JP2948195B1 - 蓄熱式電気床暖房装置 - Google Patents

蓄熱式電気床暖房装置

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JP2948195B1
JP2948195B1 JP9595798A JP9595798A JP2948195B1 JP 2948195 B1 JP2948195 B1 JP 2948195B1 JP 9595798 A JP9595798 A JP 9595798A JP 9595798 A JP9595798 A JP 9595798A JP 2948195 B1 JP2948195 B1 JP 2948195B1
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美穂 松本
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▲高▼松建設株式会社
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Abstract

【要約】 【課題】 従来の蓄熱式電気床暖房の場合、多くの工数
を要するとともに床レベルが高くなってしまう。また、
工事期間が長くなって工事費用の増加を招いてしまう。 【解決手段】 床スラブB上に高低調整可能な支持部材
1を所定間隔で設け、この支持部材1間に床スラブBと
所定の隙間Sを有する吊台2を設け、この吊台2の内壁
面に断熱材3を設けるとともに、この断熱材3の内側に
蓄熱材4を設けることにより、支持部材1間に設けられ
た吊台2内に蓄熱材4を設けて床レベルを高くすること
なく様々な床レベルに対応することができる蓄熱式電気
床暖房装置Hを設けることができるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願に係る発明は、蓄熱
式の電気床暖房装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、住宅等の床暖房装置として、大別
すると電気ヒーター式、温水式、蓄熱式の3種類が採用
されている。この内、電気ヒーター式と温水式は、比較
的厚みが薄いため、マンション等の置き床式の住宅にお
いて採用されている。この電気ヒーター式及び温水式の
場合には置き床上に設けられている。
【0003】一方、蓄熱式で床スラブ埋め込み型のもの
として、学校や役場等の暖房時間が限られた場所におい
て採用されており、電気料金の安い深夜電力で蓄熱して
昼間に放熱することによって、ランニングコストを昼間
電力を使用する場合の1/3程度に低減させることがで
きる点で注目されている(従来例1)。
【0004】この種の従来技術として、特開平7−27
352号公報記載の発明があり、この発明の床暖房装置
では、上部が開放されたチャンネル部材を支持部材と
し、これらの内部に底部から断熱層、通電発熱体を敷き
込み、この通電発熱体の上に潜熱蓄熱体と顕熱発熱体の
両者を併用した蓄熱体を敷き込んでいる(従来例2)。
【0005】また、他の従来技術として、実開昭61−
159712号公報記載の考案もあり、この考案では、
高低調整可能な床下地材上に所定間隔で角材を設置し、
この角材間に電気式発熱体を設置し、この電気式発熱体
の上面又は下面又は中間等に容器に密封充填された凝固
性蓄熱材を設けている(従来例3)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来例1の蓄熱式の電気床暖房装置をマンション等の住宅
における置き床式に採用しようとした場合、例えば、R
C(reinforced concrete) 造のマンションで使用するた
めには、置き床の上に更に根太を組み、この根太間に設
けることが考えられるが、この場合には、床レベルが高
くなることにより室内スペースが減少するとともに、床
工事後に更に造作工事が必要になるので、工数が増え工
事期間も長くなるため工事費用の増加を招いてしまう。
しかも、このような蓄熱式の場合、蓄熱材を薄くして床
レベルを低くしようとすると十分な蓄熱量を確保するこ
とが難しくなり、一般住宅において暖房を最も必要とす
る夕方以降まで十分な暖房効果を発揮することができな
くなる。そのため、夕方以降には昼間電力を使用して暖
房せざるを得なくなり、深夜電力を使用して蓄熱するメ
リットが少なくなる。
【0007】また、前記従来例2の場合には、床支持部
材上に支持されたチャンネル部材内に断熱層と通電発熱
体と蓄熱層を積層状態に構成した上に床材を設けている
ため、多くの工数を要するとともに床レベルが高くなっ
てしまう。
【0008】さらに、前記従来例3の場合も、床スラブ
上に設けられた断熱材を有する床下地材上に角材と電気
発熱体と凝固性蓄熱材とを設けているため、多くの工数
を要するとともに床レベルが高くなってしまう。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、前記課題を解決
するために、この出願に係る発明の蓄熱式電気床暖房装
置では、床面に接する脚材で支持材の上面が水平となる
ように調節する調節部材を具備した支持部材を設け、該
支持部材の支持材上面から所定距離下方に吊台支持溝を
設け、該吊台支持溝に挿入する鍔部を有するとともに該
鍔部挿入状態で床面と所定の隙間を有する凹状の吊台を
設け、該吊台の鍔部を吊台支持溝に挿入して前記支持部
材を並設することにより該支持部材を所定間隔で配設
し、該吊台の内面に断熱材を設けるとともに、該断熱
の支持材長手方向複数個の蓄熱材を設けている。
【0010】これにより、床スラブ等の床面上に設けら
れた支持部材に支持された吊台内に蓄熱式電気床暖房装
置を設けることができるので、床レベルを高くすること
なく蓄熱式電気床暖房装置を設けることが可能となる。
しかも、支持部材の上面から吊台を突出させることなく
支持部材を所定間隔で配設することができるので、吊台
突出分の段差を補助材等により調整する必要がなく床材
の施工が容易に行え、作業性の向上を図ることができ
る。
【0011】また、床面に接する脚材で支持材の上面が
水平となるように調節する調節部材を具備した支持部材
を設け、該支持部材の支持材上面で支持する鍔部を有す
るとともに該鍔部支持状態で床面と所定の隙間を有する
凹状の吊台を設け、該吊台の鍔部を前記支持部材の支持
材で支持して支持部材を並設することにより該支持部材
を所定間隔で配設し、該吊台の内面に断熱材を設けると
ともに、該断熱材内側の支持材長手方向に複数個の蓄熱
材を設けても、床レベルを高くすることなく蓄熱式電気
床暖房装置を設けることが可能となるとともに、床材の
施工が容易に行え、作業性の向上を図ることができる。
【0012】
【0013】
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この出願に係る発明の一実
施例を図面に基づいて説明する。図1はこの出願に係る
発明の第1実施形態を示す蓄熱式電気床暖房装置の断面
図であり、図2は同第1実施形態における支持部材を示
す図面で、(a) は側面図、(b) は端部の拡大図である。
【0015】図示するように、この実施形態における蓄
熱式電気床暖房装置Hは、床面となる床スラブB上に支
持部材1が所定間隔で配設され、この支持部材1間に上
端がほぼ支持部材1の上面に位置する吊台2が設けられ
るとともに、この吊台2の内部壁面に断熱材3が設けら
れ、この断熱材3中に蓄熱材4が設けられている。そし
て、この支持部材1の上面に床材5が設けられている。
【0016】前記支持部材1は、高低調節が可能なよう
に支持材1a(根太)の下部に調節部材6が設けられ、
この調節部材6によって支持材1aの上面が水平となる
ように調節される。この調節部材6は、床スラブBと接
する脚材6aと、この脚材6aと支持材1aとの間に設
けられたネジ材6bとで構成されており、このネジ材6
bを回転させることによって支持材1a内に設けられた
ネジ部1bを介して支持材1aが昇降して脚材6aの下
面から支持材1aの上面までの距離を調節できるように
構成されている。
【0017】この実施形態では、支持材1aの上面から
所定距離下方に吊台2を支持するための吊台支持部とな
る吊台支持溝7が形成されている。この例では支持溝7
を支持部材1の高さ方向のほぼ半分の位置に設けること
により、吊台2が支持部材1から上方へ突出しないよう
に構成されている。これにより、吊台2が支持部材1か
ら上方へ突出しないようにして、支持部材1の上面と床
材5との間に隙ができるのを防いでいる。
【0018】また、この支持溝7は、両側で吊台2を支
持できるように、支持材1aを水平方向に貫通するよう
に形成されている。この吊台支持溝7は、左右から交互
に設けた千鳥配置であってもよい。また、この吊台支持
溝7は溝以外であってもよく、吊台2を支持できる構成
であればよい。なお、支持材1aの端部には、後述する
際根太上に位置させるための切欠き部1cが設けられて
いる。
【0019】前記吊台2は、上部が開放した樋状に形成
されており、両端部に吊台2を支持部材1に支持するた
めの鍔部2aが形成され、この鍔部2aの間に蓄熱材4
を保持するための蓄熱材保持部2bが形成されている。
これら鍔部2aと蓄熱材保持部2bは、吊台2の端部を
外向きに屈曲させることにより鍔部2aを形成するとと
もに、この鍔部2aに連続するように凹状に屈曲させて
蓄熱材保持部2bが形成されている。
【0020】また、この吊台2の蓄熱材保持部2bの幅
寸法は、鍔部2aを支持部材1の支持溝7に挿入して当
接させた時に支持部材1が所定間隔で配設されるような
寸法で形成されている。なお、この吊台2を床スラブB
から所定の隙間Sを設けて浮かすことにより、遮音性能
を確保するとともに床スラブBの不陸に影響されずに吊
台2を設置できるようにしている。
【0021】この実施形態では、吊台2の鍔部2aを支
持材1aの支持溝7に挿入することによって吊台2を支
持しているが、図3に示す吊台を支持する別例の断面図
のように、鍔部2aを支持材1aの上面で支持するよう
に構成してもよく、吊台支持溝7を設ける高さや形態は
適宜設定すればよく、この実施形態に限定されるもので
はない。なお、図3における図1と同一の構成には同一
符号を付している。
【0022】前記断熱材3は、支持部材1に支持された
吊台2の内面に設けられており、所定厚の断熱材3が吊
台2の下面と側面の支持部材上端位置まで設けられてい
る。
【0023】前記蓄熱材4は、このように設けられた断
熱材3の内側に設けられており、断熱材3の上端位置ま
での大きさのものが設けられている。このように支持部
材1の高さ寸法を有効に利用して厚みの比較的厚い蓄熱
材4を設けることにより、十分な蓄熱量を確保できるよ
うにしている。この蓄熱材4としては、凝固性蓄熱材等
が用いられる。
【0024】このようにして所定間隔で配設された支持
部材1の上面には、居住空間の床を形成する床材5が設
けられる。この図では、床材5の上面に仕上げ材5aが
設けられている。
【0025】図4は、以上のように構成された図1に示
す蓄熱式電気床暖房装置を設ける施工手順の一例を示す
図面であり、支持部材の端部における施工例を示す側面
図である。図5は同吊台を設ける状態を示す斜視図であ
り、図6は同蓄熱式電気床暖房装置を設けた床面を示す
平面図である。これらの図面に基づいて以下に蓄熱式電
気床暖房装置Hの施工方法を説明する。
【0026】まず、図4に示すように、施工する場所の
周囲に際根太8を取付け、一番端の支持部材1の設置位
置を決め、際根太8間に図示しない水糸を張る。この水
糸を基準とし、支持部材1の支持材1a端部における切
欠き部1cを際根太8に掛け、ネジ材6bを回転させて
脚材6aの下面から支持材1aの上面までの高さを調節
する。これにより支持部材1の上面がほぼ水平となるよ
うに調節される。この時、支持部材1の両端を際根太8
に掛けるため、レベル出しが簡単に行え、後述する蓄熱
材設置時や配線時にレベルが狂いにくい。このように、
高さ調節可能な支持部材1を利用するため、支持部材1
のレベル出し作業等の施工作業が簡単に行える。
【0027】その後、図5に示すように、所定位置に設
けられた支持部材1の吊台支持溝7に吊台2の一端に形
成された鍔部2aを挿入するとともに、この吊台2のも
う一端に形成された鍔部2aを並設された支持部材1の
吊台支持溝7(図示略)に挿入しながら次の支持部材1
を並設する。この時、吊台2の両鍔部2aを支持部材1
の吊台支持溝7に挿入して蓄熱材保持部2bと支持材1
aとを当接させれば、支持部材1が所定のピッチで並設
されるため、支持部材1と吊台2とを組立てれば支持部
材1が所定間隔で配設されることとなる。
【0028】そして、支持部材1と吊台2とを全て設置
した後、支持部材1間の吊台2の上に断熱材3が設けら
れるとともに、この断熱材3の内側に蓄熱材4が設けら
れる。この蓄熱材4は、所定の大きさで形成されてお
り、吊台2の長手方向に複数個設けられる。
【0029】このようにして設けられた蓄熱材4は所定
の配線で接続される。この時、支持部材1のレベルを確
認し、ネジ材6bによって高さの調節を行ってもよい。
このようにして調節された支持部材1上には、図6に示
すように、支持部材1間の寸法に合わせて所定幅で切断
された床材5が設けられる。この例では、支持材1aの
上面からネジ材6bの上端が突出しているため、このネ
ジ材6bを避けるように床材5が配設される。そして、
このネジ材6bを避けるように配設された床材5の上面
には、これら床材5の間にできた隙間を塞ぐように仕上
げ材5aが設けられている。
【0030】以上のように、吊台2により置き床下部の
スペース(支持部材1の厚み寸法)を有効に利用して比
較的厚みの厚い蓄熱材4を設けて十分な蓄熱量を確保す
ることができるため、床暖房用の根太組みが不要とな
り、従来通りの床レベルで多くの蓄熱量を確保できる蓄
熱式電気床暖房装置Hの施工が可能となる。また、様々
な床レベルに対応することが可能で、新築物件や既存の
マンション等への施工も可能である。さらに、配線工事
以外の工事はすべて置き床工事で可能となるので、作業
を連続的に行って効率の良い施工作業ができる。
【0031】なお、前記実施の形態では、床材5と近接
するタイプの蓄熱材4を例に説明したが、吊台2の高さ
を変えることにより、蓄熱材4と床材5との間に空気層
が必要な高温タイプの蓄熱材にも容易に対応することが
可能であり、蓄熱材4の種類には限定されない。
【0032】
【発明の効果】この出願に係る発明は、以上説明したよ
うな形態で実施され、以下に記載するような効果を奏す
る。
【0033】床スラブ等の床面上に設けられた支持部材
の吊台内に蓄熱式電気床暖房装置を設けることにより、
床レベルを高くすることなく蓄熱式の電気床暖房装置を
設けることが可能となり、広範囲の建築物に適用できる
蓄熱式電気床暖房装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願に係る発明の第1実施形態を示す蓄熱
式電気床暖房装置の断面図である。
【図2】図1に示す第1実施形態における支持部材の図
面で、(a) は側面図、(b) は端部の拡大図である。
【図3】図1に示す蓄熱式電気床暖房装置の吊台を支持
する別例の断面図である。
【図4】図1に示す蓄熱式電気床暖房装置を設ける施工
手順の1つを示す図面であり、支持部材の端部における
施工例を示す側面図である。
【図5】図1に示す蓄熱式電気床暖房装置を設ける施工
手順の吊台を設ける手順を示す斜視図である。
【図6】図1に示す蓄熱式電気床暖房装置を設けた床を
示す平面図である。
【符号の説明】
1…支持部材 2…吊台 3…断熱材 4…蓄熱材 5…床材 6…調節部材 7…支持溝 8…際根太 B…床スラブ S…隙間 H…蓄熱式電気床暖房装置

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 床面に接する脚材で支持材の上面が水平
    となるように調節する調節部材を具備した支持部材を設
    け、該支持部材の支持材上面から所定距離下方に吊台支
    持溝を設け、該吊台支持溝に挿入する鍔部を有するとと
    もに該鍔部挿入状態で床面と所定の隙間を有する凹状の
    吊台を設け、該吊台の鍔部を吊台支持溝に挿入して前記
    支持部材を並設することにより該支持部材を所定間隔で
    配設し、該吊台の内面に断熱材を設けるとともに、該断
    材内の支持材長手方向複数個の蓄熱材を設けたこ
    とを特徴とする蓄熱式電気床暖房装置。
  2. 【請求項2】 床面に接する脚材で支持材の上面が水平
    となるように調節する調節部材を具備した支持部材を設
    け、該支持部材の支持材上面で支持する鍔部を有すると
    ともに該鍔部支持状態で床面と所定の隙間を有する凹状
    の吊台を設け、該吊台の鍔部を前記支持部材の支持材で
    支持して支持部材を並設することにより該支持部材を所
    定間隔で配設し、該吊台の内面に断熱材を設けるととも
    に、該断熱材内側の支持材長手方向に複数個の蓄熱材を
    設けたことを特徴とする蓄熱式電気床暖房装置。
JP9595798A 1998-04-08 1998-04-08 蓄熱式電気床暖房装置 Expired - Lifetime JP2948195B1 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004278149A (ja) * 2003-03-17 2004-10-07 Universal Home Inc 基礎束及び床の基礎構築方法

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