JP2946931B2 - 高温高湿型原子間力顕微鏡及び化学反応の観察・定量化方法 - Google Patents

高温高湿型原子間力顕微鏡及び化学反応の観察・定量化方法

Info

Publication number
JP2946931B2
JP2946931B2 JP8298592A JP8298592A JP2946931B2 JP 2946931 B2 JP2946931 B2 JP 2946931B2 JP 8298592 A JP8298592 A JP 8298592A JP 8298592 A JP8298592 A JP 8298592A JP 2946931 B2 JP2946931 B2 JP 2946931B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
humidity
probe
afm
corrosion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP8298592A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06123744A (ja
Inventor
雄二 塚本
明伸 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
Nippon Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Electric Co Ltd filed Critical Nippon Electric Co Ltd
Priority to JP8298592A priority Critical patent/JP2946931B2/ja
Publication of JPH06123744A publication Critical patent/JPH06123744A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2946931B2 publication Critical patent/JP2946931B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Length Measuring Devices With Unspecified Measuring Means (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温高湿下で生じる腐
食現象など科学的あるいは物理的な変化に伴う表面形態
変化のその場観察を可能にする高温高湿型原子間力顕微
鏡(以下、AFMと略す)及びその化学反応を観察・定
量化する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】AFMは走査型トンネル顕微鏡(以下、
STMと略す)から派生した表面観察手段であり、ST
Mと同様ミクロンオーダーでの表面形態の観察から原子
レベルでの構造観察が可能である。STMは探針/試料
間に流れるトンネル電流を、AFMは探針/試料間に作
用する微小な力をそれぞれ検出プローブとしている。S
TMでは探針と試料の両者に導電性を必要としている。
STMと比較したAFMの特徴は、試料に導電性を必要
としない点であり、誘電体など電気伝導性を有しない物
質の表面構造観察手段として有効である。AFMはNa
noscopeII(米国Digital Instr
ument社が生産販売しているSTMの商品名)のオ
プションやOAFM(オリンパス光学(株)の商品名)
としてすでに市販されている。被検査試料に導電性を必
要としないAFMは、一般に腐食生成物が電気伝導性を
有さないことから、腐食現象の観察に有効であると思わ
れる。
【0003】産業上の利用分野の項に述べたように、本
発明は高温高湿下で生じる腐食現象などをその場観察で
きるAFMに関する。そこで、腐食現象の観察にAFM
を応用する必要性をはじめに説明する。軽薄短小化の傾
向は全産業を通して浸透しており、特に電子デバイスの
分野においてはサブミクロンからサブサブミクロン、い
わゆるナノメータ膜厚の薄膜を積層した薄膜デバイスが
数多く商品化されている。このような薄膜デバイスでは
従来無視されてきた極めて微量の腐食現象がデバイス全
体の機能や寿命を決定することになり、ナノメータ・ス
ケールで進行する極微量の腐食現象を観察,定量化する
技術の確立が急務とされている。
【0004】このような技術動向を背景にして、腐食,
酸化,吸着など表面における化学反応を対象とした測定
評価技術が実用化されていることは周知の事実である。
微量腐食の定量化技術に着目すれば、最近水晶振動子を
質量センサーとして用い、水晶振動子上に設けた薄膜表
面で進行する腐食現象をナノグラム・オーダーで検知す
る腐食評価装置が提案されている(例えば特開平3−2
06921号公報)。また、微細パターンを設けた薄膜
試料を高温高湿環境に曝露し、曝露前後の微細パターン
試料の電気抵抗変化から腐食量を定量化する微細パター
ン抵抗法(Katsumichi Tagami an
d Hiroshi Hayashida:Corro
sion Rate Activation Ener
gy of Sputtered CoCr Perp
endicular Media,IEEE TRAN
SACTIONS ON MAGNETICS,Vol
ume Mag−23,No.5,1987,pp36
48−3650)も提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】水晶振動子法や微細パ
ターン抵抗法などの従来の微量腐食検知技術の短所は、
表面のどの位置で、どのような状態の、どの程度の腐食
が発生しているかといった疑問に対して答えてくれない
という点に集約される。この疑問は薄膜化がより進展
し、より初期段階の腐食が問題となりつつある電子デバ
イスの信頼性にとって早急に答えを与えねばならない重
要な技術課題である。そして、この課題は従来の評価技
術が現象の進行過程を測定環境下でその場観察できる技
術ではないことから発している。
【0006】また、水晶振動子法においては振動子の振
動安定性の制約を受けて、測定時間が10時間以内と限
定されることから、耐食性や耐酸化性の良好な材料の評
価が不可能であるといった欠点が指摘されている。
【0007】微細パターン法は、試料が電気伝導性であ
り、反応生成物が非電気伝導性であり、かつ全面均一な
化学反応系であることに限定され、これら3条件のひと
つでも満足されなければ、適用できないという欠点があ
る。
【0008】AFMは原子レベルの分解能を有し、非伝
導性物質の測定も可能であることから、この点を解決し
得る極めて有効な手段のひとつであると考えられる。し
かしAFMを用いた高温高湿下での腐食の定量化測定は
なされておらず、更に腐食現象の解明にはその場観測を
することが重要である。その場観察を可能とするために
は、温度と湿度を制御できる環境内でAFMを作動させ
る必要がある。すなわち、AFMによる腐食その場観察
装置は、通常の室温大気中や真空中のAFMと異なり、
高温高湿といった原子レベルの分解能が要求される測定
装置にとって極めて苛酷な作動環境で作動させる必要が
ある。したがって、克服すべき主要な技術課題は以下の
4点である。
【0009】1)高温高湿下における探針、探針走査・
駆動系とその回路系の経時変化や劣化を抑える。
【0010】2)探針の変位検出系であるレーザ半導体
素子と光検出CCD素子の経時変化や劣化を抑える。
【0011】3)温度の不均一や温度ドリフトに起因す
る観察位置の移動や観察像のゆがみを抑える。
【0012】4)温度の不均一や水蒸気供給の不備に起
因する水蒸気分圧の不均一や局所的な結露状態を抑え
る。
【0013】従来の技術の項に記述した市販のAFM装
置は上記1)〜4)項すべてを考慮しておらず、探針や
探針変位測定系の劣化に起因して、AFM像がドリフト
し、AFM像観察が不可能となる。
【0014】また、酸化,腐食などの化学反応は一般に
体積膨張もしくは収縮を伴うことから、化学反応の初期
段階においては表面形態や表面あらさはナノメータ・ス
ケールで変化するとされている。観察・測定の対象であ
る化学反応の進行に応じた、表面あらさなどの変化を精
密に測定できれば、表面あらさの経時変化に基づいた化
学反応の定量化が可能となるし、化学反応が進行してい
る環境下でその過程をその場観察できれば、従来の観察
手段(XPSやオージェ分光法)とは異なるまったく新
しい化学反応のその場観察法を提供できることになる。
【0015】しかしながら、従来の表面形態観察測定装
置、例えば走査型電子顕微鏡や触針式表面あらさ計で
は、化学反応の初期段階で生じるナノメータ・レベルの
表面形態変化の測定には分解能が不十分であった。
【0016】本発明の目的は以上の課題を解決した高温
高湿型原子間力顕微鏡及び化学反応の観察・定量化方法
を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】高温高湿下での探針表
面、特に探針先端の酸化,腐食は安定したAFM像の観
察を困難にする。そこで本発明では通常のAFM用探針
にCr膜を5nm、Cr膜上にさらにAuやPtなど貴
金属系薄膜を5nm被覆することによって探針の酸化,
腐食を防止した。
【0018】探針を駆動するZ軸方向のアクチュエータ
と、試料を走査するXYポジショナは、フッソ樹脂(膜
厚10μm)でコーティングした後、さらにガラス系モ
ールド材で被覆した。これにより水蒸気の浸入を防止
し、安定した走査性を確保した。
【0019】探針駆動用の回路系の主要な部分である前
置き増幅器は、セラミック製パッケージ内に真空封入し
た後、端子に金線を接続し、さらにガラス容器内に真空
管と同様の手法で真空封入した。2段階の真空封止によ
り前置き増幅回路への水蒸気の浸入と過度の温度上昇を
抑制し、探針駆動回路の安定した動作を保証した。ま
た、レーザ半導体素子と光検出CCD素子は、無反射ガ
ラスで作製した容器内に真空封入することによって、そ
れらの素子の劣化を防止した。
【0020】AFMは熱膨張係数が2×10-8(/℃)
と極めて小さいガラス容器内に設置した。直径12c
m、高さ15cmの円柱形のガラス容器には温度と湿度
を調整した空気を送り込むための流入口と、排出用の流
出口を各10個、合計20個設け、容器内の位置による
温度,湿度の変動を抑制した。また、小型の温湿度セン
サをガラス容器内に設置し、ガラス容器内の位置による
温度と湿度の変動を測定し、この変動ができるだけ小さ
くなるように流入口へ送り込む空気量を調節した。な
お、この空気流入量は温湿度センサからの情報と空気量
を調節する電磁バルブとを連動させることにより自動的
に調整される。これらの工夫を施すことにより、AFM
測定を行う環境内の温度変動を±0.1℃、湿度変動を
±1.0%以内に抑えることが可能となり、高温高湿下
においても安定してAFM測定を行えるようにした。
【0021】また、本発明の化学反応の観察・定量化方
法では、試料の表面形態、もしくは表面あらさの経時変
化を上述した高温高湿型原子間力顕微鏡を用いてナノス
ケールで測定することにより、化学反応のその場観察と
定量化を可能にしたものである。
【0022】
【作用】AFMは表面形態を0.1nm程度の分解能で
測定できることから、化学反応の初期段階における極め
て微小な表面形態や表面あらさの変化を検知することが
できる。本発明の高温高湿型原子間力顕微鏡は温度50
℃以上、100℃以下、相対湿度40%以上、90%以
下の環境で、それぞれAFM測定を可能としたものであ
り、これらを用いることにより反応過程の進行をその場
観察することができる。
【0023】なお、本発明のAFMのそれぞれの手段が
有する機能およびそれらによって得られた効果は、実施
例の項で詳述する。
【0024】
【実施例】本発明の実施例について説明する。図1は本
発明の高温高湿型原子間力顕微鏡の一実施例のブロック
図である。本実施例の高温高湿型原子間力顕微鏡は、
度50℃以上、100℃以下、相対湿度40%以上、9
0%以下の高温高湿環境下で動作し、温度変動を±0.
1℃、相対湿度変動を±1.0%以内に制御した熱膨張
係数5×10-8(/℃)以下のガラス容器8内に設置さ
れる。この高温高湿型原子間力顕微鏡は、貴金属系薄膜
で被覆した探針1を用い、フッソ樹脂およびガラス系モ
ールド材で被覆した探針駆動用Z軸アクチュエータ4
と、試料走査用XYポジショナ3を用い、無反射ガラス
容器内に真空封入したレーザ半導体素子6と光検出CC
D素子7で探針の変位測定系を構成し、セラミック製パ
ッケージおよびガラス容器内に真空封入した探針駆動回
路用前置き増幅器5を用いている。
【0025】探針1は従来のAFM用探針に、スパッタ
法によりCr膜を5nm被覆し、Cr膜上にさらにスパ
ッタ法によりPt薄膜を5nm被覆した探針である。C
rとPtを被覆することによって探針1の酸化,腐食を
防止した。Cr膜はPt薄膜の剥離を抑える付着層とし
て設けた。従来のAFM用探針はSi基板からドライプ
ロセスによつて加工したもので、電気伝導性に欠けるた
め、探針1や試料2に静電気を帯電し易く、静電気によ
つて観察不能状態となることが多い。本発明に用いた探
針1では、Pt膜により電気伝導性が保証されているた
め、上記のような観察が不可能となる状態を回避するこ
とができた。
【0026】試料2は、試料を走査するXYポジショナ
3に固定されている。XYポジショナは圧電素子を組み
合わせて作製し、水蒸気の浸入を防止するために、アク
チュエータでフッソ樹脂(膜厚:10μm)でコーティ
ングした後、さらにガラス系モールド材で被覆した。4
は探針1を駆動するZ軸方向のアクチュエータである。
探針1のZ軸アクチュエータ4はXYポジショナ3と同
様の圧電素子で作製し、それをフッソ樹脂(膜厚:10
μm)とガラス系モールド材で被覆した。XYポジショ
ナ3とZ軸アクチュエータ4に、フッソ樹脂およびガラ
ス系モールド材を被覆することにより、安定した走査性
を確保することに成功した。
【0027】探針駆動用回路系の前置き増幅器5は、探
針/試料間に作用する力の変動を検知する探針変位測定
系からの信号を受け、力すなわち探針の変位が一定とな
るように、Z軸アクチュエータ4を制御するための電気
信号を最終的にZ軸アクチュエータ4に加える主要な役
割を果たしている。前置き増幅器の電気回路部は、セラ
ミック製パッケージ内に真空封入した後、端子に金線を
接続し、さらにガラス容器内に真空管と同様の手法で真
空封入した。2段階の真空封止により前置き増幅回路へ
の水蒸気の浸入と過度の温度上昇を抑制し、探針駆動回
路の安定した動作を保証した。
【0028】探針1の変位測定系は、レーザ半導体素子
6と光検出CCD素子7で構成されている。探針1は一
般にカンチレバーと呼ばれる形状であり、探針/試料間
に作用する力の変動を受けて、Z軸方向にたわむ構造と
なっている。探針系のたわみ量を変位測定系により検知
し、たわみ量が一定となるようにZ軸アクチュエータ4
を駆動させる。したがって、変位測定の安定性と精度
が、AFM観察の安定性と精度を決定しているともいえ
る。そこで、レーザ半導体素子6と光検出CCD素子7
を無反射ガラスで作製した容器内に真空封入することに
よって、それら素子の機能劣化を防止するとともに、測
定の安定性を確保した。
【0029】AFM装置全体は、熱膨張係数が2×10
-8(/℃)と極めて小さいガラス容器8の内に設置し
た。熱膨張係数の小さい容器内に装置全体を設置するこ
とにより、温度変動に伴う、装置系の局部的な歪みを抑
え、AFM観察位置の移動など、いわゆる温度ドリフト
を防止した。AFM直径12cm、高さ15cmの円柱
形のガラス容器には、温度と湿度を調整した空気を送り
込むための流入口9と、流出口10を各10個、合計2
0個設け、容器内の位置による温度,湿度の変動を抑制
した。流入口9には温湿度調節器11を通して温度と相
対湿度を調整した空気が送り込まれる。なお、結露状態
は以下のようにして防止した。試験開始時、温度を試験
温度、相対湿度約5%に調整した乾燥空気をAFM装置
が置かれたガラス容器内に送り込み、ガラス容器内を試
験温度まで加熱する。小型温湿度センサ12により、容
器内が試験温度に達したことを確認した後、流入空気の
湿度を約30分かけて所定の湿度へ増していく。この方
法により、ガラス容器8内の局部的な結露現象は完全に
抑えることができた。また、小型の温湿度センサ12は
探針近傍に6個設置されており、探針近傍の温度と湿度
の変動を測定し、この変動ができるだけ小さくなるよう
に10個の流入口9へ送り込む空気量を調節した。な
お、この空気流入量は温湿度センサ12からの情報によ
り、温湿度調節器11と流入口9との間に設置された空
気量調節用の電磁バルブ13のバルブの開閉状態を抑制
することにより自動的に調整される。これらの工夫を施
すことにより、AFM測定を行う環境内の温度変動を±
0.1℃、湿度変動を±1.0%以内に抑えることが可
能となり、高温高湿下においても安定してAFM測定を
行えるようにした。
【0030】探針駆動、試料走査、温湿度センサからの
温湿度情報の入力、電磁バルブの制御、AFM像の測定
と画像処理などはパーソナルコンピュータ14を中心と
した制御測定系により行った。また、15は送風用の空
気ボンベである。
【0031】次に本発明の化学反応の観察・定量化方法
の実施例について説明する。
【0032】図2は高温高湿型AFMを用いてソーダラ
イムシリカガラス薄膜の腐食進行過程を温度80℃、相
対湿度80%の下でその場観察した例である。図2
(A)は高温高湿に曝露する前の表面状態(平均あら
さ:0.24nm)、図2(B)は(80℃,80%R
H)に10時間暴露した後の表面状態(平均あらさ:
0.74nm)である。ソーダライムシリカガラス表面
層で進行する腐食現象(ソーダライムシリカガラス中の
ナトリウムが水蒸気や二酸化炭素と反応し、水和した炭
酸ナトリウムが形成される)が表面あらさの変化とし
て、明確に観察できることがわかる。図2に示したソー
ダライムシリカガラスの腐食過程を、暴露時間に伴う表
面あらさ(平均あらさ)の経時変化として定量化した測
定結果を図3に示す。反応の初期段階で直線的に表面あ
らさは増加し、その後飽和する。直線域の傾きを腐食速
度と定義すれば、各温度,湿度条件におけるソーダライ
ムシリカガラス薄膜の腐食速度を求めることができる。
相対湿度80%一定、温度を60〜90℃で変化させた
暴露試験におけるソーダライムシリカガラス薄膜の腐食
速度を表1に示す。
【表1】 表1に示した腐食速度をアレニウスの反応速度式に基づ
いて整理すると、ソーダライムシリカガラス薄膜の腐食
の活性化エネルギーを算出することができる。アレニウ
スの式は V=A×exp(−E/kT) である。ただし、V:反応速度、A:反応速度定数、
E:反応の活性化エネルギー、K:ボルツマン定数、
T:絶対温度である。アレニウスの式に表1の腐食速度
を代入し、最小自乗法によりEを求めると、相対湿度8
0%におけるソーダライムシリカガラス薄膜の腐食活性
化エネルギーは0.95eVと見積もられる。
【0033】同様の方法により測定した相対湿度80%
における純Coの腐食活性化エネルギーは0.76e
V、純Feのそれは0.60eVであった。また、湿度
すなわち水蒸気に変えて、他の腐食性など反応性ガスを
導入することによって、その雰囲気下で進行する化学反
応のその場観察や反応量を定量化することも可能であ
る。
【0034】
【発明の効果】以上のように本発明の高温高湿型AFM
によつて、従来まったく困難であった高温高湿環境に曝
露した表面についてAFMによるその場観察が可能とな
り、表面反応に関して多くの情報を与える観察装置を提
供できる。
【0035】また本発明の化学反応の観察・定量化方法
の実施例に示した測定結果は従来の腐食評価法では測定
困難であったものであり、特に50℃以上、100℃以
の温度領域で生じる反応の活性化エネルギーを測定す
ることは従来法ではほぼ不可能とされてきた。本測定法
は高温高湿型原子間力顕微鏡を適用することにより、従
来法に比較すると格段に優れた精度で、しかもその高感
度測定を高温下で行うことを可能とし、反応過程を直接
その場観察することと定量化に成功した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による高温高湿型原子間力顕微鏡の一実
施例のブロック図である。
【図2】本発明によるソーダライムシリカガラスの腐食
進行過程を示すその場観察結果を示す写真である。
【図3】本発明によるソーダライムシリカガラスの腐食
進行過程を示す表面あらさの経時変化を示す図である。
【符号の説明】
1 探針 2 試料 3 XYポジショナ 4 Z軸アクチュエータ 5 前置き増幅器 6 レーザ半導体素子 7 光検出CCD素子 8 ガラス容器 9 流入口 10 流出口 11 温湿度調節器 12 小型温湿度センサ 13 電磁バルブ 14 パーソナルコンピュータ 15 空気ボンベ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 37/00 G01B 21/30 G01B 11/30 G01B 7/34 H01J 37/28 JICSTファイル(JOIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】温度変動を±0.1℃、相対湿度変動を±
    1.0%以内に制御され熱膨張係数5×10 -8 (/℃)
    以下のガラスまたは金属容器内に、 貴金属系薄膜で被覆された探針と、 フッソ樹脂およびガラス系モールド材で被覆された探針
    駆動用Z軸アクチュエータおよび試料走査用XYポジシ
    ョナと、 無反射ガラス容器内に真空封入され、前記探針の変位測
    定系を構成するレーザ半導体素子および光検出用CCD
    素子と、 セラミック製パッケージおよびガラス容器内に真空封入
    された探針駆動回路用前置き増幅器とを収容し、 温度50℃以上、100℃以下、相対湿度40%以上、
    90%以下の高温高湿環境下で動作することを特徴とす
    る高温高湿型原子間力顕微鏡。
  2. 【請求項2】試料の表面形態、もしくは表面あらさの経
    時変化を請求項1に記載の高温高湿型原子間力顕微鏡を
    用いて測定することを特徴とする化学反応の観察・定量
    化方法。
JP8298592A 1992-03-06 1992-03-06 高温高湿型原子間力顕微鏡及び化学反応の観察・定量化方法 Expired - Fee Related JP2946931B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8298592A JP2946931B2 (ja) 1992-03-06 1992-03-06 高温高湿型原子間力顕微鏡及び化学反応の観察・定量化方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8298592A JP2946931B2 (ja) 1992-03-06 1992-03-06 高温高湿型原子間力顕微鏡及び化学反応の観察・定量化方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06123744A JPH06123744A (ja) 1994-05-06
JP2946931B2 true JP2946931B2 (ja) 1999-09-13

Family

ID=13789515

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8298592A Expired - Fee Related JP2946931B2 (ja) 1992-03-06 1992-03-06 高温高湿型原子間力顕微鏡及び化学反応の観察・定量化方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2946931B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB9805019D0 (en) * 1998-03-11 1998-05-06 Bicc Plc Method of and apparatus for detecting cable oversheath faults and installations in which they are used
DE10016628A1 (de) * 2000-04-04 2001-10-18 Schott Glas Verfahren zum Herstellen von kleinen Dünnglasscheiben und größere Dünnglasscheibe als Halbfabrikat für dieses Herstellen
JP2008111735A (ja) * 2006-10-31 2008-05-15 Sii Nanotechnology Inc 試料操作装置
JP2008232983A (ja) * 2007-03-23 2008-10-02 Jeol Ltd Spm及びspm測定方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06123744A (ja) 1994-05-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
O’shea et al. Atomic force microscopy stress sensors for studies in liquids
Miyatani et al. Calibration of surface stress measurements with atomic force microscopy
US20060207317A1 (en) Scanning probe microscope
US6300756B2 (en) Micro-mechanical probes for charge sensing
Yang et al. Micromachined force sensors for the study of cell mechanics
Hansen et al. Work function measurements in gas ambient
Robinson et al. Scanning tunneling microscopy of optical fiber corrosion: surface roughness contribution to zero‐stress aging
Brunt et al. Measuring surface stress induced by electrode processes using a micromechanical sensor
JP2946931B2 (ja) 高温高湿型原子間力顕微鏡及び化学反応の観察・定量化方法
Musevic et al. Temperature controlled microstage for an atomic force microscope
Gotszalk et al. Tip-based nano-manufacturing and-metrology
Blackburn et al. The development of stress and surface temperature during deposition of lithium fluoride films
JP3054900B2 (ja) 微細加工装置
Van Herwaarden et al. Performance of integrated thermopile vacuum sensors
JP2004170281A (ja) 走査型局所電流計測装置および該計測装置を備えた薄膜デバイス製造装置
US5874734A (en) Atomic force microscope for measuring properties of dielectric and insulating layers
JPH0526837A (ja) 材料表面の測定方法およびその装置
Park et al. Fabrication of porous polymeric film for humidity sensing
JPH0883789A (ja) 微細加工方法
US4110613A (en) Magnetic tape type sensors, method and apparatus using such magnetic tape sensors
JP2003121459A (ja) 電気特性測定装置及び測定方法
JPS61193047A (ja) 微小硬度測定機
JP2967308B2 (ja) 微小カンチレバー型プローブ及びその製造方法、それを備えた表面観察装置及び情報処理装置
JP4497665B2 (ja) プローブの走査制御装置、該走査制御装置による走査型プローブ顕微鏡、及びプローブの走査制御方法、該走査制御方法による測定方法
US6828804B2 (en) Method of measuring electrical capacitance

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070702

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080702

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees