JP2945651B2 - 潤滑油ポンプの送油機構 - Google Patents

潤滑油ポンプの送油機構

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は潤滑油ポンプの送
油機構に関する。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】ヨセフ フォーゲルAG
社の発行した「T型の潤滑油ポンプ」DKS 1−90
0-00(92.09発行)の第3頁には、中型もしく
は大型ディーゼルエンジンないしは圧縮機のシリンダー
を潤滑するための潤滑油ポンプについて、互いに類似し
た、かつ一緒に取り付けられる複数の送油機構(ポンプ
エレメント、以下同じ)が開示されている。
【0003】ポンプは箱形ハウジングをもち、その内部
には潤滑油が満たされ、かつ上向きの伝達軸が配置さ
れ、そして複数の送油機構が、前記伝達軸と平行なシリ
ンダ軸周りに配列されるようにして、基板に取り付けら
れる。各々の送油機構の往復運動するピストンを作動さ
せるため、回転式円盤が伝達軸に設けられる。入口ダク
トはシリンダーの軸方向のある領域で終了する。側方に
排出する吐出口は入口ダクトに対して軸方向にオフセッ
トして設けられる。供給量調整装置は調整ねじを備え、
これは作動ストローク円盤を持つ往復運動するピストン
上の二股に分かれた追加部材と連結される。作動ストロ
ーク、もしくは圧縮行程から吸込行程への変わり目であ
る往復ピストンの変化点は、調整ねじで調整される。こ
れら送油機構と供給量調整装置の構造は複雑である。ま
た送油機構と駆動機構の構造は、許容ストローク数と潤
滑油ポンプの性能を好ましくない態様で制限する。
【0004】FR−C−719668公報に開示される
潤滑油ポンプでは、少なくとも一つのポンプ送油機構が
多数の入口ダクトを持つスリーブ体に取り付けられる。
この入口ダクトは入口ダクトの外側開口部が実質的に同
じ円周面にあり、一方入口ダクトの内側開口部は互いに
関連して軸方向に変位するように、幾つかのダクトが傾
いた穴のように形成される。各々の入口ダクトは往復ピ
ストンの吐出行程中、予め定められた量の潤滑油を吐出
するように、潤滑油供給源(潤滑油タンク)と接続され
る。
【0005】しかし傾いた穴は製造することが難しく、
さらにシール不具合を生じるかもしれない。ポンプ送油
機構もしくは送油機構の主要部品の組み立ては困難であ
り、潤滑油ポンプ内部での調整が要求されるかもしれな
い。
【0006】DE−C−508552公報は、ステップ
ピストンを持った油圧ポンプを開示しており、油圧ポン
プはその中に流量調整装置を持ち、その流量調整装置が
ピストンに傾斜した制御溝とピストンの回転機構を含
む。
【0007】本発明の目的は、構造的に簡単で、容易に
取付と交換ができ、大変効率的なポンプの送油機構を提
供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、駆動機構
(34)によって駆動されて往復運動するピストン
(K)と、前記ピストン(K)のシリンダー(Z)を画
成するスリーブ体(H)と、前記スリーブ体(H)を収
装するハウジング(G)と、前記スリーブ体(H)の壁
に形成され、前記往復ピストン(K)が通過することに
よって開閉される一方、前記ハウジング(G)内の潤滑
油供給源と接続されうる入口ダクト(B1からB6)
と、前記ピストン(K)の圧縮側に位置する吐出口
(D)と、前記シリンダー(Z)の異なる軸方向位置で
開口する前記スリーブ体(H)に設けられた複数の入口
ダクト(B,B1からB6)を、前記潤滑油供給源に選
択的に接続させる供給量調整装置(V)と、を備えた潤
滑ポンプ(P)、とくに中型と大型のディーゼルエンジ
ンのシリンダーのための潤滑ポンプの送油機構(E)に
おいて、前記各入口ダクト(B、B1からB6)が、前
記スリーブ体(H)の壁に形成された放射状の開口であ
り、前記スリーブ体(H)の外面には、前記入口ダクト
(B1からB6)から外側に向けて開口するポケット型
の溝(T1からT6)が設けられられており、これら各
々の溝(T1からT6)は、それぞれに対応する前記入
口ダクトから前記スリーブ体(H)の軸方向に伸びてお
り、そこには前記潤滑油供給源に接続する前記ハウジン
グ(G)の通路(F)が配列されている、ことを特徴と
する。
【0009】第2の発明は、駆動機構(34)によって
駆動されて往復運動するピストン(K)と、前記ピスト
ン(K)のシリンダー(Z)を画成するスリーブ体
(H)と、前記スリーブ体(H)を収装するハウジング
(G)と、前記スリーブ体(H)の壁に形成され、前記
往復ピストン(K)が通過することによって開閉される
一方、前記ハウジング(G)内の潤滑油供給源と接続さ
れうる入口ダクト(B1からB6)と、前記ピストン
(K)の圧縮側に位置する吐出口(D)と、前記シリン
ダー(Z)の異なる軸方向位置で開口する前記スリーブ
体(H)に設けられた複数の入口ダクト(B,B1から
B6)を、前記潤滑油供給源に選択的に接続させる供給
量調整装置(V)と、を備えた潤滑ポンプ(P)、とく
に中型と大型のディーゼルエンジンのシリンダーのため
の潤滑ポンプの送油機構(E)において、前記各々の入
口ダクト(B,B1からB6)は、前記スリーブ体
(H)の壁の形成された放射状の開口であり、前記ハウ
ジング(G)に前記潤滑油供給源と接続する通路(F)
を備え、この通路(F)はハウジング(G)の内側にて
軸方向に伸び、かつ前記入口ダクト(B1からB6)間
の軸方向変位をつなぐ軸方向長さを有することを特徴と
する。
【0010】第3の発明は、第1または第2の発明にお
いて、前記スリーブ体(H)と前記ハウジング(G)
が、予め決められた保持位置(IからIV)で連続的に
もしくはステップ的にシリンダー(X)軸に対して互い
に回転することを特徴とする。
【0011】第4の発明は、第1または第2の発明にお
いて、前記スリーブ体(H)が、前記ハウジング(G)
中で回転可能に保持されていることを特徴とする。
【0012】第5の発明は、第1の発明において、前記
供給量調整装置(V)が、前記スリーブ体(H)と前記
ハウジング(G)間に回転位置決め手段(20,28,
29)を備えることを特徴とする。
【0013】第6の発明は、第1の発明において前記入
口ダクト(B1からB6)の開口部の輪郭は、円周方向
で同一位置に合わせたときに互いにシリンダー(Z)の
軸方向には異なった位置にあるが、一部において互いに
重なる部分を有することを特徴とする。
【0014】第7の発明は、第1の発明において、前記
吐出口(D)方向の流れに対して開弁するチェック弁
(R)が、前記シリンダー(Z)内に設けられることを
特徴とする。
【0015】第8の発明は、第1の発明において、前記
スリーブ体(H)が前記ハウジング(G)の外側に突出
された端部(24)を有し、前記端部(24)は回転式
ハンドル(25’)を含み、前記ハウジング(G)を締
めることができる締結ナット(27)が前記端部(2
4)にねじ止めされ、回転式の位置決め手段(28,2
9,20)が前記ハウジング(G)と前記端部(24)
間に設けられることを特徴とする。
【0016】第9の発明は、第8の発明において、円周
方向の位置決めノッチを有する円盤(28)が前記端部
(24)に設けられ、前記ハウジング(G)に締結部品
(20)が設置され、前記位置決めノッチ(29)の円
周方向位置は、選択された入口ダクト(B1からB6)
が位置決めノッチ(29)と前述の締結部品(20)の
係合位置で供給源と連結するように、前記入口ダクト
(B1からB6)に合わされることを特徴とする。
【0017】第10の発明は、第1の発明において、前
記送油機構(E)は、ハウジング(G)と共に中型と大
型のディーゼルエンジン(P)のシリンダーのためのオ
イル潤滑ポンプのポンプモジュールハウジング(C)の
外側に開口した受け穴(30)に挿入固定され、前記ハ
ウジング(C)は、前記往復ピストン(K)を駆動する
偏心軸(33,34)と、前記通路(F)を潤滑油供給
源に繋ぐダクトと、前記吐出口(D)を潤滑点に繋ぐダ
クトとを備え、供給量調整装置(V)の回転式ハンドル
(25)が、前記ポンプモジュールハウジング(C)の
外側に自由に操作しうる態様で配置されることを特徴と
する。
【0018】
【0019】
【0020】
【発明の作用、効果】ポンプの送油機構の往復ピストン
の作動ストロークは、供給量が調整されても変化せず、
入口ダクトはシリンダー内でダクトの開口部の軸方向位
置の働きによって供給量を設定するように各々選ばれ
る。それは供給源に接続された、選定された入口ダクト
だけである。他の入口ダクトは機能を果たさないままで
ある。
【0021】往復ピストンは、選択された入口ダクトの
開口部の軸方向位置に応じて、時間差はあるものの、圧
縮行程中にその開口部に達し、ここで入口ダクトの開口
部は供給源に接続されように配置されている。往復ピス
トンはいつも同じ作動ストロークで作用し、精度よく取
り付けられ、比較的高ストローク周波数でで運転され
る。なぜなら供給量調整装置は構造的に往復ピストンの
駆動機構から分離しており、耐摩耗性に優れ、強力な駆
動機構(即ち偏心軸)が使われるためである。
【0022】その結果として、まずこのポンプ送油機構
を装着したポンプは、かなりの高性能が得られる。製造
上の優位性がある放射状入口ダクト間の軸方向変位は、
スリーブ体の溝によってか、ハウジングの通路の軸方向
長さか、ハウジングの内部に設けられたポケットかによ
って接続される。溝もしくはポケットは容易に製造さ
れ、優位性のある流れ状態と良好なシール性を保証する
ことができる。
【0023】選定された特定の供給量のため、スリーブ
体の異なる軸方向位置に開口し、そして供給源に接続さ
れた、シリンダーの軸周りに配置された一つ以上の入口
ダクトを備えることが有用である。
【0024】供給量は、ハウジングによってその作動位
置が好ましくは限定される、ハウジング内のスリーブ体
の供給量を調整するために回転させられる送油機構を有
するハウジングとスリーブ体間の相対回転によって調整
される。これは送油機構の簡単で、容易な取り付け、及
び交換を可能にする。
【0025】操作性の容易な供給量調整装置は、回転式
位置決め装置により高い運転信頼性を成立させる。各々
の供給量は、スリーブ体とハウジング間の好ましくはハ
ウジング内のスリーブ体の、特定の比例した回転位置
で、回転位置決め装置によって維持され、これは毎回正
確に再現する方法で調整できる回転位置の割り当てを可
能とする。
【0026】作動中、入口ダクトに合致されるハウジン
グの通路は供給源への接続を成し遂げ、一方、互いに接
するスリーブ体とハウジングの、比較的きつい嵌め合い
は、ポンプ送油機構の圧送性能を高める、圧力の漏れな
い方法で、供給源から他の選定されない入口ダクトを分
離する。
【0027】供給量は、シリンダーの円周方向に伸び、
円周方向の重なりで位置決めされた、そして互いに少し
軸方向に変位された、入口ダクトの開口部を設けたこと
により、非常に微細に調整することができる。
【0028】送油機構はチェック弁が送油機構のシリン
ダーの中に組み込まれることより、製造条件と組み立て
条件のいずれもについても簡単で、かつコンパクトなも
のとなる。
【0029】突出端部に回転式ハンドルが操作容易な方
法で取付けられ、締結ナットが特定の選ばれた回転位置
にスリーブ体を位置決めするために用いられ、回転位置
決め手段がハウジングとスリーブ体の端部の間で2,3
の部品でのみ設けられる場合に、供給量は正しく調整さ
れかつ再現される。
【0030】構造的に簡単で機能的に信頼できる回転式
位置決め装置は、締結部品のためのノッチをもつ円盤に
よって得られる。供給量を割り当てるための回転位置決
めは、回転位置決め装置により正確に調整と維持ができ
るものとなる。
【0031】ストローク数の増加に対応するため、ピス
トンは好ましくは、リターンスプリングによって駆動機
構に結合され(摩耗を減らし、作動時の低騒音のた
め)、そしてスリーブ体の往復ピストンの圧縮ストロー
クからの反力はハウジングに確実に伝達される。高スト
ローク数での低摩耗性(良好な性能特性)を持つ駆動
源、例えば直接的駆動源が、往復ピストンのために使わ
れる。
【0032】各々のポンプ送油機構は、中型もしくは大
型のディーゼルエンジンもしは圧縮機のシリンダーのた
めのオイル潤滑ポンプとして、複数の同一的なポンプ送
油機構と一緒に組み込まれる。ポンプ送油機構は、組み
立てに関し技術的に優位な方法であるモジュールハウジ
ングの、外に開口した受け部に挿入され、わずかな労力
で何時でも外から容易に供給率の変更を可能にする。
【0033】ポンプモジュールハウジング内の複雑な管
路構成は、ポンプモジュールハウジングのダクトが穴と
して形成されたときに不要にされる。向上した性能と供
給量の調整の操作の仕易さは、現代の中型もしくは大型
のディーゼルエンジンもしくは圧縮機で必要な高潤滑の
要求を、困難なく満足する潤滑油ポンプを提供する。
【0034】その高性能にも拘らず、潤滑油ポンプは小
さく、耐摩耗性に優れ、容易に組み立てられ、安価であ
る。多数のこのようなポンプモジュールハウジングは一
連の方法で順次に配置することができ、多くの潤滑面も
しくは潤滑点もしくはシリンダーに供給すべく、機能
上、結び付けられることができる。
【0035】
【実施の形態】以下、本発明の実施形態を説明する。
【0036】図1と2によれば、好ましくは潤滑油ポン
プのための送油機構Eは、本質的に外側のハウジングG
と、ハウジングGの中に取り付けられたスリーブ体H
と、スリーブ体Hの中のシリンダーZ内で往復運動する
往復ピストンKからなる。送油機構は供給量調整装置V
を備え、それは例えば図4に示されるように、シリンダ
ーのための潤滑油ポンプPの中に取り付けられる。
【0037】吸込方向においてスリーブ体Hのシリンダ
ーZ内で案内される往復ピストンKは、スリーブ体Hと
往復ピストンKの摺動プランジャー2との間に配置され
たリターンスプリング1の動きに従う。摺動プランジャ
ー2と共に往復ピストンKは駆動機構、例えば図4のよ
うに、ピストンを前後に動かす偏心軸33,34上に載
置される。
【0038】シリンダーZはスリーブ体Hに形成された
大径の端部穴3に繋がり、この中には吐出口Dに向ての
流れ方向に開くチェック弁Rが保持される。チェック弁
Rはねじプラグ6の前方において、めねじ部5に螺合す
るねじ挿入部4を介してスリーブ体Hに固定される。密
封リング7,8,9,10がハウジングGと、スリーブ
体Hと、チェック弁Rの各々に設けられる。吐出口D
(円周方向に配置された任意の複数の放射状の穴)はハ
ウジングGの少なくとも一つの出口12に繋がる円周溝
11で終わる。経路(図示されていない)が出口12か
ら潤滑油接続口に繋がる。円周方向には制限され、しか
し軸方向には広い範囲に長穴として延ばされる、少なく
とも一つの通路FがハウジングGに設けられる。
【0039】往復ピストンKは前面に圧力面13を持
ち、シリンダーZ内の内周面14を摺動する。ハウジン
グGはスリーブ体Hを、例えば比較的高精度の滑り嵌め
合いでもって、ハウジングGのスリーブ部15の内側に
接するスリーブ体Hの外側22が、シリンダーZの軸X
に対して回転するように保持する。さらに締結穴17の
設けられた、そして前側の接触面18に限定された締結
フランジ16が、ハウジングGに設けられる。例えば頭
付きねじとして形成された締結要素20のための、少な
くとも一つのタッピングされた穴19が締結フランジ1
6に設けられる。
【0040】スリーブ体Hは往復ピストンKの圧縮行程
の方向でハウジングGに円周ショルダー21を介して保
持される。複数の入口ダクトBはシリンダーZのチェッ
ク弁Rの前方において、その軸方向の距離が制限され
る。
【0041】また図3によれば、6つの放射状の穴は円
周方向に互いに60°ずつオフセットされ、図1では一
つがBとして示されている、B1からB6の入口ダクト
を形成する。各々B1からB6の入口ダクトは潤滑油供
給源につながると共に、ハウジングGに配置された通路
Fと選択的に一致させることができる。シリンダーZに
位置したB,B1からB6の入口ダクトの開口部は、シ
リンダー軸Xの方向に互いにオフセットしている。
【0042】スリーブ体HはハウジングGの向こう側
へ、その端部24が突き出る。端部24にはおねじ26
と前後方向溝25が形成される。締結ナット27はおね
じ26にねじ止めされる。円盤体28はノーズを介して
前後方向溝25と噛み合う。また円盤体28の円周には
(図1と図2のように)位置決めノッチ29が設けら
れ、締結要素20が位置決めノッチ29の各々一つに、
その頭部または軸部が噛み合うことができるように配
置、形成される。円盤体28は接合面18に締結ナット
27によって押し付けられ、また同時に締結ナット27
はハウジングGに対しショルダー21を持つスリーブ体
Hを引き付ける。
【0043】図2から分かるように円盤体28は60°
分割された位置決めノッチ29を有する。例えばローマ
数字(IからVI)で示された概略円部は、マーキングと
して各々の位置決めノッチ29に割り当てられる。前後
溝25を経由して端部24としっかりと繋げられた円盤
体28の位置決めノッチ29は、締結要素20が位置決
めノッチ29に噛み合うときに、B1からB6の入口ダ
クトのどれか一つがハウジングGの通路Fにつなげられ
るというようにして、B1からB6の異なる入口ダクト
の割り当てを行う。図2に示されるように回転操作装置
(平面を横切るある特定の幅に限定した二つの正反対に
ある平面で構成される)が締結ナット27と締結要素2
0を緩めた後、ハウジングGに対しスリーブ体Hを回転
するために端部24の一部に形成される。
【0044】図3のAからFにおいて、各々の入口ダク
トB(B1からB6)はスリーブ体Hの壁に設けた放射
状の穴である。スリーブ体Hの左前端部Yからの入口ダ
クトB1〜B6の各開口部までの軸方向距離Y1,Y2
等は互いに異なる。しかしながら便宜上、入口ダクトB
1からB6の開口部の輪郭は円周方向で、互いに少しだ
け重ねることができる。スリーブ体の外周面には、B1
からB6の各々の入口ダクトを外側に開口させる、ポケ
ットのような溝T1からT6を設け、ここで各溝は入口
ダクト(B1からB6)のほぼ同じ幅となるように円周
方向には制限される。また、軸方向には延ばされ、各々
の入口ダクト(B1からB6)から反対の端部は、スリ
ーブ体の左側の前端Yから距離Y’(距離はT1からT
6のポケットで全て同じ)のところに位置する。
【0045】図4でハウジングGのフランジ16をポン
プモジュールハウジングCの外側に密着させるという方
法で、二つの送油機構は、ポンプモジュールハウジング
Cの外側に開口した受け部30に挿入され、このとき供
前記給量調整装置Vは自由に調整操作しうる。
【0046】受け部30はチャンバーにつながり、そこ
では偏心軸33,34がベアリング35に回転自由に支
持される。送油機構EはポンプモジュールハウジングC
にフランジ結合された駆動モーターMの伝達機MGにつ
ながる偏心軸33,34に対し、おおよそ放射状に配置
される。さらに共同の駆動及び伝達機M,MGによるト
ルク-駆動方法で、保持リング37を持つカップリング
36によって偏心軸(図示されていない)が繋がれる他
の似たポンプモジュールハウジングCを直列的に図4に
示されるようなポンプハウジングGに繋ぐことができ
る。
【0047】二つ送油機構Eが図4のポンプモジュール
ハウジングCの中に用いられる。ただし、単一の送油機
構Eを使うこともできるし、またはさらに別の送油機構
を対応する受け部30にポンプモジュールハウジングC
の外側から挿入し、これにより例えば、ポンプモジュー
ルハウジングCが4つの送油機構Eを持つ場合には、2
つのシリンダーの高潤滑面と低潤滑面に対してと、出口
バルブ部に潤滑油が供給されるようにすることもでき
る。
【0048】各送油機構Eからの潤滑油は、各々の潤滑
面の多数の潤滑点に好ましくは可変分配器を経由して分
配される。内部ダクトはポンプモジュールハウジングC
が分配ブロックの機能を果たすように、ポンプモジュー
ルハウジングC内に設けられた穴31,32からなる。
【0049】ダクトは潤滑油供給側(図示されていな
い)に接続され、一方他のダクトは標準油供給源から分
離もしくは選択的に分離される、試運転用油のための油
排出ダクトもしくは油供給ダクトであっても良い。
【0050】(作用)ポンプ送油機構の駆動機構として
の偏心軸33、34に関して、滑りプランジャー2がリ
ターンスプリング1により偏心軸部34に載置される。
図1で往復ピストンKは例えば吸込行程から圧縮行程へ
の変化点の状態である。その不変的な作動ストロークは
おおよそhで示される。図1で圧縮行程の間、ビストン
Kは右方へ動き、これにより選ばれた入口ダクトB(B
1-B6)と通路Fを通してシリンダーZの前面13に
ある潤滑油を排出し、そして最終的に前面13がシリン
ダーZにある入口ダクト(B1-B6)の開口部に達し
て開口部を閉じると、こんどは残っている油をチェック
弁Rを開いて、ハウジングGの圧縮出口12へと、円周
溝11と圧縮出口Dを介して送り出す。ピストンKはチ
ェック弁Rの直前で圧縮行程から吸込行程への変化点に
達する。図1で、往復ピストンはリターンスプリング1
の働きで左に移動し、ブロック作用をするチェック弁R
と共に負圧をつくりだす往復ピストンKが、通路Fに一
列に並んだ入口ダクトBに達すると、こんどは往復ピス
トンが左の変化点に達するまで再びシリンダー内に潤滑
油を吸い込む。新しい圧縮行程は上記に言及した方法で
起きるだろう。なお、他の選ばれない入口ダクトは何も
作用しない。
【0051】(供給量の調整)締結ナット27は緩めら
れると締結部品20は解放される。例えばハンドル2
5’はレンチによって扱われ、スリーブ体Hは特定の供
給量に相当するさらに5つの回転位置のうちの一つへと
ハウジングGに対して回転させられる。新たに選択され
た回転位置において締結部品20は、締結ナット27が
再び締め付けられる前に位置決めノッチ29に収まる。
ポンプ送油機構Eは再び作動の準備を済ましている。
【0052】図3のAからFで、入口ダクトB1からB
6はスリーブ体Hの壁に設けた放射状の穴である。また
この代わりに放射状の穴として入口ダクトB4のみ作
り、その際、他の入口ダクトB1、B2、B3、B5と
B6はシリンダーZの軸Xに対して傾いた穴として作る
ことは可能である。スリーブ体Hの外側に位置したこれ
らの開口部は円周上で合わされる。またシリンダーZの
中と内部に位置するそれらの開口部は、図3のAからF
の開口部の位置から類推して、互いに軸上に距離を変え
て設置される。このような構成でポケットT1からT6
は配分されることができ、通路Fは簡単な穴になるだろ
う。一方で図3のAからFに示され、入口ダクトB1か
らB6を形成する放射状の穴は、スリーブ体Hの外側ま
で各々伸びることができる。内側に開かれ、個々の入口
ダクトB1からB6間の軸上変位を繋ぐ軸上に伸びた簡
単なポケット(破線で示された)は、ハウジングGの
中、少なくともハウジングGの内側の通路Fを形成す
る。
【0053】図示された実施例にえいて、一つの入口ダ
クトからは特定の供給量を割り当てられる。しかしなが
ら同時にシリンダーZ内に幾つかの側から潤滑油を吸う
ために入口ダクトB1からB6の統合された対、もしく
はグループとして入口ダクトを設定することは可能であ
る。勿論2つもしくはそれ以上の通路Fもしくはこれに
対応した円周方向の幅をもつ通路Fを、各々選択された
入口ダクトのグループは供給源に接続され、一方他の入
口ダクトの選ばれなかったグループは供給源から分離さ
れたまま残るという態様で、ハウジングGに設けること
もできる。
【0054】位置決めノッチ29を持つ円盤体28は供
給量の段階的な調整を可能とする。
【0055】しかしながら締結部品20と位置決めノッ
チ29間の明確な位置決めによる調整ではなく、スリー
ブ体Hの各々の選ばれた回転位置における連続的な調整
を可能にするため、締結ナット27によって規定でき
る、ハウジングGとスリーブ体Hとを互いに合うように
マーキングによって制御される方法であってもよい。ま
た選択した位置に固定のために使用する締結ナット27
を持ち、各自選択した位置にあることを聞き、感じるこ
とのできるロック作用の方法によって示されるボール形
回転式ロックを設けてもよい。一方で、スリーブ体Hは
非回転形状の受け部に保持され、一方ハウジングGは供
給量を調整するためにスリーブ体Hに対し回転されるよ
うにもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】油圧ポンプの送油機構の縦断面図を示す。
【図2】図1の送油機構を右から見た側面図である。
【図3】図1の断面図を補助する各ポンプの送油機構の
縦断面図であり、各送油機構は軸方向に対してオフセッ
トし、A〜Fは、それぞれ円周方向に各々60°の変位
をもって断面図示したものである。
【図4】送油機構を組み込んだシリンダーのための潤滑
油ポンプの部分的な縦断面である。
【符号の説明】
B 入口ダクト D 吐出口 E 送油機構 F 通路 G ハウジング H スリーブ体 K ピストン P 潤滑ポンプ T 溝 V 供給量調整装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F04B 1/00 - 23/14 F01M 1/00 - 3/04 F01M 5/00 - 9/12

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動機構(34)によって駆動されて往復
    運動するピストン(K)と、 前記ピストン(K)のシリンダー(Z)を画成するスリ
    ーブ体(H)と、 前記スリーブ体(H)を収装するハウジング(G)と、 前記スリーブ体(H)の壁に形成され、前記往復ピスト
    ン(K)が通過することによって開閉される一方、前記
    ハウジング(G)内の潤滑油供給源と接続されうる入口
    ダクト(B1からB6)と、 前記ピストン(K)の圧縮側に位置する吐出口(D)
    と、 前記シリンダー(Z)の異なる軸方向位置で開口する前
    記スリーブ体(H)に設けられた複数の入口ダクト
    (B,B1からB6)を、前記潤滑油供給源に選択的に
    接続させる供給量調整装置(V)と、 を備えた潤滑ポンプ(P)、とくに中型と大型のディー
    ゼルエンジンのシリンダーのための潤滑ポンプの送油機
    構(E)において、 前記各入口ダクト(B、B1からB6)が、前記スリー
    ブ体(H)の壁に形成された放射状の開口であり、 前記スリーブ体(H)の外面には、前記入口ダクト(B
    1からB6)から外側に向けて開口するポケット型の溝
    (T1からT6)が設けられられており、 これら各々の溝(T1からT6)は、それぞれに対応す
    る前記入口ダクトから前記スリーブ体(H)の軸方向に
    伸びており、そこには前記潤滑油供給源に接続する前記
    ハウジング(G)の通路(F)が配列されている、 ことを特徴とする潤滑ポンプの送油機構。
  2. 【請求項2】駆動機構(34)によって駆動されて往復
    運動するピストン(K)と、 前記ピストン(K)のシリンダー(Z)を画成するスリ
    ーブ体(H)と、 前記スリーブ体(H)を収装するハウジング(G)と、 前記スリーブ体(H)の壁に形成され、前記往復ピスト
    ン(K)が通過することによって開閉される一方、前記
    ハウジング(G)内の潤滑油供給源と接続されうる入口
    ダクト(B1からB6)と、 前記ピストン(K)の圧縮側に位置する吐出口(D)
    と、 前記シリンダー(Z)の異なる軸方向位置で開口する前
    記スリーブ体(H)に設けられた複数の入口ダクト
    (B,B1からB6)を、前記潤滑油供給源に選択的に
    接続させる供給量調整装置(V)と、 を備えた潤滑ポンプ(P)、とくに中型と大型のディー
    ゼルエンジンのシリンダーのための潤滑ポンプの送油機
    構(E)において、 前記各々の入口ダクト(B,B1からB6)は、前記ス
    リーブ体(H)の壁の形成された放射状の開口であり、 前記ハウジング(G)に前記潤滑油供給源と接続する通
    路(F)を備え、この通路(F)はハウジング(G)の
    内側にて軸方向に伸び、かつ前記入口ダクト(B1から
    B6)間の軸方向変位をつなぐ軸方向長さを有する、 ことを特徴とする潤滑ポンプの送油機構。
  3. 【請求項3】前記スリーブ体(H)と前記ハウジング
    (G)が、予め決められた保持位置(IからIV)で連
    続的にもしくはステップ的にシリンダー(X)軸に対し
    て互いに回転することを特徴とする請求項1または2に
    記載の潤滑ポンプの送油機構。
  4. 【請求項4】前記スリーブ体(H)が、前記ハウジング
    (G)中で回転可能に保持されていることを特徴とする
    請求項1または2に記載の潤滑ポンプの送油機構。
  5. 【請求項5】前記供給量調整装置(V)が、前記スリー
    ブ体(H)と前記ハウジング(G)間に回転位置決め手
    段(20,28,29)を備えることを特徴とする請求
    項1に記載の潤滑ポンプの送油機構。
  6. 【請求項6】前記入口ダクト(B1からB6)の開口部
    の輪郭は、円周方向で同一位置に合わせたときに互いに
    シリンダー(Z)の軸方向には異なった位置にあるが、
    一部において互いに重なる部分を有することを特徴とす
    る請求項1に記載の潤滑ポンプの送油機構。
  7. 【請求項7】前記吐出口(D)方向の流れに対して開弁
    するチェック弁(R)が、前記シリンダー(Z)内に設
    けられることを特徴とする請求項1に記載の潤滑ポンプ
    の送油機構。
  8. 【請求項8】前記スリーブ体(H)が前記ハウジング
    (G)の外側に突出された端部(24)を有し、 前記端部(24)は回転式ハンドル(25’)を含み、 前記ハウジング(G)を締めることができる締結ナット
    (27)が前記端部(24)にねじ止めされ、 回転式の位置決め手段(28,29,20)が前記ハウ
    ジング(G)と前記端部(24)間に設けられる、 ことを特徴とする請求項1に記載の潤滑ポンプの送油機
    構。
  9. 【請求項9】円周方向の位置決めノッチを有する円盤
    (28)が前記端部(24)に設けられ、 前記ハウジング(G)に締結部品(20)が設置され、 前記位置決めノッチ(29)の円周方向位置は、選択さ
    れた入口ダクト(B1からB6)が位置決めノッチ(2
    9)と前述の締結部品(20)の係合位置で供給源と連
    結するように、前記入口ダクト(B1からB6)に合わ
    される、 ことを特徴とする請求項8に記載の潤滑ポンプの送油機
    構。
  10. 【請求項10】前記送油機構(E)は、ハウジング
    (G)と共に中型と大型のディーゼルエンジン(P)の
    シリンダーのためのオイル潤滑ポンプのポンプモジュー
    ルハウジング(C)の外側に開口した受け穴(30)に
    挿入固定され、 前記ハウジング(C)は、前記往復ピストン(K)を駆
    動する偏心軸(33,34)と、前記通路(F)を潤滑
    油供給源に繋ぐダクトと、前記吐出口(D)を潤滑点に
    繋ぐダクトとを備え、 供給量調整装置(V)の回転式ハンドル(25)が、前
    記ポンプモジュールハウジング(C)の外側に自由に操
    作しうる態様で配置される、 ことを特徴とする請求項1に記載の潤滑ポンプの送油機
    構。
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