JP2946383B2 - パワーステアリング機構 - Google Patents

パワーステアリング機構

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JP2946383B2
JP2946383B2 JP5173628A JP17362893A JP2946383B2 JP 2946383 B2 JP2946383 B2 JP 2946383B2 JP 5173628 A JP5173628 A JP 5173628A JP 17362893 A JP17362893 A JP 17362893A JP 2946383 B2 JP2946383 B2 JP 2946383B2
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pinion gear
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等の車輌のパワ
ーステアリング機構に関し、特に電動式のパワーステア
リングに適したものである。
【0002】
【従来の技術】高速走行時に車体の回転運動を少なくし
て安定性を向上させたり、或は低速時の小回り性の向上
を図るために四輪操舵の開発が盛んに行なわれている。
そして、この四輪操舵機構においても、路面からタイヤ
に力が加わった場合にタイヤの向きが変わることを阻止
する非可逆動力伝達機構が必要である。従来の非可逆動
力伝達機構としては、ウオームギアとウオームホイール
との噛み合せ機構の特性を活かし、順方向の力を伝達す
るがその逆方向の力の伝達は行なわないようにしたもの
が一般的である。しかし、この機構では伝達効率が20
〜30%と低いので、電動式パワーステアリングとする
場合にモータが大型になる欠点があった。この欠点を解
消するために、例えば特開平1−257672号公報に
記載されているように、コイルスプリングクラッチと遊
星歯車を使用した装置が提案されている。この装置は、
ステアリングシャフトに対し所定の摩擦力を有して嵌合
され、且つ両端部にトルク伝達係合部を形成し、両トル
ク伝達係合部に対してコイルの巻き方向に入力がある
と、ステアリングシャフトに対する巻き付けが緩んで締
結解除状態となり、その反対方向に入力されると、巻き
付けが強まり締結状態となるように構成したものであ
り、この構成により伝達効率の向上を図っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の装置は、伝達効率が高くても減速比が1/10
程度であり、パワーステアリングで必要とされる大きな
減速比、例えば1/30程度を達成できないし、この減
速比を達成するためには更に減速機構を必要とする。ま
た、コイルスプリングの締め付けを利用しているので、
入力軸が回り始めてから出力軸が回るまで回転角にして
約20度の遅れが発生し、この遅れを解消するためには
別途制御機構が必要となる。さらに、コイルスプリング
の引張応力だけでロック力を受けもっているので、耐久
性が不充分である。このため、小型で減速比が大きく、
確実な非可逆動力伝達機構を備えたパワーステアリング
機構の開発が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記に
鑑み提案されたもので、ステアリングシャフトの途中
に、出力側を当該ステアリングシャフトに接続した状態
で電磁クラッチを設け、この電磁クラッチの入力側を変
速機の出力軸側に接続し、上記変速機は、ハウジング側
に対して固定状に設けた第1歯車とこの第1歯車とは歯
数が異なるが外径が同一である第2歯車とを同軸上に隣
合わせた状態で配置して両歯車を太陽歯車とし、太陽歯
車の周囲を回転可能なキャリヤーに取り付けたピニオン
歯車を上記第1歯車と第2歯車に噛合して該ピニオン歯
車を自転しながら公転するプラネタリー歯車とし、上記
第2歯車は電磁クラッチ側に操舵力を伝達する出力軸に
固定し、上記キャリヤーには駆動源を連繋して該駆動源
の駆動力によりキャリヤーを回転せしめるようにした
成であることを特徴とするパワーステアリング機構であ
る。
【0005】
【作用】電磁クラッチを繋いだ状態でキャリヤーを回転
すると、ピニオン歯車が第1歯車および第2歯車の回り
を公転し、しかもこのピニオン歯車は固定状態の第1歯
車に噛み合っているので自転する。ピニオン歯車が自転
しながら公転すると、このピニオン歯車には第2歯車も
噛合しており、第2歯車と第1歯車とは歯数がことなる
ので、第2歯車は、ピニオン歯車の公転と自転とにより
歯数分の歯数差だけ回転する。したがって、大きな減速
比で駆動源の駆動力を出力軸に伝達することができ、こ
の力によりステアリングシャフトの回転を補助すること
ができる。路面抵抗等による外力により出力軸が回転し
ようとしても、出力軸に固定してある第2歯車はピニオ
ン歯車に噛合しており、このピニオン歯車は固定状態の
第1歯車に噛合して停止状態を維持している。このた
め、第2歯車は、外力によって回転しようとしても、こ
の第2歯車はピニオン歯車により回転を阻止される。し
たがって、第2歯車および出力軸は、キャリヤーの回転
によりピニオン歯車が遊星運動をしない限り回転するこ
とができず、非可逆機構として成立する。しかも歯車の
バックラッシュ程度の回転角で確実に止めることが可能
である。そして、タイヤが縁石に乗り上げるなどして外
部からステアリングシャフトに不慮の大入力があった場
合には、電磁クラッチが滑べり、このクラッチの滑べり
により大入力を逃すことができる。したがって、上記歯
車等の破損を防止するこ とができる。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面にもとづいて説
明する。図1及び図2に示すパワーステアリング用変速
機1の第1の実施例は、一端が開口して他端に固定軸用
開口部を有する略有底筒状のハウジングケース2と、該
ハウジングケース2の開口部に外側からねじ3により止
着された中空固定軸4と、ハウジングケース2の室内に
突出した固定軸4の先端部分に形成された第1歯車5
と、固定軸4の中空部内に挿通した出力軸6と、室内に
突出した出力軸6の先端に固定され第1歯車5と同軸上
で隣合う第2歯車7と、ハウジングケース2の一端開口
部に被せた蓋材8の中心開口部に軸9を通した状態でハ
ウジングケース2に取り付けられた駆動源としてのモー
タ10と、モータ10の軸9に取り付けられたキャリヤ
ー11と、キャリヤー11に軸着され上記第1歯車5お
よび第2歯車7に噛合するピニオン歯車12などからな
る。
【0007】第1歯車5は、第2歯車7と共に太陽歯車
として機能するもので、中心を固定軸4の中心に一致さ
せた状態で固定軸4の端部表面部分を切削することによ
り形成されており、歯数を29zに設定してある。な
お、この第1歯車5は別途作成して固定軸4に固定して
もよい。
【0008】第2歯車7は、中心が固定軸4及び第1歯
車5の中心に一致し、外径が第1歯車5と同じである
が、歯数は第1歯車5よりも1つだけ多い30zに設定
してある。この様に、本実施例における第1歯車5と第
2歯車7は、同じ噛み合い中心距離をもちながら歯数が
1つだけ異なる転位歯車であり、ピニオン歯車12が遊
星運動しても常に正しい噛合状態を保つことができる。
【0009】キャリヤー11は、第1歯車5と第2歯車
7を収納可能な円形空部を中心に有する有底筒状体であ
り、底部側は蓋材8に設けたベアリング13により、開
口部側は固定軸4の基端に設けたベアリング14により
支えられており、底部の中心にモータ10の軸9を固定
し、このモータ10の駆動により固定軸4、第1,第2
歯車5,7と同軸上で回転するように構成されている。
そして、このキャリヤー11の厚肉壁部には外周から円
形空部まで貫通した取付空部15を開設し、該取付空部
15にプラネタリー歯車として機能するピニオン歯車1
2を軸16により回転自在に取り付けてピニオン歯車1
2の歯が円形空部内に突出するようにしてある。したが
って、円形空部内に第1,第2歯車5,7を収納する状
態でキャリヤー11を装着すると、ピニオン歯車12が
第1歯車5と第2歯車7に噛合する。
【0010】なお、ピニオン歯車12の歯は、第1歯車
5の歯および第2歯車7の歯と円滑に噛み合うように設
定されており、歯数は14zに設定してある。
【0011】また、ハウジングケース2から突出した出
力軸6の端部に出力ギア17を固定する
【0012】上記した構成からなる変速機1において、
モータ10を作動してキャリヤー11を回転すると、ピ
ニオン歯車12が第1歯車5および第2歯車7の回りを
公転することとなり、しかもピニオン歯車12は固定状
態の第1歯車5に噛み合っているのでこの第1歯車5と
の噛合により自転することとなる。即ち、ピニオン歯車
12は自転しながら公転するプラネタリー歯車として機
能する。
【0013】ピニオン歯車12が自転しながら公転する
と、このピニオン歯車12には第2歯車7も噛合してお
り、しかも第2歯車7は第1歯車5よりも歯数が1つだ
け多い。このため、第2歯車7は、ピニオン歯車12の
公転と自転とにより歯数分の歯数差だけキャリヤー11
と同じ方向に回転することになる。即ち、本実施例では
モータ10がキャリヤー11を一回転すると、第2歯車
7がキャリヤー11と同じ回転方向に1/30だけ回転
することになり、換言すればモータ10の回転に対して
1/30の減速比で第2歯車7および出力軸6が回転す
る。
【0014】出力軸6がモータ10の1/30の減速比
で回転すると、約30倍のトルクで操舵系を駆動して車
輪をステアすることができ、しかも平歯車の噛み合せに
より伝達しているので伝達効率が高い。したがって、小
型モータ10でも充分な操舵駆動力が得られる。
【0015】なお、第1歯車5の歯数を28z、第2歯
車7の歯数を30zに設定すると、モータ10の入力と
同じ方向に1/15の減速比で出力軸6が回転する。ま
た、第1歯車5の歯数を30z、第2歯車7の歯数を2
9zに設定すると、出力軸6がモータ10の入力とは反
対方向に1/29の減速比で回転する。
【0016】次に、非可逆性について説明する。路面抵
抗等により車輪にステアしようとする力が作用すると、
この力は操舵系を介して出力ギア17に伝達され、出力
軸6を回転しようとする。しかしながら、出力軸6が外
力により回転しようとしても、出力軸6に固定してある
第2歯車7はピニオン歯車12に噛合しており、このピ
ニオン歯車12は固定状態の第1歯車5に噛合して停止
状態を維持している。このため、第2歯車7はピニオン
歯車12によって回転を阻止される。したがって、第2
歯車7および出力軸6は、キャリヤー11の回転により
ピニオン歯車12が遊星運動をしない限り回転すること
ができない。具体的に説明すると、外力の作用により第
2歯車7の歯が、その時点で噛合しているピニオン歯車
12の歯の一方の歯面(図1中右半手前の面)を押圧し
てピニオン歯車12を回転させようとした時に、ピニオ
ン歯車12の当該歯の他方の歯面(図1中左半奥の面)
は第1歯車5の歯に当接する。この状態で、第1歯車5
の歯は固定されているので回転不能である。したがっ
て、ピニオン歯車12の歯の右半部分が第2歯車7に押
圧された場合、この右半部分は回転しようとするが、当
該歯の左半部分が第1歯車5の歯に当たって回転が阻止
される。このため、ピニオン歯車12は回転することが
できず、単に第1歯車5の歯面を押圧するだけである。
この様に、ピニオン歯車12は、第2歯車7から回転力
が与えられても、第2歯車7に噛合している歯の一部分
(図1中の右半部分)と、第1歯車5に噛合している歯
の一部分(図1中の左半部分)との境界部分に剪断力を
受けるだけであって、回転することはない。ピニオン歯
車12が回転しないと、第7歯車7も回転できない。そ
して、第2歯車7の回転力がピニオン歯車12に作用し
ても、この回転力が上記剪断力を発生するだけでピニオ
ン歯車12を回転する力として作用しないと、ピニオン
歯車12の軸16やキャリヤー11に公転力が作用する
こともない。したがって、本減速機は非可逆機構として
成立する。しかも、外力を受けた際に、第2歯車7の歯
がピニオン歯車12の歯を押圧し、押圧された当該歯が
第1歯車5の歯に当接するまでのバックラッシュ程度の
回転角で第2歯車7の回転を確実に止めることが可能で
ある。なお、キャリヤー11が回転した場合には、第1
歯車5に噛合した状態でピニオン歯車12の左半部分が
回転しようとした際に、ピニオン歯車12の右半部分に
噛合した第2歯車7が固定されていないので、前記した
様に、ピニオン歯車12が回転し、第2歯車7がピニオ
ン歯車12の回転により回転する。
【0017】次ぎに、図3および図4に示す第2の実施
例について説明する。この変速機1は、第1実施例に示
した変速機1の構成に補助ピニオン歯車12′をピニオ
ン歯車12の反対側に付加したものでありる。なお、共
通する構成については同じ符号を付してある。
【0018】キャリヤー11の壁部には外周から円形空
部まで貫通した取付空部15を180度位相を変えて
(中心を挟んで反対側に)2箇所開設し、一方の取付空
部15aにピニオン歯車12を軸16により回転自在に
取り付けてピニオン歯車12の歯を円形空部内に突出さ
せ、他方の取付空部15bに補助ピニオン歯車12′を
軸16′により回転自在に取り付けて該補助ピニオン歯
車12′の歯を円形空部内に突出させる。
【0019】補助ピニオン歯車12′は、第1歯車5に
噛合する歯12aと第2歯車7に噛合する歯12bとに
区画して形成するとともに、区画した一方の歯と他方の
歯との位相をそれぞれ噛合する歯車の位相に対応させて
形成してある。本実施例では、第1歯車5の歯数が29
z、第2歯車7の歯数が30zなので、ピニオン歯車1
2が噛合している位置では第1歯車5の歯の山と第2歯
車7の歯の山とが同じ位相で一直線上に位置している
が、補助ピニオン歯車12′が噛合する位置では、両歯
車の山が同じ位相ではなく、第1歯車5の歯の山と第2
歯車7の歯の谷とが一直線上に位置している。したがっ
て、補助ピニオン歯車12′の歯は、区画した一方の歯
の山と他方の歯の谷とが一直線上に位置するようにして
形成する。なお、補助ピニオン歯車12′の歯数は、ピ
ニオン歯車12と同じ14zである。
【0020】したがって、円形空部内に第1,第2歯車
5,7を収納する状態でキャリヤー11を装着すると、
ピニオン歯車12が第1歯車5と第2歯車7に噛合する
とともに、その反対側で補助ピニオン歯車12′が第1
歯車5と第2歯車7に支障なく噛合する。なお、本実施
例のように、第1歯車5と第2歯車7の歯数の差が奇数
の場合には、補助ピニオン歯車12′を区画して山と谷
の位置をずらす(位相を異ならせる)必要が有るが、歯
数の差が偶数であれば、図5に示すように、山と谷の位
置を同じ位置(同じ位相)でよい。
【0021】この様な構成からなる変速機1において、
モータ10の作動によりキャリヤー11を回転すると、
ピニオン歯車12および補助ピニオン歯車12′が第1
歯車5および第2歯車7の回りを公転することとなり、
しかも両ピニオン歯車12,12′は固定状態の第1歯
車5に噛み合っているのでこの第1歯車5との噛合によ
り自転することとなる。即ち、補助ピニオン歯車12′
も自転しながら公転するプラネタリー歯車として機能す
る。
【0022】両ピニオン歯車12,12′が自転しなが
ら公転すると、前記実施例と同様に、第2歯車7ががキ
ャリヤー11と同じ回転方向に1/30だけ回転する。
そして、この場合にはモータ10の出力がピニオン歯車
12と補助ピニオン歯車12′との2つのピニオンギア
を介して伝達されるので耐久性が向上し、また、回転す
るキャリヤー11に対して負荷が対象に作用するのでバ
ランスがとれて振動を抑制することができる。
【0023】なお、本実施例において、出力軸6が外力
により回転しようとしても、出力軸6に固定してある第
2歯車7が両ピニオン歯車12,12′に噛合してお
り、両ピニオン歯車12,12′は固定状態の第1歯車
5に噛合しているので、第2歯車7は両ピニオン歯車1
2,12′により回転を阻止される。したがって、非可
逆機構として成立し、歯車のバックラッシュ程度の回転
角で確実に止めることが可能である。
【0024】また、本実施例ではピニオン歯車12の他
に補助ピニオン歯車12′を1つ設けたが、この補助ピ
ニオン歯車12′の数はこれに限定されるものではない
し、また、位置もピニオン歯車12の反対側に限定され
るものではない。
【0025】図5に示す実施例は、前記した第2実施例
の変速機1を前輪用として使用したものである。なお、
ハウジングケースの構造は前記実施例とは多少異なるが
基本構造は同じである。また、共通する構成については
同じ符号を付し、説明の重複を回避している。尚、2
3,24はベアリング、25はオイルシールであり、こ
れらはステアリングシャフト18と変速機の噛み合い中
心距離を確実にするためのものである。
【0026】このパワーステアリング機構においては、
運転者の操作により回転して前輪を操舵するステアリン
グシャフト18の途中に電磁クラッチ19を設け、該電
磁クラッチ19を介してステアリングシャフト18と変
速機1とを接続する。具体的には電磁クラッチ19の出
力側をステアリングシャフト18に接続し、電磁クラッ
チ19の入力側に取り付けた第1中間歯車20と変速機
1の出力軸6に取り付けた第2中間歯車21とを噛み合
せる。そして、本実施例では第1歯車5の歯数を28
z、第2歯車7の歯数を30z、ピニオン歯車12およ
び補助ピニオン歯車12′の歯数を14zに設定し、ま
た、第1中間歯車20の歯数を34z、第2中間歯車2
1の歯数を17zに設定する。
【0027】上記した構成のパワーステアリング機構
電磁クラッチ19を繋いだ状態でモータ10の作動によ
りキャリヤー11を回転すると、両ピニオン歯車12,
12′が自転しながら公転する。両ピニオン歯車12,
12′には第2歯車7も噛合しており、第2歯車7は、
両ピニオン歯車12,12′の公転と自転とにより歯数
分の歯数差だけキャリヤー11と同じ方向に回転するこ
とになる。即ち、本実施例では、第2歯車7がキャリヤ
ー11と同じ回転方向に1/15だけ回転することにな
り、モータ10の回転に対して1/15の減速比で出力
軸6が回転する。
【0028】出力軸6がモータ10の1/15の減速比
で回転すると、第2中間歯車21と第1中間歯車20と
の噛み合せにより更に1/2の減速比でステアリングシ
ャフト18に伝達される。したがって、ステアリングシ
ャフト18はモータ10の1/30の減速比で回転し、
この回転力により運転者のハンドル操作力が補助され
る。なお、本実施例では運転者のハンドル操作力を補助
するだけなので、モータ10は後輪用よりも低出力でよ
い。
【0029】運転者がハンドル操作力の補助を必要とす
る時、例えば車庫入れなどの低速や中速走行時には電磁
クラッチ19を繋いでパワーステアリングとして機能さ
せる。しかし、高速走行時にはハンドル操作が軽くなる
ので補助力を必要としない。そこで、補助力を必要とし
ないときには電磁クラッチ19をオフにして適度なハン
ドル操作抵抗力をもたせて安全性を向上させる。そし
て、車が曲線路から直線路に出る場合に、一般的にはハ
ンドルの握り力を緩めてタイヤの路面抵抗(キャスター
アクション効果)によりハンドルを直進状態に戻すが、
本発明における変速機1は非可逆機構であるので、本発
明では電磁クラッチ19を切る(断状態にする)。この
様に電磁クラッチ19を切ると、変速機1の非可逆機構
がステアリングシャフトに作用しないので、ハンドルは
ステア状態から直進状態に円滑に戻ることができ、その
際の感覚も不自然さを与えない。 また、低速や中速走行
時に電磁クラッチ19を繋いだ状態で、車輪を縁石に乗
り上げるなどして外部からステアリングシャフト18に
不慮の大入力があった場合には、電磁クラッチ19が滑
べり、このクラッチ19の滑べりにより大入力を逃すこ
とができる。したがって、変速機1内の第1,第2歯車
5,7やピニオン歯車12等の破損を防止することがで
きる。
【0030】なお、本発明のキャリヤー11は、前記し
た厚肉カップ状に限定されるものではなく、ピニオン歯
車12,12′を回転自在な状態で支持することがで
き、必要とされる強度を確保できればどのような形状で
もよい。また、駆動源は、電機モータ10が小型で構造
も簡単であって望ましいが、必要に応じて油圧モータな
どでもよい。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、
テアリングシャフトの途中に、出力側を当該ステアリン
グシャフトに接続した状態で電磁クラッチを設け、この
電磁クラッチの入力側を変速機の出力軸側に接続するの
で、タイヤが縁石に乗り上げるなどして外部からステア
リングシャフトに不慮の大入力があった場合には、電磁
クラッチが滑べり、このクラッチの滑べりにより大入力
を逃すことができる。し たがって、非可逆機構である減
速機内の歯車等の破損を防止することができる。そし
て、減速機は、ウオームギアを使用しないで平歯車の噛
み合せにより伝達するので、伝達効率が高く、しかもパ
ワーステアリングで必要とされる減速比を簡単な構造で
達成できる。また、歯数が異なる第1歯車と第2歯車を
同軸上に隣合わせた状態で配置するばかりでなく第1歯
車と第2歯車を同じ外径にしたので、両歯車に噛合する
ピニオン歯車も外径が同一のロングピニオン歯車とする
ことができる。したがって、本発明のピニオン歯車は、
外径が異なるピニオン歯車を製造する場合に比較して容
易である。さらに、固定状に設けた第1歯車とこの第1
歯車と外径が同一である第2歯車とを同軸上に隣合わせ
た状態で配置して、両歯車にピニオン歯車を噛合したの
で、外力が第2歯車に作用してピニオン歯車の歯が回転
しようとしても、この歯は第2歯車と同じ外径の第1歯
車によって回転が阻止されており、回転しようとする力
と阻止しようとする反力とが確実に相殺され、このため
ピニオン歯車の軸やキャリヤーに公転力が作用すること
もない。したがって、減速機は非可逆機構として成立
し、歯車のバックラッシュ程度の回転角で確実に止める
ことが可能である。更に、本発明に係る変速機はコイル
スプリングの引張応力だけで力を受けもつことがないの
で耐久性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るパワーステアリング機構に用いる
変速機の断面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】ピニオン歯車の他に補助ピニオン歯車を設けた
変速機の第2実施例の断面図である。
【図4】図3のB−B断面図である。
【図5】本発明に係るパワーステアリング機構の要部の
断面図である。
【符号の説明】
1 パワーステアリング用変速機 2 ハウジングケース 4 固定軸 5 第1歯車 6 出力軸 7 第2歯車 8 ハウジングケースの蓋材 9 モータの軸 10 モータ 11 キャリヤー 12 ピニオン歯車 12′補助ピニオン歯車 17 出力ギア 18 ステアリングシャフト 19 電磁クラッチ 20 第1中間歯車 21 第2中間歯車

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリングシャフトの途中に、出力側
    を当該ステアリングシャフトに接続した状態で電磁クラ
    ッチを設け、この電磁クラッチの入力側を変速機の出力
    軸側に接続し、 上記変速機は、 ハウジング側に対して固定状に設けた第
    1歯車とこの第1歯車とは歯数が異なるが外径が同一で
    ある第2歯車とを同軸上に隣合わせた状態で配置して両
    歯車を太陽歯車とし、太陽歯車の周囲を回転可能なキャ
    リヤーに取り付けたピニオン歯車を上記第1歯車と第2
    歯車に噛合して該ピニオン歯車を自転しながら公転する
    プラネタリー歯車とし、上記第2歯車は電磁クラッチ側
    操舵力を伝達する出力軸に固定し、上記キャリヤーに
    は駆動源を連繋して該駆動源の駆動力によりキャリヤー
    を回転せしめるようにした構成であることを特徴とする
    パワーステアリング機構。
  2. 【請求項2】 キャリヤーに補助ピニオン歯車を設け、
    該補助ピニオン歯車の歯を第1歯車に噛合する歯と第2
    歯車に噛合する歯に区画して形成すると共に噛合する歯
    車の位相に対応させたことを特徴とする請求項1に記載
    のパワーステアリング機構。
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