JP2949375B2 - ゴム改質エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

ゴム改質エポキシ樹脂組成物

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JP2949375B2
JP2949375B2 JP3023863A JP2386391A JP2949375B2 JP 2949375 B2 JP2949375 B2 JP 2949375B2 JP 3023863 A JP3023863 A JP 3023863A JP 2386391 A JP2386391 A JP 2386391A JP 2949375 B2 JP2949375 B2 JP 2949375B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエポキシ樹脂粉末塗料の
特性を改善するために使用できるエラストマー改質フェ
ノール組成物、硬化性エポキシ樹脂組成物およびこのよ
うな組成物から作られた塗料に関する。
【0002】
【発明の背景】ゴム改質エポキシ樹脂は周知である。エ
ラストマー化合物の配合または共反応によるゴム改質
は、靱性、低いプロフィル特性(profilecharacteristi
cs )、可撓性、および接着性のようなエポキシ樹脂の
物理的特性を改善して、腐食および剥離(chip)に対す
る抵抗性が改善された塗膜用の樹脂を生成させるために
使用される。自動車産業においては、耐蝕性および耐剥
離性(chip resistance )を有する粉末塗装が下塗とし
て用いられている。例えば、米国特許第4,581,4
24号、第4,602,053号、第4,608,31
3号、および第4,614,683号においては、耐剥
離性下塗剤として有用な、有機溶剤を基とする非常に多
くの塗料が提案されている。しかしながら、これらの塗
料は揮発性有機化合物(VOC)を多量に含んでおり、
そしてこの高い含有量は揮発性有機化合物に関する行政
機関の指針に従おうとする産業に問題を引き起こす。
【0003】揮発性有機化合物の含有量が極めて低いと
いう利点を有する粉末塗料は、例えば米国特許第4,8
04,581号に提案されており、そしてこれには、ポ
リエポキシドと末端に官能基をもつジエン含有重合体5
ないし35重量%とから誘導されたエラストマー改質エ
ポキシ、およびカルボキシ官能基をもつポリエステルか
らなる塗料が開示されている。前記米国特許明細書に
は、粉末塗料として用いられるエポキシ樹脂が、末端に
官能基をもつジエン含有重合体約35重量%以下で変性
できると述べられているけれども、エポキシ樹脂中に存
在する高い含有量のゴム改質剤は塗料の安定性および粘
度の問題に寄与することがわかった。それ故、本発明の
目的はエポキシ樹脂を基とする粉末塗料において使用す
るための硬化剤を提供することであり、そしてこのよう
な塗料は満足な流れ抵抗と高い耐衝撃性を示す。
【0004】
【発明の構成および具体的な説明】本発明によれば、4
0℃ないし200℃の温度において、触媒の存在下に、
エポキシ基が本質的に完全に消費されるのに十分な時
間、1分子に付き平均1個よりも多いエポキシ基を有す
るエポキシ樹脂(a)、エポキシ基またはヒドロキシ基
と反応する官能基を1分子に付き少なくとも1.5個含
む官能化エラストマー(b)および(a)に関して当量
よりも過剰の二価フェノール(c)を、反応混合物の状
態で接触させることによって得られる。1分子に付き平
均少なくとも1.5個の末端ヒドロキシル基および30
0gないし2000gのフェノール当量を有する、エラ
ストマー改質フェノール組成物が提供される。
【0005】好適な官能化(されている)エラストマー
(b)は、一般にエラストマー分子の末端または中間部
分に官能基をもつ、いずれかのエラストマーである。好
適な官能基は、例えば、カルボキシ基、アミノ基、ヒド
ロキシル基、エポキシ基、メルカプタン基、酸無水物基
およびイソシアネート基を包含している。フェノール化
合物(c)およびエポキシ樹脂(a)を改質するのに有
用な、末端に官能基をもつジエン含有重合体は、好まし
くは式X−B−Xで表され、式中Bは、C4 ないしC10
ジエン;C4 ないしC10ジエンおよびビニル芳香族単量
体(例えばスチレン、アルキル置換スチレン、ハロ置換
スチレン);C4 ないしC10ジエンおよびビニルニトリ
ル(例えばアクリロニトリルまたはメタクリロニトリ
ル);C4 ないしC10ジエン、ビニルニトリルおよびビ
ニル芳香族単量体;またはC4 ないしC10ジエン、ビニ
ルニトリルおよび式CH2 =CR−COOR1 (式中R
およびR1 は互いに独立して、または共に、水素または
1 ないしC10アルキルである)で表されるアクリレー
ト;から選ばれる物質の重合によって生じる重合体主鎖
である。Xはフェノール性ヒドロキシル基またはオキシ
ランと反応できるいずれかの反応基であり得る。好適な
Xは、例えばカルボキシ基、アミノ基、ヒドロキシル
基、エポキシ基、メルカプタン基、酸無水物基およびイ
ソシアネート基を包含している。
【0006】好ましくは、末端に官能基をもつジエン含
有重合体は、末端にカルボキシル基をもつポリプタジエ
ン、末端にカルボキシル基をもつポリ(ブタジエン−ア
クリロニトリル)、末端にカルボキシル基をもつポリ
(ブタジエン−アクリロニトリル−アクリル酸)であ
り、末端にカルボキシル基をもつポリ(ブタジエン−ア
クリロニトリル)(CTBN)が最も好ましい。中間部
分に官能基をもつ好適なエラストマー(b)は、例え
ば、カルボキシル化ポリブタジエン、カルボキシル化ポ
リ(ブタジエン−スチレン)、中間ブロック(ミッド−
ブロック)カルボキシル化ポリ(スチレン−エチレン/
ブタジエン−スチレン)、アミノ化ポリ(ブタジエン−
スチレン)、メルカプト−ポリブタジエン、エポキシ化
ポリブタジエンおよびエポキシ化ポリ(ブタジエン−ス
チレン)を包含している。
【0007】官能基をもつ好適な弾性重合体の市販品の
例は、ビー・エフ・グッドリッチ(B. F. Goodrich)製
のハイカー(HYCAR)(HYCARは商標である)
と称する、末端にカルボキシ基をもつ液状重合体および
シェル・ケミカル・カンパニー製のクラトン(KRAT
ON)(KRATONは商標である)と称する、カルボ
キシル化熱可塑性エラストマーを包含している。官能基
をもつエラストマーは、その主鎖が水素添加されてい
る、水素添加重合体であり得る。このエラストマーはラ
ンダム共重合体、ブロック共重合体、ラジカル共重合体
または星状(スター)共重合体であり得る。官能基をも
つ(官能化されている)エラストマーの数平均分子量
は、好ましくは1,000ないし50,000の範囲内
にある。
【0008】官能基をもつ最も好ましいエラストマーで
ある、末端にカルボキシル基をもつブタジエン−アクリ
ロニトリル共重合体は、一般に0〜30重量%のアクリ
ロニトリルと70〜100重量%のブタジエンからなる
共重合体、好ましくは10〜26重量%のアクリロニト
リルと74〜90重量%のブタジエンからなる共重合体
を包含している。末端のカルボキシル基に加えて、アミ
ノ基、フェノール基、ヒドロキシル基、エポキシ基、メ
ルカプタン基または酸無水物基のような他の官能基が連
鎖上で垂れ下がっていてもよい。典型的には、末端に官
能基をもつジエン含有重合体の官能価は1.1〜2.5
の範囲内、好ましくは1.8〜2.3の範囲内の値を有
する。一般に、末端にカルボキシル基をもつブタジエン
−アクリロニトリル共重合体は3,000〜5,000
の範囲、好ましくは3,200〜4,300の範囲の数
平均分子量を有する。このような重合体の市販品の例
は、ハイカー(HYCAR)という商標の下にビー・エ
フ・グッドリッチから入手できる重合体を包含してい
る。
【0009】好ましくは、本発明のエラストマー改質フ
ェノール組成物は、化合物(a)+(b)+(c)の合
計重量を基にして、5〜35重量%の官能化エラストマ
ー(b)を含んでいる。好適なフェノール化合物(c)
は、例えばレゾルシノール、カテコール、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノール
A)、4,4′−スルホニルジフェノールおよびジヒド
ロキシジフェニルメタンのような、芳香族核またはポリ
芳香族核に結合している2個のヒドロキシル基をもつ二
価のフェノールを包含する多価フェノールである。好ま
しい二価フェノールはビス(ヒドロキシフェニル)アル
カンであり、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパンが最も好ましい。
【0010】エラストマー改質フェノール組成物は一般
に、末端ヒドロキシル基を含み、かつ300g〜200
0g、好ましくは400g〜1000gのフェノール当
量を有する生成物を得るために、エポキシ樹脂(a)
を、官能化されているエラストマー(b)およびエポキ
シ樹脂に関して過剰の当量の多価フェノールと反応させ
ることによって製造される。好ましくは、エラストマー
改質フェノール組成物は、米国特許第4,767,83
2号明細書に記載されているように、触媒の存在下で化
学量論的に過剰の二価フェノールを線状ジエポキシ樹脂
と反応させることによって製造される。末端に平均して
少なくとも1.5個の反応性フェノール性ヒドロキシル
基を有するエラストマー改質フェノール組成物の目的が
達成される限り、官能基をもつエラストマー、ジエポキ
シ樹脂および二価フェノールを併流の形で加えて互いに
反応させるか、あるいは順次加えて段階的に反応させる
ことができる。混合物中のフェノール化合物の量は、所
望の分子量範囲を得るために、一般にエポキシ樹脂の1
ないし4、好ましくは1.5ないし2モル当量である。
【0011】エポキシ樹脂(a)の不存在下で官能化エ
ラストマー(b)を加えるときには、エラストマー改質
フェノール組成物について所望のフェノール当量を得る
ために、続いてエポキシ樹脂(a)および当量よりも過
剰の二価フェノール(c)を加えることができる。官能
基をもつエラストマーによるフェノール化合物の改質は
一般に、エポキシ基の本質的に完全な消費を達成するた
めの0.5〜5時間の反応時間の間、40℃〜200℃
の範囲内、好ましくは140℃〜190℃の範囲内の温
度で遂行される。改質用触媒は0.01〜1.0重量%
の量で反応混合物に添加される。好適な触媒はトリブチ
ルアミンのような第三アミン触媒、塩化テトラブチルア
ンモニウムのような第四アンモニウム塩、燐酸トリフェ
ニルのような第三燐酸エステル、沃化エチルトリフェニ
ルホスホニウムのような第四ホスホニウム塩、AMC−
2(オクタン酸クロム塩)のような金属塩、および段階
反応における触媒の組合せを包含しており、沃化エチル
トリフェニルホスホニウム(ETPPI)のような第四
ホスホニウム塩が好ましい。概してフェノール化合物
(c)、エポキシ樹脂(a)および官能化エラストマー
(b)の反応生成物は、冷却すると、砕け易い固体にな
る。
【0012】使用されるエポキシ樹脂(a)は1よりも
大きい、好ましくは2以上の1,2−エポキシ当量を有
する。エポキシ樹脂(a)は線状または分枝鎖状、飽和
または不飽和の、脂肪族、脂環式、芳香族または複素環
式であり得る。本発明において使用するのに適したエポ
キシ樹脂の例は、ポリハイドリック化合物のポリグリシ
ジルエーテル、臭素化エポキシド、エポキシノボラック
または類似のポリヒドロキシフェノール樹脂、グリコー
ルまたはポリグリコールのポリグリシジルエーテル、お
よびポリカルボン酸のポリグリシジルエステルを包含し
ている。好ましくはエポキシ樹脂は多価フェノールのポ
リグリシジルエーテルである。好ましい多価フェノール
はビスフェノール−Aである。好適なエポキシ樹脂の市
販品の例は高級なエピコート(EPIKOTE)828
(EPIKOTEは商標である)、すなわち約380の
平均分子量と180〜195の範囲のエポキシ当量(E
EW)を有する2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンのジグリシジルエーテルである、シェル・
ケミカル・カンパニーの製品を包含している。
【0013】本発明はまた、エポキシ樹脂(i)および
このエポキシ樹脂(i)を硬化させるのに有効な量の、
エラストマー改質フェノール組成物(ii)からなる、エ
ポキシ樹脂組成物に関するものである。このような硬化
性エポキシ樹脂組成物は耐蝕耐剥離性塗料として使用す
ることができる。所望ならば、或る特定の塗料におい
て、エポキシ樹脂(i)を、官能化されているエラスト
マー(b′)で改質することができる。エポキシ樹脂
(i)の改質に適している、このような官能化エラスト
マー(b′)は、一般に前記の官能化エラストマー
(b)のいずれでもよく、好ましくは(b′)は(i)
の重量に基づいて、1〜20重量%の量で存在する。粉
末塗装の適用において、エラストマー改質フェノール組
成物(ii)とともに使用するのに適しているエポキシ樹
脂(i)は、一般に前述の固体エポキシ樹脂(a)のい
ずれでもよい。液体のエポキシ樹脂が、例えばビスフェ
ノール−Aによって固体の状態に改善されるならば、そ
れらのエポキシ樹脂を使用してもよい。エポキシ樹脂
(i)は一般に500ないし2000の範囲のEEWお
よび1000ないし3500の範囲の平均分子量を有す
る。これよりも高いEEWおよび分子量を有するエポキ
シ樹脂が、意図する用途、例えば押出機または溶融配合
機において加工できるならば、この樹脂を使用してもよ
い。
【0014】エポキシ樹脂(i)のエラストマー改質は
適当な方法のいずれで遂行してもよいが、その方法は一
般にエラストマーの官能基とエポキシ樹脂(i)のオキ
シラン基との間の接触付加反応による方法である。この
反応は適当な溶剤中で遂行することができる。粉末塗料
用として用いるために、その生成物はその後単離させる
ことができる。エポキシ樹脂(i)は、まず最初に官能
化エラストマー(b′)で改質してから、その品質を向
上させるか、あるいは最初にエポキシ樹脂の品質を向上
させてから、改質するか、あるいは品質の向上と改質を
1つの段階で遂行することができる。官能基をもつエラ
ストマー(b′)によるエポキシ樹脂(i)の改質は一
般に、0.5〜5時間の反応時間の間、40℃〜200
℃の範囲内、好ましくは140℃〜180℃の範囲内の
温度において遂行される。改質用の触媒は、反応混合物
の全重量に基づいて、0.01〜1.0重量%の量で反
応混合物に添加される。フェノール改質のための触媒と
同じ触媒が適しており、沃化エチルトリフェニルホスホ
ニウムのような第四ホスホニウム塩が好ましい。エポキ
シ樹脂(i)と官能化エラストマー(b)との反応生成
物は、冷却されると、500〜3,000の範囲、好ま
しくは700〜2,500の範囲のEEWを有する、砕
け易い固体となる。
【0015】本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物におい
て、エポキシ成分(i)のフェノール成分(ii)に対す
る当量比は、一般に0.7:1ないし1:0.7の範囲
内、好ましくは1:0.8ないし1:1の範囲内にあ
る。表1はエポキシ樹脂(i)のためのCTBN改質剤
(b)の粘度と百分率との間の関係を示している。15
0℃および175℃の両方におけるこの粘度のデータ
は、組成物が約25重量%またはそれ以上の改質剤を含
むときに、粘度が著しく上昇することを示している。そ
れ故、エポキシ樹脂は一般に約25重量%未満の改質剤
によって改質される。表2は本発明のエラストマー改質
フェノール組成物におけるCTBN改質剤(b)のTg
と百分率との間の関係を示している。表2から、(b)
が35重量%を超えるところでは、一般にTgが約50
℃よりも低いということが導かれる。それ故、エラスト
マー改質フェノール組成物は一般に5〜35重量%の範
囲の官能化エラストマー(b)を含んでいる。エラスト
マー改質フェノール組成物中の官能化エラストマー
(b)の量は、エポキシ樹脂成分(i)の中の官能化エ
ラストマー(b′)の量にしたがって、本発明の範囲内
でかなり変化することができるが、その量は好ましくは
5〜25重量%の範囲にある。
【0016】本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は他の
硬化剤、例えばアミン、カルボキシ官能性ポリエステ
ル、ポリカルボン酸またはその他のフェノール系誘導体
を含むことができる。エポキシ樹脂(i)および本発明
のエラストマー改質フェノール組成物はその他の添加
剤、例えば触媒、顔料、充填剤、光安定剤および酸化防
止剤を含むことができ、粉末塗料として用いるときに
は、流れ調整剤、アンチ−ポッピング剤(anti-popping
agent)、および粉末流動材(powder flow material)
のような通例の粉末塗料添加剤も含有させることができ
る。一般に、流れ調整剤を使用するとき、それは粉末塗
料全体の重量に基づいて0.05〜5.0重量%の量で
存在する。アンチポッピング剤は、焼付の間に揮発性材
料が塗膜から逃れるのを許すように、塗料に添加するこ
とができる。ベンゾインは通例好ましいアンチポッピン
グ剤であって、使用するときには、粉末塗料全体の重量
に基づいて0.5〜3.0重量%の量で存在する。
【0017】さらに、粉末塗料は貯蔵中のパウダーケー
キングを低減させるための粉末流動添加剤(powder flo
w agent )として溶融シリカを含有することができる。
溶融シリカの例として、キャボット社(Cabot Corporat
ion )によって販売されているCAB−O−SIL(C
AB−O−SILは商標である)がある。粉末流動添加
剤を使用するとき、それは粉末塗料全体の重量に基づい
て、0.1〜1.0重量%の量で存在する。本発明のエ
ラストマー改質粉末塗料は、このような塗料の架橋速度
を増大させるため、随意に少量割合の触媒を含有するこ
とができる。焼付温度は通常120℃〜240℃の範囲
内にある。好適な触媒は第四アンモニウム塩、第四ホス
ホニウム塩、ホスフィンおよびイミダゾールである。触
媒は一般に塗料の全重量を基にして、0〜5重量%の量
で塗料中に存在する。
【0018】本発明の粉末塗料の実施態様によれば、塗
料の成分を溶融配合(メルトブレンディング)すること
によって、熱硬化型の耐剥離性粉末塗料が調製される。
これは、まず最初に遊星形ミキサーで各成分を乾式配合
し、ついで80℃ないし130℃の範囲内の適当な温度
で混合物を押出機により溶融配合することによって成し
遂げることができる。つぎに、この押出物を冷却してか
ら粉砕して微粒子状の配合物にする。ついで、熱硬化型
の耐剥離性粉末塗料は、例えば、金属、例えば鋼または
アルミニウムのような支持体の上に直接塗布することが
できる。プラスチックおよび複合材料のような非金属の
支持体も使用できる。静電吹付により、あるいは流動床
の利用によって塗布することができる。静電吹付が好ま
しい方法である。塗料粉末は、硬化後2.0ないし1
5.0mmの塗膜厚さを提供するように、シングルスウィ
ープ(single sweep)または数回のパス(pass)の形で
塗布することができる。
【0019】支持体は均一、かつより厚い粉末の沈着を
促進させるため、粉末塗料の塗布に先立って、随意に予
熱してもよい。塗料粉末を塗布した後、粉末が塗布され
た支持体は、典型的には、121℃〜204℃において
1〜60分間、好ましくは149℃〜204℃において
10〜30分間焼付ける。この粉末塗料は直接裸の金属
の上に、例えば下塗剤が塗布されていない未処理の鋼、
または予備処理を施した、すなわち燐酸塩処理を施し
て、下塗剤を施してない鋼の上に直接塗布することがで
きる。粉末塗料はまた、粉末塗料を塗布する前に硬化し
たか、または硬化していない電着下塗剤の薄い(0.8
mm〜2mm)層を有する燐酸塩処理鋼の上に塗布すること
ができる。金属支持体の上の電着下塗は、例えば、PP
Gインダストリーズ社(PPG Industries, Inc.)から入
手できるユニプライム(UNIPRIME)3150
(UNIPRIMEは商標である)下塗剤のような、陰
極電着下塗剤組成物であり得る。本発明の或る局面によ
れば、粉末塗料を未硬化の電着下塗の上に直接塗布し、
ついで149℃ないし177℃の温度に10分間ないし
30分間加熱することによって粉末塗料層を共硬化でき
ることが予期される。
【0020】本発明の粉末塗料は、エラストマー改質剤
がエポキシ成分にしか混入されていない従来の粉末塗料
に比べて、改善された流れ特性を示す。さらに、本発明
の粉末塗料は表4に示されるように、優れた耐衝撃性を
具えている。エラストマー改質粉末塗料を塗布し、そし
て硬化させた後、塗布層の上に少なくとも1層のトップ
コート層を塗布することができる。このトップコート
は、例えば、メラミン樹脂とともに硬化した、ポリエス
テルを基とする塗膜、メラミン樹脂とともに硬化した、
アクリル酸を基とする塗膜、メラミン樹脂とともに硬化
した、アクリル酸およびポリエステル含有塗膜またはア
クリル酸グリシジル塗膜のような、エポキシを基とする
塗膜であり得る。トップコートは溶剤を基とする塗膜、
溶剤を含まない塗膜、水を基とする塗膜または粉末塗膜
であり得る。エラストマー改質粉末塗料層はこのような
トップコートばかりでなく、電着下塗層にも優れた被膜
間密着性を示し、それによって金属支持体上のすべての
複合塗膜に対する優れた耐剥離性を提供する。
【0021】本発明の塗料は、所望の剥離防止保護を与
えるために、自動車の適用において利用することができ
る。例えば、電着プライマー層、本発明の硬化性エポキ
シ樹脂組成物を含有する層、およびトップコート層を含
む自動車用コーティングを、石片の影響を受け易い車の
部分の上で使用することができる。同様に、電着プライ
マー層およびエラストマー改質粉末含有層を含むコーテ
ィングを、一般にトップコートが施されない場所の基部
コーティングとして使用できる。本発明の被覆物品はあ
らゆる温度範囲、すなわち−23℃ないし38℃の温度
および自動車が通常遭遇するあらゆる腐蝕環境において
耐剥離性、耐蝕性、および優れた被膜間密着を維持す
る。さらに、金属支持体上のエラストマー改質エポキシ
含有層およびその上のトップコート層を含むコーティン
グは、概して自動車の適用ほどには腐蝕性でない環境、
例えば家庭電化製品のコーティングにおいても使用する
ことができ、このコーティングはなお一層耐剥離性およ
び優れた被膜間密着を提供する。
【0022】
【実施例】実施例1〜5 下記の表1は、粘度と、エポキシ樹脂の中で、このエポ
キシ樹脂と反応したCTBNの百分率との関係を示すた
めに調製された5種のエラストマー改質エポキシ樹脂
(i)および基準組成物の組成を示している。頂部が開
いている0.11リットルの金属製容器の中に入れたC
TBN 1300X8(ビー・エフ・グッドリッチ社か
らHYCARとして入手できる)10g、ビスフェノー
ル−A(BPA)25.10gおよびエピコート(EP
IKOTE)828 64.90gを、すべてのBPA
が溶融するまで、攪拌しながら、200℃のホットプレ
ート上で加熱した。つづいて、0.06gのETPPI
触媒を添加し、そして攪拌しながら温度を徐々に180
℃まで上昇させた。約180℃において反応を3時間続
け、この時点で容器をホットプレートから移して、室温
で冷却させた。その結果生成した脆い樹脂状物質を、後
に続く評価のため微細な粒子に粉砕した。
【0023】エポキシ樹脂成分2〜5は、エピコート樹
脂、CTBNおよびBPAの割合を表1に示されるよう
に変化させた点を除き、同一条件下で製造した。これら
のゴム改質エポキシ樹脂の特性を、同様な方法で製造し
た、表1の非弾性エポキシ樹脂(STD)と比較した。
表から、エポキシ中に20重量%よりも多いエラストマ
ーを導入すると、容認できないほど高い溶融粘度を生ず
ることがわかる。
【0024】
【表1】 表1 CTBN改質エポキシ樹脂 組成 STD CTBN 1300X8 (g) 0 10 15 20 25 30 ビスフェノール A (g) 27.89 25.10 23.71 22.31 20.92 19.52 エピコート 828 (g) 72.11 64.90 61.22 57.69 54.08 50.48 ETPPI (g) −−−−−−−−−−−−−(0.06)−−−−−−− 合計 (g) −−−−−−−−−−−−−−100 −−−−−−−− 特性 EEW 計算値 720 833 904 989 1091 1216 測定値 704 860 1090 1275 1288 1441 溶液粘度、 (メチルエチルケトン中 40重量%) (mpa.s) 13.3 (測定されず、相分離) 溶融粘度(pa.s) 150℃ 2.48 4.96 7.52 10.4 40.5* 60.6* 175℃ 0.75 1.50 2.60 3.80 14.0 21.2 ガラス転移点、 DSC、中間点、℃ 59.7 58.2 56.4 58.7 62.2 62.7 メトラー融点、℃ 88.6 89.3 91.0 92.5 101.5 104.3 * ゲルに近い
【0025】実施例6〜10 下記の表2は、粘度と、添加されたCTBN百分率との
間の関係を示すために調製された5種のエラストマー改
質フェノール組成物および基準組成物の組成を示してい
る。頂部が開いている0.11リットルの金属製容器の
中に入れたCTBN1300X8 10g、エピコート
828 42.9gおよびBPA 47.1gを、すべ
てのビスフェノール−Aが溶融するまで、攪拌しなが
ら、200℃のホットプレート上で加熱した。つづい
て、0.06gのETPPI触媒を添加し、そして攪拌
しながら温度を徐々に180℃まで上昇させた。約18
0℃において反応を3時間続け、この時点で容器をホッ
トプレートから移して、室温で冷却させた。その結果生
成した脆い樹脂状物質を、後に続く評価のため微細な粒
子に粉砕した。
【0026】BPA、CTBNおよびエピコートの割合
を表2に示されるように変化させた点を除き、同一条件
下で、実験的なエラストマー改質フェノール硬化剤7〜
10を製造した。これらのエラストマー改質フェノール
硬化剤の特性を、表2において基準の非弾性フェノール
(STD)と比較する。表から、エラストマー改質の範
囲の上方部分においても、エラストマー改質フェノール
の溶融粘度(150℃)がほぼ10.0 pa.s に留まる
ことがわかる。
【0027】
【表2】 表2 CTBN改質線状フェノール組成物 組成 STD 10 CTBN 1300X8 (g) 0 10 15 20 25 30 ビスフェノール A (g) 47.2 42.9 40.5 38.1 35.7 33.3 エピコート 828(g) 52.4 47.1 44.5 41.9 39.3 36.7 ETPPI (g) −−−−−−−−−−−−−(0.06)−−−−−−− 合計 (g) −−−−−−−−−−−−−−100 −−−−−−−− 特性 フェノールのEEW 計算値 720 765 793 824 857 894 測定値 718 713 706 711 726 739 溶液粘度、 (メチルエチルケトン中 40重量%)(mpa.s) 22.5 30.1 32.1 36.3 40.0 48.4 溶融粘度(pa.s) 150℃ 11.7 10.9 10.8 9.92 8.90 9.51 175℃ 2.50 2.54 2.72 2.84 2.92 3.39 ガラス転移点、 DSC、中間点、℃ 77.5 70.0 69.9 62.7 58.8 54.2 メトラー融点、℃ 105 104 101 96.3 94.9 90.9
【0028】実施例11 10%のゴム改質物を含む固体のエポキシ樹脂を次のよ
うにして製造した。2リットルのガラス樹脂ケトル中に
651.5gのエピコート828(EEW188を有す
る液状エポキシ樹脂)、248.5gのビスフェノール
−A(フェノール当量114)および100.0gのC
TBN1300X8を入れた。攪拌機、コンデンサー、
サージチューブおよび温度計のための4個の開口を有す
る蓋をケトルに取り付けた。樹脂ケトルを囲む電気マン
トルヒーターを用いて混合物の温度を1時間で90℃ま
で上昇させた。ついで、0.3gのETPPI触媒を添
加してから混合物を30分間で160℃まで加熱して発
熱反応を起こさせ、そして3.5時間170℃に保持し
た。生成物をアルミニウムの鍋の中に注いで冷却し、固
化させた。この材料の特性は下記の表3に示される。
【0029】実施例12 10%のゴム改質物を含む固体のエラストマー改質フェ
ノール組成物を次のようにして製造した。2リットルの
ガラス樹脂ケトル中に406.7gのエピコート82
8、493.3gのBPAおよび100gのCTBN1
300X8を入れた。0.6gのETPPIを使用した
点を除き、装置および処理手順は実施例11と同じであ
った。この材料の特性は下記の表3に示される。
【0030】実施例13 20%のゴム改質物を含む固体のエラストマー改質フェ
ノール組成物を次のようにして製造した。2リットルの
ガラス樹脂ケトル中に838gのエピコート828、7
62gのBPAおよび400gのCTBN1300X8
を入れた。1.2gのETPPI触媒を使用した点を除
き、装置および処理手順は実施例11と同じであった。
この材料の特性は下記の表3に示される。
【0031】実施例14 固体のエポキシ樹脂を次のようにして製造した。2リッ
トルのガラス樹脂ケトル中に1358.2gのエピコー
ト828、501.8gのBPAを入れた。実施例11
と同じ装置において、最初の混合物を1時間にわたって
90℃に加熱した後、1.1gのETPPI触媒を加え
た。ついで混合物を1時間で160℃に加熱して発熱反
応を起こさせ、そして1.5時間170℃に保持した。
つぎに140gのエピコート(EPIKOTE)DPS
−155(EPIKOTE DPS−155は商標であ
る)、エポキシフェノール ノボラック樹脂を加えてか
ら、180℃において前の材料と1.5時間混合した。
均質な生成物をアルミニウム鍋の中に注いで冷却し、そ
して固化させた。この材料の特性は下記の表3に示され
る。
【0032】実施例15 20%のゴム改質物を含む固体のエポキシ樹脂を次のよ
うにして製造した。2リットルのガラス樹脂ケトル中に
584.6gのエピコート828、215.4gのBP
Aおよび200gのCTBN1300X8を入れた。装
置、処理手順およびETPPI触媒の添加量は実施例1
1と同じであった。この材料の特性は下記の表3に示さ
れる。
【0033】
【表3】 表3 実施例 11 12 13 14 15 エポキシ当量(g) 812 --- --- 561 1075 フェノール当量(g) --- 415 758 --- --- 溶融粘度 150℃、(pa.s) 5.3 2.8 13.4 1.8 16.0 メトラー融点、℃ 91 91 100 84 95 ガラス転移点、 DSC、中間点、℃ 47 59 63 50 58
【0034】表から、エラストマー改質フェノール組成
物の溶融粘度(実施例12および13参照)は、ゴム改
質エポキシ樹脂組成物の溶融粘度(実施例11および1
5参照)よりも低いことがわかる。さらに、エラストマ
ー改質フェノール組成物のガラス転移点は、同様なゴム
含有量において、エラストマー改質エポキシ樹脂組成物
と比較するとき、これよりも高い。低い溶融粘度を有す
るゴム改質フェノール組成物は、ゴムで改質されている
か、それともゴムで改質されていないエポキシ樹脂組成
物と組み合わせたとき、溶融粘度が低く、かつ流動性の
高い調合生成物を導く。例えば、これは、最終生成物中
に10%のゴム組成物を含有させることを望むときに有
利となる。従来の粉末塗料について、最終的に10%の
ゴムを含む組成物を得るためには、20%のゴムを含む
溶融粘度の高いエポキシ樹脂(実施例15参照)を、従
来の硬化剤とともに使用しなければならない。しかしな
がら、溶融粘度の低いエラストマー改質フェノール組成
物中にエラストマー成分を組み入れるときには、20%
のゴムで改質されたエポキシ樹脂よりも低い溶融粘度を
有する、低い百分率のゴムを組み入れたエポキシ樹脂ま
たは非エラストマー(エラストマーを組み入れてない)
エポキシ樹脂を使用することができる。全般的に低い粘
度は改善された流動性を生ずる。さらに、エラストマー
改質フェノール組成物の高いガラス転移点は、混ぜ物の
ない生成物および調合された生成物が大きい耐焼結性を
有することを示している。
【0035】実施例16〜17並びに比較例AおよびB 下記の表4は、本発明の種々のエラストマー改質粉末塗
料の特性と従来の粉末塗料の特性とを比較している。S
TDはエラストマー改質剤を含まない粉末塗料である。
実施例16は10重量%のCTBNで改質されたフェノ
ール組成物および10重量%のCTBNで改質されたエ
ポキシ樹脂成分を有する粉末塗料である。実施例17は
20重量%のCTBNで改質されたフェノール組成物お
よびエラストマー改質物を含まないエポキシ樹脂を有す
る粉末塗料である。比較例Aは酸官能基をもつポリエス
テル樹脂で硬化される従来のエポキシ樹脂であり、そし
て比較例Bは酸官能基をもつポリエステル硬化剤と組み
合わせた、CTBNで改質したエポキシ樹脂の粉末塗料
である。これらのすべての例において、固体のエポキシ
樹脂(固体の粉末塗料樹脂、すなわちエピコート(EP
IKOTE)2002(EPIKOTE2002は商標
である)および10%のポリアクリレート流れ調整剤、
すなわちエピコート(EPIKOTE)2002−FC
−10(EPIKOTE2002−FC−10は商標で
ある)(シェル・ケミカル・カンパニーから入手でき
る))を使用した。
【0036】表4に一覧に示した成分をそれぞれ遊星形
ミキサーで約2〜3分間混合してから、バス(Buss)P
R−46押出機を通して溶融混合した。押出物を冷却ロ
ール上で冷却し、大きい塊(チャンク)に砕き、そして
ハンマーミルで粉砕して微細な粉末にした。つぎに10
0メッシュの篩で篩って過大の粒子を除いた。その結果
得られた粉末塗料を、アースさせた鋼板の上に、静電ス
プレーガンを用いて静電式に吹き付けた。最終的に約2
mmの厚さを有する層を塗布して、これを204℃のオー
ブン中で10分間硬化させた。これらのエラストマー改
質粉末塗料の性能は下記の表4に示される。これらの性
能データから、エラストマー改質フェノール組成物を含
有する粉末塗料の177℃における傾斜板上の流動性
は、従来の硬化剤(B)を有するエラストマー改質エポ
キシ樹脂含有塗料よりも、ほぼ44〜63mm優れてい
る。傾斜板によって示される流動性の高い数値は、一般
に塗布の適用において流動性が改善されていることを示
している。驚くべきことに、エラストマー改質フェノー
ル硬化剤を含む粉末塗料の耐衝撃性が改善される。17
7℃における耐衝撃性は、他の典型的な粉末塗料に関す
る耐衝撃性よりも遙かに優れている。
【0037】
【表4】 表4 エラストマー改質粉末塗料 実施例(比較例) STD 16 17 A B エピコート 2002 432 83 -- 200 -- エピコート 2002-FC-10 65 65 65 65 65 実施例 15 -- -- -- -- 251 実施例 11 -- 281 -- -- -- 実施例 13 -- -- 251 -- -- 実施例 14 -- -- 278 -- -- エピコート硬化剤 P-201** 97 -- -- -- -- エピコート硬化剤 P-202** 56 -- 56 -- -- 実施例 12 -- 220 -- -- -- ポリエステル樹脂* -- -- -- 379 328 ベンゾイン -- -- -- 6 6 2−メチルイミダゾール -- 1 -- -- -- TiO2 350 350 350 350 350 * DSMから入手できる、酸官能基をもつポリエステル樹脂P−2230 ** シェル・ケミカル・カンパニーから入手できる、末端にフェノール基をもつ 高級な硬化剤の商標
【0038】
【表5】 表4(つづき) 性能 ゲル化時間、秒 176℃ 290 229 204 240 182 202℃ 131 103 93 105 82 光沢% 20° 98 97 93 90 86 60° 100 100 98 94 92 色調: L(白色度) 92.8 89.6 89.7 92.4 89.1 a(赤/緑、+/−) -1.1 -1.2 -1.0 -1.1 0 b(黄/青、+/−) 3.3 4.2 5.5 0 5.8 メチルエチルケトン抵抗性 −−−100回の往復摩擦にすべて合格−−−− 鉛筆硬度 −−−すべて7Hの引掻硬度値を示した−−−− 外観、滑らかさ、 (1〜5、最良〜最悪) 1 2〜3 3 1〜2 3 傾斜板流動性: 10分 204℃、mm 75 49 34 63 36 20分 177℃、mm 78 63 44 56 35 耐衝撃性、 cm.kg: a)表面 184 184 175 115 184 裏面 184 184 184 12 184 b)表面 115 184 184 12 104 裏面 35 184 184 12 35 ──────────── a)S型Qパネル上に2mmの被膜を塗布し、ついで204℃において10分間硬 化させた。 b)2mmの被膜を塗布し、ついで177℃において10分間硬化させた。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭48−59198(JP,A) 特開 昭59−196376(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 59/14 - 59/17 C08G 59/62 C09D 163/00 - 163/10 C09D 5/03 C08F 279/00 - 279/06

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 40℃ないし200℃の温度において、
    触媒の存在下に、エポキシ基が本質的に完全に消費され
    るのに十分な時間、 −1分子に付き平均1個よりも多いエポキシ基を有する
    エポキシ樹脂(a)、 −エポキシ基またはヒドロキシ基と反応する官能基を1
    分子に付き少なくとも1.5個含む官能化エラストマー
    (b)および −(a)に関して当量よりも過剰の二価フェノール
    (c) を、反応混合物の状態で接触させることによって得られ
    る、1分子に付き平均少なくとも1.5個の末端ヒドロ
    キシル基および300gないし2000gのフェノール
    当量を有する、エラストマー改質フェノール組成物。
  2. 【請求項2】 (b)の量が、(a)+(b)+(c)
    の合計重量に基づいて、5〜35重量%である請求項1
    の組成物。
  3. 【請求項3】 (a)が、1ないし4モル当量の(c)
    と反応する線状ジエポキシ樹脂である請求項1ないし2
    のいずれか1項の組成物。
  4. 【請求項4】 触媒が第四ホスホニウム塩である請求項
    1ないし3のいずれか1項の組成物。
  5. 【請求項5】 −エポキシ樹脂(i)および −(i)を硬化させるのに有効な量の、請求項1ないし
    4のいずれか1項の組成物(ii)を含有する硬化性エポ
    キシ樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 (i)が、官能基をもつエラストマー
    (b′)をさらに含有する請求項5の組成物。
  7. 【請求項7】 (b′)が、(i)の重量に基づいて、
    1ないし20重量%の量で存在する請求項6の組成物。
  8. 【請求項8】 エラストマー化合物(b)および
    (b′)が、独立して、または共に、末端に官能基をも
    つエラストマーX−B−Xであり、そして式中BがC4
    ないしC10ジエン;C4 ないしC10ジエンおよびビニル
    芳香族単量体;C4 ないしC10ジエンおよびビニルニト
    リル;C4 ないしC10ジエンおよびビニルニトリルおよ
    びビニル芳香族単量体;C4 ないしC10ジエンおよびビ
    ニルニトリルおよび(アルキル)アクリレート;からな
    る群から選ばれる物質の重合によって生じる重合体主鎖
    であり;そしてXはカルボキシ基、アミノ基、ヒドロキ
    シ基、エポキシ基、メルカプタン基、酸無水物基および
    イソシアネート基からなる群から選ばれる請求項1ない
    し7のいずれか1項の組成物。
  9. 【請求項9】 (b)および(b′)が、独立して、ま
    たは共に、末端にカルボキシ基をもつポリ(ブタジエン
    −アクリロニトリル)である請求項8の組成物。
  10. 【請求項10】 (i)および(ii)の当量比が0.
    7:1.0ないし1.0:0.7の範囲にある請求項7
    ないし9のいずれか1項の組成物。
  11. 【請求項11】 エポキシ樹脂(a)および(i)が、
    独立して、または共に、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
    フェニル)プロパンのジグリシジルエーテルである請求
    項1ないし10のいずれか1項の組成物。
  12. 【請求項12】 二価フェノール(c)が2,2−ビス
    (4−ヒドロキシフェニル)プロパンである請求項1な
    いし11のいずれか1項の組成物。
  13. 【請求項13】 請求項5ないし12のいずれか1項の
    組成物からなる塗料。
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