JP2951498B2 - インクジェットヘッドの製造方法 - Google Patents

インクジェットヘッドの製造方法

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JP2951498B2
JP2951498B2 JP300593A JP300593A JP2951498B2 JP 2951498 B2 JP2951498 B2 JP 2951498B2 JP 300593 A JP300593 A JP 300593A JP 300593 A JP300593 A JP 300593A JP 2951498 B2 JP2951498 B2 JP 2951498B2
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勝春 肥田
峰春 塚田
道徳 朽網
明 中澤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、インク滴を吐出させ
て記録を行うためのインクジェットヘッドの製造方法に
関する。
【0002】インクジェット記録方式は、構造が簡単で
カラー化がし易く、騒音も無いなどの特長があり、今後
の記録方式の主流として期待されている。
【0003】
【従来の技術】インクジェットヘッドからインク滴を吐
出させるには、圧力室に面して設けられた振動板を振動
させて、圧力室内のインクに吐出圧力を与えるようにし
ている。
【0004】振動板を振動させるのは一般に圧電素子で
あり、圧力室の位置に対応して振動板の表面に密着して
設けられている。そのような圧電素子は、従来は、圧電
体を電極でサンドイッチ状に挟んで圧力室に対応する大
きさに形成され、一つ一つ振動板の表面に接着されてい
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、インクジェッ
トヘッドにはインク吐出ノズルの数と同数の圧電素子を
取り付ける必要があるので、圧電素子を一つ一つ振動板
に接着するのは大変手間がかかり、ヘッドの製造コスト
を押し上げてしまう。
【0006】そこで、振動板の表面に、下部電極層、圧
電体層及び上部電極層を順に印刷成形した後、加熱焼成
することによって、振動板上に圧電素子を直接形成する
ことも考えられる。
【0007】しかし、そのように、圧電体層と電極層と
を同時に加熱焼成すると、圧電体層と電極層との間で物
質移動が生じ、各層に不純物が混入して各々の特性が損
なわれてしまう。
【0008】そこで本発明は、ヘッドの製造コストを大
幅に低減することができ、しかも電極層及び圧電体層に
不純物混入の発生しないインクジェットヘッドの製造方
法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明のインクジェットヘッドの製造方法は、図1
に示されるように、圧力室3内に収容されたインク液に
吐出圧力を与えるために上記圧力室3に面して設けられ
る振動板1の表面に、まず下部電極層2を印刷した後、
加熱、焼成し、次に、上記下部電極層2の表面に圧電体
層4を印刷した後、加熱、焼成し、さらに上記圧電体層
4の表面に、上部電極層5を印刷した後、加熱、焼成す
ることを特徴とする。
【0010】なお、上記上部電極層5の加熱焼成温度が
上記圧電体層4の加熱焼成温度以下であり、さらに上記
圧電体層4の加熱焼成温度が上記下部電極層2の加熱焼
成温度以下であるとよい。
【0011】
【作用】振動板1の表面にまず下部電極層2が印刷、焼
成された後に、その表面に圧電体層4が印刷、焼成さ
れ、焼成後の圧電体層4の表面に、上部電極層5が印
刷、焼成される。
【0012】このように、各層について、印刷及び焼成
後に次の層の印刷と焼成が行われるので、各層間の物質
移動が抑えられる。そして、後に印刷、焼成される層の
加熱焼成温度を先に印刷、焼成された層の加熱焼成温度
以下にすることにより、各層間の物質移動がより完全に
抑えられる。
【0013】
【実施例】図面を参照して実施例を説明する。図2は、
振動板1上に電極層と圧電体層をスクリーン印刷するた
めの装置を略示しており、51は、印刷パターンが形成
されたスクリーン、52はスキージである。
【0014】振動板1として、ここではシリコン単結晶
ウェハが用いられており、1200℃程度までの高温の
熱処理によって溶解されず、歪みも発生しない。なお、
振動板として酸化アルミニウム板等を用いてもよい。
【0015】ここでは、まず振動板1の表面の広い範囲
に、下部電極層2を一様にスクリーン印刷する。図3は
その状態を示しており、例えば銀及びパラジウムの粉末
とそれらを結合させるためのバインダと有機溶媒とを混
合した導電ペーストを、スクリーン51上に塗り、スキ
ージ52を押さえつけながら移動させる。これによっ
て、下部電極層2が振動板1の表面に印刷される。
【0016】続いて、これを乾燥させた後、電気炉によ
って、大気中1000℃にて2時間加熱焼成する。表面
観察の結果では、1000〜1100℃の温度で1時間
以上加熱することによって、電極層2中のポア(気泡)
が減少し、物質移動が抑制される。
【0017】なお、導電ペーストとしては白金ペースト
を用いてもよく、その場合には銀及びパラジウムより高
い白金の融点に合わせて、焼成温度は1200〜140
0℃にするとよい。
【0018】次に、図4に示されるように、後述する圧
力室3の位置、形状に合致する印刷パターンが形成され
たスクリーン54を用いて、下部電極層2の表面に圧電
体層4をスクリーン印刷する。
【0019】図5に示されるように、一枚の振動板1
は、多数のインクジェットヘッド10をまとめて形成す
る大きさであり、その一つのインクジェットヘッド10
の一部分Aを示す図6に示されるように、各インクジェ
ットヘッド10に多数の(例えば64個の)圧電体層4
が印刷される。
【0020】圧電体ペーストとしては、例えば0.5P
NN−0.35PT−0.15PZの圧電微粉末とそれ
ら粉末どうしを結合させるためのバインダとしてのエチ
ルセルロースと有機溶媒であるテレピネオールとを、重
量比で例えば100対1対20で混合したものを用い
る。ただし、PZT系及びその他第三成分の入ったもの
を用いてもよい。
【0021】そして、圧電体層4を印刷して乾燥させた
後、電気炉によって、大気中1000℃で2時間加熱、
焼成する。この場合、900℃以上の高温にすれば圧電
体層4が緻密になって脆くならず、2時間の焼成時間に
よってその緻密化が促進される。
【0022】次に、図7に示されるように、下部電極層
2と同じ導電ペーストを用いて、各圧電体層4の表面に
上部電極層5をスクリーン印刷し、乾燥後、電気炉によ
って大気中、1000℃で2時間加熱、焼成する。ただ
し上部電極層5には、金その他低い温度での焼成が可能
な導電ペーストを用いてもよい。
【0023】X線回折(XRD)によって検討したとこ
ろ、電極層と圧電体層の一体焼成では、図9に示される
ように、各層間の物質移動によって、圧電性のないパイ
クロア相が生成されていたのに対して、本実施例の試料
では、図10に示されるように、各層間物質移動が抑え
られて、圧電性のあるペロブスカイト相が生成している
ことが認められた。
【0024】図8は、このようにして電極層2,5と圧
電体層4が直接印刷、焼成された振動板1を、インク流
路6に連通して圧力室3が形成された基板7に接合した
状態を示している。8はノズル孔である。
【0025】ただし、振動板1と基板7の接合を、電極
層2,5と圧電体層4の焼成より先に行ってもよいし、
圧力室3とインク流路6を振動板1と一体的に形成して
もよい。
【0026】このようにして形成されたインクジェット
ヘッドにおいては、インク液をインク流路6から圧力室
3内に満たし、上下両電極2,5間に電圧を印加するこ
とによって、圧電体層4が変形し、それによって振動板
1が振動して圧力室3内のインク液に吐出圧力が加わ
り、圧力室3内のインクがノズル孔8からインク滴とな
って吐出して記録が行われる。
【0027】なお、上述の実施例においては、各層2,
4,5の焼成温度を各々1000℃に設定したが、例え
ば、下部電極層2の焼成温度を1100℃、圧電体層4
の焼成温度を1000℃、上部電極層5の焼成温度を8
50℃とするように、後で加熱焼成する部分の焼成温度
を既に焼成済の部分の焼成温度より低くすることによっ
て、各層間の物質移動をより完全に抑えることができ、
図11に示されるようにペロブスカイト相がより多く生
成される。
【0028】
【発明の効果】本発明のインクジェットヘッドの製造方
法によれば、振動板の表面に圧電体層が印刷、焼成によ
って直接形成されるので、組み立て工数が削減されて大
幅なコストダウンが達成され、しかも、電極層と圧電体
層の各層について、印刷及び焼成後に次の層の印刷と焼
成を行うので、各層間の物質移動が抑えられて、各層に
不純物が混入せず、各層の特性が損なわれない優れた効
果を有する。
【0029】そして、後で加熱焼成する部分の焼成温度
を既に焼成済の部分の焼成温度以下にすれば、各層間の
物質移動をより完全に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理図である。
【図2】実施例の製造工程を示す斜視図である。
【図3】実施例の製造工程を示す側面図である。
【図4】実施例の製造工程を示す側面図である。
【図5】実施例の振動板の平面図である。
【図6】実施例の振動板の部分拡大平面図である。
【図7】実施例の製造工程を示す側面図である。
【図8】実施例のインクジェットヘッドの部分側面断面
図である。
【図9】電極層と圧電体層とを一体焼成した場合のX線
回折特性線図である。
【図10】実施例によるX線回折特性線図である。
【図11】実施例によるX線回折特性線図である。
【符号の説明】
1 振動板 2 下部電極層 3 圧力室 4 圧電体層 5 上部電極層
フロントページの続き (72)発明者 中澤 明 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−286131(JP,A) 特開 平6−198895(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 2/16 B41J 2/045 B41J 2/055

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧力室内に収容されたインク液に吐出圧力
    を与えるために上記圧力室に面して設けられる振動板の
    表面に、まず下部電極層を印刷した後、加熱、焼成し、 次に、上記下部電極層の表面に圧電体層を印刷した後、
    上記下部電極層の加熱焼成温度以下の温度で加熱、焼成
    し、 さらに上記圧電体層の表面に、上部電極層を印刷した
    後、上記圧電体層の加熱焼成温度以下の温度で加熱、焼
    成することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方
    法。
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