において化学
洗浄剤とのより効果的且つ効率的な反応を考慮してい
る。大量の蓄積スラッジ等は、もし弛緩され解放されて
いなければ、引き続いて行われる化学洗浄操作又は圧力
パルス洗浄操作において使用される化学剤の浸透作用及
び洗浄作用に対する曝露からクレビス領域を隔離する。
更に、大量の蓄積物が解放されて、次の洗浄操作に使用
される化学剤の能力が、スラッジランシングによって相
対的に容易且つ迅速に除去され得るスケール、スラッジ
及び沈積物に不必要に浪費されることがない。スラッジ
ランシングは又、化学洗浄操作又は圧力パルス操作に続
いて容液から管板の上に沈積した堆積物を取り除くため
に使用されることもある。
【0015】加えて、上部管束水力洗浄(以下UBHC
という。)が、蒸気発生器の二次側の上部管束領域にお
ける大量蓄積のスラッジ、スケール、或いは沈積物を解
放除去するために従来技術において開発された。UBH
C操作は、蒸気発生器の二次側の上部管束領域内に蓄積
されたスラッジ、スケール及び沈積物を弛緩し、除去す
るために水の高速噴流を使用し、そしてそのスラッジ、
スケール及び沈積物を蒸気発生器の下部域に流し出す。
従来技術において開発されたUBHCは、蒸気発生器の
長期間ケアと寿命延長のための定期的な保守工具として
意図されていた。UBHC操作は、蒸気発生器の上部管
束領域の閉塞や熱伝達ロスを起こすことのある沈積物を
弛緩し、除去するために用いられる。更にUBHCは、
蒸気発生器の内部部材の腐食を誘起する能力のある汚染
物質を弛緩し除去する。UBHCは、蒸気発生器の内部
において管支持板の上下で実施され得る。UBHCは、
化学洗浄や圧力パルス洗浄のような後続の熱交換器容器
洗浄の実施に先立って行われることもある。UBHCに
続いて、スラッジランシングが又、管板から弛緩され解
放された漂積物を完全に清浄にするために使用される。
【0016】前述の米国特許第5,154,197号
(オウルド他)に提案されているように、キレート含有
洗浄溶液内で衝撃波を発生させることにより化学洗浄法
と圧力パルス洗浄法を一つの操作において結合する為の
努力が為されてきた。しかしながら、向上された作用性
と小さい腐食傾向を有する更に好ましい化学溶液を見い
だすために改良洗浄方法がなお追究されている。
【0017】はっきり言って、求められているものは、
既知の化学洗浄、圧力パルス洗浄、スラッジランシング
技術及びUBHC技術に関連している全ての利点を維持
し、そしてそれらに関連した欠点及び不利益点を回避し
ている改良操作である。理想的には、かかる操作はより
迅速であり且つ大量の液体放射性廃棄物を発生しない。
このような操作は、化学剤が蒸気発生器の内部で別の腐
食を促進する可能性を減じていれば更に好ましい。
【0018】
【発明の概要】本発明の目的は、熱交換器容器の内部、
特に原子力蒸気発生器の二次側の内部、からスケール、
スラッジ或いは他の沈積物及び漂積物を弛緩し除去する
ための改良方法を提供することである。概略的に言っ
て、本発明は、従来技術に関連した欠点のあるものを除
去し或いは少なくとも改善する、原子力蒸気発生器の二
次側の内部のような熱交換器容器の内部からスケール、
スラッジ、腐食生成物及び他の沈積物を化学的に除去す
る改良方法である。本発明の実施形態は、原子力蒸気発
生器の二次側でありうるが、熱交換器容器の内部に該二
次側の内部のスラッジ、スケール、及び沈積物の除去を
促進すべくキャリア剤と挿入剤の水溶液を導入する工
程、そしてその水溶液と解放されたスラッジ、スケール
及び沈積物とを取り除く工程を有する。
【0019】本発明の第2の実施形態において、該方法
はキャリア剤と挿入剤の化学洗浄水溶液を熱交換器容器
の内部に導入する工程、原子力蒸気発生器の二次側の内
部に満たされたキャリア剤と挿入剤の化学洗浄水溶液の
中で一連の圧力パルスを発生してスケール、スラッジ及
び他の沈積物を解放する衝撃波及び変位を該溶液中に生
じさせる工程及びその化学洗浄剤と解放された漂積物を
そこから除去する工程を有する。
【0020】本発明の他の実施形態において、該方法は
一般的に、熱交換器を洗浄するための水の高速噴流に化
学洗浄水溶液を導入することを含んでいる。本発明のな
お他の実施形態において、化学洗浄水溶液は熱交換器容
器の内部に導入され、そしてスケール、スラッジ又は沈
積物の粒子がその一体性を失って水の高速噴流によって
容易に解放され或いは除去されるようになるに十分な期
間、その熱交換器容器の中にその化学洗浄水溶液が留め
られる。
【0021】更に、本発明の方法において、キャリア剤
及び/又は挿入剤を有する新型の化学洗浄剤及び溶液
は、従来のキレート溶液に関連している多くの洗浄及び
リンスのサイクルを使用せずに、そして他の従来技術の
方法に関連している新しい(別の)腐食及び廃棄物処理
業務を伴なわないで、原子力蒸気発生器からのスラッジ
及び沈積物の弛緩除去を増進する。加えて、これら新型
の化学洗浄溶液は、フェライト材料に対して不動な領域
において低い温度PHを有し、このため原子力蒸気発生
器の二次側内部において二次的腐食作用を実質的に無く
す。更には、本発明の方法において、使用される化学洗
浄溶液は蒸気で揮発する性質を有し、このため原子力蒸
気発生器の運転中に分解し、これにより洗浄操作の完了
後に無意識的に残された化学洗浄剤の残滓のための配慮
を不必要にする。
【0022】本発明の一実施形態において、化学洗浄水
溶液は、1〜10個の炭素原子、或いは1〜6個の炭素
原子を有する低級アリキルアミン、1〜10個の炭素原
子、或いは1〜6個の炭素原子を有する低級アルカノー
ルアミン、1〜10個のアルコキシ炭素原子及びアルキ
ル炭素原子、或いは1〜6個のアルコキシ炭素原子及び
アルキル炭素原子を有するアルコキシアルキルアミン及
び好ましくは環式ジイミンである環式イミンからなる群
の少なくとも一つから形成される。本発明の実施形態に
おいて、化学洗浄水溶液は、原子力蒸気発生器の二次側
内のクレビス領域内への、特に蓄積されたスラッジ及び
沈積物質床内への化学溶液及び活性剤の浸透を促進する
ための非腐食性の低級アルキルC1−C6アミン、非腐食
性の低級ヒドロキシアルキルC1−C6アミン、或いは非
腐食性の低級C1−C6アルコキシC1−C6アルキル(即
ちキャリア剤)の一つ、及び/又は原子力蒸気発生器内
から除去するための挿入或いはスケール、スラッジ及び
他の沈積物の少なくとも解放を促進するための非腐食性
の環式ジイミン(即ち挿入剤)の結合体から形成され
る。これらの化学洗浄剤の使用は、化学洗浄水溶液が更
に蒸気発生器内部に望ましくないいかなる腐食を誘起す
る機会を最小化する。本発明の実施形態において、キャ
リア剤は、ジメチルアミン、エチルアミン、1,2-ジアミ
ノエタン、ジアミノプロパン、エタノールアミン、2-メ
チル-2-アミノ-1-プロパノール、5-アミノペンタノー
ル、及び3-メトキシプロピルアミン等の群の少なくとも
一つから形成される。本発明の実施形態において、挿入
剤は、1,10-フェナントロリン、2,9-ジメチル-1,10-フ
ェナントロリン、4,7-ジメチル-1,10-フェナントロリ
ン、2,2'-ビピリジン、4,4'-ビピリジン、及びターピ
リジンの群の少なくとも一つから形成される。更に、本
発明の実施形態において、溶液の水成分内の化学洗浄剤
の濃度は、約0.5重量%より低く維持される。本発明
の他の実施形態において、溶液の水成分内の化学洗浄剤
の濃度は、約0.1重量%より低く、或いは約0.00
01重量%と約0.1重量%との間の濃度、或いはスケ
ール、スラッジ及び他の沈積物を効果的に除去する為に
適切な濃度に維持される。
【0023】
【発明の好適な実施形態の詳細な説明】図1及び図2を
参照するに、本発明の方法は、熱交換器容器の内部、特
に原子力蒸気発生器1の内部、に蓄積したスラッジ、ス
ケール及び他の沈積物を化学的に弛緩し、そして解放す
るに有用である。かかる蒸気発生器1は、その底部にあ
るボウル形の一次側3と、管板7によって流体的に隔離
され中間部分にある円筒形の二次側5とを有する。熱は
多数の熱交換管9を通して一次側3から二次側5に伝達
されるが、各熱交換管9は逆U字の形状をしている。熱
交換管9は、それぞれ管板7の穴に支持された入口端1
1と出口端12を有する。区画板14は、ボウル形の一
次側3を当該技術においてチャンネルヘッド16a,1
6bとして知られている2個の放物面形状水室に分割し
ている。全ての熱交換管9の入口端11は、右側のチャ
ンネルヘッド16aに連通し、一方全ての熱交換管9の
出口端12は、左側のチャンネルヘッド16bに連通し
ている。マンホール18a,18bは、それぞれチャン
ネルヘッド16a,16bへのアクセスを可能としてい
る。二次側5において、非放射性純水を受け入れてU字
形熱交換管9の管束をその中に浸漬するために給水入口
20が設けられている。これらの熱交換管9の上方に蒸
気乾燥装置22が設けられていて、これは蒸気発生器1
によって発生された水蒸気に伴流された湿分を捕獲して
その熱交換管9を浸漬している給水に戻す。蒸気発生器
1の最上部にある出口24は、発電機(図示しない。)
に連結されたタービン(図示しない。)の動翼へ乾き蒸
気を導く。最後に、多数の鉛直方向に間隔を置いた支持
板26が蒸気発生器1の二次側5の長手方向に沿って配
設されて、U字形熱交換管9の脚部を横方向に支持して
いる。図3及び図4に最も良く示されているように、こ
れらの支持板26の各々は、そこを通って熱交換管9が
延びる複数の穴28を有している。
【0024】運転時において、原子炉炉心(図示しな
い。)からの高温の放射性水がチャンネルヘッド16a
に受け入れられ、そこから各熱交換管9の入口端11の
中へ上向きに流れ込む。この高温水は、各熱交換管9の
入口側脚部(当該技術においてホットレグとして知られ
ている。)を貫いて上方へ流れ、各熱交換管9の曲げ部
を流れ続け、そしてそこから出口側脚部(当該技術にお
いてコールドレグとして知られる。)を流れ下り、そし
て熱交換管9の出口端12を通って出口側チャンネルヘ
ッド16bへ流出し、最終的に原子炉の炉心へ再循環さ
れる。
【0025】一次側3からの放射性高温水は、熱交換管
9の壁を通して、そしてその熱交換管9を取り囲む非放
射性の水へ大量の熱を移送する。これは非放射性水を沸
騰せしめて蒸気を発生するが、この蒸気は最終的に発電
のために出口24から導出される。
【0026】スケール、スラッジ、腐食生成物及び他の
沈積物及び漂積物が蒸気発生器1のクレビス領域に蓄積
される仕方は、図3及び図4を参照して最も良く理解さ
れる。熱交換管9と支持板26の穴28との間に狭い環
状空間30がある。この環状空間30は、蒸気発生器1
の運転中これらの熱交換管9の回りを循環する一定の状
態にある非放射性水のための相対的に限定された流路を
提供する。結果として限定された循環は、熱交換管9を
再包囲することのできる周囲の水よりも早く水がその空
間から蒸発して出るようにする。この“乾燥沸騰”の結
果、二次側5の水の中に存在した不純物はいずれも、こ
の狭い環状空間30の表面上に沈着し即ち凝出し、スケ
ール、スラッジ、腐食生成物及び他の漂積物の堆積物を
形成する。このスラッジと漂積物が蓄積するにつれて、
環状空間30を通る循環が更に遅らされ、これはこの領
域における尚一層のスラッジ及び漂積物32の蓄積を加
速する。最終的に、スラッジ及び漂積物32は、環状空
間30を完全に満たすことになる。更に、スケール、ス
ラッジ、腐食生成物及び他の漂積物は、支持板26の間
の部分の熱交換管9の自由スパン領域にも又蓄積され
る。化学分析は、スラッジ及び漂積物32の主要成分
が、マグネタイト(Fe3O4)、純銅及び酸化銅を含んでい
ることを示している。このようなスラッジ及び漂積物の
蓄積は、支持板26の近傍の熱交換管9の外壁における
腐食の発生を促進し、それは又これらの熱交換管9にク
ラックを発生させ、これにより二次側5の非放射性水を
蒸気発生器1の一次側3からの放射性高温水によって汚
染する。同じ破壊的現象が又、管板7の穴とこれらの穴
を通る熱交換管9の外壁との間の環状空間(図示しな
い。)内で生ずる。本発明の化学洗浄方法の目的の一つ
は、そのようなスケール、スラッジ及び漂積物32を環
状空間30のようなクレビス領域から、スラッジが始め
たかもしれない腐食の生成物の全てと共に除去すること
である。この目的のために、本発明の方法は、非腐食性
の化学洗浄溶液でフラッシング及びリンシングをするこ
とを少なくとも含み、そしてその非腐食性の化学洗浄液
の中で圧力パルスを発生することを又含み、そこにおい
て、化学洗浄溶液は、低級アルキルアミン、低級ヒドロ
キシアルキルアミン及び環式ジアミンからなる群の少な
くとも一つから形成され、かかるスケール、スラッジ及
び漂積物32を弛緩し解放するために蒸気発生器1の二
次側5に導入された水溶液を含んでいる。
【0027】図2は、本発明の化学洗浄方法を実施する
モードを示しており、ここで圧力パルス発生器と化学再
循環系が蒸気発生器1の低い位置にあるハンドホール3
5a,35bと高い位置にあるマンホール37の中に取
り付けられる。更に詳しく言えば、ガスの加圧パルスを
放出するためのノズル41を有する圧力パルス発生器3
9が下側ハンドホール35a,35bのそれぞれの中に
取り外し自在に固定される。加圧ガス源43、これは窒
素ガス、又は空気又は他の不活性ガスの圧力容器であり
うるが、は、圧力パルス発生器39のそれぞれに連結さ
れ、同様に圧力パルス発生器39を間欠的に作動してノ
ズル41を通して定量の加圧ガスを放出するパルス制御
器45が連結されている。他の方法において、圧力パル
ス発生器39は、コネチカット州ノオウォークにあるボ
ルト テクノロジー会社( BoltTechnology Inc.)が製
造するPAR型エアガンであり、パルス制御器45は、
同じ会社で製造されるFC100型制御器である。更に
は、ノズル41は水平方向を向いて図式的に示されてい
るが、ノズル41の開放端の近くの熱交換管9に作用さ
れるガスのパルスによって衝撃波が発生する瞬間力を最
小にするために管板7の上面に対して30°の角度で傾
斜させても良い。本発明の一方法において、圧力パルス
発生器39の放出筒は、1229立方センチ(75立方
インチ)と1638.7立方センチ(100立方イン
チ)の間の加圧ガスを入れる容積がある。
【0028】図2及び図5を参照するに、本発明の方法
の実施を遂行する再循環系47は、一般に液体化学剤を
貯え、必要なときにこれを選択的に加熱するホールドタ
ンク49を有する。しかしながら、本発明の液体化学洗
浄剤は、蒸気発生器1の二次側5を循環されて、大気温
度で効果的に作用する。二次側5内へ及びそこから外へ
その化学洗浄剤を循環するために必要な圧力差を発生さ
せる循環ポンプ51及び蒸気発生器1のハンドホール3
5a,35b及び上側マンホール37を通して液体化学
剤を導入するための3本の導入管53a,53b,53
cがある。更に液体化学剤を二次系5の内部から除去す
るための一対の導出管55a,55b,二次側5から取
り出された液体化学洗浄剤内に伴流している未溶解のス
ケール、スラッジ及び漂積物を除去するためのフィルタ
群57,化学剤を、同様に本方法では必要とされないが
要望された時にリンス剤及び不動態化剤をも、ホールド
タンク49へ供給する供給タンク59及びホールドタン
ク49から以前に使用された溶液を集める廃液タンク6
1が含まれる。加えて、未溶解のイオン種が蒸気発生器
1の二次側5に再び入って新しいスケール、スラッジ及
び沈積物を生ずる機会がないように再循環に先立って水
溶液から未溶解のイオン種を除去するためにフィルタ系
の下流のどこかに、脱塩床86(鎖線で示す。)の中に
イオン交換樹脂を満たしたイオン交換塔を再循環系47
がオプションとして有することがある。しかしながら、
再循環溶液のイオン交換浄化は、処理すべきより大量の
廃棄物を生ずることになる。
【0029】図5は、再循環系47をより詳細に示して
いる。特に、導出管55a,55bは単一の入口管62
に収束し、これは一方ダイヤフラムポンプ63に接続し
ている。導出管55a,55bを通って引き出される液
体化学剤が、ダイヤフラム型ポンプによっては容易に処
理されるが、遠心ポンプや容積式ポンプを損傷或いは破
壊し得る大粒子の伴流スラッジ及び漂積物を含んでいる
ため、ダイヤフラム型ポンプ63は本発明の方法におい
て、再循環系47のこの箇所で使用されている。ダイヤ
フラムポンプ63の出口は、導管64によってトランキ
ライザ65に連結されている。トランキライザ65の設
置目的は、トランキライザ65の下流側に位置する流量
計67が導管64を通る液体化学剤の流量を信頼性良く
指示するようにダイヤフラムポンプ63によって起こさ
れた液体化学剤の脈動を沈静することである。流量計6
7の下流にサージタンク69が設けられている。サージ
タンク69の設置目的は、ダイヤフラムポンプ63によ
って生成された液体化学剤の流れを蓄えてそれを循環ポ
ンプ71の入口にスムーズに供給することである。循環
ポンプ71は一方、フィルタ群57を通して流すために
再循環化学剤に十分な圧力ヘッドを発生させるが、フィ
ルタ群57はサイクロンセパレータ75,バグフィルタ
77及びカートリッジフィルタ79を有している。液体
化学剤がフィルタ群57に入ると、その化学剤中に浮遊
していたスケール、スラッジ及び他の漂積物の大部分
は、サイクロンセパレータ75を貫流するときにその化
学剤から遠心力によって放り出される。ミクロンカート
リッジフィルタ79に直列的に連絡された3個のミクロ
ンバグフィルタ77の一つがサイクロンセパレータ75
の下流側に位置している。これらのフィルタ77,79
は、サイクロンセパレータ75を通過した後の化学剤中
になお浮遊しているかもしれない小さい粒状物質を除去
する。
【0030】導管80は、フィルタ群57を前述のホー
ルドタンク49に連結する。図5に図式的に示されてい
るように、ホールドタンク49は、再循環する化学剤を
所望の温度まで選択的に加熱するコイルヒーターを少な
くとも一つ有している。前に示したように、ホールドタ
ンク49は導管81によって化学剤供給タンク59に連
結されている。供給タンク59の内容物をホールドタン
ク49へ移送するために必要な圧力差を発生するため
に、ポンプ82が導管81に設けられている。更にバル
ブ83が導管81に設けられて、ホールドタンク49へ
入る新鮮な化学洗浄剤又はリンス剤の流量を調整する。
廃液タンク61が導管84によってホールドタンク49
に連結されている。もし廃液タンク61の液面がホール
ドタンク49の液面より低くできれば、ホールドタンク
49の内容物が廃液タンク61へ排出されるので導管8
4にポンプは必要無い。そのような排水の量を制御する
ために導管84にバルブ85が設けられている。廃液タ
ンク61の目的は、ホールドタンク49から使用済み化
学剤又は他の剤を除去することで、適切に排出されると
きまでこれらの剤を一時的に滞留させておくことであ
る。最後に、ホールドタンク49は、導出管89によっ
て前述の再循環ポンプ51に連通している。再循環ポン
プ51の出口は又、出口管90に接続され、これは他の
流量計92を介してパルス発生器の導入管53a,53
b,53cに連通している。供給タンク59とホールド
タンク49はそれぞれが単一のタンクとして図示されて
いるが、実際には本発明の方法において使用される種々
の化学剤を別々に収容する2以上のタンクからそれぞれ
構成されることもある。
【0031】蒸気発生器1の状態に応じて、スラッジラ
ンシング操作及び/又は上部管束水力洗浄(UBHC)
操作が、化学洗浄操作或いは圧力パルス洗浄操作に先立
ち及び/又は後続して行われる。もし堆積物が数インチ
の厚さであれば、管板7と支持板26を覆って蓄積して
いるスラッジの滞積を取り除くためにスラッジランシン
グが用いられる。蒸気発生器1の上部管束内に蓄積して
いるスラッジの固着していない滞積を取り除くためにU
BHCが行われる。従来技術において知られているスラ
ッジランシング技術及びUBHC技術は、これらの蓄積
物を解放して流し出すために水の高速噴流を使用するこ
とを含んでいる。本発明の実施において、スラッジラン
シング及び/又はUBHCは、水の高速噴流中に化学洗
浄添加剤を使用して行われる。化学洗浄添加剤は、化学
洗浄溶液(限定されないが例えば、エチレンジアミンテ
トラ酢酸(EDTA),ヒドラジン、水酸化アンモニウ
ム、エチレンジアミン(EDA)、ニトリロトリ酢酸、
或いは過酸化ヒドラジン)の群から選択される。
【0032】スラッジランシング操作又はUBHC操作
の間に使用される化学洗浄添加剤は又、キャリア剤及び
/又は挿入材を含む化学洗浄剤を含有している非腐食性
の化学洗浄水溶液で良い。キャリア剤(即ち、短鎖脂肪
族アミン)は、低級アルキルアミン、C1−C6アルキル
アミン、低級アルカノールアミン、C1−C6アルカノー
ルアミン、及び低級アルコキシルアミン、C1−C6アル
コキシC1−C6アルキルアミン、及びそれらの結合体及
び誘導体の群の少なくとも一つの合成物を含んでいる。
挿入剤は、環式ジイミンの群の少なくとも一つの化合物
を含んでいる。本発明の実施形態において、化学洗浄水
溶液は、少なくとも一つのキャリア剤と少なくとも一つ
の挿入剤とを含んでいる。化学洗浄水溶液中の化学洗浄
剤の濃度は、少なくとも0.5重量%より小さく、又は
0.1重量%より小さく、又は0.0001重量%と
0.01重量%の間にあり、又は0.0005重量%と
0.05重量%の間にある。
【0033】本発明の方法におけるキャリア剤としての
使用に適当な低級アルキルアミンの例は、ジメチルアミ
ン(DMA)、エチルアミン、1,2-ジアミノエタン(D
AE)及びジアミノプロパン(DAP)である。本発明
の方法においてキャリア剤としての使用に適当な低級ア
ルカノールアミンの例は、エタノールアミン、2-メチル
-2-アミノ-1-プロパノール(AMP)及び5-アミノペン
タノール(5-AP)を含んでいる。本発明の方法におい
てキャリア剤としての使用に適当な低級アルコキシアル
キルアミンの例は、3-メトキシプロピルアミン(MP
A)である。本発明の方法におけるキャリア剤としての
使用できる他の短鎖アミンは、前述の例から明らかであ
ろう。
【0034】本発明の方法における挿入剤としての使用
に適当な環式ジアミンの例は、1,10-フェナントロリ
ン、2,9-ジメチル-1,10-フェナントロリン、4,7-ジメチ
ル-1,10-フェナントロリン、2,2'-ビピリジン、4,4'-ビ
ピリジン、及びターピリジンである。本発明の方法にお
ける挿入剤としての使用できる他の短鎖イミンは、前述
の例から明らかであろう。
【0035】前述の非腐食性キャリア剤及び挿入剤の群
の1以上を含有する化学洗浄水溶液が本発明の方法にお
いて使用され得るが、その低級アルキルアミンの少なく
とも一つ、そのヒドロキシ誘導体又はアルコキシ誘導体
及び/又はその環式ジイミンの少なくとも一つの混合体
も本発明の方法の実行に使用され得る。これらの化合物
の弛緩作用の増進原理は完全には理解されていないが、
前述の非腐食性、高水溶性での強塩基性の低級アルキル
アミン、低級アルカノールアミン、及び/又は低級アル
コキシアルキルアミン(キャリア剤)は、小さい分子寸
法と高流動性を有し、これらの特性がキャリア剤をして
熱交換器表面のスラッジ及び漂積物の沈積マトリックス
を浸透せしめ、そのスラッジ及び漂積物を弛緩し即ち解
放すると信じられている。更に、これらの小さい分子
は、非腐食性且つ強塩基性で大きい分子の環式ジイミン
(挿入剤)のキャリア剤として作用すると信じられてい
る。環式ジイミン分子は、挿入として知られる作用によ
りスケール、スラッジ及び漂積物マトリックス内の結晶
結合長を分断する能力がある。挿入作用は、結晶構造へ
の分子の挿入からなっている。分子の挿入が結晶構造の
結合長を変えさせる。例えば、本発明の実施において、
環式ジイミン(挿入剤)は、スケール及びスラッジの中
に含まれる珪酸化合物と反応する。珪酸化合物の結晶構
造への環式ジイミンの挿入は、珪酸塩結晶の結合長を変
化せしめる。結合長の変化は亀裂分離を生じ、そしてス
ケール及びスラッジのマトリックスに割れを生じ、これ
によりスケール、スラッジ、及び漂積物を熱交換器表面
から緩ませて化学洗浄水溶液内へ解放する。このよう
に、一緒に使用されて、小さい分子はスケール、スラッ
ジ、及び漂積物のマトリックスに浸透し、大きい分子を
してスケール、スラッジ、及び漂積物側に持ち込み、そ
こで挿入が熱交換器容器の内部の表面へのスケール、ス
ラッジ、及び沈積物の結合を緩めるために使用される。
挿入剤は、スケール、スラッジ、及び沈積物の中にある
水熱鉱物の幾つかの結合長を成長させることによってス
ケール、スラッジ、及び沈積物を分断し、これはスケー
ル、スラッジ、及び沈積物をして一体性を緩めさせ、よ
り容易に解放され除去されやすくすると考えられてい
る。更に有利なことには、化学洗浄剤は、フェライト材
料に対し不動態である領域において低い温度pHを有
し、従って原子力蒸気発生器の二次側の内部における二
次的な腐食作用を実質的に無くしている。しかも、本発
明の実施に使用されるこれらの化学洗浄剤は、蒸気で揮
発する性質を有して、原子力蒸気発生器の運転中におい
て分解し、該操作の終了後に無意識的に残された化学洗
浄剤の残渣のための配慮を不必要にする。
【0036】キャリア剤及び挿入剤の化学反応は、従来
技術の化学洗浄剤の化学反応とは区別することができ
る。前述の米国特許第5,154,197号(オウルド
他)は、EDTA含有の鉄溶媒及び銅溶媒のようなキレ
ート含有洗浄溶液の使用を教示している。EDTAキレ
ートは、スケール及びスラッジの中での鉄及び銅のよう
な金属の酸化物と反応する。この反応は金属酸化物の溶
解をもたらす。キャリア剤及び挿入剤は溶解反応を起こ
さず、むしろスケール及びスラッジを緩めて解放する。
キレート剤であるEDTAは、本発明の実施例で使用さ
れた化学洗浄剤のようには、スラッジ及びスケールのマ
トリックス内に含まれる珪酸化合物とは反応しない。こ
れらのキレート含有溶媒は、十分な量のスラッジ及び沈
積物が鉄溶媒及び銅溶媒に溶け込むまでの時間の間、熱
交換器容器内に導入されている。それから、溶解した鉄
化合物及び銅化合物を含んでいる溶媒が取り除かれる。
本発明のキャリア剤及び挿入剤とは異なり、キレートは
原子力蒸気発生器の材料に対し腐食性がある。
【0037】本発明の他の実施形態において、スラッジ
ランシング操作及び/又はUBHC操作に先立って化学
洗浄水溶液が原子力蒸気発生器の二次側の内部に導入さ
れる。化学洗浄水溶液は、スケール、スラッジ及び沈積
物の粒子がその一体性を失い或いは溶解し、更に容易に
解放されて除去し易くなるように十分な期間、蒸気発生
器の内部に滞留した儘となる。浸漬期間は代表的には、
8時間から24時間の間の時間である。しかしながら、
浸漬時間は洗浄操作のためのプラントスケジュールによ
る拘束に一致するように延長され或いは短縮される。ス
ケール、スラッジ及び沈積物が化学洗浄水溶液の中に浸
漬されて後、水、即ち化学洗浄添加剤を含む水の高速噴
流が、蒸気発生器の内部からスケール、スラッジ及び沈
積物を取り除くために使用される。水の高速噴流への化
学洗浄添加物のための上述された化学洗浄剤、即ちキレ
ート、キャリア剤及び挿入剤、同じ群から化学洗浄水溶
液が選択される。蒸気発生器の二次側への化学洗浄水溶
液の導入は、蒸気発生器が系に接続されている間も系か
ら分離されている間も、行える。原子力発電所の運転に
とって、原子炉が停止した後の余熱除去系が作動した後
の冷却停止期間の間に、補助給水流に化学洗浄溶液を加
えることにより、化学洗浄水溶液が原子力蒸気発生器の
内部に導入される。
【0038】この時点、即ち他の化学洗浄操作或いは圧
力パルス洗浄操作に先立ってスラッジランシング工程或
いはUBHC工程を実施するに関して二つの利点があ
る。第一は、スラッジランシング法及び/又はUBCH
法は、3インチから4インチに達し、管板7,上部管束
及び蒸気発生器の他の領域の上に緩く滞積して支持板2
6の穴28と熱交換管9との間の環状空間28のような
クレビス領域を周囲の化学剤の浸透作用及び弛緩作用か
ら流体的に隔離する傾向のあるスラッジ及び沈積物を迅
速に取り除くことにより蒸気発生器の内部のスラッジ、
スケール及び沈積物を取り除く全操作を迅速化すること
である。第二に、後続する化学洗浄方法に先立ってスラ
ッジランシング操作及び/又はUBCH操作を実施する
ことにより、後続の化学洗浄操作において使用される活
性な化学洗浄化合物の能力が、機械的な弛緩技術によっ
て比較的容易且つ迅速に除去される金属及び金属化合物
に対し不必要に浪費されないということである。このこ
とは、これらの化合物の化学的強度が、それが最も必要
とされる二次側5の管板7のクレビス領域、支持板26
及び上部管束に、同様に熱交換管9の自由スパン領域に
集中されるようにする。
【0039】スラッジランシング操作及び/又はUBC
H操作に続いて、蒸気発生器は引き続く化学洗浄操作又
は圧力パルス洗浄操作のために準備がされる。もし既に
行われていなければ、全ての水が一次側3と二次側5の
双方から排出される。下側ハンドホール35a,35b
の中に圧力発生器39のノズル41を固定するための取
り付け板(図示しない。)が取り付けられる。次の取り
付け操作には、熱交換管9の管束の上方位置に上側マン
ホール37a,37bを通して化学洗浄剤導出管90の
取り付けがある。
【0040】1以上の化学洗浄剤がそれから、蒸気発生
器1の二次側5の内部へホールドタンク49から導入さ
れ、そして二次側5をその化学洗浄溶液で満たす。本発
明の実施において、化学洗浄水溶液は非腐食性の水溶液
であり、この化学洗浄水溶液の組成は、本発明のスラッ
ジランシング法及びUBHC法における化学洗浄添加物
及び化学洗浄水溶液として使用するために前述され、キ
ャリア剤及び/又は挿入剤を含んでいる非腐食性の化学
洗浄水溶液と同じもので良い。
【0041】化学洗浄水溶液は、バルブ83を開き、そ
してポンプ82を作動することによって導管81を経由
して供給タンク59からホールドタンク49へ移送され
る。ホールドタンク49内のコイルヒーターは、所望で
あれば、化学洗浄水溶液の温度を所定値に上げるために
作動され得る。それからバルブ91が開かれ、再循環ポ
ンプ51が起動されて化学洗浄水溶液が出口管90,流
量計92を通り、最後に導入管53a,53b,53c
に搬送される。十分な量の化学洗浄水溶液が二次側5内
に蓄えられて約84.24センチメートル(3フイー
ト)の液の下にノズル41を完全に沈めたら、二次側5
内の金属表面からスラッジ及び他の漂積物を効果的に緩
めて解放する衝撃波を発生するために各圧力パルス発生
器39が作動されて窒素ガス又は他の不活性ガスの加圧
パルスの化学洗浄水溶液内への導入を始める。圧力パル
ス発生器39によって発生される圧力パルスの周期は、
10秒と60秒の間の間隔であり、そして本発明の実施
形態では頻度は毎10秒1パルスである。
【0042】最初は、衝撃波は約27.6×105Pa
(400psi)まで加圧されたガスのパルスによって導
入される。化学洗浄水溶液の液位が上がるにつれて加圧
パルス発生器39の放出圧力が増大し、二次側5内の化
学洗浄水溶液の液位が最高値に達し、U字形熱交換管9
の曲げ部を除く全部が実質的に没したときに約62.0
×105Pa(900psi)に達する。ガスパルスの圧力の
増加率は、二次側5の底部における化学洗浄水溶液の静
水圧の漸増傾向と相殺しあって、圧力パルス発生器9に
よって発生される衝撃波の強度を低減する。
【0043】その後、化学洗浄水溶液は、二次側5内が
最高水位にあって12時間乃至24時間以内で再循環系
47を通って循環される。本発明の方法における注入、
循環及び排出は、全体として、20時間乃至40時間以
内の間の時間を要する。この間中、パルス発生器39
は、10秒に1度の頻度で二次側5内を循環する化学洗
浄水溶液の中で加圧された窒素ガス或いは他の不活性ガ
スのパルスを放出し続ける。注入工程は、毎分約94.
63リットル(25ガロン)乃至378.54リットル
(100ガロン)の間での小さい流量で、導入管を通し
て行われるが、実施される方法の全所要時間を短縮する
ために、毎分約283.9リットル(75ガロン)と約
378.54リットル(100ガロン)の間の相対的に
高速流での流量で、本発明が実施される。
【0044】最後に、化学洗浄水溶液はホールドタンク
49の中に溜められ、それから導管84及びバルブ85
を通って廃液タンク61へ放出することにより二次側5
から排出される。この操作中に亙って、圧力パルス発生
器39で使用されるガスの圧力は、約62.0×105P
a(900psi)から約27.6×105Pa(400p
si)まで低下され、最後に化学洗浄水溶液がノズル4
1と圧力パルス発生器39より上方約91.44センチ
メートル(3フィート)の液位となる。
【0045】本発明の実施形態において、二次側5の弛
緩に必要とされる時間を有利に短縮するために、圧力パ
ルス発生は化学洗浄水溶液の導入、循環及び排出及び他
のリンスの間中行われる。洗浄促進を効果的にするため
に、導入、循環及び排出を繰り返すことが好ましいこと
もある。更には、本発明によるスラッジランシング技術
及び/UBHC技術が、このサイクルの完了時点で再び
繰り返されることもある。水の高速噴流及びスケール、
スラッジ及び沈積物を水没させるために使用される化学
洗浄水溶液に導入される化学洗浄添加剤は、従来技術の
化学薬品又は本発明のスラッジランシング操作及びUB
HC操作のために前述した非腐食性のキャリア剤及び挿
入剤の群から選択される。
【0046】他の化学洗浄操作又は圧力パルス操作に先
立ち及び/又はこれに続いて、本発明のスラッジランシ
ング操作及び/又はUBHC操作を実施すると、スケー
ル、スラッジ及び他の漂積物の不溶性成分を弛緩し、解
放し及び流動化する時間を実質的に短縮し、これにより
化学洗浄操作又は圧力パルス洗浄操作の化学洗浄水溶液
が残っているスラッジ堆積物に連続的に自由に接触する
ようにする。これは、熱交換管9と支持板26の穴28
との間の前述した環状空間30のようなクレビス領域内
では特に重要なメカニズムであるが、前述の領域ではも
しスケール、スラッジ及び他の漂着物の一緒の除去を停
止しなければそのスケール、スラッジ及び他の破片の不
溶性成分の静的保持が遅らされる。スラッジ及び漂着物
の除去を促進すると更に信じられている関連するメカニ
ズムは、圧力パルス発生操作の間に圧力パルス発生器3
9によって発生される衝撃波が、当初はこれらのパルス
によって解放されず流動化されないスケール、スラッジ
及び破片の堆積にひび割れを生じさせ或いは他の深い亀
裂を生じさせることができるという事実である。このよ
うなひび割れ或いは深部亀裂の発生は、化学洗浄水溶液
と接触するこれらの堆積物内の表面積を増大し、これに
より挿入及び/又は流動化を早める。他の有用なメカニ
ズムには、パルス発生器39による化学洗浄水溶液の連
続した局部撹拌と組合わさっている、再循環系47によ
る二次側5内の化学洗浄水溶液の連続した循環がある。
これらの作用によって生ずる撹拌は、減損した化学洗浄
水溶液の局部域が前述したクレビス領域のように循環を
弱める二次側5のいかなる領域においても生じないよう
にする。尚、他の速度向上メカニズムは、パルス発生器
39によって得られる強い撹拌が、スケール、スラッジ
及び他の漂積物の成分を除去する緩み除去を機械的に促
進するように助力することである。更に、バウムに与え
られ且つ引用によって本明細書に組み入れられた米国特
許第4,632,705号に記載された一次熱/圧力低
減プロセスが、化学洗浄剤をクレビス領域に集中するた
めに使用され得る。本発明の他の実施形態は、腐食堆積
物の蓄積増大を防止するための非腐食性化学洗浄水溶液
を使用する。これらの有利なメカニズムの総合的な作用
は、化学洗浄浴を実施するに必要な時間を短縮するばか
りでなく、更に、スラッジ、スケール、及び/又は他の
漂積物を解放し、緩め或いは溶解する従来技術において
典型的に必要とされた他の洗浄浴/リンスを不要とす
る。
【0047】化学洗浄水溶液が蒸気発生器1の二次側5
とホールドタンク49から完全に取り除かれた後、必要
では無いが所望されれば、従来技術において知られてい
る方法による脱塩水、ヒドラジン及びアンモニアを用い
たオプションのリンス及び不動態化工程が遂行される。
リンス溶液及び不動態化溶液は、別の供給タンクからホ
ールドタンク49に入れられ、そしてそこから二次側5
の内部に導入され、再循環され、そして二次側5から取
り出される。リンスの目的は、二次側5内に存在してい
るかもしれない化学洗浄水溶液の残量を取り除くことで
ある。不動態化剤は、将来の腐食の発生を遅らせるため
に、二次側5内の金属暴露面の全てに薄い酸化防護膜を
発生するために使用される。
【0048】図6は、熱交換器容器の内部表面からスラ
ッジ、スケール及び他の沈積物を除去するために使用さ
れる本発明の化学洗浄法の種々の組み合わせを示してい
る。本発明の方法は、次の化学洗浄方法,即ち化学洗浄
水溶液による浸漬93、又は化学洗浄添加剤を用いたU
BHC94、又は化学洗浄添加剤を用いたスラッジラン
シング96、又はキャリア剤及び/又は挿入剤溶液を用
いた化学洗浄98、又は化学洗浄水溶液を用いた化学洗
浄99、又はキャリア剤及び/又は挿入剤溶液を用いた
圧力パルス洗浄100、又は化学洗浄水溶液を用いた圧
力パルス洗浄101、又はこれらの方法の組み合わせの
一つを含んでおり、そして化学洗浄添加剤を用いないU
BHC95、及び/又は化学洗浄添加剤を用いないスラ
ッジランシング97を含むこともある。これらの組み合
わせは、浸漬93かUBHC94又は95のいずれかを
含んでいる。浸漬は、キレート含有化学洗浄水溶液か、
非腐食性キャリア剤及び/又は挿入剤を含有する化学洗
浄水溶液のいずれかを使用して行われる。UBHCは、
化学洗浄添加剤を用いるか(94)、化学洗浄添加剤を
用いぜずに(95)行われる。化学洗浄添加剤は、キレ
ート剤か、或いは非腐食性のキャリア剤及び非腐食性の
挿入剤の群の少なくとも一つを含んでいる。UBHC操
作(94又は95)は、スラッジランシング操作(96
又は97)に取って代わられたり、或いはスラッジラン
シング操作(96又は97)が後続されたりする。スラ
ッジランシングは、化学洗浄添加剤を用いるか(9
6)、化学洗浄添加剤を用いぜずに(97)行われる。
スラッジランシングのための化学洗浄添加剤は、キレー
ト剤か、或いは非腐食性のキャリア剤及び非腐食性の挿
入剤の群の少なくとも一つを含んでいる。本発明の方法
は、浸漬工程(93)、UBHC工程(94又は95)
或いはスラッジランシング(96,又は97の後で終了
する。
【0049】しかしながら、本発明の他の実施形態は、
非腐食性のキャリア剤及び非腐食性の挿入剤を用いた化
学洗浄操作98、又は他の化学洗浄水溶液を用いた化学
洗浄操作99の遂行を含んでいる。化学洗浄操作は、次
のプロセス乃至その組み合わせ、即ち浸漬93の実施、
化学洗浄添加剤を用いたUBHC94又は用いないUB
HC95の実施、及び化学洗浄添加剤を用いたスラッジ
ランシング96又は用いないスラッジランシング97の
実施、に続いて行われる。化学洗浄添加剤を用いたUB
HC94又は用いないUBHC95の実施、及び/又は
化学洗浄添加剤を用いたスラッジランシング96又は用
いないスラッジランシング97は又、化学洗浄操作に続
いても実施されることがある。
【0050】本発明の他の実施形態において、熱交換器
容器の内部からスラッジ、スケール及び他の沈積物を弛
緩して解放するために、圧力パルス洗浄が非腐食性のキ
ャリア剤及び非腐食性の挿入剤を用いて行われ(10
0)、或いは他の化学洗浄水溶液を用いて行われる(1
01)。化学洗浄操作(98と99)と一緒に、圧力パ
ルス発生(100,101)は、次のプロセス又はその
組み合わせ、即ち化学洗浄水溶液を用いた浸漬93(非
腐食性のキャリア剤及び非腐食性の挿入剤の群の少なく
とも一つを含んでいる)、及び/又は、化学洗浄添加剤
を用いたUBHC94又は用いないUBHC95、及び
/又は、化学洗浄添加剤を用いたスラッジランシング9
6又は用いないスラッジランシング97、のいずれかに
続いて行われる。化学洗浄添加剤を用いたUBHC9
4’又は用いないUBHC95’、及び/又は、化学洗
浄添加剤を用いたスラッジランシング96’又は用いな
いスラッジランシング97’が又、圧力パルス洗浄操作
に続いて実施される。
【0051】本発明の実施形態において、前述の化学洗
浄水溶液と化学洗浄添加剤は、クレビス領域内への、特
に原子力蒸気発生器の二次側内に蓄積されたスラッジ及
び沈積物のマトリックス内への化学溶液及びそれに含ま
れた活性剤の浸透を促進するための、非腐食性の低級ア
ルキルC1−C6アミン、非腐食性の低級ヒドロキシアル
キルC1−C6アミン、又は非腐食性の低級C1−C6アル
コキシC1−C6アルキル(即ちキャリア剤)、及び/又
は、挿入或いは少なくとも原子力蒸気発生器から除去す
るためのスケール、スラッジ及び他の沈積物の解放を促
進するための非腐食性の環式ジイミンの組み合わせから
形成される。
【0052】原子力蒸気発生器の構造と圧力パルス洗浄
法の更なる詳細説明については、米国特許第4,89
9,697号、同第4,921,662号、同第5,0
06,304号、同第5,019,329号、同第5,
092,280号、同第5,092,355号及び同第
5,154,197号が参照できる。スラッジランシン
グ方法及びその装置の更に詳しい説明については、米国
特許第4,079,701号、同第4,276,856
号、同第4,273,076号、及び同第5,069,
172号が参照される。従来技術の非腐食性非キレート
化学剤の更に詳しい説明については、米国特許第5,1
94,223号及び同第5,368,775号が参照さ
れる。本発明の説明において引用された米国特許は、本
文中の引用により完全な形で組み込まれている。
【0053】前述の実施形態や例に関連して本発明が説
明されたが、当業者にとって更に別の変更が明らかにな
るであろう。本発明は、詳しく説明した実施形態又は実
施例に限定される意図は無いし、従って排他権が求めら
れている発明の精神及び範囲を評価するためには前述の
実施形態の説明よりも添付の請求項を参照すべきであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】外壁が部分的に切除されていて、一次側内部及
び二次側内部の双方を示しているウエスチングハウス型
原子力蒸気発生器の断面図である。
【図2】前記一次側内部及び二次側内部の双方を示して
おり、更に本発明の方法において使用される再循環系を
含んでいる、図1に示された型の原子力蒸気発生器の概
略断面図である。
【図3】図2に示された原子力蒸気発生器の熱交換管の
側断面図であり、この管が支持板の穴を貫通している状
態を示し、スケール、スラッジ、腐食物及び沈積物が支
持板の穴と該管との間の環状空間に蓄積している状態を
示す図である。
【図4】図3においてIV−IV線に沿う熱交換管の平面図
である。
【図5】本発明の改良化学洗浄方法を実施するための再
循環系の図式図である。
【図6】熱交換器容器の内部表面からスケール、スラッ
ジ及び他の沈積物を解放するために使用される本発明の
化学洗浄法の種々の組み合わせを示す流れ図である。
【符号の説明】
1 蒸気発生器 3 一次側 5 二次側 7 管板 9 熱交換管 11 入口端 12 出口端 14 区画板 16a,16b チャンネルヘッド 26 支持板 28 穴 30 環状空間 35a,35b ハンドホール 37 マンホール 39 圧力パルス発生器 41 ノズル 43 加圧ガス源 45 パルス制御器 47 再循環系 49 ホールドタンク 51 再循環ポンプ 53a,53b,53c 導入管 55a,55b 導出管 57 フィルタ群 59 供給タンク 61 廃液タンク 62 入口管 63 ダイヤフラムポンプ 64 導管 65 トランキライザ 67 流量計 69 サージタンク 71 循環ポンプ 75 サイクロンセパレータ 77 バグフィルタ 79 カートリッジフィルタ 80,81 導管 82 ポンプ 83 バルブ 84 導管 85 バルブ 86 脱塩床 89 導出管 90 出口管 91 バルブ 92 流量計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マーク・ジェイ・パーヴィン アメリカ合衆国、ニューヨーク州、ピッツ フォード、オールド・ストーンフィール ド・ウェイ 57

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャリア剤と挿入剤とからなる群の少な
    くとも一つから形成された化学洗浄剤を含有する化学洗
    浄水溶液を熱交換器容器の内部に導入すること、及び前
    記化学洗浄水溶液とスラッジ、スケール或いは沈積物の
    少なくとも一部を前記熱交換器容器の内部から除去する
    ことからなる熱交換器容器の内部からスラッジ、スケー
    ル或いは沈積物を除去する方法。
  2. 【請求項2】 原子力蒸気発生器の二次側の内部からス
    ラッジ、スケール或いは沈積物を除去する方法におい
    て、 該方法は、前記二次側の内部を化学洗浄剤の化学洗浄水
    溶液で満たす工程であって、前記化学洗浄剤は、ジメチ
    ルアミン、エチルアミン、1,2-ジアミノエタン、ジアミ
    ノプロパン、エタノールアミン、2-メチル-2- アミノ-1
    - プロパノール、5-アミノペンタノール及び3-メトキシ
    プロピルアミンからなる群から選択されたキャリア剤
    と、1,10- フェナントロリン、2,9-ジメチル- 1,10- フ
    ェナントロリン、4,7-ジメチル- 1,10- フェナントロリ
    ン,2,2'-ビピリジン、4,4'- ビピリジン、及びターピ
    リジンからなる群から選択された挿入剤とからなる群の
    少なくとも一つである前記工程、 前記二次側内を通して前記化学洗浄水溶液を再循環する
    一方、同時に前記化学洗浄水溶液の中へガスの一連の加
    圧パルスを導入して前記二次側から前記スラッジ、スケ
    ール或いは沈積物をゆるめる再循環工程、 前記再循環工程中に前記化学洗浄水溶液をフィルタに通
    して該化学洗浄水溶液から前記スラッジ、スケール或い
    は沈積物を取り除く工程、及び前記原子力蒸気発生器の
    二次側から前記化学洗浄水溶液を排出する工程からなる
    原子力蒸気発生器の二次側の内部からスラッジ、スケー
    ル或いは沈積物を除去する方法。
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