JP2948259B2 - 詰綿用ファイバーボール - Google Patents

詰綿用ファイバーボール

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は家具用,ベッド,クッション等に用いられる
繊維,充填材料に関し,特に発泡ポリウレタン代替用と
して製造時にフロン等を用いず,また,燃焼時に有害ガ
スを発生せず,弾性回復性,耐ヘタリ性が優れている繊
維充填材料に関するものである。
(従来の技術) 従来,椅子の内張り,マットレス,ベッド等の充填材
として発泡ウレタンが多く用いられてきた。発泡ポリウ
レタンは立体的な網目構造を有しており,軽量で圧縮回
復性,耐ヘタリ性の優れた材料であるが,製造時に地球
のオゾン層を破壊するフロンガスを使用すること及び燃
焼時に発煙が多く,有害ガス発生の懸念があり,火事に
なった際煙に巻かれる等の大きな問題点が指摘されてい
る。
一方,合成短繊維で比較的太繊度(5デニール以上)
のものを梳綿し積層後,接着材や低融点バインダー繊維
を用いて成型し,家具やベッド,枕等のクッション材と
して用いられているが,この製造方法では繊維の方向は
横方向や縦方向に配列することはできるが,成型体の高
さ方向には配列させることができないため,上下方向か
ら加わる力に対しては回復性が乏しくなるというような
欠点を有するのである。
(発明が解決しようとする問題点) 上述のように,従来用いられてきた家具用充填材とし
ては環境破壊や燃焼時の発煙が少なく,しかも圧縮回復
性や耐ヘタリ性が良好であるものはなかった。
本発明者らは環境破壊や燃焼時の発煙が少なくまた有
害ガスの発生もなく,しかも圧縮回復性や耐ヘタリ性が
発泡ポリウレタンに劣らない性能を有するものを得んと
して種々検討の結果,合成短繊維が三次元的に絡み合う
構造を形成し,しかも繊維相互を適度に接着することに
より,圧縮回復性が優れ,耐ヘタリ性の少ない繊維充填
物の製造方法を見い出したものである。
(課題を解決するための手段) 即ち,本発明は繊度3〜30デニール,長さ10〜70mmの
実質的に捲縮を有しない合成短繊維(A)と,繊度3〜
30デニール,長さ10〜70mmの実質的に捲縮を有せず,し
かも前記合成短繊維(A)と相溶性を有し,合成短繊維
(A)の融点より20℃以上低い粘着温度を有する低融点
成分を鞘部に配した芯鞘型バインダー繊維(B)とを重
量比で90〜50%/10〜50%の割合で水に分散し,1〜10時
間攪拌することにより平均径5〜50mmのファイバーボー
ルを形成する詰綿用ファイバーボールの製造方法であ
る。
本発明において合成短繊維(A)とは,ポリエステ
ル,ポリビニルアルコール,ポリプロピレン等がその対
象となるが,剛性の高いポリエステル等が圧縮回復性や
耐ヘタリ性の面から最も好ましい。また,上記特性を損
わない範囲で共重合,ブレンド等により改質した繊維を
使用できる。また,これらの合成短繊維中に従来公知の
着色剤,制電剤,難燃剤,艶消剤等を練り込むことも可
能である。バインダー繊維(B)としては,ポリプロピ
レン,ポリエチレン,低融点ポリエステルの低融点成分
を鞘部に配した芯鞘型繊維を用いる。
また,バインダー繊維(B)の粘着温度は合成短繊維
(A)の融点より20℃以上低くなければならない。粘着
温度が合成短繊維(A)の融点との差が20℃未満となる
と熱処理時に合成短繊維(A)が変形したり,ひどい場
合には溶融するため圧縮回復性が乏しくなり,また非常
に硬くなるという欠点を有する。
次に,バインダー繊維(B)は合成短繊維(A)と相
溶性を有する必要がある。相溶性がないと熱処理しても
接着性が乏しいため得られた成型体の強度がなく,外力
でその構造が破壊されるため充填材としての機能を有し
なくなるのである。合成短繊維(A)とバインダー繊維
(B)との組合せとしては,ポリエチレン−ポリプロピ
レン,ポリエステル−低融点ポリエステル等があるが,
圧縮回復性,耐ヘタリ性が良好なポリエステル−低融点
ポリエステルが最も好ましい。
合成短繊維及びバインダー繊維の捲縮については,フ
ァイバーボールの作り易さの点で実質的に有しないこと
が必要である。捲縮を有した繊維を用いると捲縮のため
繊維相互の分散が不良になり,球状に集合することが不
可能となる。
次に,合成短繊維及びバインダー繊維の繊度である
が,3〜30デニールの範囲になければならい。繊度が3デ
ニール未満であると,繊維の腰が不充分になり,成型し
た後ベッド等に充填しても底つき感が出て好ましくな
い。また,繊度が30デニールを越えると繊維の剛性が大
となり,柔軟性に乏しくなり好ましくない。
また,合成短繊維及びバインダー繊維の繊維長は繊度
と関係し,細繊度繊維ほど短く,太繊度繊維は相対的に
長くなるが,上記の繊度範囲では10〜70mmにする必要か
ある。10mm未満であると後述するようにファイバーボー
ルの径が5mm未満になり,70mmを越えると繊維相互の絡み
合いが激しくなり,ファイバーボールにすることが著し
く困難となる。
なお,合成短繊維及びバインダー繊維の繊度及び繊維
長は両者共同じ程度にすることが好ましい。これはファ
イバーボールを作る際,両繊維のブレンドが均一になる
と共にファイバーボール化がし易くなるためである。
次に,合成短繊維とバインダー繊維の混率であるが,9
0〜50wt%/10〜50wt%の範囲にしなければならない。合
成短繊維が90wt%を越えると相補的にバインダー繊維の
量が10wt%未満となり,ファイバーボールを熱処理によ
り成型してもファイバーボールの繊維接着点が少なくな
り,外力に対してファイバーボールの立体形状を繊維す
ることが困難であり,圧縮回復性及び耐ヘタリ性が著し
く悪化する。また,合成短繊維が50%未満になると相補
的にバインダー繊維量が50%を越えるため,熱処理して
成型したファイバーボールが硬くなり,ベッド等に充填
した場合不快な凹凸感がでて好ましくない。
次に,ファイバーボールの形状であるが,ベッド等に
充填した場合上下,左右からの外力に対して抵抗力を有
するよう真球状が好ましいが,充填する家具等の形状か
ら扁平球状であってもさしつかえない。
ファイバーボールの径としては5〜50mm程度が必要で
ある。5mm未満であると使用するファイバーボールの量
が多くなるため高価になると共に軽量化が困難となる。
また,径が50mmを越えると充填した場合にファイバーボ
ールとファイバーボールの間に大きな空隙ができるた
め,凹凸感が出てくるため好ましくない。
ファイバーボールの製造方法としては,上記したよう
な特定の繊度,繊維長を有する合成短繊維とバインダー
繊維とを特定の比率で水を満たした水槽に分散させ,空
気を連続的に吸い込むか,攪拌機で1〜10時間攪拌する
ことにより繊維群が分散や集合を繰り返し,均一なファ
イバーボールを形成させるのである。
最後にファイバーボールを充填材として成型する方法
としては,ファイバーボールを製造した後バインダー繊
維が固着しない温度で乾燥し,乾燥後のファイバーボー
ルを空気が通過できるパンチングプレート等からなる型
枠に充填し,熱風循環処理装置に導入し,バインダー繊
維の粘着温度以上,合成短繊維の融点未満で熱処理する
ことにより,ファイバーボール内部に点在するバインダ
ー繊維はその近傍の合成短繊維と接着し,ファイバーボ
ール表面近傍にあるバインダー繊維はファイバーボール
間で接着し,強固でしかも柔軟な成型体となるのであ
る。
(実施例) 次に,本発明を実施例及び比較例により本発明を具体
的に説明する。
なお,測定はクッション用軟質ウレタンフォームに関
するJIS−K6401に準拠し,見掛け密度,圧縮残留ひずみ
率,繰返し圧縮残留ひずみ率を測定した。その他の測定
法については次のとおりである。
粘着温度 ポリマーが変形しはじめる温度であり,柳本自動融点
測定装置AMP−1型を使用し,シリコーンバス中でのポ
リマーへの針入温度として求めた。
極限粘度〔η〕 フェノールの四塩化エタン等重量混合溶媒を用いて20
℃で測定した。
実施例1,比較例1〜4 イソフタル酸を20mol% 共重合ポリエステル(粘度
温度200℃,〔η〕=0.69)を鞘部とし,ポリエチレン
テレフタレートホモポリマー(融点257℃,〔η〕=0.6
9)を芯部に配し,複合比1:1で公知の複合紡糸装置を用
い,公知の条件下で紡糸,延伸した後,捲縮を付与せず
に第1表に示すバインダー繊維を得た。
また,前記ポリエチレンテレフタレートホモポリマー
を用いて,通常の紡糸装置を用い,紡糸,延伸した後,
捲縮を付与せずに第1表に示すポリエステル繊維を得
た。
上記バインダー繊維を20wt%,主体繊維80wt%適宜組
合せ,第3図に示すファイバーボール製造装置に5g/
になるように投入し,回転数250rpm,6時間で第2表に示
すファイバーボールを得た。
次に,上記実施例1及び比較例1,2及び比較例4のフ
ァイバーボールを風乾した後,縦横300mm,高さ50mmの,
熱風の通過性の良いパンチング板で作製した型枠に充填
し,50g/cm2の荷重をかけた際,高さが50mmになるよう充
填量を調整した後,220℃×5分間熱処理した後,嵩密
度,圧縮残留ひずみ率,繰り返し圧縮残留ひずみ率及び
着用感を評価したところ,第3表のようであった。
実施例2,3,比較例5,6 実施例1で用いたバインダー繊維(ハ)及び主体繊維
(チ)の混綿比を第4表のように変化さて実施例1と同
様にファイバーボールを製造したが,径及び収率は実施
例1と同様であった。このファイバーボールを実施例1
と同様に熱処理し,同一項目について評価を行った結果
を第4表に示す。
比較例7 主体繊維として実施例1で用いた主体繊維(チ)に捲
縮付与したもの(捲縮数10ケ/25mm,捲縮率21%)80wt%
と(ハ)のバインダー繊維を混綿して,実施例1と同様
にファイバーボール化を試みたが,主体繊維が有する捲
縮のため繊維が開繊せず,ファイバーボールにはならな
かった。
比較例8 主体繊維としてユニチカ製中空複合繊維13d×51mm 8
0wt%とバインダー繊維としてユニチカ製メルティー
(粘着温度200℃)12d×51mm 20wt%を常法により混
綿,梳綿しウェッブとなした後,50g/cm2の荷重をかけた
際厚みが50mmとなるよう積層した後,220℃×5分間熱処
理を行い,所定の寸法に裁断しサンプルとした。実施例
と同様に評価したところ,嵩密度25kg/m3,圧縮残留ひず
み率26%,繰り返し圧縮残留ひずみ率18%と圧縮弾性能
に乏しいものであった。
(発明の効果) 以上説明した本発明により特定の繊度,繊維長を有す
る非捲縮の合成短繊維と,非捲縮のバインダー繊維を特
定の比率で混綿し,三次元のファイバーボール化したも
のを熱処理することにより,主体繊維とバインダー繊維
が強固に接着するため,家具,ベッド等にふさわしい弾
性回復性に優れた充填体を得ることができ,この充填体
は繊維状であるためフロン等の発泡剤を用いることもな
く,またポリマー中に窒素やイオウを含まないため,燃
焼したとしても有害ガスの発生がない等の利点を有する
ものでる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明であるファイバーボールの概観図で,
(イ)は真球形状,(ロ)は扁平球状を示し,第2図は
ファイバーボールの拡大図,第3図はファイバーボール
の製造装置を示す。 図中,1は主体繊維,2はバインダー繊維,3は水槽,4は攪拌
翼,5は邪魔板,6はモーターを示す。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊度3〜30デニール,長さ10〜70mmの実質
    的に捲縮を有しない合成短繊維(A)と,繊度3〜30デ
    ニール,長さ10〜70mmの実質的に捲縮を有せず,しかも
    前記合成短繊維(A)と相溶性を有し,合成短繊維
    (A)の融点より20℃以上低い粘着温度を有する低融点
    成分を鞘部に配した芯鞘型バインダー繊維(B)とを重
    量比で90〜50%/10〜50%の割合で水に分散し,1〜10時
    間攪拌することにより平均径5〜50mmのファイバーボー
    ルを形成する詰綿用ファイバーボールの製造方法。
  2. 【請求項2】合成短繊維(A)がポリエチレンテレフタ
    レート繰返し単位主体のポリエステルであり,バインダ
    ー繊維(B)の低融点成分が低融点ポリエステルである
    請求項1記載の詰綿用ファイバーボールの製造方法。
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