JP2949354B2 - 変性リポタンパクの測定法及びこれに用いるキット - Google Patents

変性リポタンパクの測定法及びこれに用いるキット

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は変性リポタンパクの測定法、更に詳細には特
に心筋梗塞等の心疾患や、糖尿病、脳卒中等の脳血管障
害等の各種動脈硬化性疾患の発症因子としての脂質代謝
異常の臨床検査や診断に有用な変性リポタンパクの測定
法及びこれに用いるキットに関する。
〔従来の技術〕
脂質代謝異常とは、リポタンパクの合成、分泌、異化
の過程でこれらのいずれかが異常をきたす状態と定義で
き、これは先天性リポタンパク代謝異常と後天性リポタ
ンパク代謝異常とに分類される。
また、上記脂質代謝異常は、種々の疾患、例えば心筋
梗塞等の心疾患、脳卒中等の脳血管障害等の各種動脈硬
化性疾患等の発症の重大な危険因子(リスクファクタ
ー)とされており、これら疾患の進展、予後等に重大な
影響を及ぼすことが知られており、該脂質代謝異常の検
出は、各種の臨床検査・診断に極めて重要な成果をもた
らす。
従来、上記脂質代謝異常の検出法としては、血液中の
総コレステロール値をパラメーターとするものが最も一
般的に定着している。この方法は、血液中の総コレステ
ロール値を常法、例えば酵素法により測定し、該値が臨
床的及び経験的に設定された域値(正常域)を逸脱する
場合を脂質代謝異常として検出するものである。また近
年、血液中のリポタンパク、即ち脂質とアポタンパクと
の結合物を比重により分画し、このうち特に高比重のリ
ポタンパク(高密度リポタンパク、HDL)のコレステロ
ール値を測定し、このHDL−コレステロール値そのもの
又は該値に対する総コレステロール値から該値を引いた
値、所謂動脈硬化指数を、脂質代謝異常の検出パラメー
ターとする方法も行われている。
しかしながら、現在までに蓄積された多くの免疫学的
調査の結果及び臨床的知見によれば、これら従来の脂質
代謝異常の検出方法は、実際の脂質代謝異常を必ずしも
的確に反映するものではなく、殊に臨床上その意義は低
いことがしばしば指摘されている。即ち、上記従来法は
いずれも総コレステロール値又はこれとHDL−コレステ
ロール値を測定するものであって、これらの測定値はい
ずれも脂質代謝異常とは必ずしも関連しない。特に総コ
レステロール値の高値は虚血性心疾患のリスクファクタ
ーの一つとしての意義は有する〔例えばMed.Clin:North
Am.,58,363−379(2974)参照〕が、疾患と直接結付く
ものではなく、その検出方法による脂質代謝正常群にお
ける疾患の発生や高度脂質代謝異常群における恒常的な
健全性等は、いずれも何ら希なものではない。またHDL
−コレステロール値及びこれを基準とする動脈硬化指数
をパラメーターとする場合も、上記と同様に実際の脂質
代謝異常を必ずしも的確に反映しない〔動脈硬化、14
(4),931−936(1986)等参照〕。
更に、最近の知見によると実際の脂質代謝異常には、
超低比重リポタンパク(VLDL)等のリポタンパクが生体
内で何らかの作用を受けることにより生成すると考えら
れる変性リポタンパクが、重大な影響を及ぼすという報
告が種々なされている〔例えばHui,D.Y.,Innerarity,T.
L.,& Mahley,R.W.,J.Biol.Chem.,259,860−869(198
4):Gonen B et al.,Diabetes,30,875(1981)等参
照〕。
〔発明が解決しようとする課題〕
従って、この変性リポタンパクを検出できれば、脂質
代謝異常を正確に検出でき、これは該脂質代謝異常をも
たらす各種疾患の的確な診断手段として、殊に疾患の発
見、進展状態、治療効果の把握等の臨床分野において非
常に有効であると考えられる。
本発明者は、総血漿リポタンパクから、アポタンパク
A−Iを構成成分とするリポタンパク(アポA−I含有
リポタンパク)及びアポタンパクB−100を構成成分と
するリポタンパク(アポB−100含有リポタンパク)を
除したものが、上記変性リポタンパクに相当することを
認めると共に、予め調製された抗アポタンパクA−Iモ
ノクローナル抗体及び抗アポタンパクB−100モノクロ
ーナル抗体を含むアフィニティゲル混合物と被検血液と
を接触させる時には上記アポタンパクA−I含有リポタ
ンパク及びアポタンパクB−100含有リポタンパクが見
事に系外に除去され、系の脂質測定によって所望の変性
リポタンパク量を容易且つ確実に測定、検出できること
を見出し、特に特許出願した(特願昭63−244987号、特
願平1−231893号)が、さらに新たな変性リポタンパク
の測定方法の開発が望まれている。
〔課題を解決するための手段〕
かかる実情において本発明者は、更に研究を重ねた結
果、検体よりアポタンパクA−I含有リポタンパク及び
アポタンパクB−100含有リポタンパク、又はアポタン
パクB−100含有リポタンパクを除去した後、残渣に抗
アポタンパクBポリクローナル抗体を反応させ、これに
結合するリポタンパク量を測定したところ、このリポタ
ンパク量が検体中の変性リポタンパク量をよく反映して
いることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は検体から抗アポタンパクB−100
モノクローナル抗体に結合するリポタンパク又は抗アポ
タンパクB−100モノクローナル抗体及び抗アポタンパ
クA−Iモノクローナル抗体に結合するリポタンパクを
除去した残渣より、抗アポタンパクBポリクローナル抗
体に結合するリポタンパクを検出することを特徴とす
る、検体中の変性リポタンパクの測定法、並びにこれに
用いる変性リポタンパク測定用キットを提供するもので
ある。
本発明測定法において、検体としては血液、特に空腹
時の血清又は血漿が好ましく、これらは被検者より採血
後、常法に従い調製できる。
本発明において、検体から抗アポタンパクB−100モ
ノクローナル抗体に結合するリポタンパク、又は抗アポ
タンパクB−100モノクローナル抗体及び抗アポタンパ
クA−Iモノクローナル抗体に結合するリポタンパクを
除去するには、例えば抗アポタンパクB−100モノクロ
ーナル抗体を結合させたアフィニティゲル、あるいは抗
アポタンパクB−100モノクローナル抗体及び抗アポタ
ンパクA−Iモノクローナル抗体を結合させたアフィニ
ティゲル混合物に、検体を加えて反応させた後、遠心分
離等によりゲルを除去すればよい。
ここで用いるアフィニティゲルは、通常の方法で調製
できる。すなわち、例えば上記のアフィニティゲルの調
製は、抗アポタンパクA−Iモノクローナル抗体及び抗
アポタンパクB−100モノクローナル抗体のぞれぞれを
ブロモシアン等で活性化させたアフィニティゲルにカッ
プリングさせ、その後両者を混合し、適当な緩衝液にて
平衡化する。ここで用いられる抗体としては、抗ヒトア
ポA−Iモノクローナル抗体及び抗体ヒトアポB−100
モノクローナル抗体(いずれも株式会社日本抗体研究所
製造)を代表例として例示できるが、特にこれらに限定
されるものではない。また用いられるアフィニティゲル
の代表例としては、例えば予めブロモシアン等で活性化
されたセファロース4B(ファルマシア社製)等を例示で
き、カップリング反応は上記ゲルとタンパクとのカップ
リング反応に慣用される常法に従い、通常pH8〜10の範
囲でゲル1ml当たり約1〜10μモルの抗体を用いて、室
温(約20〜25℃)下に2時間以内で実施できる。
このようにして調製されたアフィニティゲルは、その
まま又は振盪及び遠心分離が可能なチューブに予め調製
しておくことが好ましく、また予め適当な緩衝液、例え
ば0.01Mトリス塩酸緩衝液(pH7.4)+0.15M NaCl等の緩
衝液で上記ゲルを平衡化しておくのが好ましい。更に上
記緩衝液には、例えばアジ化ナトリウム等の通常の保存
剤を含ませることができる。
また、上記アフィニティゲル混合物における抗アポタ
ンパクA−Iモノクローナル抗体及び抗アポタンパクB
−100モノクローナル抗体の配合割合は、特に限定され
るものではなく、適宜決定できるが、通常前者に対して
後者を等量量以上、好ましくは約1〜2倍重量の範囲か
ら選択するのが望ましい。また得られるアフィニティゲ
ル混合物のpHは一般には約7〜7.5の範囲に調整される
のが好適である。
検体から抗アポタンパクB−100モノクローナル抗体
に結合するリポタンパク又は抗アポタンパクB−100モ
ノクローナル抗体及び抗アポタンパクA−Iモノクロー
ナル抗体に結合するリポタンパクを除去するための好ま
しい一実施態様によれば、まず前記のアフィニティゲル
(混合物)を振盪及び遠心可能な適当な容器乃至テスト
チューブに入れ、適当な緩衝液で平衡化させた後、該容
器内に所定量の被検血清を加え、室温で静置又は振盪し
て反応させた後、比較的低速度(約800〜1000rpm)で遠
心分離して沈渣を除去し、上清を取得することにより実
施される。この方法における被検血清の使用量は、通常
前記アフィニティゲル(混合物)重量の約1/8重量程
度、好ましくは1/4〜1/16重量程度とするのがよい。
かくして得られた残渣(上記実施態様における上清)
より、抗アポタンパクBポリクローナル抗体に結合する
リポタンパクを検出するには、抗アポタンパクBポリク
ローナル抗体を用いた通常の免疫学的手段を採用できる
が、例えば抗アポタンパクBポリクローナル抗体を固定
化した不溶性担体に上記残渣を接触させ、次いでこれに
標識抗アポタンパクBポリクローナル抗体を反応させ、
該担体中の反応生成物の標識量を測定することにより行
うのが好ましい。
本発明測定法に使用される抗アポタンパクBポリクロ
ーナル抗体としては、マウス、ラット、モルモット、ウ
サギ、ヒツジ、ヤギ、馬、牛等の動物にアポタンパクB
を感作させて得られる抗血清、これより分離されたイム
ノグロブリン(例えばIgG、IgM等)、その加工品である
F(ab′)、F(ab′)、F(ab)などが挙げられ
る。
不溶性担体としては、例えばガラス、ポリスチレン、
ポリエチレン、シリカ、フェノール樹脂、アクリル樹
脂、セルロース、ウレタン樹脂、ポリビニルアルコー
ル、塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリプロピ
レン、ポリテレフタレート、ポリカーボネート、ナイロ
ン、フッ素系プラスチック、ポリエステル等の球状又は
多角形粒子;あるいはセルロース、綿、ガラス繊維、ナ
イロン繊維、ビニロン繊維、アクリル繊維、ポリエチレ
ン繊維、ポリエステル繊維等の繊維性のものが挙げられ
る。これらのうち、球状又は多角形粒子が好ましく、そ
の粒径は、免疫反応終了後のB/F分離の容易性を考慮す
ると一般に3mm〜5mmが好ましい。
これらの不溶性担体に抗アポタンパクBポリクローナ
ル抗体を固定化するには、不溶性担体のもつ吸着性を利
用して自体公知の方法によって抗アポタンパクBポリク
ローナル抗体を担体の表面に結合させる。例えば、担体
がポリスチレンボールの場合には抗体を入れた緩衝液に
一晩かるく振盪しながら吸着させることによって固相化
する。また担体がガラスビーズの場合には、その表面に
塩基性アミノ酸類を吸着させ、これにグルタルアルデヒ
ド、マレイミド等の架橋剤を結合させ、さらにこの架橋
剤に抗アポタンパクBポリクローナル抗体を結合させる
ことによって固定化する。
標識抗アポタンパクBポリクローナル抗体は、抗アポ
タンパクBポリクローナル抗体を通常の標識剤を用いて
標識することにより調製される。標識剤としては、例え
ばヨウ素アイソトープ(例えば125I、131I)、14C、ト
リチウム等の放射性アイソトープ;ペルオキシダーゼ、
アルカリフォスファターゼ、ジアホラーゼ、β−D−ガ
ラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、ペニシリナ
ーゼ等の酵素;又はフルオレッセインイソシアネート、
フルオレッセインイソチオシアネート、ローダミン等の
蛍光物質が挙げられるが、このうち酵素が好ましい。こ
れらの標識剤で上記抗アポタンパクBポリクローナル抗
体を標識するには自体公知の方法が採用される。
また反応生成物中の標識量の測定には、標識剤が酵素
の場合、該酵素の基質及び発色剤を利用し、標識量を吸
光度変化として測定するのが好ましい。かかる基質及び
発色剤としては、標識剤の酵素に対応して、次のものが
例示される。すなわち、ペルオキシダーゼの場合、基質
として過酸化水素が発色剤としてo−ジアニシジン、o
−トリジン、4−クロル−1−ナフトル、2,2′−アジ
ノ−3−エチルベンゾチアゾリンスルホネート〔ABT
S〕、3−アミノ−9−エチルカルバゾール、2,7−フル
オレンジアミン、3−メチル−2−ベンゾチアゾリノン
ハイドロゾン〔MBTH〕、チラミン等が挙げられ;アルカ
ルフォスファターゼの場合、基質としてp−ニトロフェ
ノールリン酸が、発色剤として4−アミノアンチピリン
等が挙げられる。
前記の残渣より、抗アポタンパクBポリクローナル抗
体に結合するリポタンパクを検出するための一実施態様
を示せば、次の通りである。すなわち、まず、前記の残
渣は、適当な緩衝液に浸漬した抗アポタンパクBポリク
ローナル抗体(例えば、抗アポタンパクB IgG)結合ポ
リスチレンボールを添加し、約37℃で1〜3時間インキ
ュベート後、該ポリスチレンボールを適当な緩衝液で洗
浄する。次に酵素標識抗アポタンパクBポリクローナル
抗体(例えばペルオキシダーゼ標識抗アポタンパクB F
(ab′))を含有する緩衝液を添加し、約37℃で0.5〜
2時間インキュベートし、再び該ポリスチレンボールを
適当な緩衝液で洗浄する。次に発色剤(例えばABTS)を
添加してプレインキュベートし、さらに基質(例えば過
酸化水素液)を添加してインキュベートした後、反応を
停止させ、吸光度を測定する。得られた吸光度と対照の
吸光度との差から、検体中の変性リポタンパク量が、測
定できる。
本発明の測定法を実施するにあたっては、予め抗アポ
タンパクB−100モノクローナル抗体と抗アポタンパク
Bポリクローナル抗体の組み合せ、あるいは抗アポタン
パクB−100モノクローナル抗体、抗アポタンパクA−
Iモノクローナル抗体及び抗アポタンパクBポリクロー
ナル抗体の組み合せをキットとして供給するのが好まし
い。また、抗アポタンパクB−100モノクローナル抗体
及び抗アポタンパクA−Iモノクローナル抗体はアフィ
ニティゲルとして供給し、抗アポタンパクBポリクロー
ナル抗体は不溶性担体に固定化したものと、標識したも
のとして供給するのがより好ましい。なお、本発明キッ
トには、更に必要に応じてサッカロースやウシ血清タン
パク等の安定化剤及び/又は保存剤を添加配合できる。
この保存剤はキットの使用に際し実験値に悪影響を与え
ないものから選択され、例えば代表的には希釈したアジ
化ナトリウム(sodium azide)等を使用できる。また本
発明キットには水溶性もしくは水と混和し得るグリセリ
ン、アルコール類、グリコール類、グリコールエーテル
類等を含有させることもできる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、変性リポタンパクを簡便に測定で
き、これを脂質代謝異常のパラメーターとして該異常を
容易且つ有効に検出できる。殊に、血液中の変性リポタ
ンパク量は脂質代謝異常及びその程度を的確に反映する
もであり、本発明による脂質代謝異常の検出によれば、
前記した各種疾患の発見、進展、治療効果の把握等、特
に従来の検出法では把握できなかった心筋梗塞等の心疾
患や肥満等の病態の把握を十分且つ有効に行い得る。
〔実施例〕
次に参考例及び実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。
参考例1 抗アポタンパクBポリクローナル抗体の調製 調製LDL(シグマ社製)2mg/mlとフロイントの完全ア
ジュバント(Freund's Complete adjuvant)(半井化学
社製)を等量混合し、ウサギ四肢、及び背中の皮内数十
ケ所に注射して免疫した。2ケ月〜3ケ月の間に5〜6
回同様に投与した。最終投与2週間後に全血液を採取
し、その血清を用いた。
参考例2 抗ヒトアポタンパクBポリクローナル抗体固
定化ポリスチレンボールの調製 参考例1で得られた血清を飽和硫酸アンモニウムで塩
析分画し、沈澱を少量のPBS緩衝液に溶解して、同緩衝
液に対して4℃で24〜48時間、外液を数回交換しながら
透析を行った。透析後4℃、3000rpm、10分間遠心分離
を行った上清をプレフィルターを通し、0.0175M PBS(p
H6.3)で平衡化したDEAEセルロースに付加した。溶出し
てくる画分を吸光度280nmで測定し、タンパク画分を集
めこれに0.1M PBSを1/9量加えて4℃で保存した。
参考例3 ペルオキシダーゼ標識ヒトアポタンパクBポ
リクローナル抗体の調製 a.ポリクローナル抗体の前処理 参考例1で得られた精製抗体を0.1M NaClを含む0.1M
酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.5)に対して透析をした。
この溶液にブタ胃・ペプシンをIgG量の4%添加溶解
し、37℃で約18時間反応させ、次いで0.1M NaOHでpH7.0
に調整して、0.1M NaClを含む0.1Mリン酸ナトリウム緩
衝液(pH7.0)で平衡化したTSKgel G3000W(21.5mm×60
cm)のカラムに付した。F(ab′)のピークを回収後、
これを限外濾過により約5mg/mlにまで濃縮し、5mM EDTA
を含む0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)で透析を行った。透
析後、0.1M 2−メルカプトエチルアミン、及び5mM EDTA
を含む0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)を10分の1容添加
し、37℃、90分反応させた。ついでこれを50mM EDTA、
及び0.1M NaClを含む0.1Mリン酸緩衝液で平衡化したTSK
gel G3000SWに付与し、F(ab′)画分を回収した。回
収したF(ab′)画分を限外濾過で濃縮して、2.5mM ED
TAを含む0.1Mリン酸緩衝液で透析しペルオキシダーゼ標
識に供した。
b. ペルオキシダーゼの処理 N−サクシンイミジル−4−(N−マレイミドメチ
ル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート2.5mgをN,N
−ジメチルホルムアミドの150μに溶解した溶液を、
0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)1.5mlに10mgの西洋ワサビ・
ペルオキシダーゼ(HRP)を溶解した液に入れ30℃60分
間反応させた。ついで反応液に存在する沈澱を遠心分離
によって除去し、0.1Mリン酸緩衝液で平衡化したTSKgel
G3000SWに付与し、マレイミド・HRP画分を回収後、こ
れを濃縮して2.5mM EDTAを含む0.1Mリン酸緩衝液で透析
した。
c. HRP標識 aで得られたF(ab′)4mgとマレイミドHRP3.6mgを
混合し、2.5mM EDTAを含む0.1Mリン酸緩衝液を加えて2.
0mlとし、30℃で1時間反応させた後、50nM N−エチル
マレイミドを20μ加えた。次いで0.1M NaClを含む0.1
Mリン酸緩衝液で平衡化したTSKgel G3000SWXL(7.8mm×
30cm)に付与し、FRP−F(ab′)の画分を回収した。
これを回収したFRP−F(ab′)画分をPBS(−)で透析
後、2mg/mlのチメロサールを100分の1添加し、分注し
て−20℃で保存した。
実施例1 (1) 患者又は健常人より空腹時EDTA採血し、遠心分
離(2500〜3000rpm)して血漿を得た。
得られた各血漿について、トリグリセライド量を酵素
法(TG−555、協和メディクス社製)により測定した。
またコレステロール量を酵素法(Mereko Test CHO、関
東化学社製、2ml/10μ血漿、37℃、10分間インキュベ
ート)により測定(365nmでの吸光度測定)した。
(2) 上記血漿20μを試験管に加え、抗ヒトアポA
−Iモノクローナル抗体及び抗ヒトアポB−100モノク
ローナル抗体(ともに、株式会社日本抗体研究所製)を
それぞれ結合させたアフィニティゲル(ゲル1ml当り各
抗体をタンパク量として10mgずつカップリング反応させ
たブロムシアン活性化セファロース−4B)を含有する反
応液(各ゲルを等量の0.01M PBS(pH7.4)に混和して調
製したもの、各抗体のそれぞれ80μを含む)600μ
を分注し、振盪を30分間行い、その後15分間静置して上
清200μを分取した。
(3) 上記(2)の操作をアフィニティゲルとして、
抗ヒトアポB−100モノクローナル抗体のみを結合させ
たアフィニティゲル(調製手段は、抗体として抗ヒトア
ポB−100モノクローナル抗体のみを使用する以外は前
記(2)と同様)を用いる以外は、上記(2)と同様に
して上清300μを得た。
(4) 上記上清300μに抗アポB IgG固定化ポリスチ
レンボール〔牛血清アルブミン0.1%、塩化ナトリウム
0.1Mを含むリン酸緩衝液(0.01M,pH7.0)に浸漬したも
の〕を1個加え、37℃で2時間インキュベートした。ア
スピレータで反応液を除き、ポリスチレンボールをリン
酸緩衝液2mlで2回洗浄した。次いでペルオキシダーゼ
標識抗アポB F(ab′)のリン酸緩衝液(0.1M,pH6.5)3
00μ加え、37℃で1時間インキュベートした。再度ア
スピレータで反応液を除き、ポリスチレンボールをリン
酸緩衝液2mlで2回洗浄した。2,2′−アジノ−3−エチ
ルベンゾチアゾリンスルホネート〔ABTS〕0.13mgを含む
緩衝液(0.01Mクエン酸三ナトリウム及び0.01Mリン酸緩
衝液)にポリスチレンボールを加え、37℃で2分間プレ
インキュベートした。さらに0.02%過酸化水素水200μ
を加え、37℃で6分間インキュベートした。次に0.05
%アジ化ナトリウム液200μを加えて反応を停止さ
せ、波長405nmにおける吸光度を測定した。
(5) 上記の試験を健常人5名及び脂質代謝異常患者
5名の血液を用いて行った結果を第1表に示す。
第1表より、本発明の結果は、コレステロール値に比
べてトリグリセライド値と高い相関を有しており、この
ことより、外因性脂質代謝異常の一つの指標であるカイ
ロミクロンレムナント及び内因性脂質代謝異常の一つの
指標である異常VLDL(β−)を反映する変性リポタンパ
クの検出が行い得ることが確認できた。
また、上記(2)の上清を用いた場合と(3)の上清
を用いた場合の相関関係を第1図に示す。その結果、
(2)の上清を用いた場合と(3)の上清を用いた場合
には極めて高い相関性が認められた。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1において(2)の上清を用いて変性リ
ポタンパクを測定した場合(縦軸)と(3)の上清を用
いて変性リポタンパクを測定した場合(横軸)との相関
図である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】検体から抗アポタンパクB−100モノクロ
    ーナル抗体に結合するリポタンパク又は抗アポタンパク
    B−100モノクローナル抗体及び抗アポタンパクA−I
    モノクローナル抗体に結合するリポタンパクを除去した
    残渣より、抗アポタンパクBポリクローナル抗体に結合
    するリポタンパクを検出することを特徴とする検体中の
    変性リポタンパクの測定法。
  2. 【請求項2】抗アポタンパクBポリクローナル抗体に結
    合するリポタンパクの検出が、抗アポタンパクBポリク
    ローナル抗体を固定化した不溶性担体に請求項1記載の
    残渣を接触させ、次いでこれに標識抗アポタンパクBポ
    リクローナル抗体を反応させ、該担体中の反応生成物の
    標識量を測定するものである請求項1記載の測定法。
  3. 【請求項3】抗アポタンパクB−100モノクローナル抗
    体、抗アポタンパクA−Iモノクローナル抗体及び抗ア
    ポタンパクBポリクローナル抗体を含有する変性リポタ
    ンパク測定用キット。
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