JP2945565B2 - 半導体レーザ装置 - Google Patents

半導体レーザ装置

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JP2945565B2
JP2945565B2 JP23510293A JP23510293A JP2945565B2 JP 2945565 B2 JP2945565 B2 JP 2945565B2 JP 23510293 A JP23510293 A JP 23510293A JP 23510293 A JP23510293 A JP 23510293A JP 2945565 B2 JP2945565 B2 JP 2945565B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はAlGaAs系の半導体
レーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、AlGaAs系の半導体レーザ装
置は光記録装置などを中心に広く用いられている。この
半導体レーザ装置の一般的な構造例について、以下に説
明する。
【0003】図5において、n型GaAs基板501上
に、n型GaAsバッファ層502、n型Al0.45Ga
0.55As第1クラッド層503、Al0.08Ga0.92As
活性層504、p型Al0.45Ga0.55As第2クラッド
層505、n型GaAs電流ブロック層506、p型A
0.45Ga0.55As第3クラッド層507さらにp型G
aAsコンタクト層508が順次設けられている。この
n型GaAs電流ブロック層506にはストライプ状の
溝部509が形成されており、このストライプ状の溝部
509を埋めるようにp型Al0.45Ga0.55As第3ク
ラッド層507が設けられている。以上により半導体レ
ーザ装置510が構成される。
【0004】この半導体レーザ装置510の作製手順に
ついて説明すると、まず、第1回目のエピタキシャル成
長で、n型GaAs基板501上に、n型GaAsバッ
ファ層502、n型Al0.45Ga0.55As第1クラッド
層503、Al0.08Ga0.92As活性層504、p型A
0.45Ga0.55As第2クラッド層505さらにn型G
aAs電流ブロック層506を順次成長させる。次に、
フォトリソグラフィー技術とエッチング技術によりGa
AsのエッチングレートがAl0.45Ga0.55Asのエッ
チングレートよりも十分に大きなエッチング液、例えば
アンモニア水溶液と過酸化水素水の混合液によりn型G
aAs電流ブロック層506のみを選択的にエッチング
除去してストライプ状溝部509を(0−11)方向に
形成する。ただし、−1は1の反転したものでありバー
1を示している。さらに、p型Al0.45Ga0.55As第
2クラッド層505およびn型GaAs電流ブロック層
506上に、第2回目のエピタキシャル成長によりp型
Al0.45Ga0.55As第3クラッド層507さらにp型
GaAsコンタクト層508を順次成長させることによ
り半導体レーザ装置510が完成する。
【0005】この半導体レーザ装置510において、n
型GaAs電流ブロック層506が電流注入と光の閉じ
込めを兼ねており、比較的単純な構造と少ない作製手順
により良好な電気光学特性を得ている。
【0006】しかし、この構造のままで実際に素子を作
製すると、ストライプ状溝部509を形成した時に溝底
部にAlの混晶比の高いp型Al0.45Ga0.55As第2
クラッド層505が露出して大気にさらされてしまう。
この露出した面は非常に酸化しやすいため、次の第2回
目のエピタキシャル成長でLPE法やMBE法を用いて
p型Al0.45Ga0.55As第3クラッド層507を成長
させる時に成長が非常に困難なものとなる。また、MO
CVD法を用いる場合には成長は可能であるが、再成長
界面の状態が悪く素子特性や寿命に悪影響をもたらす。
【0007】そこで、この問題点を解決するための技術
が特公昭63−67350に示されている。
【0008】図6において、n型GaAs基板601上
に、n型GaAsバッファ層602、n型Al0.45Ga
0.55As第1クラッド層603、Al0.08Ga0.92As
活性層604、p型Al0.45Ga0.55As第2クラッド
層605、p型Al0.15Ga0. 85As酸化防止層60
6、n型GaAs電流ブロック層607、p型Al0.45
Ga0.55As第3クラッド層608さらにp型GaAs
コンタクト層609が順次設けられている。n型GaA
s電流ブロック層607にはストライプ状の溝部610
が形成されており、このストライプ状の溝部610を埋
めるようにp型Al0.45Ga0.55As第3クラッド層6
08が設けられている。以上により半導体レーザ装置6
11が構成される。
【0009】この半導体レーザ装置611の作製手順に
ついて説明すると、まず、第1回目のエピタキシャル成
長で、n型GaAs基板601上に、n型GaAsバッ
ファ層602、n型Al0.45Ga0.55As第1クラッド
層603、Al0.08Ga0.92As活性層604、p型A
0.45Ga0.55As第2クラッド層605、p型Al
0.15Ga0.85As酸化防止層606、n型GaAs電流
ブロック層607を順次成長させる。次に、フォトリソ
グラフィー技術とエッチング技術によりn型GaAs電
流ブロック層607をエッチング除去してストライプ状
溝部610を(011)方向に形成する。このとき、G
aAsはエッチングされるがAl0.15Ga0.85Asはエ
ッチングされない手法として、例えばCCl22ガスを
用いたプラズマエッチングによりn型GaAs電流ブロ
ック層607のみを選択的にエッチング除去する。さら
に、第2回目のエピタキシャル成長によりp型Al0.45
Ga0.55As第3クラッド層608さらにp型GaAs
コンタクト層609を順次成長させることにより半導体
レーザ装置611が完成する。
【0010】この半導体レーザ装置611ではp型Al
0.15Ga0.85As酸化防止層606の層厚は0.1〜
0.4μmとされている。これは、p型Al0.15Ga
0.85酸化防止層607に光ガイド層としての役割を持た
せることで、ストライプ状溝の外部で光をn型GaAs
電流ブロック層607に適度に泌み込ませて、ストライ
プ状溝部610の方に光を閉じ込めることをねらったも
のである。
【0011】そして、ストライプ状溝部610を形成し
た時に溝底部は比較的Alの混晶比の低いp型Al0.15
Ga0.85As酸化防止層606が露出することになる
が、この露出した面はp型Al0.45Ga0.55As第2ク
ラッド層605が露出する場合に比べて酸化しにくいた
め、次の第2回目のエピタキシャル成長でp型Al0.45
Ga0.55As第3クラッド層608を成長させたとき
に、上記第1の従来例である半導体レーザ装置510よ
りも若干成長が容易となって、再成長界面に起因する素
子特性や寿命に対する悪影響も低減される。
【0012】また、このp型Al0.15Ga0.85As酸化
防止層606はAl0.08Ga0.92As活性層604より
バンドギャップが大きくなるようにAl混晶比が設定さ
れており、活性層604で発生する光に対する吸収は殆
ど無い。
【0013】しかし、本技術によっても、まだ第2回目
のエピタキシャル成長は十分に容易になったとは言えな
い。酸化防止層606のAlを含む層は、そのAl量が
わずかであっても大気にふれると非常に酸化しやすくエ
ピタキシャル成長を妨げてしまう。したがって、光の吸
収を避けるため酸化防止層606のAlの混晶比を活性
層604よりも高く設定しなければならず、露出表面の
酸化を完全に防ぐことはできない。したがって、たとえ
第2回目のエピタキシャル成長がLPE法やMBE法に
て行えたとしても、再成長界面の状態は余り良くない。
特に、発振波長が短い半導体レーザ装置になると活性層
のAlの混晶比は高くしなければならないため、それに
伴って酸化防止層のAlの混晶比も高くせざるを得ず、
第2回目のエピタキシャル成長はあまり容易とはならな
い。
【0014】また、p型Al0.15Ga0.85As酸化防止
層606の層厚が0.1〜0.4μmと比較的厚いた
め、ストライプ状溝部610においては、活性層604
で発光した光の一部がこの層にて導波され、各層の界面
に垂直な方向の光分布が変形してしまう。
【0015】そこで、さらにこれらの問題点を解決する
ための別の技術が特公平1−18590に示されてい
る。
【0016】図7において、n型GaAs基板701上
に、n型GaAsバッファ層702、n型Al0.5Ga
0.5As第1クラッド層703、Al0.13Ga0.87As
活性層704、p型Al0.5Ga0.5As第2クラッド層
705、p型GaAs酸化防止層706、n型Al0.6
Ga0.4Asエッチングストップ層707、n型GaA
s電流ブロック層708、p型Al0.45Ga0.55As第
3クラッド層709、p型GaAsコンタクト層710
が順次設けられている。n型Al0.6Ga0.4Asエッチ
ングストップ層707およびn型GaAs電流ブロック
層708にはストライプ状の溝部711が形成されてお
り、このストライプ状の溝部711を埋めるようにp型
Al0.45Ga0.55As第3クラッド層709が設けられ
ている。以上により半導体レーザ装置712が構成され
る。
【0017】この半導体レーザ装置712の作製手順に
ついて説明すると、まず、第1回目のエピタキシャル成
長で、n型GaAs基板701上に、n型GaAsバッ
ファ層702、n型Al0.5Ga0.5As第1クラッド層
703、Al0.13Ga0.87As活性層704、p型Al
0.5Ga0.5As第2クラッド層705、p型GaAs酸
化防止層706、n型Al0.6Ga0.4Asエッチングス
トップ層707さらにn型GaAs電流ブロック層70
8を順次成長させる。このとき、n型Al0.6Ga0.4
sエッチングストップ層707はn型GaAs電流ブロ
ック層708と同じ導電型である。また、p型GaAs
酸化防止層706の層厚は0.003μmとする。次
に、フォトリソグラフィー技術とエッチング技術により
n型GaAs電流ブロック層708さらにn型Al0.6
Ga0.4Asエッチングストップ層707を順次エッチ
ング除去してストライプ状溝部711を(0−11)方
向に形成する。このとき、まず、GaAsのエッチング
レートがAl0.6Ga0.4Asのエッチングレートよりも
十分に大きなエッチング液、例えばアンモニア水溶液と
過酸化水素水の混合液によりn型GaAs電流ブロック
層708のみを選択的にエッチング除去する。次に、A
0.6Ga0.4AsのエッチングレートがGaAsのエッ
チングレートによりも十分に大きなエッチング液、例え
ばフッ化水素酸の水溶液によりn型Al0.6Ga0.4As
エッチングストップ層707のみを選択的にエッチング
除去してストライプ状溝部711を形成する。このスト
ライプ状溝部711の形成後、第2回目のエピタキシャ
ル成長によりp型Al0.45Ga0.55As第3クラッド層
709さらにp型GaAsコンタクト層710を順次成
長させることにより半導体レーザ装置712が完成す
る。
【0018】以上の半導体レーザ装置712によれば、
ストライプ状溝部711を形成した時に溝底部はAlを
含まないp型GaAs酸化防止層706が露出すること
になり、この露出した面は非常に酸化しにくいため、次
の第2回目のエピタキシャル成長でp型Al0.45Ga
0.55As第3クラッド層709を成長させるときにいか
なる成長法を用いても成長が容易であり、また再成長界
面に起因する素子特性や寿命に対する悪影響も殆どなく
なる。また、p型GaAs酸化防止層706が0.00
3μmと非常に薄く設定されており、これによって量子
効果が与えられてこの層の実質上のバンドギャップが活
性層704よりも大きくなって、活性層704で発生す
る光に対する吸収がなくなっている。
【0019】本技術は、ここで示したような構造以外の
半導体レーザ装置にも適用されており、その技術が例え
ば特公平2−7194に示されている。
【0020】図8において、n型GaAs基板801上
に、n型GaAsバッファ層802、n型Al0.5Ga
0.5As第1クラッド層803、Al0.08Ga0.92As
活性層804、p型Al0.5Ga0.5As第2クラッド層
805、p型GaAs酸化防止層806、p型Al0.45
Ga0.55As第3クラッド層807さらにp型GaAs
保護層808が順次設けられている。p型GaAs保護
層808およびp型Al0. 45Ga0.55As第3クラッド
層807によりストライプ状凸部809が形成されてお
り、このストライプ状凸部809の側面およびp型Ga
As酸化防止層806上にn型GaAs電流ブロック層
810が設けられている。さらに、これらn型GaAs
電流ブロック層810およびp型GaAs保護層808
上にp型GaAsコンタクト層811が設けられてい
る。以上により半導体レーザ装置812が構成される。
【0021】この半導体レーザ装置812の作製手順に
ついて説明すると、まず、第1回目のエピタキシャル成
長で、n型GaAs基板801上に、n型GaAsバッ
ファ層802、n型Al0.5Ga0.5As第1クラッド層
803、Al0.08Ga0.92As活性層804、p型Al
0.5Ga0.5As第2クラッド層805、p型GaAs酸
化防止層806、p型Al0.45Ga0.55As第3クラッ
ド層807さらにp型GaAs保護層808を順次成長
させる。このとき、p型GaAs酸化防止層806の層
厚は0.003μmとする。次に、フォトリソグラフィ
ー技術とエッチング技術によりp型GaAs保護層80
8さらにp型Al0.45Ga0.55As第3クラッド層80
8を順次エッチング除去してストライプ状凸部809を
(0−11)方向に形成する。このとき、まず、ストラ
イプ状に残したい部分にのみ、SiO2やAl23等の
酸化膜でエッチングマスクを形成する。そして、GaA
sのエッチングレートがAl0.45Ga0.55Asのエッチ
ングレートよりも十分に大きなエッチング液、例えばア
ンモニア水溶液と過酸化水素水の混合液によりp型Ga
As保護層808のみを選択的にエッチング除去する。
次に、Al0.45Ga0. 55AsのエッチングレートがGa
Asのエッチングレートによりも十分に大きなエッチン
グ液、たとえば熱塩酸の水溶液によりp型Al0.45Ga
0.55As第3クラッド層807のみを選択的にエッチン
グ除去してストライプ状凸部809を形成する。さら
に、ストライプ状凸部809の形成後、酸化膜のマスク
を残したままの状態で、第2回目のエピタキシャル成長
によりn型GaAs電流ブロック層810を成長させ、
ストライプ状凸部809の側面およびp型GaAs酸化
防止層806を埋め込む。このとき、MOCVD法を用
いた場合には酸化膜のマスク上にはGaAsは成長しな
いが、MBE法を用いた場合にはマスク上に多結晶のG
aAsが形成される。次に、酸化膜のマスクをエッチン
グで除去する。この時、多結晶のGaAsが存在する場
合はこれもエッチングで除去する。最後に、p型GaA
s保護層808およびn型GaAs電流ブロック層81
0上に第3回目のエピタキシャル成長としてp型GaA
sコンタクト層811を成長させる。以上により半導体
レーザ装置812が完成する。なお、第2回目のエピタ
キシャル成長としてLPE法を用いることは、Al0.45
Ga0.55Asの面が現れているストライプ状凸部809
の側面には全く成長しないため不適当である。これはL
PE法がMOCVD法やMBE法に比べてAlを含む層
の表面に対して非常に成長させにくいことによる。
【0022】この半導体レーザ装置812によれば、ス
トライプ状凸部809を形成したときにエッチングされ
た底の部分はAlを含まないp型GaAs酸化防止層8
06が露出することになる。この露出した面は非常に酸
化しにくいため、次の第2回目のエピタキシャル成長で
n型GaAs電流ブロック層810に対する悪影響も殆
どなくなる。また、p型GaAs酸化防止層806の層
厚が0.003μmと非常に薄く設定されており、これ
によって量子効果が与えられてこの層の実質上のバンド
ギャップが活性層よりも大きくなって、活性層804で
発生する光に対する吸収がなくなっている。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の構
成では、p型GaAs酸化防止層706およびp型Ga
As酸化防止層806の層厚が共に0.003μmと非
常に薄く設定されており、半導体レーザ装置812の場
合も同様であるが半導体レーザ装置712の場合につい
て説明すると、ストライプ状溝部711を形成するため
に、Alの混晶比の高い層を選択的にエッチングできる
液を用いて、n型Al0.6Ga0.4Asエッチストップ層
707のみをエッチング除去してp型GaAs酸化防止
層706を露出させたときに、p型GaAs酸化防止層
706が部分的に表面欠陥やオーバーエッチング等が原
因で除去されてしまうことがある。この場合、表面に現
れたp型Al0.5Ga0.5As第2クラッド層705まで
もエッチングされて図9に示すようになり、第2回目の
成長工程が行えなくなってしまう。また、エッチングで
酸化防止層706を露出させるときに酸化防止層706
が除去されてしまった場合に、酸化防止層706の下に
あるp型Al0.5Ga0.5As第2クラッド層705につ
いてはほとんどエッチングされなかったとしても、Al
の混晶比の高い第2クラッド層705が露出した部分で
は酸化が起こり、図10に示すように第2クラッド層7
05上では第2回目の成長ができなかったり、成長して
も素子特性や寿命の悪化の原因となったりしてしまう。
このため、半導体レーザ装置作製時に不良品が発生し、
高い歩留りを確保することができない。
【0024】本発明は、上記従来の問題を解決するもの
で、酸化防止層の表面欠陥やオーバーエッチング等に起
因する素子作製不良の発生確率を低減させて高性能な素
子を歩留り良く作製することができる半導体レーザ装置
を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体レーザ装
置は、第1導電型のGaAs基板上に少なくとも第1導
電型のAlGaAs第1クラッド層、AlGaAs活性
層、第2導電型のAlGaAs第2クラッド層、該Al
GaAs活性層より禁制帯幅が大きく該AlGaAs第
2クラッド層よりAlの混晶比が低い第2導電型のAl
GaAsエッチング防止層、第2導電型のGaAsまた
はAlGaAs酸化防止層、第1または第2導電型のA
lGaAsエッチングストップ層さらに第1導電型のG
aAsまたはAlGaAs電流ブロック層が順次積層さ
れ、該AlGaAsエッチングストップ層およびGaA
sまたはAlGaAs電流ブロック層がストライプ状溝
を形成するように部分的に除去され、該ストライプ状の
溝を埋めるように少なくとも第2導電型のAlGaAs
第3クラッド層が積層され、さらに第2導電型のGaA
sコンタクト層が積層されたものであり、そのことによ
り上記目的が達成される。
【0026】また、本発明の半導体レーザ装置は、第1
導電型のGaAs基板上に少なくとも第1導電型のAl
GaAs第1クラッド層、AlGaAs活性層、第2導
電型のAlGaAs第2クラッド層、該AlGaAs活
性層より禁制帯幅が大きく該AlGaAs第2クラッド
層よりAlの混晶比が低い第2導電型のAlGaAsエ
ッチング防止層、第2導電型のGaAsまたはAlGa
As酸化防止層、第1または第2導電型のAlGaAs
エッチングストップ層、第1導電型のGaAsまたはA
lGaAs電流ブロック層、さらに該GaAsまたはA
lGaAs酸化防止層よりもAlの混晶比の高い第1ま
たは第2導電型のAlGaAsエピタキシャルサポート
層が順次積層され、該AlGaAsエピタキシャルサポ
ート層、GaAsまたはAlGaAs電流ブロック層お
よびAlGaAsエッチングストップ層がストライプ状
溝を形成するように部分的に除去され、該ストライプ状
の溝を埋めるように少なくとも第2導電型のAlGaA
s第3クラッド層が積層され、さらに第2導電型のGa
Asコンタクト層が積層されたものであり、そのことに
より上記目的が達成される。
【0027】さらに、本発明の半導体レーザ装置は、第
1導電型のGaAs基板上に少なくとも第1導電型のA
lGaAs第1クラッド層、AlGaAs活性層、第2
導電型のAlGaAs第2クラッド層、該AlGaAs
活性層より禁制帯幅が大きく該AlGaAs第2クラッ
ド層よりAlの混晶比が低い第2導電型のAlGaAs
エッチング防止層、第2導電型のGaAsまたはAlG
aAs酸化防止層、第2導電型のAlGaAs第3クラ
ッド層さらに第2導電型のGaAs保護層が順次積層さ
れ、該AlGaAs第3クラッド層およびGaAs保護
層がストライプ状凸部を形成するように部分的に除去さ
れ、該GaAsまたはAlGaAs酸化防止層およびス
トライプ状の凸部の側面を埋め込むように少なくとも第
1導電型のGaAsまたはAlGaAs電流ブロック層
が積層され、さらに第2導電型のGaASコンタクト層
が積層されたものであり、そのことにより上記目的が達
成される。
【0028】さらに、本発明の半導体レーザ装置におけ
るエッチング防止層の膜厚が0.2μm以下で、酸化防
止層の膜厚が0.01μm以下であるものであり、その
ことにより上記目的が達成される。
【0029】
【作用】上記構成により、第2クラッド層と酸化防止層
の間に活性層より禁制帯幅が大きく第2クラッド層より
Alの混晶比が低いエッチング防止層を設けているの
で、ストライプ状溝部やストライプ状凸部形成のために
Alの混晶比の高い層を選択的にエッチングできるエッ
チング液にて電流ブロック層または第3クラッド層を除
去する工程において、GaAs酸化防止層が部分的に表
面欠陥やオーバーエッチング等が原因で除去されたとし
ても、露出するのはAl混晶比の高い第2クラッド層で
はなく、Al混晶比の低いAlGaAsエッチング防止
層であり、この層でエッチングは止まり、従来のように
Al混晶比の高いAlGaAs第2クラッド層にまでエ
ッチング液が達してエッチングが行われてしまうという
ことはなくなり、また、Al混晶比が低いため酸化防止
層が除去された露出部分についても酸化が比較的抑えら
れて、容易に第2回目の膜成長が行え、かつ素子特性や
寿命への悪影響も低減される。
【0030】また、ストライプ状溝部の内部が溝外部の
エピタキシャルサポート層上に比べて膜成長速度が高く
なり、たとえ溝内部にて部分的にAlを含んだエッチン
グ防止層が表面に現れていても、確実に溝内部の埋め込
みが可能となる。
【0031】さらに、エッチング防止層の層厚が0.2
μmを越えると、いかなるAl混晶比の条件でも閾値電
流密度が上昇してしまい、また、活性層での光閉じ込め
係数も大幅に悪化することになる。また、酸化防止層の
膜厚が0.01μm以下で薄く設定されていることによ
り、量子効果が得られて活性層からの光の吸収もなくな
る。
【0032】
【実施例】以下に本発明を実施例について説明する。
【0033】本発明の第1の実施例を示す半導体レーザ
装置は、図1において、n型GaAs基板101上に、
厚さ0.5μmのn型GaAsバッファ層102、厚さ
1.0μmのn型Al0.5Ga0.5As第1クラッド層1
03、厚さ0.08μmのAl0.13Ga0.87As活性層
104、厚さ0.35μmのp型Al0.5Ga0.5As第
2クラッド層105、厚さ0.05μmのp型Al0.25
Ga0.75Asエッチング防止層106、厚さ0.003
μmのp型GaAs酸化防止層107、厚さ0.01μ
mのp型Al0.6Ga0.4Asエッチングストップ層10
8、厚さ0.6μmのn型GaAs電流ブロック層10
9、厚さ1.0μmのp型Al0.5Ga0.5As第3クラ
ッド層110さらに厚さ1.5μmのp型GaAsコン
タクト層111が順次設けられている。n型GaAs電
流ブロック層109にはストライプ状の溝部112が形
成されており、このストライプ状で逆台形状の溝部11
2を埋めるとともにn型GaAs電流ブロック層109
上に積層してp型Al0.5Ga0.5As第3クラッド層1
10が設けられている。以上により半導体レーザ装置1
13が構成される。
【0034】この半導体レーザ装置113の作製手順に
ついて説明すると、まず、MOCVD法を用いた第1回
目のエピタキシャル成長で、n型GaAs基板101上
に、n型GaAsバッファ層102、n型Al0.5Ga
0.5As第1クラッド層103、Al0.13Ga0.87As
活性層104、p型Al0.5Ga0.5As第2クラッド層
105、p型Al0.25Ga0.75Asエッチング防止層1
06、p型GaAs酸化防止層107、p型Al0.6
0.4Asエッチングストップ層108、n型GaAs
電流ブロック層109を順次成長させる。このとき、p
型Al0.25Ga0.75Asエッチング防止層106の層厚
は0.05μm、p型GaAs酸化防止層107の層厚
は0.003μmとしている。次に、フォトリソグラフ
ィー技術とエッチング技術によりn型GaAs電流ブロ
ック層109さらにp型Al0.6Ga0 .4Asエッチング
ストップ層108を順次エッチング除去してストライプ
状溝部112を(0−11)方向に形成する。ただし、
−1は1の反転したものでありバー1を示している。こ
のとき、まず、GaAsのエッチングレートがAl0.6
Ga0.4Asのエッチングレートよりも十分に大きなエ
ッチング液、例えばアンモニア水溶液と過酸化水素水の
混合液によりn型GaAs電流ブロック層109のみを
選択的にエッチング除去する。次に、Al0.6Ga0.4
sのエッチングレートがGaAsのエッチングレートよ
りも十分に大きなエッチング液、例えばフッ化水素酸の
水溶液によりp型Al0.6Ga0.4Asエッチングストッ
プ層108のみを選択的にエッチング除去する。さら
に、再び、MOCVD法を用いた第2回目のエピタキシ
ャル成長により、n型GaAs電流ブロック層109上
およびストライプ状溝部112に、p型Al0.5Ga0.5
As第3クラッド層110さらにp型GaAsコンタク
ト層111を順次成長させる。以上により半導体レーザ
装置113が完成する。
【0035】上記構成により、Al0.5Ga0.5As第2
クラッド層105とGaAs酸化防止層107の間に、
活性層104より禁制帯幅が大きく第2クラッド層10
5よりAlの混晶比が低いAl0.25Ga0.75Asのエッ
チング防止層106が設けられているため、ストライプ
状溝部112を形成するときにGaAs酸化防止層10
7が部分的に表面欠陥やオーバーエッチング等が原因で
除去されたとしても、露出するのはAl混晶比の高いA
0.5Ga0.5As第2クラッド層105ではなく、Al
混晶比の低いAl0.25Ga0.75Asエッチング防止層1
06であり、従来のように、Alの混晶比の高いAl
0.5Ga0.5As第2クラッド105までもエッチングさ
れてしまうことを防止することができる。また、Alの
混晶比が低いためにGaAs酸化防止層107が除去さ
れた部分の酸化が比較的抑えられ、容易に第2回目の成
長が行え、また、素子特性や寿命への悪影響も低減でき
る。このエッチング防止層106は、Al混晶比が低い
ほど酸化がしにくくなり効果的であるが、活性層104
よりも禁制帯幅が小さくなると光の吸収が発生してしま
い素子特性に悪い影響を与える。よって、禁制帯幅を活
性層104よりも大きくする必要がある。一方、Al混
晶比が第2クラッド105と同等以上になると、エッチ
ング防止層106自体がエッチングを停止させる能力を
失ってしまう。なお、現在一般に用いられているフッ化
水素酸の水溶液などのように、Al混晶比の高いAlG
aAsのみをエッチングするエッチング液では、エッチ
ングできるAlGaAsのAl混晶比は0.4以上であ
る。したがって、現状では、エッチング防止層106が
その機能を果たすためには、Al混晶比を0.4以下す
るのが望ましい。
【0036】また、エッチング防止層106の層厚につ
いては、層厚があまり厚いとこの層に光を多く引き込ん
で、活性層104での光の閉じ込め係数が低下して閾値
電流密度が上昇し、また、層界面に垂直な方向の光分布
が変化してくる。図2のaにエッチング防止層の厚さと
活性層での光の閉じ込め係数の関係を、図2のbにエッ
チング防止層の厚さと閾値電流密度の関係を示す。図2
のa,bにおいて、エッチング防止層のAl混晶比xに
関して、本実施例のx=0.25の場合以外に、上限値
として望ましい値であるx=0.4の場合と、下限値と
して活性層と同じ値であるx=0.13の場合の3種類
について検討している。図2のbに示すように、エッチ
ング防止層の層厚が0.2μmを越えるといかなるAl
混晶比xの条件でも閾値電流密度が上昇してしまうこと
がわかる。したがって、エッチング防止層の層厚は0.
2μm以下であることが望ましい。本実施例におけるエ
ッチング防止層106の層厚は0.05μmと薄く設定
されているためこの層の存在自体による悪影響はまった
く無視して良い。
【0037】さらに、図2のaに示すように、エッチン
グ防止層106の厚さが0.1μm以下の領域では、層
厚の増加とともに活性層104での光の閉じ込め係数が
徐々に低下していくにもかかわらず、図2のbの閾値電
流密度は良化する現象が見られる。これは、エッチング
防止層106が屈折率の高い層であるために、層厚が厚
くなるとストライプ内部での等価屈折率とストライプ外
部での等価屈折率の差が大きくなり、水平方向でのスト
ライプ内部への光の閉じ込めが強くなり導波路吸収が減
ることによる。そして、より層厚が厚くなってくると活
性層104での光の閉じ込め係数の低下が非常に大きく
なり閾値電流密度が増加してくる。
【0038】本実施例では、酸化防止層107は0.0
03μmと非常に薄く設定している。この層は活性層か
らの光を吸収するため、薄ければ薄い程吸収が減って素
子特性が良くなる。特に、0.01μm以下の層厚にす
ると量子効果が発生し、この層の実質的な禁制帯幅が広
がって、この層の単位体積当りの光の吸収量が減って非
常に効果的である。本実施例における0.003μmと
いう設定の場合は、酸化防止層107の実質的な禁制帯
幅は量子効果により活性層104の禁制帯幅よりも広く
なっており全く光の吸収は起こらない。ただし、このよ
うに薄くすると、エッチングなどで抜けてしまう可能性
が高くなり、素子製作の歩留りを上げるためにはエッチ
ング防止層が欠くべからざるものとなる。
【0039】この量子効果を利用する場合は、エッチン
グ防止層106の混晶比と層厚の設定について注意しな
ければならない点がある。エッチング防止層106は、
隣接する酸化防止層107に量子効果をもたせようとす
る場合には、量子効果を発揮させるための障壁層の働き
も兼ねることになる。よって、エッチング防止層106
の禁制帯幅が酸化防止層107の禁制帯幅よりもある程
度以上大きく設定されていないと、酸化防止層107は
量子効果を失い、活性層からの光を大量に吸収すること
になってしまう。したがって、酸化防止層107に量子
効果を発揮させたい場合には、例えば酸化防止層107
がGaAsならば、障壁層のAl混晶比としては0.2
は必要であろう。しかし、仮に酸化等の問題でAl混晶
比を低く設定せざるを得ない場合でも、エッチング防止
層106と酸化防止層107の層厚の合計を0.01μ
m以下にしておけば、酸化防止層107とエッチング防
止層106が1つの量子井戸層として機能させることが
でき、第2クラッド層105および第3クラッド層11
0を障壁層とした量子効果を発揮させて光の吸収を抑え
ることができる。
【0040】さらに、エッチストップ層108の導電型
は電流ブロック層109とは反対のp型としている。こ
れによれば、エッチングする際の微細な付着物などが原
因で、ストライプ状溝部112の溝底部にこの層が一部
残ったとしても、導電型がまわりの酸化防止層107や
第3クラッド層110と同じであるため、電流注入時の
抵抗成分とはならない。したがって、素子作製の歩留り
が上がる。エッチングストップ層108をn型にした方
が、電流をブロックする領域が活性層に近づいて、スト
ライプ状溝部で絞り込まれた電流が活性層に広がる度合
を小さくすることができ、素子の特性上有利なのである
が、本実施例のようにエッチストップ層108の層厚が
薄い場合には、この点に関しては殆ど影響がないためp
型の方が有利といえる。
【0041】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。第2の実施例を示す半導体レーザ装置は、図3に
おいて、n型GaAs基板201上に、厚さ0.5μm
のn型GaAsバッファ層202、厚さ1.0μmのn
型Al0.5Ga0.5As第1クラッド層203、厚さ0.
08μmのAl0.13Ga0.87As活性層204、厚さ
0.35μmのp型Al0.5Ga0.5As第2クラッド層
205、厚さ0.05μmのp型Al0.25Ga0.75As
エッチング防止層206、厚さ0.003μmのp型G
aAs酸化防止層207、厚さ0.01μmのp型Al
0.6Ga0.4Asエッチングストップ層208、厚さ0.
6μmのn型GaAs電流ブロック層209、厚さ0.
01μmのn型Al0.1Ga0.9Asエピタキシャルサポ
ート層210、厚さ1.0μmのp型Al0.5Ga0.5
s第3クラッド層211さらに厚さ1.5μmのp型G
aAsコンタクト層212が順次設けられている。n型
GaAs電流ブロック層209にはストライプ状で台形
状の溝部213が形成されており、このストライプ状の
溝部213を埋めるとともにn型Al0.1Ga0.9Asエ
ピタキシャルサポート層210上に積層させてp型Al
0.5Ga0.5As第3クラッド層211が設けられてい
る。以上により半導体レーザ装置214が構成される。
【0042】この半導体レーザ装置214の作製手順に
ついて説明すると、まず、MOCVD法を用いた第1回
目のエピタキシャル成長で、n型GaAs基板201上
に、n型GaAsバッファ層202、n型Al0.5Ga
0.5As第1クラッド層203、Al0.13Ga0.87As
活性層204、p型Al0.5Ga0.5As第2クラッド層
205、p型Al0.25Ga0.75Asエッチング防止層2
06、p型GaAs酸化防止層207、p型Al0.6
0.4Asエッチングストップ層208、n型GaAs
電流ブロック層209、n型Al0.1Ga0.9Asエピタ
キシャルサポート層210を順次成長させる。次に、フ
ォトリソグラフィー技術とエッチング技術によりn型A
0.1Ga0.9Asエピタキシャルサポート層210、n
型GaAs電流ブロック層209、p型Al0.6Ga0.4
Asエッチングストップ層208を順次エッチング除去
してストライプ状溝部213を(0−1−1)方向に形
成する。このとき、まず、GaAsのエッチングレート
がAl0.6Ga0.4Asのエッチングレートよりも十分に
大きなエッチング液、例えばアンモニア水溶液と過酸化
水素水の混合液によりn型Al0.1Ga0.9Asエピタキ
シャルサポート層210とn型GaAs電流ブロック層
209を選択的にエッチング除去する。次に、Al0.6
Ga0.4AsのエッチングレートがGaAsよりも十分
に大きなエッチング液、例えばフッ化水素酸の水溶液に
よりp型Al0.6Ga0.4Asのエッチストップ層208
のみを選択的にエッチング除去する。さらに、LPE法
を用いた第2回目のエピタキシャル成長によりp型Al
0.5Ga0.5As第3クラッド層211さらにp型GaA
sコンタクト層212を順次成長させることにより半導
体レーザ装置214が完成する。
【0043】上記構成により、第1回目の成長で電流ブ
ロック層209上に酸化防止層207よりもAlの混晶
比の高いエピタキシャルサポート層210を設けている
ので、第2回目のエピタシャル成長をLPE法にて行う
場合にはより確実にストライプ状溝部213を埋め込む
ことができる。LPE法では成長させる表面に含まれる
Alが少ないほど成長速度が上がる。したがって、エピ
タキシャルサポート層210を設けておくと、ストライ
プ状溝部213の内部が溝外部のエピタキシャルサポー
ト層210上に比べて成長速度が高くなり、たとえ溝内
部にて部分的にAlを含んだエッチング防止層206が
表面に現れていても、確実にストライプ状溝部213の
埋め込みを行うことができる。
【0044】さらに、本発明の第3の実施例について説
明する。第3の実施例を示す半導体レーザ装置は、図4
において、n型GaAs基板301上に、厚さ0.5μ
mのn型GaAsバッファ層302、厚さ1.0μmの
n型Al0.5Ga0.5As第1クラッド層303、厚さ
0.05μmのAl0.08Ga0.92As活性層304、厚
さ0.45μmのp型Al0.5Ga0.5As第2クラッド
層305、厚さ0.02μmのp型Al0.2Ga0.8As
エッチング防止層306、厚さ0.003μmのp型G
aAs酸化防止層307、厚さ1.5μmのp型Al
0.45Ga0.55As第3クラッド層308さらに厚さ0.
1μmのp型GaAs保護層309が順次設けられてい
る。これらp型Al0.45Ga0.55As第3クラッド層3
08およびp型GaAs保護層309に対して台形状の
ストライプ状凸部312が形成されており、このストラ
イプ状凸部312の側面およびp型GaAs酸化防止層
307上に厚さ1.6μmのn型GaAs電流ブロック
層310を設け、さらに、n型GaAs電流ブロック層
310およびp型GaAs保護層309上にp型GaA
sコンタクト層311を設けている。以上により半導体
レーザ装置313が構成される。
【0045】この半導体レーザ装置313の作製手順に
ついて説明すると、まず、MOCVD法を用いた第1回
目のエピタキシャル成長で、n型GaAs基板301上
に、n型GaAsバッファ層302、n型Al0.5Ga
0.5As第1クラッド層303、Al0.08Ga0.92As
活性層304、p型Al0.5Ga0.5As第2クラッド層
305、p型Al0.2Ga0.8Asエッチング防止層30
6、p型GaAs酸化防止層307、p型Al0.45Ga
0.55As第3クラッド層308さらにp型GaAs保護
層309を順次成長させる。次に、フォトリソグラフィ
ー技術とエッチング技術によりp型GaAs保護層30
9さらにp型Al0.45Ga0.55As第3クラッド層30
8を順次エッチング除去してストライプ状凸部312を
(0−11)方向に形成する。このとき、まずストライ
プ状に残したい部分にのみ、SiO2やAl23等の酸
化膜でエッチングマスクを形成する。そして、GaAs
のエッチングレートがAl0.45Ga0.55Asのエッチン
グレートよりも十分に大きなエッチング液、例えばアン
モニア水溶液と過酸化水素水の混合液によりp型GaA
s保護層309のみを選択的にエッチング除去する。次
に、Al0.45Ga0.55AsのエッチングレートがG
aAsのエッチングレートよりも十分に大きなエッチン
グ液、たとえば熱塩酸の水溶液によりp型Al0.45
Ga0.55As第3クラッド層308のみを選択的にエッ
チング除去する。さらに、酸化膜のマスクを残したまま
の状態で、MOCVD法を用いた第2回目のエピタキシ
ャル成長によりn型GaAs電流ブロック層310を成
長させストライプ状凸部312の側面を埋め込む。この
とき、酸化膜上には多結晶は成長しない。この酸化膜を
エッチングにより除去し、最後に、MOCVD法を用い
た第3回目のエピタキシャル成長としてp型GaAsコ
ンタクト層311を成長させることにより半導体レーザ
装置313が完成する。
【0046】上記構成により、第1および第2の実施例
と同様に、Al0.5Ga0.5As第2クラッド層305と
GaAs酸化防止層307の間に、活性層304より禁
制帯幅が大きく第2クラッド層305よりAlの混晶比
が低いAl0.2Ga0.8Asエッチング防止層306が設
定されている。このため、ストライプ状凸部312の形
成時にGaAs酸化防止層307が部分的に表面欠陥や
オーバーエッチング等が原因で除去されたとしても、露
出するのはAl混晶比の高いAl0.5Ga0.5As第2ク
ラッド層305ではなく、Al混晶比の低いAl0.2
0.8Asエッチング防止層306である。そのため、
従来のようにAl混晶比の高いAl0.5Ga0.5As第2
クラッド層305までもエッチングされてしまうような
ことを防止することができる。また、Al混晶比が低い
ためにGaAs酸化防止層307が除去された部分の酸
化が比較的抑えられ、容易に第2回目の成長が行え、ま
た、素子特性や寿命への悪影響も低減できる。
【0047】なお、以上の実施例においては酸化防止層
107,207,307はGaAsであるが、成長装置
の性能によっては、GaAsで酸化防止層を形成しよう
としても、活性層で発生する光を透過し得るだけの量子
効果を持つような非常に薄い層厚を確実に作れない場合
がある。この場合は、酸化防止層を若干Alを混晶化さ
せてバンドギャップを大きくすることにより、量子効果
がやや小さくなる少し厚めの層厚で光を透過させるよう
にすることができる。但し、Al混晶化の程度は第2回
目の成長や素子の特性に悪影響を与えないと判断できる
ような微量に抑えておかねばならない。
【0048】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、酸化防止
層の表面欠陥やオーバーエッチング等に起因して、エッ
チングで酸化防止層が除去されても、クラッド層へのエ
ッチングや、露出したクラッド層の酸化による第2回目
の膜成長への阻害、素子特性および寿命の悪化を防止す
ることができ、したがって、素子作製不良の発生確率を
低減させることができて、高性能な半導体レーザ装置を
高歩留りで作製することができる。この効果は、第2回
目のエピタキシャル成長がLPE法、MOCVD法、M
BE法のいずれであったとしても得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す半導体レーザ装置
の断面図である。
【図2】図1の半導体レーザ装置におけるエッチング防
止層の層厚に対する活性層での光の閉じ込め係数と閾値
電流密度の依存性を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施例を示す半導体レーザ装置
の断面図である。
【図4】本発明の第3の実施例を示す半導体レーザ装置
の断面図である。
【図5】第1の従来例を示す半導体レーザ装置の断面図
である。
【図6】第2の従来例を示す半導体レーザ装置の断面図
である。
【図7】第3の従来例を示す半導体レーザ装置の断面図
である。
【図8】第4の従来例を示す半導体レーザ装置の断面図
である。
【図9】図7の半導体レーザ装置におけるクラッド層へ
のエッチングを示す不良品の断面図である。
【図10】図7の半導体レーザ装置における、露出した
クラッド層の酸化による第2回目の膜成長の阻害状態を
示す不良品の断面図である。
【符号の説明】
101,201,301 n型GaAs基板 102,202,302 n型GaAsバッファ層 103,203,303 n型Al0.5Ga0.5As第
1クラッド層 104,204 Al0.13Ga0.87As活性層 105,205,305 p型Al0.5Ga0.5As第2
クラッド層 106,206 p型Al0.25Ga0.75Asエッチン
グ防止層 107,207,307 p型GaAs酸化防止層 108,208 p型Al0.6Ga0.4Asエッチスト
ップ層 109,209,310 n型GaAs電流ブロック
層 110,211 p型Al0.5Ga0.5As第3クラッ
ド層 111,212,311 p型GaAsコンタクト層 112,213 ストライプ状溝部 113,214,313 半導体レーザ装置 210 n型Al0.1Ga0.9Asエピタキシャルサポ
ート層 304 Al0.08Ga0.92As活性層 306 p型Al0.2Ga0.8Asエッチング防止層 308 p型Al0.45Ga0.55As第3クラッド層 309 p型GaAs保護層 312 ストライプ状凸部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅原 聰 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 八木 久晴 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 伊藤 茂稔 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−77186(JP,A) 特開 平3−296290(JP,A) 特開 平1−304793(JP,A) 特開 昭63−72173(JP,A) 特開 平1−236676(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01S 3/18 JICSTファイル(JOIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型のGaAs基板上に少なくと
    も第1導電型のAlGaAs第1クラッド層、AlGa
    As活性層、第2導電型のAlGaAs第2クラッド
    層、該AlGaAs活性層より禁制帯幅が大きく該Al
    GaAs第2クラッド層よりAlの混晶比が低い第2導
    電型のAlGaAsエッチング防止層、第2導電型のG
    aAsまたはAlGaAs酸化防止層、第1または第2
    導電型のAlGaAsエッチングストップ層さらに第1
    導電型のGaAsまたはAlGaAs電流ブロック層が
    順次積層され、該AlGaAsエッチングストップ層お
    よびGaAsまたはAlGaAs電流ブロック層がスト
    ライプ状溝を形成するように部分的に除去され、該スト
    ライプ状の溝を埋めるように少なくとも第2導電型のA
    lGaAs第3クラッド層が積層され、さらに第2導電
    型のGaAsコンタクト層が積層された半導体レーザ装
    置。
  2. 【請求項2】 第1導電型のGaAs基板上に少なくと
    も第1導電型のAlGaAs第1クラッド層、AlGa
    As活性層、第2導電型のAlGaAs第2クラッド
    層、該AlGaAs活性層より禁制帯幅が大きく該Al
    GaAs第2クラッド層よりAlの混晶比が低い第2導
    電型のAlGaAsエッチング防止層、第2導電型のG
    aAsまたはAlGaAs酸化防止層、第1または第2
    導電型のAlGaAsエッチングストップ層、第1導電
    型のGaAsまたはAlGaAs電流ブロック層、さら
    に該GaAsまたはAlGaAs酸化防止層よりもAl
    の混晶比の高い第1または第2導電型のAlGaAsエ
    ピタキシャルサポート層が順次積層され、該AlGaA
    sエピタキシャルサポート層、GaAsまたはAlGa
    As電流ブロック層およびAlGaAsエッチングスト
    ップ層がストライプ状溝を形成するように部分的に除去
    され、該ストライプ状の溝を埋めるように少なくとも第
    2導電型のAlGaAs第3クラッド層が積層され、さ
    らに第2導電型のGaAsコンタクト層が積層された半
    導体レーザ装置。
  3. 【請求項3】 第1導電型のGaAs基板上に少なくと
    も第1導電型のAlGaAs第1クラッド層、AlGa
    As活性層、第2導電型のAlGaAs第2クラッド
    層、該AlGaAs活性層より禁制帯幅が大きく該Al
    GaAs第2クラッド層よりAlの混晶比が低い第2導
    電型のAlGaAsエッチング防止層、第2導電型のG
    aAsまたはAlGaAs酸化防止層、第2導電型のA
    lGaAs第3クラッド層さらに第2導電型のGaAs
    保護層が順次積層され、該AlGaAs第3クラッド層
    およびGaAs保護層がストライプ状凸部を形成するよ
    うに部分的に除去され、該GaAsまたはAlGaAs
    酸化防止層およびストライプ状の凸部の側面を埋め込む
    ように少なくとも第1導電型のGaAsまたはAlGa
    As電流ブロック層が積層され、さらに第2導電型のG
    aASコンタクト層が積層された半導体レーザ装置。
  4. 【請求項4】 前記エッチング防止層の膜厚が0.2μ
    m以下で、前記酸化防止層の膜厚が0.01μm以下で
    ある請求項1,2または3記載の半導体レーザ装置。
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