JP2944389B2 - 複層ガラスの出隅部の取付構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、複層ガラスの窓構造に
関し、詳細には二枚の複層ガラスをＬ字状に配設した出
隅部の取付け構造に係るものである。

【０００２】

【従来の技術】一般住宅には外部からの意匠上、あるい
は内部空間を拡大する目的から出窓が多く取付けられ、
その構造は単板の固定ガラス板を突き合わせ、その部分
に接着材を充填塗布してシールするものから、近年は断
熱性や遮音効果を高める目的に使用される複層ガラスを
配設する場合があり、その取付けは例えば実開平４−８
４６９５号の公報には、一対の複層ガラスの各面が互い
に交わる状態で接合し、その接合部における内側のガラ
ス板の端縁部夫々、及び、外側のガラス板の端縁部夫々
を、互いに突き合わせた状態で接着してなる複層ガラス
の窓構造が開示され、また単板用サッシにアタッチメン
トを介して設けた複層ガラスの突き合わせ個所は、該ア
タッチメントの脚部端面と脚部側面とをＬ字状に突き合
わせ、その部分をコーキングして密封し、該脚部の室内
側、室外側に化粧カバーを接着して設けた複層ガラスの
突き合わせ構造が知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする問題点】実開平４−８４６９
５号の公報に記載されている複層ガラスの窓構造のもの
では、複層ガラスの突き合わせ部分のガラス板を斜めに
切断するため、特異な複層ガラスを使用しなければ間に
合わないという欠点があり、アタッチメントを使用する
後者のものは、単板用サッシに複層ガラスを使用するこ
とができる特徴を有するが、複層ガラスの厚みによって
は室外側カバーはその都度寸法が替わるもので、取扱い
の品数も多くなり、また現場打設のコーキングによって
作業工程数も多くなるという問題があった。

【０００４】

【問題点を解決するための手段】本発明はかかる問題点
の改良に加え取付けが簡単にでき、コーナー部を室内、
室外から見て仕上げられた出隅構造の提供を目的とし
て、複層ガラス５の厚さより狭い厚みの脚部６を室内側
寄りに有してなる長尺のアタッチメント４を該複層ガラ
ス５の全周縁に嵌着させた２枚の窓ガラスをその縦方向
端部を間隙を有して互いにＬ字状に付き合わせて立設
し、上辺および下辺のアタッチメントの脚部６をサッシ
溝に挿入して固定した複層ガラスからなる出窓の出隅を
室内側カバー１０及び室外側カバー１１の組み合わせで
挟持した取付構造であって、該室内側カバー１０は、該
アタッチメント４、４の両方の脚部６、６の室内側面と
当接するように屈曲した長尺の板状部と、該室内側カバ
ー１０の外側角度の二等分位置に該屈曲点より室外方向
に突出するＵ字状の支持部材８からなり、該Ｕ字状の支
持部材８の先端内側には相対向する凸部１７が設けら
れ、かつ先端部が弾性的に開閉動自在となっているアル
ミ押出し型材で一体に成形された構造であり、該室外側
カバー１１は、複層ガラス５の外表面と面一となるよう
に屈曲した長尺の板状部と、該カバーの内側角度の二等
分位置に屈曲点より室内方向に突出し、該支持部材８の
Ｕ字状溝に挿入される先端が矢じり状の相対向する凹部
１６を持つ楔着部材１５と、該板状部の両先端部内側に
は縦方向に係止孔１３とを設けてなるアルミ押出し型材
で一体に成形された構造であり、かつ、縦方向のアタッ
チメント４の脚部６に接触し、押圧して室内外を密封す
るのに十分な厚みの長尺弾性ガスケット１２を複層ガラ
ス５の厚みに応じて選択して該係止孔１３に挿着して室
内側カバー及び室外側カバーを組み合わせて挟持させた
ことを特徴とする複層ガラスの出隅部の取付構造を提供
する。

【０００５】室外用カバーと楔着部材や室内用カバーと
支持部材は、例えばアルミ押出し型材で各々を一体に成
形することができ、ガスケットは弾力性を有するゴム材
を使用する。

【０００６】

【作用】Ｌ字状に配設するアタッチメントの脚部をガス
ケットを介して室外用カバーと室内用カバーとで挟む取
付け構造は、楔着部材を支持部材に挿入し、かつ楔着部
材の凹部に支持部材の凸部が圧接して係止する構成によ
り容易な挿着が計られ、同一寸法の各カバーにガスケッ
トの厚みを替えれば、例えば厚みが１２、１６ｍｍ等い
ずれの複層ガラスにも適用でき、該ガスケットの使用に
より現場打設のコーキングを必要とせず、室内用カバー
と室外用カバーとにより突き合わせ部分の美的仕上げを
容易に施すことができる。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図１は本発明の一部を切欠省略した複層
ガラスをＬ字状に取付けた出隅部の横断面図を示し、図
２は厚みの替わる図１の複層ガラスより薄い複層ガラス
に対してガスケットをより薄いものに替えた態様を示す
横断面図、図３は分割した各カバーの端面を示す（イ）
は室外用カバー、（ロ）は室内用カバーの側面図であ
る。

【０００８】ガラス板１、１間にスペーサー２を介在
し、その周面を接着剤３で封着した複層ガラス５の全周
縁にアタッチメント４を嵌着し、上辺、下辺の該アタッ
チメントの脚部６を上下に横設する図示されないサッシ
の溝に挿入して固定する。該複層ガラスの左右縦縁はそ
の脚部６の先端とＬ字状に隣接する他方の複層ガラス５
に嵌着したアタッチメントの脚部６の先端と隙間を設け
て配設し、該隙間には室内側から支持部材８を挿入し
て、前もって両面接着テープ９を貼着した脚部６の室内
側面に前記支持部材８と一体な室内用カバー１０を圧着
すれば、直角に曲がった室内用カバー１０は脚部６、６
に当着される。

【０００９】直角に構成した室外用カバー１１の両先端
にガスケット１２を挿着する係止孔１３を設け、その屈
曲点から直角に曲がった該カバーの二等分位置に突起す
る先端が矢じり状の楔着部材１５を前記支持部材８のＵ
字溝に挿入すれば、該楔着部材に設けた凹部１６に、Ｕ
字状の支持部材８によるバネ作用により、その先端が開
閉動自在な対向の凸部１７が嵌まって係止し、前記室外
用カバー１１を挿着する。挿着する室外用カバー１１は
係止孔１３に設けた弾性ガスケット１２の当接により屈
曲角度がわずかに開き、バネ状のその反力により該ガス
ケットを押圧し、ガスケット１２は脚部６への圧接によ
り複層ガラス５は室内外を密封する。

【００１０】図２に示すように複層ガラス５の厚みが替
わった場合にも、室外用カバー１１の両先端に設けた係
止孔１３に係着せしめるガスケット１２の厚みを替え
て、楔着部材１５に設けた奥側の凹部１６に支持部材の
凸部１７が嵌まれば、Ｕ字状の構造からなる支持部材８
のバネ作用により楔着部材１５を介して室外用カバー１
１を挿着支持することができるため、同一寸法で造られ
た各カバー１０、１１を適用することができる。また複
層ガラス５、５の配設は必ずしも直角に限定することな
く、脚部６、６のＬ字状の突き合わせ角度が鈍角であれ
ば室内用カバー１０および室外用カバー１１をその角度
に合わせたアルミの押出し型材を使用すればよく、さら
に室内側カバー１０を両面接着テープ９による接着に加
え、ガスケット１２も脚部６に接着する構成にして室外
用カバー１１を支持してもよく、両面接着テープ９を省
略してもよい。

【００１１】以下、本発明の作用を説明する。Ｌ字状に
配設した複層ガラス５のコーナー部を仕上げる室内用カ
バー１０と室外用カバー１１とは、両面接着テープ９に
固着された室内用カバー１０に一体に設けたバネ力が働
くＵ字状の支持部材８に、室外用カバー１１と一体な楔
着部材１５を挿入することにより容易な取付けができ、
その室外用カバー１５は楔着部材に設けた凹部１６、１
６と支持部材の凸部１７、１７とが嵌まり合うため、該
凹部の配設ピッチとガスケット１２の厚みとの兼ね合い
で屈曲した室外用カバー１１に張力が作用し、その反力
でガスケット１２、１２をアタッチメントの脚部６、６
に圧接してシール性能を保持し、従来からの現場におい
て打設するコーキング作業を省くことが可能となる。厚
みの異なるガスケット１２を使用すれば、厚みの異なる
複層ガラス５、例えば１２、１６ｍｍ用のものを同一寸
法のカバー部材１０、１１で賄うこともでき、該カバー
の室外面や室内面に彫り込み等の模様を設ければ装飾性
をもより高めることができる。

【００１２】

【発明の効果】本発明は、複層ガラスのコーナー部に直
交するアタッチメントの脚部を室内用カバーと室外用カ
バーとで挟持状に取付け、その取付けは支持部材と楔着
部材との挿入着により容易になり、該楔着部材に配設す
る凹部のピッチと屈曲した室外用カバーの反力、ガスケ
ットの厚みとにより該ガスケットと脚部との圧接を確実
にするためシール性能を高め、室内外用のカバー表面に
模様を設ければより高級志向の取付け部材となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一部を切欠省略した複層ガラスをＬ字
状に取付けた出隅部の横断面図を示す。

【図２】厚みの替わる複層ガラスに嵌着したアタッチメ
ントの態様を示す横断面図。

【図３】分割した各カバーの端面を示し、（イ）は室外
用カバー、（ロ）は室内用カバーの側面図である。

【符号の説明】４ ・・・・・・アタッチメント５ ・・・・・・複層ガラス ６・・・・・・脚部 ８・・・・・・支持部材 １０・・・・・・室内用カバー １１・・・・・・室外用カバー １２・・・・・・ガスケット １５・・・・・・楔着部材 １６・・・・・・凹部 １７・・・・・・凸部

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複層ガラス５の厚さより狭い厚みの脚部６
   を室内側寄りに有してなる長尺のアタッチメント４を該
   複層ガラス５の全周縁に嵌着させた２枚の窓ガラスをそ
   の縦方向端部を間隙を有して互いにＬ字状に付き合わせ
   て立設し、上辺および下辺のアタッチメントの脚部６を
   サッシ溝に挿入して固定した複層ガラスからなる出窓の
   出隅を室内側カバー１０及び室外側カバー１１の組み合
   わせで挟持した取付構造であって、 該室内側カバー１０は、該アタッチメント４、４の両方
   の脚部６、６の室内側面と当接するように屈曲した長尺
   の板状部と、該室内側カバー１０の外側角度の二等分位
   置に該屈曲点より室外方向に突出するＵ字状の支持部材
   ８からなり、該Ｕ字状の支持部材８の先端内側には相対
   向する凸部１７が設けられ、かつ先端部が弾性的に開閉
   動自在となっているアルミ押出し型材で一体に成形され
   た構造であり、 該室外側カバー１１は、複層ガラス５の外表面と面一と
   なるように屈曲した長尺の板状部と、該カバーの内側角
   度の二等分位置に屈曲点より室内方向に突出し、該支持
   部材８のＵ字状溝に挿入される先端が矢じり状の相対向
   する凹部１６を持つ楔着部材１５と、該板状部の両先端
   部内側には縦方向に係止孔１３とを設けてなるアルミ押
   出し型材で一体に成形された構造であり、 かつ、縦方向のアタッチメント４の脚部６に接触し、押
   圧して室内外を密封するのに十分な厚みの長尺弾性ガス
   ケット１２を複層ガラス５の厚みに応じて選択して該係
   止孔１３に挿着して室内側カバー及び室外側カバーを組
   み合わせて挟持させたことを特徴とする複層ガラスの出
   隅部の取付構造。