JP2950117B2 - 磁性体およびその製造方法 - Google Patents

磁性体およびその製造方法

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真二 原田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は各種電子部品に利用され
る磁性体およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、各種電子部品に利用する磁性体に
おいて、その製造工程中における体積収縮のないものが
要望されている。
【0003】以下、従来の磁性体およびその製造方法に
ついて説明する。一般に、磁性体の製造方法にはフェラ
イト粉末を成形して高温焼成する製造方法、すなわち酸
化鉄、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化銅などの酸化物あ
るいは炭酸マンガンなどの炭酸化物を所望の配合比で混
合したフェライト原料粉末を仮焼してフェライト結晶粒
塊を形成する第1工程と、フェライト結晶粒塊を数μm
以下の粒子径に粉砕してフェライト粉末を作成する第2
工程と、作成したフェライト粉末に有機質の結合剤を加
えて混合し造粒粉を形成する第3工程と、形成した造粒
粉を圧縮成形して成形体を得る第4工程と、圧縮成形し
た成形体を800〜1400℃で焼成してフェライト結
晶体である焼成体を形成する第5工程と、焼成体を寸法
加工して磁性体を形成する第6工程とからなる。ただ
し、第4工程における圧縮成形する成形体の形状が複雑
な形状である場合、フェライト粉末と有機バインダーを
混合・混練して得られるペレット状の可塑性物質に射出
成形もしくはトランスファー成形等を施して複雑形状の
成形体を得る。
【0004】従来の磁性体の製造方法について、以下そ
の特徴について図面を参照しながら説明する。図2
(a),(b)は焼結による体積収縮を示す模式図であ
る。図2に示すように、フェライトに代表されるような
自己収縮の物質では、上記第1の磁性体の製造方法にお
ける第5工程の成形体の焼成の際、フェライト粉末の粒
子であるフェライト結晶粒塊3は粒子内から粒子どうし
の接触部分への物質移動、図2(b)の矢印で示すよう
な体積拡散に支配されて焼結を進行させるので、図2
(a)のフェライト粉末は、空隙4を介して相互の粒子
間距離を減少させて寸法収縮、すなわち自己収縮する。
【0005】その結果、成形体は30から40%の体積
収縮するため、成形用の金型は寸法変化を予測して製品
の寸法よりも大きく設計される。しかし、この際の寸法
変化率は、成形体の密度や焼成速度・温度の不均一性、
さらに成形体とそれを乗せる台との摩擦などによって部
分的に異なった値を取るために、焼成体に予測困難な変
形を与えてしまう。
【0006】したがって、この焼成体の変形を軽減させ
るために、従来から成形体の密度や焼成過程での昇温速
度や温度の厳密な制御、成形体を乗せる台の上に粉末を
敷くことによる摩擦の低減などが行われているが、いず
れの場合でも焼成時における体積収縮に起因した変形は
避けることができない。そのため、高寸法精度が要求さ
れる磁性体は焼成体の後加工等により所望の寸法形状を
実現しなければならないという問題点を有していた。
【0007】以上の磁性体の製造方法の問題点に鑑み、
近年特開昭58−135606号公報、特開昭50−5
0207号公報記載の磁性体の製造方法のように、ガラ
ス粉末を添加して焼成することによって成形体の体積収
縮を抑えながらフェライト粉末どうしを焼結結合させ、
十分な機械強度と磁気特性を有する磁性体を得る試み
や、特開平1−264959号公報記載の磁性体の製造
方法のように、焼結中に窒化または酸化する金属粒子を
フェライト粉末の粒子に混合し、窒化物または酸化物に
なる金属粒子でフェライト粉末を結合するとともにフェ
ライト粉末の粒子間の空隙を減少させることによって焼
結時における成形体の寸法変化率を減少させる試みがな
されてきた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
技術によって得られるフェライト焼結体は、寸法の小さ
い成形体では、酸化反応を伴う焼結が内部まで進行する
が、寸法の大きな成形体においては、内部まで酸化反応
を伴う焼結が進行しない。そのため、寸法の大きな成形
体では焼成時における寸法変化がなく、十分な磁気特性
をもった焼結体が得られないという問題点を有してい
た。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の磁性体では、フェライト原料粉末を混合仮焼
してなるフェライト結晶粒塊と、少なくともFe23
末と金属粉末を含む混合物でありかつ前記フェライト結
晶粒塊の平均粒子径よりも小さい平均粒子径を有した充
填粉末とを焼成してなる構成である。
【0010】また、本発明の磁性体の製造方法では、フ
ェライト原料粉末を仮焼してフェライト結晶粒塊を形成
する第1工程と、前記フェライト結晶粒塊を粉砕してフ
ェライト粉末を作成する第2工程と、前記フェライト結
晶粒塊にこのフェライト結晶粒塊の平均粒子径よりも小
さい平均粒子径を有したFe23粉末と金属粉末を含む
充填粉末を混合する第3工程と、前記フェライト結晶粒
塊に前記充填粉末とを混合した物質に有機質の結合剤を
加えて混合し造粒粉を形成する第4工程と、前記造粒粉
を圧縮成形して成形体を得る第5工程と、前記成形体を
焼成してフェライト結晶体を形成する第6工程とを備え
たものである。
【0011】
【作用】上記構成により本発明は、焼成時の際、充填粉
末中の金属粉末にFe23から酸素が供給されるため、
内部から酸化反応に伴う焼結が進行し大きな寸法の成形
体においても、焼成時における寸法変化がなく、十分な
磁気特性を持った後加工の不必要な焼結体を得ることが
できるものである。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。図1は本発明の一実施例である磁性体
の微細構造を示す模式図である。
【0013】図1に示すように、磁性体は、Fe23
NiOとZnOとCuOの配合モル比が48.0:1
5.0:32.1:4.9よりなるフェライト原料粉末
を混合仮焼してなるフェライト結晶粒塊1に、充填粉末
2として内部焼結を促進させるFe23粉末と粒子径が
5μm以下の金属鉄粉と酸化ニッケル粉末と酸化第2銅
粉末を、フェライト結晶が得られるような配合モル比、
Fe23:Fe:NiO:CuO=24.0:24.
0:15.0:32.1:4.9で混合したものを、フ
ェライト結晶粒塊1に対して50重量部混合して焼成し
た構成である。
【0014】また磁性体の製造方法は、Fe23とNi
OとZnOとCuOの配合モル比が48.0:15.
0:32.1:4.9よりなるフェライト原料粉末を1
320℃で6時間仮焼してフェライト結晶体を形成する
第1工程と、フェライト結晶粒塊を粒子径40μm以下
の粒子径に粉砕してフェライト粉末を作成する第2工程
と、フェライト粉末に粒子径5μm以下のFe23粉末
と金属鉄粉と酸化ニッケルと酸化亜鉛と酸化第2銅粉末
をフェライト結晶粒塊に対して50重量部充填粉末とし
て混合する第3工程と、フェライト粉末と充填粉末を混
合したものにエポキシ樹脂を7wt%添加し造粒粉を形
成する第4工程と、形成した造粒粉を圧力3t/cm2
内径10mm、外径15mm、厚さ15mmの小型リング形状
の成形体および内径60mm、外径100mm、厚さ50mm
の大型リング形状の成形体に形成する第5工程と、圧縮
成形したリング状の成形体を電気炉内で1200℃で焼
成してフェライト結晶体であるリング状の焼成体を形成
する第6工程と、リング状の焼成体を寸法加工せずにリ
ング状の磁性体として得る第7工程とを有した構成であ
る。
【0015】本実施例による磁性体の特性を(表1)に
比較して示している。
【0016】
【表1】
【0017】試料1は本実施例による磁性体、比較品
1,2は本実施例における第3工程でフェライト粉末と
充填粉末を混合しない磁性体、比較品3,4は本実施例
における第3工程でFe23粉末を混合せず、フェライ
ト結晶粒塊の組成と同組成となるように金属鉄粉と金属
酸化物を混合した磁性体である。なお、この磁性体をX
線回折で測定したところ、スピネル結晶構造以外の結晶
構造を示すX線回折ピークは観察されず、スピネル結晶
構造のみのピークが観察された。
【0018】(表1)から明らかなように、充填粉末を
混合した焼結体(試料1、試料2、比較品3、比較品
4)は焼成前後で寸法変化はなかった。しかし、比較品
3と比較品4との比較において、大型リング形状の内部
の焼結反応が十分進行していないため、比較品4の初透
磁率が減少した。これに対し試料1と試料2の比較にお
いて、初透磁率に差は認められず、試料内部まで十分に
焼結反応が進行していることがわかる。
【0019】なお、実施例1における寸法変化率、初透
磁率は以下のようにして算出、計算している。寸法変化
率は、熱処理前のリング形状の成形体と熱処理後のリン
グ形状の成形体の直径寸法を各々測定し、その比を算出
した。マイナスの符号は収縮を表す。
【0020】初透磁率の測定は、まず前述のリング形状
の磁性体に絶縁テープを一層巻いた後、線径0.26mm
φの絶縁銅線を全周にわたって均一に一層巻いた試料を
準備した。次にインピーダンスアナライザーを用いて1
MHzでの自己インダクタンスLを測定磁界の強さが0.
8(A/m)以下にて測定し、初透磁率を算出した。
【0021】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、フェライ
ト結晶粒塊の空隙に、少なくともFe 23粉末と金属鉄
粉を含む充填粉末が充填された磁性体であるので、焼成
時の際、充填粉末中の金属粉末にFe23から酸素が供
給されるため、内部から酸化反応に伴う焼結が進行し、
大きな寸法の成形体においても、焼成時における寸法変
化がなく、十分な磁気特性を持った後加工の不必要な焼
結体を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における磁性体の微細構造を
示す模式図
【図2】(a),(b)従来の磁性体の焼結における体
積収縮を示す模式図
【符号の説明】
1 フェライト結晶粒塊 2 充填粉末 3 フェライト結晶粒塊 4 空隙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大庭 美智央 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−42902(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01F 1/34 C01G 49/00 C04B 35/26

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェライト原料粉末を混合仮焼してなる
    フェライト結晶粒塊と、前記フェライト結晶粒塊の平均
    粒子径よりも小さい平均粒子径を有した充填粉末として
    少なくともFe23粉末と金属粉末を含む混合物を焼成
    してなる磁性体。
  2. 【請求項2】 フェライト原料粉末を仮焼してフェライ
    ト結晶粒塊を形成する第1工程と、前記フェライト結晶
    粒塊を粉砕してフェライト粉末を作成する第2工程と、
    前記フェライト結晶粒塊にこのフェライト結晶粒塊の平
    均粒子径より小さい平均粒子径のFe23粉末と金属粉
    を含む充填粉末を混合する第3工程と、前記フェライト
    結晶粒塊と前記充填粉末とを混合した物質に有機質の結
    合剤を加えて混合し造粒粉を形成する第4工程と、前記
    造粒粉を圧縮成形して成形体を得る第5工程と、前記成
    形体を焼成してフェライト結晶体を形成する第6工程と
    を備えた磁性体の製造方法。
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