JP2945106B2 - 給紙装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、複数の給紙カセットを具備した給紙装置に
関する。

従来の技術 従来、それぞれサイズの異なる紙葉を積層状態で載置
する起伏自在の紙葉載置板を有する複数の給紙カセット
を設け、それぞれの紙葉載置板を押圧体により押圧して
紙葉載置板上の最上層の紙葉を給紙ローラに圧接させ、
この給紙ローラを回転させることにより紙葉を一枚ずつ
供給する給紙装置がある。

一方、紙葉を補給すべく給紙カセットを取り出すため
には紙葉載置板から押圧体を退避させ、給紙カセットを
セットした時には、押圧体を動作させて紙葉載置板を押
し上げ、これにより、最上層の紙葉を給紙ローラに圧接
させる必要がある。

このように、紙葉載置板を給紙ローラ側に押圧する方
法として、第一に、紙葉載置板を押圧する押圧体をスプ
リングにより押し上げ、給紙カセットの着脱操作に際し
ては押圧体をスプリングの力に抗して強制的に下方に退
避させるものがある。第二に、複数の給紙カセット毎に
紙葉載置板を個々にモータで昇降させるものがある。

発明が解決しようとする課題 押圧体をスプリングにより押し上げる方法は、押圧体
の下方にスプリングを配置するため、複数の給紙カセッ
トの間隔を広げなければならず、装置の全高寸法が大き
くなる。モータを使用する方法は、高価なモータを複数
個必要とするため、コストが高くなる。

課題を解決するための手段 請求項１の発明は、紙葉載置板が起伏自在に設けられ
た複数の給紙カセットと、これらの給紙カセットの装着
時に検出信号を出力する前記給紙カセット毎に設けられ
たセンサと、前記紙葉載置板のそれぞれに積層された最
上層の紙葉に接触する複数の給紙ローラと、上下動自在
に支持されて前記紙葉載置板に対向する押圧体と、複数
の前記押圧体を同時に同方向に駆動するように連結され
るとともに前記給紙カセット毎に設けられた全てのセン
サからの検出信号が出力された時に始動が許容される一
つのモータとにより構成した。

請求項２の発明は、各押圧体とモータとを連結する動
力伝達機構中にトルクリミッタを介装した。

作用 請求項１の発明は、複数の押圧体により紙葉載置板を
押し上げることにより、紙葉載置板上の最上層の紙葉を
給紙ローラに圧接させる時に、個々の給紙トレイ毎に設
けられた複数の押圧体を一つのモータで駆動することが
できるため、コストダウを図ることが可能となり、ま
た、個々の紙葉載置板の下方にスプリングを配置する必
要がないため、給紙カセットの間隔を狭めて全高寸法を
低くすることが可能である。

請求項２の発明は、紙葉載置板上の最上層の紙葉が給
紙ローラに圧接された状態では、紙葉載置板及び押圧体
の上方への動作が規制されるが、押圧体とモータとを連
結する動力伝達機構中にトルクリミッタが介装されてい
るため、モータに負荷が加えられる状態を回避すること
ができ、これに伴いモータの停止動作を正確に制御する
必要性をなくし、モータの制御回路を簡略化することも
可能となる。

実施例 本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。第１図
に示すように、複写機本体１が設けられている。この複
写機本体１の内部には、帯電チャージャ２により電荷を
印加されて帯電される回転自在の感光体３と、この感光
体３の帯電部分に原稿の読取画像を結像して静電潜像を
形成するスキャナ４と、感光体３上の静電潜像を現像す
る現像部５と、感光体３上の現像画像を紙葉に転写する
転写チャージャ６と、紙葉に転写された転写画像を定着
する定着部７と、排紙トレイ８に紙葉を排出する排紙ロ
ーラ９と、手差トレイ10から前記感光体３の近傍に位置
するレジストローラ11に紙葉を案内する手差通路12と、
レジストローラ11の近傍から垂下する下端開口の自動給
紙通路13とが設けられている。

前記複写機本体１は給紙装置の外筐14に載置されてい
る。この外筐14の内部には複数の給紙カセット15が着脱
自在に装着されている。これらの給紙カセット15は紙葉
16を積層状態で載置する起伏自在の紙葉載置板17を有し
ている。また、筐体14には、個々の給紙カセット15の最
上層の紙葉16に接触する回転自在の給紙ローラ18と、こ
れらの給紙ローラ18のそれぞれに圧接されたフリクショ
ンパッド19と、給紙ローラ18から引き出された紙葉16を
前記自動給紙通路13に搬送する回転自在の搬送ローラ20
と、各紙葉載置板17の下面に対向する上下回動自在の押
圧体21とが設けられている。これらの押圧体21は自重に
より下方に付勢されている。さらに、前記筐体14の内部
には前記給紙カセット15の側方を通るウォームギヤ22が
垂直な軸心をもって回転自在に設けられ、このウォーム
ギヤ22の上端は一つのモータ23に連結されている。

次いで、第２図に示すように、前記ウォームギヤ22に
噛合されたギヤ24と同軸上でトルクリミッタ26を介して
連結されたギヤ25と、このギヤ25に噛合されたギヤ27と
一体的に回転するギヤ28と、このギヤ28に噛合されたギ
ヤ29と、このギヤ29を支承する軸30に上下回動自在に保
持されたレバー31と、前記押圧体21の基部に固定された
軸32と一体的に回動するレバー33と、これらのレバー3
1,33に両端が張設されたスプリング34とが設けられてい
る。前記ギヤ29は奥側に付勢されて軸方向に移動自在に
支承されているが、給紙カセット15の装着動作に連動す
る連動部材（図示せず）の動作によって手前側に移動す
るように構成されている。また、前記ギヤ29の側面には
レバー31の側縁に当接する突部35が固定されている。し
たがって、給紙カセット15の装着時にはギヤ29がレバー
31側に移動するため、前記ギヤ29が前記モータ23に駆動
された場合、前記レバー31はギヤ29の突部35に押されて
第２図に仮想線をもって示すように反時計方向に回動し
前記スプリング34を引っ張り、前記レバー33を前記軸32
及び前記押圧体21とともに反時計方向に回動させる。こ
こに、前記モータ23の回転力を前記押圧体21に伝達する
動力伝達機構36が形成される。この動力伝達機構36の
内、ギヤ24により後段の動力伝達部材は各給紙カセット
15毎にその側面に配列されて前記筐体14の内部に設けら
れている。なお、第１図に示すように、上下方向に配列
された前記搬送ローラ20の間には、垂直面内で紙葉16を
案内する案内板37が設けられている。また、前記筐体14
にはそれぞれ前記給紙カセット15の装着時に検出信号を
出力して前記モータ23の回転運動を許容する複数のセン
サ（図示せず）が設けられているものである。

このような構成において、給紙カセット15が未装着の
状態では、ギヤ29は付勢力により奥側に位置してレバー
31から離反するが、給紙カセット15を装着すると、この
給紙カセット15の装着動作に連動する連動部材によって
手前側に寄せられレバー31に接近する。全ての給紙カセ
ットが装着された時は全てのセンサが検出信号を出力
し、これらの検出信号によってモータ23の始動が許容さ
れる。このモータ23の回転力を受けたギヤ29は反時計方
向に駆動され、レバー31は突部35に押されて反時計方向
に回転しスプリング34を介してレバー33を引っ張る。こ
れにより、押圧体21が反時計方向に回動して紙葉載置板
17を押し上げ、紙葉16が給紙ローラ18に圧接される。こ
の時点で押圧体21とレバー33との動作は制限されるた
め、レバー31はギヤ29とともになおも反時計方向に回転
するが、スプリング34の張力の増加に伴う負荷が一定値
に達すると、トルクリミッタ26がスリップするため、ギ
ヤ25より前段の動力伝達部材しか回転しない。この状態
で、給紙ローラ18と搬送ローラ20とを駆動することによ
り、紙葉16が給紙カセット15から自動給紙通路13に搬送
される。

また、紙葉16を補給するために給紙カセット15を引き
出す場合には、給紙カセット15の引き出し動作に連動す
る連動部材によってギヤ29が奥側に移動してその突部35
とレバー31との係合が外れるため、レバー31はスプリン
グ34の引張力により時計方向に回動する。これにより、
押圧体21がレバー33とともに自重によって時計方向に復
帰し、紙葉載置板17が自重で下がり、紙葉16が給紙ロー
ラ18から離反される。

以上のように、一つのモータ23で複数の紙葉載置板17
を昇降させるため、コストダウンを図ることができる。
さらに、紙葉16が給紙ローラ18に圧接された状態では、
トルクリミッタ26のスリップ動作によってモータ23に負
荷が加えられる状態を回避することができ、これに伴い
モータ23の停止動作を正確に制御する必要性をなくし、
モータ23の制御回路を簡略化することができる。さら
に、押圧体21を下方から押し上げるスプリングを設ける
必要がないため、各給紙カセット15の間隔を狭めて外筐
14の高さを低くすることができる。

なお、モータ23は手動スイッチの開閉動作により駆動
してもよいものである。

発明の効果 請求項１の発明は上述のように、紙葉載置板が起伏自
在に設けられた複数の給紙カセットと、これらの給紙カ
セットの装着時に検出信号を出力する前記給紙カセット
毎に設けられたセンサと、前記紙葉載置板のそれぞれに
積層された最上層の紙葉に接触する複数の給紙ローラ
と、上下動自在に支持されて前記紙葉載置板に対向する
押圧体と、複数の前記押圧体を同時に同方向に駆動する
ように連結されるとともに前記給紙カセット毎に設けら
れた全てのセンサからの検出信号が出力された時に始動
が許容される一つのモータとにより構成したので、複数
の押圧体により紙葉載置板を押し上げることにより、紙
葉載置板上の紙葉を給紙ローラに圧接させる時に、個々
の給紙トレイ毎に設けられた複数の押圧体を一つのモー
タで駆動することができるため、コストダウンを図るこ
とが可能となり、また、個々の紙葉載置板の下方にスプ
リングを配置する必要がないため、給紙カセットの間隔
を狭めて全高寸法を低くすることができ、さらに、全て
の給紙カセットが装着されていない限り給紙することが
できないため、用紙がない状態での空送り等の動作上の
不具合が発生するおそれがない等の効果を有する。

請求項２の発明は上述のように、各押圧体とモータと
を連結する動力伝達機構中にトルクリミッタを介装した
ので、紙葉載置板上の最上層の紙葉が給紙ローラに圧接
された状態では、紙葉載置板及び押圧体の上方への動作
が規制されるが、トルクリミッタのスリップ動作によっ
てモータに負荷が加えられる状態を回避することがで
き、これに伴いモータの停止動作を正確に制御する必要
性をなくし、モータの制御回路を簡略化することもでき
る等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので、第１図は内部構
造を示す正面図、第２図は動力伝達機構を拡大して示す
正面図である。 14……外筐、15……給紙カセット、16……紙葉、17……
紙葉載置板、18……給紙ローラ、21……押圧体、36……
動力伝達機構

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】紙葉載置板が起伏自在に設けられた複数の
   給紙カセットと、これらの給紙カセットの装着時に検出
   信号を出力する前記給紙カセット毎に設けられたセンサ
   と、前記紙葉載置板のそれぞれに積層された最上層の紙
   葉に接触する複数の給紙ローラと、上下動自在に支持さ
   れて前記紙葉載置板に対向する押圧体と、複数の前記押
   圧体を同時に同方向に駆動するように連結されるととも
   に前記給紙カセット毎に設けられた全てのセンサからの
   検出信号が出力された時に始動が許容される一つのモー
   タとよりなることを特徴とする給紙装置。
2. 【請求項２】各押圧体とモータとを連結する動力伝達機
   構中にトルクリミッタを介装したことを特徴とする請求
   項１記載の給紙装置。