JP2942521B2 - 耐候(光)試験機のスプレー用水中のシリカ成分自動測定装置 - Google Patents

耐候(光)試験機のスプレー用水中のシリカ成分自動測定装置

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  • Investigating Or Analyzing Non-Biological Materials By The Use Of Chemical Means (AREA)
  • Testing Resistance To Weather, Investigating Materials By Mechanical Methods (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、染料・鋼板・プラ
スチックなどが主として、光・降雨などによって劣化す
る状態を促進試験する耐候(光)試験機に関わるもの
で、試料表面に降雨されるスプレー用水中のシリカ成分
を光学的に測定し、限界値に到達すると信号を発し、対
象物を制御して常にシリカ成分に起因する試料表面の性
状変化の影響をなくし、測色・光沢及び腐食などの評価
を再現性よく試験できるスプレー用水中のシリカ成分自
動測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】耐候(光)試験機のスプレー用水中にシ
リカ成分があると、試料表面にその残存物として残り、
試料の劣化物と見誤ることがあるため、イオン交換水を
用いてスプレーを行っている。
【0003】イオン交換水において、その純度を知る方
法として電気伝導率によるものが多く使われているが、
イオン交換樹脂の能力が低下すると、電気伝導率は急激
に上昇するために、数μs/cm以下を使用可とし、こ
れを越えたら樹脂の交換・再生を行う必要がある。
【0004】しかし、シリカ成分は電気伝導率が1μs
/cm以下でも、既に流出し始めることもあるので、予
め1μs/cmに到着するイオン交換樹脂の採水量及び
使用時間の関係を調べておき、これより少ない使用時間
でシリカ成分が流出する前に樹脂の交換・再生をしてし
まう方法がとられてきた。
【0005】この方法だと原水の純度の変動によって採
水量は変わり、従って、使用時間が変わってしまうた
め、時には予測の到達時間まで使用すると、既に数μs
/cmの電気伝導率があり、シリカ成分は当然その前か
ら流出していたといったことが起き、その結果、試料面
にシリカ成分の残渣の付着が生じてしまう。
【0006】従って、厳密に行う場合は、スプレー用水
を時々採取しては、化学分析を行い、シリカ成分を検出
する方法、即ちJIS K 0101(工業用水試験方
法)に規定のモリブデン黄吸光光度法が行われてきた。
【0007】例えば、スプレー用水20mlを光学セル
に入れ、これにモリブデン酸アンモニウム液を1ml滴
下し、次いで、希塩酸溶液を1ml滴下し、反応させ
る。約15分間の後、分光光度計で波長410〜450
nmの吸光度を測定し、予め作成した検量線に従って、
シリカ量を求め、規定範囲に到達したら、イオン交換樹
脂の交換・再生を行う方法がとられてきた。
【0008】しかし、通常の耐候(光)試験は昼夜連続
で7〜10日間は普通であり、従来のシリカ成分検出方
法では、極めて面倒な作業で誰でもが簡単にできない欠
点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記したように、従来
の技術は、予め1μs/cmに到着するイオン交換樹
脂の採水量及び使用時間の関係を調べておき、これより
少ない使用時間でシリカ成分が流出する前に樹脂の交換
・再生を行う方法、スプレー用水を時々採取しては化
学分析を行い、シリカ成分を検出するモリブデン黄吸光
光度法により、反応液を分光光度計で吸光度を測定し、
予め作成した検量線に従って、シリカ成分量の交換・再
生を行う方法がとられてきた。
【0010】上記の方法は、前述したように極めて面倒
な作業であり、誰でもが簡単にできない欠点があり、ま
してや昼夜連続運転中の耐候(光)試験の場合は、人手
による手動測定の対応は現実的な問題として難しく、そ
の結果、貴重な試料の損失と時間浪費の不都合さは皆無
ではなかった。本発明の知り得る範囲では、この点を解
消したものはまだ知られていない。
【0011】本発明が解決しようとする課題は、昼夜連
続の耐候(光)試験に対応できる無人化方式で、シリカ
成分の検出能力を0.2ppmとしたモリブデン黄吸光
光度法の改良である。その要点は、従来の分光光度計に
よる波長410〜450nmの吸光度測定に対し、本発
明は、シリカ濃度の変化に対応する透過率の変化割合が
最大となる波長、即ち400nm(△λ1/2=17.
5nm)の狭帯域フィルターを実験的に求め、測定方法
は、蒸留水に対する。測定液(スプレー用水)の常時比
較方法による光学条件をしたスプレー用水中のシリカ成
分自動測定装置を提供することにある。
【0012】該スプレー用水中のシリカ成分自動測定装
置の提供は、シリカ成分の流出に気付かずに試験を続行
し、試料面上に降雨後に残存するシリカ成分を試料の劣
化による堆積物と誤って判定するトラブル等の欠点を解
決するために発明されたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記、目的を達成するた
めに本発明の耐候(光)試験機のスプレー用水中のシリ
カ成分自動測定装置2は、耐候(光)試験機1のスプレ
ー用水中のシリカ成分を検出するもので、構成は光源2
1と2組のフィルター22、ミラー23、受光器24と
測定光学セル25、補償光学セル27及びモリブデン酸
アンモニウム溶液32タンクと微量滴下器33、希塩酸
溶液34タンクと微量滴下器35、給水電磁弁29、排
液電磁弁30、自動制御盤38、比較演算回路36及び
信号発信器37から成り立っている。
【0014】動作内容は、測定光学セル25及び補償光
学セル27の両方に規定量の蒸留水28を自動注入後4
00nm近傍の光を両者光学セルに入射させ、光学的に
標準合わせを完了させる。
【0015】自動制御盤38の指令で測定光学セル25
内の蒸留水を排水電磁弁30を開にして排水、後に閉に
し、給水電磁弁29を開にして規定量のスプレー用水を
測定光学セル25に注入する。
【0016】モリブデン酸アンモニウム溶液32の所定
量を微量滴下器33で該測定光学セル25に自動滴下、
次いで、希塩酸溶液34の所定量を微量滴下器35で同
様に自動滴下する。
【0017】反応の時間経過後光源21、受光器24で
フィルター22透過後の400nm近傍の光で、蒸留水
入り補償光学セル27に対する測定光学セル25の測定
液(スプレー用水)26の透過率或いは吸光度を自動測
定する。
【0018】上記自動測定した値を比較演算回路36に
より、シリカ濃度を算出し、比較演算回路36内に記憶
されたシリカ濃度の限界値に到達すると、信号発信器3
7が作動し、警報を発するとともに耐候(光)試験機1
の運転を停止させる等の制御機能を備えた耐候(光)試
験機のスプレー用水中のシリカ成分自動測定装置。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の耐候(光)試験機1のス
プレー用水中のシリカ成分自動測定装置2では、JIS
K 0101(工業用水試験方法)に規定のモリブデ
ン黄吸光光度法に、光学的・電気的測定及び制御方法を
取り込み、光学的に400nm(△λ1/2=17.5
nm)の透過率或いは吸光率を測定し、比較演算回路3
7内に内蔵された中央処理装置CPUによりシリカ濃度
を算出して限界値に到達すると発信器が作動し、警報を
発するとともに耐候(光)試験機1の運転を停止させる
方式を具備させた。
【0020】以下、本発明の実施の一形態を図1、図
2、図3及び図4に基づいて説明する。
【0021】図1は本発明の耐候(光)試験機のスプレ
ー用水中のシリカ成分自動測定装置の構成図で、構成の
大要は耐候(光)試験機1、シリカ成分自動測定装置2
及びスプレー水供給装置3の3部内より成り立ってい
る。以下、各部を説明する。
【0022】まず、耐候(光)試験機1は、試験槽11
中央に耐候(光)用光源12を置き、該耐候(光)用光
源12を中心に回転する試料枠13に取り付けるホルダ
14を有し、前記、ホルダ14に取り付けられた試料1
5の照射表面に人工降雨用のスプレーノズル16などよ
り構成される。
【0023】一方、シリカ成分自動測定装置2は光源2
1からの光束を2方向に分岐し、変動補償方式のため安
定性が良く、2組のフィルター22、受光器24と測定
光学セル25、補償光学セル27、モリブデン酸アンモ
ニウム溶液32タンクと微量滴下器33、希塩酸溶液3
4タンクと微量滴下器35、給水電磁弁29、排液電磁
弁30、自動制御盤38、比較演算回路36及び信号発
信器37より構成される。
【0024】次に、スプレー水供給装置3は、イオン交
換樹脂及び前処理・後処理のためのろ過器等より構成さ
れ、採取した純水は水質計による電気伝導率(μs/c
m)の管理、更に自動制御器38の指令で給水電磁弁2
9を所定時間毎に開閉して純水を測定光学セル25に規
定量を注入し、本発明のシリカ成分自動測定装置2によ
りシリカ濃度を算出し、限界値を超えない範囲の純水を
人工降雨用スプレー用水として供給している。
【0025】次に、本発明の実施の一形態を測定動作順
に以下、説明する。
【0026】動作内容は、測定光学セル25及び補償光
学セル27の両方に規定量の蒸留水28を自動注入後4
00nm(△λ1/2=17.5nm)の光を両者光学
セルに入射させ、光学的に標準合わせを完了させる。
【0027】自動制御盤38の指令で測定光学セル25
内の蒸留水を排水電磁弁30を開にして排水、後に閉に
し、給水電磁弁29を開にして規定量のスプレー用水を
測定光学セル25に注入する。
【0028】モリブデン酸アンモニウム溶液32の所定
量を微量滴下器33で該測定光学セル25に自動滴下、
次いで、希塩酸溶液34の所定量を微量滴下器35で同
様に自動滴下する。
【0029】反応の時間経過後光源21、受光器24で
フィルター22透過後の400nm(△λ1/2=1
7.5nm)の光で、蒸留水入り補償光学セル27に対
する測定光学セル25の測定液(スプレー用水)26の
透過率或いは吸光度を自動測定する。
【0030】上記自動測定した値を比較演算回路37内
に内蔵された中央処理装置CPUにより、シリカ濃度を
算出して限界値に到達すると、信号発信器37が作動
し、警報を発するとともに耐候(光)試験機1の運転を
停止させたり、或いは予備のスプレー水供給装置に切り
換える等の制御機能を備えた耐候(光)試験機のスプレ
ー用水中のシリカ成分自動測定装置を提供する。
【0031】図2はシリカ濃度と波長と透過率の関係を
示した分光透過率特性で、蒸留水1Lにシリカ(SiO
2)を 0.5、1、10、50mg及び100mgを溶
かした溶液(mg/L)及び水道水を光路長100mm
で測定した場合の実験例である。光路長はその他50、
70、90mmの光学セルについても測定したが、光路
長が短いと濃度変化に対する透過率の変化割合が少な
く、実用上、100mmが好ましく採用した。
【0032】図3はシリカ濃度(mg/L)を0.5、
1、2、3、4、5、6及び7mg/Lに変化させた場
合の対応する透過率(%)をプロットし、その点を結ん
だ検量線である。測定条件は図4に開示した光学系を使
用した。主な仕様は、光路長=100mm、測定波長4
00nm(△λ1/2=17.5nm)、試料水量=約
50ml、受光器=シリコンフォトダイオードである。
【0033】なお、シリカ濃度(mg/L)の限界値
は、最終的に0.2mg/L(=0.2ppm)を選定
した。
【0034】その根拠は、(イ)各種実験の積み重ねの
結果、光学的にも電気回路的にも充分応答可能な技術的
裏付けがあること、(ロ)ASTM G 26-95 Stan
dardPractice for Operationg Light - Exposure Appar
atus (Xenon-Arc Type) Withand Without Water for Ex
posure of Nonmetallic Materials において、シリカ成
分を0.2ppmと規定していること、以下2件の内容
を含めて発明の実施の形態を定めた。
【0035】
【発明の効果】この発明にかかる耐候(光)試験機のス
プレー用水中のシリカ成分自動測定装置は、以上説明し
たように構成されているので、以下に記載されるような
効果を奏する。
【0036】本発明によれば、モリブデン黄法を自動的
に行い、且つシリカ成分の流出が限界値に到達すると、
信号を発するので警報ブザーを鳴らしたり、場合によっ
てはこの信号を利用して耐候(光)試験機を停止するこ
ともできる。
【0037】この時点で、イオン交換樹脂の交換或いは
再生を行い、耐候(光)試験を再開できるので、シリカ
成分の流出に気付かずに試験を続行し、試料面上に降雨
後に残存するシリカ成分を試料の劣化による堆積物と誤
って判定するトラブルは完全に解消された。
【0038】従って、極めて再現性の良い劣化試験が可
能となり、社内的な試験の再現性は元より他社との試験
の相関性も良好で問題も解決し、従来の技術に比べ、人
件費及び運転費を含めた管理費が大幅に低減した。
【0039】従って、各企業が本発明の装置を設備しや
すくなり、塗料・鋼板・プラスチックなどの効果的な耐
候(光)試験を行うことが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるスプレー用水中のシリカ成分自動
測定装置の一実施例を示す構成図である。
【図2】シリカ濃度と波長と透過率の関係を測定した分
光透過率特性図である。
【図3】本発明の装置と従来の装置との測定波長範囲の
相違によるシリカ濃度に対する透過率特性。
【図4】本発明によるシリカ成分の光学的検出の一実施
を示す光学セルの断面図である。
【符号の説明】
1 耐候(光)試験機 2 シリカ成分自動測定装置 3 スプレー水供給装置 12 光源 15 試料 16 ノズル 21 光源(ハロゲンランプ) 22 フィルター 24 受光器 25 測定光学セル 27 補償光学セル 29 給水電磁弁 32 モリブデン酸アンモニウム溶液 33 微量滴下器 34 希塩酸溶液 35 微量滴下器 36 比較演算回路 37 信号発信器 38 自動制御盤 41 光学セル 42 石英ガラス
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 21/78 G01N 17/00 G01N 31/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試験槽11中央に光源12を置き、この
    光源12を中心に回転する試料枠13に取り付けるホル
    ダー14を有する耐候(光)試験機でホルダー14に取
    り付けた試料15の照射表面にノズル16から人工降雨
    させるスプレー用水中のシリカ成分の検出に関するもの
    で、シリカ成分自動測定装置2は、光源21と2組のフ
    ィルター22、ミラー23、受光器24と測定光学セル
    25、補償光学セル27及びモリブデン酸アンモニウム
    溶液32タンクと微量滴下器33、希塩酸溶液34タン
    クと微量滴下器35、給水電磁弁29、排液電磁弁3
    0、自動制御盤38、比較演算回路36及び信号発信器
    37からなり、測定は、(a)測定光学セル25及び補
    償光学セル27の両方に規定量の蒸留水28を自動注入
    後400nm近傍の光を両者光学セルに入射させ、光学
    的に標準合わせを完了後、(b)自動制御盤38の指令
    で測定光学セル25内の蒸留水を排水電磁弁30を開に
    して排水、後に閉にし、(c)給水電磁弁29を開にし
    て規定量のスプレー用水を測定光学セル25に注入、モ
    リブデン酸アンモニウム溶液32の所定量を微量滴下器
    33で該測定光学セル25に自動滴下、(d)次いで、
    希塩酸溶液34の所定量を微量滴下器35で同様に自動
    滴下し、(e)反応の時間経過後光源21、受光器24
    でフィルター22透過後の400nm近傍の光で、蒸留
    水入り補償光学セル27に対する測定光学セル25の測
    定液(スプレー用水)26の透過率或いは吸光度を自動
    測定、(f)その値を比較演算回路36によりシリカ濃
    度を算出し、限界値に到達すると、信号発信器37が作
    動し信号を発し、制御することを特徴とする耐候(光)
    試験機のスプレー用水中のシリカ成分自動測定装置。
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